JP3733225B2 - 画像処理装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置及び方法に関し、より具体的には、ラスタ画像信号の画像品質を判定し、その判定結果に応じてラスタ画像信号を圧縮符号化及び/又は出力する画像処理装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
イメージ・スキャナは、原稿を画像入力する手段として広く普及している。従来のイメージ・スキャナでは、一般的に、画素単位に輝度成分及び色成分を読み取る離散サンプリング化が実施されている。近年では、その読み取り解像度が、1200DPI(画素/インチ)程度にまで向上している。
【0003】
また、画像情報を効率的に圧縮符号化する技術も開発され、実用化されている。例えば、静止画像の圧縮方式として、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式が標準化されている。JPEG方式は、可逆圧縮では1/2〜1/3程度に、非可逆圧縮では数十分の1程度にまで画像情報を圧縮可能であり、比較的画像品質が高い。JPEG方式の一般的な例としては、8画素×8画素の符号化ブロックの画像データを離散コサイン変換し、そのDCT変換係数を量子化テーブル及びスケール・ファクタに従って量子化し、可変長符号化する。量子化の際の量子化テーブルとスケール・ファクタは、変更可能であり、画像品質と圧縮率を決定する重要な因子である。
【0004】
図19は、画像の入力から出力までの一般的なシステムの概略構成ブロック図を示す。イメージ・スキャナ110は、原稿を離散サンプリングして読み取り、原稿画像の二次元ラスタ信号を出力する。スキャナ110から出力される画像信号は、画像メモリ112に一時記憶される。画像メモリ112に記憶される画像データは通常、圧縮符号化装置114により圧縮符号化されて記憶装置116に記憶され、及び/又は送受信装置118により伝送媒体を介して送受信される。圧縮符号化装置120が圧縮画像データを伸長し、画像データを復元し、画像メモリ112に格納する。印刷装置、複写機及び映像ディスプレイ装置などの画像出力装置122は、画像メモリ112に記憶される画像データをそれぞれの形式で出力する。
【0005】
図20は、圧縮符号化装置114の一般的な構成の概略構成ブロック図を示す。その機能の一部又は全部はソフトウエアにより実現できる。ブロック化回路124は、ラスタ画像データを、通常8画素×8画素からなるブロックに分割し、ブロック順に出力する。但し、カラー画像の場合、画像信号を輝度成分と色度成分に分解した後、しばしば色度の間引きが行われる。即ち、図20の圧縮符号化の前に既に圧縮処理が施されている。輝度成分と間引きされた色度成分は、以降、復号されるまでお互いに影響することなく独立して同じように処理される。
【0006】
離散コサイン変換(DCT)回路126は、ブロック化回路124からのブロック毎の画像データを離散コサイン変換する。その変換結果はDCT係数と呼ばれる。量子化回路128は、量子化テーブル130及びスケール・ファクタ132を参照して、DCT回路126の出力(DCT係数)を量子化する。量子化テーブル130は、ブロックと同じ8×8の数値データからなり、基本的には、高周波ほど値が大きい傾向を有している。画像の高周波成分は目立たないからである。スケール・ファクタ132は、量子化テーブル130と共に圧縮率を変化させる固有値係数である。この量子化テーブル130とスケール・ファクタ132の積でDCT係数を除算することで、高周波成分を縮小化する。
【0007】
量子化回路128による量子化によって高周波成分を縮小又は0とされたDCT係数は、その直流(DC)成分と交流(AC)成分とでは以降の処理が異なる。DC成分は、隣りのブロックとの相関が深いので、差分化回路134が、隣のブロックのDC成分との差を算出する。即ち、0付近に近づけることで、後の符号化効率を高める。AC成分については、ジグザグ・スキャンして低周波成分から高周波成分へと向かう順序に並べる。
【0008】
可変長符号化回路136が、差分化回路134から出力されるDC差分値と、ジグザグスキャンにより順序化されたAC成分をハフマン符号化及びランレングス符号化する。ハフマン符号化は、信号中の頻度の高い数値には短めの符号を、頻度の低い数値には長めの符号を付けることを基本とする圧縮方式である。ランレングス符号化は、同じ数値が符号として並んだ場合に、値とその個数に符号化する方法である。こうして圧縮された画像データが、一連のストリーム・データとして出力される。出力データは、量子化テーブル130及びスケール・ファクタ132の情報自体又はこの情報を特定するデータを含む。
【0009】
図21は、圧縮符号化装置120の概略構成ブロック図を示す。符号化の場合と同様に、その一部又は全部の機能はソフトウエアによっても実現できる。基本的に、図20で示す圧縮符号化装置とは逆の行程をたどることになる。可変長復号化回路138は、入力する圧縮画像データのハフマン符号及びランレングス符号を復号化する。DC再生回路140は可変長復号化回路138から出力されるDC差分値に隣のDC成分を加算する。可変長復号化回路138から出力されるAC成分は逆ジグザグスキャンにより二次元化され、DC再生回路140の出力と共に逆量子化回路142に印加される。
【0010】
逆量子化回路142は、符号化の際に使用されたのと同じ量子化テーブル144とスケール・ファクタ146の積を使って、DC成分及び63個のAC成分を逆量子化し、逆DCT回路148は逆量子化回路142の出力を逆DCT変換する。そして、ラスタ回路150が逆DCT回路148から出力されるブロック順の画像データを走査線順に変換して出力する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、イメージ・スキャナによって読み込まれる前の原稿画像は、電子写真方式、ドットインパクト方式、熱転写方式、インクジェット方式、オフセット印刷及び銀塩フィルム等、多岐にわたる画像出力方式によって出力又は形成されたものが用いられている。
【0012】
イメージ・スキャナから出力される画像信号は、各種記述言語によるベクトル画像データとは異なり、二次元配列の画素情報の集合体でありラスタ画像と呼ばれる。DTP(DeskTop Pub1ishing)作業等、コンピュータ内では画像データはしばしばベクトル・データとして扱うことができる。ベクトル画像は、図22に示すように拡大してもぼけることのない画像である。
【0013】
しかし、このベクトル画像も一旦、紙に印刷出力し、これを拡大すると、図23に示すように、エッジ部分がだれて、一般にボケと呼ばれるような画像品質の低下が見られる。通常、紙等に出力された原稿を画像読み取りする場合、図23に示すように、通紙方向(印刷の際の紙の通過方向)及び/又はこれに垂直な方向にボケが発生しやすい。図23では、通紙方向(縦方向)にボケが大きく、通紙方向と垂直な方向(横方向)にはボケが少なくなっている。画像出力装置によっては、ボケの大小が縦方向と横方向で逆になる場合もある。
【0014】
図23におけるA1−A2方向(縦方向)の画像濃度の変化を図24に示し、図23におけるB1−B2方向(横方向)の画像濃度の変化を図25に示す。図24及び図25共に、横軸は各方向の位置を示し、縦軸はマイクロ濃度計により測定した濃度出力を示す。縦方向では、図24に示すように、高濃度域のいわゆるダレと、低濃度域のいわゆる拡散が発生しており、結果として画像のボケが大きく、画像品質を低くしている。また、画像の周りには、時として急峻な濃度域を持つこともある。これは、インク又はトナーの飛び散り等によるノイズ成分が画像周りに形成されがちであるためである。これに対し、図25に示すように、横方向、即ち、通紙方向に垂直な方向では、濃度変化が急峻であるので、高精細であるといえる。
【0015】
このように、通紙方向とその垂直方向にみられる画像品質の異方性は、原稿画像を形成した画像出力装置に負うところが大きい。一般的に、画像出力装置が電子写真技術を使用した装置の場合、図23に示すように、通紙方向に画像品質が劣化しやすい。周知のごとく、電子写真装置では、像担持体及び定着ローラ等、シリンダ形状した構成要素により画像が形成されるので、シリンダの長手方向よりも回動方向にトナー像のブレ、飛び散り及び尾引き等を発生し易いからである。また、インクジェット方式の画像形成装置の場合、インク・カートリッジの主走査方向における紙へのインクの染み込みが滲みボケを発生させる。その他の画像形成装置でも同様に、通紙方向とその垂直方向に画像品質が異なることが多い。但し、銀塩写真フィルムでは、このような異方性は比較的少ない。
【0016】
このように、画像出力装置は必ずしも縦横方向に均一な画像品質を持っているわけではない。電子写真方式であれば、感光体、現像装置及び定着装置といった回動装置による画像のにじみを紙の挿通方向に自ずと有している。また、インクジェット方式でも、インクカートリッジの走査方向ににじみを発生しやすい。但し、銀塩フィルムは、縦横方向に比較的均一な画像品質を有している。
【0017】
これら以外の画像出力装置でも、一般に紙を移動させながら画像を印刷する方式では、縦横方向で画像品質が異なる場合が多い。銀塩フイルムを除けば、通常、イメージ・スキャナの読み取り分解能に比べ、画像出力装置による出力画像の現実的な出力分解能は劣る傾向があり、とりわけ、縦横方向の内の画像品質の悪い方向では、イメージ・スキャナの分解能と比べ数段劣化していることが多い。このため、イメージ・スキャナによる画像入力と画像出力装置による印刷出力を繰り返すと、画像品質は低下し続けることになる。
【0018】
一方、画像圧縮技術における圧縮率は、量子化テーブル及びスケール・ファクタにより変更できるが、従来、縦横の画像品質に合わせた最適化は行われていなかった。そのため、量子化テーブルによっては、必要な情報である周波数成分が縮小又は消去されたり、無用な情報である高周波成分を抱え込んで符号化してしまうといったバランスの悪い圧縮が行なわれることがあった。
【0019】
本発明は、このような問題点を解決する画像処理装置及び方法を提示することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像処理装置は、入力画像の縦方向及び横方向の画像品質を判定する画像処理装置であって、当該入力画像の少なくとも1つの領域で周波数特性を算出する周波数特性算出手段と、当該周波数特性算出手段により算出された縦方向の周波数成分について第1の周波数f0〜第2の周波数f1の領域の周波数成分の和Sv、及び横方向の周波数成分について第1の周波数f0〜第2の周波数f1の領域の周波数成分の和Shを演算し、該和Sv及び和Shを比較する周波数比較手段と、当該周波数比較手段の比較結果に従い当該入力画像の縦横方向の画像品質を判定する判定手段とからなることを特徴とする。
本発明に係る画像処理方法は、入力画像の縦方向及び横方向の画像品質を判定する画像処理方法であって、当該入力画像の少なくとも1つの領域で周波数特性を算出する周波数特性算出ステップと、当該周波数特性算出ステップで算出された縦方向の周波数成分について第1の周波数f0〜第2の周波数f1の領域の周波数成分の和Svを演算すると共に、当該周波数特性算出ステップで算出された横方向の周波数成分について第1の周波数f0〜第2の周波数f1の領域の周波数成分の和Shを演算する演算ステップと、当該演算ステップで得られた当該和Sv及び和Shを比較する比較ステップと、当該比較ステップの比較結果に従い当該入力画像の縦横方向の画像品質を判定する判定ステップとからなることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施例の概略構成ブロック図を示す。図1に示す実施例を説明する前に、本実施例における画像品質判定の原理を簡単に説明する。
【0023】
図2及び図3は、それぞれ、図24及び図25に示す濃度変化をフーリエ変換した結果を示す。横軸は周波数、縦軸は振幅である。図2及び図3の特性Aは、図23のA1−A2間及びB1−B2間の濃度をフーリエ変換した結果を示す。フーリエ変換の対象となる画像が図23に示すように1本の棒状になっていることから、周波数別にピークが生じている。ところが、一本の棒状の画像ではなく、多くの画像を含む所定範囲内での濃度をフーリエ変換し、規格化すると、特性Bに示すような変化になる。多くの画像を含むことで、画像内容によるピークは出現しなくなるが、他方で、高周波領域でのフーリエ係数が目立ってくる。前述したように、原稿画像に含まれる画像の飛び散り等により急峻なノイズ成分が現れることが、その原因である。このカーブの特性こそが、通紙方向とその垂直方向における画像品質を示すパラメータであり、図2に特性Bとして図示したように、周波数成分の中程度の領域のフーリエ係数が小さいと、画像品質が低いと判断してよいことがわかる。
【0024】
そこで本実施例では、イメージ・スキャナにより取り込んだ画像信号の所定範囲をサンプリングし、その所定範囲内で縦横の画像品質を判定し、判定結果により符号化条件を制御する。
【0025】
図1に示す実施例を説明する。イメージ・スキャナ10から出力される原稿画像信号を画像メモリ12に格納する。サンプリング装置14は、画像メモリ12に格納される画像信号の所定画像範囲をサンプリングし、FFT用画像メモリ16に供給する。本実施例では、サンプリング装置14は、2×2インチの範囲で合計6ヶ所、サンプリングする。サンプリング数を増やすと処理時間がかかり、サンプリング数を減らすと画像品質を正確に判定できなくなるので、両方のトレードオフとして、このように決定した。原稿による画像情報の有無及び偏重具合を考慮して、6箇所のサンプリングを実施する。
【0026】
イメージ・スキャナ10の読み込み条件を、1200画素/インチ、8ビット単色とすると、サンプリング装置14は、2400画素×2400画素の範囲を6箇所分、256階調で抽出する。抽出された画像情報は、一旦、FFT用画像メモリ16に格納される。
【0027】
FFT変換装置18は、FFT用画像メモリ16に格納される画像情報を高速フーリエ変換し、6つの周波数成分の和をDC成分で規格化する。なお、FFT変換装置18には、詳細な説明は省略するが、サンプリング領域がモノトーン画像のように画像情報が極端に少ない領域である場合には、その領域のFFT変換結果を無視するシーケンスが組み込まれている。統計処理装置20がFFT変換装置18のフーリエ変換係数を統計処理して画像の縦横での品質を判定する。
【0028】
図4は、サンプリング装置14から統計処理装置20までの部分の動作フローチャートを示す。前述したように、イメージ・スキャナ10により取り込まれた画像から、2×2インチの領域を6箇所、サンプリングし、FFT用画像メモリに格納する(S1)。
【0029】
次に、6箇所の各画像を高速フーリエ変換する(S2)。画像の情報量が十分かどうか調査し(S3)、情報量が十分である領域のフーリ変換係数のみを重ね合わせる(S4)。モノトーン画像では、画像の品質を算出出来ないので、モノトーン画像部分は画像品質の判定に使用しない。
【0030】
こうして得られたFFT係数の和を縦横方向について検討する。即ち、まず縦方向について、周波数fが第1の周波数f0以上で第2の周波数f1以下の領域のフーリエ変換係数の和を演算し、変数Svに代入する(S5)。Svが縦方向の品質を示す。同様に、横方向についても周波数fが第1の周波数f0以上で第2の周波数f1以下の領域のフーリエ係数の和を演算し、変数Shに代入する(S6)。Shは横方向の品質を示す。
【0031】
本実施例では、f0を150画素/インチ相当の周波数、f1を400画素/インチ相当の周波数としている。前述のように、イメージ・スキャナ10の読み取り解像度が1200画素/インチであるので、フーリエ変換後の最高周波数であるナイキスト周波数は、標本化周波数である1200画素/インチの半分の600画素/インチである。図2及び図3から、第1の周波数f0はナイキスト周波数の1/2〜1/5倍程度が望ましく、第2の周波数f1はナイキスト周波数の付近よりやや小さい方が良いことが分かる。換言すると、第1の周波数f0をイメージ・スキャナ10の読み取り解像度1200画素/インチの1/4〜1/10倍程度の周波数とし、第2の周波数f1をイメージ・スキャナ10の読み取り解像度1200画素/インチの1/2未満の周波数とすることで、正確な品質を判定できる。
【0032】
縦方向と横方向の品質係数Sv,SHの差△S(=Sv−Sh)を求め(S7)、ΔSの正負により縦横のどちらが品質が高いかを判定する(S8)。即ち、△Sが正のとき、すなわち、縦方向の品質係数Svが横方向の品質係数Shよりも高い時、縦方向の画像品質が高く、横方向の品質が相対的に低いと判断する。逆に△Sが負の場合は、縦方向の画像品質が低く、横方向の画像品質が高いと判断する。
【0033】
このように、本実施例では、比較的簡単な演算で縦方向と横方向の画像品質の良否を比較できる。
【0034】
図4のS3の詳細なフローチャートを図5に示す。まず縦方向について、周波数fがf0以下の領域の係数の和を演算してD1とする(S11)。D1を縦方向の画像情報係数と呼ぶ。同様に横方向についても、周波数fがf0以下の領域の係数の和を演算し、D2とする(S12)。D2を横方向の画像情報係数と呼ぶ。そして縦横の画像情報係数D1,D2について、それぞれ所定量以上あるか否かを判断し(S13,S14)、共に所定量以上あれば、注目する画像領域は十分な情報量を具備すると判定し、D1、D2のいずれかでも所定量未満の場合には、十分な情報を具備しないと判定する(S15)。
【0035】
このようにして、イメージ・スキャナ10の出力画像信号から、原稿の縦横の画像品質を判定できる。次に、この判定結果に従って符号化情報を適応的に制御して、イメージ・スキャナ10の出力画像信号を圧縮符号化する部分の構成と動作を説明する。
【0036】
ブロック化回路22は、画像メモリ12に記憶されるラスタ画像データを8画素×8画素からなるブロックに分割し、ブロック順に出力する。カラー画像の場合、画像信号を輝度成分と色度成分に分解した後、しばしば色度の間引きが行われるのは、従来例と同じである。輝度成分と間引きされた色度成分は、以降、復号されるまでお互いに影響することなく独立して同じように処理される。
【0037】
離散コサイン変換(DCT)回路24は、ブロック化回路22からのブロック毎の画像データを離散コサイン変換する。量子化回路26は、量子化テーブル28及びスケール・ファクタ30を参照して、DCT回路24の出力(DCT係数)を量子化する。本実施例では、量子化テーブル28の各値は、画像品質の判定結果(統計処理回路20の出力)に従って決定される。スケール・ファクタ30は従来例と同様に決定される。量子化回路26は、量子化テーブル28とスケール・ファクタ30の積でDCT係数を除算することで、DCT係数を量子化する。
【0038】
量子化回路26による量子化によって高周波成分を縮小又は0とされたDCT係数は、そのDC成分及びAC成分に分離されて、差分回路32及び可変長符号化回路34により従来例と同様に処理される。
【0039】
図6、図7及び図8は、量子化テーブル28の例を示す。このように3種類の量子化テーブルを用意し、それらの1つを統計処理装置20の判定結果により選択する。
【0040】
図6は、縦方向と横方向の品質係数Sv,Shの差△Sが0を挟んでそれほど大きな値ではない場合、即ち、縦横の品質が大きくかけ離れていない場合の量子化テーブルを示す。図7は、△Sが−aより小さい場合、即ち、縦方向の品質劣化が横方向よりもある程度大きい場合を示し、図8は、△Sがaより大きい場合、即ち、横方向の品質劣化が縦方向よりもある程度大きい場合を示す。
【0041】
図6、図7及び図8において、テーブルの第1行のA,B,C,D,E,F,G,Hは横方向のテーブル位置を示し、第1列の1,2,3,4,5,6,7,8は縦方向のテーブル位置を示す。テーブルの要素は、便宜上、(横位置,縦位置)で表現する。(A,1)、(B,1)、(C,1)、(D,1)、(E,1)、(F,1)、(G,1)、(H,1)、(A,2)、(B,2)、(C,2)、・・・、(F,8)、(G,8)及び(H,8)の64個の要素からなる。(A,1)は、DCT係数のDC成分に対応するテーブル要素となる。横方向では、テーブルの右側、縦方向ではテーブルの下側ほど、DCT係数のより高い周波数成分に対応するテーブル要素となる。
【0042】
図6では、縦横方向の画像品質に差が少ないので、一般的な量子化テーブルを用いている。図6に示す量子化テーブルは、基本的には、高周波成分に対応する要素ほど値が大きくので、量子化により、高い周波数のDCT係数ほど、小さい値になる。値が小さくなると、後段のハフマン符号化及びランレングス符号化による圧縮効率が向上する。
【0043】
図7に示す量子化テーブルでは、横方向における要素の値増加率に比べ、縦方向における各要素の値増加率が大きく、かつまた、縦方向のより高い周波数成分に対応する要素ほど、より大きな値に設定されている。縦方向の要素が大きく設定されているので、対応するDCT係数は横方向よりも小さくなるように量子化され、従って、ハフマン符号化及びランレングス符号化の圧縮効率を高くなる。もともと、縦方向の画像品質が横方向よりも悪い画像であるから、縦方向の圧縮効率を高めても支障無い。
【0044】
図8に示す量子化テーブルでは、図7とは逆に、縦方向における各要素の値の増加率に比べ、横方向における各要素の値増加率が大きく、かつまた、横方向のより高い周波数成分に対応する要素ほど、より大きな値に設定されている。このような量子化テーブルを使用することにより、横方向の圧縮効率を高くすることができる。
【0045】
図1に示す実施例では、スケール・ファクタ30の値は一定として、量子化テーブル28を画像品質の判定結果により調整又は変更しているが、逆に、量子化テーブル28を1種類とし、画像品質の判定結果によりスケール・ファクタ30を複数の一次元配列から選択するようにしても、同様の作用効果を得られることは明らかである。
【0046】
本実施例の圧縮効率と画質を実際の画像で確認してみた。原稿画像は、DTP作業で作成したベクトル画像を電子写真方式のプリンタで出力したA4サイズの画像である。顕微鏡等で原稿画像を拡大すると、通紙方向の画像劣化を確認できた。この原稿画像を、縦横共1200DPIでイメージ・スキャナにより読み取った元画像は、約130MBのデータ量であった。これを単一の量子化テーブルを持つ従来例では約1/27に圧縮できたのに対し、本実施例では、図7又は図8に示す量子化テーブルを使用することにより約1/45に圧縮できた。
【0047】
このように圧縮した画像を伸長し、CRTディスプレイ上に表示して、画質を主観的に評価した。最終的に画像を評価するのは人であり、JPEG圧縮方式は、人の眼の周波数特性を利用している点で、むしろ好ましい評価方法である。CRTディスプレイ上で、倍率を変えずに確認すると、元画像、従来例の圧縮方法の画像及び本実施例の圧縮方法の画像間で有為な差が認められなかった。CRTディスプレイ上で5倍に拡大すると、元画像に比べ、従来例による画像及び本実施例による画像共に高周波成分が縮小される分、ややボケが認められたが、従来例と本実施例との間に有為な差は認められなかった。より高い倍率では、本実施例の画像の圧縮率が従来例よりも高いので、画像の劣化が従来例よりも顕著になると想像されるが、そもそも人が目視で、すなわち1倍で確認する分には何ら差が無いことが確認されたといえる。
【0048】
量子化テーブルの全体的な値が図6より図7及び図8の方が大きいので、図7又は図8に示す量子化テーブルを使用したほうが図6に示す量子化テーブルを使用するよりも高い圧縮率を達成できることは容易に想像される。しかし本実施例では、8画素×8画素の1ブロックではなく、原稿画像の全体から原稿画像全体の縦横の画像品質を判別している。そして、本実施例では、縦横の画像品質から相対的に劣化している方向の画像品質は、より高い圧縮率でも、目視観察の範囲では、伸長後の画像の画像品質にほとんど影響しないことに着目している。図2及び図3に示したように、劣化した原稿画像には高周波成分が多く含まれている。この高周波成分の多くが画像劣化によるノイズであるので、むしろこれを保持しないことが、圧縮率の向上と同時に、伸長した画像の品質を高めることにもつながる。即ち、画質を高めることにつながる。
【0049】
本実施例では、縦横の画像品質及びそれに対応する量子化テーブルを3種類用意したが、本発明は、3種類の量子化テーブルに限定されるものではなく、2種類又は4種類以上でも差し支えない。また、量子化テーブル28の図6、図7及び図8に示す数値例に限定されるものではなく、あくまで縦横方向の画像品質に応じて縦横の量子化テーブルを調整したものであればよい。
【0050】
更には、スケール・ファクタ30を、縦横の画像品質の判定結果に応じて変更するようにしてもよい。例えば、量子化回路26で実際に適用するスケール・ファクタを、変数Sに定数Cを乗算したものとする。そして、△S≦0のときS=Sh、△S>0のときS=Svとする。定数Cは経験的に又は実験で定める。Sは、縦横方向の画像品質のうち、劣化していない方向の品質係数である。劣化していない方向の品質係数を用いることで、必要以上にスケール・ファクタを大きくすることがなく、従って、必要な情報を無くすほどに圧縮率を高めてしまうことが無い。縦横方向ともに画像が劣化している場合には、スケール・ファクタをある程度大きくすることが可能となり、量子化による圧縮効率が向上する。
【0051】
縦横方向で画像品質の異なる2種類の原稿画像について実際に、本実施例の効果を確認してみた。表1に示すように、縦横共に劣化の少ない原稿画像に対しては、単一の量子化テーブルを使用する従来例、縦横の画像品質に従い図6、図7及び図8に示す量子化テーブルを選択する実施例、及び、スケール・ファクタを品質係数で変調する実施例のどれでも、約1/22の圧縮率であったものが、縦横の何れか一方が他方よりも大きく劣化している原稿画像に対しては、それぞれ、約1/27、約1/45及び約1/45の圧縮率であり、縦横共に劣化している原稿画像に対しては、それぞれ約1/33、約1/56、約1/56であった。劣化が多くなるに従い圧縮率が上昇するのは、原稿画像が劣化するに従い、1ブロック内の高周波成分が少なくなるので、量子化後のDCT係数が0に近づきがちになるからである。
【0052】
【表1】
【0053】
画像品質の判定結果により適用する量子化テーブルを選択する実施例では、原稿画像の縦横方向のどちらかに劣化を生じている場合に、量子化テーブルを変更するので、この時のみ圧縮率が高まる。スケール・ファクタを品質係数で変調する実施例では、量子化後のデータが0に近づきやすくなるので、さらに圧縮率が高くなる。
【0054】
次に、ジグザグスキャン時に、原稿画像の縦横方向の画像品質に応じた変調を施すことで、圧縮率を高める実施例を説明する。図9は、その実施例の圧縮符号化装置の概略構成ブロック図を示す。ジグザグスキャン時の処理以外は、図1に示す実施例と同じである。
【0055】
ブロック化回路40は、画像メモリ12に記憶されるラスタ画像データを8画素×8画素からなるブロックに分割し、ブロック順に出力する。カラー画像の場合の処理は、図1の場合及び従来例と同じである。
【0056】
DCT回路42は、ブロック化回路40からのブロック毎の画像データを離散コサイン変換する。量子化回路44は、量子化テーブル46及びスケール・ファクタ48を参照して、DCT回路42の出力(DCT係数)を量子化する。量子化されたDCT係数のDC成分は、差分回路50に印加されて、隣のブロックのDC成分との差に変換されて可変長符号化回路54に供給される。AC成分については、ジグザグスキャン順序設定回路52が、量子化されたDCT係数のジグザグ・スキャン順序を、縦横の画像品質(統計処理装置20の出力)に従って設定し、量子化回路44は、設定されたジグザグ・スキャン順序でDCT係数のAC成分を可変長符号化回路54に供給する。
【0057】
図10、図11及び図12は、本実施例で選択可能なジグザグ・スキャンのパターンを示す。図10は、縦方向と横方向の品質係数Sv,Shの差△Sが−a以上でa以下の場合、即ち、0を挟んでそれほど大きな値ではなく、縦横の品質が大きくかけ離れていない場合のジグザグスキャンの順序を示す。図11は、△Sが−aより小さく、従って縦方向の品質劣化が横方向よりも顕著である場合を示し、図12は、△Sがaより大きく、従って、横方向の品質劣化が縦方向よりも顕著である場合をそれぞれ示している。図10、図11及び図12で、(a)は、8行8列の行列要素の読み出し順序を1〜63の数値で示し、同(b)はスキャン・パターンの模式図を示す。
【0058】
図10、図11及び図12の(a)で左上の(A,1)はDC成分になるので、ジグザグ・スキャンの対象にはならない。先に説明したように、横方向では、この行列の右側ほど周波数が高くなり、縦方向では下側ほど周波数が高くなる。
【0059】
図10は、一般的に採用されるジグザグ・スキャンであり、基本的に縦横に偏重することなく、低周波成分から高周波成分に向かって順番に読み出すような順序になっている。量子化テーブル及びスケールファクタで除算されたDCT係数は、量子化テーブルの構成上、高周波成分が0になるか、又は0に近づくので、高周波側ほど0が並ぶことになる。このため、ジグザグスキャンの後半、すなわち行列の右下側では0が並ぶことになり、後のハフマン符号化及びランレングス符号化時において高効率な圧縮を期待できる。
【0060】
縦方向の画像品質が所定量以上劣化している場合、図11に示すスキャン・パターンを採用する。このパターンでは、比較的横方向を優先してジグザグ・スキャンする。このようにすると、縦方向の高周波成分の多くが0の場合に0の並びが続きやすくなり、ハフマン符号化及びランレングス符号化における圧縮率が向上する。
【0061】
逆に横方向の画像品質が所定量以上劣化している場合には、図12に示すスキャン・パターンを採用する。このスキャン・パターンでは、比較的縦方向を優先してジグザグ・スキャンする。このようにすると、横方向の高周波成分の多くが0の場合に0の並び続きやすくなり、ハフマン符号化及びランレングス符号化における圧縮率が向上する。
【0062】
どのジグザグ・スキャンを採用したかを示す情報は、圧縮画像データを搬送するストリーム・データのヘッダ情報などに含めて、一緒に伝送される。
【0063】
縦横の画像品質によりスケール・ファクタを変調する実施例、縦横の画像品質によりジグザグ・スキャンのパターンを調整する実施例、及びこれらを両方利用した実施例の、3種類の実施例を従来例と比較してみた。原稿画像は、DTP作業で作成したベクトル画像を電子写真方式のプリンタで出力したA4サイズの画像である。顕微鏡等で原稿画像を拡大すると、通紙方向の画像劣化をしていることが確認できた。この原稿画像を縦横共1200DPIで読み取った元画像は、画像メモリ上で約130MBであった。これを、図10のスキャン・パターンの従来例で圧縮したところ、1/27に圧縮できた。縦横の画像品質によりスケール・ファクタを変調する実施例では約1/45に圧縮でき、縦横の画像品質によりジグザグ・スキャンのパターンを調整する実施例では約1/35に圧縮できた。縦横の画像品質によりスケール・ファクタとジグザグ・スキャン・パターンの両方を選択又は調整する実施例では、約1/56に圧縮できた。
【0064】
縦横の画像品質により量子化テーブルを選択する技術と組み合わせることも可能であり、そのようにすることで、より一層の圧縮率の改善を期待できる。
【0065】
図13は、二次元ラスタ画像を扱う画像処理装置に関する本発明の実施例の概略構成ブロック図を示す。図1と同じ構成要素には同じ符号を付してある。
【0066】
イメージ・スキャナ10により取り込んだ画像データを画像メモリ12に格納し、サンプリング装置14、FFT用画像メモリ、FFT変換装置及び周波数成分統計処理装置20により、サンプリングした画像を高速フーリエ変換して縦横方向の画像品質を判定するのは、図1と同じである。
【0067】
圧縮符号化装置60は、例えば、図1のブロック化回路22乃至可変長符号化回路34からなり、縦横の画像品質に従って、画像メモリ12の画像データを圧縮符号化する。圧縮された画像データは、記憶装置62に記憶され、また、送受信装置64におり遠隔地に送信される。圧縮符号化装置66は、記憶装置62又は送受信装置64からの圧縮画像データを伸長して、画像メモリ12に格納する。
【0068】
画像メモリ12に格納される画像データは、画像出力(表示及び印刷など)のために読み出され、エッジ処理装置68を介して、又は、スムージング処理装置70及びエッジ処理装置68を介して画像出力装置72に供給される。エッジ処理装置68とスムージング処理装置70は共に、縦横の画像品質の判定結果を参照して、エッジを処理し、スムージングする。画像出力装置72は例えば、プリンタ、CRTディスプレイ及び液晶表示パネルなどである。
【0069】
圧縮符号化装置66により復元された画像データは、既に縦横の画像品質が考慮されているので、スムージング処理装置70を経る必要が無く、従って、エッジ処理装置68によるエッジ処理のみで画像出力装置72に印加される。他方、イメージ・スキャナ10から取り込まれただけの画像を画像出力する場合には、スムージング処理装置70でその画像を一部変調した後、エッジ処理装置68でエッジ処理して画像出力装置72に供給する。
【0070】
スムージング処理装置70は、図14に示すように、着目画素M(x,y)について畳み込み演算によるフィルタ処理を施す。ここで横方向をx軸、縦方向をy軸とし、縦横方向の位置を(x,y)で表現する。フィルタ処理は、一般にオペレータPと呼ばれる一次元又は二次元の配列と着目画素M(x,y)及びその周辺の画素との間の畳み込み演算で実現される。変換後の画素値をm(x,y)とする。スムージング処理装置70では、このオペレータPを縦横の画像品質に従って変調する。
【0071】
図15は、スムージング処理装置70のオペレータPの例を示す。図15(a)〜(c)は縦方向のオペレータを示し、図15(d)〜(f)は横方向のオペレータを示す。縦方向のオペレータは、画像品質Svによって変更され、横方向のオペレータは画像品質Shによって変更される。各オペレータの要素内の数値は、着目画素周辺の画素との畳み込み演算における重み係数である。オペレータの大きさによって、着目画素の隣り合う画素の数が変わり、スムージングの強さが変更される。
【0072】
図15(a)は、縦方向の画像品質Svが所定値b1未満の場合、図15(b)は所定値b1以上、所定値b0未満の場合、図15(c)は所定値b0以上の場合をそれぞれ示す。所定値b1及びb0は、いうまでもなくb1<b0の関係があり、品質係数を割り振る閾値である。たとえば、縦方向の画像品質Svの値が小さい場合、即ち、縦方向の画像が著しく劣化しているような場合には、図15(a)に示すような大きなオペレータが用いられ、強いスムージングが施される。逆に縦方向の画像品質Svの値が大きい場合、即ち、縦方向の画像の劣化が少ない場合には、図15(c)に示すように1つの要素しかなく、事実上スムージング処理は実行されない。
【0073】
横方向についても同様であり、図15(d),(e),(f)に示すように3種類のオペレータが用意され、横方向の画像品質Shに応じて適用すべきオペレータPを変更する。
【0074】
縦横方向のオペレータによるスムージングは縦横それぞれについて個別に実行される。着目画素M(x,y)と変換画素m(x,y)の関係は、次式で表現される。即ち、縦方向について、Sv<b1の場合、
m(x,y)=(M(x,y−2)×1+M(x,y−1)×2+M(x,y)×3+M(x,y+1)×2+M(x,y+2)×1)/9
b1≦Sv<b0の場合、
m(x,y)=(M(x,y−1)×1+M(x,y)×2+M(x,y+1)×1)/4
b0<S1の場合、
m(x,y)=M(x,y)
である。
【0075】
横方向について、Sh<b1の場合、
m(x,y)=M(x−2,y)×1+M(x−1,y)×2+M(x,y)×3+M(x+1,y)×2+M(x+2,y)×1)/9
b1≦S2<b0の場合、
m(x,y)=M(x−1,y)×1+M(x,y)×2+M(x+1,y)×1)/4
b0<S2の場合、
m(x,y)=M(x,y)
である。
【0076】
エッジ処理装置68の機能を説明する。エッジ処理装置68は、縦横の画像品質に従うフィルタ処理により高周波成分を変調する。図16は、エッジ処理装置68におけるオペレータの数値例を示す。図16(a),(b),(c)は縦方向のオペレータ、図16(d),(e),(f)は横方向のオペレータをそrてぞれ示す。縦方向のオペレータは、画像品質係数Svによって分けられ、横方向のオペレータは、画像品質係数Shによって分けられている。図16で、各オペレータの要素内の数値は、着目画素周辺の画素との畳み込み演算に使用される重み係数である。オペレータの大きさによって、着目画素の隣り合う画素の数がかわり、エッジ処理の強さが変更される。
【0077】
図16(a)は、縦方向の画像品質Svが所定値b1未満の場合、図16(b)は所定値b1以上、所定値b0未満の場合、図16(c)は、所定値b0以上の場合をそれぞれ示す。例えば、縦方向の画像品質Svの値が小さい場合、即ち縦方向の画像品質が著しく劣化しているような場合には、図16(a)に示すような大きなオペレータでエッジ処理が行なわれる。逆に縦方向の画像品質Svの値が大きい場合、即ち、縦方向の画像の劣化が少ない場合には、図16(c)に示すように1つの要素しかないオペレータ使用され、事実上エッジ処理は実行されない。
【0078】
横方向についても同様であり、図16(d),(e),(f)に示すように3種類のオペレータが用意され、横方向の画像品質Shに応じて適用すべきオペレータQを変更する。
【0079】
縦横方向のオペレータによるエッジ処理は縦横それぞれについて個別に実行される。着目画素N(x,y)と変換画素n(x,y)の関係は、次式で表現される。即ち、縦方向について、Sv<b1の場合、
n(x,y)=N(x,y−2)×(−2)十N(x,y−1)×1+N(x,y)×3+N(x,y+1)×1+N(x,y+2)×(−2)
b1≦Sv<b0の場合、
n(x,y)=N(x,y−1)X(−1)十N(x,y)×3+N(x,y+1)×(−1)
b0<Svの場合、
n(x,y)=N(x,y)
である。
【0080】
横方向について、Sh<b1の場合、
n(x,y)=N(x−2,y)×(−2)十N(x−1,y)×1+N(x,y)×3+N(x+1,y)×1+N(x+2,y)×(−2)
b1≦Sh<b0の場合、
n(x,y)=(N(x−1,y)×(−1)十N(x,y)×3+N(x+1,y)×(−1)
b0<S2の場合、
n(x,y)=N(x,y)
である。
【0081】
なお、エッジ処理による変換画素の値が8ビット表記よりオーバーしないように負の場合は0に、256以上の値になる場合は255にしていることはもちろんである。
【0082】
装置70,68によるエッジ処理及びスムージング処理の効果を実際の画像で確認してみた。その結果を図17に示す。スムージング処理1は、図15(b)又は(e)に示すオペレータを使用したスムージング処理であり、エッジ処理1は、図16(b)又は同(e)に示すオペレータを用いたエッジ処理である。同様にスムージング処理2は、図15(a)又は同(d)に示すオペレータを用いたスムージング処理で、エッジ処理2は図16(a)又は同(d)に示すオペレータを使用したエッジ処理である。図17に示す表は、各処理における周波数別のフィルタ効果を示している。
【0083】
本実施例では、1200画素/インチで画像をサンプリングしているので、低周波領域を150画素/インチ以下、中周波領域を300画素/インチ付近、高周波領域を600画素/インチまでの領域としている。各領域でスムージング処理装置70による縮小具合と、エッジ処理装置68による拡大具合は図17に示すような傾向を有している。画像劣化が中程度の場合、高周波領域の原稿画像はそもそも画像信号として有効ではなく、スムージング処理1で縮小している。その分、中周波数領域を中心にエッジを強調することで、見た目の画質を補償できる。また、画像劣化が著しい場合は、スムージング処理2により高周波領域の大部分が縮小する。画像劣化が著しい場合には、先に説明したように、画像の広範囲内で本来値が小さい傾向にあり、大きな値はその信憑性が疑われるからである。エッジ処理2によって低周波領域のエッジを強調して、見た目の画質を改善できる。
【0084】
なお、図13に示す実施例では、画像メモり12に記憶される画像データが、圧縮符号化装置66におり復元されたものである場合、既に圧縮行程で画像がスムージング処理され、かつ縦横方向の画像品質に応じた周波数領域毎の縮小も実施されているので、改めてスムージング処理装置70によるスムージング処理を実行する必要性は少ない。従って、この場合は、エッジ処理装置68によるエッジ処理のみで十分である。
【0085】
図18は、図13に示す実施例におけるエッジ処理による画質(主観評価)の変化を示しており、イメージ・スキャナ10の読み取り画像と、画像出力装置72により紙に出力した画像との間で画質を評価したものである。ここでは、紙に出力した画像を改めて原稿画像としてイメージ・スキャナ10で読み取り、画像出力装置72で出力するということを繰り返したものも同時に表記した。実際の使用では、このように読み取りと出力を繰り返し行うことがしばしば起こり得るからである。画質は、1倍の肉眼観察と、出力紙上の画像を5倍ルーペで見る拡大観察の両方で評価した。
【0086】
元々の原稿は、通常の印刷装置により紙に出力したもので、20倍以上の顕微鏡等で確認すると、縦方向に画像品質が劣化しているものである。この原稿をイメージ・スキャナ10で読み取り、画像形成装置72により出力すると、肉眼による1倍の評価では、従来例でも本実施例でも、縦横方向とも画像の劣化を確認できなかった。しかし、ルーぺで5倍に拡大して観察すると、従来例では縦方向に画像の劣化が見られた。これは、元々の原稿が持っていた微少な画像劣化が画像形成装置72による再出力で増幅したためと考えられる。これに対し、本実施例では、スムージング処理装置70で縦方向の余分な劣化を一時的に削除し、かつエッジ処理装置68により画像信号の濃度変動をシャープ化しているので、従来例に比べ劣化しづらく、既存の劣化も効果的に補償できる。
【0087】
さらにイメージ・スキャナ10による読み取りと画像形成装置72による出力を5回繰り返すと、従来例では、肉眼による1倍観察でも縦方向の画像劣化が確認できるようになる。5倍に拡大すると明らかに劣化が著しいことがわかった。ところが本実施例では、肉眼の1倍観察でも劣化が少なく、5倍に拡大しても劣化が目立たずかつ縦横の劣化の差もほとんどない画像を得ることができた。
【0088】
なお、スムージング処理装置70及びエッジ処理装置68で用いるオペレータの個数及び各係数の大きさは、スムージング処理とエッジ処理を画像品質に応じて適切に実行できるものならば、その個数及び各係数の大きさは、上記例に限定されない。
【0089】
上記各実施例は、その一部又は全部をソフトウエア又はハードウエアで実現できることは明らかである。
【0090】
【発明の効果】
以上の説明から容易に理解できるように、本発明によれば、画像の縦横方向の画像品質を判定できる。この縦横方向の画像品質を考慮して画像情報を圧縮符号化することで、画質を実質的に低下させずに高い圧縮率を達成できる。例えば、縦横方向の画像品質に応じて量子化テーブル、スケール・ファクタ及び/又はジグザグスキャンの読み取り順序を変更する。
【0091】
また、画像出力装置に出力する場合にも、スムージング及びエッジ処理等の前処理で縦横方向の画像品質に応じた処理を施すことにより、画像劣化を目立たせ無くすることができる。例えば、画像読み取りと画像出力を繰り返し行なっても、画像劣化が目立たないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。
【図2】 図24に示す濃度変化をフーリエ変換した結果である。
【図3】 図25に示す濃度変化をフーリエ変換した結果である。
【図4】 サンプリング装置14から統計処理装置20までの部分の動作フローチャートである。
【図5】 図4のS3の詳細なフローチャートである。
【図6】 縦方向と横方向の品質係数Sv,Shの差△Sが0を挟んでそれほど大きな値ではない場合の量子化テーブル28の一例である。
【図7】 縦方向の品質劣化が横方向よりもある程度大きい場合の量子化テーブル28の一例である。
【図8】 横方向の品質劣化が縦方向よりもある程度大きい場合の量子化テーブルの一例である。
【図9】 ジグザグスキャン時に原稿画像の縦横方向の画像品質に応じた変調を施す圧縮符号化装置の概略構成ブロック図である。
【図10】 縦方向と横方向の品質係数Sv,Shの差△Sが0を挟んでそれほど大きな値ではない場合のジグザグ・スキャンの順序を示す。
【図11】 縦方向の品質劣化が横方向よりも顕著である場合のジグザグ・スキャンの順序を示す。
【図12】 横方向の品質劣化が縦方向よりも顕著である場合のジグザグ・スキャンの順序を示す。
【図13】 二次元ラスタ画像を扱う画像処理装置に関する本発明の実施例の概略構成ブロック図である。
【図14】 スムージング処理装置70の処理の説明図である。
【図15】 スムージング処理装置70のオペレータPの例である。
【図16】 エッジ処理装置68におけるオペレータの数値例である。
【図17】 装置70,68によるエッジ処理及びスムージング処理の効果の確認結果である。
【図18】 図13に示す実施例におけるエッジ処理による画質(主観評価)の変化である。
【図19】 画像の入力から出力までの一般的なシステムの概略構成ブロック図である。
【図20】 圧縮符号化装置114の概略構成ブロック図である。
【図21】 圧縮符号化装置120の概略構成ブロック図である。
【図22】 ベクトル画像の一例である。
【図23】 印刷画像の一例の拡大図である。
【図24】 図23におけるA1−A2方向(縦方向)の画像濃度の変化である。
【図25】 図23におけるB1−B2方向(横方向)の画像濃度の変化である。
【符号の説明】
10:イメージ・スキャナ
12:画像メモリ
14:サンプリング装置
16:FFT用画像メモリ
18:FFT変換装置
20:統計処理装置
22:ブロック化回路
24:離散コサイン変換(DCT)回路
26:量子化回路
28:量子化テーブル
30:スケール・ファクタ
32:差分回路
34:可変長符号化回路
40:ブロック化回路
42:DCT回路
44:量子化回路
46:量子化テーブル
48:スケール・ファクタ
50:差分回路
52:ジグザグ・スキャン順序設定回路
54:可変長符号化回路
60:圧縮符号化装置
62:記憶装置
64:送受信装置
66:圧縮符号化装置
68:エッジ処理装置
70:スムージング処理装置
72:画像出力装置
110:イメージ・スキャナ
112:画像メモリ
114:圧縮符号化装置
116:記憶装置
118:送受信装置
120:圧縮符号化装置
122:画像出力装置
124:ブロック化回路
126:離散コサイン変換(DCT)回路
128:量子化回路
130:量子化テーブル
132:スケール・ファクタ
134:差分化回路
136:可変長符号化回路
138:可変長復号化回路
140:DC再生回路
142:逆量子化回路
142に印加される。
144:量子化テーブル
146:スケール・ファクタ
148:逆DCT回路
150:ラスタ回路
Claims (11)
- 入力画像の縦方向及び横方向の画像品質を判定する画像処理装置であって、
当該入力画像の少なくとも1つの領域で周波数特性を算出する周波数特性算出手段と、
当該周波数特性算出手段により算出された縦方向の周波数成分について第1の周波数f0〜第2の周波数f1の領域の周波数成分の和Sv、及び横方向の周波数成分について第1の周波数f0〜第2の周波数f1の領域の周波数成分の和Shを演算し、該和Sv及び和Shを比較する周波数比較手段と、
当該周波数比較手段の比較結果に従い当該入力画像の縦横方向の画像品質を判定する判定手段
とからなることを特徴とする画像処理装置。 - 当該第1の周波数が当該入力画像の画像ソースの解像度の1/4乃至1/10倍の周波数であり、当該第2の周波数が当該画像ソースの解像度の1/2未満の周波数である請求項1に記載の画像処理装置。
- 更に、当該判定手段の判定結果に応じた圧縮条件で、当該入力画像を圧縮符号化する圧縮符号化手段を具備する請求項1に記載の画像処理装置。
- 当該圧縮符号化手段が量子化手段を含み、当該量子化手段の量子化テーブルが、当該判定手段の判定結果に応じて選定される請求項3に記載の画像処理装置。
- 画像品質が低下している方向ほど当該量子化テーブルの値を大きくする請求項4に記載の画像処理装置。
- 当該圧縮符号化手段が量子化手段を含み、当該量子化手段のスケール・ファクタが、当該判定手段の判定結果に応じて選定される請求項3に記載の画像処理装置。
- 画像品質が高い方向の周波数成分に従って当該スケール・ファクタを決定する請求項6に記載の画像処理装置。
- 更に、当該判定手段の判定結果に応じた圧縮条件で、当該入力画像を圧縮符号化するJPEG方式の圧縮符号化手段を具備し、当該判定手段の判定結果に応じてジグザグ・スキャンの順序を選定する請求項1に記載の画像処理装置。
- 画像品質の高い方向で、当該ジグザク・スキャンの順序を優先する請求項8に記載の画像処理装置。
- 更に、出力すべき画像の周波数成分を、当該判定手段の出力に従い増減する処理手段を具備する請求項1乃至9の何れか1項に記載の画像処理装置
- 入力画像の縦方向及び横方向の画像品質を判定する画像処理方法であって、
当該入力画像の少なくとも1つの領域で周波数特性を算出する周波数特性算出ステップと、
当該周波数特性算出ステップで算出された縦方向の周波数成分について第1の周波数f0〜第2の周波数f1の領域の周波数成分の和Svを演算すると共に、当該周波数特性算出ステップで算出された横方向の周波数成分について第1の周波数f0〜第2の周波数f1の領域の周波数成分の和Shを演算する演算ステップと、
当該演算ステップで得られた当該和Sv及び和Shを比較する比較ステップと、
当該比較ステップの比較結果に従い当該入力画像の縦横方向の画像品質を判定する判定 ステップ
とからなることを特徴とする画像処理方法。
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