JP3742011B2 - ブレーキシリンダ積空装置 - Google Patents

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    • B60T8/18Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force responsive to vehicle weight or load, e.g. load distribution
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Description

【0001】
発明の分野
本発明は包括的に、鉄道車両のブレーキを制御するシステムに関する。特に、本発明は、鉄道車両の台車の車輪に加えるブレーキ力を算出する際に、台車が担持している荷重の重量を補償するブレーキ装置に関する。
【0002】
発明の背景
以下の背景情報は、読者が本明細書に開示されている発明だけでなく、本発明を最も使用しやすい環境も理解できるようにするために提供されている。ここに使用されている用語は、本明細書にそうでないことが特記されていなければ、特別な狭い解釈に制限されることはない。
【0003】
貨物列車は、1つまたは複数の機関車と、複数の鉄道車両と、ブレーキ管と呼ばれる空気圧引き通し線とを含む。ブレーキ管は本質的に、列車の先頭機関車から最後尾の車両まで延びた1本の長い連続管である。ブレーキ管は実際に、一連の相互接続パイプ部品で構成されており、図1に示されているように、各鉄道車両の下側に1本のパイプ部品1aが固定されている。このため、列車のブレーキ管は、各車両のパイプ部品1aをグラッドハンド(すなわち、連結器)2で隣接の各車両のパイプ部分1aに接続することによって形成されている。ブレーキ管は、常用および非常ブレーキコマンドを先頭機関車のブレーキ制御システムから列車の各車両に伝達する手段である。各鉄道車両の空気圧ブレーキ装置が枝管3を経て接続しているのは、ブレーキ管である。
【0004】
各鉄道車両の空気圧ブレーキ装置は一般的に、2つの貯蔵タンク4および5と、1つまたは複数のブレーキシリンダ6と、少なくとも1つのブレーキ制御弁7、たとえば、ウェスティンハウス・エア・ブレーキ・カンパニ(Westinghouse Air Brake Company)(WABCO)製のADB、ABDXまたはABDW形の弁とを含む。ブレーキ制御技術で周知の状態において、ブレーキ制御弁7は、ブレーキ管1aから受け取った加圧空気を2つのタンク4および5に充填する。ブレーキ制御弁7が実際にこれらの2つのタンクに充填するか、ブレーキをかけるためにこれらのタンク4/5の一方または両方にすでに貯蔵されている加圧空気をブレーキシリンダ6に送るかどうかを決定するのは、ブレーキ管1a内の圧力レベルである。
【0005】
鉄道産業で使用されているブレーキシリンダには多くの様々な種類がある。図2に示されているように、ブレーキシリンダは一般的に、ピストンおよびロッドアセンブリ60と、戻しばね65と、これらの部品を封入したハウジング70とを含む。ハウジングは、一端部に入口ポート71を、他端部に開口72を備え、その開口からロッドアセンブリ60の端部が突出している。ロッドアセンブリ60は、そのヘッド端部のピストンヘッド61を特徴としている。WABCO製のブレーキシリンダでは、ピストンヘッド61は一般的に、その前側、すなわち、入口ポート71に面した側に固定的にはめ付けられたパッキングカップ62を有する。ロッドアセンブリ60と同心状の戻しばね65が、ピストンヘッド61の後側と開口72の周囲に位置する環状ばね受け79との間に圧縮されている。ばね65は、ロッドアセンブリ60を、パッキングカップ62が入口ポート71に隣接した位置をとる解除位置に押し付ける働きをする。開口72からロッドアセンブリ60の他端部が突出している。この突出端部69によって、ロッドアセンブリ60はブレーキリギング(図示せず)に連結される。ブレーキリギングは、ブレーキシュー(図示せず)に連結される。
【0006】
ブレーキ制御弁7からの空気が入口ポート71に流入すると、圧力が上昇してパッキングカップ62の表面積を押し付け、それに強く作用する。パッキングカップ62の前側に作用する力が、戻しばね65がピストンヘッド61の後側に加える力を超えた時、ピストンヘッドがばね65に逆らって移動し、それをさらに圧縮する。これによってロッドアセンブリ60の突出端部69が押し進められて、ブレーキシリンダ6の開口72から延出する。ロッドアセンブリ60のそのような移動によって発生した機械力は、ブレーキリギングによってブレーキシューに伝達され、ブレーキシューから車輪の回転の強制的減速および停止の両方またはいずれか一方に使用される。鉄道車両の車輪およびディスクブレーキの両方またはいずれか一方に加えられるブレーキ力の大きさは、パッキングカップ62の入口に面する側を押し付けるように増加した圧力に正比例する。もちろん、最終的には、ブレーキを鉄道車両にかけるかどうか、また、どの程度にするかを決定するのは、ブレーキ管1a内の圧力レベルである。
【0007】
鉄道産業で使用されているブレーキ制御システムの1つの形式として、WABCO製の26−L形機関車空気ブレーキ制御システムがある。このブレーキ制御システムは、自動および独立ブレーキハンドルと呼ばれる2つのハンドルを有する。これらのハンドルを適当な位置に移動させることによって、機関車の運転者が、機関車および鉄道車両のブレーキをどのように作動させるかを制御することができる。これらのハンドルを使用して、運転者は、列車の他の重要な管内と共にブレーキ管内に発生する圧力の程度を制御することができる。
【0008】
独立ブレーキハンドルを移動させることによって、運転者は機関車のブレーキをかけたり、解除するようにブレーキ制御システムを指示することができるだけである。反対に、自動ブレーキハンドルを移動させることによって、運転者は列車の機関車および鉄道車両の両方のブレーキをかけたり、解除するようにブレーキ制御システムを指示することができる。システムがブレーキ管1a内の圧力を減少させる程度、したがって、列車ブレーキが加えるブレーキ力の大きさは最終的に、自動ブレーキハンドルの位置に対応する。このブレーキハンドルは、一端部の(ブレーキ管圧力が最大で、ブレーキが完全に解除される)解除位置から、他端部の(ブレーキ管圧力がゼロで、全ブレーキがかかる)非常ブレーキ位置までの間を移動することができる。自動ブレーキハンドルの移動が、ブレーキ管1a内の圧力に、したがって、各鉄道車両の空気圧ブレーキ装置がどのように作動するかに影響を与える。
【0009】
自動ブレーキハンドルを、たとえば、最小常用ブレーキ位置から全常用ブレーキ位置に向けて移動させることによって、ブレーキ管圧力が減少する。正確にどの程度に減少するかは、ブレーキハンドルを全常用ブレーキ位置に向けてどれだけ移動させたかによって決まる。ブレーキをかけるために加圧空気を貯蔵タンク4、5の一方または両方からブレーキシリンダ6に供給するように各鉄道車両のブレーキ制御弁7に指令を送るのは、この圧力減少である。ブレーキシリンダ6内で増加する圧力の量、したがって、車輪に加えるブレーキ力の大きさは一般的に、ブレーキ管1a内の圧力が減少した量に比例する。
【0010】
特に貨物列車産業では、ブレーキをかけようとする力を決定する際に、鉄道車両が担持している荷重を補償することが望ましい。鉄道車両が荷重補償技術を用いている貨物列車では、一般的に重量の幅広い変化、たとえば、列車間の高レベルのバフ(buff)(圧縮)およびドラフト(draft)(引張り)力に関連した問題が大幅に軽減される。荷重補償技術を用いた各車両では、空気圧ブレーキ装置が積空ブレーキ装置を備えている。
【0011】
WABCOは、幾つかの形式の積空ブレーキ装置を製造している。そのような構造の1つの、図1に示されているSC−1形式は、P−1荷重比例弁8とS−1荷重センサ弁9を用いており、これらを以下の説明でそれぞれP−1荷重弁およびS−1荷重センサと呼ぶ。この装置の目的は、鉄道車両が空車である時にブレーキをかける力を減少させながら、積車の時に鉄道車両に強力なブレーキをかけることができるようにすることである。そのような装置がなければ、強力にブレーキをかける間、空車の車輪がレール上で滑って、損傷を受けやすい。積空装置を装備した鉄道車両を有する列車では、個々の車両が担持している荷重に従って列車全体に均一にブレーキがかかる。この装置は、隣接した鉄道車両間の連結力を減少させ、列車の全体的操作性を改善する。
【0012】
各鉄道車両は一般的に、各端部に1つずつ、2つの台車(図示せず)を有する。各台車は、車輪と、車軸と、サスペンションばねと、側部フレームと、鉄道車両の車体を支持する構造を協力して形成する他の部品とを含む。サスペンションばねは、それがなければ車輪から車体に伝達されて車体およびそれが運搬している積み荷の両方またはいずれか一方に損傷を与えると思われる衝撃および振動を減衰する。ばねは、鉄道車両によって担持されている荷重の重量に比例した程度までたわむ、または圧縮される。
【0013】
S−1荷重センサ9は、一般的に各台車の上方で車体の下側に取り付けられており、センサアーム90を有する。荷重センサ9は、それのセンサアーム90を使用して鉄道車両の車体と台車上の側部フレーム100の上部との間の距離を測定することによって、鉄道車両が積車か、空車かを自動的に感知する。積車の時、鉄道車両の車体はサスペンションばねをさらに圧縮し、それによって車体と側部フレーム100との間の距離が減少する。したがって、センサアーム90が移動することができる距離は、積車である時の方が制限される。反対に、車両が空車である時、サスペンションばねはあまり圧縮されないため、車体と側部フレームとの間の距離が最大になる。その時、センサアーム90が移動することができる距離が最大である。
【0014】
図1は、鉄道車両が荷重を担持しているか否かに関係なく、ブレーキが完全に解除されている時に存在する状態の空気圧ブレーキ装置を示している。具体的には、ブレーキが完全に解除されているので、ブレーキ管1aは通常作動圧力まで加圧されているはずである。枝管3を経てブレーキ管1aに接続されているので、ブレーキ制御弁7は、ブレーキ管圧力のそのレベルに反応して、P−1荷重弁8のピストン81の下側の室80から管10を経て空気を逃がしているであろう。室80は第1パイプ網11にも接続されているので、ブレーキ制御弁7は、荷重センサ9のピストンアセンブリ92に隣接した室91からも空気を逃がしているであろう。室91内の圧力が所定の切り換え値(一般的に8.96×104〜1.03×105Pa(=13〜15psi))より低くなった時はいつも、ばね93がピストンアセンブリ92をそれの排気位置に戻し、その位置ではスプール94が図1に示された地点に移動する。この排気位置では、S−1荷重センサ9がピストン81の上方のダイアフラム室82を第2パイプ網12(および等化容積13)を経て排気ポート99から大気に排気することができる。荷重センサはまた、それの室91をパイプ網11に接続された状態に保持する。協働してピストン81のチェック弁を弁座83から押し離すばね84の力および残存ブレーキシリンダ圧力(BCP)が、ピストン81の上部のダイアフラム室82から圧力が逃げることと組み合わされて、ブレーキ制御弁7がブレーキシリンダ6内の圧力をパイプ網11、室80および管10を経て大気に逃がすことができるようにする。
【0015】
ブレーキの作動中、ブレーキ管1a内の圧力が、求められるブレーキ作動の大きさによって定められる程度まで減少するであろう。ブレーキ管圧力のこの低下にブレーキ制御弁7が応答して、加圧空気を適当なタンク4/5から管10を経てピストン81の下方の室80に供給する。室80に接続されているので、パイプ網11がこの加圧空気をブレーキシリンダ6とピストンアセンブリ92に隣接した室91との両方に送る。ばね93の定数は、室91内のBCPが切り換え値を超えるまで、ピストンアセンブリ92を排気位置に保持するように選択されている。したがって、低レベルのブレーキをかける場合、鉄道車両が空車または積車のいずれでも、ブレーキ制御弁7からの加圧空気のすべてがブレーキシリンダ6に送られるであろう。室91内のBCPが切り換え値を超えた時だけ、ピストンアセンブリ92が右方向に移動して、荷重センサ9の内部ポートに影響を与えることができる。
【0016】
図3は、積車である鉄道車両にブレーキをかける間にS−1荷重センサ9がどのように反応するかを示している。もちろん、各台車のサスペンションばねは、鉄道車両が担持している荷重によって定められる程度まで圧縮されているであろう。したがって、鉄道車両の車体と各台車の側部フレームとの間の距離が減少しているであろう。ブレーキ制御弁7によって室91に供給されたBCPが切り換え値を超えると、ピストンアセンブリ92がばね93に逆らって移動し、その最右側端部がセンサアーム90を強制的に移動させる。鉄道車両が荷重を担持しているので、センサアームは最終的に側部フレーム100の上部と接触する。側部フレームがセンサアーム90のそれ以上の移動を阻止するため、ピストンアセンブリ92が、パイプ網11および12を相互接続させる地点までスプール94を移動させることが防止される。パイプ網が互いに遮断されている限り、ブレーキ制御弁7はP−1荷重弁8から遮断されている。ブレーキ制御弁からの空気が、管10、室80およびパイプ網11を経てブレーキシリンダ6に流れることができるだけである。その時、それによって生じて車輪に加えられるブレーキ力は、ブレーキ管1a内の圧力が減少した量に正比例し、P−1荷重弁8によって減少しないであろう。
【0017】
図4は、空車である鉄道車両でブレーキをかける間にS−1荷重センサ9がどのように反応するかを示している。荷重がまったくないので、各台車のサスペンションばねは、空車両の車体の重量によって決定される程度まで圧縮されるだけであろう。このため、センサアーム90は、最大限に移動することができ、S−1荷重センサ9の内部構造によって制限されるだけである。(一般的に荷重センサは、鉄道車両のばねがその全移動範囲の20%を超えて圧縮されない場合、その鉄道車両を空車と見なすように構成されている。)したがって、ブレーキ制御弁7によって室91に供給されたBCPが切り換え値を超えると、ピストンアセンブリ92がばね93に逆らって移動し、その最右側端部がセンサアーム90を強制的に押し付ける。鉄道車両はまったく荷重を担持しておらず、したがってセンサアーム90は側部フレーム100と接触しないで自由に下方に移動することができるので、室91内の圧力の上昇によって、ピストンアセンブリ92が十分に右方向に移動し、スプール94を図4に示された地点まで移動させることができる。この位置では、スプール94が通路97および98を整合させ、そうすることでパイプ網11および12を接続する。このため、加圧空気がブレーキ制御弁7からパイプ網11および12(および等化タンク13)を通ってP−1荷重弁8のダイアフラム室82に流入する。
【0018】
P−1荷重弁8の内部構造が、ブレーキ制御弁7によって管10内に存在する圧力の何分の一がブレーキシリンダ6内に生じるかを決定する。貨物列車産業では、この割合が一般的に50〜60%または他の所定割合に固定されている。この割合は、ばね84およびピストン81によって、特にそれの下側の有効面積とダイアフラムの上側の有効面積との関係によって定められる。(ピストンの側部の有効面積にそれに作用する圧力を掛けることによって、ピストンのその側に作用する力が得られる。)空車であるので、ブレーキ制御弁7からの加圧空気が、管10を経てピストン81の下側だけでなく、パイプ網11および12を経てピストン81の上側(すなわち、ダイアフラム室82内)へも流れる。ダイアフラム室82内の圧力が管10の圧力の所定割合に達した時はいつも、ピストン81の上側に作用する力が、ばね84によってピストン81の下側に作用する力と管10によって伝達される圧力との合計に打ち勝つことができる大きさである。簡単に言うと、BCPがブレーキ制御弁7によって管10に与えられた圧力の所定割合に達した時はいつも、ピストン81のチェック弁が弁座83に当接して閉成し、それによってブレーキ制御弁7からブレーキシリンダ6に流れる空気の流れが遮断される。積空ブレーキ装置を装備した鉄道車両では、空車である時にその鉄道車両にブレーキをかける力は、積車であった場合にその車両にブレーキをかける力の所定割合(たとえば、50〜60%)であろう。空車時に鉄道車両にブレーキによって出力される力と、積車時に鉄道車両にブレーキによって出力される力との間の関係が、積空力比と呼ばれる。
【0019】
このため、S−1荷重センサ9は、P−1荷重弁8への空気の流れを調整する働きをする。積車では、P−1荷重弁8のダイアフラム室82にまったく空気が送られない。しかし、空車では、パイプ網11を経て室91に供給されるBCPが切り換え値より高い限り、ブレーキ制御弁7からの空気がダイアフラム室82に送られる。ブレーキの作動中で、鉄道車両が空車の時、積空ブレーキ装置内の圧力とブレーキ制御弁7およびそのタンク4/5内の圧力との間に満足できる関係を維持するために、等化容積13が使用される。しかし、空車の場合にブレーキシリンダ6に送られる空気の流れを実際に制御するのは、P−1荷重弁8である。具体的に言うと、切り換え値より高いすべてのBCPにおいて(すなわち、最小作動より強いすべてのブレーキ作動において)、鉄道車両が空車の時にP−1荷重弁8がブレーキシリンダ6内に生じることができる圧力は一般的に、鉄道車両が積車である時にブレーキシリンダ6内に生じる圧力の50〜60%である。
【0020】
別の形式の積空ブレーキ装置である、単一装置内でS−1荷重センサ9およびP−1荷重弁8の機能を実施するELX形式が、米国特許第5,005,915号および第5,100,207号に記載されている。これらの特許は、以下に開示されている本発明の譲受人に譲渡されており、それらの教示は参照として本明細書に援用される。
【0021】
荷重弁および等化容積は、上記積空装置に相当な重量を追加する。それらはまた、場所を取り、特にSC−1形式の場合、装置の設置を複雑にするであろう。この従来型積空装置は、空車の場合に積車の場合の何分の一かの力でブレーキをかけることができるようにするが、BCPの増加に伴って積空力比を減少させることができない。BCPがどれだけ切り換え値より高くなっても、その割合および比は一般的に固定的である。
【0022】
発明の目的
したがって、本発明の目的は、BCPが切り換え値を超えて増加する時、積空力比を減少させる荷重補償システムを提供することである。
【0023】
別の目的は、荷重弁または等化容積を必要とせず、したがって、従来の積空装置より単純で、軽量化および小型化された荷重補償システムを提供することである。
【0024】
上記目的および利点に加えて、本明細書の詳細な説明部分を読めば、当該技術の専門家には本発明の様々な他の目的および利点がさらに容易に明らかになるであろう。詳細な説明を添付の図面および請求項と合わせて考えれば、他の目的および利点が特に明らかになるであろう。
【0025】
発明の概要
以下に要約する発明の様々な実施形態によって、上記利点および目的が達成される。
【0026】
好適な第1の実施形態では、本発明は、鉄道車両の少なくとも1つの台車にブレーキをかけようとする力を決定する際に、その台車に担持されている重量を補償するシステムを提供している。各台車は一般的に、第1パイプ網を介して相互接続されたブレーキ制御弁および荷重センサを備えている。ブレーキ制御弁によって第1パイプ網内に発生した前圧力が所定量より大きいと共に、鉄道車両が空である時、荷重センサは第2パイプ網を第1パイプ網に相互接続する。鉄道車両が積空のいずれの状態であっても、前圧力が所定量より低い時、荷重センサはパイプ網を互いに切り離して、第2パイプ網を大気に接続する。システムは、ブレーキシリンダと弁アセンブリとを含む。ブレーキシリンダは、解除位置に常時付勢されたロッドアセンブリを有する。ロッドアセンブリは、ブレーキに連結するための突出端部と、ピストンとして形成されたヘッド端部とを有する。ブレーキシリンダは、ブレーキ制御弁から流体を受け取る入口ポートを有して、第1パイプ網を経て前圧力を増加させてピストンの前側を押し付けることができる。そのような圧力の増加が、ロッドアセンブリを解除位置からブレーキ作動位置に移動させる。ブレーキシリンダの内部に、ピストンの後側に隣接した位置でロッドアセンブリと同心状の補償室を形成するシールが設けられている。弁アセンブリは、(i)大気に接続された出口ポート、(ii)第1パイプ網に接続された解除通路、(iii)補償室に接続された後通路網、および(iv)第2パイプ網を通して荷重センサに接続された前通路網を備えている。弁アセンブリは、変位弁、解除弁および差動弁を備えている。変位弁は、出口ポートが後通路網と連通し、それによって補償室を大気に接続する常時開放位置を有する。閉成位置では、それは後通路網を出口ポートから遮断し、それによって補償室を大気から切り離す。前圧力が所定値を超えると共に、荷重センサが鉄道車両の空状態を感知した時、変位弁が閉成位置をとる。解除弁は、後通路網が解除通路から遮断される常時閉成位置を有する。解除通路内の前圧力が補償室内に存在する背圧より最小量だけ低くなった時、解除弁は開放位置をとる。これによって、変位弁が開くまで、第1パイプ網およびブレーキ制御弁を経た前圧力と共に、背圧を解除弁および解除通路を通して大気に逃がすことができる。差動弁は、前通路網が後通路網から遮断される常時閉成位置を有する。前圧力が背圧より高い切り換え量を超えた時、差動弁は開放位置をとる。それが開いた時、流体がブレーキ制御弁から荷重センサを経て第1および第2パイプ網を通り、さらに前および後通路網を通って補償室に流れる。前圧力が増加すると、背圧も増加する。しかし、背圧は、差動弁によって定められるように、前圧力より切り換え量だけ低いままである。背圧が増加してピストンの後側を押し付けると、ピストンの前側に作用する前圧力によって生じる力を部分的に相殺する対抗力が発生する。これによって、鉄道車両が空車である時にブレーキをかける力を、鉄道車両が積車である時にブレーキをかける力の何分の一かにすることができ、前圧力が増加すると、その割合が小さくなる。
【0027】
好適な第2の実施形態では、本システムは、ブレーキシリンダと、荷重センサと、弁アセンブリとを含む。ブレーキシリンダは、第1の実施形態で要約したものと同一である。荷重センサは、第1パイプ網を経てブレーキ制御弁および入口ポートに相互接続されている。それはまた、第2パイプ網に接続されている。鉄道車両が積車であることを感知した時、または、鉄道車両が空車である時で前圧力が所定量より低い時、荷重センサは、パイプ網が互いに切り離されると共に、第2パイプ網が大気に相互接続される排気位置をとる。前圧力が前記所定値より高く、鉄道車両が空車であることが感知された時、荷重センサは第1および第2パイプ網が相互接続される移動位置に移動する。荷重センサは、移動位置に移動するために必要な所定量の圧力が、ブレーキをかけ始める点までロッドアセンブリを移動させるために必要な前圧力を超えるように構成されている。弁アセンブリは、上部が補償室と連通し、底部が第2パイプ網を通して荷重センサと連通した解除弁および差動弁を有する。解除弁は、補償室が第2パイプ網から遮断される常時閉成位置を有する。第2パイプ網内の圧力が補償室内に存在する背圧より最小量だけ低くなった時、解除弁は開放位置をとり、それによって、補償室が第2パイプ網を経て排気される。差動弁は、第2パイプ網が補償室から遮断される常時閉成位置を有する。荷重センサによって第2パイプ網に伝達された前圧力が背圧より高い切り換え量を超えた時、差動弁は開放位置をとり、それによって、流体がブレーキ制御弁から荷重センサを経て第1および第2パイプ網を通って補償室に流入することができる。前圧力が増加すると、背圧も増加する。しかし、背圧は、差動弁によって定められるように、前圧力より切り換え量だけ低いままである。背圧が増加してピストンの後側を押し付けると、ピストンの前側に作用する前圧力によって生じる力を部分的に相殺する対抗力が発生する。これによって、鉄道車両が空車である時にブレーキをかける力を、鉄道車両が積車である時にブレーキをかける力の何分の一かにすることができ、前圧力が増加すると、その割合が小さくなる。
【0028】
好適な第3実施形態では、本システムは、ブレーキシリンダと、荷重センサとを含む。ブレーキシリンダおよび荷重センサは、先行する実施形態で要約したものと同一である。ブレーキシリンダの補償室は、第2パイプ網と連通している。荷重センサは、第1パイプ網を経てブレーキ制御弁および前記入口ポートに相互接続されている。それはまた、第2パイプ網を経て補償室に相互接続されている。鉄道車両が積車であることを感知した時、または、鉄道車両が空車である時で前圧力が所定量より低い時、荷重センサは、第1パイプ網が第2パイプ網から切り離されると共に、第2パイプ網が大気に相互接続されることによって補償室が通気される排気位置をとる。前圧力が所定量より高く、鉄道車両が空車であることが感知された時、荷重センサが、第1および第2パイプ網が相互接続される移動位置に移動することによって、前圧力と等しい背圧が補償室内に発生する。これは、ピストンの前側に作用する前圧力によって生じる力を部分的に相殺する、ピストンの後側を押し付ける対抗力を発生する。これによって、前圧力が所定量を超える時はいつも、鉄道車両が空車である時にブレーキをかける力を、鉄道車両が積車である時にブレーキをかける力の何分の一かにすることができる。
【0029】
発明の詳細な説明
本発明を詳細に説明する前に、本明細書の各図面において同一機能を有する同一部材が、可能な限り、同一の参照番号で表されていることに読者は注意されたい。これは、わかりやすくすると共に、本発明の理解を助けるためである。本発明は、改良型積空装置である。
【0030】
図5〜図7は、本発明の3つの異なった実施形態を示している。各実施形態において、本発明は、荷重センサおよびブレーキ制御弁、たとえば上記のブレーキ制御弁7およびS−1荷重センサ9と共に作動するように構成されている。本発明は、多重台車一貫輸送鉄道車両(multi-platform intermodal railcars)で、各台車に1つの荷重センサを用いている場合のように、1台車単位で作動するように構成されているように記載されている。しかしながら、従来の2台車鉄道車両で、両台車にブレーキをかけるために単一の荷重センサを使用している場合のように、本発明を1鉄道車両単位で実施してもよい。
【0031】
図5は、本発明の第1実施形態の本質的詳細を示している。本実施形態では、本発明は、改良型ブレーキシリンダ6aと弁アセンブリ20とを含む。ブレーキシリンダ6aは、鉄道車両産業で現在使用されている多くのブレーキシリンダのいずれか1つの変更形として示すことができる。改良型ブレーキシリンダ6aの基となるブレーキシリンダの1形式は、ワブコ(WABCO)製のABU形ブレーキシリンダである。変更として、ブレーキシリンダの内部にシール73が使用されている。シール73は、Oリング、カップまたは他のいずれの形式の摺動可能なシールの形をとることができ、シリンダ内部またはピストンヘッド61、またはその両方によって支持することができる。シール73は、ピストンヘッド61の後側付近においてロッドアセンブリ60に同心状に配置されて、以下の説明で補償室74と呼ぶ気密室を形成している。本発明より以前では、ここで補償室74と呼ぶ空間は一般的に、大気に開放されたままであった。
【0032】
弁アセンブリ20は、2つの通路網を形成している。後通路網75は、ブレーキシリンダ6a内の補償室74と連通している。前通路網76は、パイプ網12を経て荷重センサと連通している。弁アセンブリ20はまた、大気に開放した出口通路77と、パイプ網11を経てブレーキ制御弁7および荷重センサ9に接続された解除通路78とを有する。
【0033】
弁アセンブリ20は、3つのチェック弁、すなわち、変位弁30、差動弁40および解除弁50を特徴としている。これらのチェック弁の各々は、図5にも示されているように、それぞれの専用の弁ハウジング内に収納されている。変位弁30は、2部材形弁ハウジング39であるが、チェック弁40および50は、それぞれ1部材形弁ハウジング49および59を有する。解除弁50は、変位および差動弁30および40に対して上下逆の向きになっている。弁の向きに関連して言うと、各弁の底部が直接的に後通路網75と、さらにそれを経て改良型ブレーキシリンダ6a内の補償室74と連通している。
【0034】
変位弁30用の弁ハウジング39は、2つの部分39Aおよび39Bからなる。下側部分39Aは、弁部材31と主ばね32とを収容している。上側部分39Bは、ばね付勢ピストンアセンブリを収容している。弁部材31のすぐ上方において、弁ハウジング39が出口通路77と連通している。主ばね32は、ハウジング39の底部の下側ばね受け32aと弁部材31の下側の上側ばね受け32bとの間に圧縮されて、弁部材31を上向きに付勢して、ハウジング39内で出口通路77の下方に形成された弁座33に押し付けている。ハウジング39の上側部分39B内のピストンアセンブリは、ピストン34とカウンタばね35とを含む。ピストン34は、ディスク部分34bと突出部分34aとを特徴としており、突出部分34aは、好ましくは異なった直径の上下部分を有する。ディスク部分34bおよび突出部分34aの上部分は、好ましくはハウジング39の内孔に密接状にはまることができるそれぞれの直径を有する。さらに、好ましくはディスク部分34bの外周に、シールリング36bを収容するための溝が設けられている。突出部分34aの上部分も同様に、好ましくは第2シールリング36aを固定するための溝を備えている。シールリングは、気密バリヤを提供しながら、ピストン34を内孔の内部で移動させることができるようになっている。突出部分34aの下部分は、それが位置する内孔よりも小径であり、それが作動する領域は出口通路77に近接した位置にある。図5はまた、突出部分34aが、その下先端部が弁部材31の上側と接触するように配置されていることを示している。
【0035】
ピストン34はまた、等化チャネル38を有する。このチャネルは、突出部分34aの下部分からディスク部分34bの上部まで延在している。それは、空気が出口通路77と弁ハウジング39の上側部分39Bとの間を流れることができるようにしている。等化チャネル38は、それがなければピストン34の両端部に発生する圧力差によって変位弁30の作動が妨害されることがないようにしている。
【0036】
ハウジング39はまた、上側部分39B内にピストンストッパ37を収容している。このピストンストッパ37は、直接的に前通路網76と、またそれを通して間接的にパイプ網12を経て荷重センサ9と連通している。カウンタばね35は、ハウジング39の上部とピストン34の上側との間に圧縮状態に配置されている。それの定数は、それが主ばね32によって弁部材31に加えられる対向力に逆らってピストン34を常時下方に保持するように選択されている。このため、ピストン34は、そのディスク部分34bが常時ピストンストッパ37に押し付けられ、突出部分34aの下先端部が弁部材31を弁座33から離脱した位置に保持している。この開放位置に常時付勢されているため、変位弁30は、空気が補償室74から後通路網75および下側ハウジング39Aを通って弁部材31を通過して出口通路77から逃げることができるようにする。詳細に後述するように、ディスク部分34bの下側の圧力が所定値を越えた時だけ、その圧力と主ばね32とによって加えられる結合力が、カウンタばね35に打ち勝って弁部材31を弁座33上に閉じることができる大きさになる。この閉成位置をとるように強いられた時、変位弁30は補償室74内の空気が出口通路77を経て大気に逃げることを防止する。
【0037】
差動弁40は、弁ハウジング49内の弁部材41および付勢ばね42を特徴としている。ばね42は、ハウジング49の底部の下側ばね受け42aと弁部材41の下側の上側ばね受け42bとの間に圧縮状態に配置されている。弁40の底部は、後通路網75を通って補償室74と連通している。差動弁40の上部は、前通路網76およびパイプ網12を経て荷重センサ9と連通している。ばね42は、弁部材41をハウジング49内に形成された弁座43に押し付ける閉成位置に付勢している。後述するように、ばね42の定数は、鉄道車両が空車の時にブレーキシリンダ6aがブレーキにどの程度の力を出力するかを決定する際に重要な役割を果たす。
【0038】
解除弁50は、弁ハウジング59内の弁部材51および付勢ばね52を特徴としている。ばね52は、ハウジング59の上部の上側ばね受け52aと弁部材51の上側の下側ばね受け52bとの間に圧縮状態に配置されている。弁50の底部は、後通路網75を通って補償室74と連通している。解除弁50の上部は、解除通路78およびパイプ網11を経てブレーキ制御弁7および荷重センサ9と連通している。ばね52は、弁部材51を弁ハウジング59内に形成された弁座53に押し付ける閉成位置に下向きに付勢している。ばね52の定数は、好ましくは非常に小さい。
【0039】
閉成位置に常時付勢されているので、解除弁50は、ブレーキシリンダ6aの前側に作用するBCPまたは前圧力がそれの後側に作用する(すなわち、補償室74内の)ものより最小量だけ低い時だけ開放する。解除弁の目的を達成するために(given the purpose of the release valve)最小量に選択される正確な値は比較的低いであろう。さらに具体的に言うと、弁部材51の下側に作用する圧力が、BCPおよびばね52によって弁部材51の上側に加えられる結合力に打ち勝つ大きさになった時だけ、解除弁50が開く。これは、ブレーキ制御弁7がブレーキ解除コマンドに反応してブレーキシリンダ6aの前側の圧力を入口ポート71およびパイプ網11を経て大気に逃がす時に発生する。解除弁50が開いている限り、補償室74の圧力は、ブレーキシリンダ6aの前側の圧力と共に大気に逃がされる。
【0040】
I. 本発明の第1の実施形態の作動
図5は、本発明の第1の実施形態がブレーキ制御弁7および荷重センサ9と共にどのように作動するかを示している。本発明は、ブレーキをかける力を決定する際に、台車が担持している荷重を考慮に入れることができる。しかし、さらに重要なこととして、後述するように、BCPが上昇して切り換え値を越えた時、それはブレーキシリンダ6aの積空力比を減少させることができる。
【0041】
A.ブレーキの解除中の作動
既知の実際に従って、列車運転者が自動ブレーキハンドルを解除位置に移動させた時、ブレーキ管はそれの通常作動圧力まで加圧される。図5に示されている構造では、それによって生じたブレーキ管圧力の増加にブレーキ制御弁7が反応して、空気をブレーキシリンダ6aの前側から入口ポート71およびパイプ網11を経て逃がす。パイプ網11は荷重センサ9および解除通路78にも接続されているので、ブレーキ制御弁7は空気を荷重センサ9の室91および解除弁50の上部からも空気を逃がす。前述したように、室91内の圧力が所定値より低くなった時はいつも、ばね93がピストンアセンブリ92を左側へ移動させ、スプール94を排気位置へ移動させる。その排気位置では、荷重センサ9は変位弁30のディスク部分34bの下側および差動弁40の上側の両方をパイプ網12および排出ポート99を経て大気に排気できるようにする。
【0042】
ブレーキを解除中の空車である、すなわち、予め補償室74内で圧力が増加していると仮定する。ブレーキ制御弁7が空気をパイプ網11から排出した時、解除弁50が、BCPの低下に反応する弁アセンブリ20内の最初の弁である。具体的に言うと、解除弁50の前後にわずかな圧力差が速やかに発生する。この圧力差がばね52によって弁部材51を弁座53上に保持できなくなる点に達すると、解除弁50が開く。すると、補償室74内の圧力を受けた空気が解除弁50および解除通路78を通り、ブレーキシリンダ6aの前側からの空気と共に、パイプ網11を通ってブレーキ制御弁7を経て大気に排出される。荷重センサ9が排気位置にある時、同時に弁部材41の上側およびディスク部分34bの下側からも圧力が除去される。主にばね42によって、またそれと較べて度合いが低いが補償室74内に存在する圧力によって弁部材41の下側に加えられる力が、ブレーキの解除中に差動弁40を閉成位置に保持する。
【0043】
しかし、ディスク部分34bの下側の圧力が所定値以下まで低下した時、結果的に変位弁30が開く。具体的に言うと、圧力がこの閾値レベルより低下した時、カウンタばね35によってピストン34に加えられる力が、主ばね32および補償室74内に存在する圧力によって弁部材31に加えられる対抗力に打ち勝つ。ピストン34が下方移動し、ディスク部分34bがストッパ37で停止し、突出部分34aの下先端部が弁部材31を弁座33から押し離す。したがって、(前通路網76内の)BCPが閾値より低下した時はいつも、変位弁30によって空気が補償室74から後通路網75および下側ハウジング39Aを通って弁部材31を通過し、出口通路77から大気に逃げることができる。この時に補償室74内の圧力が急速に低下するため、弁部材51の下側に作用している力が急速に低下して、解除弁50を開放状態に維持するために必要な力を下回る。この時、弁部材51の上側が優勢になるように弁50の前後の圧力差が切り換わって、解除弁50が閉じる。しかし、補償室は74は、変位弁30を経て大気に開放したままである。
【0044】
改良型ブレーキシリンダ6aは、パイプ網11の減圧排気に反応して、それのピストンおよびロッドアセンブリ60をハウジング70内へ内向きに後退させる。さらに具体的に言うと、ピストンヘッド61の前側の圧力が低下すると、(補償室74内に存在する圧力によって最小限の補助を受けて)戻しばね65が伸張して、ピストンヘッド61の後側を押し付ける。そのため、ロッドアセンブリ60が解除位置に後退し、図5に示されているように、ピストンヘッド61上のパッキングカップ62がハウジング70の入口ポート71に隣接した位置をとる。ロッドアセンブリの突出端部69は、台車のブレーキリギングにいわば物理的に(what is physically)取り付けられている。したがって、ロッドアセンブリ60の後退がブレーキを解除する。
【0045】
B.ブレーキ作動中の作動
ブレーキの作動中、ブレーキ管内の圧力は、求められるブレーキ作動の大きさによって定められる程度まで減少する。図5に示されている構造では、それによって生じたブレーキ管圧力の低下にブレーキ制御弁7が反応して、加圧空気を適当なタンク4/5から入口ポート71およびパイプ網11を経てブレーキシリンダ6aの前側に供給する。パイプ網11は解除通路78および荷重センサ9にも接続されているので、ブレーキ制御弁7は空気を解除弁50の上部および荷重センサ9のピストンアセンブリ92に隣接した室91にも供給する。初めてブレーキをかけようとする時、初めは補償室74内にほとんど、またはまったく圧力が存在しない。したがって、付勢ばね52の力が、パイプ網11内のBCPの上昇による力と結合して、弁部材51を弁座53上に保持し、それによって解除弁50を閉成位置に保持する。
【0046】
荷重センサ9に関連して前述したように、ばね93の定数は、室91内のBCPが所定値を超えるまで、ピストンアセンブリ92を排気位置に保持するように選択されている。したがって、所定大きさ以下のブレーキをかける場合、鉄道車両が空車または積車のいずれでも、ブレーキ制御弁7からの加圧空気のすべてがブレーキシリンダ6aに送られるであろう。室91内の圧力が所定値を超えた時だけ、ピストンアセンブリ92が右方向に移動して、荷重センサ9の内部ポートに影響を与えることができる。図5に示されているように用いられているので、荷重センサ9は、後述するように、鉄道車両が空車である時にBCPを弁アセンブリ20に接続し、鉄道車両が荷重を担持している時にそれを切り離す。
【0047】
1.積車でのブレーキの作動
積車では、各台車のサスペンションばねが、鉄道車両の車体重量およびそれが担持している荷重によって定められる程度まで圧縮される。したがって、鉄道車両の車体と各台車の側部フレーム100との間の距離が、空車の場合より短くなるであろう。ブレーキ制御弁7によって室91に供給される圧力が所定値を超えた時、ピストンアセンブリ92がばね93に逆らって移動し、それの最右側端部がセンサアーム90を強制的に移動させる。このブレーキ作動中、鉄道車両が積車であるので、センサアーム90はすぐに側部フレーム100の上部と接触する。側部フレーム100がセンサアーム90をそれ以上移動させないようにするため、ピストンアセンブリ92がスプール94を、パイプ網11および12が相互接続される点まで移動させることが防止される(図3を参照)。荷重センサ9がパイプ網11および12を互いに切り離された状態に保持する限り、ブレーキ制御弁7は前通路網76から遮断されている。したがって、変位弁30は開放したままであり、差動弁40は閉成されている。これによって、補償室74が大気に開いたままとなり、ブレーキシリンダ6aのピストンヘッド61の後側での圧力の上昇が防止される。
【0048】
所定大きさを超えるブレーキ作動の場合でも、積車のブレーキ制御弁7は、空気をパイプ網11を経て解除通路78およびブレーキシリンダ6aの前側に供給することができるだけである。解除通路78内で増加した圧力が、ばね52によって弁部材51の上側に加えられる力を補助することによって、解除弁50が閉成状態に保持される。一方、入口ポート71に流入する空気が速やかにピストンヘッド61の前側に、それの後側に戻しばね65によって加えられる対抗力を超える力を発生する。図5の斜視図で見て、この力がピストンヘッド61を左方向に移動させ、それによって戻しばね65がさらに圧縮されて、ロッドアセンブリ60の突出端部69を押し付けることによって、ブレーキシリンダ6aの開口72から外側に突出させる。ロッドアセンブリ60の伸張によって、ブレーキリギングがブレーキをかける。本発明および荷重センサ9がピストンヘッド61の後側での圧力の増加を防止するため、ブレーキが作用する大きさは、ピストンヘッド61の前側を押し付ける圧力増加に正比例する。
【0049】
2.空車でのブレーキ作動
空車では、各台車のサスペンションばねが、鉄道車両の車体重量によって定められる程度まで圧縮されるだけである。したがって、鉄道車両の車体と各台車の側部フレーム100との間の距離が最大になるであろう。ブレーキ制御弁7によって室91に供給される圧力が所定値を超えた時、ピストンアセンブリ92がばね93の対抗力に逆らって右側へ押される。このブレーキ作動中、鉄道車両が空車であるので、センサアーム90は最大限に下方へ押され、台車の側部フレーム100と接触しない。これによって生じる室91内の圧力の増加が、ピストンアセンブリ92を右方向に十分に移動させるため、スプール94をパイプ網11および12が相互接続される点まで移動させることができる(図4を参照)。したがって、パイプ網11を介して解除通路78および入口ポート71に供給するのに加えて、ブレーキ制御弁7は荷重センサ9によって、空気を前通路網76およびパイプ網11および12を経てチェック弁30および40に供給することができる。
【0050】
鉄道車両が空車の時、弁アセンブリ20は以下のようにしてブレーキ作動に反応する。解除通路78内の圧力上昇がばね52によって加えられる力を補助して弁部材51を弁座53上に着座した状態に保持するため、解除弁50は閉成状態にある。前通路網76内の圧力が所定値を超えるまで、変位弁30は開放したままである。前通路網76内の圧力が切り換えレベルを超えるまで、差動弁40は閉成したままである。したがって、ブレーキ制御弁7からの空気は、すべての空気が補償室74に収容されるまで、入口ポート71を介してピストンヘッド61の前側に作用する。BCPが所定レベルに上昇するまで開放していることによって、変位弁30は補償室74を大気に通気させた状態に保持し、それによってピストンおよびロッドアセンブリ60を解除位置からブレーキ作動位置へ容易に移動させることができる。もちろん、ロッドアセンブリ60の移動によって補償室74の体積が実際に減少し、それに収容されている大気圧が変位弁30および出口通路77を経て大気に逃げるので、追い出される。所定レベルは、好ましくは最小が4.83×104Pa(=7psi)、最大が2.41×105Pa(=35psi)に設定されており、正確な値は差動弁40によって定められる切り換え圧力より低い。このため、変位弁30は、補償室74がロッドアセンブリ60のブレーキ作動位置への初期移動を妨害する閉成室として、すなわち、気密室として作用することを防止する。
【0051】
前通路網76内のBCPが所定値を超えると直ちに、変位弁30が閉じる。具体的に言うと、その圧力によってディスク部分34bの下側に生じる力が、弁部材31の下側に主ばね32によって加えられる力と結合したとき、カウンタばね35に打ち勝つ大きさになって、弁部材31を弁座33上に閉成する。閉成された時、変位弁30は補償室74内に存在する空気が出口通路77から大気に逃げることを防止する。前通路網76内のBCPが切り換えレベルを超えて上昇するまで、補償室74はまた、ブレーキ制御弁7からの空気の流入を遮ったままである。
【0052】
前通路網76内の圧力が切り換えレベルを超えた時、初めに差動弁40が開く。具体的に言うと、切り換えレベルを超えた圧力が、ばね42の対抗力に逆らって弁部材41を弁座43から強制的に離脱させる。開放した時、差動弁40は空気をブレーキ制御弁7から前通路網76およびパイプ網11および12を経て補償室74に流入させる。それはまた、弁部材41の前後にほぼ一定の圧力差を維持する。この流入空気のため、「背圧」が補償室74内に発生し、ピストンヘッド61の後側に強力に作用する。
【0053】
このため、空車において、BCPが切り換え量より大きいことをブレーキコマンドが要求した時、本発明は、ブレーキ制御弁7が空気をピストンヘッド61の前後側の両方に供給することができるようにする。入口ポート71に流入する空気は、ピストンヘッドの後側に(戻しばね65および背圧によって)加えられる対抗力を超える力をピストンヘッドの前側に発生する。これらの状態では、ピストンヘッド61の前側に作用する圧力は、大きい有効面積に作用するため、固定差だけ背圧より常に高い。このため、正味、すなわち、「有効」力は、ブレーキシリンダ6aによってブレーキリギングに出力され、前圧力および背圧(front and back pressures)の両方が増加するのに伴って、この力が増加する。有効力は、「有効BCP」と呼ぶことができるもの、すなわち、背圧がない状態で同じ大きさの力を発生するためにピストンヘッド61の前側に加えるために必要なものに等しい圧力から発生する。
【0054】
ブレーキが解除されるまで、背圧は常に、ピストンヘッド61の前側に作用するブレーキシリンダ(すなわち、前)圧力から切り換え量を差し引いたものである。たとえば、差が2.07×105Pa(=30psi)に設定されている場合、室74内の圧力は常に、ピストンヘッド61の前側に作用する圧力より2.07×105Pa(=30psi)だけ少ない。この差、すなわち切り換え圧力は、主にばね42の定数によると共に弁部材41によって、特にそれの質量および上部および下側の有効面積によって決定される。
【0055】
補償室74内の背圧は、鉄道車両が空車の時にブレーキシリンダ6aによって出力される全力を減少させる働きをする。BCPが切り換え値を超えて上昇する時、ブレーキシリンダ6aがブレーキに出力する有効力は、積車の時に出力される力と比べて増加量だけ減少する。もちろん、これらの状態での有効ブレーキ力出力は、多くの要素によって決まる。要素として、(a)ピストンヘッド61の前後側の有効面積、(b)これらの表面に作用する前圧力および背圧の大きさ、および(c)戻しばね65の定数がある。
【0056】
さらに、鉄道車両が積車である時にブレーキシリンダ6aが出力する力に対する、鉄道車両が空車である時にブレーキシリンダ62aが出力する有効力の比も、上記要素によって決まる。また、差動弁40の特性(たとえば、ばね42の定数や、弁部材41の質量および表面積)も重要である。
【0057】
このため、積空出力の比は、有効BCPに関連している。常用または非常ブレーキ作動中に積車状態の鉄道車両に加えられるBCPが高いほど、空車時にブレーキシリンダ6aによって出力される力の減速率が大きくなるであろう。
【0058】
様々な構造の幾つかのブレーキシリンダ6aについて、積空力比を実験的に算出した。各ブレーキシリンダについて、これらの比およびそれに対応した関連構造要素が以下の表に列記されている。各表は、変位弁30が約8.27×104Pa(=約12psi)未満で開放する、すなわち、前通路網76内の前圧力が約8.27×104Pa(=約12psi)未満に低下した時、補償室74内の背圧が大気に逃げるものと仮定している。
【0059】
各表に使用されている欄の見出しについて説明すると、BACK DIAMETER はピストンヘッドの後側に接したシール73の寸法を表し、C.V. DIFFERENTIAL はチェック弁40の前後の差を表し、B.VOL はブレーキ作動時の(applied)補償室の体積を表し、REDUCTIONは鉄道車両が空車である時にブレーキシリンダによって出力される力に得られる減少を表し、STD BCP は積車の場合にある減少から算出されるBCP を表し、EMPTY B は空車の場合の前圧力を表し、BACK BC は背圧を表し、F−LOADED は鉄道車両が積車である時にある減少に対してブレーキシリンダよって出力される力を表し、F−EMPTY は鉄道車両が空車である時にブレーキシリンダよって出力される力を表し、E−L FORCE RATIOは積空出力の比を表す。
【0060】
【表1】
Figure 0003742011
【表2】
Figure 0003742011
【表3】
Figure 0003742011
【0061】
従来装置および本発明の両方とも、空車時のブレーキを、積車時に鉄道車両にブレーキをかける力の何分の一かの力でかけることができる。そうする際に、従来装置は、ブレーキシリンダピストンの前側を押し付ける圧力を低下させるために、荷重センサおよび比例弁だけを使用する。その構造では、所定量を上回るすべてのBCPにおいて、ブレーキシリンダ6によって出力される力が空車ではほぼ固定比(たとえば、50〜60%)だけで減少する。しかし、本発明は、ブレーキシリンダピストンの後側に圧力を加えるために、弁アセンブリ20および補償室74を用いている。それはまた、空車時にブレーキを、積車である場合にその鉄道車両にブレーキをかける力より低い力でかけることができるようにする。しかし、どの程度低いかは、BCPが切り換え値をどの程度上回るかによって決まる。表から、積空力比がBCPの大きさによって変化することがわかる。しかし、切り換え値より低いBCPの場合、ブレーキシリンダ6aによって出力される力は減少しないであろう。
【0062】
これには、好都合な場合には従来システムより比較的高いブレーキ力を空車に加えることができ、同時に、車輪の滑りを防止することが最も必要である時、ブレーキ力をさらに減少させることができるという利点がある。同一列車内で空車および積車が作動している時、特に下り勾配では、ブレーキ作動中に空車が比較的高い減速力を発生できるようにすることに役立つ。これによって、列車全体を減速させる際に発生する熱の消散を、空車の車輪が積車の車輪とより等しく分担することができる。したがって、比較的低レベルのブレーキ作動中で車輪の滑りが大して危険ではない場合、通常のブレーキ力の高率を空車に加えることができることが好都合である。しかし、高レベルのブレーキ作動の場合、車輪が滑る可能性を最小限に抑えるために、空車に加えるブレーキ力を大幅に減少させることが必要である。
【0063】
II. 本発明の第2の実施形態の作動
図6は、本発明の第2の実施形態がどのように作動するかを示している。この実施形態では、本発明は、差動弁40と、解除弁50と、改良型ブレーキシリンダ6aと、変更形荷重センサ9aとを含む。差動弁40は、解除弁50に対して上下逆の向きになっている。弁の向きに関連して言うと、各弁の上部が、改良型ブレーキシリンダ6aの補償室74と連通している。各弁の底部が、パイプ網12を経て荷重センサ9aに連通している。荷重センサの変更に伴って、ばね93に逆らってピストンアセンブリ92を移動させるために必要な力が変化する。以下の作動説明のように、この時にピストンアセンブリ92を排気位置から移動させるために必要な圧力は、ブレーキシリンダ6aのピストンおよびロッドアセンブリ60を、ブレーキシューが台車の車輪と接触する点まで移動させるために必要な力を超えていなければならない。
【0064】
A.ブレーキ作動中の作動
ブレーキの作動中、ブレーキ管内の圧力は、求められるブレーキ作動の大きさによって定められる程度まで減少する。図6に示されている構造では、それによって生じたブレーキ管圧力の低下にブレーキ制御弁7が反応して、加圧空気を適当なタンク4/5から入口ポート71およびパイプ網11を経てブレーキシリンダ6aの前側に供給する。同時に、ブレーキ制御弁7はまた、空気を荷重センサ9aのピストンアセンブリ92に隣接した室91に供給する。
【0065】
室91内のBCPがこの新しい所定値を超えるまで、ばね93がピストンアセンブリ92を最左側位置に保持する。したがって、所定大きさ以下のブレーキをかける場合、鉄道車両が空車または積車のいずれでも、ブレーキ制御弁7からの加圧空気のすべてがブレーキシリンダ6aの入口ポート71に送られるであろう。鉄道車両が空車の時で室91内の前圧力が所定値を超えた時だけ、荷重センサ9aの内部ポートが影響を受けるであろう。図6に示されているように用いられているので、荷重センサ9aは実質的に、鉄道車両が空車である時にBCPを弁40および50に接続し、鉄道車両が荷重を担持している時にそれを切り離すことができる。
【0066】
1.積車でのブレーキの作動
積車では、鉄道車両の車体と各台車の側部フレーム100との間の距離が、鉄道車両によって担持されている重量によって定められる程度まで減少するであろう。ブレーキ制御弁7によって室91に供給される圧力が所定値を超えた時だけ、ピストンアセンブリ92がばね93に逆らって移動し、センサアーム90を強制的に押し下げる。しかし、センサアーム90はすぐに側部フレーム100の上部と接触し、これによって、ピストンアセンブリ92がスプール94aを移動位置、すなわち、パイプ網11および12が相互接続される点まで移動させることが防止される。鉄道車両が積車の時、パイプ網11および12が互いに切り離された状態にあるので、ブレーキ制御弁7は差動弁40および解除弁50の下側から遮断されているであろう。
【0067】
一方、圧力が増加してピストンヘッド61の前側を押し付けると、ピストンおよびロッドアセンブリ60がブレーキ作動位置に向かって移動し始める。ピストンヘッド61のそのような移動によって、補償室74の体積が減少し、そのため、その内部の背圧が増加する。解除弁50は、その前後の圧力差が、ばね52によって弁部材51を弁座53上に保持できなくなる点に達すると、開放する。このため、室74内の圧力を受けた空気が、解除弁50、パイプ網12および排気ポート99を通って大気に逃げる。しかし、ばね42の力が、補償室74内に存在する圧力からの力と結合して、弁部材41を弁座43上に保持するため、差動弁40は閉成されたままである。このため、鉄道車両が積車の時のブレーキの作動中、解除弁50が補償室74内の圧力の増加を防止する。これによって、ブレーキシリンダピストン60は邪魔されないでブレーキ作動位置に向かって移動することができる。
【0068】
したがって、積車のブレーキ制御弁7は、空気をパイプ網11を経てブレーキシリンダ6aの前側に供給できるだけである。入口ポート71に流入した空気が、速やかにピストンヘッド61の前側に、それの後側に戻しばね65によって加えられる対抗力を超える力を発生する。図6の斜視図で見て、この力がピストンヘッド61を右方向に移動させ、それによって戻しばね65がさらに圧縮されて、ロッドアセンブリ60の突出端部69を押し付けることによって、ブレーキシリンダ6aの開口72から外側に突出させる。ロッドアセンブリ60の伸張によって、ブレーキリギングがブレーキをかける。本発明および荷重センサ9aがピストンヘッド61の後側での圧力の増加を防止するため、ブレーキが作用する大きさは、ピストンヘッド61の前側を押し付ける圧力増加に正比例する。
【0069】
2.空車でのブレーキ作動
空車では、鉄道車両の車体と各台車の側部フレーム100との間の距離が最大になるであろう。ブレーキ制御弁7が空気を入口ポート71および室91に供給するので、圧力が増加してピストンヘッド61の前側および荷重センサ9aのピストンアセンブリ92を押し付け始める。最終的に戻しばね65によって加えられる対抗力に打ち勝つと、この前圧力がブレーキシリンダピストン60をブレーキ作動位置に移動させ、これによって補償室74の体積が減少する。しかし、BCPが所定値を超えるまで、ばね93がピストンアセンブリ92を、またそれと共にスプール94aを排気位置に保持する。したがって、ブレーキシリンダピストン60がブレーキ作動位置に向かって移動すると、これによって生じる補償室74内の圧力の増加によって、解除弁50が強制的に開放される。解除室74内の加圧空気が、解除弁50、パイプ網12および排気ポート99を通って大気に逃げる。ばね42の力と補償室74内に存在する圧力とによって、差動弁40は初めは閉成位置に留まっている。
【0070】
ブレーキ制御弁7が室91に供給する圧力が所定値を超えた時、それによって生じる力がピストンアセンブリ92を右方向に十分に移動させるため、スプール94aを移動位置に移動させることができる。このブレーキ作動中、鉄道車両が空車であるので、センサアーム90を側部フレーム100と接触させないで最大限に押し下げることができる。入口ポート71に供給するのに加えて、ブレーキ制御弁7は荷重センサ9aによって、空気をパイプ網11および12を経てチェック弁40および50の下側に供給することができる。
【0071】
鉄道車両が空車の時、チェック弁は以下のようにブレーキ制御弁7からの空気に反応する。パイプ網12内での圧力増加がばね52によって加えられる力に加わって弁部材51を着座させるので、解除弁50が迅速に閉成する。しかし、パイプ網12内の圧力が切り換えレベルを超えるまで、差動弁40は閉成したままである。このため、補償室74内の圧力が増加することができるまでは、ブレーキ制御弁7からの空気が入口ポート71を経てピストンヘッド61の前側に作用する。前圧力が切り換えレベルに上昇するまで閉成していることによって、差動弁40は補償室74内の背圧を比較的低いレベルに保持する。少なくとも初めは、これによってブレーキシリンダピストン60がブレーキ作動位置に向かって容易に移動することができる。
【0072】
パイプ網12内の圧力が切り換えレベルを超えると、差動弁40が開く。切り換えレベルを超えている前圧力が、ばね42の対抗力に逆らって弁部材41を弁座43から強制的に離脱させる。開放した時、差動弁40は空気をブレーキ制御弁7からパイプ網11および12を経て補償室74に流すことができる。この流入空気により、補償室74内で背圧が増加して、ピストンヘッド61の後側に強力に作用する。しかし、入口ポート71に流入する空気は、(戻しばね65および背圧によって)ピストンヘッドの後側に加えられる対抗力を超える力をピストンヘッドの前側に発生させる。ブレーキシリンダ6aが出力する有効力は、ブレーキリギングを介してブレーキに伝達される。
【0073】
ブレーキが解除されるまで、差動弁40は補償室74内の背圧を、ピストンヘッド61の前側に作用するBCPから切り換え量を差し引いた値に保持するように作動する。鉄道車両が空車の時、背圧が、ブレーキシリンダ6aによって出力される全力を減少させる。切り換え値を超えるすべてのBCPにおいて、本発明は、鉄道車両が空車の時にブレーキシリンダ6aによって出力される力が、鉄道車両が積車の時にブレーキシリンダ6aが通常出力する力の何分の一かを決定する。さらに、上記表から、これらのブレーキシリンダの積空力比が、BCPの大きさによって変化することがわかる。しかし、切り換え値より低いBCPの場合、ブレーキシリンダ6aによって出力される力は減少しないであろう。
【0074】
B.ブレーキ解除中の作動
ブレーキの解除中、それによって生じるブレーキ管圧力の増加にブレーキ制御弁7が反応して、空気をブレーキシリンダ6aの前側から入口ポート71およびパイプ網11を経て逃がす。ブレーキ制御弁7はまた、接続部をパイプ網11と共有することによって、空気を荷重センサ9aの室91から逃がす。ブレーキ制御弁7が最初にパイプ網11から空気を逃がし始める時、それはパイプ網12および弁40および50の下側からも空気を逃がしている。パイプ網12内の圧力が弁40によって設定された差より迅速に低くなるため、差動弁40が閉じて、それ以降は閉成状態にある。空気がパイプ網12から逃げ続けるので、弁部材51の下側の圧力が速やかに補償室74内の背圧より低くなる。この圧力差が、ばね52自体が弁部材51を弁座53上に保持できなくなる点に達すると、解除弁50が開く。その時、補償室74内の圧力を受けた空気も、解除弁50およびパイプ網11および12を経て逃げ始める。
【0075】
室91内の圧力が所定値より低くなった時、ばね93がピストンアセンブリ92を左方向に移動させ、スプール94aを排気位置に移動させる。この時、弁40および50の下側が荷重センサ9aによって排気ポート99に接続されるであろう。このため、補償室74内の圧力が低下し続けて、弁部材51の上側に作用する力が、解除弁50を開放状態に保持するために必要な力より迅速に低下する。一方、パイプ網11の減圧排気がブレーキシリンダピストン60をハウジング70内へ後退させている。これによって、補償室74の寸法が伸張し、その内部の圧力がさらに減少する。この時、弁50の前後の圧力差が、弁部材51の下側が優勢になるように変化するため、解除弁50が閉じる。補償室74内にわずかながらも圧力が残っていても、まったく意味がない。解除位置に後退しているため、ブレーキシリンダピストン60はそれの突出端部69を内側に引き込み、それによってブレーキを解除している。
【0076】
次に、積車の場合のブレーキ解除中の第2実施形態の作動を説明する。ブレーキ制御弁7は、パイプ網12ではなく、パイプ網11だけから空気を逃がすことができる。これは、荷重センサ9aが積車時にとるように押し付けられた状態によるものである。具体的に言うと、センサアーム90が側部フレーム100の上部と接触することによって、ピストンアセンブリ92の移動が大きく制限されるので、積車では荷重センサ9aがパイプ網11および12を相互接続させることができなかった。このため、ピストンアセンブリ92およびそれのスプール94aが排気位置から完全には離脱しないので、弁40および50の下側が排気ポート99を経て大気に通気していた。
【0077】
したがって、この時にパイプ網11および室91の前圧力が所定値より低くなるので、ばね93がピストンアセンブリ92だけを最左側位置に移動させ、スプール94aは排気位置のままである。ブレーキが作動している時には補償室74内で背圧が増加することができなかったため、ブレーキが解除されている時に逃がすべき圧力が補償室74内にない。パイプ網11の減圧排気は、ブレーキシリンダピストン60をハウジング70内に後退させるだけである。後退する時、ブレーキシリンダピストン60はそれの突出端部69を内側に引き込み、それによってブレーキを解除する。
【0078】
III. 本発明の第3の実施形態の作動
図7は、本発明の第3の実施形態がどのように作動するかを示している。この実施形態は、改良型ブレーキシリンダ6aと、変更形荷重センサ9aとを用いている。差動弁40および解除弁50は用いられていない。補償室74は、パイプ網12および通路97を経て直接的に荷重センサ9aに接続されているだけである。
【0079】
A.ブレーキ作動中の作動
図7に示されている構造では、ブレーキ管圧力の低下にブレーキ制御弁7が反応して、加圧空気をパイプ網11を経てブレーキシリンダ6aの前側および荷重センサ9aの室91の両方に供給する。室91内のBCPが所定値を超えるまで、ばね93がピストンアセンブリ92を最左側位置に保持する。したがって、所定大きさ以下のブレーキをかける場合、鉄道車両が空車または積車のいずれでも、ブレーキ制御弁7からの加圧空気のすべてがブレーキシリンダ6aに送られるであろう。鉄道車両が空車の時で室91内の圧力が所定値を超えた時だけ、ピストンアセンブリ92が右方向に移動して、荷重センサ9aの内部ポートに影響を与えることができるであろう。図7に示されているように用いられているので、荷重センサ9aを使用して、鉄道車両が空車である時にBCPを補償室74に接続し、積車の時にそれを切り離すことができる。
【0080】
1.積車でのブレーキの作動
積車では、荷重センサ9aがほぼ第2の実施形態について述べた通りに作動する。ブレーキ制御弁7によって室91に供給された圧力が所定値を超えた時、センサアーム90がすぐに側部フレーム100の上部と接触する。これによって、ピストンアセンブリ92およびそれのスプール94aが排気位置から完全に離れることが防止される。このため、パイプ網11および12は互いに切り離されたままであって、ブレーキ制御弁7は補償室74から遮断されている。
【0081】
一方、前圧力が増加してピストンヘッド61の前側を押し付けるので、ブレーキシリンダピストン60がブレーキ作動位置に向かって移動し始める。これによって補償室74の体積が減少し、その内部に収容されている空気がパイプ網12、通路97および排気ポート99を経て大気に逃げる。このため、本発明は、ブレーキが作動している時に補償室74内での背圧の増加を防止する。これによって、鉄道車両が積車の時のブレーキの作動中、ブレーキシリンダピストン60は邪魔されないでブレーキ作動位置に向かって移動することができる。したがって、増加してピストンヘッド61の前側を押し付ける前圧力に正比例した大きさでブレーキがかかる。
【0082】
2.空車でのブレーキ作動
空車では、荷重センサ9aはやはり基本的に第2の実施形態について述べた通りに作動する。ブレーキ制御弁7が空気を入口ポート71および室91に供給するので、圧力が増加してピストンヘッド61の前側および荷重センサ9aのピストンアセンブリ92を押し付け始める。最終的に戻しばね65によって加えられる対抗力に打ち勝つと、この圧力は速やかにブレーキシリンダピストン60をブレーキ作動位置に移動させ、これによって補償室74の体積が減少する。しかし、前圧力が所定値を超えるまで、ばね93がピストンアセンブリ92およびそれのスプール94aを最左側の排気位置に保持する。したがって、ブレーキシリンダピストン60がブレーキ作動位置に向かって移動すると、補償室74内の空気が、パイプ網12および排気ポート99を通って大気に逃げる。
【0083】
ブレーキ制御弁7が室91に供給する前圧力が所定値を超えた時、それによって生じる力がピストンアセンブリ92を右方向に十分に移動させるため、スプール94aを排気位置から移動位置に移動させることができる。このブレーキ作動中、鉄道車両が空車であるので、ピストンアセンブリ92はセンサアーム90を、側部フレーム100と接触させることなく、最大限に押し下げることができる。入口ポート71に供給するのに加えて、この時にブレーキ制御弁7は荷重センサ9aによって、空気を通路97およびパイプ網12を経て直接的に補償室74に供給することができる。
【0084】
空車時のブレーキ作動中、BCPが所定値を超えた時、背圧だけが補償室74内で増加する。さらに、本発明のこの第3の実施形態では、背圧が前圧力と等しい。しかし、前圧力は、ピストンヘッド61の後側に(戻しばね65および背圧によって)加えられる対抗力を超える力をピストンヘッド61の前側に発生する。ブレーキシリンダ6aが出力する有効力は、ブレーキリギングを介してブレーキに伝達される。有効力は、ピストンヘッド61の前後側の有効面積、これらの表面に作用する前圧力および背圧の大きさ、および戻しばね65の定数によって決まる。
【0085】
異なった4種類のブレーキシリンダ6aについて、積空力比を算出して、以下の表に列記している。各表は、C.V.DIFFERENTIALがゼロであるとする。これらの表は、BCPに関係なく、積空力比が実質的に一定であることを示している。いずれのブレーキシリンダでも、積空力比は、ピストンヘッド61の後側に接して用いられたシール73の直径によって決まるであろう。本発明の他の実施形態とは異なって、本実施形態では、所定値を上回るすべてのBCPにおいて、空車にブレーキをかける力が、積車の場合に鉄道車両に加わる力のほぼ一定割合である。所定値より低いBCPの場合、ブレーキシリンダによって出力される力は減少されない。
【0086】
【表4】
Figure 0003742011
【表5】
Figure 0003742011
【表6】
Figure 0003742011
【表7】
Figure 0003742011
【0087】
B.ブレーキ解除中の作動
次に、空車時のブレーキの解除中の第3の実施形態の作動を説明する。それによって生じるブレーキ管圧力の増加にブレーキ制御弁7が反応して、空気をブレーキシリンダ6aの前側および荷重センサ9aの室91から逃がす。ブレーキ制御弁7が空気をパイプ網11から逃がし始める時、それはまた補償室74からパイプ網12を経て空気を逃がしている。
【0088】
室91内の圧力が所定値より低くなった時、ばね93がピストンアセンブリ92を左方向に移動させ、スプール94aを排気位置に移動させる。この時、室74が荷重センサ9aによって通路97および排気ポート99を経て大気に接続される。一方、パイプ網11の減圧排気が継続して、戻しばね65の力によってピストン60がハウジング70内へ後退する。ブレーキシリンダピストン60の突出端部69は、速やかにブレーキが完全に解除される解除位置に達する。
【0089】
次に、積車時のブレーキ解除中の第3の実施形態の作動を説明する。ブレーキ制御弁7は、パイプ網12ではなく、パイプ網11だけから空気を逃がすことができる。これは、荷重センサ9aが積車の時にとるように押し付けられた状態によるものである。具体的に言うと、センサアーム90が側部フレーム100の上部と接触することによって、ピストンアセンブリ92の移動が大きく制限されるので、荷重センサ9aが移動位置へ移動することが妨害された。このため、ピストンアセンブリ92およびそれのスプール94aが排気位置から離れていないで、補償室74は排気ポート99を経て大気に通気していた。
【0090】
したがって、この時にパイプ網11および室91内の前圧力が所定値より低くなるので、ばね93がピストンアセンブリ92だけを最左側位置に移動させ、スプール94aは排気位置のままである。ブレーキが作動している時には補償室74内で背圧が増加することができなかったため、ブレーキが解除された時に逃がすべき圧力が補償室74内にない。パイプ網11の減圧排気は、ブレーキシリンダピストン60をハウジング70内に後退させるだけである。後退する時、ブレーキシリンダピストン60はそれの突出端部69を内側に引き込み、それによってブレーキを解除する。
【0091】
本発明を実施するための現時点で好適な実施形態を特許法に従って説明してきた。しかし、本発明が関連する技術について通常の技量を有する者であれば、請求項の精神および範囲から逸脱することなく本発明を実施する様々な変更方法がわかるであろう。そのような技量を有する者であれば、以上の説明が単に説明のためのものであって、請求項を特定の狭い解釈に制限するものでないことも理解できるであろう。
【0092】
したがって、科学および有用な技術の発展を促進するために、私は請求項によって定められるすべての主題に対する排他的権利を特許法に定められる期間にわたって特許によって獲得する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 貨物列車の典型的な車両用の空気圧ブレーキ装置の概略図であって、ブレーキが完全に解除された時に、S−1荷重センサおよびP−1荷重比例弁がとる内部状態を示している。
【図2】 ブレーキシリンダの断面図である。
【図3】 積車の時にブレーキの作動中に反応しているS−1荷重センサを示している。
【図4】 空車の時にブレーキの作動中に反応しているS−1荷重センサを示している。
【図5】 本発明の第1の実施形態を示している。
【図6】 本発明の第2の実施形態を示している。
【図7】 本発明の第3の実施形態を示している。
【符号の説明】
6a ブレーキシリンダ
7 ブレーキ制御弁
9 荷重センサ
11 第1パイプ網
12 第2パイプ網
30 変位弁
40 差動弁
50 解除弁
60 ロッドアセンブリ
69 突出端部
71 入口ポート
73 シール
74 補償室
75 後通路網
76 前通路網
77 出口通路
78 解除通路

Claims (22)

  1. 鉄道車両の少なくとも1つの台車にブレーキをかけようとする力を決定する際にその台車に担持されている重量を補償するシステムにおいて、前記台車は、第1パイプ網を介して相互接続されたブレーキ制御弁および荷重センサを備えており、該荷重センサは、(i)前記ブレーキ制御弁によって前記第1パイプ網内に発生した前圧力が所定量より大きいと共に、前記鉄道車両が空である時、第2パイプ網を前記第1パイプ網に相互接続し、(ii)前記鉄道車両が積空のいずれの状態であっても、前記前圧力が前記所定量より低い時、前記パイプ網を互いに切り離して、前記第2パイプ網を大気に接続するようにしたシステムであって、
    (a)前記ブレーキに連結するための突出端部と、ピストンとして形成されたヘッド端部とを有して解除位置に常時押し付けられたロッドアセンブリを内部に設けたブレーキシリンダを含み、該ブレーキシリンダは、前記ブレーキ制御弁から流体を受け取る入口ポートを有して、前記第1パイプ網を経て前記前圧力を増加させて前記ピストンの前側を押し付けることによって、前記ロッドアセンブリを前記解除位置からブレーキ作動位置に移動させることができ、また、前記ブレーキシリンダの内部に配置されて、前記ピストンの後側に隣接した位置で前記ロッドアセンブリと同心状の補償室を形成するシールが設けられており、さらに、
    (b)(i)大気に接続された出口ポート、(ii)前記第1パイプ網に接続された解除通路、(iii)前記補償室に接続された後通路網、および(iv)前記第2パイプ網を通して前記荷重センサに接続された前通路網を備えた弁アセンブリを含み、該弁アセンブリは、変位弁、解除弁および差動弁を備えており、
    (1)前記変位弁は、(i)前記出口ポートが前記後通路網と連通し、それによって前記補償室を大気に接続する常時開放位置と、(ii)前記後通路網が前記出口ポートから遮断される閉成位置とを有しており、前記前圧力が所定値を超えると共に、前記荷重センサが前記鉄道車両の空状態を感知した時、前記変位弁が前記閉成位置をとり、
    (2)前記解除弁は、前記後通路網が前記解除通路から遮断される常時閉成位置を有し、前記解除通路内の前記前圧力が前記補償室内に存在する背圧より最小量だけ低くなった時に開放位置をとり、それによって、前記第1パイプ網および前記ブレーキ制御弁を経た前記前圧力と共に、前記背圧を前記解除弁および前記解除通路を通して大気に逃がすことができ、
    (3)前記差動弁は、前記前通路網が前記後通路網から遮断される常時閉成位置を有し、前記前圧力が前記背圧より高い切り換え量に達した時に開放位置をとり、それによって、流体が前記ブレーキ制御弁から前記荷重センサを経て前記第1および第2パイプ網を通り、さらに前記前および後通路網を通って前記補償室に流入することによって、前記背圧が増加して前記ピストンの前記後側を押し付けることによって、前記ピストンの前記前側に作用する前記前圧力によって生じる力を部分的に相殺する対抗力を発生することができ、前記前圧力が増加する時、前記背圧は前記前圧力より前記切り換え量だけ低いままであり、
    それによって、前記鉄道車両が空車である時に前記ブレーキをかける力を、前記鉄道車両が積車である時に前記ブレーキをかける力の何分の一かにすることができ、前記前圧力が増加すると、その割合が小さくなるようにしたシステム。
  2. 前記変位弁は、
    (a)下側ハウジング内に収容された下側アセンブリを含み、該下側アセンブリは、弁部材と、前記出口通路のすぐ下方の位置で前記下側ハウジング内に形成された下側弁座に前記弁部材を押し付ける主ばねとを有し、前記下側ハウジングは、前記後通路網と連通しており、さらに、
    (b)上側ハウジング内に収容された上側ピストンアセンブリを含み、該上側ピストンアセンブリは、ピストンおよびカウンタばねを有し、該ピストンは、(i)下側が前記前通路網と連通しているディスク部分と、(ii)下側先端部が前記弁部材の上側と接触する突出部分とを有しており、前記変位弁は、前記カウンタばねが、前記主ばねによって前記弁部材の下側に加えられる対抗力に逆らって前記ピストンを保持する前記開放位置に常時保持されて、(A)前記ディスク部分の前記下側を前記上側ハウジング内に形成されたピストンストッパに当接状態に着座させ、(B)前記突出部分によって前記弁部材を前記下側弁座から押し離し、また、前記前通路網内の前記前圧力が前記所定値を超えた時、前記変位弁が前記閉成位置をとることによって、前記ディスク部分の前記下側に作用する前記前圧力と、前記弁部材の前記下側に作用する前記主ばねとの結合力が、前記カウンタばねによって前記ピストンに加えられる力に打ち勝つことによって、前記弁部材を前記下側弁座に着座させることができる請求項1記載のシステム。
  3. 前記変位弁はさらに、前記ピストン内に等化チャネルを含み、該等化チャネルは、前記突出部分の下部分から前記ディスク部分の上部まで延在して、前記出口通路と前記上部ハウジングの前記ピストンの上方とを連通させることができる請求項2記載のシステム。
  4. 前記解除弁は、上部が前記解除通路と連通し、底部が前記第1通路網と連通した弁ハウジング内に設けられており、前記解除弁は、
    (a)弁部材と、
    (b)該弁部材を前記弁ハウジング内に形成された弁座に押し付けることによって、前記解除弁を前記閉成位置に付勢するばねとを含み、前記前圧力が前記背圧より前記最小量だけ低下した時、前記解除弁が前記開放位置をとり、それによって前記弁部材の下側に作用する前記背圧の力が、前記前圧力と前記弁部材の上側に作用する前記ばねとの結合力に打ち勝つようにした請求項1記載のシステム。
  5. 前記差動弁は、上部が前記前通路網と連通し、底部が前記後通路網と連通した弁ハウジング内に設けられており、前記差動弁は、
    (a)弁部材と、
    (b)該弁部材を前記弁ハウジング内に形成された弁座に押し付けることによって、前記差動弁を前記閉成位置に付勢するばねとを含み、前記前通路網内の前記前圧力が前記背圧より高い前記切り換え量を超えた時、前記差動弁が前記開放位置をとり、それによって前記弁部材の上側に作用する前記前圧力の力が、前記背圧と前記弁部材の下側に作用する前記ばねとの結合力に打ち勝つようにした請求項1記載のシステム。
  6. 前記ブレーキシリンダは、前記ブレーキシリンダに作用する有効圧力に応じて変化する積空力比を示す請求項1記載のシステム。
  7. 前記弁アセンブリは、前記荷重センサ内に組み込まれている請求項1記載のシステム。
  8. 鉄道車両の、ブレーキ制御弁を有する少なくとも1つの台車にブレーキをかけようとする力を決定する際に、その台車に担持されている重量を補償するシステムであって、
    (a)前記ブレーキに連結される突出端部と、ピストンとして形成されたヘッド端部とを有して常時解除位置に押し付けられたロッドアセンブリを内部に設けたブレーキシリンダを含み、該ブレーキシリンダは、前記ブレーキ制御弁から流体を受け取る入口ポートを有して、前記第1パイプ網を経て前圧力を増加させて前記ピストンの前側を押し付けることによって、前記ロッドアセンブリを前記解除位置からブレーキ作動位置に移動させることができ、また、前記ブレーキシリンダの内部に配置されて、前記ピストンの後側に隣接した位置で前記ロッドアセンブリと同心状の補償室を形成するシールが設けられており、さらに、
    (b)前記第1パイプ網を経て前記ブレーキ制御弁および前記入口ポートに相互接続されていると共に、第2パイプ網に接続された荷重センサを含み、該荷重センサは、(i)前記鉄道車両が積車であることを感知した時、または、前記鉄道車両が空車である時で前記前圧力が所定量より低い時、前記パイプ網が互いに切り離されると共に、前記第2パイプ網が大気に相互接続される排気位置をとり、(ii)前記鉄道車両が空車である時で前記前圧力が前記所定値より高いことが感知された時、前記第1および第2パイプ網が相互接続される移動位置に移動し、また、前記荷重センサは、前記所定量の圧力が、前記ブレーキをかけ始める点まで前記ロッドアセンブリを移動させるために必要な前記前圧力を超えるように設定されており、さらに、
    (c)上部が前記補償室と連通し、底部が前記第2パイプ網を通して前記荷重センサと連通した解除弁および差動弁を有する弁アセンブリを含み、
    (1)前記解除弁は、前記補償室が前記第2パイプ網から遮断される常時閉成位置を有し、前記第2パイプ網内に存在する圧力が前記補償室内に存在する背圧より最小量だけ低くなった時に開放位置をとり、それによって、前記補償室が前記第2パイプ網を経て排気されることができ、
    (2)前記差動弁は、前記第2パイプ網が前記補償室から遮断される常時閉成位置を有し、前記荷重センサによって前記第2パイプ網に伝達された前記前圧力が前記背圧より高い切り換え量に達した時に開放位置をとり、それによって、流体が前記ブレーキ制御弁から前記荷重センサを経て前記第1および第2パイプ網を通って前記補償室に流入することによって、前記背圧が増加して前記ピストンの前記後側を押し付けることによって、前記ピストンの前記前側に作用する前記前圧力によって生じる力を部分的に相殺する対抗力を発生することができ、前記前圧力が増加する時、前記背圧は前記前圧力より前記切り換え量だけ低いままであり、
    それによって、前記鉄道車両が空車である時に前記ブレーキをかける力を、前記鉄道車両が積車である時に前記ブレーキをかける力の何分の一かにすることができ、前記前圧力が増加すると、その割合が小さくなるようにしたシステム。
  9. 前記解除弁50は、ハウジング内に設けられており、
    (a)弁部材と、
    (b)該弁部材を前記ハウジング内に形成された弁座に押し付けることによって、前記解除弁を前記閉成位置に付勢するばねとを含み、前記前圧力が前記背圧より前記最小量だけ低下した時、前記解除弁が前記開放位置をとり、それによって前記弁部材の一方側に作用する前記背圧の力が、前記前圧力と前記弁部材の他方側に作用する前記ばねとの結合力に打ち勝つようにした請求項8記載のシステム。
  10. 前記差動弁は、ハウジング内に設けられており、
    (a)弁部材と、
    (b)該弁部材を前記ハウジング内に形成された弁座に押し付けることによって、前記差動弁を前記閉成位置に付勢するばねとを含み、前記前圧力が前記背圧より高い前記切り換え量を超えた時、前記差動弁が前記開放位置をとり、それによって前記弁部材の一方側に作用する前記前圧力の力が、前記背圧と前記弁部材の他方側に作用する前記ばねとの結合力に打ち勝つようにした請求項8記載のシステム。
  11. 前記ブレーキシリンダは、該ブレーキシリンダに作用する有効圧力に応じて変化する積空力比を示す請求項8記載のシステム。
  12. 前記解除弁および前記差動弁は、前記荷重センサ内に組み込まれている請求項8記載のシステム。
  13. 鉄道車両の、ブレーキ制御弁を有する少なくとも1つの台車にブレーキをかけようとする力を決定する際に、その台車に担持されている重量を補償するシステムであって、
    (a)前記ブレーキに連結される突出端部と、ピストンとして形成されたヘッド端部とを有して常時解除位置に押し付けられたロッドアセンブリを内部に設けたブレーキシリンダを含み、該ブレーキシリンダは、流体を前記ブレーキ制御弁から受け取る入口ポートを有して、第1パイプ網を経て前圧力を増加させて前記ピストンの前側を押し付けることによって、前記ロッドアセンブリを前記解除位置からブレーキ作動位置に移動させることができ、また、前記ブレーキシリンダの内部に配置されて、前記ピストンの後側に隣接した位置で前記ロッドアセンブリと同心状の補償室を形成するシールが設けられて、前記補償室が第2パイプ網に連通しており、さらに、
    (b)前記第1パイプ網を経て前記ブレーキ制御弁および前記入口ポートに相互接続されていると共に、前記第2パイプ網を経て前記補償室に相互接続された荷重センサを含み、該荷重センサは、(i)前記鉄道車両が積車であることを感知した時、または、前記鉄道車両が空車である時で前記前圧力が所定量より低い時、前記第1パイプ網が前記第2パイプ網から切り離されると共に、前記第2パイプ網が大気に相互接続されることによって前記補償室が通気される排気位置をとり、(ii)前記鉄道車両が空車である時で前記前圧力が前記所定値より高いことが感知された時、前記第1および第2パイプ網が相互接続される移動位置に移動することによって、前記前圧力と等しい背圧が前記補償室内に発生して、前記ピストンの前記前側に作用する前記前圧力によって生じる力を部分的に相殺するために前記ピストンの前記後側を押し付ける対抗力を発生することができ、また、前記荷重センサは、前記所定量の圧力が、前記ブレーキをかけ始める点まで前記ロッドアセンブリを移動させるために必要な前記前圧力を超えるように設定されており、
    それによって、前記前圧力が前記所定量を超える時はいつも、前記鉄道車両が空車である時に前記ブレーキをかける力を、前記鉄道車両が積車である時に前記ブレーキをかける力の何分の一かにすることができるシステム。
  14. 前記ブレーキシリンダは、該ブレーキシリンダに作用する有効圧力に関係なく固定された積空力比を示す請求項13記載のシステム。
  15. 鉄道車両用のブレーキシリンダであって、
    (a)一端部に流体をその供給源から受け取るための入口ポートを、他端部に開口を有するハウジングと、
    (b)前記ハウジング内に配置されて、(i)前記開口から突出して、前記鉄道車両のブレーキに連結可能な突出端部と、(ii)ピストンとして形成されたヘッド端部とを有するロッドアセンブリと、
    (c)前記ピストンが前記入口ポートに隣接した位置をとり、前記突出端部が前記開口付近で後退する解除位置に前記ロッドアセンブリを付勢するばねと、
    (d)前記ハウジング内に配置されて、前記ピストンの後側に近接した位置に前記ロッドアセンブリと同心状の補償室を形成するシールとを含み、前記ヘッド端部の有効面積は、前記補償室側より前記供給側において大きく、前記補償室は、前記流体を前記供給源から受け取ることができ、前記入口ポートで受け取った前記流体が、前記ばねに逆らって前記ピストンの前側に作用することによって、前記ロッドアセンブリを前記解除位置からブレーキ作動位置へ移動させることができ、また、前記補償室内に受け取った前記流体が前記ピストンの前記後側に作用することによって、前記ピストンの前記前側に作用する前記流体によって発生する力を部分的に相殺するように対抗力が発生するようにしたブレーキシリンダ。
  16. (i)(A)鉄道車両が積車であるか、(B)前記鉄道車両が空車である時で第1パイプ網内の前圧力が所定量より低いことを感知した時、前記第1パイプ網が該第1パイプ網と連通したブレーキ制御弁およびブレーキシリンダと共に、第2パイプ網から切り離され、該第2パイプ網が大気に相互接続される排気位置と、(ii)前記鉄道車両が空車である時で前記前圧力が前記所定量より高いことを感知した時、前記第1および第2パイプ網を相互接続させる移動位置との間で切り換え可能な形式の荷重センサにおいて、
    (a)(i)大気に開いた出口ポートが前記ブレーキシリンダ内の補償室と連通する常時開放位置と、(ii)前記補償室が前記出口ポートから遮断される閉成位置とを有する変位弁を含み、前記荷重センサが前記移動位置にあり、前記第1および第2パイプ網内の前記前圧力が所定値を超えた時、前記変位弁が前記閉成位置をとり、さらに、
    (b)前記補償室が前記第1パイプ網から遮断される常時閉成位置を有する解除弁を含み、前記第1パイプ網内の前記前圧力が前記補償室内に存在する背圧より最小量だけ低くなった時、前記解除弁は開放位置をとり、それによって、前記第1パイプ網および前記ブレーキ制御弁を経た前記前圧力と共に、前記背圧を前記解除弁および前記第1パイプ網を通して大気に逃がすことができ、さらに、
    (c)前記第2パイプ網が前記補償室から遮断される常時閉成位置を有する差動弁を含み、前記荷重センサが前記移動位置にあると共に、前記第1および第2パイプ網内の前記前圧力が前記背圧より高い切り換え量に達した時、前記差動弁は開放位置をとり、それによって、流体が前記ブレーキ制御弁から前記荷重センサ内の前記差動弁を経て前記第1および第2パイプ網を通って前記補償室に流入することによって、前記背圧が増加して前記ブレーキシリンダ内のピストンの後側を押し付けることによって、前記ピストンの前側に作用する前記前圧力によって生じる力を部分的に相殺する対抗力を発生することができ、前記前圧力が増加する時、前記背圧は前記前圧力より前記切り換え量だけ低いままであり、それによって、前記鉄道車両が空車である時に前記ブレーキシリンダが前記鉄道車両にブレーキをかける力を、前記鉄道車両が積車である時に前記ブレーキをかける力の何分の一かにすることができ、前記前圧力が増加すると、その割合が小さくなるようにした改良。
  17. (i)(A)鉄道車両が積車であるか、(B)前記鉄道車両が空車である時で第1パイプ網内の前圧力が所定量より低いことを感知した時、前記第1パイプ網が該第1パイプ網と連通したブレーキ制御弁およびブレーキシリンダと共に、第2パイプ網から切り離され、該第2パイプ網が大気に相互接続される排気位置と、(ii)前記鉄道車両が空車である時で前記前圧力が前記所定量より高いことを感知した時、前記第1および第2パイプ網を相互接続させる移動位置との間で切り換え可能な形式の荷重センサにおいて、
    (a)大気に開いた出口ポートが前記ブレーキシリンダ内の補償室と前記第2パイプ網から遮断される常時閉成位置を有する解除弁を含み、前記第2パイプ網内に存在する圧力が前記補償室内に存在する背圧より最小量だけ低くなった時、前記解除弁は開放位置をとり、それによって、前記背圧が前記補償室から前記解除弁および前記第2パイプ網を通って逃げることができ、さらに、
    (b)前記第2パイプ網が前記補償室から遮断される常時閉成位置を有する差動弁を含み、前記荷重センサが前記移動位置にあると共に、前記第1および第2パイプ網内の前記前圧力が前記背圧より高い切り換え量に達した時、前記差動弁は開放位置をとり、それによって、流体が前記ブレーキ制御弁から前記荷重センサ内の前記差動弁を経て前記第1および第2パイプ網を通って前記補償室に流入することによって、前記背圧が増加して前記ブレーキシリンダ内のピストンの後側を押し付けることによって、前記ピストンの前側に作用する前記前圧力によって生じる力を部分的に相殺する対抗力を発生することができ、前記前圧力が増加する時、前記背圧は前記前圧力より前記切り換え量だけ低いままであり、それによって、前記鉄道車両が空車である時に前記ブレーキシリンダが前記鉄道車両にブレーキをかける力を、前記鉄道車両が積車である時に前記ブレーキをかける力の何分の一かにすることができ、前記前圧力が増加すると、その割合が小さくなるようにした改良。
  18. 積空ブレーキ装置と共に使用される弁アセンブリであって、
    (a)(i)下側および上側部分を有する第1ハウジングと、(ii)第2ハウジングと、(iii)第3ハウジングと、(iv)前記第1ハウジングの前記下側および上側部分付近を大気に接続する出口ポートと、(v)前記第1ハウジングの前記上側部分および前記第2ハウジングの上部に接続された前通路網と、(vi)前記第3ハウジングの上部に接続された解除通路と、(vii)前記ハウジングの各々の底部に接続された後通路網とを設けた本体と、
    (b)前記第1ハウジング内に配置されて、(i)前記後通路網が前記出口ポートと連通し、それを通って大気に接続される常時開放位置と、(ii)前記後通路網が前記出口ポートから遮断される閉成位置とを有する変位弁を含み、前記前通路網内の前圧力が所定値を超えた時、前記変位弁が前記閉成位置をとり、さらに、
    (c)前記第2ハウジング内に配置されて、前記前通路網が前記後通路網から遮断される常時閉成位置を有する差動弁を含み、前記前通路網内の前記前圧力が前記後通路網内の前記背圧より高い切り換え量に達した時、前記差動弁は開放位置をとり、さらに、
    (d)前記第3ハウジング内に配置されて、前記後通路網が前記解除通路から遮断される常時閉成位置を有する解除弁を含み、前記解除通路内の前記前圧力が前記後通路網内の背圧より最小量だけ低くになった時、前記解除弁は開放位置をとるようにした弁アセンブリ。
  19. 前記変位弁は、
    (a)前記下側部分内に収容された下側アセンブリを含み、該下側アセンブリは、弁部材と、前記出口通路のすぐ下方の位置で前記下側部分内に形成された下側弁座に前記弁部材を押し付ける主ばねとを有し、前記下側部分の前記底部は、前記後通路網と連通しており、さらに、
    (b)前記上側部分内に収容された上側ピストンアセンブリを含み、該上側ピストンアセンブリは、ピストンおよびカウンタばねを有し、該ピストンは、(i)下側が前記前通路網と連通して、前記前圧力によって押し付けられるディスク部分と、(ii)下側先端部が前記弁部材の上側と接触する突出部分とを有しており、前記変位弁は、前記カウンタばねが、前記主ばねによって前記弁部材の下側に加えられる対抗力に逆らって前記ピストンを保持する前記開放位置に常時保持されて、(A)前記ディスク部分の前記下側を前記上側部分内に形成されたピストンストッパに当接状態に着座させ、(B)前記突出部分によって前記弁部材を前記下側弁座から押し離しており、また、前記前通路網内の前記前圧力が前記所定値を超えた時、前記変位弁が前記閉成位置をとることによって、前記ディスク部分の前記下側に作用する前記前圧力と、前記弁部材の前記下側に作用する前記主ばねとの結合力が、前記カウンタばねによって前記ピストンに加えられる力に打ち勝つことによって、前記弁部材を前記下側弁座に着座させることができる請求項18記載の弁アセンブリ。
  20. 前記変位弁はさらに、前記ピストン内に等化チャネルを含み、該等化チャネルは、前記突出部分の下部分から前記ディスク部分の上部まで延在して、前記出口通路と前記上側部分の前記ピストンの上方とを連通させることができる請求項19記載の弁アセンブリ。
  21. 前記差動弁は、
    (a)弁部材と、
    (b)該弁部材を前記第2ハウジング内に形成された弁座に押し付けることによって、前記弁部材を前記閉成位置に付勢するばねとを含み、前記前通路網内の前記前圧力が前記背圧より高い前記切り換え量を超えた時、前記差動弁が前記開放位置をとり、それによって前記弁部材の上側に作用する前記前圧力の力が、前記背圧と前記弁部材の下側に作用する前記ばねとの結合力に打ち勝つようにした請求項18記載の弁アセンブリ。
  22. 前記解除弁は、
    (a)弁部材と、
    (b)該弁部材を前記第3ハウジング内に形成された弁座に押し付けることによって、前記弁部材を前記閉成位置に付勢するばねとを含み、前記解除通路内の前記前圧力が前記後通路網内の前記背圧より前記最小量だけ低下した時、前記解除弁が前記開放位置をとり、それによって前記弁部材の下側に作用する前記背圧の力が、前記前圧力と前記弁部材の上側に作用する前記ばねとの結合力に打ち勝つようにした請求項18記載の弁アセンブリ。
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