JP3735282B2 - 車両用制御装置及びオルタネータ装置 - Google Patents

車両用制御装置及びオルタネータ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、オルタネータからの発電機発電率に関する情報を利用して、車両の燃費向上・環境エコロジー向上・運転フィーリング向上を図る車両用制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用の各種制御ユニットが、オルタネータからの発電機発電率に関する情報を利用して、各種制御を行うことは多々ある。
例えば、バッテリーの最適な充電を実施するための発電機運転管理・制御を行う場合、燃費・エコロジーを目的としたアイドリング回転数の良好な低回転化を達成するためのアイドリング制御を行う場合、車両発進・加速性能を向上させるための発電機運転管理・制御を行う場合、エンジン出力を有効に駆動輪に伝達させるための自動変速装置の変速比制御を行う場合、また、発電機サイズ最適化のために不必要な電気負荷の抑制制御を行う場合等、オルタネータからの発電機発電率に関する情報を利用することがある。
【0003】
従来、オルタネータからの「発電機発電率に関する情報」は、「発電機界磁電流デューティー比情報」つまり「発電機界磁コイル導通のオンオフ比情報」であった。
その情報形態として、一般的に電圧のPWM(Pulse Width Modulation)波形を使用して、電圧ローの時に発電機界磁コイルが通電中であり、電圧ハイの時に発電機界磁コイルが遮断中である信号を利用している。
オルタネータから情報入力する、この発電機界磁コイル導通率は、一般的にDF情報(デューティー オブ フィールドコイル)と呼ばれている。
【0004】
例えば、図12の車両用制御装置において、オルタネータ200で検出された界磁コイル導電率は、情報処理部60及びPWM生成部を介してPWM電圧波形となる。情報入力するエンジン制御ユニット100は、その情報処理部2において、上記PWM電圧波形のうち一般的に電圧ローと電圧ハイを各々時間計測し、その時間バランスから「発電機界磁コイル導通率瞬時値」を算出する。そして、「発電機界磁コイル導通率瞬時値」を累積平均した「発電機界磁コイル導通率累積平均値」を「発電機発電率」として解釈する。
【0005】
発電機発電電流・発電機駆動トルク決定部10は、オルタネータ200のPWM電圧波形から得た「発電機発電率」と、エンジン回転数を演算部1で処理した「発電機回転数」に基づき、あらかじめ備えている「DF情報と発電機回転数から得る発電機駆動トルク」と「DF情報と発電機回転数から得る発電機発電電流」の2つの3次元データマトリックスC,Dから、「発電機発電電流」と「発電機駆動トルク」を算出する。
【0006】
発電機発電電流・発電機駆動トルク決定部10により得られた「発電機発電量」又は「発電機駆動トルク」は、例えば、アイドリング制御反映部11に送られて、アイドル時の燃料噴射量の補正制御、アイドル時点火時期の補正制御、アイドル時のスロットル最低開度の調整制御に利用される。また、自動変速装置変速反映部12に送られて、自動変速装置の変速比制御に利用される。
【0007】
一方、エンジン制御ユニット100の目標電圧決定部20は、オルタネータ200の発電電圧を指示することができるようになっている。これは、バッテリーの温度に適した充電電圧をオルタネータ200に発電させ、適切なバッテリー充電を実施するためである。バッテリーの温度は、バッテリー温度推定部21によって推定される。バッテリーの温度に適した充電電圧に関して、バッテリーは温度上昇に伴って受け入れ電圧が低下する特性に従わせることが最適充電であることを意味する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、車両用制御装置の目的は、エンジン制御ユニット100が「発電機発電電流」又は「発電機駆動トルク」を算出することによって、例えばアイドリング回転の安定性を損なわずに低回転数化を達成し、燃費・環境エコロジーを向上させ、自動車としての商品性の向上を達成することにある。
【0009】
しかしながら、エンジン制御ユニット100が「発電機発電量」や「発電機駆動トルク」を得るために利用するオルタネータの「DF情報」は、あくまでその時の「発電機界磁コイル導通率」であり、下記に述べるように「界磁コイル温度」と「発電機発電電圧」によってその意味が大きく変動することにより、上記目的の完全な達成を妨げている。
【0010】
つまり、「DF情報」は界磁コイル導通率であり、導通率が同じでも界磁コイル温度によってその通過電流が変わってくることに問題がある。
【0011】
このように、従来のシステムでは、ごく一部のパラメータでしかない「発電機界磁コイル導通率」と「エンジン回転数」しか利用しておらず、実際の使用上で、「発電機発電電流」と「発電機駆動トルク」に大きな誤差を持っていた。そのため、この情報を利用したい各種の制御ユニットはこの誤差を加味した分、最適さを完全に達成しきれない。
【0012】
例えば、エンジン制御ユニットによるアイドリング制御はこの誤差を加味した分、結局多めの燃料噴射量を設定せざるをえず、本来の目的であるオルタネータの発電率を監視してアイドリング回転数を最適化、つまりできるだけ低回転化を達成しきれないという問題があった。
【0013】
また、従来は「DF情報と発電機回転数から得る発電機駆動トルク」と「DF情報と発電機回転数から得る発電機発電電流」のマトリックスデータが、発電機実使用上平均的な運転状況で測定されたものであった。これもまた、特に冷間時の制御で誤差を大きく導いてしまう要素となっていた。
【0014】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、オルタネータの発電率情報として「最大界磁電流に対する現在界磁電流のレシオ情報」を入力し、その情報から発電機発電率を得ることにより、従来の界磁コイル温度に関する誤差をなくすことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の車両用制御装置の発明は、オルタネータから与えられる発電機発電率として、界磁電流の最大値に対する現在の界磁電流の値の比率である発電機界磁電流レシオの値を取り込み、予め備える発電機界磁電流レシオ、発電機回転数、および発電機駆動トルクの関係を定めた3次元データマトリックス、ならびに発電機界磁電流レシオ、発電機回転数、および発電機発電電流の関係を定めた3次元データマトリックスに基づいて、上記発電機駆動トルクおよび発電機発電電流を得ることにより、所定の車両制御ユニットを制御することを特徴とする。
【0016】
請求項2の車両用制御装置の発明は、請求項1の発明において、所定の車両制御ユニットの制御とは、燃費・エコロジーを目的としたアイドリング回転数の良好な低回転化を達成するためのアイドリング制御であることを特徴とする。
【0017】
請求項3の車両用制御装置の発明は、請求項1の発明において、所定の車両制御ユニットの制御とは、エンジン出力を有効に駆動輪に伝達させるための自動変速装置の変速比制御であることを特徴とする。
【0018】
請求項4の車両用制御装置の発明は、請求項1の発明において、所定の車両制御ユニットの制御とは、車両発進・加速性能を向上させるための発電機運転管理・制御であることを特徴とする。
【0019】
請求項5の車両用制御装置の発明は、請求項1の発明において、所定の車両制御ユニットの制御とは、発電機サイズ最適化のために不必要な電気負荷の抑制制御であることを特徴とする。
【0020】
請求項6の車両用制御装置の発明は、請求項1の発明において、所定の車両制御ユニットの制御とは、バッテリーの最適な充電を満たしながらの発電機出力抑制制御およびバッテリ急速充電制御であることを特徴とする。
【0021】
請求項7の車両用制御装置の発明は、上記3次元データマトリックスのデータは、オルタネータ最大界磁電流で運転した時に得られたデータに基づくものである
【0022】
請求項8の車両用制御装置の発明は、上記発電機界磁電流レシオは、オルタネータと接続された信号線に乗るオルタネータが生成するデジタル信号の複数情報の内から当該発電機界磁電流レシオの値を抽出して得たものである
【0023】
請求項9の車両用制御装置の発明は、上記発電機発電電流び発電機駆動トルクに基づいて、車両電気負荷の投入を臨時的に抑制することを特徴とする。
【0024】
請求項10の車両用制御装置の発明は、電気負荷の投入が臨時的に抑制されるものが、パワーウィンドウの同時開閉であって、1枚毎、2枚毎と適時抑制することを特徴とする。
【0025】
請求項11の車両用制御装置の発明は、電気負荷の投入が臨時的に抑制されるものが、パワーシートの同時調整であって、1席毎、2席毎と適時抑制することを特徴とする。
【0026】
請求項12の車両用制御装置の発明は、上記オルタネータで生成される上記発電機界磁電流レシオの値に基づいて、オルタネータの発電機発電率に関する情報を求め、この情報を所定の車両制御ユニットに送出することを特徴とする
【0027】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による車両用制御装置を示すブロック構成図である。
【0028】
図1の車両用制御装置において、エンジン制御ユニット100は、オルタネータ200とIF端子、VC端子を介して接続される。なお、IF端子は従来のDF端子である。
オルタネータ200は、当該オルタネータの発電機発電率として、界磁電流の最大値に対する現在の界磁電流の値の比率である発電機界磁電流レシオ(以下、場合に応じて単に界磁電流レシオと略称する)を検出する。オルタネータ200で検出された上記界磁電流レシオは、情報処理部60及びPWM生成部を介してPWM電圧波形となり、IF端子から送り出される。
【0029】
次に、オルタネータの発電率情報として、界磁電流レシオを検出する具体的な手段について下記に説明する。
【0030】
図2はオルタネータ200が界磁電流をモニタするための電圧レギュレータユニットを具現化した回路図である。なお、図2においてエンジン制御ユニット100は簡略化した形で表わしている。
【0031】
電圧レギュレータユニット210は、オルタネータの出力端子B、オルタネータの界磁コイル片端端子F、バッテリーBattからスイッチSWを介した電源端子IG、情報出力端子IFを有している。界磁コイル電流の制御は、電流レギュレータユニットの端子B,F,E周りで達成される。
界磁コイルはオルタネータ発電端子を電力源とし、電流方向下位のコイル片端がレギュレータのF端子に入力され、レギュレータはF端子とE端子との間に備えた半導体スイッチT1で界磁コイル電流を制御するように構成されている。この半導体スイッチT1による界磁コイル電流制御によりオルタネータ200の発電電圧を所定値に保つ制御を達成する。また、レギュレータのB端子とF端子の間に備えられたダイオードD1は、半導体スイッチT1による電流遮断時の界磁コイル電流の循環保存のためのフライホイールダイオードである。
【0032】
本実施の形態では、界磁コイル電流検出のために、半導体スイッチT1とレギュレータの端子Eの間に検出抵抗R1を備えた。検出抵抗R1を通過する電流は検出抵抗R1に比例電圧降下を発生し、この電圧降下を検出して界磁コイル電流を電圧として検出する。検出抵抗R1は界磁コイル電力に影響を及ぼさない程度に小さい抵抗値を導入しているので、界磁コイル電力に問題はないが、検出電圧を小さくなるので電圧差動増幅回路により差動増幅する。そして、差動増幅後の電圧はPH回路によりピークホールドする。これは検出抵抗R1の配置位置が界磁コイル電流循環路を含まないためである。PH回路に接続されている抵抗R2は界磁コイル電流遮断時の循環電流減衰をまねるために、ピークホールド電圧値も減衰するようにしている。
【0033】
界磁コイル電流に値した電圧値は、従来使用されてきたDFシグナル形状に準拠するために、比較器CMP2で三角波形電圧と電圧比較する。後述するが三角波形電圧ピーク電圧は、界磁コイル電流が最大の時に検出する比較器(+)入力電圧とちょうど同じにしてある。最大の時にPWM波形のDUTYが100%近くになるようにするためである。
比較器CMP2出力は、電圧に変換された界磁コイル電流レベルを、さらにオンオフのPWM波形に変換する。このようにして、界磁コイル電流レベルはPWM信号のDUTYに変換される。そして、比較器CMP2出力は、IF端子をオンオフする。
一方、エンジン制御ユニット100は従来オルタネータのDF端子のオンオフを監視計測していたのと同様に、IF端子を監視計測することにより誤差のない「界磁電流レシオ情報」を得ることができる。
【0034】
上記で、IF端子というDF端子と全く異なる端子が備えられるようであるが、意味合いの相違だけで、エンジン制御ユニット100から見れば発電機発電率を得るための端子としては同じことで、オルタネータ側の端子構成にも変りがないことが特徴である。
【0035】
また、上述でPWM波形のDUTYが100%近くになるようにすると説明したが、これも特徴である。比較回路CMP2には電圧レベルをPMW変換する際において、最低DUTYと最高DUTYのリミッタ回路が含有されていて、PMW波形が必ず一定周期内でオンとオフのセット構成になるようにしている。つまり、実際のDUTYが100%になろう電圧レベルであっても、例えば95%にとどまるようにし、逆も0%であっても例えば5%にとどまるようにしている。これがなければ、100%や0%DUTY周期の時、エンジン制御ユニット100側にとって隣接周期と周期が見た目に融合する。95%、5%にとどめ隣接周期と融合しないようにすることにより、PWM−DUTY計測上において分母時間(周期)を確定することができ、エンジン制御ユニット100が発電機発電率を得るにあたりオンがオフ時間(分子)のみを計測すればすむ。これによりエンジン制御ユニット100の論理時間計測部の構成を簡単化することができる。
【0036】
また、比較回路CMP2は、その最低と最高のDUTYリミッタ回路を所定の条件下で解除する回路を備えている。所定の条件下とは、界磁コイル通電ラインのどこかで断線が発生したり、トランジスタT1がオープン状態で故障して界磁コイル電流が流れなくなって、発電電圧が目標に達していない状態で最低DUTYを継続した場合である。つまり、オルタネータが発電不良を起こしたときである。DUTYリミッタが解除されたPWM―DUTY信号は隣接周期が融合し、それをエンジン制御ユニット100が検出することによってオルタネータ故障を検出することができる。つまり、界磁コイル電流レシオ信号にオルタネータ故障信号も重畳させることができる。
【0037】
さて、図2の回路図では、上述したように界磁コイルの電流通路下位側に半導体スイッチT1を備える。これは所謂「界磁コイルのローサイドドライブ制御」と呼称されるオルタネータ構成である。この場合、界磁コイル電流検出抵抗R1は、図中配置位置だけでなく点線マルA位置や点線マルB位置であっても良い。図中代表例として配置したR1位置であれば、実は、差動増幅回路に差動回路はなくても良い。しかしマルAやマルB位置の場合には、差動回路が必要になる。また、マルA位置の場合には電流遮断時の循環路内配置となるので、PH回路による電圧減衰回路構成が必要なくなる。
【0038】
図3は「界磁コイルのハイサイドドライブ制御」の場合のオルタネータ構成に適用するレギュレータの場合の具現化回路図であり、図2の回路とは界磁コイル電流の検出位置が相違するのみである。
【0039】
図4は電流検出FETをローサイドドライブで利用した場合のレギュレータの具現化回路図である。
【0040】
図5も電流検出FETを利用した具現化回路図であるが、「ハイサイドドライブ」の点のみ相違する。
【0041】
図6は図2の具現化回路図の情報の信号処理手段の違いを表わす。オンオフ時間で情報を表現する図2の回路図に対して、図6の回路図は0/1を使用したデジタル情報となる。情報入出力のための処理手段(論理レイト2進数化回路、デジタル信号回路)を追加しているだけでそれ以前の構成は同じである。
【0042】
図7は図2のさらなる具現化構成を示す回路図である。なお、図2の回路図の説明で述べたと同様に、電流検出抵抗R1の配置位置及びローサイド・ハイサイドドライブ構成の差異により図3から図6にも適用可能であるが、ここでは図2のさらなる具現化部分を説明する。
トランジスタT2は、界磁コイルドライバT1を、設定した最大電流に基づいて発電電圧制御とは関係なく遮断するものである。界磁コイル電流を従来のDF情報の変わりとして情報表現するには、電流の「レシオ」表現をする必要がある。「レシオ」表現をするためには、限界電流(最大電流)の設定が不可欠である。最大電流が監視されていない下では「レシオ」表現はできない。界磁コイルドライバT1の強制遮断可否は、比較回路CMP3で判断される。比較回路CMP3は、最大電流が流れるときの電圧降下と、実際に通過中の電流が発生している電圧降下とを比較し、後者が前者を上回るとき作動するようにしてあるので、最大電流以上の界磁コイル電流が流れないようになる。最大電流が流れるときの電圧降下は、レジスタR3とR4との分圧比でセッティングされる。そこで、このセッティングを三角波形電圧のピーク電圧セッティング回路に流用することにより、比較回路CMP2からは、最大電流を100%としたPWM−DUTYが出力することになる。さらに、このセッティングは、三角波形の周期設定回路にも流用される。ピーク電圧が変わったときでも周期は変わらない方向でセッティングされる。これは前述のエンジン制御ユニットが認識するときのために分母時間を固定する必要があるからである。
【0043】
電流リミッタ差動電圧セッティングが、レジスタR3とR4との分圧比でセッティングされることは上記で説明したが、図8の具現化回路では、レジスタR4側を多段階にかつ比例的に複数個のレジスタで構成し、電流の検出を段階的かつ比例的なスイッチ回路で得ることができる構成とした。これらの電流量に依存した段階的スイッチのスイッチ状況で従来のDFに相当するPWM−DUTY波形を生成することもできるが、図の場合はスイッチ動作の論理をそのまま「0/1」のデジタルシグナルとして扱い情報出力する構成例である。
【0044】
図9の具現化回路は、検出電圧レベルをA/D変換回路でアナログからデジタルシグナルへ変換する場合の構成例である。A/D変換回路は、電流リミッタ作動電圧の入力で結果が最大(例えば8ビットA/D変換であれば、“11111111b”いわゆる“FFh”)になるように、電流リミッタ作動電圧セッティング回路のセッティング電圧がA/D変換回路電源電圧として流用されている。A/D変換回路構成の差異によっては電源電圧で最大でない場合もあるが、その場合には最大電圧を決める構成回路があるので、そこに流用すれば問題はない。図9の例では、A/D変換結果の信頼性を向上させるために、結果を累積平均化回路で累積平均してある。その後、デジタル情報とし情報出力するための情報処理を施して情報出力する。デジタル通信では、一つの回線に情報を重畳できる。
【0045】
ここで、図1に戻って、エンジン制御ユニット100のPWM計測部及び情報処理部2は、オルタネータ200と接続された信号線に乗るオルタネータ200が生成するPWM波形のDUTYレシオを時間計測することにより、発電機界磁電流レシオの情報を得る。
そして、発電機発電電流・発電機駆動トルク決定部10は、あらかじめ備える発電機界磁電流レシオ、発電機回転数、および発電機駆動トルクの関係を定めた3次元データマトリックスA、ならびに発電機界磁電流レシオ、発電機回転数、および発電機発電電流の関係を定めた3次元データマトリックスBに基づいて、上記発電機駆動トルクおよび発電機発電電流を得る。なお、ここでは、前者の3次元データマトリックスAを「発電機界磁電流レシオと発電機回転数から得る発電機駆動トルク」と、また、後者の3次元データマトリックスBを「発電機界磁電流レシオと発電機回転数から得る発電機発電電流」と称する。
【0046】
図10は「発電機界磁電流レシオと発電機回転数から得る発電機駆動トルク」と「発電機界磁電流レシオと発電機回転数から得る発電機発電電流」の2つの3次元データマトリックスA,Bの例を示すグラフである。
【0047】
上述の「発電機界磁電流レシオと発電機回転数から得る発電機駆動トルク」と「発電機界磁電流レシオと発電機回転数から得る発電機発電電流」は、オルタネータの使用上最大界磁電流で運転した時のデータに基づくものである。オルタネータが最大界磁電流リミッターを備えていればその電流で、備えていなければ使用環境で体験しうる低い温度下で、測定されたものである。
【0048】
以上のように、エンジン制御ユニット100は従来のDF端子と同じ情報取得手段でIF端子から信憑性の高い発電機発電率を得る。発電機発電率情報が単独にて信憑性の高いものとなっているので、従来のように「吸気温」や「水温」といった別の情報で発電機発電率の解釈補正をする必要もなくなる。また、「発電機発電電流マトリックス」と「発電機駆動トルクマトリックス」のデータも従来の平均的条件化での測定データでなく、「界磁電流レシオ最大」で測定されたデータが導入されている。その結果、エンジン制御ユニット100は従来とは比較にならないほど正確な「発電機発電電流」と「発電機駆動トルク」を得ることができる。
【0049】
エンジン制御ユニット100の発電機発電電流・発電機駆動トルク決定部により決定された「発電機駆動トルク」と「発電機発電電流」は、制御のためのパラメータとして、アイドリング制御反映部11、自動変速装置変速比反映部12、車両負荷投入抑制部13、発電機出力一時抑制判定部14、バッテリー急速充電判定部15の各種制御部へ転送される。
【0050】
アイドリング制御反映部11は、上記正確な情報を入力して、燃費・エコロジーを目的としたアイドリング回転数の良好な低回転化を達成するためのアイドリング制御を行う。また、自動変速装置変速比反映部12は、上記正確な情報を入力して、エンジン出力を有効に駆動輪に伝達させるための自動変速装置の変速比制御を行う。このように、正確な情報をアイドリング制御反映部11と自動変速装置変速比反映部12に利用し、それらは従来の誤差加味分の余裕制御でなく、目的を最高に達成している最適制御を可能にする。
【0051】
更に、正確な「発電機発電電流」と「発電機駆動トルク」を、車両負荷投入抑制部13に送出し、車両負荷投入抑制部13の車両負荷の投入可否の判定に利用することにより、アイドリング制御に悪影響な電気負荷投入を抑制したり、不要な電気負荷同時投入を抑制したりする。例えば、パワーウィンドウの同時開閉制御において、1枚だけ、2枚だけ、3枚だけ、と適時抑制したり、パワーシートの同時調整制御において、1席だけ、2席だけ、3席だけ、と適時抑制したりする。さらに、良好なエンジン制御を達成するだけでなく、不要な電気負荷同時投入を管理することによって、オルタネータ容量を1ランク下げることを達成する。
【0052】
更にまた、正確な「発電機発電電流」を利用して、バッテリーの充放電バランスを「充放カウンタ」により監視することを可能とし、「エンジン回転数」と「車速」及び「アクセル開度」と併せて、必要時に発電機出力一時抑制判定部14により発電機出力を一時的に抑制するか判定し、バッテリ急速充電判定部15でバッテリを急速充電するか判定することに利用している。発電機出力の一時的抑制と、バッテリ急速充電は、目標発電電圧決定部20において、オルタネータに対する発電電圧の指示値変更で行い、しかも発電機駆動トルクが上昇する方向への電圧変更時には、指示値が時間漸増するようにしている。
【0053】
実施の形態2.
図11はこの発明の実施の形態2による車両用制御装置を示すブロック構成図である。
【0054】
図11において、オルタネータ200で検出される「界磁電流レシオ」、「オルタネータサイズ情報」、「最大界磁電流情報」は、情報処理部60を介してデジタル情報送受信部210に送られる。デジタル情報送受信部210では、「界磁電流レシオ」、「オルタネータサイズ情報」、「最大界磁電流情報」をデジタル情報として、COM端子を経由してエンジン制御ユニット100のデジタル情報送受信部110に送られる。
界磁コイル電流レシオ情報抽出部は、デジタル情報送受信部110に入力された情報から「発電機界磁電流レシオ」を得る。
そして、発電機発電電流・発電機駆動トルク検索決定部10は、あらかじめ備える「発電機界磁電流レシオと発電機回転数から得る発電機駆動トルク」と「発電機界磁電流レシオと発電機回転数から得る発電機発電電流」の2つの3次元データマトリックスA,Bに基づいて、「発電機駆動トルク」と「発電機発電電流」を得る。
【0055】
実施の形態2の情報伝達手段は、一つの回線に複数の情報を重畳できるので、オルタネータ200から「界磁電流レシオ」だけでなく「オルタネータサイズ情報」や「最大界磁電流情報」の情報も入力できる効果がある。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、オルタネータの発電率情報として界磁電流に基づく情報を情報入力し、その情報から発電機発電率を得ることにより、従来の界磁コイル温度に関する誤差をなくすことができる。
【0057】
その結果、エンジン制御ユニットによる発電機駆動トルク及び発電機発電量の推定の精度向上が図れ、それが導くさらなるアイドリング回転数低回転化による燃費・環境エコロジーの向上が図れる。さらに冷間時アイドル回転数UP時間の適正化による燃費向上・環境エコロジーの向上が図れ、さらなるアイドリング安定性の向上が図れる。
【0058】
また、正確な発電機駆動トルクと発電機発電量を得られることは、つまり自動変速機インプット側トルクの演算が正確になり(エンジントルク、マイナス、発電機トルク、イーコール、自動変速機インプット)自動変速機の変速比を適切に決定できる。従来は例えば、発電機トルクが推定より実際の方が大きい場合が特に冷間時にそうなる兆候があって、発電機トルクが推定より大きいということは、自動変速機インプットの演算で大きめのインプットがあるようなことに勘違いしてしまい、大きめの勘違いインプットが導く変速比は本来の適切に対して小さめの変速比となる。本来の適切値に対して小さめの変速比となると、車両発進時や加速時に、駆動輪でのトルク不足、場合によってはエンジンストールを招く。これを回避するための努力として発電機トルク推定における補正手段などを実施することが考えられるが、結局推定に推定を重ねた信憑性の低い発電機トルク推定になる。例えば無段階変速CVTでは、まさに適切な変速比が選べる能力があり、本発明の手段を適用することによりその能力を発揮することができる。
【0059】
また、正確な発電機駆動トルクと発電機発電量を得られることは、通常の(低回転化なくとも)アイドリングの安定制御にも貢献する。エンジン制御ユニットは、発電機トルク(電気負荷量)のモニタをしてアイドリング回転数を保持するに見合ったエンジン出力を発揮するように制御する。それは例えば、燃料噴射装置の燃料噴射量反映であったり、点火装置の点火タイミング反映であったり、ISCV(アイドルスピードコントロールバルブ)開度反映であったりする。とくに同時に近年の低燃費化ニーズや環境エコロジーニーズを実現するに重要な要素となる、アイドリング回転数の低回転化は、発電機トルクをパラメータとしたより高度なアイドリング制御が要求されるので、効果的である。
【0060】
更に、正確な発電機駆動トルクと発電機発電量を得られることは、新しい制御を導く。例えば、車両発進・加速時に発電機の一時的発電抑制をする時間と具合(具合は発電電圧の指示)を、現在使用中の電気負荷量に基づいてバッテリーが放電しすぎないように決定し、その時間の間発電機トルクを一時的に抑制し、エンジントルクを車両発進・加速性能に重点することができる。性能の向上にもできるが、性能を一定にしつつ車両発進・加速時の燃料噴射量を低減できる。また、正確な発電機発電量を得ていれば、前述一時抑制と、車両減速時のバッテリー急速充電との充放電バランスも正確に演算できるので両者の組み合わせで適切なバッテリー電力保存を満たしながらの性能向上が可能である。
【0061】
また、正確な発電機駆動トルクと発電機発電量を得られることは、新しい制御を導く。例えば、近年車両の居住性向上のための電気負荷(コンフォータブル電気負荷)が増加し、発電機出力・サイズも大きいものが必要となっているが、実はこれらの「人命・車両故障」に関係のない電気負荷投入を適切に監視・制御し、投入抑制すれば、発電機出力・サイズのUPも最低限に抑えることができ、コスト、重量、サイズを最低限に抑えることができる。正確な発電機駆動トルクと発電機発電量を得てこそ初めてそれらが達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による車両用制御装置を示すブロック構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態によるオルタネータの界磁電流をモニタするための具現化回路図である。
【図3】 この発明の実施の形態によるオルタネータの界磁電流をモニタするための具現化回路図である。
【図4】 この発明の実施の形態によるオルタネータの界磁電流をモニタするための具現化回路図である。
【図5】 この発明の実施の形態によるオルタネータの界磁電流をモニタするための具現化回路図である。
【図6】 この発明の実施の形態によるオルタネータの界磁電流をモニタするための具現化回路図である。
【図7】 この発明の実施の形態によるオルタネータの界磁電流をモニタするための具現化回路図である。
【図8】 この発明の実施の形態によるオルタネータの界磁電流をモニタするための具現化回路図である。
【図9】 この発明の実施の形態によるオルタネータの界磁電流をモニタするための具現化回路図である。
【図10】 「発電機界磁電流レシオと発電機回転数から得る発電機駆動トルク」と「発電機界磁電流レシオと発電機回転数から得る発電機発電電流」の3次元データマトリックスの例を示すグラフである。
【図11】 この発明の実施の形態2による車両用制御装置を示すブロック構成図である。
【図12】 従来の車両用制御装置を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
10 発電機発電電流・発電機駆動トルク検索決定部、11 アイドリング制御反映部、12 自動変速装置変速比反映部、13 車両負荷投入抑制部、14発電機出力一時抑制判定部、15 バッテリー急速充電判定部、20 目標発電電圧決定部、100 エンジン制御ユニット、110 デジタル情報送受信部、200 オルタネータ、210 デジタル情報送受信部。

Claims (12)

  1. オルタネータから与えられる発電機発電率として、界磁電流の最大値に対する現在の界磁電流の値の比率である発電機界磁電流レシオの値を取り込み、予め備える発電機界磁電流レシオ、発電機回転数、および発電機駆動トルクの関係を定めた3次元データマトリックス、ならびに発電機界磁電流レシオ、発電機回転数、および発電機発電電流の関係を定めた3次元データマトリックスに基づいて、上記発電機駆動トルクおよび発電機発電電流を得ることにより、所定の車両制御ユニットを制御することを特徴とする車両用制御装置。
  2. 上記所定の車両制御ユニットの制御とは、燃費・エコロジーを目的としたアイドリング回転数の良好な低回転化を達成するためのアイドリング制御であることを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
  3. 上記所定の車両制御ユニットの制御とは、エンジン出力を有効に駆動輪に伝達させるための自動変速装置の変速比制御であることを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
  4. 上記所定の車両制御ユニットの制御とは、車両発進・加速性能を向上させるための発電機運転管理・制御であることを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
  5. 上記所定の車両制御ユニットの制御とは、発電機サイズ最適化のために不必要な電気負荷の抑制制御であることを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
  6. 上記所定の車両制御ユニットの制御とは、バッテリの最適な充電を満たしながらの発電機出力抑制制御およびバッテリ急速充電制御であることを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
  7. 上記3次元データマトリックスのデータは、オルタネータを最大界磁電流で運転した時に得られたデータに基づくものである請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
  8. 記発電機界磁電流レシオは、オルタネータと接続された信号線に乗るオルタネータが生成するデジタル信号の複数情報の内から当該発電機界磁電流レシオの値を抽出して得たものである請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
  9. 記発電機発電電流、及び発電機駆動トルクに基づいて、車両電気負荷の投入を臨時的に抑制することを特徴とする請求項5に記載の車両用制御装置。
  10. 電気負荷の投入が臨時的に抑制されるものが、パワーウィンドウの同時開閉であって、1枚毎、2枚毎と適時抑制する請求項9に記載の車両用制御装置。
  11. 電気負荷の投入が臨時的に抑制されるものが、パワーシートの同時調整であって、1席毎、2席毎と適時抑制する請求項9に記載の車両用制御装置。
  12. 上記オルタネータで生成される上記発電機界磁電流レシオの値に基づいて、オルタネータの発電機発電率に関する情報を求め、この情報を所定の車両制御ユニットに送出することを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
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