JP3739318B2 - アトマイザシステム - Google Patents

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    • B05B7/00Spraying apparatus for discharge of liquids or other fluent materials from two or more sources, e.g. of liquid and air, of powder and gas
    • B05B7/02Spray pistols; Apparatus for discharge
    • B05B7/04Spray pistols; Apparatus for discharge with arrangements for mixing liquids or other fluent materials before discharge
    • B05B7/0416Spray pistols; Apparatus for discharge with arrangements for mixing liquids or other fluent materials before discharge with arrangements for mixing one gas and one liquid

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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
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Description

【0001】
本発明は液流の噴霧に関する。さらなる見地において、本発明は、流動接触分解(FCC)装置又はコーカー装置(coker unit)において、流動触媒流へ原料油流を噴霧し、均一に分散させる方法及び装置に関する。
【0002】
(発明の背景)
液体の急速冷却(人工雪製造)、又は、噴霧された液体が、流動触媒のような他の媒体と接触するのを促進するような目的のために、液流を噴霧するプロセスは当業界においてよく知られている。液流を噴霧するための、改善されたプロセス及び装置を提供することが望まれることは明らかである。
【0003】
噴霧プロセスの1つの具体的な例は、FCC又はコーカー装置において、油流を流動触媒と接触させる前に、油流を噴霧することである。典型的なFCC装置の操作は、下記で説明される。
【0004】
ガソリンや暖房用オイルのような製品を製造するために、重質石油留分を流動接触分解することは、当業界においてよく知られている。流動接触分解では、重質石油留分は、ライザ反応器(riser reactor)の中で、高温の流動触媒粒子と接触する前に、しばしば予熱される。ライザ反応器での接触時間は、一般に、数秒のオーダーである。比較的短い接触時間が、ガソリン及び暖房用オイル領域の炭化水素の製造を促す。接触時間が長くなると、分解が進み過ぎ(過剰分解/overcracking)、メタンやコークスのような、望ましくない最終製品が生成することになる可能性がある。重質石油留分を流動触媒と接触させることに関して重要な側面は、重質石油留分を噴霧すること、及び噴霧した重質石油留分を流動触媒中に均一に分散させること、を含む。流動触媒中に、重質石油留分が均一に分散されないことによって、局所的に高い触媒−油比(catalyst−to−oil ratios)の領域の生成、及び過剰分解につながる可能性がある。又、重質石油留分の噴霧が不十分であることによって、局所的に低い触媒−油比の領域が生じて、コークスの沈着の増加の原因となる、触媒の湿潤(wetting)につながる可能性がある。更に、ライザ反応器への注入時に、重質石油留分が十分に噴霧されず、流動触媒と直接に接触しなければ、接触分解に代わって熱分解(thermal cracking)が起こり得る。熱分解は、望ましくない最終製品であるメタンやコークスの生成につながり得る。ストリッパ(stripper)や再生器(regenerator)の処理負荷が増加し、コークスが関連設備の表面に付着する可能性があるため、過剰なコークスは望ましくない。重質石油留分を含む原料油流が、流動接触分解プロセスにおいて、流動触媒中に十分に噴霧され、均一に分散するプロセス及び装置を提供することが望まれることは明らかである。
【0005】
(発明の要約)
液流を、より効率的な方法で噴霧することに使われる装置を提供することが望ましい。
【0006】
更に、噴霧効率を高める方法で、液流を噴霧する方法を提供することが望ましい。
【0007】
更には、FCCの操作の効率を改善することが望ましい。
【0008】
加えて、コーカーの操作の効率を改善することが望ましい。
【0009】
更に加えて、触媒による転換(catalytic conversion)のための原料油流を噴霧する方法及び装置を提供することが望ましい。
【0010】
又、原料油流を流動触媒中に噴霧し、均一に分散させる方法及び装置を提供することが望ましい。
【0011】
本発明によれば、アトマイザは:
長手方向軸、内面壁、内径D1、上流側端末部、下流側端末部、及び前記上流側端末部と前記下流側端末部との間における内面壁に開口部を有する第1導管;
噴霧促進媒体を第1導管に導入するための、孔あき管スパージャをその一端に有する第2導管;ここで、孔あき管スパージャは長手方向軸を有し、孔あき管スパージャの長手方向軸が第1導管の長手方向軸と一般に垂直である関係を有して、第1導管の内面壁の開口部を貫通して第1導管内に配されており;孔あき管スパージャは、外表面、第1端末、閉鎖した第2端末、外径D2、第1導管内にある部分の長さL1、及び、一般に第1導管の下流側端末部の方向に面している複数の孔を有し;孔あき管スパージャの第1端末での外表面は、第1導管の内面壁の開口部と密封結合(sealing engagement)している;及び
内径D3を有し、第1導管の下流側端末部と、流体の流れが導通するように結合している第3導管;
を含む。
【0012】
本発明は、更に、上記した本発明のアトマイザの操作方法を含む。特には、液流を噴霧するための本発明の方法は:
上記のアトマイザを用意するステップ;
第1導管の上流側端末部に液流を導入するステップ;
第2導管を経て、孔あき管スパージャを通して噴霧促進媒体を導入するステップ;
液流を、孔あき管スパージャの複数の孔から下流へ出た噴霧促進媒体流と接触させ、それにより、液流及び噴霧促進媒体の乱流混合体(turbulent mixture)を形成するステップ;
乱流混合体を第3導管に送り、それにより、乱流混合体を環状ミスト流混合体(annular−mist flow mixture)に転換するステップ;
環状ミスト流混合体をノズルに送るステップ;及び
ノズルから環状ミスト流混合体を取り出し、それにより、液流を少なくとも部分的に噴霧し、噴霧状の液流を形成するステップ;
を含む。
【0013】
本発明の他の目的及び利点は、本発明の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0014】
(発明の詳細な説明)
本発明の装置及びプロセスを、図面を参照して説明する。図面の具体的な配置の引用は、本発明を、それに関連して開示された図面の詳細に限定することを意味するものではない。
【0015】
図1から3、及び、特に図1に関して、第1導管100、第2導管102、第3導管104及び任意にノズル106を含む、本発明のアトマイザ10がそこに図示されている。第1導管100は、長手方向軸108、内面壁110、内径D1、上流側端末部112、下流側端末部114及び上流側端末部112と下流側端末部114との間における内面壁110に開口部116、を有する。
【0016】
第2導管102は、その一端に、流体の流れが導通するように結合した孔あき管スパージャ118を有する。孔あき管スパージャ118は、長手方向軸120、外表面122、第1端末124、閉鎖した第2端末126、外径D2、第1導管100内にある部分の長さL1、及び複数の孔128を有する。孔あき管スパージャ118は、孔あき管スパージャ118の長手方向軸120が、第1導管100の長手方向軸108と、一般に垂直である関係を有して、内面壁110の開口部116を貫通して、第1導管100内に配されている。複数の孔128は、一般に第1導管100の下流側端末部114の方向に面している。孔あき管スパージャ118の第1端末124での外表面122は、第1導管100の内面壁110の開口部116と密封結合している。孔あき管スパージャ118の外表面122及び第1導管100の内面壁110は、第1導管100内に第1断面積(AXS1)を規定し、この断面積は、第1導管100の長手方向軸108と一般に垂直である関係にあり、孔あき管スパージャ118の長手方向軸120とは、一般に平行である。複数孔128は総第2断面積(AXS2)を有する。
【0017】
図2及び3に関して、孔あき管スパージャ118の複数の孔128は、複数の孔列を含むことで更に特徴づけられ、個々の列は、孔あき管スパージャ118の長手方向軸120に一般に平行であり、破線130に沿って位置する中心列、破線132に沿って位置する第1側列及び破線134に沿って位置する第2側列を含むが、これらに限定されない。線132に沿った第1側列にある孔の軸は、孔あき管スパージャ118の長手方向軸120と交差する第1平面136内にある。線134に沿った第2側列にある孔の軸は、孔あき管スパージャ118の長手方向軸120と交差する第2平面138内にある。線130に沿った中心列にある孔の軸は、孔あき管スパージャ118の長手方向軸120と交差する第3平面140内にある。
【0018】
図3に関して、第1平面136と第3平面140との間に形成される第1角142は、約40°から約50°の範囲に、好ましくは、約42°から約48°の範囲に、最も好ましくは、43°から47°の間であり得る。第2平面138と第3平面140との間に形成される第2角144は、約40°から約50°の範囲に、好ましくは、約42°から約48°の範囲に、最も好ましくは、43°から47°の間であり得る。第1平面136と第2平面138との間に形成される第3角146は、約80°から約100°の範囲に、好ましくは、約84°から約96°の範囲に、そして最も好ましくは、86°から94°の間であり得る。
【0019】
好ましい実施態様では、線132に沿った第1側列及び線134に沿った第2側列は、孔あき管スパージャ118の複数の孔128の総第2断面積の約70%から約90%の範囲に、好ましくは、約73%から約87%の範囲に、そして、最も好ましくは、75%から85%の間で、含まれ得る。
【0020】
好ましくは、(D1−D2)/2は(D1−L1)に実質的に等しく、これにより、第1断面積AXS1全面で、液流の実質的に均一な流れを可能にする。
【0021】
再び図1に関して、第3導管104は内径D3を有し、流体の流れが導通するように第1導管100に結合している。第3導管104は、任意に、流体の流れが導通するようにノズル106と結合している。
【0022】
再び図1及びアトマイザ10の操作に関して、液流は、第1導管100の上流側端末部112に導入される。次いで、液流は、第1断面積(AXS1)を通って、孔あき管スパージャ118の周囲を流れる。
【0023】
XS1は、好ましくは、孔あき管スパージャー118の周囲の液流の質量流束=mass flux(MF1)が、約625 lbm/(ft2sec)から約1050 lbm/(ft2sec)の範囲、好ましくは、約700 lbm/(ft2sec)から約975 lbm/(ft2sec)の範囲、そして最も好ましくは、775 lbm/(ft2sec)から900 lbm/(ft2sec)になるような値を有する。液流の質量流束は、式:
Figure 0003739318
ここで、
1=lbm/secで表わされる液流の質量流量;そして
XS1=ft2で表わされる断面積;
で定義される。
(注釈:単位換算について
本明細書において、使用されている米国慣用単位とSI単位の換算は、以下の通りである。
1lbm/sec = 0.454kgm/sec
1ft2 = 0.929m2
1lbm/ft2sec = 4.89kgm/m2sec(分母のmはメートル)
1lbm/ft3 = 16.0kgm/m3(分母のmはメートル)
1lbf/ft = 1.49kgf/m
lb(ポンド)及びkgの後のmまたはfは、mass(質量)に関する重量またはforce(かかっている力)に関する重量を意味する。)
【0024】
噴霧促進媒体は第2導管102に導入され、第2導管102の孔あき管スパージャ118に流れ込み、複数の孔128の総第2断面積AXS2を通って、孔あき管スパージャ118から出る。AXS2は、好ましくは、複数の孔128からの出口における噴霧促進媒体の質量流束(MF2)が、約30 lbm/(ft2sec)から約50 lbm/(ft2sec)の範囲、好ましくは、約32 lbm/(ft2sec)から約48 lbm/(ft2sec)の範囲、そして最も好ましくは、35 lbm/(ft2sec)から45 lbm/(ft2sec)になるような値を有する。噴霧促進媒体の質量流束は、式:
Figure 0003739318
ここで、
2=lbm/secで表わされる噴霧促進媒体の質量流量;そして
XS2=ft2で表わされる断面積;
で定義される。
【0025】
複数の孔128からの出口において、噴霧促進媒体は液流と接触し、これにより液流及び噴霧促進媒体の乱流混合体を形成する。噴霧促進媒体はガス速度数(Ngv)を有し、液流は液速度数(NLV)を有し、両者は下記で定義される。好ましくは、第3導管104の直径D3は、NLVの変化に応じて、Ngvが10z
ここで、
z=(1.401−2.694NL+0.521(NLV0.329);
gv=Vsg(ρLc/gσL1/4
Lv=VsL(ρLc/gσL1/4
Figure 0003739318
xs3=π(D32/4 ;
L=lbm/ftsecで表わされる液流の粘度;
ρL=lbm/ft3で表わされる液流の密度;
ρv=lbm/ft3で表わされる噴霧促進媒体の密度;
c=重力定数;
g=重力による加速度;
σL=lbf/ftで表わされる液流の表面張力;そして
xs3=ft2で表わされる第3導管の断面積;
を上回るような値を有する。
【0026】
3の値が、上記の値である場合には、乱流混合体は、第1導管100の下流端末部114から第3導管104への通過に際して、第3導管104内で環状ミスト流混合体に転換するであろう。この環状ミスト流混合体は、ノズルの出口において、液流の噴霧を生み出すために必要である。環状ミスト流混合体は好ましくは、実質的に円周上で均一である。環状ミスト流混合体は、次いでノズル106に流れ込み、そこから取り出されて、液流の少なくとも部分的な噴霧を生み、噴霧状液流の形成につながる。噴霧された液流は、次いでノズル106により空気又は流動触媒のような媒体(これらに限定されない)に均一に分散される。本発明に使用される適切なノズルは、上記のような媒体中に液流を均一に分散するのに効果的な、いずれのノズルの形状も含み得る。特に、適切なノズルは、Bete Fog Nozzle,Inc.製のBETEノズル(登録商標)を含む。
【0027】
図4は、図1の本発明のアトマイザ10をその中に組み入れている原料注入域200を含む、FCC装置20の1型式を示す。原料注入域200は、流体の流れが導通するように、油供給ライン201、噴霧促進媒体ライン202及びライザ反応器203に結合している。導管204は、流体の流れが導通するように、ライザ反応器203と触媒/製品分離域206を連結しており、触媒/製品分離域206は、通常、数基のサイクロン分離器208を内包し、触媒/製品分離域206から塔頂製品を取り出すための導管210と、流体の流れが導通するように結合している。触媒/製品分離域206は、流体の流れが導通するようにストリッピング部(stripping section)212と結合しており、ストリッピング部212では、ガス体、好ましくは、蒸気がライン214及び216から導入され、使用済み触媒から同伴炭化水素(entrained hydrocarbon)を放散する。導管、即ち、スタンドパイプ218は、流体の流れが導通するようにストリッピング部212と再生域220を連結する。再生域220は、再生域220に空気を導入するための導管222と、流体の流れが導通するように結合している。操作弁224(好ましくはスライド弁)は、流体の流れが導通するように再生域220と触媒搬送域226を連結している。触媒搬送域226は、流体の流れが導通するように、原料注入域200と結合している。触媒搬送域226は、又、流動用ガス(fluidizing gas)を触媒搬送域226に導入するための導管228とも、流体の流れが導通するように結合している。
【0028】
図5及び6に関して、図4の原料注入域200が、円錐台部230、典型的なガイド232及び本発明のアトマイザ10を含めて、更に詳細にそこで図示されている。
【0029】
円錐台部230は、上下逆さまに取り付けられ、中心軸234を有する。即ち、錐台の上端が下端より下にあり、上下両端が流れに対し開放されている。
【0030】
1つの実施態様として、図6は、原料注入域200の下流側から見た断面を表わしており、この断面は、円錐台部230の周囲にある複数のガイド232の形状を図示しており、この複数ガイドにアトマイザ10(図6には、描かれていない)が取り付けられている。再び、図5に関して、アトマイザ10は、ガイド232にしっかりと固定されており、原料注入域200の円錐台部230に対して流体の流れが導通している。アトマイザ10は、適切な密封性を得るのに十分であるいずれの方法によっても、ガイド232にしっかりと固定できる。好ましくは、アトマイザ10は、ガイド232に溶接又はボルト付けされる。
【0031】
FCC装置20の操作に関して、及び、再び図4に関して、油流及び噴霧促進媒体は、触媒搬送域226(下記に更に詳しく説明される)からの再生された流動触媒と接触させるために、各々ライン201及び202を通って、原料注入域200に導入される。油流が再生触媒と接触することにより、これらの混合物がライザ反応器203を上昇していく間に、油流のガソリン域及びより軽質の炭化水素への転換について触媒作用が及ぼされる。油流が分解されるにつれ、触媒は、その表面及び隙間の空間に、炭化水素やコークスが蓄積することによって次第に不活性化する。この部分的に不活性化した触媒は、その後、使用済み触媒(spent catalyst)として、ライザ反応器203から導管204を経て、触媒/製品分離域206に流れて行く。炭化水素製品ガス及び使用済み触媒は、触媒/製品分離域206で分離され、炭化水素製品ガスは、導管210を通って排出され、使用済み触媒は下方に流れる。使用済み触媒は、ストリッピング部212を下降し、導管214及び216からの向流の(counter flowing)ストリッピング用ガスによって、付着した炭化水素を放散する。放散済みの触媒は下方に流れ、導管218を経て再生域220に入り、ここで放散済み触媒は、導管222を経て供給される空気で、残存しているいずれのコークス付着物をも燃焼することにより再生される。再生された触媒は、次いで触媒搬送域226に流入し、ここで導管228からの流動用ガス、好ましくは蒸気が再生触媒を流動化し、再生触媒の原料注入域200への流入を促進する。アトマイザ10が、FCC装置20で使用される時の性能を更に詳しく説明するために、図1が参照される。
【0032】
再び図1及びアトマイザ10の操作に関して、油流は、第1導管100の上流側端末部112に導入される。次いで、油流は、第1断面積(AXS1)を通って、孔あき管スパージャ118の周囲を流れる。
【0033】
XS1は、好ましくは、孔あき管スパージャ118の周囲の油流の質量流束(MF1)が、約625 lbm/(ft2sec)から約1050 lbm/(ft2sec)の範囲に、好ましくは、約700 lbm/(ft2sec)から約975 lbm/(ft2sec)の範囲に、そして最も好ましくは、775 lbm/(ft2sec)から900 lbm/(ft2sec)になるような値を有する。油流の質量流束は、式:
Figure 0003739318
ここで、
1=lbm/secで表わされる油流の質量流量;そして
XS1=ft2で表わされる断面積;
で定義される。
【0034】
噴霧促進媒体、好ましくは、蒸気は、第2導管102に導入され、第2導管102の孔あき管スパージャ118に流れ込み、複数の孔128の総第2断面積AXS2を通って、孔あき管スパージャ118から出る。AXS2は、好ましくは、複数の孔128からの出口における噴霧促進媒体の質量流束(MF2)が、約30 lbm/(ft2sec)から約50 lbm/(ft2sec)の範囲に、好ましくは、約32 lbm/(ft2sec)から約48 lbm/(ft2sec)の範囲に、そして最も好ましくは、35 lbm/(ft2sec)から45 lbm/(ft2sec)になるような値を有する。噴霧促進媒体の質量流束は、式:
Figure 0003739318
ここで、
2=lbm/secで表わされる噴霧促進媒体の質量流量;そして
XS2=ft2で表わされる断面積;
で定義される。
【0035】
複数の孔128からの出口において、噴霧促進媒体は油流と接触し、これにより、油流及び噴霧促進媒体の乱流混合体を形成する。噴霧促進媒体はガス速度数(Ngv)を有し、油流は液速度数(NLV)を有し、両者は下記で定義される。好ましくは、第3導管104の直径D3は、NLVの変化に応じて、Ngvが10z
ここで、
z=(1.401−2.694NL+0.521(NLV0.329);
gv=Vsg(ρLc/gσL1/4
Lv=VsL(ρLc/gσL1/4
Figure 0003739318
xs3=π(D32/4 ;
L=lbm/ftsecで表わされる油流の粘度;
ρL=lbm/ft3で表わされる油流の密度;
ρv=lbm/ft3で表わされる噴霧促進媒体の密度;
c=重力定数;
g=重力による加速度;
σL=lbf/ftで表わされる油流の表面張力;そして
xs3=ft2で表わされる第3導管の断面積;
を上回るような値を有する。
【0036】
3の値が上記の値である場合には、乱流混合体は、第1導管100の下流端末部114から第3導管104への通過に際して、第3導管104内で環状ミスト流混合体に転換するであろう。この環状ミスト流混合体は、ノズルの出口において油流の噴霧を生み出すために必要である。環状ミスト流混合体は好ましくは、実質的に円周上で均一である。環状ミスト流混合体は、次いでノズル106に流れ込み、そこから取り出されて、油流の少なくとも部分的な噴霧を生み、噴霧状油流の形成につながる。噴霧された油流は、次いで原料注入域200の円錐台部230を流れている、触媒搬送域226からの再生された流動触媒中に、ノズル106によって均一に分散される。
【0037】

FCC装置における効率的なアトマイザは、原料油を噴霧し、かつ、原料油をライザ反応器に均一に分散させる必要がある。アトマイザは、ライザ反応器での滞留時間内で蒸発し、触媒により反応し得る液滴粒度分布(droplet size distribution)を作り出すよう設計しなければならない。この蒸発プロセスでの生成物は、ガス状炭化水素、及び高沸点物から成る残渣エアロゾル(residual aerosol)である。蒸気状の生成物は、触媒により反応し得るのに対し、残渣エアロゾルは、周りの表面(粒子及び壁面)上に吸着し熱分解する。もし、ライザ反応器の性能が貧弱であれば、残渣エアロゾルは、主精留塔(fractionator)に持ち込まれる可能性があり、潜在する安定性についての問題(stability problem)を引き起こす可能性がある。
【0038】
原料油の効率的な蒸発のためには、噴霧に加えて、原料油がライザ反応器の断面に亘って、良好な分布をする必要がある。これにより、油が高温の再生触媒と均一に接触することができる。アトマイザから出る噴霧の性状は、混合域に流入する触媒の密度と調和したものでなければならない。正しく調和していれば、噴霧は密集した触媒中に浸透し、完全に分散するであろう。そうでない場合は、アトマイザから出る噴霧は、上方に向かう傾向があり、触媒とは十分に接触しない可能性がある。この不十分な接触により、原料油の一部を混合域より下方へ引っ張る渦が生じる可能性がある。その結果、選択率及び処理能力が阻害されるであろう。全体として、適切に設計されたアトマイザは、良好な噴霧及び分散により、油と触媒粒子の間の表面物質移動抵抗(external mass transfer resistance)を制限するように機能する。
【0039】
アトマイザの性能が良ければ、油に対する触媒の比(C/O)の変化に応じて、種々の指数における傾向がわかる筈である。特に、蒸発した原料の触媒粒子への表面物質移動は、制限を受けないであろう。この結果、C/O比が増大すれば、触媒上にある活性点(active sites)の数は増加して触媒反応の度合いが増加し、熱反応の度合いは減少する筈である。これらの傾向は、水素移動及び熱分解の指数に表われてくる筈である。水素移動は増加し、熱分解は減少する。この変化は、ライザ反応器での分解熱及び装置全体で生成するコークス量に影響する。
【0040】
水素移動指数(hydrogen transfer index)は、イソブタンの収率の、イソブテンの収率に対する比として定義される。水素移動は、1つの不飽和分子を脱水素し、他の不飽和分子を水素化する、強い発熱を伴う2分子間触媒反応である。この指数は、水素移動の最終生成物であるイソブタンの量と、接触分解の最終生成物であるイソブテンの量を比較することで、水素移動反応の程度を表わす。
【0041】
熱分解指数(thermal cracking index)は、エタン及びより軽質の成分の収率の、イソブテンの収率に対する比として定義される。熱分解反応は、触媒を用いない吸熱反応である。エタン及びより軽質の成分は、熱分解の最終生成物であり、イソブテンは接触分解の最終生成物である。この指数は、接触分解に比較した熱分解の程度を表わす尺度である。
【0042】
本発明は、好ましい実施態様の用語を使って説明されてきたが、理にかなった変更及び修正は、当業者によって可能である。このような修正は、記載された本発明及び添付の特許請求の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のアトマイザの或る形状を示す、部分的に切り取った立面図である。
【図2】 図2は、図1で示される本発明のアトマイザの或る形状を更に詳しく示す、図1の線2−2で切り取った断面図である。
【図3】 図3は、図1及び2で示される本発明のアトマイザの或る形状を更に詳しく示す、図2の線3−3で切り取った断面図である。
【図4】 図4は、本発明のアトマイザのある形状を組み入れたFCC装置の、1つの型の或る形状を模式的に図示する。
【図5】 図5は、図4に示されるFCC装置の原料注入部の或る形状を更に詳しく示す、拡大した切り取り図である。
【図6】 図6は、図4及び5で示される原料注入部の或る形状を更に詳しく示す、拡大した断面図である。

Claims (21)

  1. 長手方向軸、内面壁、内径D1、上流側端末部、下流側端末部、及び前記上流側端末部と前記下流側端末部との間における前記内面壁に開口部を有する第1導管;
    噴霧促進媒体を前記第1導管に導入するための、孔あき管スパージャをその一端に有する第2導管;ここで、前記孔あき管スパージャは長手方向軸を有し、前記孔あき管スパージャの長手方向軸が前記第1導管の長手方向軸と一般に垂直である関係を有して、前記内面壁の前記開口部を貫通して前記第1導管内に配されており;前記孔あき管スパージャは、外表面、第1端末、閉鎖した第2端末、外径D2、前記第1導管内にある部分の長さL1、及び、一般に前記第1導管の下流側端末部の方向に面している複数の孔を有し;前記孔あき管スパージャの前記第1端末での外表面は、前記第1導管の前記内面壁の前記開口部と密封結合している;及び
    内径D3を有し、前記第1導管の下流側端末部と、流体の流れが導通するように結合している第3導管;
    を含む、アトマイザ。
  2. 前記第3導管と、流体の流れが導通するように結合したノズルを含むという更なる特徴を有する請求項1記載のアトマイザ。
  3. 前記孔あき管スパージャの前記外表面及び前記第1導管の前記内面壁が、第1断面積(A XS1 )を規定し、この第1断面積は、前記第1導管を通り、かつ、前記孔あき管スパージャの周囲を流れる液流の質量流束(MF 1 )が、625 lbm/(ft 2 sec)から1050 lbm/(ft 2 sec)の範囲になるような値を有し;MF 1 が、式:
    Figure 0003739318
    ここで、
    1 =lbm/secで表わされる前記液流の質量流量;そして
    XS1 =ft 2 で表わされる断面積;
    で定義される、請求項1記載のアトマイザ
  4. 前記孔あき管スパージャの前記複数の孔が、総第2断面積(A XS2 )を有し、この総第2断面積(A XS2 )は、前記噴霧促進媒体の質量流束(MF 2 )が、前記複数の孔の出口で、30 lbm/(ft 2 sec)から50 lbm/(ft 2 sec)の範囲になるような値を有し;MF 2 が、式:
    Figure 0003739318
    ここで、
    2 =lbm/secで表わされる前記噴霧促進媒体の質量流量;そして
    XS2 =ft 2 で表わされる断面積;
    で定義される、請求項1記載のアトマイザ
  5. (D 1 −D 2 )/2が(D 1 −L 1 )に実質的に等しい、請求項1記載のアトマイザ
  6. 前記孔あき管スパージャの前記複数の孔が複数の孔列を含み、その各々が、前記孔あき管スパージャの長手方向軸に一般に平行であり、前記複数の孔列が、中心列、第1側列及び第2側列を含み、前記第1側列の孔の軸が、前記孔あき管スパージャの長手方向軸と交差する第1平面内にあり、前記第2側列の孔の軸が、前記孔あき管スパ ージャの長手方向軸と交差する第2平面内にあり、前記中心列の孔の軸が、前記孔あき管スパージャの長手方向軸と交差する第3平面内にあり、前記第1平面と前記第3平面との間の第1角度が40°から50°の範囲にあり、前記第2平面と前記第3平面との間の第2角度が40°から50°の範囲にあり、そして、前記第1平面と前記第2平面との間の第3角度が80°から100°の範囲にあることを更なる特徴とする、請求項1記載のアトマイザ
  7. 前記孔あき管スパージャの前記複数の孔が複数の孔列を含み、その各々が、前記孔あき管スパージャの長手方向軸に一般に平行であり、前記複数の孔列が、中心列、第1側列及び第2側列を含み、前記第1側列の孔の軸が、前記孔あき管スパージャの長手方向軸と交差する第1平面内にあり、前記第2側列の孔の軸が、前記孔あき管スパージャの長手方向軸と交差する第2平面内にあり、前記中心列の孔の軸が、前記孔あき管スパージャの長手方向軸と交差する第3平面内にあり、前記第1平面と前記第3平面との間の第1角度が40°から50°の範囲にあり、前記第2平面と前記第3平面との間の第2角度が40°から50°の範囲にあり、そして、前記第1平面と前記第2平面との間の第3角度が80°から100°の範囲にあり、前記第1側列及び前記第2側列が、前記孔あき管スパージャの前記複数の孔の総第2断面積(A XS2 )の70%から90%の範囲で含まれ、そこで、(A XS2 )は、前記噴霧促進媒体の質量流束(MF 2 )が、前記複数の孔の出口で、30 lbm/(ft 2 sec)から50 lbm/(ft 2 sec)の範囲になるような値を有し;MF 2 が、式:
    Figure 0003739318
    ここで、
    2 =lbm/secで表わされる前記噴霧促進媒体の質量流量;そして
    XS2 =ft 2 で表わされる断面積;
    で定義されることを更なる特徴とする、請求項1記載のアトマイザ
  8. 前記噴霧促進媒体がガス速度数(N gv )を有し、前記第1導管を流れる液流が液速度数(N Lv )を有するとき、D 3 は、N Lv の変化に応じて、N gv が10 z
    ここで、
    z=(1.401−2.694N L +0.521(N LV 0.329 );
    gv =V sg (ρ L c /gσ L 1/4
    Lv =V sL (ρ L c /gσ L 1/4
    Figure 0003739318
    xs3 =π(D 3 2 /4 ;
    L =lbm/ftsecで表わされる前記液流の粘度;
    ρ L =lbm/ft 3 で表わされる前記液流の密度;
    ρ v =lbm/ft 3 で表わされる前記噴霧促進媒体の密度;
    c =重力定数;
    g=重力による加速度;
    σ L =lbf/ftで表わされる前記液流の表面張力;
    1 =lbm/secで表わされる前記液流の質量流量;
    2 =lbm/secで表わされる前記噴霧促進媒体の質量流量;そして
    xs3 =ft 2 で表わされる前記第3導管の断面積;
    を上回るような値を有する、請求項1記載のアトマイザ。
  9. 前記噴霧促進媒体が蒸気である、請求項1記載のアトマイザ
  10. 前記アトマイザは、液流を噴霧するためのものであり、かつ前記液流が油流である、請求項1記載のアトマイザ
  11. 請求項1のアトマイザを用意するステップ;
    前記第1導管の前記上流側端末部に液流を導入するステップ;
    前記第2導管を経て、前記孔あき管スパージャを通して噴霧促進媒体を導入するステップ;
    前記液流を、前記孔あき管スパージャの前記複数の孔から下流へ出た前記噴霧促進媒体流と接触させ、それにより、前記液流及び前記噴霧促進媒体の乱流混合体を形成するステップ;
    前記乱流混合体を前記第3導管に送り、それにより、前記乱流混合体を環状ミスト流混合体に転換するステップ;
    前記環状ミスト流混合体をノズルに送るステップ;及び
    前記ノズルから前記環状ミスト流混合体を取り出し、それにより、前記液流を少なくとも部分的に噴霧し、噴霧状の液流を形成するステップ;
    を含む、液流を噴霧させる方法
  12. 前記環状ミスト流混合体が、前記ノズル内において、実質的に円周上で均一である、請求項11記載の方法
  13. 前記孔あき管スパージャの前記外表面及び前記第1導管の前記内面壁が、第1断面積(A XS1 )を規定し、この第1断面積は、前記孔あき管スパージャの周囲の前記液流の質量流束(MF 1 )が、625 lbm/(ft 2 sec)から1050 lbm/(ft 2 sec)の範囲になるような値を有し;MF 1 が、式:
    Figure 0003739318
    ここで、
    1 =lbm/secで表わされる前記液流の質量流量;そして
    XS1 =ft 2 で表わされる断面積;
    で定義される、請求項11記載の方法
  14. 前記孔あき管スパージャの前記複数の孔が、総第2断面積(A XS2 )を有し、この総第2断面積(A XS2 )は、前記噴霧促進媒体の質量流束(MF 2 )が、前記複数の孔の出口で30 lbm/(ft 2 sec)から50 lbm/(ft 2 sec)の範囲になるような値を有し;MF 2 が、式:
    Figure 0003739318
    ここで、
    2 =lbm/secで表わされる前記噴霧促進媒体の質量流量;そして
    XS2 =ft 2 で表わされる断面積;
    で定義される、請求項11記載の方法
  15. (D 1 −D 2 )/2が(D 1 −L 1 )に実質的に等しい、請求項11記載の方法
  16. 前記孔あき管スパージャの前記複数の孔が複数の孔列を含み、その各々が、前記孔あき管スパージャの長手方向軸に一般に平行であり、前記複数の孔列が、 中心列、第1側列及び第2側列を含み、前記第1側列の孔の軸が、前記孔あき管スパージャの長手方向軸と交差する第1平面内にあり、前記第2側列の孔の軸が、前記孔あき管スパージャの長手方向軸と交差する第2平面内にあり、前記中心列の孔の軸が、前記孔あき管スパージャの長手方向軸と交差する第3平面内にあり、前記第1平面と前記第3平面との間の第1角度が40°から50°の範囲にあり、前記第2平面と前記第3平面との間の第2角度が40°から50°の範囲にあり、そして、前記第1平面と前記第2平面との間の第3角度が80°から100°の範囲にあることを更なる特徴とする、請求項11記載の方法
  17. 前記孔あき管スパージャの前記複数の孔が複数の孔列を含み、その各々が、前記孔あき管スパージャの長手方向軸に一般に平行であり、前記複数の孔列が、中心列、第1側列及び第2側列を含み、前記第1側列の孔の軸が、前記孔あき管スパージャの長手方向軸と交差する第1平面内にあり、前記第2側列の孔の軸が、前記孔あき管スパージャの長手方向軸と交差する第2平面内にあり、前記中心列の孔の軸が、前記孔あき管スパージャの長手方向軸と交差する第3平面内にあり、前記第1平面と前記第3平面との間の第1角度が40°から50°の範囲にあり、前記第2平面と前記第3平面との間の第2角度が40°から50°の範囲にあり、そして、前記第1平面と前記第2平面との間の第3角度が80°から100°の範囲にあり、前記第1側列及び前記第2側列が、前記孔あき管スパージャの前記複数の孔のA XS2 の70%から90%の範囲で含まれることを更なる特徴とする、請求項11記載の方法
  18. 前記噴霧促進媒体がガス速度数(N gv )を有し、前記液流が液速度数(N Lv )を有するとき、D 3 は、N Lv の変化に応じて、N gv が10 z
    ここで、
    z=(1.401−2.694N L +0.521(N LV 0.329 );
    gv =V sg (ρ L c /gσ L 1/4
    Lv =V sL (ρ L c /gσ L 1/4
    Figure 0003739318
    xs3 =π(D 3 2 /4 ;
    L =lbm/ftsecで表わされる前記液流の粘度;
    ρ L =lbm/ft 3 で表わされる前記液流の密度;
    ρ v =lbm/ft 3 で表わされる前記噴霧促進媒体の密度;
    c =重力定数;
    g=重力による加速度;
    σ L =lbf/ftで表わされる前記液流の表面張力;
    1 =lbm/secで表わされる前記液流の質量流量;
    2 =lbm/secで表わされる前記噴霧促進媒体の質量流量;そして
    xs3 =ft 2 で表わされる前記第3導管の断面積;
    を上回るような値を有する、請求項11記載の方法
  19. 前記噴霧促進媒体が蒸気である、請求項11記載の方法
  20. 前記液流が油流である、請求項11記載の方法
  21. 前記液流が油流であり、前記ノズルの出口において、前記噴霧された液流が流動触媒の中へ均一に分散され、または前記ノズルの出口及び流動接触分解装置の内部で、前記噴霧された液流が流動触媒の中へ均一に分散され、または前記ノズルの出口及び流動床コーカー装置(fluidized coker unit)の内部で、前記噴霧された液流が流動触媒の中へ均一に分散される、請求項11記載の方法
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