JP3732133B2 - ソーラーハウス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽熱で床暖房を行わせるようにしたソーラーハウスに関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の床下に床暖用蓄熱材たる蓄熱コンクリートを設置し、太陽熱を熱源とする加熱手段でその蓄熱コンクリートを暖めて床暖房を行うようにしたソーラーハウスがある。このようなソーラーハウスの一例は実願昭58−10357号(実開昭59−116709号)のマイクロフィルムに記載されているのであって、屋根に設置した太陽熱の集熱器で熱媒体を暖め、この熱媒体を集熱器と床下の間で循環させることにより蓄熱コンクリートを暖める。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記ソーラーハウスは、昼間蓄熱材に蓄えた太陽熱を夜間に放出して24時間暖房を行うものであるが、蓄熱材の蓄熱量には限界があるため、冷え込みが厳しい日の朝方になると蓄熱材の熱量が不足し、その不足分を補うために床暖用補助ボイラーが作動する。
【0004】
ところが、従来は床暖用補助ボイラーで蓄熱材を暖めつつ床暖房を行うことになり、蓄熱材の温度が一定以下に下がらないシステムになっている。このことは蓄熱材の容量の一部が常に蓄熱状態になっていてその分太陽熱の蓄熱容量が減少していることを意味する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載したように、太陽熱で熱媒体を加熱する集熱器と、床下に設けた蓄熱材と、蓄熱材の内部を通る放熱パイプとを有し、集熱器と放熱パイプの間で熱媒体を循環させて床暖房を行わせるようにしたソーラーハウスにおいて、前記蓄熱材を上下二層に分けると共に前記放熱パイプを下の層に通して主として下の層で蓄熱させるようになし、一方、上の層に第二の放熱パイプを通してその放熱パイプに床暖用補助ボイラーを接続し、該床暖用補助ボイラーで熱媒体を加熱して第二の放熱パイプに流すようにしたソーラーハウスを提供する。
【0006】
また、請求項2に記載したように、太陽熱で熱媒体を加熱する集熱器と、床下に設けた蓄熱材と、蓄熱材の内部を通る放熱パイプとを有し、集熱器と放熱パイプの間で熱媒体を循環させて床暖房を行わせるようにしたソーラーハウスにおいて、前記蓄熱材と床材の間に空間を形成し、その空間に第二の放熱パイプを通して当該放熱パイプに床暖用補助ボイラーを接続し、該床暖用補助ボイラーで熱媒体を加熱して第二の放熱パイプに流すようにしたソーラーハウスを提供する。
【0007】
また、請求項3に記載したように、請求項1又は2に記載の第二の放熱パイプに、床暖用補助ボイラーに加えて前記集熱器をも接続してなるソーラーハウスを提供する。
【0008】
床暖用補助ボイラーで暖めた熱媒体が床材の近くを通るため、殆どのエネルギーが効率的に床暖房に使用され、その間も下の層からの放熱が続いて蓄熱可能な容量が増大する。従って集熱器で集めた太陽熱が下の層により多く蓄熱される。
【0009】
【発明の実施の形態】
ソーラーハウス1は、屋根2に設置した集熱器3と、床下のスペース4に設けた蓄熱材5と、蓄熱材5中に張り巡らせた放熱パイプ6と、床暖用補助ボイラー7と、貯湯タンク8と、給湯用補助ボイラー9と、熱媒体(本例では不凍液)を循環させるポンプユニット10で暖房システムを構成する。
【0010】
【暖房システム】
そこで先ず本発明の暖房システムの詳細を図2の回路図により説明する。熱媒体が循環する経路は、集熱器3と蓄熱材5(正しくは放熱パイプ6であるが、便宜上「蓄熱材」という。)を循環する太陽熱暖房経路Xと、床暖用補助ボイラー7と蓄熱材5を循環する補助暖房経路Yと、集熱器3と貯湯タンク8内の熱交換器11を循環する給湯経路Zに分けられる。但し、太陽熱暖房経路Xは蓄熱材5から集熱器3に戻る途中に貯湯タンク8の熱交換器11を経由するようになっている。
【0011】
全経路内には三個のポンプP1〜P3と、五個の電磁弁V1〜V5と、三個の温度センサーS1〜S3が設けられており、これらの全要素を制御装置(図示せず)に接続して前記三経路X,Y,Zを切替制御する。なお、回路図中、符号12は熱媒体を貯める貯液タンクであり、暖房システム停止時に集熱器3の熱媒体をその貯液タンク12に貯める。そうすることにより夏期における熱媒体の沸騰を防止し、また、冬期における凍結を防止する。また、符号120は前記貯液タンク12に接続された熱媒体補充用のパイプである。
【0012】
この暖房システムは、太陽熱暖房経路Xによる太陽熱暖房モードと、補助暖房経路Yによる補助暖房モードと、給湯経路Zによる給湯モードと、全経路を閉じる停止モードを有し、それら各運転モードは次表に示すポンプP1〜P3と、電磁弁V1〜V5のON・OFFの組み合わせにより切り替えられる。なお、各運転モードは温度センサーS1〜S3の検出値と制御装置に組み込まれた設定値との比較で選択されるが、基本的には、太陽熱で床暖房が可能なときは太陽熱暖房モードが、太陽熱が得られないか又は不足するときには補助暖房モードが、床暖房が不要なときは給湯モードが、また、床暖房も給湯も不要なときは停止モードが選択され、さらに例えば太陽熱が床暖房には不足するが給湯の足しとして利用可能なときは補助暖房モードと給湯モードの双方が選択される。
【0013】
【表1】
Figure 0003732133
【0014】
【蓄熱材】
次に、蓄熱材5について説明する。蓄熱材5は、図3(a),(b)に示したように、床材14の裏面から床下の断熱材140までのスペース4のほぼ2/3の高さまで粒状の石5aを敷き詰めてその石5aの粒間に砂5bを充填し、さらにその石5aと砂5bの混合物の上に炭5cを敷き詰めてなり、前記放熱パイプ6が石5aと砂5bの混合物の中に張り巡らされている。なお、図3(a),(b)は模式図であって、言うまでもなく実際の石5aの粒間はもっと密である。
【0015】
前記石5aは砕石又は砂利を使用する。或いは、石5aに代わる粒状の蓄熱主材としてガラス品又は陶磁品又は石膏の廃材を粒状に砕いたものを使用してもよい。ガラス品は例えばガラス瓶や車両用の窓ガラスを例示するが、それ以外のガラス品でもよい。また、陶磁品は、例えば陶磁製の食器類、花瓶類、装飾品類、タイル類、瓦類を例示するが、もちろんそれ以外の陶磁品でもよい。また、石膏は、陶磁器製品を製造する際に使用した使用済みの石膏型を例示するが、もちろんそれ以外の石膏でもよい。石5aの代用品としてこのような廃材を利用すれば、現在社会問題化しているゴミ処理問題の解決にも貢献できる。一方、前記炭5cは主として木炭を使用するが、竹材から作られる竹炭であってもよい。
【0016】
施工の手順としては、床下のスペース4の所定の位置に放熱パイプ6を設置し、根太15(床材14を支える横木)の上に床材14を張る前に前記スペース4に石5a、砂5b、炭5cの順に投入する。この手順から明らかなように蓄熱材5の施工に際して一切水を要しないため、木造家屋の二階以上の床下にも簡単に蓄熱材5を設置することができ、従って木造家屋の二階以上の床下に一階と同様の床暖房が施せる。
【0017】
本発明の蓄熱材5は以上のように構成されているため、放熱パイプ6に太陽熱で暖められた熱媒体を通すと、その熱で石5aと砂5bが暖められ、さらに上層の炭5cを介して床材14が暖められて室温が上昇する。また、蓄熱材5は熱媒体の熱を蓄熱するから、太陽熱が得られない状態になると蓄熱した熱を放出して室温を保つ。そして、蓄熱材5の温度が下がると、前記のように回路が太陽熱暖房経路Xから補助暖房経路Yに切り替わり、床暖用補助ボイラー7で熱媒体を加熱して床暖房を継続させる。
【0018】
なお、実施形態では一階部分の床に本発明の蓄熱材5を施したが、建物の一階部分に蓄熱コンクリートによる従来型の蓄熱材を使用し、二階以上の部分に本発明の蓄熱材5を使用するというように適宜組み合わせて使用してもよい。
【0019】
また、本発明の蓄熱材5は、下が石5aと砂5bの混合物の層で上が炭5cの層というように上下二層になっていて、主として下の層に蓄熱する構造であるが、その特徴を活かして、次のような暖房システムへの発展が可能である。すなわち、図4に示したように、石5aと砂5bの層に通した放熱パイプ6と同構造の放熱パイプ60を炭5cの層にも通してその放熱パイプ60に床暖用補助ボイラー7を接続し、もって前記補助暖房経路Yを床暖用補助ボイラー7と炭5cの層に通した放熱パイプ60で構成するのである。
【0020】
このようにした暖房システムは、太陽熱を従来より有効に利用することができ24時間暖房のための燃費削減に効果がある。つまり先に説明した暖房システムは、昼間蓄熱材5に蓄えた太陽熱を夜間に放出して24時間暖房を行うものであるが、蓄熱材5の蓄熱量には限界があるため、冷え込みが厳しい日の朝方になると蓄熱材5の熱量が不足し、その不足分を補うために床暖用補助ボイラー7が作動する。
【0021】
ところが、従来は床暖用補助ボイラー7で暖めた熱媒体が太陽熱暖房経路Xと同じ放熱パイプ6を通るようになっているため、床暖用補助ボイラー7で蓄熱材5を暖めつつ床暖房を行うことになり、蓄熱材5の温度が一定以下に下がらないシステムになっている。このことは蓄熱材5の容量の一部が常に蓄熱状態になっていてその分太陽熱の蓄熱容量が減少していることを意味する。
【0022】
これに対して上記暖房システムでは、床暖用補助ボイラー7で暖めた熱媒体が床材14に近い炭5cの層を通るため、殆どのエネルギーが効率的に床暖房に使用され、その間も石5aと砂5bの層からの放熱が続いて蓄熱可能な容量が増大する。従って太陽熱暖房経路Xが作動開始すると、石5aと砂5bの層に多くの太陽熱が蓄熱されることになる。なお、太陽熱暖房経路Xの作動開始当初において集熱器3の熱媒体が放熱パイプ6と放熱パイプ60の双方に導かれるように回路を設定しておけば、太陽熱による暖房の立ち上げ時間が大幅に短縮できる。また、本暖房システムにおいて、石5aと砂5bの層に相当する部分の構造は蓄熱可能であれば例えば従来の蓄熱コンクリートなどどのようなものでもよく、また、炭5cの層に相当する部分は単なる空間であってもよい。
【0023】
【屋根材】
次に屋根材16について説明する。図示した屋根材16は、薄型箱状の中空構造である木製パネル主体17と、その木製パネル主体17の中空部に適度な厚みのマット状態に装填した断熱材18の層と、中空部の残空間を埋める炭19の層とからなる。
【0024】
前記木製パネル主体17は、表裏両面を構成する合板製の面板17a,17bと、周枠を構成する四片の木製側枠片17c〜17fとを基本構成要素とし、木製側枠片17c〜17fによる四角いリングの表裏両面に面板17a,17bを固着して薄型箱状の中空構造となす。また、実施形態の木製パネル主体17は、この基本構成に加えて、表側の面板17aの内面全部にアルミ箔を貼るか又は電磁波シールド効果がある塗料を塗って形成した電磁波シールド層20と、木製パネル主体17の厚さのほぼ中央を前後(表裏)方向に仕切る中仕切板17gと、面板17a,17bと中仕切板17gの間の空間を小区画に仕切る骨組み状の間仕切部材17hが設けられている。従って木製パネル主体17は、木製で軽量ながら高い剛性を発揮する。
【0025】
前記断熱材18の層は、本実施形態では紙(新聞紙)を細かく粉砕して糊剤を加えたセルロース系繊維を前記中仕切板17gに吹き付けて構成する。また、前記炭19の層は、本実施形態では木炭で構成するものとし、前記中仕切板17gと裏側の面板17bの間に充填されている。なお、炭19は竹材で作った竹炭に置き換えてもよい。
【0026】
屋根材16は以上のように構成されており、図5に二点鎖線で示したように屋根の骨組みたる垂木21上に必要枚数を隙間無く並べて固定し、さらにその表面に防水シートを張って前記集熱器3を直付けし、それ以外の空いた部分に例えば瓦を敷き詰める。
【0027】
本発明の屋根材16は、予め中空部に断熱材18の層が形成されているため、現場において別途断熱材を取り付ける必要がなく、頗る作業性がよい。そしてさらに中空部に炭19の層が設けられているため、その炭19が調湿、脱臭、防虫作用をも発揮するから、屋根材16自体の耐久性が高く、また、居住性の向上にも大きく貢献する。
【0028】
以上本発明の屋根材16を実施の形態について説明したが、もちろん上記実施形態に限定されるものではない。例えば実施形態では断熱材18にセルロース系繊維を使用したが、それ以外の断熱材であってもよい。もっともセルロース系繊維の断熱材18は、天然素材であって有害物質を含まず、しかも古紙のリサイクルにも貢献することができる点で優れている。また、断熱材18をマット状態に装填する方法は、実施形態のようにセルロース系繊維の吹付けに限定されるものではなく、例えば断熱性を有する薄いシートを何層にも積み重ねてマット状態にするか、或いは発泡剤で発泡させてマット状態にする、などどのようなものでもよい。
【0029】
また、実施形態では木製パネル主体17に中仕切板17gと間仕切部材17hを形成したが、木製パネル主体17を小さくした場合には両者とも不要な場合があり、或いは中仕切板17gを省略して間仕切部材17hのみを形成する場合もある。それらの場合には、断熱材18の層に炭19の層が密着する。
【0030】
また、実施形態では断熱材18の層と炭19の層を同厚に形成したが、どちらか一方を厚くして他方を薄くするようにすることも可能である。また、電磁波シールド層20を設ける場所は実施形態に限定されるものではなく、例えば中仕切板17gの表裏両面に電磁波シールド効果がある塗料を塗るか、或いは木製パネル主体17の表面(面板17aの表面)に電磁波シールド効果がある塗料を塗ってもよい。後者の場合は、面板17aの表面が塗料で保護されるため防水性能が向上し、また、屋根材16の表裏も見分けやすいという副次的効果が期待できる。
【0031】
なお、本発明の屋根材は次のような技術思想を含む。すなわち「薄型箱状の中空構造にした木製パネル主体と、その木製パネル主体の中空部に適度な厚みのマット状態に装填した断熱材の層と、前記中空部の残空間を埋める炭の層と、電磁波シールド層とを層状に重ね、前記木製パネル主体内の断熱材の層と炭の層の境界部分に中仕切板を介装し、さらに木製パネル主体の表裏両面を構成する面板と前記中仕切板の間に間仕切部材を設けて中空部内を複数の小区画に仕切るようにした屋根材。」
【0032】
【室内保温手段】
次に、室内保温手段について説明する。ソーラーハウス1には、図1に示したようにガラス戸22a付きの大きな開口部22に自動開閉可能なカーテン23が設置されている。このカーテン23は、例えば図9に示したように、巻上げ式のロールカーテン23aと、そのロールカーテン23aの巻取り軸(図示せず)の一端に設けた手動操作用のチェーン23bと、ロールカーテン23aの巻取り軸の他端に設けたクラッチ内蔵型のモーター23cとからなり、モーター23cを正逆回転させると内蔵クラッチが繋がってロールカーテン23aが上下動し、一方、モーター23cがOFFの場合に内蔵クラッチが切れてチェーン23bによるロールカーテン23aの手動操作を可能とする。
【0033】
このカーテン23の開閉は別途制御装置(図示せず)で制御されるようになっている。制御装置にはタイマー回路と、ソーラーハウス1の外壁面に設置した光センサー24が接続されており、時刻と光量の二つの条件でカーテン23を開閉させる。
【0034】
次に図10のフローチャートによりカーテン23の自動制御の一例について説明する。先ず電源を投入し、ステップS1でタイマーを設定する。設定時刻は、例えば16時30分とする。冬場のこの時間帯は、日没前で明るさは残っているものの日射熱が殆ど期待できないため、それまで日射熱の取り入れ口であった開口部22が放熱口に転じる可能性が高い。
【0035】
次にステップS2において設定時刻に達したか否かを判断し、設定時刻前であればステップS3に移って光センサー24の信号により外が暗くないかを判断する。ここで外が暗くないと判断されればステップS2に戻る。
【0036】
次に上記のようにステップS2,S3を繰り返しているうちに、やがてタイマーの設定時刻に達するが、その場合はステップS2からステップS4に移行してカーテン23を閉じる。具体的にはカーテン23のモーター23cを作動させてロールカーテン23aを降ろす。
【0037】
一方、ステップS2で設定時刻に達しないと判断されながら、ステップS3で外が暗くなったと判断された場合は、天候の悪化とみなしてカーテン23を閉じる。カーテン23は光センサー24が反応した直後に閉じるようにしてもよいが、光センサー24の最初の反応から数分後に再度光センサー24で外の明るさを確認してからカーテン23を閉じるようにするのがよい。そうすることにより、ごく短時間の一時的な状況の変化に過敏に反応してカーテン23が閉じてしまう、という不具合が生じにくい。
【0038】
次にカーテン23を閉じた後はステップS5でタイマーを変更するか否か、つまりタイマー変更のキー入力があったかを判断し、タイマー変更のキー入力がなければステップS2に戻って毎日同時刻にカーテン23を閉じる。また、タイマーの変更を選択した場合はステップS1で設定時刻を変更して上記の動作を繰り返すことになる。なお、実施形態においてカーテン23の開動作はチェーン23bにより手動で行うものとする。もちろんタイマーを利用して、カーテン23の開動作をモーター23cで行うようにすることも可能であり、例えば朝7時にカーテン23が自動的に開くように設定してもよい。そうすることにより朝の日射しによる自然な目覚めが期待できる。
【0039】
以上本発明の室内保温手段を実施の形態について説明したが、もちろん上記実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では巻上げ式のカーテン23を例示したが、自動開閉可能なブラインドでもよい。ブラインドの開閉はルーバー(羽根板)の角度を変更することにより行う。また、本発明のカーテン又はブラインドの概念には、開口部22の外側に設置する自動開閉式の金属又は合成樹脂製の巻上げ式扉(いわゆるシャッター)も含まれる。また、カーテン23も巻上げ式のものに限らず、布地を水平方向にスライドさせる一般的な片開き或いは両開き構造にしてもよい。
【0040】
また、実施形態の自動開閉式のカーテン23に室内照明のON・OFF機能を付加すれば、住宅の防犯対策にも有用性を発揮する。すなわち、例えば制御装置の操作パネルには前記したタイマーの入力キーが設けられているから、その操作パネルの一部にモード変更キーを設け、そこで留守モードを選択すると、タイマー設定により例えば、午後4時30分にカーテン23を閉じ、午後5時に室内照明をつけ、午後11時に室内照明を消し、朝7時にカーテン23を開く、というプログラムを留守中毎日繰り返し実行するのである。或いはタイマーと光センサー24を併用し、光センサー24の検知により外が暗くなった段階でカーテン23を閉じると共に室内照明をつけ、タイマーの作動により午後11時に室内照明を消し、光センサー24の検知により外が明るくなった段階でカーテン23を開く、というプログラムを留守中毎日繰り返し実行するのである。こうすることにより室内に人が居るように見えるから高い防犯効果が得られる。
【0041】
また、本発明は主として冬期に効果を発揮するものであるが、夏期の場合でも暑さ対策に利用できる。すなわち、タイマーをOFFにして光センサー24のみを有効にすれば、外が明るくなるとカーテン23が閉じ、暗くなるとカーテン23が開く、という動作を繰り返させることができるから、日中は日射熱による室温上昇を抑制することができ、日没後は室内にこもった熱気をガラス越しに開口部22から逃がすことができる。もちろんこのようなカーテン23の開閉はタイマーによって行ってもよい。
【0042】
また、室内に人が居る場合にカーテン23の自動開閉を無効にしたい要求(例えば不気味さを感じるケースが考えられる。)がある場合は、例えば室内照明とカーテン23の制御装置を電気的に接続させ、室内照明がついている場合には人が居るとみなしてカーテン23の自動制御を無効にすることもできる。その場合には、室内にいる人が自己の判断でカーテン23を手動で操作することになる。なお、人の検知を室内照明とのリンクで行うことのメリットはコストの低さにあるが、検知の正確さを追求するなら赤外線センサーなど他のセンサーを使用すればよい。
【0043】
なお、本発明の室内保温手段は次のような技術思想を含む。「建物の窓や扉などの開口部に少なくとも自動閉動可能なようにカーテン又はブラインドを設置し、そのカーテン又はブラインドは、外が暗くなるより前に閉じるようにタイマーを設定すると共にそのタイマーの設定時刻より前に暗くなったことを光センサーが感知した場合に閉じるように設定した室内保温手段。」
【0044】
以上本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態のソーラーハウス1は、蓄熱材5と屋根材16と室内保温手段の三要素の全てを備えさせるようにしたが、蓄熱材5と屋根材16、或いは蓄熱材5と室内保温手段、さらには屋根材16と室内保温手段、というように適宜に組み合わせて使用することもできる。
【0045】
【発明の効果】
本発明のソーラーハウスは、床暖用補助ボイラーで暖めた熱媒体が床材の近くを通るため、床暖用補助ボイラーの殆どのエネルギーが効率的に床暖房に使用され、その間も下の層からの放熱が続いて蓄熱可能な容量が増大する。従って集熱器で集めた太陽熱を下の層により多く蓄熱することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ソーラーハウスの概略を示す断面図である。
【図2】 暖房システムの回路図である。
【図3】 (a)は蓄熱材を示す要部の拡大断面図、(b)は(a)のAZ−AZ線断面図である。
【図4】 暖房システムの他の形態を示す回路図である。
【図5】 建物用断熱パネルの縦断面図である。
【図6】 建物用断熱パネルの斜視図である。
【図7】 建物用断熱パネルの一部を示す分解斜視図である。
【図8】 建物用断熱パネルの図5の残りの部分を示す分解斜視図である。
【図9】 カーテンの斜視図である。
【図10】 カーテンの自動制御を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 …ソーラーハウス
3 …集熱器
5 …蓄熱材
5a…石(下の層)
5b…砂(下の層)
5c…炭(上の層)
6 …放熱パイプ
60…第二の放熱パイプ
7 …床暖用補助ボイラー

Claims (3)

  1. 太陽熱で熱媒体を加熱する集熱器と、床下に設けた蓄熱材と、蓄熱材の内部を通る放熱パイプとを有し、集熱器と放熱パイプの間で熱媒体を循環させて床暖房を行わせるようにしたソーラーハウスにおいて、
    前記蓄熱材を上下二層に分けると共に前記放熱パイプを下の層に通して主として下の層で蓄熱させるようになし、
    一方、上の層に第二の放熱パイプを通してその放熱パイプに床暖用補助ボイラーを接続し、該床暖用補助ボイラーで熱媒体を加熱して第二の放熱パイプに流すようにしたことを特徴とするソーラーハウス
  2. 太陽熱で熱媒体を加熱する集熱器と、床下に設けた蓄熱材と、蓄熱材の内部を通る放熱パイプとを有し、集熱器と放熱パイプの間で熱媒体を循環させて床暖房を行わせるようにしたソーラーハウスにおいて、
    前記蓄熱材と床材の間に空間を形成し、その空間に第二の放熱パイプを通して当該放熱パイプに床暖用補助ボイラーを接続し、該床暖用補助ボイラーで熱媒体を加熱して第二の放熱パイプに流すようにしたことを特徴とするソーラーハウス
  3. 請求項1又は2に記載の第二の放熱パイプに、床暖用補助ボイラーに加えて前記集熱器をも接続してなることを特徴とするソーラーハウス。
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