JP3739125B2 - 外壁材の目地構造および外壁材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外壁材の目地構造および外壁材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物等の外面に外壁材を取付けた場合、隣り合う外壁材間に形成される目地部のシール性を確保するために、上記目地部にコーキング材を充填したり、あるいは弾性を有する合成樹脂製のガスケットを嵌挿したりすることが一般に行われている(実開昭58−64713号公報等参照)。
【0003】
特に、上記ガスケットの場合、目地部に嵌挿するだけで容易に取付けることができるため、施工性の向上が図れる。この場合、上記ガスケットは、外壁材の側端面との摩擦によって保持されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記目地構造においては、目地部の隙間のバラツキや目地部の隙間が経年変化等で広がった場合に、外壁材の側端面とガスケットの摩擦力が低下し、ガスケットが脱落するおそれがあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ガスケットの脱落を防止することができる外壁材の目地構造および外壁材の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の外壁材の目地構造は、
第一の外壁材が予め取付けられた建物ユニットを所要の設置間隔を隔てて隣接して設置し、両建物ユニットの外壁材間に位置させて第二の外壁材を取付け、
側端面に凹部を有する前記第二の外壁材の取付けによって側端面に凹部を有さない前記第一の外壁材との間に形成されるガスケット中心に関して左右非対称の縦の目地部に、上記凹部に係止する係止部を有するガスケットを嵌挿してなることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の外壁材の製造方法は、
押出成型によって押出方向に延在する溝状の凹部を請求項1記載の第二の外壁材のガスケット中心に関して左右非対称の縦の目地部を構成する側端面に設けることを特徴とする。
【0008】
【作用】
請求項1記載の外壁材の目地構造によれば、
第一の外壁材が予め取付けられた建物ユニットを所要の設置間隔を隔てて隣接して設置し、両建物ユニットの外壁材間に位置させて第二の外壁材を取付け、
側端面に凹部を有する前記第二の外壁材の取付けによって側端面に凹部を有さない前記第一の外壁材との間に形成されるガスケット中心に関して左右非対称の縦の目地部に、上記凹部に係止する係止部を有するガスケットを嵌挿してなるため、隣接する両建物ユニット間に現地施工で取付けられる前記第二の外壁材と予め取付けられている前記第一の外壁材との間のガスケット中心に関して左右非対称の縦の目地部の隙間のバラツキや目地部の隙間が広がった場合におけるガスケットの脱落を防止することが可能となる。
【0009】
請求項2記載の外壁材の製造方法によれば、
押出成型によって押出方向に延在する溝状の凹部を請求項1記載の第二の外壁材のガスケット中心に関して左右非対称の縦の目地部を構成する側端面に設けるため、側端面に凹部を有する第二の外壁材を簡易に製造できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基いて詳述する。
【0011】
図1ないし図2において、1は建物等の外面に取付けられる外壁材で、押出成型セメント板からなっている。この外壁材1は、図1において紙面と直交する方向へ押出されることによって成型され、その両側端部には、凹部2が設けられている。上記凹部2は、外壁材1の側端部にその長手方向(押出方法)に沿って溝状に形成される。尚、凹部2は、外壁材1の厚み方向に複数(図示例では2列)形成されていることが好ましい。
【0012】
上記外壁材1の正面部には装飾用の凸状部3が形成され、外壁材1の背面部には軽量化等を図るための凹状部4が形成されている。
【0013】
このように構成された外壁材1は、例えば図3に示すように建物の外面に取付けられる。図示例の建物は、予め工場で組立てられた複数個の建物ユニットを建築現場で接合して構築されるユニット建物からなっている。このユニット建物を構成する建物ユニット5は、壁枠組を構成する木桟6a,6bを有しており、最外側の木桟6aとその内側の木桟6bとの間には所定の厚さ(図示例では9mm)の合板7が複数枚(4枚)重ねて介設されている。
【0014】
上記建物ユニット5の外面には、上記内側の木桟6bまでの幅を有する外壁材8が予め取付けられている。この既設の外壁材8は、例えば最大厚さが20mmの硬質木片セメント板からなっている。上記建物ユニット5は、所定の設置間隔Sを隔てて隣接して設置され、その両建物ユニット5の既設の外壁材8間に位置させて上記外壁材1が両建物ユニット5に跨がって現地施工により取付けられる。上記外壁材1は、両建物ユニット5の最外側の木桟6aにビス9で取付けられることが好ましい。
【0015】
そして、隣接する外壁材1,8間の目地部に10は、外壁材1の側端面に設けられた凹部2に係止する羽状の係止部11を有するガスケット12が嵌挿される。このガスケット12は、弾性を有する合成樹脂例えばEPDMの押出成型品からなっている。また、木桟6a,6bの内面には、例えば厚さが12mmの石膏ボードからなる内壁材13が取付けられる。
【0016】
上記外壁材1の目地構造によれば、側端面に凹部2を有する外壁材1の取付けによって形成される目地部10に、上記凹部2に係止する係止部11を有するガスケット12を嵌挿してなるため、目地部10の隙間のバラツキや目地部の隙間が広がった場合におけるガスケットの脱落を防止することができる。
【0017】
また、上記外壁材1の目地構造によれば、外壁材1の側端面の接触面積が凹部2の分だけ小さくなるため、目地部10の隙間が狭い場合でも、ガスケット12の挿入時の抵抗が小さくなり、作業性の向上が図れる。また、上記外壁材1は、押出成型によって製造する際にその側端面に押出方向に延在する溝状の凹部2を設けるため、側端面に凹部2を有する外壁材1を簡易に製造できる。
【0018】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、外壁材1は、既設の外壁材8と同じ硬質木片セメント板やその他の板材によって形成されていてもよい。本発明の外壁材の目地構造および外壁材の製造方法は、ユニット建物だけでなく、通常の建物等にも勿論適用可能である。
【0019】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
(1)請求項1記載の外壁材の目地構造によれば、第一の外壁材が予め取付けられた建物ユニットを所要の設置間隔を隔てて隣接して設置し、両建物ユニットの外壁材間に位置させて第二の外壁材を取付け、側端面に凹部を有する前記第二の外壁材の取付けによって側端面に凹部を有さない前記第一の外壁材との間に形成されるガスケット中心に関して左右非対称の縦の目地部に、上記凹部に係止する係止部を有するガスケットを嵌挿してなるため、隣接する両建物ユニット間に現地施工で取付けられる前記第二の外壁材と予め取付けられている前記第一の外壁材との間のガスケット中心に関して左右非対称の縦の目地部の隙間のバラツキや目地部の隙間が広がった場合におけるガスケットの脱落を防止することが可能となる。
(2)請求項2記載の外壁材の製造方法によれば、押出成型によって押出方向に延在する溝状の凹部を請求項1記載の第二の外壁材のガスケット中心に関して左右非対称の縦の目地部を構成する側端面に設けるため、側端面に凹部を有する第二の外壁材を簡易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のA−A線断面図である。
【図2】本発明の実施の形態である外壁材を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
【図3】図1の外壁材の取付状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 外壁材
2 凹部
10 目地部
11 係止部
12 ガスケット
Claims (2)
- 第一の外壁材が予め取付けられた建物ユニットを所要の設置間隔を隔てて隣接して設置し、両建物ユニットの外壁材間に位置させて第二の外壁材を取付け、
側端面に凹部を有する前記第二の外壁材の取付けによって側端面に凹部を有さない前記第一の外壁材との間に形成されるガスケット中心に関して左右非対称の縦の目地部に、上記凹部に係合する係合片部を有するガスケットを嵌挿してなることを特徴とする外壁材の目地構造。 - 押出成型によって押出方向に延在する溝状の凹部を請求項1記載の第二の外壁材のガスケット中心に関して左右非対称の縦の目地部を構成する側端面に設けることを特徴とする外壁材の製造方法。
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JP9836996A JP3739125B2 (ja) | 1996-04-19 | 1996-04-19 | 外壁材の目地構造および外壁材の製造方法 |
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- 1996-04-19 JP JP9836996A patent/JP3739125B2/ja not_active Expired - Fee Related
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