JP3735128B2 - シミュレーション装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は不規則外乱を受ける系の数値シミュレーションを行うシミュレーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自然科学の分野において、一般に物理系を記述する数学モデルの解を解析的に求めるのは難しく、その数学モデルの初期値問題は数値処理により、近似的に解かれる場合が多い。近年の情報処理装置の発達を背景にして、こうした数値処理を行う種々のシミュレーション装置が考案されているが、シミュレーション精度を上げるためには膨大な計算量が必要となり、汎用性が損なわれることがある。そこでシミュレーションの信頼性と汎用性を考慮しつつ、いかにシミュレーション装置を構築するかが重要な問題である。
【0003】
物理系として、工業プラントやロボットなどの挙動を扱う工学の分野においては、センサからの観測データをもとに物理系の挙動を推定し、この物理系を制御することが重要な課題である。この推定処理は一般にシミュレーション装置を用いた数値シミュレーションにより行われる。
【0004】
シミュレーション装置の性能は数値シミュレーションの結果の信頼性を左右し、この結果を用いて物理系を制御する制御装置の性能を決定付けることになる。このため、数値シミュレーションの処理対象である物理系や、制御装置に要求される信頼性に応じて、多種多様なシミュレーション装置が開発されている。
【0005】
処理対象となる物理系のモデルは自然法則に基づいて導出されるが、その際に、現実の多くの物理系に混在している雑音などの不規則外乱の影響が無視され、理想化あるいは単純化が施されている場合が多い。しかし対象とする物理系によっては、不規則外乱の影響が無視できないものもある。
【0006】
例えば人工衛星の制御装置を設計する際には、太陽の放射圧、重力、宇宙空間に浮遊する他の衛星の残骸との衝突などの不規則外乱を無視することができない。また工業プラントやロボットなどの制御装置においては、制御対象を観測するセンサからの信号に混入する雑音などの不規則外乱が無視できないことがある。
【0007】
このように、不規則外乱の影響を受ける物理系の解析や制御を目的とするシミュレーションにおいては、不規則外乱を反映した物理モデルを与え、これを数値処理する必要がある。
【0008】
一般に任意の物理系のモデルは次のような常微分方程式により表現できる。
【0009】
【数1】
Figure 0003735128
【0010】
ここで、x=x(t)は物理系における変位や温度等の、シミュレーションが対象とする物理量であり、時刻tに依存して変動する。 外1 はxのtに関する
【0011】
【外1】
Figure 0003735128
【0012】
微分を表す。f(x,t)はxとtの関数であり、x0 は時刻t0 において与えられるxの初期値である。
(1)式の物理モデルに対する数値シミュレーションにおいては、時刻tn =t0 +nhにおける物理量x(tn )の近似値をxn とし、次式により次の時刻tn+1 における物理量x(tn+1 )の近似値xn+1 を計算する。
【0013】
【数2】
Figure 0003735128
【0014】
ただし、x0 は近似値ではなく、時刻t0 におけるxの初期値である。ここでhはシミュレーションの時間ステップの刻み幅であり、Ψ(xn ,tn ,h)は時刻tn における近似値xn の時間増分を与えている。このΨ(xn ,tn ,h)をxn 、tn 、hを用いてどのように構築するかが重要であり、数値シミュレーションの結果の信頼性を左右することになる。
【0015】
(2)式のΨ(xn ,tn ,h)の構築方法はテーラ級数項の方法とルンゲ−クッタ法の2種類に大別される。このうちテーラ級数項の方法は原理的には単純で、Ψ(xn ,tn ,h)をシミュレーションに必要な次数までのテーラ級数項により与える方法である。しかしこの方法では一般に、p次の項の係数に関数f(x,t)のp次の導関数∂p f(x,t)/∂xp が含まれる。関数f(x,t)がxの線型関数等の簡単な関数形で与えられる場合は、導関数は簡単に求められるが、f(x,t)が複雑な非線型関数の場合、その高階の導関数をx、tの関数として与えることは困難である。
【0016】
またこのテーラ級数項の方法ではオペレータがf(x,t)の導関数を求めて、シミュレーション装置に入力しなければならず、さらに導関数の値の計算はシミュレーション装置にとって多大な負担となるので汎用性に乏しい。
【0017】
そこで数値シミュレーションでは、もう一つの方法として、次式によりΨ(xn ,tn ,h)を構築するルンゲ−クッタ法が多く用いられている。
【0018】
【数3】
Figure 0003735128
【0019】
ここでsは自然数であり、kパラメータki は適切に選ばれたx、tに対応する関数f(x,t)の値で、次式のような計算処理により生成される。
【0020】
【数4】
Figure 0003735128
【0021】
(3)、(4)式でbパラメータbi やaパラメータaijはkパラメータに対する重みを表すパラメータであり、シミュレーション装置内のメモリに予め格納されている。bパラメータとaパラメータの選び方によって近似値xn に対する増分Ψ(xn ,tn ,h)の値が異なり、近似値xn+1 の精度が左右されるため、結果としてシミュレーション装置の性能が決められる。
【0022】
このkパラメータを用いた方法は、(2)式の数値処理にあたって係数関数f(x,t)の微分形を与える必要がないため、テーラ級数の方法よりも遙かに汎用的である。
【0023】
時刻tn における(1)式の解をx(tn )とすると、数値シミュレーションによる近似値xn のx(tn )に対する誤差はx(tn )−xn で与えられる。シミュレーション結果の信頼性は誤差x(tn )−xn が小さいほど高くなる。この誤差の大きさを評価する尺度として、刻み幅hが用いられる。誤差がhr+1 程度であることが保証されるとき、そのシミュレーション装置あるいはシミュレーションの結果はr次の近似精度を持つといわれ、rの値が大きいほど、信頼性の高いシミュレーション結果が得られる。
【0024】
対象とする物理系が雑音等の不規則外乱の影響を受けている場合は、この系の物理モデルは、(1)式の代わりに次のような伊藤型確率微分方程式を用いて記述される。
【0025】
【数5】
Figure 0003735128
【0026】
ここで、x=x(t)は対象とする物理系における状態量であり、f(x)、g(x)はxの関数である。またw(t)は雑音モデルを表し、その値はブラウン運動モデルの確率過程に依存する。このモデルは(1)式の右辺に、不規則外乱による第2項を付加した形になっている。x0 は時刻t0 において与えられるxの初期値である。
【0027】
不規則外乱を受ける物理モデルを表す(5)式は、(1)式と異なって不規則外乱による付加項があるため、その数値シミュレーションを行うためには、(3)、(4)式のΨ(xn ,tn ,h)をそのまま用いることはできない。この場合には、確率過程に依存する不規則外乱の項を扱うために、(3)、(4)式のΨ(xn ,tn ,h)を確率微分方程式の場合に拡張する必要がある。
【0028】
この拡張された時間増分Ψ(xn ,tn ,h)をkパラメータを用いて構築する従来の方法として、確率的Heun法、1.5次精度を保証する3段陽的解法、漸近的に有効な解法がある。
【0029】
確率的Heun法(RUMELIN, SIAM J. Vol.19, No.3, June 1982)は(5)式の物理モデルに対するΨ(xn ,tn ,h)として、(3)式の右辺に確率過程に依存する項を付加したものを用いている。この方法は確率過程を扱う不規則外乱を受ける物理モデルに対する(3)式の素直な拡張であり、1次の近似精度を保証している。また(3)式と異なってkパラメータが関数g(x)とg(x)の1階の導関数の値を含むことを特徴とする。
【0030】
1.5次精度を保証する3段陽的解法(斉藤、三井 日本応用数理学会論文誌 Vol.2, No.1, 1992)は2種類の確率過程を用いて、確率的Heun法のΨ(xn ,tn ,h)をさらに拡張している。この方法は一般に1.5次の高い近似精度を保証しており、kパラメータは関数f(x)とg(x)のそれぞれの1階の導関数ならびに、g(x)の2階の導関数の値を含んでいる。
【0031】
漸近的に有効な解法(NEWTON, SIAM J. Vol.51, No.2, April 1991)は確率的Heun法のΨ(xn ,tn ,h)にさらに(h)1/2 に関する項を付加して、kパラメータの計算処理を簡単化している。この方法では、kパラメータが関数g(x)の1階の導関数の値を含まず、関数f(x)とg(x)の値を用いて計算できるので、汎用性に優れたシミュレーション方法を与えている。この方法により保証される近似精度は確率的Heun法と同様に1次である。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述のような従来の時間増分の構築方法による数値シミュレーションには以下のような問題がある。
【0033】
確率的Heun法では、近似値xn に対する時間増分Ψ(xn ,tn ,h)を計算する時、既に計算されているxn の値とtn 、hを用いて2組のkパラメータを計算し、kパラメータに適当な重みを付けて加算する。このとき一方の組のkパラメータの計算式が、不規則外乱を記述している関数g(x)の1階の導関数を含むため、数値シミュレーションを行う際に、関数g(x)の1階の導関数の値を計算しなければならない。このためテーラ級数項の方法と同様に計算量が増大して、シミュレーション装置の負荷が大きくなるという欠点をもち、汎用的でない。また保証されるシミュレーションの近似精度は1次に留まっており、必ずしもその信頼性は高くない。
【0034】
1.5次精度を保証する3段陽的解法は、確率的Heun法よりもシミュレーション結果の信頼性は高いが、kパラメータの計算式が関数f(x)とg(x)の1階の導関数ならびに、g(x)の2階の導関数を含むため、これらの導関数の関数形を与える必要がある。関数g(x)だけでなく、関数f(x)の導関数の値が必要な上、さらに関数g(x)の2階の導関数の値も必要とするため、確率的Heun法よりも著しく計算量が増大し、実際にはシミュレーション装置として実用化するのは困難である。
【0035】
漸近的に有効な解法は、確率的Heun法と1.5次精度を保証する3段陽的解法と比べて、数値シミュレーションを行う際に、関数g(x)等の導関数を与える必要がないという利点を有する。この方法の場合、kパラメータの計算式は関数f(x)とg(x)により記述されており、数値処理が容易で、汎用性に優れている。しかし保証されるシミュレーションの近似精度は1次に留まっており、その信頼性は低いという問題がある。
【0036】
不規則外乱の影響を受ける系のシミュレーションを行うには、(5)式に示される確率微分方程式の解を数値的に求めるシミュレーション装置の開発が不可欠である。それにも係わらず、従来のシミュレーション方法が信頼性と汎用性の面で上述のような問題を抱えているため、実用的なシミュレーション装置はほとんど開発されていない。
【0037】
本発明は、不規則外乱を受ける系の数値シミュレーションにおいて、計算量が少なくて汎用性に優れ、かつ、高い近似精度を持つシミュレーション結果が得られるシミュレーション装置を提供することを目的とする。
【0038】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理図である。
本発明は、不規則外乱を受ける物理系を、状態量の時間変化を表す関数と乱数によって記述し、時間刻み毎に、状態量の初期値から、状態量の近似値を陽的に求め、シミュレーション結果を出力する情報処理装置におけるシミュレーション装置10である。
【0039】
本シミュレーション装置10は、初期設定入力手段11と、増分生成手段12、近似値更新手段13、出力手段14を有する。
初期設定入力手段11は、初期データである上記関数と初期値を増分生成手段12に入力する。
【0040】
増分生成手段12は、上記乱数に対応する第1の乱数と第2の乱数を発生し、これらの乱数と時間刻みを用いて、初期設定入力手段11より与えられる関数の関数値として、3種類以上の異なるkパラメータを状態量の初期値から生成する。そして、時間刻みの平方根に比例し、かつ、第1の乱数と第2の乱数に依存しない項を用いて、生成したkパラメータからルンゲ−クッタ型の状態量の時間増分を生成する。
【0041】
近似値更新手段13は、増分生成手段12が生成した時間増分を用いて状態量の近似値を更新し、更新した近似値を出力手段14と増分生成手段12に与える。
【0042】
増分生成手段12は、上記の処理に従い、さらに近似値更新手段13から与えられる更新された近似値に対する時間増分を生成し、近似値更新手段13に与える。
【0043】
出力手段14は、近似値更新手段13から与えられる時間刻み毎の状態量の各近似値を、シミュレーション結果として外部に出力する。
上記増分生成手段12は、さらに数値処理を簡単化するために、不図示のパラメータ生成手段と時間増分生成手段、第1のパラメータ格納手段、第2のパラメータ格納手段を備えるものとする。
【0044】
第1のパラメータ格納手段は、パラメータ生成手段が用いる第1のパラメータを格納し、第2のパラメータ格納手段は、時間増分生成手段が用いる第2のパラメータを格納する。
【0045】
パラメータ生成手段は、時間刻み、第1の乱数、第2の乱数のうちの一つと、第1のパラメータおよび状態量の近似値とを用いて、状態量に対応する標本状態量を生成し、与えられた関数を用いて、生成した標本状態量から上記kパラメータを生成し、時間増分生成手段に与える。
【0046】
時間増分生成手段は、パラメータ生成手段から与えられるkパラメータと、第1の乱数、第2の乱数、時間刻みおよび第2のパラメータとを用いて、状態量の時間増分を生成する。
【0047】
【作用】
増分生成手段12が、2種類の乱数を用いて時間増分を生成するので、時間増分を時間刻みの巾について展開した時に、1種類の乱数のみを用いて時間増分を生成するシミュレーション装置よりも、高い次数の項を含むことが可能になる。
【0048】
また時間増分が、時間刻みの平方根に比例し、かつ、上記2種類の乱数の値に依存しない項を含むため、(5)式における関数f(x)やg(x)の導関数の値を計算する必要がなくなり、このような項を用いないシミュレーション装置よりも数値処理が容易になる。
【0049】
また状態量の近似値から標本状態量を生成し、生成した標本状態量からkパラメータを生成するパラメータ生成手段と、kパラメータから時間増分を生成する時間増分生成手段を備えることにより、数値処理を段階的に行うことができる。
【0050】
【実施例】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例を説明する。
本実施例においては、不規則外乱の影響を受ける系として、(5)式の形で記述される物理モデルのシミュレーションを行う場合を考える。ここで状態量x(t)は一般にd次元の状態量であり、(5)式はd次元の確率微分方程式を記述する数学モデルに対応する。
【0051】
本実施例のシミュレーション装置では、時刻tn =t0 +nhにおける状態量x(t)の近似値 外2 (以後xn のバーと記す。)と、時刻tn+1 =t0
【0052】
【外2】
Figure 0003735128
【0053】
(n+1)hにおける状態量x(t)の近似値 外3 (以後xn+1 のバーと記
【0054】
【外3】
Figure 0003735128
【0055】
す。)の関係を次式により記述する。
【0056】
【数6】
Figure 0003735128
【0057】
Ψ(xn のバー,tn ,h)は時刻tn における状態量x(t)の近似値xn のバーに対する時間増分を表している。近似値xn のバー、xn+1 のバー、時間増分Ψ(xn のバー,tn ,h)もまたd次元の値を持つ。
【0058】
図2は本実施例のシミュレーション装置の構成図である。図2において初期設定入力部21は図1の初期設定入力手段11に相当し、外部から与えられる初期データである(5)式における関数f(x)とg(x)の具体的な関数形と、時刻t0 における状態量xの初期値x0 =x(t0 )とを初期設定としてkパラメータ生成装置22に入力する。
【0059】
kパラメータ生成装置22、時間増分生成装置24、メモリ23─1〜23─4、メモリ25─1〜25─4は、それぞれパラメータ生成手段、時間増分生成手段、第1のパラメータ格納手段、第2のパラメータ格納手段に相当する。そして、これらは乱数発生装置26─1、26─2と共に、図1の増分生成手段12を形成している。
【0060】
乱数発生装置26─1、26─2はそれぞれ、第1の乱数、第2の乱数を発生する。
kパラメータ生成装置22と時間増分生成装置24は、初期設定入力手段11または近似値更新装置27からの入力に基づいて、時刻tn における状態量x(t)の近似値xn のバーに対する時間増分Ψ(xn のバー,tn ,h)を生成し、近似値更新装置27に入力する。
【0061】
近似値更新装置27は図1の近似値更新手段13に相当し、時間増分生成装置24から入力される時間増分Ψ(xn のバー,tn ,h)を近似値xn のバーに加算してこれをxn+1 のバーとし、kパラメータ生成装置22と出力部28に与える。
【0062】
出力部28は図1の出力手段14に相当し、近似値更新装置27から逐次与えられる状態量の近似値をまとめてシミュレーション結果とし、外部に出力する。図2のシミュレーション装置では、(5)式の右辺第2項の不規則外乱を記述する項g(x)w(t)を数値処理して、近似値xn のバーに反映させるため、4種類のkパラメータを導入し、時間増分Ψ(xn のバー,tn ,h)を次式に基づいて生成する。
【0063】
【数7】
Figure 0003735128
【0064】
(7)式の右辺第1項は常微分方程式に関するルンゲ−クッタ法の場合に類似した項であり、第3、第4項は(5)式の解を1.5次以上の近似精度で求めるために必要な項である。ここでパラメータΔWn+1 、 外4 (以後ΔWn+1
【0065】
【外4】
Figure 0003735128
【0066】
波と記す。)はそれぞれ、時刻tn における平均0、分散1の正規乱数のサンプルξn+1 、 外5 (以後ξn+1 の波と記す。)を用いてΔWn+1 =ξn+1 (h
【0067】
【外5】
Figure 0003735128
【0068】
1/2 、ΔWn+1 の波=ξn+1 の波(h)1/2 のように与えられる。サンプルξn+1 、ξn+1 の波は、それぞれ第1の乱数、第2の乱数に相当し、近似値xn のバーを更新する度に、乱数発生装置26─1、26─2より独立に生成される。
【0069】
(7)式の右辺第4項は、サンプルξn+1 、ξn+1 の波の値に依存せず、(h)1/2 に比例する。第3、第4項があるために、関数fやgの導関数の値を用いなくても、高い近似精度を実現できる。従ってこれらの項は、数値処理を容易にし、シミュレーション装置の汎用性を高めるために必要である。ここでνは適切な正の実数である。
【0070】
(7)式においてbパラメータbi 、 外6 (以後bi のバーと記す。)、
【0071】
【外6】
Figure 0003735128
【0072】
外7 (以後bi の波と記す。)、 外8 (以後bi の山と記す。)、(i
【0073】
【外7】
Figure 0003735128
【0074】
【外8】
Figure 0003735128
【0075】
=1,・・・,s)はそれぞれ、時間増分を生成する際のkパラメータki 、 外9 (以後ki のバーと記す。)、 外10 (以後ki の波と記す。)、
【0076】
【外9】
Figure 0003735128
【0077】
【外10】
Figure 0003735128
【0078】
外11 (以後ki の山と記す。)、(i=1,・・・,s)に対する重み付け
【0079】
【外11】
Figure 0003735128
【0080】
のパラメータで、予めメモリ25─1、25─2、25─3、25─4、に格納されている。これらのbパラメータは第2のパラメータに相当する。
kパラメータki (i=1,・・・,s)は近似値xn のバーに対して、(8)式により与えられる関数f(x)の値で、kパラメータki のバー、ki の波、ki の山(i=1,・・・,s)はそれぞれ、(9)、(10)、(11)式により与えられる関数g(x)の値である。これらの4種類のkパラメータはkパラメータ生成装置22により生成される。
【0081】
(8)、(9)、(10)、(11)式におけるaパラメータaij、 外12
【0082】
【外12】
Figure 0003735128
【0083】
(以後aijのバーと記す。)、 外13 (以後aijの波と記す。)、 外1
【0084】
【外13】
Figure 0003735128
【0085】
4 (以後aijの山と記す。)、(i=1,・・・,s)はそれぞれ、kパラメ
【0086】
【外14】
Figure 0003735128
【0087】
ータを生成する際のkパラメータki 、ki のバー、ki の波、ki の山(i=1,・・・,s)に対する重み付けのパラメータで、予めメモリ23─1、23─2、23─3、23─4、に格納されている。これらのaパラメータは第1のパラメータに相当する。
【0088】
次にこれらのaパラメータとbパラメータの決定方法について説明する。
一般にルンゲ−クッタ法による微分方程式の近似解xn のバーに対して、r次の近似精度を保証するためには、時刻tn+1 における解x(tn+1 )を、時刻tn における解x(tn )のまわりでhに関してテーラ展開し、hのr次の次数の項までが一致するように時間増分Ψ(xn のバー,tn ,h)を決める必要がある。
【0089】
本シミュレーション装置においては、(5)式の近似解xn のバーに対して、1.5次の近似精度を保証するために、hに関して1.5次の項までのテーラ展開を用いることにする。時刻tn+1 における(5)式の解x(tn+1 )のx(tn )のまわりでのテーラ展開は、次式で記述されることが知られている(Ito, Applied Math. and Optimization, Vol.1, 1975)。
【0090】
【数8】
Figure 0003735128
【0091】
(12)式におけるFとGはd次元の微分作用素で、次式により定義される。
【0092】
【数9】
Figure 0003735128
【0093】
また(12)式のΔWn+1 、ΔWn+1 の波はそれぞれ独立なブラウン運動モデルの増分を表し、(7)式のΔWn+1 、ΔWn+1 の波と同様に正規乱数のサンプルξn+1 、ξn+1 の波を用いてΔWn+1 =ξn+1 (h)1/2 、ΔWn+1 の波=ξn+1 の波(h)1/2 のように定められる。O(h2 )はhに関して2次以上の次数の項を表す。
【0094】
ここで時刻tn+1 における近似値xn+1 のバーを与える(6)式の右辺を、近似値xn のバーのまわりでhに関してテーラ展開し、hに関して1.5次の項までの各項の係数を(12)の各項の係数と比較すれば、aパラメータとbパラメータに対する拘束条件を得ることができる。このとき、(7)式右辺の第3、第4項があるために、関数f、gの導関数を用いることなく、(12)式右辺のO(h2 )以外の項を得ることができる。こうして求められた拘束条件を次に示す。
【0095】
【数10】
Figure 0003735128
【0096】
【数11】
Figure 0003735128
【0097】
ただし、ci 、 外15 (以後ci のバーと記す。)、 外16 (以後ci
【0098】
【外15】
Figure 0003735128
【0099】
【外16】
Figure 0003735128
【0100】
の波と記す。)、 外17 (以後ci の山と記す。)は各aパラメータを用い
【0101】
【外17】
Figure 0003735128
【0102】
て次式により定義する。
【0103】
【数12】
Figure 0003735128
【0104】
aパラメータとbパラメータに対する拘束条件が(14.1)〜(14.22)式の22個であることを考慮して、s=4と選べば、シミュレーションに必要なaパラメータとbパラメータの総数は40個になる。ここで、簡単のためbi =bi のバー 、aij=aijのバー、ci =ci の波、b3 の波=b3 の山、b4 の波=b4 の山と置くと、パラメータの総数は25個になる。またこのとき、(14.1)、(14.4)の2式が同値となり、(14.2)、(14.9)、(14.10)、(14.11)の4式が同値となり、(14.19)、(14.21)の2式が同値となる。この結果22個の拘束条件は17個に縮退する。従ってaパラメータとbパラメータを決定するにあたっては、8個のパラメータを自由パラメータとして選び、さらにνの値を適当に与える必要がある。
【0105】
一例としてa31の波=a41の波=a42の波=0、a32=1/4、a43の山=1/6、c2 =1/2、c4 =1、c4 の山=0、ν=3と選び、これらを17個の拘束条件を表す代数方程式に代入して、他の独立パラメータを求めると、各メモリに格納される40個のaパラメータ、bパラメータが次のように決定される。
【0106】
【数13】
Figure 0003735128
【0107】
【数14】
Figure 0003735128
【0108】
(16.1)式のbパラメータの値およびν=3を(7)式に代入すると、時間増分を与える式は次式のようになる。
【0109】
【数15】
Figure 0003735128
【0110】
また(16.2)式のaパラメータの値およびν=3を(8)〜(11)式に代入すると、kパラメータを与える式は次式のようになる。
【0111】
【数16】
Figure 0003735128
【0112】
【数17】
Figure 0003735128
【0113】
(6)、(17)、(18.1)、(18.2)式により生成される近似値xn+1 のバーは、hに関して1.5次の次数の項まで、(12)式の右辺のテーラ展開と一致するため、1.5次の近似精度が保証されている。また関数fやgの導関数を必要としないため、オペレータがこれらの導関数の関数形を求める必要がなく、近似値の数値計算における計算量も少なくて済む。
【0114】
図3は図2のシミュレーション装置の動作の概要を示したフローチャートである。
シミュレーションの考察対象の物理系が与えられると、オペレータは前処理P1において対象とする物理系を記述する物理モデルとその初期状態を決める。この物理モデルと初期状態は(5)式に対応している。そしてここで決めた関数f(x)、g(x)の関数形と、状態量xの初期値x0 =x(t0 )を初期データとしてシミュレーション装置に入力する。
【0115】
次にシミュレーション装置の内部では、初期設定入力部21が与えられた初期データをkパラメータ生成装置22に入力する。ただし、このときx0 のバー=x0 と設定する。
【0116】
ステップQ1でkパラメータ生成装置22は、関数f(x)、g(x)の関数形を格納した後、メモリ23─1〜23─4に格納されたaパラメータと乱数発生装置26─1、26─2が発生する正規乱数のサンプルξn+1 、ξn+1 の波を用いて、初期値x0 より各kパラメータを逐次生成する。このkパラメータ生成処理はkパラメータ生成装置22内に格納された(8)〜(11)式を用いて行う。ただし、このときn=0、s=4とする。
【0117】
ステップQ2で時間増分生成装置24は、メモリ25─1〜25─4に格納されたbパラメータと乱数発生装置26─1、26─2が発生する正規乱数のサンプルξn+1 、ξn+1 の波を用いて、生成されたkパラメータから時間増分Ψ(xn のバー,tn ,h)を生成する。この時間増分生成処理は時間増分生成装置24内に格納された(7)式を用いて行う。ただし、このときn=0、s=4、ν=3とする。
【0118】
ステップQ3で近似値更新装置27は、格納している(6)式を用いて、生成された時間増分Ψ(xn のバー,tn ,h)とxn のバーから、次のシミュレーションの参照時刻tn+1 における近似値xn+1 のバーを計算し、これをkパラメータ生成装置22と出力部28に出力する。ただし、このときn=0とする。
【0119】
ステップQ4で近似値更新装置27は、nがシミュレーションの参照終了時刻に対応するかどうかを判定する。
まだ参照終了点の近似値が得られていない場合はn=n+1とし、ステップQ1に戻って新たにkパラメータを生成し、ステップQ2で時間増分Ψ(xn のバー,tn ,h)を生成し、ステップS3で次の参照点の近似値xn+1 のバーを求める。以後ステップQ1〜Q4を繰り返し、ステップQ4で参照終了時刻に対応した最終参照点に到達したことを確認すると処理を終える。
【0120】
図4〜7は図3のステップQ1のkパラメータ生成装置22の詳細な動作を示すフローチャートである。図5〜7におけるxn (m) 、 外18 (以後xn (m
【0121】
【外18】
Figure 0003735128
【0122】
) のバーと記す。)、 外19 (以後xn (m) の波と記す。)、 外20 (
【0123】
【外19】
Figure 0003735128
【0124】
【外20】
Figure 0003735128
【0125】
以後xn (m) の山と記す。)、(m≧1)はそれぞれ、i≧2の場合の(8)、(9)、(10)、(11)式において、関数fまたはgによりkパラメータに変換される( )内の数値を表し、標本状態量に相当する。ただし、m=i−1とする。i=1の場合はxn のバーが標本状態量に相当する。
【0126】
図4のステップS1においてまず、初期設定入力部21または近似値更新装置27から与えられたxn のバーを関数fと関数gを用いて変換し、パラメータk1 、k1 のバー、k1 の波、k1 の山を生成する。ただしk1 のバー、k1 の波、k1 の山は同じ値なので、これらの値の生成処理は一回でよい。
【0127】
次に図5のステップS2において、ステップS1で生成されたk1 、k1 のバー、k1 の波、k1 の山の値から、パラメータk2 、k2 のバー、k2 の波、k2 の山を生成する。
【0128】
パラメータk2 を生成するには、まずk1 、k1 のバー、k1 の波の値にメモリ23─1、23─2、23─3に格納されているa11、a11のバー、a11の波の値を乗算する。さらに乱数発生装置26─1、26─2が発生する正規乱数のサンプルを用いて(8)式の( )内の第2、第3、第4項を生成し、それらをxn のバーに順次加算して、xn (1) を生成する。次に生成されたxn (1) の値を関数fを用いて変換し、k2 の値を得る。
【0129】
パラメータk2 のバーを生成するには、まずk1 、k1 のバー、k1 の山の値にメモリ23─1、23─2、23─4に格納されているa11、a11のバー、a11の山の値を乗算する。さらに乱数発生装置26─1が発生する正規乱数のサンプルを用いて(9)式の( )内の第2、第3、第4項を生成し、それらをxn のバーに順次加算して、xn (1) のバーを生成する。次に生成されたxn (1) のバーの値を関数gを用いて変換し、k2 のバーの値を得る。
【0130】
パラメータk2 の波を生成するには、まずk1 、k1 の山の値にメモリ23─1、23─4に格納されているa11、a11の山の値を乗算して(10)式の( )内の第2、第3項を生成し、それらをxn のバーに順次加算して、xn (1) の波を生成する。次に生成されたxn (1) の波の値を関数gを用いて変換し、k2 の波の値を得る。
【0131】
パラメータk2 の山を生成するには、まずk1 の山の値にメモリ23─4に格納されているa11の山の値を乗算して(11)式の( )内の第2項を生成し、xn のバーに加算して、xn (1) の山を生成する。次に生成されたxn (1) の山の値を関数gを用いて変換し、k2 の山の値を得る。
【0132】
図6、図7のパラメータk3 、k3 のバー、k3 の波、k3 の山およびk4 、k4 のバー、k4 の波、k4 の山の生成処理についても、基本的に図5の処理と同様である。
【0133】
図6のステップS3では、ステップS1で生成されたk1 、k1 のバー、k1 の波、k1 の山の値と、ステップS2で生成されたk2 、k2 のバー、k2 の波、k2 の山の値から、xn (2) 、xn (2) のバー、xn (2) の波、xn (2) の山の値を求め、パラメータk3 、k3 のバー、k3 の波、k3 の山を生成する。
【0134】
図7のステップS4では、ステップS1で生成されたk1 、k1 のバー、k1 の波、k1 の山の値と、ステップS2で生成されたk2 、k2 のバー、k2 の波、k2 の山の値と、ステップS3で生成されたk3 、k3 のバー、k3 の波、k3 の山の値とから、xn (3) 、xn (3) のバー、xn (3) の波、xn (3) の山の値を求め、パラメータk4 、k4 のバー、k4 の波、k4 の山を生成する。
【0135】
図8は時間増分生成装置24の詳細な動作を示すフローチャートである。
時間増分生成装置24は、まず時間増分Ψ(xn のバー,tn ,h)の値をゼロに設定する。
【0136】
次にkパラメータ生成装置22から与えられるk1 、k2 、k3 、k4 の値にメモリ25─1に格納されたbパラメータb1 、b2 、b3 、b4 の値をそれぞれ乗算して、(7)式右辺の第1項の値を生成する。そして生成された第1項の値をΨ(xn のバー,tn ,h)に加算する。
【0137】
次にkパラメータ生成装置22から与えられるk1 のバー、k2 のバー、k3 のバー、k4 のバーの値にメモリ25─2に格納されたbパラメータb1 のバー、b2 のバー、b3 のバー、b4 のバーの値をそれぞれ乗算する。さらに乱数発生装置26─1が発生する正規乱数のサンプルを用いて(7)式右辺の第2項の値を生成する。そして生成された第2項の値をΨ(xn のバー,tn ,h)に加算する。
【0138】
次にkパラメータ生成装置22から与えられるk1 の波、k2 の波、k3 の波、k4 の波の値にメモリ25─3に格納されたbパラメータb1 の波、b2 の波、b3 の波、b4 の波の値をそれぞれ乗算する。さらに乱数発生装置26─2が発生する正規乱数のサンプルを用いて(7)式右辺の第3項の値を生成する。そして生成された第3項の値をΨ(xn のバー,tn ,h)に加算する。
【0139】
次にkパラメータ生成装置22から与えられるk1 の山、k2 の山、k3 の山、k4 の山の値にメモリ25─4に格納されたbパラメータb1 の山、b2 の山、b3 の山、b4 の山の値をそれぞれ乗算して、(7)式右辺の第4項の値を生成する。そして生成された第3項の値をΨ(xn のバー,tn ,h)に加算する。
【0140】
こうして得られたΨ(xn のバー,tn ,h)の値が時刻tn における近似値xn のバーに対する時間増分に相当する。
近似値更新装置27は時間増分生成装置24から与えられる時間増分Ψ(xn のバー,tn ,h)の値をxn のバーの値に加算し、次の参照時刻tn+1 における状態量x(tn+1 )の近似値xn+1 のバーを生成する。そして生成されたxn+1 のバーの値をkパラメータ生成装置22と出力部28に与える。
【0141】
出力部28は近似値更新装置27から与えられる各参照時刻の近似値を格納しておき、近似値の更新が終了すると、これらの近似値をシミュレーション結果として、外部のディスプレイ装置や、シミュレーション対象の物理系を制御する制御装置等に出力する。
【0142】
次に本実施例のシミュレーション装置を具体的に、不規則外乱を受ける物理系に適用した結果を説明する。
図9は地球を周回する人工衛星の衛星軌道を示している。衛星軌道は、地球の大気密度の急速な変動と上層大気中の外乱等の影響を受けて変化し、これらが不規則外乱として作用する。
【0143】
図9において、状態量xは衛星軌道を含む平面内で、地球の中心から人工衛星30に向かう放射方向における、与えられた衛星軌道からの摂動を表す。ここでx1 =x、x2 =dx/dtと置くと、図9の衛星軌道は次のような2次元のモデルにより記述される。
【0144】
【数18】
Figure 0003735128
【0145】
ここで、Xは(5)式の状態量に相当する2次元の状態量を表し、関数fとgは(5)式の右辺の関数に相当し、2次元の関数値をもつ。またa、b、cは定数である。
【0146】
図10は(19)式で記述される衛星軌道のモデルを対象にして、図2のシミュレーション装置により数値シミュレーションを行った結果を示す。図10のシミュレーションでは、a=0.75、b=1.5、c=0.5とした。またシミュレーションの時間ステップの刻み幅hはh=2-8(秒)とし、時刻t0 =0における初期条件として、x1 (0)=1.5(m)、x2 (0)=−0.9(m/s)を与えた。またメモリ23─1〜23─4、25─1〜25─4に格納するaパラメータ、bパラメータとしては、(16)式の値を用いた。
【0147】
図11は(19)式で不規則外乱の影響を無視した理想的な衛星軌道のモデルに対するシミュレーション結果を示す。図10を図11と比べると、大気密度の変動等の不規則外乱が人工衛星の軌道に与える影響が無視できないことがわかる。
【0148】
次に本シミュレーション装置の精度を他のシミュレーション装置と比較するために、次式で与えられる1次元のモデルを考える。
【0149】
【数19】
Figure 0003735128
【0150】
これは、(5)式においてxを1次元の状態量とし、関数f、gの関数形をf(x)=ax、g(x)=bxと置いたモデルに相当する。ただし、a、bは定数であり、x0 は時刻t0 におけるxの初期値である。
【0151】
(20)式の確率微分方程式は関数f、gの関数形が簡単なため、その厳密解を解析的に求めることができる。この厳密解は次式で与えられる。
【0152】
【数20】
Figure 0003735128
【0153】
ここでW(t)はブラウン運動モデルの確率過程で、雑音モデルw(t)に対応している。またexpの中の−(1/2)b2 tの項は、確率積分に現れる特徴的な項である。
【0154】
図12は(21)式でa=1、b=1、x0 =1と置き、2-9秒の時間刻みでサンプリングした結果を示す。また図13、図14はそれぞれ0.5次の近似精度のオイラ法を用いたシミュレーション装置、本実施例のシミュレーション装置によるシミュレーション結果を示す。図13、図14のシミュレーションにおいてもa=1、b=1、x0 =1と置き、シミュレーションの時間刻みはh=2-6(秒)とした。
【0155】
図12、図13、図14を比較すると、0.5次の近似精度のオイラ法による結果よりも、1.5の近似精度を保証する本実施例のシミュレーション結果の方が厳密解のサンプリング結果に近いことがわかる。
【0156】
本実施例では、aパラメータとbパラメータの値の一例として(16.1)、(16.2)式の値を採用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、(14.1)〜(14.22)および(15)式の拘束条件を満足する他の値も用いることができる。
【0157】
また(7)〜(11)式の形の時間増分を用いれば、1.5次より高い近似精度を保証するシミュレーション装置の実現も可能である。
【0158】
【発明の効果】
本発明のシミュレーション装置によれば、不規則外乱の影響を受ける系に対して、1.5次の高精度を保証するシミュレーション結果を得ることができる。
【0159】
また数学モデルで与えられる関数の導関数を求める必要がなく、与えられた関数形のみを入力すればよいので、オペレータの負担が軽減される。さらに導関数の値を計算しなくて済むので、数値処理における計算量が少なく、汎用性に富むシミュレーション装置を提供する。
【0160】
このように、不規則外乱の影響を受ける系に対して、高い信頼性を持つシミュレーション結果を容易に得ることができるので、対象とする系の挙動の精密な解析と、その系を制御する高性能な制御装置の実現が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の一実施例のシミュレーション装置の構成図である。
【図3】一実施例のシミュレーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】一実施例のkパラメータ生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】一実施例のkパラメータ生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】一実施例のkパラメータ生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】一実施例のkパラメータ生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】一実施例の時間増分生成装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】人工衛星の衛星軌道を示す図である。
【図10】図9の衛星軌道のモデルに対する本実施例のシミュレーション装置によるシミュレーション結果を示す図である。
【図11】不規則外乱を受けない衛星軌道のモデルに対するシミュレーション結果を示す図である。
【図12】一具体例のモデルの厳密解を示す図である。
【図13】図12のモデルに対する0.5次のオイラ法によるシミュレーション結果を示す図である。
【図14】図12のモデルに対する本実施例のシミュレーション装置によるシミュレーション結果を示す図である。
【符号の説明】
10 シミュレーション装置
11 初期設定入力手段
12 増分生成手段
13 近似値更新手段
14 出力手段
21 初期設定入力部
22 kパラメータ生成装置
23─1、2、3、4 メモリ
25─1、2、3、4 メモリ
24 時間増分生成装置
26─1、2 乱数発生装置
27 近似値更新手段
28 出力部
30 人工衛星

Claims (7)

  1. 不規則外乱を受ける物理系の状態量xの時間変化を、関数と乱数によって記述し、時間刻みh毎に、状態量xの初期値から、状態量xの近似値を陽的に求め、シミュレーション結果を出力するシミュレーション装置であって、
    関数f(x)およびg(x)と時刻tにおける状態量xの
    Figure 0003735128
    を入力する初期設定入力手段と、
    Figure 0003735128
    を格納する第1のパラメータ格納手段と、
    Figure 0003735128
    を格納する第2のパラメータ格納手段と、
    時刻t における状態量xの
    Figure 0003735128
    を格納する近似値格納手段と、
    n番目の時刻t=t+nhにおける第1の乱数ξ、時刻tにおける
    Figure 0003735128
    、時間刻みh、正の実数ν、関数f(x)、関数g(x)、および前記aパラメータを用いて、状態量xの
    Figure 0003735128
    から
    Figure 0003735128
    計算するための
    Figure 0003735128
    というkパラメータ計算式を格納する第1の計算式格納手段と、
    前記kパラメータ、時間刻みh、正の実数ν、ΔW、
    Figure 0003735128
    、および前記bパラメータを用いて状態量xの時間増分Ψを計算するための
    Figure 0003735128
    という時間増分計算式を格納する第2の計算式格納手段と、
    時間増分Ψを用いて状態量xの
    Figure 0003735128
    から時刻t n+1 における状態量xの
    Figure 0003735128
    を計算するための
    Figure 0003735128
    という近似値計算式を格納する第3の計算式格納手段と、
    第1の乱数ξ、
    Figure 0003735128
    、時間刻みh、正の実数ν、関数f(x)、関数g(x)、前記aパラメータ、および前記kパラメータ計算式を用いて、前記kパラメータを生成するkパラメータ生成手段と、
    時間増分Ψの値を格納する時間増分格納手段と、
    前記時間増分格納手段に0を設定した後、時間刻みh、bパラメータb 、kパラメータk 、および前記時間増分計算式を用いて該時間増分計算式の第1項の値を生成して該時間増分格納手段に加算し、ΔW、
    Figure 0003735128
    、および該時間増分計算式を用いて該時間増分計算式の第2項の値を生成して該時間増分格納手段に加算し、
    Figure 0003735128
    、および該時間増分計算式を用いて該時間増分計算式の第3項の値を生成して該時間増分 格納手段に加算し、時間刻みh、正の実数ν、
    Figure 0003735128
    、および該時間増分計算式を用いて該時間増分計算式の第4項の値を生成して該時間増分格納手段に加算することで、時間増分Ψを生成する増分生成手段と、
    生成された時間増分Ψと前記近似値計算式を用いて状態量xの
    Figure 0003735128
    を生成し、前記近似値格納手段の
    Figure 0003735128

    Figure 0003735128
    に更新する近似値更新手段と、
    前記近似値更新手段から与えられる時間刻みh毎の状態量xの各近似値を、前記物理系に対する前記シミュレーション結果として出力する出力手段と
    を有することを特徴とするシミュレーション装置。
  2. 前記近似値更新手段は更新された近似値を前記増分生成手段に入力し、
    前記増分生成手段は前記近似値更新手段より与えられる前記更新された近似値から、前記時間増分を生成することを特徴とする請求項1記載のシミュレーション装置。
  3. 前記増分生成手段は前記第1の乱数を発生する第1の乱数発生手段と、前記第1の乱数とは独立な前記第2の乱数を発生する第2の乱数発生手段を有することを特徴とする請求項1または2記載のシミュレーション装置。
  4. 前記第1の乱数と前記第2の乱数は、互いに独立な、平均0、分散1の正規乱数の系列に属することを特徴とする請求項3記載のシミュレーション装置。
  5. 前記第1のパラメータ格納手段および第2のパラメータ格納手段は、前記aパラメータおよびbパラメータとして、前記時間増分を前記時間刻みの巾について展開した時の、前記時間刻みについて1.5次までの各項の係数が、前記物理系を記述する前記状態量に関する微分方程式の解を前記時間刻みの巾について展開した時の、前記時間刻みについて1.5次までの各項の係数に一致するような値を格納することを特徴とする請求項1または2記載のシミュレーション装置。
  6. 前記第1のパラメータ格納手段および第2のパラメータ格納手段は、前記aパラメータおよびbパラメータとして、
    Figure 0003735128
    Figure 0003735128
    Figure 0003735128
    Figure 0003735128
    Figure 0003735128
    という条件を満たす値を格納することを特徴とする請求項5記載のシミュレーション装置。
  7. 不規則外乱を受ける物理系の状態量xの時間変化を、関数と乱数によって記述し、時間刻みh毎に、状態量xの初期値から、状態量xの近似値を陽的に求め、シミュレーション結果を出力するシミュレーション方法であって、
    初期設定入力手段が、関数f(x)およびg(x)と時刻tにおける状態量xの
    Figure 0003735128
    を入力し、
    kパラメータ生成手段が、n番目の時刻t=t+nhにおける第1の乱数ξ、時刻tにおける
    Figure 0003735128
    、時間刻みh、正の実数ν、関数f(x)、関数g(x)、第1のパラメータ格納手段に格納された
    Figure 0003735128
    、および第1の計算式格納手段に格納された、
    Figure 0003735128
    というkパラメータ計算式を用いて、近似値格納手段に格納された時刻t における状態量xの
    Figure 0003735128
    から
    Figure 0003735128
    を生成し、
    増分生成手段が、状態量xの時間増分Ψの値を格納する時間増分格納手段に0を設定した後、時間刻みh、第2のパラメータ格納手段に格納されたbパラメータ (i=1,...,s)、生成されたkパラメータk 、および第2の計算式格納手段に格納された、
    Figure 0003735128
    という時間増分計算式を用いて、該時間増分計算式の第1項の値を生成して該時間増分格納手段に加算し、ΔW、前記第2のパラメータ格納手段に格納された
    Figure 0003735128
    、生成された
    Figure 0003735128
    、および該時間増分計算式を用いて該時間増分計算式の第2項の値を生成して該時間増分格納手段に加算し、
    Figure 0003735128
    、前記第2のパラメータ格納手段に格納された
    Figure 0003735128
    、生成された
    Figure 0003735128
    、および該時間増分計算式を用いて該時間増分計算式の第3項の値を生成して該時間増分格納手段に加算し、時間刻みh、正の実数ν、前記第2のパラメータ格納手段に格納された
    Figure 0003735128
    、生成された
    Figure 0003735128
    、および該時間増分計算式を用いて該時間増分計算式の第4項の値を生成して該時間増分格納手段に加算することで、時間増分Ψを生成し、
    近似値更新手段が、生成された時間増分Ψと第3の計算式格納手段に格納された、
    Figure 0003735128
    という近似値計算式を用いて、状態量xの
    Figure 0003735128
    から時刻tn+1における状態量xの
    Figure 0003735128
    を生成して、前記近似値格納手段の
    Figure 0003735128

    Figure 0003735128
    に更新し、
    出力手段が、前記近似値更新手段から与えられる時間刻みh毎の状態量xの各近似値を、前記物理系に対する前記シミュレーション結果として出力する
    ことを特徴とするシミュレーション方法。
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