JP3741078B2 - High strength steel material with excellent fatigue crack growth resistance and its manufacturing method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、船体、土木建設物、建設機械、水圧鉄管、海洋構造物、ラインパイプなど構造用材料として使用される厚鋼板、特に引張強さが570MPa以上の高強度鋼材として好適な、疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、溶接構造物が大型化される傾向が顕著になってきており、構造用鋼材の高強度化が望まれている。しかしながら高強度鋼を使用する際には設計応力が上昇するため、疲労破壊が問題となる場合がある。構造用鋼材などの厚鋼板では一般に溶接施工が施されるため、溶接部から疲労亀裂が発生する危険性がある。従って、溶接部から発生、進展する疲労亀裂を鋼材で滞留させることができれば、構造物の疲労寿命の延長に有効である。このため、疲労亀裂進展抑制効果を有する鋼板が種々提案されている。
【0003】
特開平7- 90478号公報には、耐疲労亀裂進展性の良好な鋼板およびその製造法が開示されている。この鋼板は、圧延方向に延在する縞状の硬質な第二相が、軟質な母相内に面積率で 5〜50%の割合で散在した組織を有するものである。
【0004】
また、特開平6-271985号公報には、組織が主にフェライト、パーライト、ベイナイトの1種または2種以上で構成され、さらに平均存在間隔20μm 以下でかつ平均扁平比5以上の形状をした島状マルテンサイトを体積率で0.5 〜5%の割合で存在させた耐疲労亀裂伝播特性の優れた鋼板が示されている。
【0005】
特開平7-242992号公報には、組織が硬質部の素地と、この素地に分散した軟質部とからなり、この2部分の硬度差がビッカース硬度で150 以上であることを特徴とする疲労亀裂進展抑制効果を有する鋼板が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特開平7- 90478号公報で提案された方法では、疲労亀裂の進展抑制効果が発揮されるのは板厚方向のみであり、その他の方向での進展抑制効果は小さい。特開平6-271985号公報で提案された方法では、高強度鋼の場合、平均扁平比の大きな島状マルテンサイトが存在すると、靱性が劣化しやすいという問題がある。また、特開平7-242992号公報にもあるように、硬質部(ベイナイト、マルテンサイト、パーライト、焼戻マルテンサイト)と軟質部(フェライト)からなる混合組織では、強度低下が生じる場合があるため、高強度鋼材を得る方法としては必ずしも満足な方法ではない。また、結晶組織を構成する二相を適切な比率で複合させるには、冷却開始温度、冷却速度、冷却停止温度などを様々な板厚、鋼の成分に合わせて厳密に制御する必要があり、その製造も容易ではないという問題もあった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、具体的には、軟質なフェライト組織を実質的に含まない、主としてベイナイトおよびマルテンサイト、またはベイナイトもしくはマルテンサイトで構成された疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材およびその製造法を提供することにある。
【0008】
【問題を解決するための手段】
従来の疲労亀裂進展抑制鋼はフェライト主体の組織中に高硬度の組織を分散させていたために、高強度化には限界があった。本発明者らは前記課題を解決するために種々研究を重ねた結果、実質的に硬質相(ベイナイト、マルテンサイト、焼戻マルテンサイトなど)のみで構成される組織を備えた鋼であっても、その組織中の転位密度が十分に高い場合には疲労亀裂進展速度を小さく抑制できることを見いだした。
【0009】
このような疲労亀裂進展抑制効果が得られるメカニズムとしては、鋼材が繰り返し変形される際に組織の硬度を低減させることにより、疲労亀裂先端における開口荷重を小さくし、疲労亀裂進展を抑制できるものと考えられた。また、繰り返し変形中に組織の硬度を低減するには組織の転位密度を高めるのが有効であり、そのためには鋼の組織を、低温で変態した高硬度の組織とするのが有効である。
【0010】
拡散変態で生成する粒状の初析フェライトは組織中の転位密度が小さいため、繰り返し変形を与えると硬度が上昇する。一方、剪断変態で生成するベイナイト(アシキュラーフェライトを含む)やマルテンサイトでは、組織中の転位密度が高く、繰り返し変形を与えると軟化して、疲労亀裂進展速度を低下させる。
【0011】
高温域からの急冷により生じるベイナイトやマルテンサイトの構成単位は、3次元的にはラス状(1辺が長い直方体)あるいは板状の組織であることが知られている。この組織の特徴は変態温度が低いほどラスの厚さ (2次元的にはラスの幅) が狭くなることであり、その形態は光学顕微鏡やSEMさらにはTEM等により容易に観察することができる(以下、単に「ラス状組織」と記す)。
【0012】
ラス状組織は、微細であるほどラス内部の変態生成時における転位密度が高くなる。従ってこの部分が繰り返し変形を受けると、転位の回復現象により、軟化量が大きくなり、疲労亀裂進展抑制効果が生じる。すなわち、疲労亀裂の進展特性を改善するには微細なラス状組織を備えた鋼がよい。
【0013】
ベイナイト組織中には、島状マルテンサイトの一種で、残留オーステナイトを含むM−A変態生成物が存在する。このM−A変態生成物(以下、単に「M−A組織」と記す)は、ラス状フェライトの間に炭素が濃縮する結果、形成されるものであり、その硬度は非常に高いとされている。その形態は、光学顕微鏡やSEMさらにはTEM等により容易に観察することができる。
【0014】
ベイナイト組織中のM−A組織は靱性劣化をもたらすことがよく知られている。変態温度が高いほど炭素の濃縮が著しく、M−Aが形成されやすく、かつアスペクト比(縦方向長さ/横幅)も大きくなる。
【0015】
アスペクト比の大きいM−A組織の存在比率(面積率、以下単に「M−A比率」と記す)が高いベイナイト組織は、転位密度が低く、繰り返し変形時の軟化量が小さい。その結果、疲労亀裂進展速度も大きくなる。従って疲労亀裂の進展速度抑制には、アスペクト比が5以上であるM−A比率を小さく制限することが有効である。
【0016】
また、ベイナイト組織やマルテンサイト組織は旧オーステナイト粒によってその成長が停止されるため、その形態は、旧オーステナイト粒の形態に大きな影響を受ける。旧オーステナイト粒のアスペクト比が大きくなると疲労亀裂進展抵抗特性の異方性(例えば鋼板の圧延方向と圧延直角方向での差異)が大きくなり、方向によって疲労亀裂進展速度にバラツキが生じる。疲労亀裂進展速度が鋼板の方向により大きく変動するのは、あまり望ましいことではない。方向による疲労亀裂進展速度変動を少なくするためには、旧オーステナイト粒のアスペクト比を小さく制限するのが有効である。
【0017】
本発明はこれらの知見を基にして完成されたものであり、その要旨は下記 (1)〜(6) に記載の疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材、および (7)、(8) に記載のその製造方法にある。
【0018】
(1)組織が、主として、ベイナイトおよびマルテンサイト、またはベイナイトもしくはマルテンサイトで構成され、そのラス状組織の最小短辺長が1.3μm以下、かつ、ベイナイト組織を含む場合、ベイナイト組織中に含まれるアスペクト比が5以上であり、島状マルテンサイトの一種で残留オーステナイトを含むM−A変態生成物の比率が、面積率で5%未満である疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材。
【0019】
(2)旧オーステナイト粒のアスペクト比が1.2以下であることを特徴とする上記(1)に記載の疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材。
(3)鋼の化学組成が、質量%で、C:0.01%以上、0.15%以下、Si:0.03%以上、0.6%以下、Mn:4/3%以上、2.0%以下、sol.Al:0.005%超、0.10%以下、N:0.0005%以上、0.008%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる上記(1)または(2)に記載の疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材。
(4)鋼の化学組成が、質量%で、C:0.01%以上、0.15%以下、Si:0.03%以上、0.6%以下、Mn:1.0%以上、2.0%以下、B:0.0003%以上、0.0030%以下、sol.Al:0.005%超、0.10%以下、N:0.0005%以上、0.008%以下を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる上記(1)または(2)に記載の疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材。
(5)鋼の化学組成が、質量%で、C:0.01%以上、0.15%以下、Si:0.03%以上、0.6%以下、Mn:0.5%以上、2.0%以下、sol.Al:0.005%超、0.10%以下、N:0.0005%以上、0.008%以下を含み、さらに、Cu:0.7%未満、Ni:3.0%以下、Cr:1.0%未満、Mo:0.8%以下からなる群の内の1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつ、下記式で計算されるFt値が4.0%以上、7.5%以下を満足する上記(1)または(2)に記載の疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材。
Ft=3Mn(%)+Cu(%)+1.5Cr(%)+1.8Ni(%)+1.5Mo(%)
(6)鋼の化学組成が、質量%で、C:0.01%以上、0.15%以下、Si:0.03%以上、0.6%以下、Mn:0.3%以上、2.0%以下、B:0.0003%以上、0.0030%以下、sol.Al:0.005%超、0.10%以下、N:0.0005%以上、0.008%以下を含み、さらに、Cu:0.7%未満、Ni:3.0%以下、Cr:1.0%未満、Mo:0.8%以下からなる群の内の1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、かつ、下記式で計算されるFt値が3.0%以上、7.0%以下を満足する上記(1)または(2)に記載の疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材。
Ft=3Mn(%)+Cu(%)+1.5Cr(%)+1.8Ni(%)+1.5Mo(%)
【0020】
(7)鋼の化学組成が、さらに質量%で、Nb:0.005%以上、0.08%以下、Ti:0.005%以上、0.03%以下、V:0.005%以上、0.08%以下からなる群の内の1種または2種以上を含有する上記(3)〜(6)のいずれかに記載の疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材。
【0021】
(8)上記(3)〜(7)のいずれかに記載の化学組成を有する鋳造スラブに熱間圧延を施す熱間圧延工程と、前記熱間圧延をされた鋼に冷却を施す冷却工程と、前記冷却をされた鋼を900℃以上に再加熱した後、800〜600℃の間の平均冷却速度を9℃/s以上として、350℃以下まで冷却する工程とを備えた疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材の製造方法。
【0022】
(9)上記(3)〜(7)のいずれかに記載の化学組成を有する鋳造スラブに熱間圧延を施す熱間圧延工程と、前記熱間圧延をされた鋼に、熱間圧延に次いで800〜600℃の間の平均冷却速度を9℃/s以上とする冷却を施す工程とを備えた疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材の製造方法。
【0023】
ここで、上記の「主として」との意味は、鋼の結晶組織において、ベイナイトおよびマルテンサイト、またはベイナイトもしくはマルテンサイトの構成比率(2種からなる場合はその合計の構成比率)が、面積率にて95%以上であることを意味する。
【0024】
また、本発明は高強度鋼、特に船体、土木建設物、建設機械、水圧鉄管、海洋構造物、ラインパイプなどの構造用材料としての使用に好適な、疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材を目的としている。その鋼材の性能は、特に限定するものではないが、大気中では疲労亀裂進展速度は3.0 ×10-5mm/cycle以下であり、引張り強さ(TS)が570MPa以上、さらにはvTs で−30℃以下の優れた靱性を兼ね備えているものが望ましい。湿潤硫化水素中では2.0 ×10-4mm/cycle以下、人工海水中では1.0 ×10-4mm/cycle以下であれば望ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明に係る鋼材の組織や化学組成を限定する理由は次のとうりである。
鋼の組織:本発明の鋼は、容易に高強度を得るために、主として、ベイナイトおよびマルテンサイト、またはベイナイトもしくはマルテンサイトで構成される組織を有する。上記ベイナイトは上部ベイナイト、下部ベイナイト、アシキュラーフェライト、グラニュラーベイナイトなどの組織を含むものであり、上記マルテンサイトはほとんどの場合、ラスマルテンサイトであるが、レンズマルテンサイトも含む。
【0026】
「主として」とは、鋼の組織においてこれらの組織の構成比率が合計で面積率にて95%以上であることを意味する。残りの組織は特に限定するものではなく、粒界フェライト組織、粒状フェライト組織、パーライト組織など、通常観察される組織で構わない。
【0027】
ラス状組織の最小短辺長:このラス状組織の短辺長の制御は本発明において非常に重要である。本発明においては、所望の疲労亀裂進展抵抗性を確保するために、ベイナイトやマルテンサイトの構成単位であるラス状組織の中で最も幅の小さいもの(以下、「最小短辺長」と記す)の値が1.3 μm 以下のものとする。最小短辺長が1.3 μm を超えると、十分な進展速度が得られないばかりか靱性も劣化する。
【0028】
ラス状組織の最小短辺長は、鋼材の表層から板厚の1/2 に相当する任意の部位におけるラス状組織を光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、最も幅の小さいラス状組織について測定した長手方向に垂直な幅である。言い換えれば、平行なラス界面の間隔である。より正確に観察するにはTEM を用いるのが良い。光学顕微鏡で観察する場合には、ラス境界、ラス間のM−A組織、あるいはセメンタイトの間隔を測定する。
【0029】
観察されるラス状組織の中で最も幅の小さいもの(最小短辺長)に着目する理由は、ベイナイト、マルテンサイト組織の単位は、3次元的にはラス状(1辺が長い直方体)あるいは板状であるため、これらの正確な厚みは2次元の組織観察で得られる最小の短辺長に最も近いからである。
【0030】
M−A比率:ベイナイト中のM−A組織において、そのアスペクト比が5以上であるM−A組織の比率(M−A比率)が面積率で5%以上となると、疲労亀裂進展進展速度が大きくなるばかりでなく、靱性も劣化する。このため、本発明の鋼材においては、ベイナイト中のM−A比率を、面積比で5%未満に限定する。望ましくは1%未満、さらに望ましくは0.5 %未満である。
【0031】
M−A組織のアスペクト比の測定は、SEM観察によりその大きさを測定して行った。M−A比率の測定はSEM観察による点算法で行った。
旧オーステナイト粒のアスペクト比:旧オーステナイト粒のアスペクト比が大きくなると疲労亀裂進展抵抗性の異方性が大きくなり、方向によって疲労亀裂進展速度にバラツキが生じる。疲労亀裂進展速度の方向による変動を少なくするために、旧オーステナイト粒のアスペクト比を1.2 以下とするのが望ましい。
【0032】
旧オーステナイト粒のアスペクト比は以下の方法で測定するものとする。
すなわち、鋼板の表層から中心部の間の任意の場所において、圧延方向に平行な板厚断面で光学顕微鏡あるいはSEM を用いて旧オーステナイト粒の大きさを板厚方向および圧延方向に平均切片の値として測定し、板厚方向の平均切片に対する圧延方向の平均切片の比、すなわち(圧延方向の平均切片)/(板厚方向の平均切片)を旧オーステナイト粒のアスペクト比とする。
【0033】
鋼の化学組成は、以下のものとするのが望ましい。
C:鋼の強度を高めるのに有効な元素であり、所望の強度を得るために、0.01%以上含有させる。しかしながらC含有量の増加はM−A組織の形成を促進し、0.15%を超えて含有した成分系において強度と靱性のバランスを調整しようとすると疲労亀裂進展速度が大きくなる。これを避けるためにC含有量は0.15%以下とする。より望ましくは0.10%未満、さらに望ましくは0.05%未満である。
【0034】
Si:鋼の脱酸に有効な元素であり、その効果を得るために0.03%以上含有させる。しかしながら0.6 %を超えて含有させると、M−A組織の形成が促進されて靱性が劣化する。これを避けるために、その上限は0.6 %とする。より望ましくは0.3 %以上、0.5 %以下である。
【0035】
Mn:焼入性向上に有効な元素であり、変態点を下げてラス状組織の平均短辺長を小さくするのに特に有効である。従って、強度上昇と疲労亀裂進展抵抗性を向上させるために、Mnは0.5 %以上含有させる。より望ましくは、1.0 %以上、さらに望ましくは1.4 %以上である。他方、その含有量が2.0 %を超えると靱性が劣化するので、Mn含有量は2.0 %以下とする。
【0036】
ただし、後述するようにBを含有する場合にはMn:0.3 %以上、2.0 %以下としてもよい。
sol.Al:AlはSiとともに脱酸に必要な元素であり、その効果を得るために0.005 %超のsol.Alを含有させる。他方、その含有量が0.10%を超えるとM−A比率が増加し靱性が劣化する。これを避けるためにsol.Al含有量は0.10%以下とする。
【0037】
N:AlやTiと結合して析出物となり、オーステナイト粒の細粒化に寄与して靱性を改善する作用がある。この効果を得るために、Nは0.0005%以上含有させる。他方N含有量が0.008 %を超えると、ボロンと結合して焼入性を劣化させ、疲労亀裂進展速度を大きくする。これを避けるために、N含有量は0.008 %以下とする。
【0038】
B:必須元素ではないが、Bは焼入性を著しく高める作用があり、強度上昇と疲労亀裂進展抵抗性を向上させるのに有効である。従ってさらにこれらの効果を得るために含有させても構わない。上記効果を得るには、0.0003%以上含有させるのが有効である。しかしながらBを0.0030%を超えて含有させると靱性が劣化するため、その上限は0.0030%とするのが望ましい。
【0039】
Cu:必須元素ではないが、鋼の強度を高める作用があるので、その目的で含有させても構わない。その効果を得るには0.3 %以上含有させるのが望ましい。しかしながらその含有量が0.7 %以上になると鋼の靱性が劣化するので、含有させる場合でもその上限は0.7 %未満とする。望ましくは0.5 %未満である。
【0040】
Ni:必須元素ではないが、鋼の強度を高める作用があり、また、疲労亀裂進展抑制にも有効である。従ってこれらの効果を得るために含有させても構わない。その効果を得るには0.2 %以上含有させるのが望ましい。しかしながらその含有量が3.0 %を超えるとコスト上昇に見合う高強度化と疲労亀裂進展抑制効果が見られないので、含有させる場合でもその上限は3.0 %とする。
【0041】
Cr:必須元素ではないが、鋼の強度を高める作用があり、また、疲労亀裂進展抑制にも有効である。従ってこれらの効果を得るために含有させても構わない。その場合には0.3 %以上含有させるのが望ましい。しかしながら過剰に含有させると靱性が劣化するので、含有させる場合でも1.0 %未満とするのが望ましい。
【0042】
Mo:必須元素ではないが、鋼の強度を高める作用があり、また、疲労亀裂進展抑制にも有効である。従ってこれらの効果を得るためにMoを含有させても構わない。その場合には0.15%以上含有させるのが望ましい。しかしながら過剰に含有させると靱性が劣化するので、含有させる場合でもその上限は0.8 %とするのが望ましい。
【0043】
Nb:必須元素ではないが、細粒化作用を通じて靱性を向上させる作用がある。また、焼入性を増すので強度向上と疲労亀裂進展抑制に有効である。従ってこれらの効果を得るために含有させても構わない。その場合、Nbは0.005 %以上含有させるのが望ましい。他方その含有量が0.08%を超えると靱性が劣化するので、その上限は0.08%とする。より好ましくは0.06%以下である
Ti:必須元素ではないが、強度向上と疲労亀裂進展抑制に有効であるので、これらの効果を得るために含有させても構わない。上記効果を得るには0.005 %以上含有させるのが望ましい。他方、0.03%を超えると靱性が劣化するので、その上限は0.03%とするのが望ましい。
【0044】
V:必須元素ではないが、強度向上に有効であるので、これらの効果を得るために含有させても構わない。含有させる場合には、上記効果を得るために0.005 %以上含有させるのが望ましい。他方、0.08%を超えると靱性が劣化するので、その上限は0.08%とするのが望ましい。
【0045】
Ft値:Mn、Cu、Cr、NiおよびMoは、いずれもベイナイトまたはマルテンサイト変態の変態温度に影響して変態温度域を低下させる作用を有しており、これらの元素を含有させることで鋼の疲労亀裂進展抵抗性を改善する効果が得られる。この効果は元素の種類により差異があり、Mn、Ni、Cr、Moが大きい。これらの元素の含有量(質量%)から、下記式で計算されるFt値は、ベイナイトまたはマルテンサイト変態の変態温度域を制御するパラメータである。すなわち、Ft値が大きいほど変態温度が低温であることを示し、ラス状組織の短辺長も小さくなり、疲労亀裂進展速度は小さくなる。
【0046】
Ft=3Mn(%)+Cu (%)+1.5Cr(%)+1.8Ni(%)+1.5Mo(%)
ただし、上記式において対象となる鋼の化学組成に含まれない元素については「ゼロ」としてFt値を計算する。
【0047】
他方、Ft値が過度に大きい場合は鋼の強度が過剰となり靱性が劣化する。従って、強度と靱性のバランスを良好に保ちつつ疲労亀裂進展速度を小さくするには、Ft値が特定範囲に収まるように、これらの合金元素の含有量を調整するのが有効である。この際、Ft値は、鋼の焼入性に大きく影響するBを含有するか否かにより変化させる必要がある。
【0048】
すなわち、鋼がBを含有しないものである場合のFt値は、4.0 %以上、7.5 %以下とする。望ましくは4.5 %以上、6.0 %以下である。鋼がBを含有するものである場合のFt値は、3.0 %以上、7.0 %以下である。望ましくは3.5 %以上、5.5 %以下である。
【0049】
残部は、Feおよび不可避的不純物である。
製造方法:本発明に係る疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材を製造する手段は特に限定するものではなく、公知の熱間圧延設備、または公知の熱間圧延設備と公知の熱処理設備を使用して、容易に製造することができる。その製造条件は以下に述べる方法が好適である。
【0050】
本発明にかかる化学組成を有する鋳造スラブに熱間圧延と冷却を施して熱間圧延鋼材とし、これに冷却処理を施す方法が好適である。この冷却処理では、冷却された上記熱間圧延鋼材を900 ℃以上に再加熱した後、800 〜600 ℃の間の平均冷却速度を9℃/s以上、望ましくは25℃/s以上での冷却を施す。冷却停止温度は350 ℃以下とする。再加熱時の均熱時間は1時間以上が望ましい。
【0051】
加熱温度、さらに場合により均熱時間も上記範囲でないときにはフェライト組織が混在し、ベイナイト、マルテンサイト組織主体とならないことがある。800 ℃から600 ℃の間の平均冷却速度が9℃/sに満たない場合にもフェライト組織が混在する。上記冷却停止温度が350 ℃よりも高い場合にはベイナイト、マルテンサイト組織中の転位密度が十分でなくなる。
【0052】
上記方法に代えて、鋳造スラブに熱間圧延に次いで、800 〜600 ℃の間の平均冷却速度を9℃/s以上とする冷却を施し、350 ℃以下まで冷却する方法でも構わない(この方法を以下では「オンライン処理」と記す)。このときの熱処理条件を上述のように限定した理由は前述の熱処理の場合に記したのと同様である。
【0053】
なお、上記熱処理またはオンライン処理を施した後、公知の方法により焼戻処理を施しても、本発明の効果は得られる。
オンライン処理において旧オーステナイト粒のアスペクト比を1.2 以下にするためには、熱間圧延に際して、850 ℃以下での1パス当たりの平均圧下率を5 %以下、850 ℃以下でのパス間の時間を8s 以上、850 ℃以下でのトータル圧下率を25%以下とするのが好適である。850 ℃以下での1パス当たりの平均圧下率が5%を超える場合や、パス間の時間が8s に満たない場合、あるいはトータル圧下率が25%を超える場合には、旧オーステナイト粒が圧延方向に伸長し、組織を満足しない。オフライン熱処理の場合は、圧延条件に対する制約はない。
【0054】
本発明に係る疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材は、疲労亀裂進展抵抗性に方向性がない上、鋼の組織が硬質な組織を主体とするものであるので、鋼の強度を高めるのが容易である。また、化学組成を限定することにより優れた靱性も併せて備えさせることができる。従って船体、土木建設物、建設機械、水圧鉄管、海洋構造物、ラインパイプなど構造用材料として使用される高強度の厚鋼板に好適である。
【0055】
厚鋼板としては任意の厚さの鋼板に適用できるが、板厚が例えば12mm程度以下の比較的薄い厚鋼板である場合は、圧延後の形状確保などのために、熱間圧延鋼材に再加熱を施して冷却処理を施す、あるいは、さらに焼戻処理を施す、いわゆるオフライン熱処理を施す方法で製造するのが特に好適である。
【0056】
【実施例】
表1に示す化学組成の鋼を実験室的に真空溶解し、厚さ160mm のスラブとし、種々の条件で熱間圧延を施した後、種々の条件で冷却して熱間圧延鋼板とした。鋼板の厚さは6〜75mmの間で変更した。上記鋼板の内の一部のもの(処理No. A〜D)については、その後に加熱、冷却処理を施した。また、一部の鋼板はさらに焼戻処理も施した。熱間圧延条件、冷却条件、および加熱、冷却、焼戻条件を表2に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
得られた鋼板の組織と疲労亀裂進展速度を以下の方法で調査した。
ベイナイトとマルテンサイトの面積率は、板厚の1/4 に相当する部分から採取した試料の断面を研磨し、2%ナイタール腐食液によりエッチングを施した面について、光学顕微鏡観察によりベイナイトとマルテンサイトの合計面積率を測定した。1試料について10視野測定し、10個の測定値の平均を当該鋼板の面積率とした。
【0060】
ラス状組織の最小短辺長は、板厚の1/4 に相当する部分から採取した試料について、透過型電子顕微鏡により10000 倍の倍率で観察して視野内での最小短辺長を求め、1試料について20視野ずつ観察し、20個の測定値の平均を当該鋼板の最小短辺長とした。最小短辺長は、2%ナイタール腐食液によりエッチングした試験片をSEM あるいは光学顕微鏡により調査して測定することも可能であるが、より正確には透過型電子顕微鏡を用いるのが良い。
【0061】
旧オーステナイト粒のアスペクト比は、板厚の中心部から採取した試料について光学顕微鏡観察をおこない、板厚方向と圧延方向での旧オーステナイト粒の切片を測定し、アスペクト比を求めた。1試料について10視野測定し、10個の測定値の平均を当該鋼板のアスペクト比とした。
【0062】
引張試験片は、JIS 14A 号に規定される8.0mm 直径の丸棒引張試験片を板厚の1/4 に相当する部分から長手方向が板幅方向に平行になるように採取し、引張試験に供した。靱性は、JIS-Z2202 に規定される4号のシャルピー衝撃試験片を板厚の1/4 に相当する部分から板幅方向に平行に採取し、シャルピー衝撃試験によりvTs を求めた。
【0063】
疲労亀裂進展速度は、図1(a) に示すサーボパルサ装置と、図1(b) に示すCT試験片1を用いる疲労試験法により測定した。図1(a) に示す装置で、参照番号1はCT試験片、2は試験溶液槽、3は溶液循環ポンプ、4はロードセル、5は油圧シリンダ、6は油圧源、7はサーボバルブ、8は波形発生器、9は負荷制御器、10a および10b は負荷棒をそれぞれ示す。図1(b) に示すCT試験片には2.5 mmの切り込みが施してあり、その上下の穴部に負荷棒10a および10b を装着する。本装置により、試験溶液槽2中で試験片1に油圧シリンダ5より負荷棒10a および10b を経由して切り込み先端部に繰り返し応力を負荷することができる。試験片は厚さ方向で中心に相当する部分から、切り込みの長手方向が圧延方向に平行、および板幅方向に平行、の2方向から採取した。明細書では前者を圧延方向試験片、後者を幅方向試験片と称する。
【0064】
疲労試験条件は次のとおりとした。
f(繰り返し速度)=大気中では20Hz、それ以外の環境では0.17Hz
R(応力比)=0.1
T(試験温度)=室温。
【0065】
試験雰囲気:▲1▼大気中、▲2▼湿潤硫化水素中(水10%を懸濁させた原油に、硫化水素濃度1%、残りが窒素である混合ガスを試験中常時吹き込み)、▲3▼ASTM、D-1141-52 で規定する人工海水中。
【0066】
疲労き裂進展試験の結果、いずれの試験片の場合も、中ΔK領域(ΔK:応力拡大係数範囲で、最大応力拡大係数と最小応力拡大係数との差) における疲労き裂進展速度が評価された。本試験での中ΔK領域は (15〜30MPa √m)疲労き裂進展の第II領域に相当し、
Paris則〔Trans.ASTM,Ser.D.85.523(1963) 〕、すなわち
da/dN=C(ΔK)m 、ただしΔK :kN/mm3/2、
da/dN:mm/cycle
が成り立つことが判明した。
【0067】
このことから、本発明では、疲労亀裂進展特性はこの中ΔK領域のΔK=20MPa √m における、亀裂進展速度da/dn(mm/cycle)で評価した。
表3に上記の調査、測定および疲労試験の結果を示す。
【0068】
【表3】
【0069】
表3に示すように、ベイナイト+マルテンサイト組織の比率、最小短辺長およびM−A比率が本発明の規定する範囲を満足する試験No.1〜18では、いずれも亀裂進展速度が小さく、良好な疲労亀裂進展抵抗性を有していた。特に旧オーステナイト粒のアスペクト比も良好な範囲にある試験No.1、7、8、13では、Ft値、M−A比率が概ね望ましい範囲に含まれているため、亀裂進展速度は1×10-5mm/cycleに近い、あるいはそれを下回る特に優れた疲労亀裂進展抵抗性を有していた。
【0070】
旧オーステナイト粒のアスペクト比が小さかった鋼板は圧延方向、幅方向共に疲労亀裂進展速度が小さく、疲労亀裂の方向性がなかった。これに対し、旧オーステナイト粒のアスペクト比が高かった試験No.17 、20では、幅方向の疲労亀裂進展速度は比較的小さかったが、圧延方向の疲労亀裂進展速度がやや高く、方向によるバラツキが生じた。
【0071】
鋼の化学組成が好適範囲でなかった試験No.18 、19、20、22および23は疲労亀裂進展速度が小さく良好であるが、靱性が十分ではなかった。
これに対し、ベイナイト+マルテンサイト組織の比率が小さく(表には記していないが残部の組織はフェライト組織が多かった)、最小短辺長およびM−A比率などもよくなかった試験No.23 、24、25、26などでは、圧延方向、幅方向共に疲労亀裂進展速度が大きかった。
【0072】
製造方法に関しては、試験No.2、5、8、10、20および22がオンラインで直接冷却した場合であるが、オフライン熱処理の場合と同様に、本発明が規定する条件で処理した場合には、疲労亀裂進展速度が小さく、良好な結果が得られた。
【0073】
【発明の効果】
本発明に係る疲労亀裂進展抵抗性に優れた高強度鋼材は、疲労亀裂進展抵抗性に方向性がないうえ、鋼の組織が硬質な組織を主体とするものであるので、鋼の強度を高めるのが容易である。また、靱性も優れている。従って船体、土木建設物、建設機械、水圧鉄管、海洋構造物、ラインパイプなどの構造用材料として好適である。本発明の鋼材は圧延後の熱処理またはオンライン処理で容易に製造できるので、工業上の価値が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) はサーボパルサ疲労試験装置の概要を示す模式図、図1(b) は疲労試験片の形状を示す模式図である。
【符号の説明】
1:CT試験片、 2:試験溶液槽、 3:溶液循環ポンプ、 4:ロードセル、
5:油圧シリンダ、 6:油圧源、 7:サーボバルブ、 8:波形発生器、
9:負荷制御器[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is a fatigue crack suitable for a thick steel plate used as a structural material such as a hull, civil engineering structure, construction machine, hydraulic iron pipe, offshore structure, line pipe, particularly as a high strength steel material having a tensile strength of 570 MPa or more. The present invention relates to a high-strength steel material excellent in progress resistance and a manufacturing method thereof.
[0002]
[Prior art]
In recent years, the tendency to increase the size of welded structures has become prominent, and it is desired to increase the strength of structural steel materials. However, when using high-strength steel, the design stress increases, so fatigue failure may be a problem. Since thick steel plates such as structural steel are generally welded, there is a risk of fatigue cracks occurring at the welds. Therefore, if the fatigue cracks generated and propagated from the welded portion can be retained by the steel material, it is effective for extending the fatigue life of the structure. For this reason, various steel plates having a fatigue crack growth suppressing effect have been proposed.
[0003]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-90478 discloses a steel sheet having good fatigue crack growth resistance and a method for producing the steel sheet. This steel sheet has a structure in which striped hard second phases extending in the rolling direction are scattered in a soft matrix at an area ratio of 5 to 50%.
[0004]
Japanese Patent Laid-Open No. 6-271985 describes an island whose structure is mainly composed of one or more of ferrite, pearlite, and bainite, and has an average existence interval of 20 μm or less and an average flatness ratio of 5 or more. A steel sheet having excellent fatigue crack propagation resistance in which a martensite is present at a volume ratio of 0.5 to 5% is shown.
[0005]
Japanese Laid-Open Patent Publication No. 7-242992 discloses a fatigue crack characterized in that the structure is composed of a base part of a hard part and a soft part dispersed in the base part, and the difference in hardness between the two parts is 150 or more in terms of Vickers hardness. A steel sheet having a progress suppressing effect is disclosed.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the method proposed in Japanese Patent Laid-Open No. 7-90478, the effect of suppressing the growth of fatigue cracks is exerted only in the plate thickness direction, and the effect of suppressing the growth in other directions is small. In the method proposed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-271985, in the case of high-strength steel, there is a problem that the toughness is likely to deteriorate if island martensite having a large average aspect ratio exists. In addition, as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-242992, in a mixed structure composed of a hard part (bainite, martensite, pearlite, tempered martensite) and a soft part (ferrite), strength may decrease. As a method for obtaining a high strength steel material, it is not always a satisfactory method. Moreover, in order to combine the two phases constituting the crystal structure at an appropriate ratio, it is necessary to strictly control the cooling start temperature, the cooling rate, the cooling stop temperature, etc. according to various plate thicknesses and steel components, There was also a problem that its manufacture was not easy.
[0007]
The present invention has been made in order to solve the above-described problems, and specifically, fatigue crack growth mainly composed of bainite and martensite, or bainite or martensite, substantially free of a soft ferrite structure. An object of the present invention is to provide a high-strength steel material excellent in resistance and a manufacturing method thereof.
[0008]
[Means for solving problems]
Conventional fatigue crack growth-inhibiting steel has a high hardness because it has a high hardness structure dispersed in a ferrite-based structure. As a result of various studies conducted by the present inventors to solve the above problems, even a steel having a structure that is substantially composed only of a hard phase (bainite, martensite, tempered martensite, etc.) It was found that the fatigue crack growth rate can be suppressed small when the dislocation density in the structure is sufficiently high.
[0009]
As a mechanism for obtaining such a fatigue crack growth suppressing effect, it is possible to reduce the opening load at the tip of the fatigue crack and reduce the fatigue crack growth by reducing the hardness of the structure when the steel material is repeatedly deformed. it was thought. In order to reduce the hardness of the structure during repeated deformation, it is effective to increase the dislocation density of the structure. For that purpose, it is effective to make the steel structure a high hardness structure transformed at a low temperature.
[0010]
Since the granular pro-eutectoid ferrite produced by the diffusion transformation has a low dislocation density in the structure, the hardness increases when repeatedly deformed. On the other hand, bainite (including acicular ferrite) and martensite generated by shear transformation have a high dislocation density in the structure and soften when subjected to repeated deformation, thereby reducing the fatigue crack growth rate.
[0011]
It is known that the structural unit of bainite and martensite generated by rapid cooling from a high temperature region is a lath-like (cuboid with a long side) or plate-like structure in three dimensions. The feature of this structure is that the thickness of the lath (the width of the lath in two dimensions) becomes narrower as the transformation temperature becomes lower, and its morphology can be easily observed with an optical microscope, SEM, or TEM. (Hereinafter, simply referred to as “lass-like structure”).
[0012]
The finer the lath structure, the higher the dislocation density at the time of transformation generation inside the lath. Therefore, when this portion is repeatedly deformed, the amount of softening increases due to the recovery phenomenon of dislocation, and the effect of suppressing fatigue crack growth occurs. In other words, steel with a fine lath structure is preferable to improve the fatigue crack propagation characteristics.
[0013]
In the bainite structure, there is an MA transformation product which is a kind of island martensite and contains residual austenite. This MA transformation product (hereinafter simply referred to as “MA structure”) is formed as a result of the concentration of carbon between the lath-like ferrite, and its hardness is considered to be very high. Yes. The form can be easily observed with an optical microscope, SEM, or TEM.
[0014]
It is well known that the MA structure in the bainite structure causes toughness deterioration. The higher the transformation temperature, the more concentrated the carbon, the easier the formation of MA, and the aspect ratio (length / width in the vertical direction) also increases.
[0015]
A bainite structure having a high abundance ratio (area ratio, hereinafter simply referred to as “MA ratio”) of an MA structure having a large aspect ratio has a low dislocation density and a small amount of softening during repeated deformation. As a result, the fatigue crack growth rate is also increased. Therefore, it is effective to restrict the MA ratio having an aspect ratio of 5 or more to suppress the fatigue crack growth rate.
[0016]
Moreover, since the growth of the bainite structure and the martensite structure is stopped by the prior austenite grains, the form is greatly influenced by the form of the prior austenite grains. As the aspect ratio of prior austenite grains increases, the anisotropy of fatigue crack growth resistance characteristics (for example, the difference between the rolling direction of the steel sheet and the direction perpendicular to the rolling direction) increases, and the fatigue crack growth rate varies depending on the direction. It is not very desirable that the fatigue crack growth rate varies greatly depending on the direction of the steel sheet. In order to reduce the fluctuation of the fatigue crack growth rate depending on the direction, it is effective to limit the aspect ratio of the prior austenite grains to be small.
[0017]
The present invention has been completed based on these findings, and the gist of the present invention is the high strength steel materials having excellent fatigue crack growth resistance described in (1) to (6) below, and (7), (8 ) In its production method.
[0018]
(1) When the structure is mainly composed of bainite and martensite, or bainite or martensite, and the lath-like structure has a minimum short side length of 1.3 μm or less and includes a bainite structure, it is included in the bainite structure. The aspect ratio is 5 or more, An MA transformation product which is a kind of island martensite and contains retained austeniteIs a high-strength steel material excellent in fatigue crack growth resistance with an area ratio of less than 5%.
[0019]
(2) The high-strength steel material having excellent fatigue crack growth resistance according to (1) above, wherein the aspect ratio of the prior austenite grains is 1.2 or less.
(3) The chemical composition of steel is mass%, C: 0.01% or more, 0.15% or less, Si: 0.03% or more, 0.6% or less, Mn:4/3% Or more and 2.0% or less, sol. Al: more than 0.005%, 0.10% or less, N: 0.0005% or more, 0.008% or less, the balance is Fe and inevitable impuritiesBecomeHigh-strength steel material having excellent fatigue crack growth resistance as described in (1) or (2) above.
(4) Steel has a chemical composition of mass%, C: 0.01% or more, 0.15% or less, Si: 0.03% or more, 0.6% or less, Mn:1.0% Or more, 2.0% or less, B: 0.0003% or more, 0.0030% or less, sol. Al: more than 0.005%, 0.10% or less, N: 0.0005% or more, 0.008% or less, the balance is Fe and inevitable impuritiesBecomeHigh-strength steel material having excellent fatigue crack growth resistance as described in (1) or (2) above.
(5) The chemical composition of the steel,qualityIn%C: 0.01% or more, 0.15% or less, Si: 0.03% or more, 0.6% or less, Mn: 0.5% or more, 2.0% or less, sol. Al: more than 0.005%, 0.10% or less, N: 0.0005% or more, including 0.008% or less,Cu: Less than 0.7%, Ni: 3.0% or less, Cr: Less than 1.0%, Mo: One or more of the group consisting of 0.8% or lessThe balance is Fe and inevitable impurities, and the Ft value calculated by the following formula satisfies 4.0% or more and 7.5% or less.the above(1)Or(2)A high-strength steel material excellent in fatigue crack growth resistance described in 1.
Ft = 3 Mn (%) + Cu (%) + 1.5 Cr (%) + 1.8 Ni (%) + 1.5 Mo (%)
(6) Steel has a chemical composition of mass%, C: 0.01% or more, 0.15% or less, Si: 0.03% or more, 0.6% or less, Mn: 0.3% or more, 2 0.0% or less, B: 0.0003% or more, 0.0030% or less, sol. Al: more than 0.005%, 0.10% or less, N: 0.0005% or more, 0.008% or less, Cu: less than 0.7%, Ni: 3.0% or less, Cr: Less than 1.0%, Mo: One or more of the group consisting of 0.8% or less is contained, the balance is Fe and inevitable impurities, and the Ft value calculated by the following formula is The high-strength steel material excellent in fatigue crack growth resistance according to the above (1) or (2) that satisfies 3.0% or more and 7.0% or less.
Ft = 3 Mn (%) + Cu (%) + 1.5 Cr (%) + 1.8 Ni (%) + 1.5 Mo (%)
[0020]
(7)The chemical composition of the steel is further mass%, Nb: 0.005% or more and 0.08% or less, Ti: 0.005% or more, 0.03% or less, V: 0.005% or more, 0.08 % (1) to 2 or more of the group consisting of:(6)A high-strength steel material excellent in fatigue crack growth resistance according to any one of the above.
[0021]
(8)Above (3) ~(7)A hot rolling step of hot rolling the cast slab having a chemical composition according to any one of the above, a cooling step of cooling the hot rolled steel, and the cooled steel at 900 ° C or higher After reheating to, 800The manufacturing method of the high strength steel materials excellent in fatigue crack progress resistance provided with the process of cooling to 350 degrees C or less by making the average cooling rate between -600 degreeC 9 degrees C / s or more.
[0022]
(9)Above (3) ~(7)A hot rolling step in which hot rolling is performed on a cast slab having the chemical composition according to any one of the above, and an average cooling rate between 800 and 600 ° C. after hot rolling on the hot rolled steel. The manufacturing method of the high strength steel materials excellent in fatigue crack progress resistance provided with the process of cooling to 9 degrees C / s or more.
[0023]
Here, the above-mentioned “mainly” means that the composition ratio of bainite and martensite, or bainite or martensite (the total composition ratio in the case of two types) in the crystal structure of steel is the area ratio. Means 95% or more.
[0024]
In addition, the present invention is suitable for use as a structural material such as high strength steel, in particular, hulls, civil engineering structures, construction machinery, hydraulic iron pipes, offshore structures, line pipes, etc. The purpose is steel. The performance of the steel is not particularly limited, but the fatigue crack growth rate is 3.0 x 10 in the atmosphere.-FiveIt is desirable that it has an excellent toughness of mm / cycle or less, a tensile strength (TS) of 570 MPa or more, and a vTs of −30 ° C. or less. 2.0 x 10 in wet hydrogen sulfide-Fourmm / cycle or less, 1.0 × 10 in artificial seawater-FourDesirably less than mm / cycle.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The reason for limiting the structure and chemical composition of the steel material according to the present invention is as follows.
Steel structure: The steel of the present invention has a structure mainly composed of bainite and martensite, or bainite or martensite, in order to easily obtain high strength. The bainite includes structures such as upper bainite, lower bainite, acicular ferrite, and granular bainite. The martensite is mostly lath martensite but also includes lens martensite.
[0026]
“Mainly” means that the composition ratio of these structures in the steel structure is 95% or more in terms of area ratio in total. The remaining structure is not particularly limited, and a structure usually observed such as a grain boundary ferrite structure, a granular ferrite structure, or a pearlite structure may be used.
[0027]
Minimum short side length of the lath-like structure: Control of the short side length of the lath-like structure is very important in the present invention. In the present invention, in order to ensure desired fatigue crack growth resistance, the lath structure that is a structural unit of bainite or martensite has the smallest width (hereinafter referred to as “minimum short side length”). The value of is assumed to be 1.3 μm or less. When the minimum short side length exceeds 1.3 μm, not only a sufficient progress rate can be obtained but also the toughness deteriorates.
[0028]
The minimum short-side length of the lath-like structure is determined using an optical microscope, scanning electron microscope (SEM), or transmission electron microscope (TEM). Observed and measured for the lath structure having the smallest width, the width is perpendicular to the longitudinal direction. In other words, the interval between parallel lath interfaces. Use TEM for more accurate observation. When observing with an optical microscope, the lath boundary, the MA structure between laths, or the cementite spacing is measured.
[0029]
The reason for paying attention to the smallest lath structure (minimum short side length) among the observed lath structures is that the unit of the bainite and martensite structure is lath in three dimensions (a cuboid with a long side) or This is because, since it is plate-like, these accurate thicknesses are closest to the minimum short side length obtained by two-dimensional tissue observation.
[0030]
MA ratio: In the MA structure in bainite, when the ratio of the MA structure having an aspect ratio of 5 or more (MA ratio) is 5% or more in terms of area ratio, the fatigue crack growth rate is increased. Not only will it increase, but the toughness will also deteriorate. For this reason, in the steel material of this invention, the MA ratio in bainite is limited to less than 5% by area ratio. Desirably less than 1%, more desirably less than 0.5%.
[0031]
The aspect ratio of the MA structure was measured by measuring the size by SEM observation. The measurement of the MA ratio was performed by the point calculation method by SEM observation.
Aspect ratio of prior austenite grains: As the aspect ratio of prior austenite grains increases, the fatigue crack growth resistance anisotropy increases, and the fatigue crack growth rate varies depending on the direction. In order to reduce fluctuation due to the direction of fatigue crack growth rate, it is desirable that the aspect ratio of the prior austenite grains be 1.2 or less.
[0032]
The aspect ratio of prior austenite grains shall be measured by the following method.
That is, at an arbitrary location between the surface layer and the center of the steel plate, the size of the prior austenite grains is measured by the average thickness in the plate thickness direction and the rolling direction using an optical microscope or SEM at a plate thickness section parallel to the rolling direction. The ratio of the average intercept in the rolling direction to the average intercept in the thickness direction, that is, (average intercept in the rolling direction) / (average intercept in the thickness direction) is defined as the aspect ratio of the prior austenite grains.
[0033]
The chemical composition of steel is preferably as follows.
C: An element effective for increasing the strength of steel, and 0.01% or more is contained in order to obtain a desired strength. However, the increase in the C content promotes the formation of the MA structure, and the fatigue crack growth rate increases when an attempt is made to adjust the balance between strength and toughness in a component system containing more than 0.15%. In order to avoid this, the C content is 0.15% or less. More desirably, it is less than 0.10%, and more desirably less than 0.05%.
[0034]
Si: An element effective for deoxidation of steel. To obtain the effect, 0.03% or more is contained. However, if the content exceeds 0.6%, formation of the MA structure is promoted and the toughness deteriorates. In order to avoid this, the upper limit is 0.6%. More desirably, it is 0.3% or more and 0.5% or less.
[0035]
Mn: An element effective for improving hardenability, and particularly effective for lowering the transformation point and reducing the average short side length of the lath-like structure. Therefore, in order to improve the strength increase and fatigue crack growth resistance, Mn is contained in an amount of 0.5% or more. More desirably, it is 1.0% or more, and further desirably 1.4% or more. On the other hand, if the content exceeds 2.0%, the toughness deteriorates, so the Mn content is set to 2.0% or less.
[0036]
However, as will be described later, when B is contained, Mn may be 0.3% or more and 2.0% or less.
sol.Al: Al is an element necessary for deoxidation together with Si, and in order to obtain the effect, more than 0.005% of sol.Al is contained. On the other hand, if the content exceeds 0.10%, the MA ratio increases and the toughness deteriorates. In order to avoid this, the sol.Al content is 0.10% or less.
[0037]
N: Combines with Al and Ti to form precipitates, and contributes to the refinement of austenite grains and improves toughness. In order to acquire this effect, N is contained 0.0005% or more. On the other hand, if the N content exceeds 0.008%, it combines with boron to deteriorate the hardenability and increase the fatigue crack growth rate. In order to avoid this, the N content should be 0.008% or less.
[0038]
B: Although not an essential element, B has an effect of significantly increasing the hardenability, and is effective in improving strength and fatigue crack growth resistance. Therefore, it may be contained in order to obtain these effects. In order to acquire the said effect, it is effective to make it contain 0.0003% or more. However, if B is contained in excess of 0.0030%, the toughness deteriorates, so the upper limit is preferably 0.0030%.
[0039]
Cu: Although not an essential element, it has the effect of increasing the strength of steel, so it may be contained for that purpose. In order to obtain the effect, it is desirable to contain 0.3% or more. However, if the content exceeds 0.7%, the toughness of the steel deteriorates, so even if it is included, the upper limit is made less than 0.7%. Desirably, it is less than 0.5%.
[0040]
Ni: Although not an essential element, it has the effect of increasing the strength of steel and is also effective in suppressing fatigue crack growth. Therefore, it may be contained in order to obtain these effects. In order to obtain the effect, it is desirable to contain 0.2% or more. However, if the content exceeds 3.0%, the strength increase corresponding to the cost increase and the fatigue crack growth suppressing effect are not seen, so even if it is contained, the upper limit is made 3.0%.
[0041]
Cr: Although not an essential element, it has the effect of increasing the strength of steel and is also effective in suppressing fatigue crack growth. Therefore, it may be contained in order to obtain these effects. In that case, it is desirable to contain 0.3% or more. However, if it is excessively contained, the toughness is deteriorated.
[0042]
Mo: Although not an essential element, it has the effect of increasing the strength of steel and is also effective in suppressing fatigue crack growth. Therefore, Mo may be contained in order to obtain these effects. In that case, it is desirable to contain 0.15% or more. However, since the toughness deteriorates if excessively contained, the upper limit is desirably 0.8% even if included.
[0043]
Nb: Although not an essential element, it has an effect of improving toughness through a fine graining action. Moreover, since hardenability is increased, it is effective in improving strength and suppressing fatigue crack growth. Therefore, it may be contained in order to obtain these effects. In that case, it is desirable to contain Nb 0.005% or more. On the other hand, if the content exceeds 0.08%, the toughness deteriorates, so the upper limit is made 0.08%. More preferably, it is 0.06% or less
Ti: Although not an essential element, it is effective for improving strength and suppressing fatigue crack growth, so it may be contained in order to obtain these effects. In order to obtain the above effect, it is desirable to contain 0.005% or more. On the other hand, if it exceeds 0.03%, the toughness deteriorates, so the upper limit is preferably 0.03%.
[0044]
V: Although not an essential element, it is effective for improving the strength. Therefore, it may be contained in order to obtain these effects. When contained, it is desirable to contain 0.005% or more in order to obtain the above effect. On the other hand, if it exceeds 0.08%, the toughness deteriorates, so the upper limit is preferably 0.08%.
[0045]
Ft value: Mn, Cu, Cr, Ni and Mo all have the effect of lowering the transformation temperature range by affecting the transformation temperature of bainite or martensite transformation. By containing these elements, steel The effect of improving the fatigue crack propagation resistance of the steel is obtained. This effect varies depending on the type of element, and Mn, Ni, Cr, and Mo are large. From the content (% by mass) of these elements, the Ft value calculated by the following formula is a parameter that controls the transformation temperature range of the bainite or martensitic transformation. That is, the larger the Ft value, the lower the transformation temperature, the shorter the short side length of the lath structure, and the lower the fatigue crack growth rate.
[0046]
Ft = 3Mn (%) + Cu (%) + 1.5Cr (%) + 1.8Ni (%) + 1.5Mo (%)
However, the Ft value is calculated as “zero” for elements not included in the chemical composition of the target steel in the above formula.
[0047]
On the other hand, if the Ft value is excessively large, the strength of the steel becomes excessive and the toughness deteriorates. Therefore, in order to reduce the fatigue crack growth rate while maintaining a good balance between strength and toughness, it is effective to adjust the content of these alloy elements so that the Ft value falls within a specific range. At this time, the Ft value needs to be changed depending on whether or not it contains B that greatly affects the hardenability of the steel.
[0048]
That is, the Ft value when the steel does not contain B is 4.0% or more and 7.5% or less. Desirably, it is 4.5% or more and 6.0% or less. When the steel contains B, the Ft value is 3.0% or more and 7.0% or less. Desirably, it is 3.5% or more and 5.5% or less.
[0049]
The balance is Fe and inevitable impurities.
Production method: Means for producing a high strength steel material excellent in fatigue crack growth resistance according to the present invention is not particularly limited, and a known hot rolling facility or a known hot rolling facility and a known heat treatment facility are provided. And can be easily manufactured. As the production conditions, the method described below is suitable.
[0050]
A method in which a cast slab having the chemical composition according to the present invention is hot-rolled and cooled to obtain a hot-rolled steel material, which is subjected to a cooling treatment is preferable. In this cooling treatment, the above-mentioned hot rolled steel material is reheated to 900 ° C. or higher, and then the average cooling rate between 800 and 600 ° C. is 9 ° C./s or higher, preferably 25 ° C./s or higher. Apply. The cooling stop temperature is 350 ° C or less. The soaking time during reheating is preferably 1 hour or longer.
[0051]
When the heating temperature and, in some cases, the soaking time are not within the above range, a ferrite structure may be mixed, and the bainite or martensite structure may not be the main component. Even when the average cooling rate between 800 ° C and 600 ° C is less than 9 ° C / s, the ferrite structure is mixed. When the cooling stop temperature is higher than 350 ° C., the dislocation density in the bainite and martensite structure becomes insufficient.
[0052]
Instead of the above method, the cast slab may be cooled to 350 ° C. or less by cooling the cast slab to an average cooling rate of 800 ° C. to 600 ° C. at an average cooling rate of 9 ° C./s or more (this method). (Hereinafter referred to as “online processing”). The reason why the heat treatment conditions at this time are limited as described above is the same as described in the case of the heat treatment described above.
[0053]
In addition, the effect of this invention is acquired even if it performs the tempering process by a well-known method after performing the said heat processing or online processing.
In order to reduce the aspect ratio of prior austenite grains to 1.2 or less in online processing, the average rolling reduction per pass at 850 ° C or lower during hot rolling should be 5% or less and the time between passes at 850 ° C or lower. It is preferable that the total rolling reduction at 8 s or more and 850 ° C. or less is 25% or less. When the average rolling reduction per pass at 850 ° C or lower exceeds 5%, when the time between passes is less than 8s, or when the total rolling reduction exceeds 25%, the prior austenite grains are rolled in the rolling direction. Does not satisfy the organization. In the case of off-line heat treatment, there are no restrictions on the rolling conditions.
[0054]
The high-strength steel material excellent in fatigue crack growth resistance according to the present invention has no direction in fatigue crack growth resistance, and the steel structure is mainly composed of a hard structure, so the strength of the steel is increased. Easy to do. Further, by limiting the chemical composition, excellent toughness can also be provided. Therefore, it is suitable for a high-strength thick steel plate used as a structural material such as a hull, a civil engineering structure, a construction machine, a hydraulic iron pipe, an offshore structure, and a line pipe.
[0055]
Thick steel plates can be applied to steel plates of any thickness, but if the plate thickness is relatively thin, for example, about 12 mm or less, the steel is reheated to hot rolled steel in order to secure the shape after rolling. It is particularly preferable to manufacture by a method of performing a cooling treatment by applying a so-called off-line heat treatment, or a further tempering treatment.
[0056]
【Example】
Steel having the chemical composition shown in Table 1 was melted in a laboratory vacuum to form a slab having a thickness of 160 mm, subjected to hot rolling under various conditions, and then cooled under various conditions to obtain a hot rolled steel sheet. The thickness of the steel plate was changed between 6 and 75 mm. Some of the above steel plates (treatment Nos. A to D) were subjected to heating and cooling treatment thereafter. Some steel plates were further tempered. Table 2 shows hot rolling conditions, cooling conditions, and heating, cooling, and tempering conditions.
[0057]
[Table 1]
[0058]
[Table 2]
[0059]
The structure and fatigue crack growth rate of the obtained steel sheet were investigated by the following method.
The area ratio of bainite and martensite was determined by polishing the cross-section of the sample taken from the portion corresponding to 1/4 of the plate thickness and etching the surface with a 2% nital etchant using an optical microscope. The total area ratio was measured. Ten fields of view were measured for one sample, and the average of ten measurements was taken as the area ratio of the steel sheet.
[0060]
The minimum short side length of the lath-like structure is obtained by observing a sample taken from a portion corresponding to 1/4 of the plate thickness with a transmission electron microscope at a magnification of 10,000 times to obtain the minimum short side length in the field of view. 20 samples were observed for each sample, and the average of 20 measurements was taken as the minimum short side length of the steel sheet. The minimum short side length can be measured by examining a specimen etched with a 2% nital etchant with an SEM or an optical microscope, but more accurately, a transmission electron microscope is preferably used.
[0061]
The aspect ratio of the prior austenite grains was obtained by observing a sample collected from the center of the sheet thickness with an optical microscope and measuring the sections of the prior austenite grains in the sheet thickness direction and the rolling direction. Ten fields of view were measured for one sample, and the average of 10 measurements was taken as the aspect ratio of the steel sheet.
[0062]
Tensile test specimens were prepared by taking a 8.0mm diameter round bar tensile test specimen specified in JIS 14A from the portion corresponding to 1/4 of the plate thickness so that the longitudinal direction is parallel to the plate width direction. It was used for. As for toughness, No. 4 Charpy impact test piece specified in JIS-Z2202 was taken in parallel to the plate width direction from the portion corresponding to 1/4 of the plate thickness, and vTs was obtained by Charpy impact test.
[0063]
The fatigue crack growth rate was measured by a fatigue test method using a servo pulser device shown in FIG. 1 (a) and a
[0064]
The fatigue test conditions were as follows.
f (repetition rate) = 20 Hz in the atmosphere, 0.17 Hz in other environments
R (stress ratio) = 0.1
T (test temperature) = room temperature.
[0065]
Test atmosphere: (1) In air, (2) In wet hydrogen sulfide (mixed gas with hydrogen sulfide concentration of 1% and the balance of nitrogen is constantly blown into crude oil with 10% water suspended), (3) ▼ In artificial seawater as defined by ASTM, D-1141-52.
[0066]
As a result of the fatigue crack growth test, the fatigue crack growth rate in the middle ΔK region (ΔK: difference between the maximum stress intensity factor and the minimum stress intensity factor in the stress intensity factor range) was evaluated for each specimen. It was. The middle ΔK region in this test (15-30 MPa √m) corresponds to the II region of fatigue crack growth,
Paris rule [Trans.ASTM, Ser.D.85.523 (1963)]
da / dN = C (ΔK)m However, ΔK: kN / mm3/2,
da / dN: mm / cycle
Was found to hold.
[0067]
Thus, in the present invention, the fatigue crack growth characteristics were evaluated by the crack growth rate da / dn (mm / cycle) at ΔK = 20 MPa√m in the ΔK region.
Table 3 shows the results of the above investigation, measurement, and fatigue test.
[0068]
[Table 3]
[0069]
As shown in Table 3, in the test Nos. 1 to 18 in which the ratio of the bainite + martensite structure, the minimum short side length, and the MA ratio satisfy the ranges defined by the present invention, the crack growth rate is low. It had good fatigue crack growth resistance. In particular, in Test Nos. 1, 7, 8, and 13 in which the aspect ratio of the prior austenite grains is in a good range, the Ft value and the MA ratio are generally included in the desirable ranges, so the crack growth rate is 1 × 10-FiveIt had particularly excellent fatigue crack growth resistance close to or below mm / cycle.
[0070]
Steel sheets with a small aspect ratio of prior austenite grains had a low fatigue crack growth rate in both the rolling and width directions, and there was no fatigue crack directionality. On the other hand, in Test Nos. 17 and 20, where the aspect ratio of the prior austenite grains was high, the fatigue crack growth rate in the width direction was relatively small, but the fatigue crack growth rate in the rolling direction was slightly high, and there was variation due to the direction. occured.
[0071]
Test Nos. 18, 19, 20, 22 and 23, in which the chemical composition of the steel was not within the preferred range, were good because the fatigue crack growth rate was small and good, but the toughness was not sufficient.
In contrast, Test No. 23 in which the ratio of the bainite + martensite structure was small (not shown in the table, but the remaining structure had many ferrite structures) and the minimum short side length and the MA ratio were not good. 24, 25, 26, etc., the fatigue crack growth rate was large in both the rolling direction and the width direction.
[0072]
As for the manufacturing method, Test Nos. 2, 5, 8, 10, 20 and 22 are cases where they are cooled directly on-line. The fatigue crack growth rate was small, and good results were obtained.
[0073]
【The invention's effect】
The high-strength steel material excellent in fatigue crack growth resistance according to the present invention has no direction in fatigue crack growth resistance, and the steel structure is mainly composed of a hard structure, so that the strength of the steel is increased. Easy to do. Also, the toughness is excellent. Therefore, it is suitable as a structural material for hulls, civil engineering structures, construction machinery, hydraulic iron pipes, offshore structures, line pipes and the like. Since the steel material of the present invention can be easily manufactured by heat treatment after rolling or online processing, it has a great industrial value.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 (a) is a schematic diagram showing an outline of a servo pulser fatigue test apparatus, and FIG. 1 (b) is a schematic diagram showing the shape of a fatigue test piece.
[Explanation of symbols]
1: CT test piece, 2: Test solution tank, 3: Solution circulation pump, 4: Load cell,
5: Hydraulic cylinder, 6: Hydraulic source, 7: Servo valve, 8: Waveform generator,
9: Load controller
Claims (9)
Ft=3Mn(%)+Cu(%)+1.5Cr(%)+1.8Ni(%)+1.5Mo(%) Chemical composition of the steel, in mass%, C: 0.01% or more, 0.15% or less, Si: 0.03% or more, 0.6% or less, Mn: 0.5% or more, 2.0 % Or less, sol. Al: more than 0.005%, 0.10% or less, N: 0.0005% or more, 0.008% or less, Cu: less than 0.7%, Ni: 3.0% or less, Cr: Less than 1.0%, Mo: One or more of the group consisting of 0.8% or less is contained , the balance is Fe and inevitable impurities, and the Ft value calculated by the following formula is The high-strength steel material excellent in fatigue crack growth resistance according to claim 1 or 2 satisfying 4.0% or more and 7.5% or less .
Ft = 3 Mn (%) + Cu (%) + 1.5 Cr (%) + 1.8 Ni (%) + 1.5 Mo (%)
Ft=3Mn(%)+Cu(%)+1.5Cr(%)+1.8Ni(%)+1.5Mo(%) Chemical composition of the steel, in mass%, C: 0.01% or more, 0.15% or less, Si: 0.03% or more, 0.6% or less, Mn: 0.3% or more, 2.0 % Or less, B: 0.0003% or more, 0.0030% or less, sol. Al: more than 0.005%, 0.10% or less, N: 0.0005% or more, 0.008% or less, Cu: less than 0.7%, Ni: 3.0% or less, Cr: It contains one or more of the group consisting of less than 1.0% and Mo: 0.8 % or less , the balance is Fe and inevitable impurities, and the Ft value calculated by the following formula is The high-strength steel material excellent in fatigue crack growth resistance according to claim 1 or 2 , which satisfies 3.0% or more and 7.0% or less .
Ft = 3 Mn (%) + Cu (%) + 1.5 Cr (%) + 1.8 Ni (%) + 1.5 Mo (%)
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