JP3741030B2 - Internal combustion engine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関に関し、より詳細には、燃焼室に取り込まれる空気量を制御しながらの運転を要求される内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル機関に代表される希薄燃焼式内燃機関では、窒素酸化物(NOx)やスモークの排出量を低減するため種々の対策が講じられている。この対策の一つに、従来では、排気ガス(不活性ガス)の一部をEGRガスとして燃焼室に導入し、燃焼温度を低下させることで窒素酸化物(NOx)の排出量を減らす所謂「EGR制御」が一般に行われてきた。
【0003】
また、近年では、EGR制御に加えて排気系に排気浄化触媒を設置し、その排気浄化触媒にて排気ガス中の窒素酸化物(NOx)や煤の浄化を促す排気浄化技術も盛んに採用されるつつある。
【0004】
このように近年の排気浄化システムでは、前処理としてのEGR制御による排気浄化と、後処理としての排気浄化触媒による排気浄化と、を組み合わせることで、可能な限り排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)や煤の排出を低減する総合的な排気浄化システムが主流になりつつある。
【0005】
ところで、EGR制御は、目標空気量を達成するための一制御として利用されることもある。すなわち、燃焼室に取り込まれる空気量をエアフロメータの出力から推定し、その推定した空気量と目標空気量との差分(誤差)をEGR弁のフィードバック制御にて補正することで、燃焼室に取り込まれる空気量を目標空気量に収束させる空気量制御として利用されることもある。
【0006】
なお、ここで目標空気量とは、例えば、機関要求負荷や燃焼噴射量などをパラメータとする制御マップ上から算出され、その時々に要求される最適な燃焼状態を確保するために必要とされる空気量に相当する。
また、燃焼室に取り込まれる空気量と目標空気量との間に誤差が生じる理由は、例えば、EGR弁や機関本体の公差(製造誤差)を理由とする。
【0007】
また、排気浄化触媒について説明すれば、近年では、窒素酸化物(NOx)等の浄化を目的とした三元触媒やリーンNOx触媒に替え、新たに煤等の微粒子をも排気浄化対象とする所謂「パティキュレートフィルタ」の採用が主流となりつつある。
【0008】
このパティキュレートフィルタは、ウォールフロー型に形成されたフィルタ上にNOx吸収剤を兼ねる活性化酸素放出剤を担持してなり、フィルタ上に捕集した微粒子を、その活性化酸素の酸化力にて強制的に酸化燃焼せしめることで、輝炎を発することなく浄化する排気浄化能を有する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本発明者等によれば、上記したEGR制御とパティキュレートフィルタとの組み合わせについて、種々の改善すべき点が見出された。
すなわち、本発明者等は、排気浄化触媒の設置に伴う背圧の変化に着目し、その背圧の変化に起因したフィードバック制御の不具合の改善に努めた。
【0010】
まず、パティキュレートフィルタと背圧の関係について考えれば、排気通路内の背圧は、パティキュレートフィルタに対する微粒子の捕集具合に応じて変化する。すなわち、微粒子の捕集量が多ければパティキュレートフィルタの通気抵抗は増加し、以て背圧は上昇する。また、微粒子の捕集量が減少すればパティキュレートフィルタの通気抵抗も減り背圧も低下する。
【0011】
一方、EGR制御中に処理されるEGR弁のフィードバック制御では、単位時間当たりのEGR弁の開度補正量が、機関出力への影響等を考慮し最適な値に制限されているため、背圧の変化が大きくなるに連れてフィードバック制御の追従性は低下する。
【0012】
すなわち、図7に示されるように現時点での空気量Gnと目標空気量Gn.tとの差分を要求ゲインΔG.tと定義すれば、背圧の変化が許容範囲とされる背圧適合時には、現時点でのEGR弁開度に対し数回のフィードバック制御で空気量Gnを目標空気量Gn.tに収束させることができる。しかしながら、図8に示されるように、背圧の変化が許容範囲を超える背圧不適合時には、相当の回数に亘るフィードバック制御が必要になる。
【0013】
つまり、背圧不適合時には、フィードバック制御の追従性が低下することから、フィードバック制御開始当初に設定された目標空気量そのものが、既に別の値に変化していることもある。
【0014】
また、定常運転時等には、フィードバック制御にかかる時間を十分に確保できるが、そのフィードバック制御の処理後におけるEGR弁の開度は、本来のEGR弁開度から大きく外れてしまう。すなわち、EGRガスの導入量が大幅に変化し、燃焼状態そのものを大きく変化させる虞もある。
【0015】
このようにEGR制御とパティキュレートフィルタの組み合わせでは、背圧の変化に起因した種々の不具合が生じるため、相互の影響を十分に考慮しながらEGR制御による空気量の制御を実施する必要がある。
【0016】
なお、上記した種々の問題は、勿論、パティキュレートフィルタの設置に起因した背圧の変化に限られず、例えば、排気絞り弁の作動や、消音器の劣化に伴う背圧の変化に起因して生じることもある。すなわち、上記した種々の問題は、背圧の変化に起因して生じる現象といえる。
【0017】
よって本発明は、背圧の変化に伴うEGR制御の不具合を回避できるフィードバック制御技術を提供することを課題とする。また、パティキュレートフィルタとの組み合わせにおいても最適なEGR制御が可能になるフィードバック制御技術を提供することを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記した技術的課題を解決するため、本発明では以下の手段を採用した。
すなわち、本発明は、
内燃機関の排気通路を流れる排気ガスの一部をEGRガスとして燃焼室に導き入れるEGR導入手段と、
要求された燃焼状態に応じて設定され、その燃焼状態を達成すべく燃焼室に取り込む必要のある目標空気量を設定する目標空気量設定手段と、
その燃焼状態において燃焼室に取り込まれる空気量を算出する空気量算出手段と、
前記目標空気量設定手段にて設定した目標空気量と前記空気量算出手段にて算出した空気量とを比較し、その差分を要求ゲインとして算出する要求ゲイン算出手段と、
前記要求ゲインに基づき、単位時間当たりに補正すべき空気量を補正ゲインとして算出する補正ゲイン算出手段と、
前記補正ゲイン算出手段にて算出する補正ゲインにガード値を設定し、単位時間当たりの空気量の補正に制限を加えるガード値設定手段と、
前記ガード値内にて設定した補正ゲインに従いEGR導入手段を制御し、燃焼室に対するEGRガスの導入量を調節することで、その燃焼室に取り込まれる空気量を目標空気量に収束させる空気量補正手段と、
吸気通路を通じて燃焼室に流れ込む空気の流量を調節する空気流量調節手段と、
前記ガード値を超えての補正ゲインの算出要求がある場合に、前記要求ゲインを減らすように前記空気流量調節手段を制御する要求ゲイン補正手段と、
を備えることを特徴とする。
【0019】
このように構成された本発明によれば、EGR導入手段を介して燃焼室にEGRガスを取り込む。また、目標空気量設定手段によって、その時々の燃焼状態に必要とされる目標空気量を設定する。また、空気量算出手段では、燃焼室に取り込まれる空気量を算出し、要求ゲイン算出手段では、その空気量と目標空気量との差分を要求ゲインとして算出する。
【0020】
また、補正ゲイン設定手段では、要求ゲインに基づき単位時間当たりに補正すべき空気量を補正ゲインとして算出する。また、ガード値設定手段では、算出される補正ゲインにガード値を定め、単位時間当たりにおける空気量の補正に制限を加える。また、空気量補正手段では、ガード値の範囲内で設定した補正ゲインに従いEGR導入手段を制御し、燃焼室に取り込む空気量を目標空気量に収束させる所謂EGR制御を実施する。
【0021】
なお、ここでガード値とは、例えば空気量の補正に伴う機関出力の変化や、EGRガスの導入量の変化に伴う燃焼状態の変化を考慮し決定され、当該ガード値内でフィードバック制御を処理すれば、機関出力の大幅な変化(トルクショック)や、燃焼状態の大幅な変化等を抑制できる。
【0022】
また、空気流量調節手段は、吸気通路を通じて燃焼室に流れ込む空気の流量を調節するための手段である。すなわち、上記した空気量補正手段では、燃焼室に取りこまれる空気とEGRガスとの割合を変えることで、空気量を間接的に制御しているが、空気流量調節手段では、燃焼室に流れ込む空気量を直に調節することで、燃焼室に取りこまれる空気量を制御する手段である。なお、具体的には、吸気絞り弁や可変容量式過給装置などをその空気流量調節手段の好まし例として例示できる。
【0023】
また、本構成では、ガード値を超えての補正ゲインの算出要求がある場合に、前記要求ゲイン補正手段にて空気流量調節手段を制御し要求ゲインを補正する。すなわち、ガード値を超えての補正(フィードバック)が必要な場合には、先の従来技術に説明した種々の不具合が発生するため、燃焼室に流れ込む空気量を予め調節することで要求ゲインを減らし、フィードバック制御の適正化を図る。
【0024】
また、要求ゲイン補正手段に関し、
前記要求ゲイン補正手段は、前記ガード値を超えての補正ゲインの算出要求があり、且つその状態で燃焼室に取り込まれる空気量が目標空気量に対して少ないときに、前記吸気通路内の空気流量を増やすように前記空気流量調節手段を制御する構成としてもよい。また、前記ガード値を超えての補正ゲインの算出要求があり、且つその状態で燃焼室に取り込まれる空気量が目標空気量に対して多いときには、前記吸気通路内の空気流量を減らすように前記空気流量調節手段を制御する構成としてもよい。
【0025】
すなわち、目標空気量に対し現時点での空気量が少ないときには予め吸気通路内の空気流量を増やして要求ゲインを減らす。逆に目標空気量に対し現時点での空気量が多いときには予め吸気通路内の空気流量を減らして要求ゲインを減らす。
【0026】
また、前記EGR導入手段に関し、
前記EGR導入手段は、排気通路と吸気通路とを相互に接続するEGR通路、及びそのEGR通路中を流れるEGRガスの流量を調節するEGR弁を備え、
前記空気量補正手段は、前記EGR弁の開弁量を制御することで、燃焼室に流れ込むEGRガスと空気との割合を異ならせ、そのEGRガスと共に燃焼室に取り込まれる空気量を目標空気量に収束させる構成としてもよい。
すなわち、この構成ではEGR通路(排気再循環通路)、EGR弁を備えるEGR装置でEGR導入手段を構成している。
【0027】
また、前記の内燃機関の構造について、
前記内燃機関の排気通路には、排気ガス中に含まれる微粒子を捕集するフィルタを設けてもよい。
【0028】
また、上記した技術的課題を解決するため、本発明では以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、
内燃機関の排気通路を流れる排気ガスの一部をEGRガスとして燃焼室に導き入れるEGR導入手段と、
要求された燃焼状態に応じて設定され、その燃焼状態を達成すべく燃焼室に取り込む必要のある目標空気量を設定する目標空気量設定手段と、
その燃焼状態において燃焼室に取り込まれる空気量を算出する空気量算出手段と、
前記目標空気量設定手段にて設定した目標空気量と前記空気量算出手段にて算出した空気量とを比較し、その差分を要求ゲインとして算出する要求ゲイン算出手段と、
前記要求ゲインに基づき、単位時間当たりに補正すべき空気量を補正ゲインとして算出する補正ゲイン算出手段と、
前記補正ゲイン算出手段にて算出する補正ゲインにガード値を設定し、単位時間当たりの空気量の補正に制限を加えるガード値設定手段と、
前記ガード値を超えての補正ゲインの算出要求がある場合に、前記要求ゲインの幅に応じてそのガード値を拡大するガード値補正手段と、
前記ガード値補正手段に従いEGR導入手段を制御し、燃焼室に対するEGRガスの導入量を調節することで、その燃焼室に取り込まれる空気量を目標空気量に収束させる空気量補正手段と、
を備えることを特徴とする。
【0029】
このように構成された本発明によれば、ガード値を超えての補正ゲインの算出要求がある場合に、そのガード値そのものを要求ゲインに応じて拡大する。すなわち、ガード値の拡大に伴い補正ゲインも大きくなるため、フィードバック制御にかかる処理時間の短縮が図られる。
【0030】
なお、上記した種々の構成は、本発明の課題を逸脱しない範囲で組み合わせ可能であり、例えば、要求ゲイン補正手段にて要求ゲインを減らしつつ、ガード値補正手段にてガード値を拡大するなど、本発明の課題を逸脱しない範囲で上記した種々の構成(手段)は組み合わせ可能である。
【0031】
また、上述した種々の制御は、EGR導入手段としてEGR装置を備えた内燃機関においてのみ適用可能な技術ではなく、例えば、吸・排気バルブのバルブタイミングを変更して燃焼室内のEGR率すなわち空気量とEGRガスの割合を制御する装置構成を備えた内燃機関等においも有用である。すなわち、本発明でEGR導入手段とは、EGR弁やEGR通路を備えたEGR装置に限定されるものではない。
【0032】
【発明の実施の形態】
続いて、本発明に係る内燃機関に関し、その好適な実施形態について説明する。なお、以下に示す内燃機関の構造は、あくまでも本発明の一実施形態にすぎず、その詳細は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0033】
本実施の形態に示す内燃機関1は、希薄燃焼式内燃機関の一種である車両用ディーゼル機関であり、図1に示されるように4つの燃焼室2(気筒)の他、燃料供給系、吸気系、排気系、制御系などをその主要構成要素として備えている。
【0034】
燃料供給系は、燃料噴射弁3、コモンレール(蓄圧室)4、燃料供給管5、燃料ポンプ6、などを備え、各気筒2に対して燃料供給を行っている。燃料噴射弁3は、各気筒2に対して夫々設けられる電磁駆動式の開閉弁であり、各燃料噴射弁3は、燃料の分配管となるコモンレール4に接続されている。また、コモンレール4は、燃料供給管5を介して燃料ポンプ6に連結されている。燃料ポンプ6は、内燃機関1の出力軸たるクランクシャフト1aの回転を駆動源として回転駆動されている。
【0035】
このように構成された燃料供給系では、まず、燃料ポンプ6によって燃料タンク(図示略)内の燃料が汲み上げられる。汲み上げられた燃料は、燃料供給管5を介してコモンレール4に供給される。コモンレール4に供給された燃料は、コモンレール4内にて所定燃圧まで高められ、各燃料噴射弁3に分配される。そして、燃料噴射弁3に駆動電圧が印可され燃料噴射弁3が開弁すると、その燃料は、燃料噴射弁3を介して各燃焼室2内に噴射される。
【0036】
一方、吸気系は、吸気管9、吸気絞り弁13、吸気枝管8、エアクリーナボックス10、インタークーラ16などを備え、各気筒2に対して空気を供給する吸気通路を形成している。
【0037】
吸気管9は、エアクリーナボックス10を介して吸入される空気を吸気枝管8に導く通路を形成している。吸気枝管8は、吸気管9を経て流入する空気を各気筒2に分配する通路を形成している。また、吸気管9とエアクリーナボックス10との連結部分近傍には、吸入空気の温度を測定する吸気温センサ12を備えている。
【0038】
また、エアクリーナボックス10から吸気絞り弁13に至る吸気管9には、吸入した空気を圧縮するターボチャージャ15のコンプレッサハウジング15a、及びコンプレッサハウジング15a内にて圧縮した空気を冷却するインタークーラ16を備え、さらに、ターボチャージャ15のコンプレッサハウジング15aの上流には、吸気管9を通じて燃焼室2に流れ込む空気の流量を計測するエアフロメータ11を備えている。
【0039】
また、吸気枝管8の直上流には、吸気管9を通じて各気筒2に流れ込む空気量を加減するために吸気絞り弁13(空気流量調節手段)が設けられ、吸気絞り弁13の開度は、ステッパモータなどにて構成されたアクチュエータ14によって制御されている。また、吸気絞り弁13の直下流には、吸気枝管8内の温度を測定する吸気温センサ7、及び吸気枝管8内の管内圧力を測定する吸気圧センサ17が設けられている。
【0040】
このように構成された吸気系では、まず、機関運転に伴う負圧の発生により各燃焼室2に供給されるべき空気がエアクリーナボックス10内に流入する。エアクリーナボックス10内に流入した空気は、エアクリーナボックス10内にて塵や埃を除去された後、吸気管9を経てターボチャージャ15のコンプレッサハウジング15aに流入する。コンプレッサハウジング15aに流入した空気は、コンプレッサホイール(図示略)にて圧縮された後、インタークーラ16によって冷却される。そして、必要に応じて吸気絞り弁13での流量調節を受けた後、吸気枝管8内に流入する。吸気枝管8に流入した空気は、各枝管を介して各気筒2に分配され、燃料噴射弁3から噴射供給された燃料と共に燃焼される。尚、エアフロメータ11および吸気圧センサ17等の出力は、後述の電子制御ユニット30に入力されており、例えば、電子制御ユニット30にて処理されるEGR弁26のフィードバック制御等に利用される。
【0041】
続いて、制御系について説明する。
制御系は、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(中央制御装置)34、入力ポート35、出力ポート36を備えた、いわゆる電子制御ユニット30(ECU)である。
【0042】
入力ポート35には、上記した各種センサの出力信号の他、アクセルペダル40の踏込み量を検出する負荷センサ41、クランクシャフト1aの回転数を検知するクランク角センサ42、車速を測定する車速センサ43等が対応したA/D変換器37を介して、又は直接入力されている。一方、出力ポート36には、対応する駆動回路38を介して燃料噴射弁3、還元剤添加弁61、吸気絞り弁駆動用のアクチュエータ14、EGR弁26、などが接続されている。
【0043】
また、ROM32には、各種装置の制御プログラム、及びそのプログラムの処理時に参照される制御マップ等が記録されている。また、RAM33では、入力ポート35に入力された各種センサの出力信号、及び出力ポート36に出力された制御信号などを内燃機関の運転履歴として記録している。CPU34では、RAM33上に記録された各種センサの出力信号およびROM32上に展開された制御マップを所望のプログラム上にて比較し、その処理過程で出力された各種制御信号を前記の出力ポート36を介して対応する装置に出力し、各種装置を集中管理する。
【0044】
排気系は、排気枝管18、排気管19を備え、各気筒2から排出される排気ガスを機関本体外部に排出する排気通路を形成している。また、触媒コンバータ52、還元剤添加装置60、EGR装置20、などを備え、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)や微粒子(例えば、煤)を浄化せしめる排気浄化装置としての機能を有している。
【0045】
まず、排気枝管18は、各気筒2毎に設けられた排気ポート18aに接続すると共にその排気ポート18aから排出された排気ガスを集合してターボチャージャ15のタービンハウジング15bに導く通路を形成している。また、排気管19は、タービンハウジング15bから図示しない消音器までの通路を形成している。なお、図中59は、周知の酸化触媒コンバータである。
【0046】
触媒コンバータ52は、ケーシング53、及びそのケーシング53内に設けられる各種排気浄化触媒52a,52bを備え、機関本体1から排出される排気ガス中の有害物質を浄化せしめる排気浄化作用を有する。
【0047】
より詳しくは、タービンハウジング15bの下流にケーシング53が配置され、ケーシング53内には、上流側から吸蔵還元型NOx触媒52a、パティキュレートフィルタ52bの順に排気浄化触媒が設けられて触媒コンバータ52が構成されている。なお、以下の説明では、吸蔵還元型NOx触媒52aを単にリーンNOx触媒52aと称することもある。
【0048】
排気浄化触媒の一つであるリーンNOx触媒52aは、排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を主として浄化せしめる排気浄化作用を有している。より詳しくは、リーンNOx触媒52aに流れ込む排気ガスの酸素濃度が高いときにその排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を吸収し、排気ガス中の酸素濃度が低いとき、すなわちリーンNOx触媒52aに流れ込む排気ガスの空燃比が低いときにその吸収していた窒素酸化物(NOx)を二酸化窒素(NO2)や一酸化窒素(NO)の形で排気ガス中に還元・放出し、同時にその二酸化窒素(NO2)や一酸化窒素(NO)を排気ガス中に含まれている未燃燃料成分(CO、HC)と酸化反応せしめることで無害な水蒸気(H2O)及び二酸化炭素(CO2)に浄化する排気浄化能を有する。
【0049】
また、その組成は、例えばアルミナ(Al2O3)を担体として、この担体上にカリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属、若しくはバリウム(Ba)、カルシウム(Ca)等のアルカリ土類、又はランタン(La)、イットリウム(Y)等の希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金(Pt)のような貴金属とを担持してなる。
【0050】
なお、ここで排気浄化作用の補足説明を行うと、本実施の形態に示す希薄燃焼式内燃機関では、通常、酸素過剰雰囲気下で燃焼が行われている。このため燃焼に伴い排出される排気ガス中の酸素濃度は、上記の還元・放出作用を促す迄に低下することは殆どなく、また、排気ガス中に含まれる未燃燃焼成分(CO,HC)の量も極僅かである。
【0051】
このため本実施の形態では、還元剤たる機関燃料(HC)を排気ガス中に噴射供給することで、酸素濃度の低下を促すと共にその未燃燃焼成分たる炭化水素(HC)等を補い、排気浄化作用を促進させている。なお、還元剤の噴射供給は、後述の還元剤添加装置60によって行われている。また、その詳細は後に説明する。
【0052】
一方のパティキュレートフィルタ52bは、排気ガス中に含まれる煤などの微粒子を酸化燃焼せしめる排気浄化作用を有している。より詳しくは、活性化酸素放出剤を担持したフィルタ58を備え、そのフィルタ58上に捕集した微粒子を活性化酸素にて酸化燃焼せしめることで除去(浄化)する排気浄化作用を備えている。
【0053】
フィルタ58単体は、図2に示されるようにコージライトのような多孔質材料から形成されたハニカム形状をなし、互いに平行をなして延びる複数個の流路55,56を具備している。より具体的には、下流端が栓55aにより閉塞された排気ガス流入通路55と、上流端が栓56aにより閉塞された排気ガス流出通路56と、を備え、各排気ガス流入通路55及び排気ガス流出通路56は薄肉の隔壁57を介して該フィルタ58における縦方向及び横方向に並んで配置されている。
【0054】
また、隔壁57の表面および内部の細孔には、アルミナ(Al2O3)等によって形成された担体の層が設けられており、その担体上には、白金(Pt)等の貴金属触媒の他、周囲に過剰酸素が存在するとその過剰酸素を吸蔵し、逆に酸素濃度が低下すると、その吸蔵した酸素を活性酸素の形で放出する活性酸素放出剤が担持されている。
【0055】
なお、活性酸素放出剤としては、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、ルビジウム(Rb)のようなアルカリ金属、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)のようなアルカリ土類金属、ランタン(La)、イットリウム(Y)のような希土類、およびセリウム(Ce)、錫(Sn)のような遷移金属から選ばれた少なくとも一つを用いることができる。
【0056】
また、好ましくは、カルシウム(Ca)よりもイオン化傾向の高いアルカリ金属又はアルカリ土類金属、即ちカリウム(K)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、ルビジウム(Rb)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)などを用いるとよい。
【0057】
このように構成されたパティキュレートフィルタ52bでは、まず、排気ガス流入通路55→隔壁57→排気ガス流出通路56の順に排気ガスが流れ(図2矢印a)、排気ガス中に含まれる煤などの微粒子は、その隔壁57を通過する過程で、その隔壁57の表面及び内部に捕集される。そして、隔壁57に捕集された微粒子は、隔壁57(フィルタ)に流れ込む排気ガスの酸素濃度を複数回に亘り変化させることで増加する活性化酸素によって酸化せしめられ、ついには輝炎を発することなく燃え尽きてフィルタ58上から除去される。
【0058】
このように本実施の形態では、排気通路に吸蔵還元型NOx触媒52aおよびパティキュレートフィルタ52bを配置することで排気ガス中に含まれるNOxおよび煤などの微粒子を浄化している。
【0059】
なお、本実施の形態では、上記したように吸蔵還元型NOx触媒52aとパティキュレートフィルタ52bとを直列に配置している。この理由としては、吸蔵還元型NOx触媒52aでの酸化・還元反応に伴う反応熱を利用してパティキュレートフィルタ52bを昇温させる、および吸蔵還元型NOx触媒52aにおける酸化・還元反応に起因して放出される吸蔵還元型NOx触媒52aからの活性化酸素をパティキュレートフィルタ52bの排気浄化作用に利用する、などの理由に基づく。なお、吸蔵還元型NOx触媒52aは、上記でも明らかなように、活性化酸素放出剤と略同様の物質を担持してなる。したがって、吸蔵還元型NOx触媒52aは、活性化酸素放出剤としての機能を有すると言える。
【0060】
還元剤添加装置60は、還元剤添加弁61、還元剤供給路62、燃圧制御バルブ64、燃圧センサ63、緊急遮断弁66、などを備え、必要に応じて適切量の還元剤(機関燃料)を触媒コンバータ52上流の排気通路内に添加している。
【0061】
還元剤添加弁61は、排気枝管18の集合部分に設けられ、所定電圧が印可されたときに開弁する電気式の開閉弁である。還元剤供給路62は、前記燃料ポンプ6によって汲み上げられた燃料の一部を還元剤添加弁61に導く通路を形成している。燃圧制御バルブ64は、還元剤供給路62の経路途中に配置され、還元剤供給路62内の燃圧を所定燃圧に維持している。燃圧センサ63は、還元剤供給路62内の燃圧を検出している。緊急遮断弁66は、還元剤供給路62内の圧力に異常が生じたとき、その還元剤供給路62内への燃料供給を停止する。
【0062】
このように構成された還元剤添加装置60では、燃料ポンプ6から吐出された燃料が、燃圧制御バルブ64によって所定燃圧に維持された後、還元剤供給路62を通じて還元剤添加弁61に供給される。そして、還元剤添加弁61に所定電圧が印可され開弁状態になると、その還元剤供給路62内の燃料は還元剤添加弁61を通じて排気枝管18内に噴射供給される。排気枝管18に供給された燃料(還元剤)は、タービンハウジング15b内にて撹拌された後、排気管19を経て触媒コンバータ52に流入する。よって、触媒コンバータ52には、酸素濃度が低く、また、未燃燃焼成分たる炭化水素(HC)混じりの排気ガスが流れ込むこととなり、その結果、上記の排気浄化作用が促進されることとなる。
【0063】
続いて、EGR装置20について説明する。
EGR装置20は、本発明で言うEGR導入手段に相当し、EGR通路25、EGR弁26、EGR装置20用の酸化触媒28、EGRクーラ27等を備える。
【0064】
EGR通路25は、排気枝管18と吸気枝管8とを接続する通路を形成している。EGR弁26は、EGR通路25と吸気枝管8との接続部分に設けられた電気式の開閉弁であり、電子制御ユニット30内にて処理されるEGR制御等に基づき、EGR通路25内を流れる排気ガス(EGRガス)量の調節を行っている。EGR装置20用の酸化触媒28は、排気枝管18とEGRクーラ27とを接続するEGR通路25中に配置され、排気枝管18から周り込むEGRガスたる排気ガス中の未燃燃料成分の浄化する。EGRクーラ27は、機関冷却水を熱媒体として、EGR通路25内を流れる排気ガスの冷却を行っている。なお、以下の説明では、EGR通路25を流れる排気ガスをEGRガスと称することもある。
【0065】
このように構成されたEGR装置20によれば、排気枝管18内を流れる排気ガスの一部が、EGR弁26の開弁量に即した流量でEGR通路25内に流入する。また、EGR通路25内に流入したEGRガス(排気ガス)は、EGR装置20用の酸化触媒28を経てEGRクーラ27に流入する。EGRクーラ27に流入したEGRガスは、EGRクーラ27を通過する際に冷却されて吸気枝管8に流れ込む。そして、吸気枝管8内に流入したEGRガスは、吸気枝管8上流から流れ込む空気と混ざり合いつつ各燃焼室2に流れ込み、燃料噴射弁3から噴射された機関燃料と共に燃焼される。
【0066】
なお、EGRガスとなる排気ガス中には、水蒸気(H2O)や二酸化炭素(CO2)などの不活性ガスが含まれている。このためその不活性ガスたる排気ガスが燃焼室2内に流入すると、その排気ガスの混入に起因して燃焼温度は低下し、窒素酸化物(NOx)の生成が抑制される。また、EGRガスの導入に伴い、燃焼室2内の酸素量は減少するため、この点においても窒素酸化物(NOx)と酸素(O2)との結びつきが抑制され、窒素酸化物(NOx)の排出抑制に寄与する。
【0067】
ところで、上記した内燃機関1では、機関要求出力を満たすため、また、安定した燃焼状態を確保するなど、その時々に要求される燃焼状態を達成するために目標空気量が設定される。
この目標空気量は、例えば、機関要求負荷や燃料噴射量などをパラメータとする制御マップ上から算出され、この例では目標空気量に相当する空気量(吸気量)と適切量の燃焼噴射とがあって、その機関要求負荷を満たす燃焼状態が成立する。なお、ここで説明した目標空気量の設定は、あくまでも一例であり、例えば、触媒コンバータ52を急速に昇温させる所謂「低温燃焼」時においても、目標空気量の設定は実施される。
【0068】
また、上記したEGR装置20の説明に絡み、EGRガスの導入量と、燃焼室2内に取り込まれる空気量とは、そのそれぞれが相互に混合した状態で燃焼室2内に流れ込むため相関関係にある。換言すれば、EGRガスの導入量を調節することで、燃焼室2に流れ込む空気量を制御できる。また、EGRガスの導入量は、EGR弁26の開度に略比例するため、EGR制御にてEGR弁26の開度制御を行えば燃焼室2内に流れ込む空気量を制御できる。
【0069】
したがって、本実施形態では、EGR弁26の開度と目標空気量とをパラメータにする空気量制御マップを準備し、その空気量制御マップから読み出したEGR弁開度に従いEGR弁26を制御し目標空気量に相当する空気を各燃焼室2に取り込んでいる。
【0070】
しかしながら、実際には公差(機差)の影響を受けるため、上記の空気量制御マップのみでは対応できないのが現状である。なお、ここで公差とは、機関本体1やターボチャージャ15、及びEGR弁26の製造時期や製造工場などの違いによって生じる製造誤差を意味する。
【0071】
そこで本実施の形態では、燃焼室2に取り込まれた空気量と目標空気量との差分に基づきEGR弁26のフィードバック制御を実施することで、その空気量の誤差(差分)の吸収に努めている。すなわち、EGR弁26の開度を補正し、燃焼室2に取り込まれる空気量を目標空気量に収束させる空気量制御としてのEGR制御を実施する。
【0072】
なお、図3は、縦軸に空気量(Gn)、横軸にEGR弁開度をとるGn−EGR弁開度特性図である。また、図中の曲線I,II,IIIは、その時々におけるEGR弁26の開度に対応した空気量Gnを示すGn−EGR弁開度曲線であり、上から、I:理論上のGn−EGR弁開度曲線、II:公差影響時のGn−EGR弁開度曲線、III:背圧上昇時のGn−EGR弁開度曲線になっている。なお、IIIに示す背圧上昇時のGn−EGR弁開度曲線については、後に詳述する。
【0073】
また、Gn−EGR弁開度曲線の利用方法について説明すれば、縦軸上に目標空気量Gn.tを設定し、その目標空気量Gn.tとGn−EGR弁開度曲線との交点を辿ることで、目標空気量Gn.tの確保に必要とされるEGR弁開度を算出できる。また、逆を言えば、EGR弁26の開度を定め、そのEGR弁開度とGn−EGR弁開度曲線との交点を辿れば、EGR弁26の開度に対応した現時点での空気量を推定できる。なお、Gn−EGR弁開度曲線は、各種予備実験等にて把握可能である。
【0074】
なお、以下の説明では、理論上のGn−EGR弁開度曲線を曲線I、公差影響時のGn−EGR弁開度曲線を曲線II、背圧上昇時のGn−EGR弁開度曲線を曲線IIIと称することもある。
【0075】
まず、曲線Iについて説明する。
曲線Iは、EGR弁開度の設定変更のみで目標空気量Gn.tに相当する空気量を確保できる状態であり、この状態では、EGR弁26のフィードバック制御を実施することなく、目標空気量Gn.tに相当する空気量が得られる。
【0076】
より詳しくは、図中Gn1に目標空気量Gn.tを設定すれば、EGR弁開度E1で目標空気量Gn.tに相当する空気量Gn1が得られる。なお、曲線Iとの関係で言えばEGR弁開度E1と曲線Iとの交点aから目標空気量Gn.tに相当する空気量Gn1が導かれる。
【0077】
しかしながら、実際に上述の如く公差の影響を受けるため、事実上、曲線II上でGn−EGR弁開度曲線が成り立つ。
すなわち、公差の影響を受けた場合、空気量Gnは、同EGR弁開度E1において目標空気量Gn.tに対して小さい値、若しくは大きい値になる。
【0078】
なお、図3の曲線IIは、目標空気量Gn.tに対して空気量Gnが少なく方向に公差の影響が生じた場合を想定したものであり、EGR弁開度E1においての空気量は、図3に示すように空気量Gn2になる(Gn.t>Gn2)。なお、曲線IIとの関係で言えばEGR弁開度E1と曲線IIとの交点bから空気量Gn2が導かれる。
【0079】
そこで、本実施の形態では、曲線II上でEGR弁26のフィードバック制御を実施し、空気量Gn2を目標空気量Gn.tに収束させている。すなわち、EGR弁開度E1をEGR弁開度E2に補正し(図中矢印F)、空気量Gn2を目標空気量Gn.tに持ち上げる。なお、図3との対応で言えば、図中C点がフィードバック制御後の空気量Gnに相当する。
【0080】
なお、図4には、EGR弁26のフィードバック制御において処理される処理ルーチンを示している。また、図4に示す処理ルーチンは、電子制御ユニット30内にて処理され、本発明でいう目標空気量設定手段、空気量算出手段、要求ゲイン算出手段、補正ゲイン算出手段、空気量補正手段の制御系を構成している。すなわち、上記した種々の手段は、図4に示す処理ルーチンを処理するための制御プログラム、また、その制御プログラムを処理する上で必要とされる各種ハード構成から成り立っている。
【0081】
以下、図4を参照し、上記各種手段を踏まえながら曲線II上で処理されるEGR弁26の基本フィードバック制御について説明する。
【0082】
まず、電子制御ユニット30では、内燃機関の始動を受け(ステップ101)、EGRガスを導入すべき燃焼状態か否かを判定する(ステップ102)。なお、ステップ102での判定基準について一例を示すと、電子制御ユニット30では、比較的酸素濃度が高くEGRガスの導入に起因したスモークの発生量が少ない中負荷運転領域や、先に説明した低温燃焼の要求時などにEGRガスを導入すべき燃焼状態と判定している。なお、ここで例示した判定基準は、勿論、一例である。
【0083】
続いて、電子制御ユニット30では、要求された燃焼状態を達成すべく燃焼室2に取り込む目標空気量Gn.tを設定し(ステップ103)、その設定した目標空気量Gn.tに対応する開度でEGR弁26を開弁する(ステップ104)。すなわち、ステップ103で本発明に係る目標空気量設定手段が構成されている。また、目標空気量Gn.tに対応したEGR弁26の開度は、図3に示すEGR弁開度と目標空気量Gn.tとの相関関係をマップ化したEGR弁開度算出マップ等にて算出可能である。
【0084】
続いて、電子制御ユニット30では、エアフロメータ11の出力を読み込み、その出力から現時点でのEGR弁開度に対応した空気量Gnを算出する(ステップ105)。続いて、上記ステップ103にて設定した目標空気量Gn.tと上記ステップ105にて算出した空気量Gnとを比較し、その差分(目標空気量Gn.t−空気量Gn)を、要求ゲインΔG.tとして算出する(ステップ106)。すなわち、ステップ105で本発明に係る空気量算出手段が構成され、ステップ106で、要求ゲイン算出手段が構成される。
【0085】
続いて、電子制御ユニット30では、次式1の如く、前記ステップ106にて算出した要求ゲインΔG.tに基づき、単位時間当たりに補正すべき補正ゲインΔGを算出する(ステップ107)。
【0086】
【数1】
補正ゲインΔG = 要求ゲインΔG.t × 補正定数K・・・[式1]
【0087】
なお、ここで補正定数Kは、EGR弁26の開度補正に伴うオーバーシュート特性やアンダーシュート特性を考慮し、適切な値で設定されている。
【0088】
また、本実施の形態では、空気量Gnの大幅な変化に起因した機関出力の変動(トルクショック)を回避するため、補正ゲインΔGにガード値ΔG.limitを設定している。なお、ガード値ΔG.limitは、各種予備実験などにて求められる数値であり、電子制御ユニット30では、当該ガード値ΔG.limitの範囲内で空気量Gnの補正ゲインΔGを決定する(補正ゲインΔG<ガード値ΔG.limit)。また、ステップ107で本発明に係る補正ゲイン算出手段およびガード値設定手段を構成している。
【0089】
続いて、電子制御ユニット30では、ステップ107にて算出した補正ゲインΔGに従いEGR弁26の開度補正を行い、空気量Gnを目標空気量Gn.tに近づける(ステップ108)。また、ステップ108の処理後、未だ目標空気量Gn.tに到達していないと判断したときには(ステップ109)、再度ステップ105からステップ108に至る処理ルーチンを繰り替えし、最終的に空気量Gnを目標空気量Gn.tに収束させる。すなわち、EGR弁26のフィードバック制御を実施し、目標空気量Gn.tに対する空気量Gnの誤差を吸収している。また、ステップ108、ステップ109、及びEGR弁26で本発明に係る空気量補正手段が構成される。
【0090】
ところで、本実施の形態に示す内燃機関は、その排気系にパティキュレートフィルタ52bを備えている。したがって、パティキュレートフィルタ52bに対する微粒子の捕集量(付着量)に応じて排気管19(排気通路)内の背圧は大きく変化する。また、パティキュレートフィルタ52bの設置に起因した背圧の変化は、上記した公差の影響に対して遙かに大きい影響をEGR制御に及ぼす。したがって、本実施の形態に示す内燃機関では、図3に示されるように曲線Iから大きくズレた位置にGn−EGR弁開度曲線(曲線III)が成立し、このような状況では、大幅なEGR弁26の開度補正が必要になる。
【0091】
すなわち、図3を参照して説明すれば、背圧の上昇時には、図中交点dで導かれるようにEGR弁開度E1において空気量Gn3になる(Gn.t>Gn2>Gn3)。したがって、空気量Gn3を目標空気量Gn.tに補正するには、EGR弁26の開度を大幅に減らして空気量を増やす必要がある(図3中矢印F'参照)。
【0092】
しかしながら、上述の如くEGR弁26のフィードバック制御では、ガード値ΔG.limitの範囲内にて補正ゲインΔGを設定するため、要求ゲインΔG.tが広がるに連れてフィードバック制御の追従性も低くなる(図7及び図8参照)。また、EGR弁26の大幅な開度補正に伴い、EGRガスと空気の割合が変化し、燃焼状態(燃焼形態)そのものを変える虞もある。すなわち、EGR弁26のフィードバック制御にて処理可能な空気量の補正には限界がある。
【0093】
なお、目標空気量Gn.tを基準にした場合において、機関出力の変動や、燃焼状態の変化が許容されるEGR弁26の開度補正領域は、図3中領域Xとなる。また、図3中領域Xの幅は各種予備実験にて把握可能であり、電子制御ユニット30では、領域Xに相当する要求ゲインを最大許容要求ゲインΔG.maxとして記録している。
【0094】
そこで本実施の形態では、背圧の変化を考慮し、以下に示すフィードバック制御補正プログラム(以下、単に、補正プログラムと称す)を上記フィードバック制御と共に処理することで、フィードバック制御の適性化を図っている。
【0095】
なお、図5に示すフローチャートは、本補正プログラムで処理する処理ルーチンの一例である。
【0096】
まず、本補正プログラムでは、上記したステップ107の処理後、そのステップ107にて本来算出すべき補正ゲインΔGが、ガード値ΔG.limitを超えての補正ゲインであるか否かを判定する(ステップ201)。すなわち、ガード値ΔG.limitを超えての補正要求であるか否かを判定する。
【0097】
続いて、電子制御ユニット30では、ガード値ΔG.limitを超えての補正要求であると判断したときには、上記ステップ108に従いガード値ΔG.limit内での開度補正を処理する。なお、ここでいうEGR弁26の開度補正は、図4に示す処理ルーチン上にて処理するため、本処理ルーチンでは、ステップ108の処理に要する時間(所定時間)をカウントした後(ステップ202)、次なるステップ203に移行する。また、ステップ201にて否定判定したときには、基本のフィードバック制御にて空気量Gnの補正が可能と判断し、本処理ルーチンを一旦終了する。
【0098】
続く、ステップ203では、EGR弁26の開度補正後に出力されたエアフロメータ11の出力から開度補正後の空気量Gn'を算出し、当該空気量Gn'と目標空気量Gn.tとを比較して要求ゲインΔG.t'を算出する(ステップ203)。なお、本ステップ203では、要求ゲインΔG.t'の大きさのみの判定で足り、絶対値にて要求ゲインΔG.t'を把握している(|目標空気量Gn.t−空気量Gn'|=要求ゲインΔG.t')。
【0099】
続いて、電子制御ユニット30では、上記した最大許容要求ゲインΔG.maxと、ステップ203にて算出した要求ゲインΔG.t'とを比較し(ステップ204)、要求ゲインΔG.t'が最大許容要求ゲインΔG.maxを超えていると判定したときには、本補正プログラムによるフィードバック制御の適性化が必要であると判断し、補正要求フラグを成立させる(ステップ205)。また、最大許容要求ゲインΔG.maxに達していないと判定したときには、通常のフィードバック制御の継続にて要求ゲインΔG.t'の補正が可能と判断し、本処理ルーチンを一旦終了する。
【0100】
続いて、電子制御ユニット30では、クランク角センサの出力や単位時間あたりの燃料噴射量を読み込み、現在の運転状態が定常運転にあるか否かを判定する(ステップ206)。そして、定常運転である判断したときには、フィードバック制御の適正化を図るべく吸気絞り弁13の開度制御を開始する。すなわちフィードバック制御の補正を開始する。
【0101】
まず、フィードバック制御の補正において電子制御ユニット30では、ステップ206の処理後、要求ゲインΔG.t'に基づき吸気絞り弁13の制御方向を決定する(ステップ207)。なお、制御方向の決定とは、吸気絞り弁13を開弁させる方向に制御するか、逆に閉弁する方向に制御するかを決定するものであり、要求ゲインΔG.t'の正負を判定することで、その制御方向が決定される。
【0102】
すなわち、本ステップ207では、背圧の中央値(標準値)に対して現時点での背圧がどのように変化しているかを要求ゲインΔG.t'の正負から判定し(要求ゲインΔG.t'>0)、その判定結果に応じて吸気絞り弁13の制御方向を決定する。
【0103】
続いて、電子制御ユニット30では、ステップ207の処理において、目標空気量Gn.tに対して空気量Gn'が少なすぎると判定したときには(要求ゲインΔG.t>0)、吸気絞り弁13の開弁し、吸気管9(吸気通路)内を流れる空気の流量を予め増大させることで要求ゲインΔG.t'を減らす(ステップ208)。また、ステップ207の処理において、目標空気量Gn.tに対して実際の空気量Gnが多すぎると判定したときには(要求ゲインΔG.t<0)、吸気絞り弁13を閉弁し、吸気管9内を流れる空気の流量を予め減らしておくことで要求ゲインΔG.t'を減らす(ステップ209)。そして、電子制御ユニット30では、前記ステップ108以降の処理ルーチンにてフィードバック制御を継続させる。
【0104】
なお、吸気絞り弁13の開度操作量は、定常運転時等に学習された単位開度操作量当たりの空気変化量から算出されている。すなわち、要求ゲインΔG.t'が最大許容要求ゲインΔG.max以下になるように吸気絞り弁13の開度操作量を設定し、その設定した開度操作量に基づき吸気絞り弁13の開度操作を行う。つまり、ステップ207以降の処理ルーチンでは、要求ゲインΔG.t'が最大許容要求ゲインΔG.max以下となるように吸気絞り弁13(空気流量調節手段)を制御する。
【0105】
このように本補正プログラムでは、吸気絞り弁13の開度を操作し、燃焼室2に流れ込む空気の絶対量を予め変化させておくことで、要求ゲインΔG.t’を減らし、フィードバック制御の追従性を高めている。また、このように本補正プログラム、及び補正プログラムを処理するために必要なハード構成で本発明に係る要求ゲイン補正手段が構成される。
【0106】
なお、図3を参照して説明すれば、本補正プログラムの処理後には、曲線IIIが、吸気絞り弁13の開弁により全体的にかさ上げされるため、曲線II及び曲線Iに寄る。また、曲線IIが、曲線IIや曲線Iの上方に成立する場合には、吸気絞り弁13の閉弁により曲線IIIが全体的に下がるため曲線IIや曲線Iに寄る。
【0107】
よって、EGR弁26の開度補正領域X内にてフィードバック制御が処理されるため、以て、EGR弁26のフィードバック制御に伴う機関出力の変動や燃焼状態の変化等が抑制される。
【0108】
なお、上記した処理ルーチンは、本発明の一実施形態であり、その詳細は所望に応じて変更可能である。例えば、補正要求フラグの成立条件の一つに要求ゲインΔG.t'が最大許容要求ゲインΔG.maxを超えることを挙げているが(ステップ204参照)、前記ステップ204に替え、再度、補正ゲインΔGを算出し、その補正ゲインΔGがガード値ΔG.limitを超える要求であるときにおいても補正要求フラグの成立要件を満たすことができる。
【0109】
また、単に、ステップ201の処理にてガード値ΔG.limitを超えての補正ゲインΔGの算出要求があったことのみを条件として補正要求フラグを成立させることも可能である。また、先のステップ106にて算出した要求ゲインΔG.tが最大許容要求ゲインΔG.maxを超えたことを条件として補正要求フラグを成立させることも可能である。
【0110】
また、上記した補正プログラムのステップ208及びステップ209の処理後、要求ゲインΔG.t'が最大許容要求ゲインΔG.maxより少なくなったことを確認して、本処理ルーチンを終了させるようにしてもよい。この場合、未だ要求ゲインΔG.t'が最大許容要求ゲインΔG.maxに至らない時には、引き続きステップ208若しくはステップ209を処理し、要求ゲインΔG.t'を最大許容要求ゲインΔG.maxに抑えるようにする。
【0111】
また、上記した補正プログラムでは、吸気絞り弁13の開度操作でフィードバック制御の適性化を図るが、以下に示す補正制御においてもフィードバック制御の適性化を図れる。以下、図6を参照し、そのフィードバック制御の適性化について説明する。
【0112】
まず、電子制御ユニット30では、補正要求フラグの成立後(ステップ205)、要求ゲインΔG.t'の幅に応じてガード値ΔG.limitを拡大し(ステップ301)、その拡大したガード値ΔG.limit'内で補正ゲインΔG’を算出する(ステップ302)。そして、電子制御ユニット30では、補正ゲインΔG'に従い、ステップ108以降のEGR弁26のフィードバック制御を処理させる(ステップ303)。
【0113】
この補正方法によれば、ガード値ΔG.limitを超えての補正ゲインΔGの算出要求がある場合に、ガード値ΔG.limitを拡大し、その拡大したガード値ΔG.limit'内にて補正ゲインΔG'を算出するため、算出した補正ゲインΔG'は先の補正ゲインΔGに対して大きくなる(ΔG’>ΔG)。なお、ガード値ΔG.limitの拡大は、その数値そのもを大きくする他、上記した数式1において補正定数Kを大きくすることによっても達成される。
【0114】
このように新たに算出した補正ゲインΔG'に従い空気量Gnを補正すれば、単位時間当たりの空気量変化は大きくなり、空気量Gnを早期に目標空気量Gn.tに収束させることができる。また、ガード値ΔG.limit'は、要求ゲインΔG.t'の幅(広さ)に応じて拡大されるため、フィードバック制御上のオーバーシュート(過応答)も回避される。
【0115】
なお、ガード値ΔG.limitの拡大に伴い、そのフィードバック制御期間中における機関出力の変化量は大きくなるが、例えば、急加速時など、目標空気量Gn,tの確保が優先されるような状況では、制御上の数値変更のみでフィードバック制御の適性化を図れる本制御が有用である。したがって、上記した吸気絞り弁13の開度制御を処理する補正プログラムと、ガード値ΔG.limitを拡大する補正プログラムの双方を準備しておき、その時々に要求される運転条件に応じて補正プログラムを切り換えれば、さらに最適なフィードバック制御が実施され、以て、ドライバビィリティーの向上、及び排気浄化率の向上等が図られる。
【0116】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、上記した種々のフィードバック制御補正プログラムを有するため、背圧の変化に伴うEGR制御(フィードバック制御)の不具合を回避できる。また、背圧の変化に伴うEGR制御の不具合を回避できるため、パティキュレートフィルタとの組み合わせにおいても最適なEGR制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る内燃機関の概略構成図。
【図2】排気通路に設置されたパティキュレートフィルタの断面構造を示す図。
【図3】本実施形態に示す内燃機関のGn−EGR弁開度曲線図。
【図4】本実施形態に係るEGR制御の基本フィードバック制御を説明するためのフローチャート。
【図5】本実施形態に係るフィードバック制御補正プログラムの一実施例を説明するためのフローチャート。
【図6】図5に示すフィードバック制御補正プログラムの変更例を示すフローチャート。
【図7】背圧適合時のフィードバック制御による空気量の経時変化を示す図。
【図8】背圧不適合時のフィードバック制御による空気量の経時変化を示す図。
【符号の説明】
1 内燃機関(機関本体)
1a クランクシャフト
2 燃焼室(気筒)
3 燃料噴射弁
4 コモンレール
5 燃料供給管
6 燃料ポンプ
8 吸気枝管
7 吸気温センサ
9 吸気管(吸気通路))
10 エアクリーナボックス
11 エアフロメータ
12 吸気温センサ
13 吸気絞り弁
14 アクチュエータ
15 ターボチャージャ
15a コンプレッサハウジング
15b タービンハウジング
16 インタークーラ
17 吸気圧センサ
18 排気枝管
18a 排気ポート
19 排気管(排気通路)
20 EGR装置
25 EGR通路
26 EGR弁
27 EGRクーラ
28 EGR装置用の酸化触媒
30 電子制御ユニット
31 双方向性バス
35 入力ポート
36 出力ポート
37 A/D変換器
38 駆動回路
40 アクセルペダル
41 負荷センサ
42 クランク角センサ
43 車速センサ
52 触媒コンバータ
52a 吸蔵還元型NOx触媒
52b パティキュレートフィルタ
53 ケーシング
55 排気ガス流入通路
55a 栓
56 排気ガス流出通路
56a 栓
57 隔壁
58 フィルタ
59 酸化触媒コンバータ
60 還元剤添加装置
61 還元剤添加弁
62 還元剤供給路
63 燃圧センサ
64 燃圧制御バルブ
66 緊急遮断弁[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an internal combustion engine, and more particularly to an internal combustion engine that is required to operate while controlling the amount of air taken into a combustion chamber.
[0002]
[Prior art]
In a lean combustion internal combustion engine represented by a diesel engine, various measures are taken in order to reduce the emission amount of nitrogen oxides (NOx) and smoke. As one of the countermeasures, conventionally, a part of exhaust gas (inert gas) is introduced into the combustion chamber as EGR gas, and the so-called “NOx” is reduced by lowering the combustion temperature. "EGR control" has generally been performed.
[0003]
In recent years, in addition to EGR control, exhaust gas purification technology has been widely adopted in which an exhaust gas purification catalyst is installed in the exhaust system, and the exhaust gas purification catalyst promotes the purification of nitrogen oxides (NOx) and soot in the exhaust gas. It is going on.
[0004]
As described above, in recent exhaust purification systems, nitrogen oxides contained in exhaust gas as much as possible are obtained by combining exhaust purification by EGR control as pretreatment and exhaust purification by exhaust purification catalyst as post-treatment. Comprehensive exhaust purification systems that reduce (NOx) and soot emissions are becoming mainstream.
[0005]
Incidentally, the EGR control may be used as one control for achieving the target air amount. That is, the amount of air taken into the combustion chamber is estimated from the output of the air flow meter, and the difference (error) between the estimated air amount and the target air amount is corrected by feedback control of the EGR valve, and taken into the combustion chamber. It may be used as air amount control for converging the air amount to the target air amount.
[0006]
Here, the target air amount is calculated from, for example, a control map having parameters such as engine demand load and combustion injection amount as parameters, and is required to ensure an optimal combustion state required at that time. Corresponds to air volume.
The reason why an error occurs between the amount of air taken into the combustion chamber and the target amount of air is, for example, a tolerance (manufacturing error) of the EGR valve or the engine body.
[0007]
Further, the exhaust purification catalyst will be described. In recent years, instead of a three-way catalyst or a lean NOx catalyst for the purpose of purifying nitrogen oxide (NOx) or the like, so-called so-called exhaust purification target is also newly adopted for particulates such as soot. Adoption of “particulate filter” is becoming mainstream.
[0008]
In this particulate filter, an activated oxygen release agent that also serves as a NOx absorbent is supported on a wall flow type filter, and the particulates collected on the filter are oxidized by the oxidizing power of the activated oxygen. By forcibly oxidizing and burning, it has an exhaust purification ability to purify without emitting a luminous flame.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, the present inventors have found various points to be improved regarding the combination of the EGR control and the particulate filter described above.
That is, the present inventors focused on the change in the back pressure accompanying the installation of the exhaust purification catalyst, and tried to improve the feedback control malfunction caused by the change in the back pressure.
[0010]
First, considering the relationship between the particulate filter and the back pressure, the back pressure in the exhaust passage changes according to the degree of particulate collection with respect to the particulate filter. That is, if the amount of collected fine particles is large, the ventilation resistance of the particulate filter increases, and the back pressure increases. Further, if the amount of collected particulates decreases, the ventilation resistance of the particulate filter decreases and the back pressure also decreases.
[0011]
On the other hand, in the feedback control of the EGR valve processed during EGR control, the amount of EGR valve opening correction per unit time is limited to an optimum value in consideration of the influence on the engine output. As the change of becomes larger, the follow-up performance of the feedback control decreases.
[0012]
That is, as shown in FIG. 7, if the difference between the current air amount Gn and the target air amount Gn.t is defined as the required gain ΔG.t, when the back pressure is adapted so that the change in the back pressure is within the allowable range. The air amount Gn can be converged to the target air amount Gn.t by feedback control several times with respect to the current EGR valve opening degree. However, as shown in FIG. 8, when the back pressure is incompatible with the back pressure change exceeding the allowable range, feedback control is required a considerable number of times.
[0013]
That is, when the back pressure is not suitable, the follow-up performance of the feedback control is reduced, so that the target air amount itself set at the beginning of the feedback control may have already changed to another value.
[0014]
In addition, during steady operation, the time required for feedback control can be sufficiently secured, but the opening degree of the EGR valve after the processing of the feedback control greatly deviates from the original EGR valve opening degree. That is, there is a possibility that the amount of EGR gas introduced will change significantly and the combustion state itself will change greatly.
[0015]
As described above, in the combination of the EGR control and the particulate filter, various problems due to the change in the back pressure occur. Therefore, it is necessary to control the air amount by the EGR control while sufficiently considering the mutual influence.
[0016]
Of course, the various problems described above are not limited to changes in the back pressure caused by the installation of the particulate filter, but are caused by, for example, changes in the back pressure caused by the exhaust throttle valve operation or the deterioration of the silencer. Sometimes it happens. That is, the various problems described above can be said to be phenomena caused by changes in the back pressure.
[0017]
Therefore, an object of the present invention is to provide a feedback control technique capable of avoiding a malfunction of EGR control associated with a change in back pressure. It is another object of the present invention to provide a feedback control technique that enables optimum EGR control even in combination with a particulate filter.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above technical problem, the present invention employs the following means.
That is, the present invention
EGR introduction means for introducing a part of the exhaust gas flowing through the exhaust passage of the internal combustion engine into the combustion chamber as EGR gas;
Target air amount setting means for setting a target air amount that is set according to the required combustion state and needs to be taken into the combustion chamber to achieve the combustion state;
An air amount calculating means for calculating the amount of air taken into the combustion chamber in the combustion state;
Request gain calculation means for comparing the target air amount set by the target air amount setting means with the air amount calculated by the air amount calculation means, and calculating the difference as a request gain;
Correction gain calculating means for calculating an air amount to be corrected per unit time as a correction gain based on the required gain;
A guard value setting means for setting a guard value to the correction gain calculated by the correction gain calculating means, and for limiting the correction of the air amount per unit time;
Air amount correction for controlling the EGR introduction means according to the correction gain set within the guard value and adjusting the amount of EGR gas introduced into the combustion chamber so that the amount of air taken into the combustion chamber converges to the target air amount Means,
Air flow rate adjusting means for adjusting the flow rate of air flowing into the combustion chamber through the intake passage;
Requested gain correction means for controlling the air flow rate adjusting means so as to reduce the required gain when there is a request for calculating the correction gain exceeding the guard value;
It is characterized by providing.
[0019]
According to the present invention configured as described above, the EGR gas is taken into the combustion chamber via the EGR introduction means. Further, the target air amount setting means sets the target air amount required for the current combustion state. The air amount calculating means calculates the amount of air taken into the combustion chamber, and the required gain calculating means calculates the difference between the air amount and the target air amount as the required gain.
[0020]
The correction gain setting means calculates an air amount to be corrected per unit time based on the required gain as a correction gain. Further, the guard value setting means sets a guard value for the calculated correction gain, and limits the correction of the air amount per unit time. Further, the air amount correcting means controls the EGR introducing means according to the correction gain set within the range of the guard value, and performs so-called EGR control for converging the air amount taken into the combustion chamber to the target air amount.
[0021]
Here, the guard value is determined in consideration of, for example, a change in the engine output accompanying the correction of the air amount and a change in the combustion state accompanying the change in the introduction amount of the EGR gas, and the feedback control is processed within the guard value. By doing so, it is possible to suppress a large change in engine output (torque shock), a large change in combustion state, and the like.
[0022]
The air flow rate adjusting means is a means for adjusting the flow rate of air flowing into the combustion chamber through the intake passage. That is, in the air amount correcting means described above, the air amount is indirectly controlled by changing the ratio of the air taken into the combustion chamber and the EGR gas. However, the air flow rate adjusting means flows into the combustion chamber. It is means for controlling the amount of air taken into the combustion chamber by directly adjusting the amount of air. Specifically, an intake throttle valve, a variable displacement supercharger, and the like can be exemplified as preferred examples of the air flow rate adjusting means.
[0023]
Further, in this configuration, when there is a request for calculating the correction gain exceeding the guard value, the required gain correction unit controls the air flow rate adjusting unit to correct the required gain. That is, when correction (feedback) exceeding the guard value is required, various problems described in the prior art occur. Therefore, the required gain is reduced by adjusting the amount of air flowing into the combustion chamber in advance. Optimize feedback control.
[0024]
Regarding the required gain correction means,
The required gain correction means has a request for calculating a correction gain exceeding the guard value, and when the amount of air taken into the combustion chamber in that state is smaller than the target air amount, the air in the intake passage The air flow rate adjusting means may be controlled to increase the flow rate. Further, when there is a request for calculating a correction gain exceeding the guard value and the amount of air taken into the combustion chamber in that state is larger than the target air amount, the air flow rate in the intake passage is reduced so as to reduce the air flow rate. It is good also as a structure which controls an air flow rate adjustment means.
[0025]
That is, when the current air amount is smaller than the target air amount, the required flow rate is reduced by increasing the air flow rate in the intake passage in advance. Conversely, when the current air amount is larger than the target air amount, the required flow rate is reduced by reducing the air flow rate in the intake passage in advance.
[0026]
In addition, regarding the EGR introduction means,
The EGR introduction means includes an EGR passage that interconnects the exhaust passage and the intake passage, and an EGR valve that adjusts the flow rate of the EGR gas flowing in the EGR passage,
The air amount correction means controls the valve opening amount of the EGR valve so that the ratio of EGR gas and air flowing into the combustion chamber varies, and the air amount taken into the combustion chamber together with the EGR gas is determined as the target air amount. It is good also as a structure converged on.
In other words, in this configuration, the EGR introduction means is configured by an EGR device including an EGR passage (exhaust gas recirculation passage) and an EGR valve.
[0027]
In addition, regarding the structure of the internal combustion engine,
A filter for collecting particulates contained in the exhaust gas may be provided in the exhaust passage of the internal combustion engine.
[0028]
In order to solve the above technical problem, the present invention employs the following means. That is, the present invention
EGR introduction means for introducing a part of the exhaust gas flowing through the exhaust passage of the internal combustion engine into the combustion chamber as EGR gas;
Target air amount setting means for setting a target air amount that is set according to the required combustion state and needs to be taken into the combustion chamber to achieve the combustion state;
An air amount calculating means for calculating the amount of air taken into the combustion chamber in the combustion state;
Request gain calculation means for comparing the target air amount set by the target air amount setting means with the air amount calculated by the air amount calculation means, and calculating the difference as a request gain;
Correction gain calculating means for calculating an air amount to be corrected per unit time as a correction gain based on the required gain;
A guard value setting means for setting a guard value to the correction gain calculated by the correction gain calculating means, and for limiting the correction of the air amount per unit time;
Guard value correction means for enlarging the guard value according to the width of the required gain when there is a request for calculating the correction gain exceeding the guard value;
An air amount correcting means for controlling the EGR introducing means according to the guard value correcting means and adjusting the amount of EGR gas introduced into the combustion chamber to converge the amount of air taken into the combustion chamber to the target air amount;
It is characterized by providing.
[0029]
According to the present invention configured as described above, when there is a request for calculating a correction gain exceeding the guard value, the guard value itself is expanded according to the required gain. That is, as the guard value increases, the correction gain also increases, so that the processing time for feedback control can be shortened.
[0030]
The various configurations described above can be combined without departing from the scope of the present invention, such as increasing the guard value with the guard value correction means while reducing the required gain with the required gain correction means. Various configurations (means) described above can be combined without departing from the scope of the present invention.
[0031]
Further, the various controls described above are not technologies that can be applied only to an internal combustion engine equipped with an EGR device as an EGR introduction means. For example, the EGR rate in the combustion chamber, that is, the air amount by changing the valve timing of the intake and exhaust valves. It is also useful in an internal combustion engine or the like having a device configuration for controlling the ratio of the EGR gas and the EGR gas. In other words, the EGR introduction means in the present invention is not limited to an EGR device provided with an EGR valve or an EGR passage.
[0032]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, preferred embodiments of the internal combustion engine according to the present invention will be described. The structure of the internal combustion engine described below is merely an embodiment of the present invention, and details thereof can be changed without departing from the scope of the claims.
[0033]
The internal combustion engine 1 shown in the present embodiment is a vehicular diesel engine that is a kind of lean combustion internal combustion engine. As shown in FIG. 1, in addition to four combustion chambers 2 (cylinders), a fuel supply system, an intake air System, exhaust system, control system, etc. are provided as its main components.
[0034]
The fuel supply system includes a
[0035]
In the fuel supply system configured as described above, first, fuel in a fuel tank (not shown) is pumped up by the
[0036]
On the other hand, the intake system includes an
[0037]
The
[0038]
The
[0039]
Further, an intake throttle valve 13 (air flow rate adjusting means) is provided immediately upstream of the
[0040]
In the intake system configured as described above, first, air to be supplied to each
[0041]
Next, the control system will be described.
The control system includes a ROM (Read Only Memory) 32, a RAM (Random Access Memory) 33, a CPU (Central Control Device) 34, an
[0042]
In addition to the output signals of the various sensors described above, the
[0043]
The
[0044]
The exhaust system includes an
[0045]
First, the
[0046]
The
[0047]
More specifically, a
[0048]
The lean NOx catalyst 52a, which is one of the exhaust purification catalysts, has an exhaust purification action that mainly purifies nitrogen oxides (NOx) in the exhaust gas. More specifically, when the oxygen concentration of the exhaust gas flowing into the lean NOx catalyst 52a is high, nitrogen oxide (NOx) in the exhaust gas is absorbed, and when the oxygen concentration in the exhaust gas is low, that is, in the lean NOx catalyst 52a. The nitrogen oxide (NOx) absorbed when the air-fuel ratio of the exhaust gas flowing in is low is converted to nitrogen dioxide (NO 2 ) And nitrogen monoxide (NO) in the form of reduction and release into the exhaust gas, and at the same time the nitrogen dioxide (NO) 2 ) And nitrogen monoxide (NO) are allowed to undergo an oxidation reaction with unburned fuel components (CO, HC) contained in the exhaust gas. 2 O) and carbon dioxide (CO 2 ) Has an exhaust purification ability to purify.
[0049]
The composition is, for example, alumina (Al 2 O Three ) As a carrier, an alkali metal such as potassium (K), sodium (Na), lithium (Li), cesium (Cs), or an alkaline earth such as barium (Ba), calcium (Ca), or the like on the carrier, or At least one selected from rare earths such as lanthanum (La) and yttrium (Y) and a noble metal such as platinum (Pt) are supported.
[0050]
In addition, when supplementary explanation of the exhaust gas purification action is given here, in the lean combustion internal combustion engine shown in the present embodiment, combustion is usually performed in an oxygen-excess atmosphere. For this reason, the oxygen concentration in the exhaust gas discharged with combustion hardly decreases until the above reduction / release action is promoted, and unburned combustion components (CO, HC) contained in the exhaust gas. The amount of is also negligible.
[0051]
For this reason, in this embodiment, engine fuel (HC), which is a reducing agent, is injected and supplied into the exhaust gas, thereby promoting reduction in oxygen concentration and supplementing hydrocarbon (HC), which is an unburned combustion component, and exhaust gas. Promotes the cleansing action. The supply of the reducing agent is performed by a reducing
[0052]
One
[0053]
As shown in FIG. 2, the
[0054]
Further, alumina (Al 2 O Three ), Etc., and a noble metal catalyst such as platinum (Pt) on the support, and if there is excess oxygen in the surroundings, the excess oxygen is occluded, and conversely the oxygen concentration When the oxygen content decreases, an active oxygen release agent that releases the stored oxygen in the form of active oxygen is supported.
[0055]
In addition, as active oxygen release agents, potassium (K), sodium (Na), lithium (Li), cesium (Cs), alkali metals such as rubidium (Rb), barium (Ba), calcium (Ca), strontium Use at least one selected from alkaline earth metals such as (Sr), rare earths such as lanthanum (La) and yttrium (Y), and transition metals such as cerium (Ce) and tin (Sn) Can do.
[0056]
Preferably, the alkali metal or alkaline earth metal has a higher ionization tendency than calcium (Ca), that is, potassium (K), lithium (Li), cesium (Cs), rubidium (Rb), barium (Ba), strontium. (Sr) or the like may be used.
[0057]
In the
[0058]
Thus, in the present embodiment, the NOx storage reduction catalyst 52a and the
[0059]
In the present embodiment, as described above, the NOx storage reduction catalyst 52a and the
[0060]
The reducing
[0061]
The reducing
[0062]
In the reducing
[0063]
Next, the EGR device 20 will be described.
The EGR device 20 corresponds to the EGR introduction means referred to in the present invention, and includes an
[0064]
The
[0065]
According to the EGR device 20 configured as described above, a part of the exhaust gas flowing in the
[0066]
In the exhaust gas that becomes EGR gas, water vapor (H 2 O) and carbon dioxide (CO 2 ) And other inert gases. For this reason, when the exhaust gas which is the inert gas flows into the
[0067]
By the way, in the above-described internal combustion engine 1, the target air amount is set in order to satisfy the engine required output and to achieve the combustion state required at that time, such as ensuring a stable combustion state.
The target air amount is calculated from, for example, a control map using engine demand load, fuel injection amount, and the like as parameters. In this example, an air amount (intake amount) corresponding to the target air amount and an appropriate amount of combustion injection are calculated. Thus, a combustion state satisfying the engine required load is established. The setting of the target air amount described here is merely an example. For example, the target air amount is set even during so-called “low temperature combustion” in which the temperature of the
[0068]
Further, in connection with the description of the EGR device 20 described above, the amount of EGR gas introduced and the amount of air taken into the
[0069]
Therefore, in the present embodiment, an air amount control map using the opening degree of the
[0070]
However, since it is actually affected by tolerances (machine differences), the current situation is that it cannot be handled only by the air amount control map. Here, the tolerance means a manufacturing error caused by a difference in manufacturing time or manufacturing factory of the engine body 1, the
[0071]
Therefore, in the present embodiment, by performing feedback control of the
[0072]
FIG. 3 is a Gn-EGR valve opening characteristic diagram in which the vertical axis represents the air amount (Gn) and the horizontal axis represents the EGR valve opening. Curves I, II, and III in the figure are Gn-EGR valve opening curves showing the air amount Gn corresponding to the opening of the
[0073]
Further, a method of using the Gn-EGR valve opening curve will be described. A target air amount Gn.t is set on the vertical axis, and an intersection of the target air amount Gn.t and the Gn-EGR valve opening curve is set. By tracing, the EGR valve opening required for ensuring the target air amount Gn.t can be calculated. In other words, if the opening degree of the
[0074]
In the following description, the theoretical Gn-EGR valve opening curve is curve I, the Gn-EGR valve opening curve when tolerance is affected is curve II, and the Gn-EGR valve opening curve when back pressure is increased is curved. Sometimes called III.
[0075]
First, the curve I will be described.
A curve I is a state in which an air amount corresponding to the target air amount Gn.t can be secured only by changing the setting of the EGR valve opening. In this state, the target air amount is not performed without performing feedback control of the
[0076]
For more details, Gn in the figure 1 If the target air amount Gn.t is set in the EGR valve opening E 1 The air amount Gn corresponding to the target air amount Gn.t 1 Is obtained. In terms of the relationship with the curve I, the EGR valve opening E 1 Air amount Gn corresponding to the target air amount Gn.t from the intersection point a with the curve I 1 Is guided.
[0077]
However, since it is actually affected by the tolerance as described above, the Gn-EGR valve opening curve is actually established on the curve II.
That is, when affected by the tolerance, the air amount Gn is equal to the EGR valve opening E. 1 Becomes a small value or a large value with respect to the target air amount Gn.t.
[0078]
3 assumes a case where the air amount Gn is small with respect to the target air amount Gn.t and an influence of tolerance occurs in the direction, and the EGR valve opening degree E 1 As shown in FIG. 3, the air amount at is the air amount Gn. 2 (Gn.t> Gn 2 ). Speaking of curve II, EGR valve opening E 1 And air amount Gn from intersection b of curve II 2 Is guided.
[0079]
Therefore, in the present embodiment, feedback control of the
[0080]
FIG. 4 shows a processing routine that is processed in the feedback control of the
[0081]
Hereinafter, basic feedback control of the
[0082]
First, the
[0083]
Subsequently, the
[0084]
Subsequently, the
[0085]
Subsequently, the
[0086]
[Expression 1]
Correction gain ΔG = Required gain ΔG.t × Correction constant K ... [Formula 1]
[0087]
Here, the correction constant K is set to an appropriate value in consideration of the overshoot characteristic and the undershoot characteristic associated with the correction of the opening degree of the
[0088]
In the present embodiment, a guard value ΔG.limit is set for the correction gain ΔG in order to avoid engine output fluctuations (torque shock) due to a significant change in the air amount Gn. The guard value ΔG.limit is a numerical value obtained in various preliminary experiments, and the
[0089]
Subsequently, the
[0090]
By the way, the internal combustion engine shown in the present embodiment is provided with a
[0091]
That is, with reference to FIG. 3, when the back pressure rises, the EGR valve opening degree E is derived at the intersection d in the figure. 1 Air amount Gn at Three (Gn.t> Gn 2 > Gn Three ). Therefore, air amount Gn Three Is corrected to the target air amount Gn.t, it is necessary to significantly reduce the opening degree of the
[0092]
However, in the feedback control of the
[0093]
When the target air amount Gn.t is used as a reference, the opening correction region of the
[0094]
Therefore, in the present embodiment, considering the change in back pressure, the following feedback control correction program (hereinafter simply referred to as a correction program) is processed together with the feedback control so as to optimize the feedback control. Yes.
[0095]
The flowchart shown in FIG. 5 is an example of a processing routine that is processed by the correction program.
[0096]
First, in the present correction program, after the processing of step 107 described above, it is determined whether or not the correction gain ΔG that should be originally calculated in step 107 is a correction gain that exceeds the guard value ΔG.limit (step). 201). That is, it is determined whether or not the correction request exceeds the guard value ΔG.limit.
[0097]
Subsequently, when the
[0098]
In step 203, the air amount Gn ′ after the opening correction is calculated from the output of the air flow meter 11 output after the opening correction of the
[0099]
Subsequently, the
[0100]
Subsequently, the
[0101]
First, in the correction of feedback control, the
[0102]
That is, in this step 207, it is determined from the positive / negative of the required gain ΔG.t ′ how the back pressure at the present time changes with respect to the median value (standard value) of the back pressure (required gain ΔG.t). '> 0), the control direction of the
[0103]
Subsequently, when the
[0104]
The opening operation amount of the
[0105]
Thus, in this correction program, the required gain ΔG.t ′ is reduced by following the feedback control by manipulating the opening of the
[0106]
In addition, if it demonstrates with reference to FIG. 3, since the curve III will be raised entirely by valve opening of the
[0107]
Therefore, since feedback control is processed within the opening correction region X of the
[0108]
The processing routine described above is an embodiment of the present invention, and details thereof can be changed as desired. For example, one of the conditions for establishing the correction request flag is that the required gain ΔG.t ′ exceeds the maximum allowable required gain ΔG.max (see step 204). Even when ΔG is calculated and the correction gain ΔG is a request that exceeds the guard value ΔG.limit, the establishment requirement of the correction request flag can be satisfied.
[0109]
It is also possible to establish the correction request flag only on the condition that the calculation of the correction gain ΔG exceeding the guard value ΔG.limit is requested in the process of step 201. It is also possible to establish a correction request flag on condition that the required gain ΔG.t calculated in the previous step 106 exceeds the maximum allowable required gain ΔG.max.
[0110]
Further, after the processing of step 208 and step 209 of the correction program described above, it is confirmed that the required gain ΔG.t ′ is smaller than the maximum allowable required gain ΔG.max, and this processing routine is terminated. Good. In this case, when the required gain ΔG.t ′ has not yet reached the maximum allowable required gain ΔG.max, step 208 or step 209 is continued to suppress the required gain ΔG.t ′ to the maximum allowable required gain ΔG.max. To.
[0111]
In the correction program described above, the feedback control is optimized by opening the
[0112]
First, in the
[0113]
According to this correction method, when there is a calculation request for the correction gain ΔG exceeding the guard value ΔG.limit, the guard value ΔG.limit is expanded, and the correction gain is within the expanded guard value ΔG.limit ′. Since ΔG ′ is calculated, the calculated correction gain ΔG ′ is larger than the previous correction gain ΔG (ΔG ′> ΔG). The enlargement of the guard value ΔG.limit is achieved not only by increasing the numerical value itself but also by increasing the correction constant K in Equation 1 described above.
[0114]
If the air amount Gn is corrected according to the newly calculated correction gain ΔG ′ in this way, the air amount change per unit time becomes large, and the air amount Gn can be converged to the target air amount Gn.t at an early stage. Further, since the guard value ΔG.limit ′ is enlarged according to the width (width) of the required gain ΔG.t ′, overshoot (overresponse) in feedback control is also avoided.
[0115]
As the guard value ΔG.limit increases, the amount of change in the engine output during the feedback control period increases. For example, when the target air amount Gn, t is prioritized, such as during sudden acceleration. Then, the present control that can optimize the feedback control only by changing the numerical value in the control is useful. Therefore, both a correction program for processing the opening degree control of the
[0116]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, since the above-described various feedback control correction programs are included, problems of EGR control (feedback control) due to changes in back pressure can be avoided. In addition, since EGR control problems associated with changes in back pressure can be avoided, optimum EGR control is possible even in combination with a particulate filter.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram of an internal combustion engine according to an embodiment.
FIG. 2 is a view showing a cross-sectional structure of a particulate filter installed in an exhaust passage.
FIG. 3 is a Gn-EGR valve opening curve diagram of the internal combustion engine shown in the present embodiment.
FIG. 4 is a flowchart for explaining basic feedback control of EGR control according to the present embodiment.
FIG. 5 is a flowchart for explaining an example of a feedback control correction program according to the present embodiment.
6 is a flowchart showing a modification example of the feedback control correction program shown in FIG.
FIG. 7 is a diagram showing a change over time in the amount of air by feedback control when back pressure is applied.
FIG. 8 is a diagram showing a change over time in the air amount by feedback control when the back pressure is incompatible.
[Explanation of symbols]
1 Internal combustion engine (engine body)
1a Crankshaft
2 Combustion chamber (cylinder)
3 Fuel injection valve
4 Common rail
5 Fuel supply pipe
6 Fuel pump
8 Intake branch pipe
7 Intake air temperature sensor
9 Intake pipe (intake passage))
10 Air cleaner box
11 Air flow meter
12 Intake air temperature sensor
13 Inlet throttle valve
14 Actuator
15 Turbocharger
15a Compressor housing
15b Turbine housing
16 Intercooler
17 Intake pressure sensor
18 Exhaust branch pipe
18a Exhaust port
19 Exhaust pipe (exhaust passage)
20 EGR equipment
25 EGR passage
26 EGR valve
27 EGR cooler
28 Oxidation catalyst for EGR equipment
30 Electronic control unit
31 Bidirectional bus
35 input ports
36 output ports
37 A / D converter
38 Drive circuit
40 accelerator pedal
41 Load sensor
42 Crank angle sensor
43 Vehicle speed sensor
52 Catalytic converter
52a NOx storage reduction catalyst
52b Particulate filter
53 Casing
55 Exhaust gas inflow passage
55a stopper
56 Exhaust gas outflow passage
56a stopper
57 Bulkhead
58 Filter
59 Oxidation Catalytic Converter
60 Reducing agent addition device
61 Reducing agent addition valve
62 Reducing agent supply path
63 Fuel pressure sensor
64 Fuel pressure control valve
66 Emergency shut-off valve
Claims (6)
要求された燃焼状態に応じて設定され、その燃焼状態を達成すべく燃焼室に取り込む必要のある目標空気量を設定する目標空気量設定手段と、
その燃焼状態において燃焼室に取り込まれる空気量を算出する空気量算出手段と、
前記目標空気量設定手段にて設定した目標空気量と前記空気量算出手段にて算出した空気量とを比較し、その差分を要求ゲインとして算出する要求ゲイン算出手段と、
前記要求ゲインに基づき、単位時間当たりに補正すべき空気量を補正ゲインとして算出する補正ゲイン算出手段と、
前記補正ゲイン算出手段にて算出する補正ゲインにガード値を設定し、単位時間当たりの空気量の補正に制限を加えるガード値設定手段と、
前記ガード値内にて設定した補正ゲインに従いEGR導入手段を制御し、燃焼室に対するEGRガスの導入量を調節することで、その燃焼室に取り込まれる空気量を目標空気量に収束させる空気量補正手段と、
吸気通路を通じて燃焼室に流れ込む空気の流量を調節する空気流量調節手段と、
前記ガード値を超えての補正ゲインの算出要求がある場合に、前記要求ゲインを減らすように前記空気流量調節手段を制御する要求ゲイン補正手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関。EGR introduction means for introducing a part of the exhaust gas flowing through the exhaust passage of the internal combustion engine into the combustion chamber as EGR gas;
Target air amount setting means for setting a target air amount that is set according to the required combustion state and needs to be taken into the combustion chamber to achieve the combustion state;
An air amount calculating means for calculating the amount of air taken into the combustion chamber in the combustion state;
Request gain calculation means for comparing the target air amount set by the target air amount setting means with the air amount calculated by the air amount calculation means, and calculating the difference as a request gain;
Correction gain calculating means for calculating an air amount to be corrected per unit time as a correction gain based on the required gain;
A guard value setting means for setting a guard value to the correction gain calculated by the correction gain calculating means, and for limiting the correction of the air amount per unit time;
Air amount correction for controlling the EGR introduction means according to the correction gain set within the guard value and adjusting the amount of EGR gas introduced into the combustion chamber so that the amount of air taken into the combustion chamber converges to the target air amount Means,
Air flow rate adjusting means for adjusting the flow rate of air flowing into the combustion chamber through the intake passage;
Requested gain correction means for controlling the air flow rate adjusting means so as to reduce the required gain when there is a request for calculating the correction gain exceeding the guard value;
An internal combustion engine comprising:
前記空気量補正手段は、前記EGR弁の開弁量を制御することで、燃焼室に流れ込むEGRガスと空気との割合を異ならせ、そのEGRガスと共に燃焼室に取り込まれる空気量を目標空気量に収束させることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の内燃機関。The EGR introduction means includes an EGR passage that interconnects the exhaust passage and the intake passage, and an EGR valve that adjusts the flow rate of the EGR gas flowing in the EGR passage,
The air amount correction means controls the valve opening amount of the EGR valve so that the ratio of EGR gas and air flowing into the combustion chamber varies, and the air amount taken into the combustion chamber together with the EGR gas is set as the target air amount. The internal combustion engine according to any one of claims 1 to 3, wherein the internal combustion engine is converged to.
要求された燃焼状態に応じて設定され、その燃焼状態を達成すべく燃焼室に取り込む必要のある目標空気量を設定する目標空気量設定手段と、
その燃焼状態において燃焼室に取り込まれる空気量を算出する空気量算出手段と、
前記目標空気量設定手段にて設定した目標空気量と前記空気量算出手段にて算出した空気量とを比較し、その差分を要求ゲインとして算出する要求ゲイン算出手段と、
前記要求ゲインに基づき、単位時間当たりに補正すべき空気量を補正ゲインとして算出する補正ゲイン算出手段と、
前記補正ゲイン算出手段にて算出する補正ゲインにガード値を設定し、単位時間当たりの空気量の補正に制限を加えるガード値設定手段と、
前記ガード値を超えての補正ゲインの算出要求がある場合に、前記要求ゲインの幅に応じてそのガード値を拡大するガード値補正手段と、
前記ガード値補正手段に従いEGR導入手段を制御し、燃焼室に対するEGRガスの導入量を調節することで、その燃焼室に取り込まれる空気量を目標空気量に収束させる空気量補正手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関。EGR introduction means for introducing a part of the exhaust gas flowing through the exhaust passage of the internal combustion engine into the combustion chamber as EGR gas;
Target air amount setting means for setting a target air amount that is set according to the required combustion state and needs to be taken into the combustion chamber to achieve the combustion state;
An air amount calculating means for calculating the amount of air taken into the combustion chamber in the combustion state;
Request gain calculation means for comparing the target air amount set by the target air amount setting means with the air amount calculated by the air amount calculation means, and calculating the difference as a request gain;
Correction gain calculating means for calculating an air amount to be corrected per unit time as a correction gain based on the required gain;
A guard value setting means for setting a guard value to the correction gain calculated by the correction gain calculating means, and for limiting the correction of the air amount per unit time;
Guard value correction means for enlarging the guard value according to the width of the required gain when there is a request for calculating the correction gain exceeding the guard value;
An air amount correcting means for controlling the EGR introducing means according to the guard value correcting means and adjusting the amount of EGR gas introduced into the combustion chamber to converge the amount of air taken into the combustion chamber to the target air amount;
An internal combustion engine comprising:
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