JP3735078B2 - 自動取引装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般の利用者がカードや通帳等を使用して、現金を直接入出金する現金自動取引装置(例えば、金融機関等で使用されるATM)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開昭62−50994号公報に記載の金融機関等で使用されるATMが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の金融機関等で使用されるATMにおいては、操作テーブル等において操作性およびメンテナンスの容易性について、十分考慮されていなかった。
【0004】
本発明の目的は、上記の課題を解決すべく、堅牢な操作デーブル構造で下肢空間が広く、且つ操作性が良好な現金自動取引装置を提供することにある。
【0005】
また本発明の他の目的は、取扱表示部を軽量化して、メンテナンスを容易にした現金自動取引装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、正面から見て奥側に入出金口を備え、前側中央部に液晶パネルからなる表示操作部を備え、更に前側先端部を水平面内において丸み形状に形成した操作テーブルを、本体筐体の上部と下部との間の中間部分から突出させて形成したことを特徴とする現金自動取引装置である。また本発明は、正面から見て奥側に入出金口を備え、前側中央部に液晶パネルからなる表示操作部を備え、前側先端部を水平面内において丸み形状(ほぼ左右対称である。)に形成した操作テーブルを本体筐体の上部と下部との間の中間部分から突出させて形成し、上記本体筐体の上部の正面パネル部に取扱の表示を行う取扱表示部とカードを出入れするカードスロットとを有し、上記操作テーブルの入手金口の奥側から上方に向かって凹部を形成する上記上部の正面パネル面における縁の形状が正面から見てほぼ左右対称に丸みを付けたことを特徴とする現金自動取引装置である。
【0007】
また本発明は、前記現金自動取引装置における前記操作テーブルにおいて、前記入出金口および表示操作部を備えたテーブル面は、奥側から前側に向かって傾斜していることを特徴とする。また本発明は、前記現金自動取引装置における前記操作テーブルにおいて、前記表示操作部と前側先端部との間に顧客センサーを設置したことを特徴とする。
また本発明は、正面から見て奥側に入出金口を備え、前側中央部に表示操作部を形成する液晶パネルを取付けた操作テーブル面と取扱の表示を行う取扱表示部を取付けた上部の正面パネル面とを一体的に形成した開閉部を本体筐体に対して軸支して開閉可能に構成したことを特徴とする現金自動取引装置である。
また本発明は、前記現金自動取引装置において、前記開閉部の上部を、前記本体筐体に対して軸支して構成したことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記現金自動取引装置において、前記入出金口から入出金する紙幣を収納するリサイクルボックスと該リサイクルボックスへの紙幣の装填および前記リサイクルボックスからの紙幣を回収するための紙幣カセットとを有する紙幣入出金機構を前記本体筐体内に備えたことを特徴とする。また本発明は、前記現金自動取引装置において、前記入出金口から入出金する紙幣を収納するリサイクルボックスと該リサイクルボックスへの紙幣の装填および前記リサイクルボックスからの紙幣を回収するための紙幣カセットとを有する紙幣入出金機構と、前記カードスロットから出入れされるカードに対して処理するカード処理機構とを前記本体筐体内に備えたことを特徴とする。以上説明したように、本発明によれば、現金自動取引装置において、正面から見て奥側に入出金口を備え、前側中央部に液晶パネルからなる表示操作部を備え、更に前側先端部を水平面内において丸み形状に形成した操作テーブルを、本体筐体の上部と下部との間の中間部分から突出させて形成し、取扱の表示を行う取扱表示部とカードを出入れするカードスロットとを上記本体筐体の上部の正面パネル部に有することにより、使用者の操作性を向上させることができる。
【0009】
また本発明によれば、現金自動取引装置において、正面から見て奥側に入出金口を備え、前側中央部に表示操作部を形成する液晶パネルを取付けた操作テーブル面と取扱の表示を行う取扱表示部を取付けた上部の正面パネル面とを一体的に形成した開閉部を本体筐体に対して軸支して開閉可能に構成したことにより、開閉部の軽量化を図り、しかも開閉部を開いたときに、特にカード処理機構や通帳処理機構に対して正面側からメンテナンスをし易くすることができると共に液晶パネルに対してメンテナンスをし易くすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は本発明を適用した現金自動取引装置の外観を示す斜視図である。図2は本発明に係る操作テーブル3の付近の断面を示すための図1に示すA−A矢視断面図である。図3は本発明に係る操作テーブル3の付近を示す平面図である。
【0011】
装置の柱状の直方体からなる本体筐体1の上部には、筐体1の上部正面板(上部パネル)12に設けられたカードスロット2aと連通し、利用者である顧客のカ−ドを処理し、通帳スロット5aと連通し、取引明細票を印字して放出するカ−ド・明細票処理機構2と、通帳を処理する通帳処理機構5とを備えている。また、本体筐体1の下部には、紙幣を収納し、かつ処理する紙幣入出金機構4を備えており、中間部には、取引の内容を表示及び入力する液晶パネルでなる表示操作部(薄型表示パネル)31及び入出金口32から構成された操作テーブル3が設けられている。6は現金自動取引装置全体の制御を司る主制御部である。この操作テーブル3のテーブル面301は、図1及び図2から明らかなように側方から見て奥側から前側に向って傾斜している。また操作テーブル3の裏面303は、図1及び図2から明らかなように側方から見てほぼ水平面である。テーブル面301には、入出金口(金銭取扱口)32と薄型の表示パネル(表示操作部)31とを設けている。下部パネル面(下部正面板)11は、紙幣入出金口(金銭取扱口)32と薄型の表示パネル(表示操作部)31部との間の前後方向の位置に配置されている。上部パネル面(上部正面板)12は、下部パネル面(下部正面板)11と操作テーブル3の先端部302との間の前後方向の位置に配置されている。
【0012】
そして、最も利用者に近接する操作テーブル3の先端部302にテーブル面301内において中心線にほぼ対称に(ほぼ左右対称に)アール(丸み:弧状)形状にすることで、操作性を向上し、かつ人にやさしい現金自動取引装置を提供することができる。即ち、操作テーブル3において表示パネル(表示操作部)31をできるだけ手前にしながら、先端部302にテーブル面301内においてアール(丸み:弧状)形状にすることで操作テーブルの先端の大きさを極力小さくした。そして操作者は、突出していない両側ではパネル面にアール形状に沿って体を寄せて近づくことができるので、入出金口32、スロット2a、5aに体を近づけて操作ができ、操作性が向上できる。さらに人間は、物の大きさを認識する場合、両側の幅を大きなポイントにする。例えば同じ幅でも両角部が手前にあると大きく感じ、後方にあると遠近感で小さく感じる。従って、操作テーブルの先端部を直線状にして形成した場合には、両角部が手前に位置するので、操作テーブルの先端部の横幅全体を現金自動取引装置の横幅として認識することになる。これに対して本実施の形態のように操作テーブル3の中央先端部302が突出したアール形状(丸み形状:弧状形状:円弧に近似した形状)とすることにより、両端の角部は操作テーブルの中央より後方に位置するので、操作テーブルの大きさを視覚的に小さく見せることができる。特に現金自動取引装置のように、最も利用者に近接する操作テーブル3の先端部302が前に張り出している現金自動取引装置においては、操作テーブル3を小さくすることは重要である。一方、利用者にとって、操作する液晶パネル31と現金取出口32とは極力手前の中央にある方が操作性を向上させることができる。この意味で、テーブル面301の中央に配置される液晶パネル31を手前に位置させ、操作テーブルの先端部302の両角部を後方に位置させるアール形状(丸み形状:弧状形状)は操作性を向上させながら、最も利用者に近接する操作テーブル3を視覚的に小さくすることができる。しかも、操作テーブル3の先端部302はアール形状で、角部は鈍角になるので安全性をも向上できる。
【0013】
なお、本実施の形態では、操作テーブル3の先端部302は樹脂等のモールド成形品であり、鋼板で形成される操作テーブルの先端部にキャップを被せるように取り付けられている。このため、操作テーブル3の先端部302はわずかに上方へ突出して形成される。このように突出させることにより、逆に手や荷物の滑り止めになる効果を有する。
ところで液晶パネル31は上面形状を矩形状としているので、そのまま先端部302をアール形状にすると、アール頂点部にデッドスペースができてしまう。そこで、本実施の形態では、図3に示すように、このスペースに利用者がきたことを検知する顧客センサー34を設けることにより、このスペースの有効活用を図ることができる。また顧客センサー34は利用者に最も近い位置で、しかも操作テーブルの中央に配置されているので、顧客センサー34の機能を向上させることができる。また中央に顧客センサー窓、右側に前面パネル開閉の鍵が設けられている。なお、顧客センサー34はアール形状の最頂点に配置されると最もよいが、液晶パネル31の横幅内に配置させても良い。この他、顧客センサー34に代えてメカスイッチを操作テーブル3の先端部302の中央スペースに配置してもよい。この構造により弱視者に最適なメカスイッチを操作性が良好な操作テーブル3の先端部中央に配置させることもできる。
【0014】
また本実施の形態では、図1に示すように、現金出入口32の上方に傾斜した面121の先端部122(上部パネル面12の面位置)は、前側か見て丸み状:円弧状(近似される円弧状でもよい。)に形成した。上部パネル面12は、上部を回転軸として開放できる構造で、鉄板の折曲げ加工で形成され、各投入口2a、5aに対応する箇所が開口して形成されている。樹脂等のモールド成形品は両側に鋼板部123を残して上部パネル12の中央に取付けられ、更に最上部に、お取扱中、お取扱中止、預入、引出、照会、お振込み、お振替え等の取扱等を表示する取扱表示部(LEDランプで構成、液晶パネルとすることもできる。)15用の透明板124が取付けられる構造を取っている。そして、樹脂等のモールド成形品の下端部122がほぼ左右対称の丸み:円弧状に形成されている。特に現金出入口32の凹部の上部両肩は視覚や現金の出し入れに影響がないため、この部分を丸み形状:円弧状形状にすることにより、操作性や視覚に影響を与えることなく内容積を広げることができる。
【0015】
また本実施の形態では、図2に示すように、上部パネル部12とテーブル面部301(先端部302も含む)とを一体化してL形開閉部130とし、このL形開閉部130を、上端部に設けられたヒンジ部16に軸支して開閉できるように形成した。このL形開閉部130は特に補強枠を設けずに鋼板(2mm程度)を折曲げ加工して形成している。さらにこのL形開閉部130には、テーブル面301に液晶パネル31が取付けられ、前面パネル上部に、取扱等を表示する取扱表示部15が取付けられ、これら表示部への信号は上記ヒンジ部16を介してコードによって接続される。L形開閉部130は両側に設けられるオイルダンパーにより開閉が制御される。現金出入口32の凹部の両側には縁が残されているので、L形開閉部130を閉じた状態で、L形開閉部の両側にオイルダンパーを収納することができる。L形開閉部130の内側は、閉じた状態で露出する部分に底板が設けられているが、他の部分は内部を露出させている。また本体側も、上部が開口されているため、L形開閉部を開くと液晶パネル31や取扱表示部15を内側からメンテナンスできる。
【0016】
特に上記のように取扱等を表示する取扱表示部15を軽量化されたLEDランプや液晶パネルで構成することにより、L形開閉部を支えるヒンジやオイルダンパーを大型化することなく、しかもL形開閉部の開閉を阻害することなくL形開閉部に直接取り付けることを可能にし、しかもL形開閉部を開くことによって取扱表示部15も一緒に取り除かれることによって、カ−ド・明細票処理機構2、通帳処理機構5および主制御部6の前面が開放されてメンテナンスを容易にすることができる。
図4は、図1のA−A線で断面した簡略化された断面図である。操作テーブル3の操作面の面積は、表示操作部31は顧客に対するインタフェースである理由から、また、入出金口32は紙幣と顧客の手の大きさから、それらの大きさがある程度決まっていて小さくできないので、入出金口32は本体筐体1の下部正面板11及び上部正面板12より背面板13側に引き込んで位置させてある。これに加えて、本実施の形態では、表示操作部31の表示装置は、例えば、液晶表示装置などの扁平型の表示装置を採用して平板状(薄型)としており、後に説明する本実施の形態の他の特徴とする構成と相まって装置の本体筐体1の下部正面板11を、表示操作部31の前縁部分より後方に位置させて、表示操作部31(操作テーブル3)の下部に空間を形成している。これにより、装置1の奥行き寸法を低減して、床設置部分を小さくすることができ、さらに顧客の足元スペースを形成することができ、顧客(利用者)の操作性に寄与できる。なお、上部パネル(上部正面板)12と下部パネル(下部正面板)11とはほぼ同一の垂直面を形成している。
【0017】
紙幣入出金機構4は、利用者が紙幣の挿入、取出しを行なう紙幣入出金口32の下方に位置する入出金口容器21、係員が出金用の紙幣をセットしたり内部の紙幣を回収するために使用する着脱可能な紙幣カセツト22、出金用の紙幣を収納し、さらに入金された紙幣を出金に還流するためのリサイクルボツクス23、紙幣の判別及び計数を行う判別部25、判別できなかった紙幣を収納するリジェクトボックス26、入金された紙幣を一時的にスタックしておく一時保留部27、紙幣を搬送する紙幣搬送部28、および紙幣入出金機構4の制御部29から構成される。紙幣入出金機構4の制御部29は装置制御部6からの指令および紙幣入出金機構4の状態検出に応じて紙幣入出機構4の制御を行ない、また紙幣入出金機構4の報告が必要な状態を主制御部6に送る。紙幣搬送部28は図では線で示されているが、搬送路の分岐点には切替えゲートが設けられ、後述のとおり、入出金口容器21、紙幣カセット22、リサイクルボツクス23、紙幣判別部25、リジェクトボックス26の間を主制御部6および制御部29の制御と、紙幣判別部25の紙幣判別のもとで、紙幣を搬送する。
【0018】
図4に示す実施の形態では、リサイクルボツクス23を高額紙幣用(例えば1万円)のリサイクルボツクスとして割当て、紙幣カセット22を紙幣セットのための機能に加え、低額紙幣用(例えば千円)に割当て、低額紙幣用のリサイクルボツクスとして機能させ、リサイクルボツクス1個と紙幣カセット1個の合計2個の金庫構成で、高額紙幣と低額紙幣の2金種の紙幣を還流できるようにしている。さらに、図4に示す紙幣入出金機構4では、リサイクルボックス23を本体筐体1の下部正面板11に近く位置させ、かつ、前述したように背面板13に近付いた操作テーブル3の入出金口31の真下方向に、入出金口容器21及びリサイクルボックス23を配置することにより、装置の奥行き寸法を極限に近くまで小さくでき、装置の小型化を可能としている。そして紙幣カセット22は裏側から取外し可能に構成されている。
【0019】
図5は図4に示す紙幣入出金機構4をさらに詳細に示す図である。
紙幣入出金口容器21は、シャッター210を有し、シャッター210をスライドさせて開閉し、利用者が出金時の紙幣の取出し、入金時の紙幣の投入ができるようにする。投入された紙幣をピックアップローラ211の回転で送り出し、さらにフィードローラ212の回転で繰出す。213はゲートローラで2枚送りを防止する。こうして紙幣入出金口容器21の紙幣は紙幣搬送部28へ繰出され、装置内に取り込まれる。紙幣搬送部28は多くのローラ281とローラに巻きつけられたベルト282で紙幣を挟持して搬送するよう構成されている。さらに、紙幣搬送部28は各分岐点にゲート283を有し、ゲート283の切り替えで搬送先を振り分ける。紙幣入出金口容器21はまた搬送部28により搬送されてきた紙幣をブラシローラ214で入出金口容器21に取り込む。
リサイクルボックス23は押板230上に紙幣を集積している。リサイクルボックス23に収容された紙幣はピックアップローラ233、フィードローラ234およびゲートローラ235で1枚ずつ搬送路に繰出される。押板230はベルト231に取り付けられ、図示しないモータでベルト231を駆動することにより上下に駆動でき、紙幣繰出し時、紙幣をピックアップローラ233に押しつけるように上方向に駆動される。搬送路28からは、ゲート283をリサイクルボックス23の方へ切り替え、ローラ240およびブラシローラ241でリサイクルボックス23に送り込み、押板230上に紙幣を集積し、収納する。
【0020】
紙幣カセット22および一時保留部27の詳細構造が図6および図7に示される。図6は、紙幣カセット22に収容されている紙幣7を繰出す状態を示す。紙幣カセット22は押板220上に紙幣7を集積している。一時保留部27のセパレータ271は実線で示すように退避されており、紙幣カセット22に収容された紙幣7は、ピックアップローラ223、フィードローラ224およびゲートローラ225で1枚ずつ搬送路に繰出される。押板220はベルト221に取り付けられ、モータ222でベルト221を駆動することにより上下に移動でき、図4に示すように紙幣繰出し時、紙幣7がピックアップローラ223に押しつけられるよう上方向に駆動される。
図7は一時保留部27に紙幣7を集積する状態を示す。押板220は下方に移動されている。一時保留部27のセパレータ271はベルト272に取り付けられ、モータ273でベルト272を駆動することにより、図6の退避位置から図7の紙幣を集積する位置に移動され、ローラ226およびブラシローラ227により搬送路から紙幣が送りこまれ、セパレータ271上に集積される。セパレータ271上に集積された紙幣7は、カセット22の紙幣を繰出すのと同じピックアップローラ223、フィードローラ224およびゲートローラ225で1枚ずつ搬送路に繰出される。搬送路から送りこまれた紙幣を押板220上に集積する(紙幣カセット22に収納する)場合は、セパレータ271を図6に示すように退避させ、ローラ226およびブラシローラ227により送りこまれた紙幣を集積する。
【0021】
以上のように、入出金口21、紙幣カセット22、リサイクルボックス23、リジェクトボックス26、及び一時保留部27には搬送路28にたいして紙幣を出し入れするために、フィードローラ、ゲートローラ、ブラシローラなどからなる紙幣出し入れ機構を備えている。
次に、上述した図1ないし図7に示す実施の形態における動作を、図8ないし12に示すフローチャートを用いて説明する。
まず装填時の制御手順を図8を用いて説明する。即ち、本装置の運用開始にあたっては、紙幣カセット22に係員が紙幣をセットする際に、上側に高額(実施例では、万円)紙幣を、下側に低額(実施例では、千円)紙幣をセットする。装置はその紙幣を紙幣カセツト22より繰出して全ての紙幣を紙幣判別部25を経由して一旦リサイクルボックス23に計数して搬送し、収納する(ステップ41)。紙幣判別部25から出た紙幣は図4に示す入出金口容器21の下部を通過する搬送路28を通り、リサイクルボックス23に搬送され収納される。紙幣カセツト22の紙幣が全て繰出され空になったことが検出されると(42)、今リサイクルボックス23に搬送した紙幣の金種毎の計数値を記憶する(43)。リサイクルボックス23に搬送した低額紙幣の枚数は先の計数でわかっており、リサイクルボックス23内の上側に収納されている。次に、リサイクルボックス23内の上側に収納されている紙幣(低額紙幣)を繰出して判別部25に搬送し、金種を判別する(44)。低額紙幣か判別し(45)、低額紙幣は紙幣カセツト22に搬送して収納する(46)。これを繰返し低額紙幣を紙幣カセット22に収納する。ステップ45で高額紙幣と判別されると、一旦入出金容器21にスタックする(47)。そして、入出金口容器21の紙幣(高額紙幣)を高額リサイクルボックス23に戻す(48)。これにより、リサイクルボックス23に高額紙幣が、紙幣カセツト22に低額紙幣がそれぞれ装填されたことになる。また高額紙幣、低額紙幣の枚数は装置の主制御部6に記憶されている。そして紙幣カセツト22を低額紙幣のリサイクルボックスとして使用することができる。判別部25を出た紙幣は、搬送路28に設けられ判別部25の判別により制御されるゲートにより振り分けられ、リサイクルボックス23や紙幣カセット22に搬送される。
【0022】
次に出金時の制御手順を図9を用いて説明する。即ち、出金は、指定された枚数の紙幣を、高額はリサイクルボックス23から繰出し、低額紙幣は紙幣カセツト22から繰出して、判別部25を経由して、紙幣入出金口容器21に搬送し、利用者に出金する。まず、高額紙幣が収納されているリサイクルボックス23から繰出して判別部15に搬送し、判別できた高額紙幣は入出金容器21に、判別できなかった紙幣はリジェクトボックス26に搬送する(51)。指定された枚数の高額紙幣を入出金口容器21に搬送したかを判定し(52)、まだ指定枚数に達しない場合はステップ51を繰り返す。指定枚数に達すると、低額紙幣の指定があれば、次は紙幣カセット22から低額紙幣を繰出して判別部15に搬送し、判別できた紙幣は入出金容器21に、判別できなかった紙幣はリジェクトボックス26に搬送する(53)。そして、指定された枚数の低額紙幣を入出金口容器21に搬送したかを判定し(54)、まだ指定枚数に達しない場合はステップ53を繰り返す。判別部25を出た紙幣は、装填時と同様に、搬送路28に設けられ判別部25の判別により制御されるゲートにより振り分けられ、入出金容器21やリジェクトボックス26に搬送される。
【0023】
次に入金時の制御手順の制御手順について図10を用いて説明する。即ち、入金取引が指示されると、利用者が紙幣入出金口容器21に挿入した紙幣を繰出し、判別部25に搬送し、判別できた紙幣は一時保留部27にスタックし、判別できなかった紙幣は入出金口容器21に戻す(61)。入出金容器21に紙幣があるか判定し(62)、入出金口容器21の紙幣を全て繰出すと、入金された金額を計数し、記憶する(63)。入金額を表示操作部31に表示して利用者の確認を求める。取消し入力があると(65)、一時保留部27にスタックしている紙幣を全て繰出し、入出金口容器21に搬送し(66)、利用者に返却する。確認入力があると(64)、一時保留部27にスタックしている紙幣を繰出し、判別部15に搬送し、高額紙幣はリサイクルボックス23へ、低額紙幣は入出金容器21へ、その他の紙幣はリジェクトボックス26に搬送する(67)。一時保留部27の紙幣を全て繰出すと(68)、一時保留部27のスタッカを退避させ、入出金容器21にある低額紙幣を紙幣カセット22に搬送し、収容する(69)。これにより、入金された紙幣のうち、高額紙幣はリサイクルボックス23へ、低額紙幣は紙幣カセット22に収納し、出金用紙幣として還流して使用することができる。
【0024】
次に回収時の制御手順について図11を用いて説明する。即ち、本装置の運用を終了する際には、紙幣カセツト22の紙幣を全て一旦、判別部25を経由して計数し、リサイクルボツクス23に搬送する(71)。紙幣カセツト22が空になると(72)、リサイクルボックス23から紙幣を繰出し、判別部25で計数しながら紙幣カセツト22に搬送する。判別できなかった紙幣はリジェクトボックス26に搬送する(73)。
リサイクルボックス23が空になる前に紙幣カセット22が満杯になったことが検出されると(75)、紙幣の繰出しを一時停止して紙幣カセット22の満杯を表示し(76)、係員に知らせる。これにより係員は空の紙幣カセット22と交換するので、再びリサイクルボックス23からの繰出しを再開する。リサイクルボックス23が空になったことが検出されると(74)、金種毎の計数値を記憶し、回収を完了する。これにより、装置内部の紙幣を計数しながら紙幣カセツト22に回収することができ、係員は紙幣カセツト22を外すことにより、紙幣を取りだし、回収することができる。
【0025】
次に自動精査時の制御手順について図12を用いて説明する。即ち、係員は自動精査機能により、装置内にある紙幣の枚数を精査することができる。まず、リサイクルボックス23から紙幣を繰出して判別部25を経由して紙幣カセット22に搬送する。リサイクルボックス23が空になると(82)、今度は紙幣カセット22から繰出して判別部で計数しながらリサイクルボックス23に搬送する(83)。判別出来なかった紙幣はリジェクトボックス26に搬送する。紙幣カセット22が空になると(84)、金種毎の計数値を記憶する(85)。次にリサイクルボックス23より紙幣を繰出して判別部25で金種を判別する(86)。高額紙幣と判別すると、この紙幣を入出金容器21に一時スタックし、その後、リサイクルボックス23に戻す(88)。低額紙幣と判別すると(89)、紙幣カセット22に搬送し、収納する(90)。また、高額紙幣でも低額紙幣でもないと判別されると(89)、リジェクトボックス26に搬送し、収納する(91)。これにより、高額紙幣、低額紙幣は精査前のリサイクルボックス23、紙幣カセット22に戻され、かつ装置内の紙幣の枚数(金額)を知ることができる。
【0026】
以上の制御により、装置の小型化をはかり、かつ装置内部の紙幣枚数を計数管理しながら紙幣の装填/出金/入金/回収/自動精査および還流の動作を行なうことができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、操作テーブル上に備え付けられた入出金口を介しての紙幣の出入れや表示操作部に対する操作性を向上させることができる現金自動取引装置を実現することができる効果を奏する。
また本発明によれば、現金自動取引装置において、取扱表示部を取り付けた上部の正面パネル面と表示操作部を取り付けた操作テーブルのテーブル面とを一体化して開閉部を構成したので、該開閉部を開くことによって前側からのカード処理機構や通帳処理機構や開閉部に取り付けられ液晶パネル等に対してメンテナンスを容易にすることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る現金自動取引装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る操作テーブルの付近を示す図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明に係る図1に示す操作テーブルの平面図である。
【図4】本発明に係る現金自動取引装置における図1のA−A線断面図である。
【図5】図4に示す紙幣入出金部の具体的構成を示す図である。
【図6】図4に示す紙幣カセット、一時保留部の具体的構成で、紙幣繰出しを示す図である。
【図7】図4に示す紙幣カセット、一時保留部の具体的構成で、紙幣集積を示す図である。
【図8】装填の制御手順を示す図である。
【図9】出金の制御手順を示す図である。
【図10】入金の制御手順を示す図である。
【図11】回収の制御手順を示す図である。
【図12】自動精査の制御手順を示す図である。
【符号の説明】
1…現金自動取引装置、2…カード処理部(カード・明細票処理機構)、2a…カードスロット、3…操作テーブル、4…紙幣入出金部(紙幣入出金機構)、5…通帳処理部(通帳処理機構)、5a…通帳スロット、6…制御部、11…下部の正面板(下部の正面パネル面)、12…上部正面板(上部正面パネル面)、15…取扱表示部(液晶パネル)、16…ヒンジ部、21…入出金口容器、22…紙幣カセット、23…リサイクルボックス、25…紙幣判別部、26…リジェクトボックス、27…紙幣一時保留部、28…紙幣搬送部、31…表示操作部(液晶パネル)、32…入出金口、121…傾斜した面、122…下端部、124…透明板、130…L字開閉部、301…テーブル面、302…前側先端部。
Claims (1)
- 正面から見て奥側に入出金口を備え、前側中央部に液晶パネルを取り付け、前側先端に先端部を有する操作テーブル面部と、取扱の表示を行なう取扱表示部を取り付けた上部正面パネル部とを一体化して形成したL字形開閉部を本体筐体の上端部に設けられたヒンジ部に軸支して開閉可能に構成し、
前記 L 字形開閉部を閉じたとき、前記上部正面パネル部を形成する上部正面板と前記本体筐体の下部正面板とはほぼ同一の垂直面を形成し、さらに、前記操作テーブル面部に備えられた前記入出金口は前記下部正面板及び前記上部正面板より背面板側に引き込んで位置させ、
前記操作テーブル面部の前記先端部をテーブル面内において丸み形状に形成することを特徴とする自動取引装置。
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