JP3730823B2 - 超音波振動子駆動回路 - Google Patents

超音波振動子駆動回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波振動子を励振する超音波振動子駆動回路、特に広い信号帯域を有する超音波振動子を駆動する場合等に適した超音波振動子駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、超音波観測装置は超音波内視鏡或いは超音波プローブと接続して病変の深達度診断、臓器の実質診断等に用いられている。
この超音波内視鏡或いは超音波プローブの先端には超音波振動子が内蔵されており、超音波観測装置から送信される電気的な駆動パルスは超音波振動子によって音響的な超音波パルスに変換され、体内組織に照射される。体内からはその反射波が返ってくるため、それを超音波振動子で電気的信号に変換し、信号処理等を行って超音波断層像として表示するような仕組みになっている。
【0003】
そして、この超音波振動子には従来、PZT(チタン酸鉛(PbTiO3) とジルコン酸鉛PbZrO3 との二成分系圧電セラミックス(Pb(Ti,Zr)O3 )が使用されていた。
【0004】
このPZTによる超音波振動子(PZT振動子と略記)の駆動にはその周波数帯域に適した帯域のパルスを単波或いは数波(バースト波)送信することによって行っていた。この理由として、PZT振動子は信号帯域が非常に狭く、また受信感度も低かったため、駆動回路で発生した駆動パルスを調整して、その帯域を変化させたとしても図9に示すように超音波プローブ(超音波内視鏡)から照射される超音波の周波数帯域はPZT振動子の帯域に依存したため、結局受信波形がほとんど変化せず、画像に大きな影響を及ぼさなかった。
【0005】
そうは言うももの、生体には固体差(例えば、脂肪量の差)や組織によって超音波の伝播特性が違うため、適切な診断を行おうとした場合、周波数の異なるPZT振動子を内蔵した数種類の超音波内視鏡或いは超音波プローブを関心領域の位置や組織によって使い分ける必要があった。
このため、周波数の異なる各種超音波内視鏡或いは超音波プローブに応じて或る程度のパルス幅調整や波数変更をする必要はあったが、それらは必ずしも細かいものである必要はなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年になってから、複合圧電素子を使用した広帯域振動子が登場してからは、駆動回路側での駆動パルスの帯域が無視できなくなった。
振動子の帯域が大幅に広がったことで、超音波内視鏡或いは超音波プローブから照射される超音波の帯域が図10に示すようにその駆動パルスの帯域に大きく依存することになった。また、振動子の感度が向上したことで、いままでPZTでは逃していた微小な反射波を捉えることができるようになった。結果として、駆動パルスの幅や波数で画像そのものが大きく変わることになる。
【0007】
すなわち、広帯域振動子、1素子でさまざまな周波数帯域への対応が可能となるため、駆動パルスにおいてもその周波数帯域や波数の設定を細かく変更できることが望まれており、数nsec或いは数百usec単位でのパルス幅調整が必要となってきた。
【0008】
これを解決する従来技術として、高速クロックや高速カウンタを使用してプログラマブルにディレイラインを設定する方法が公知であるが、この場合例えば、1nsec単位でパルス幅を調整しようとするとそれには少なくとも数百MHzの非常に高速のクロックが必要となるため、その回路規模、消費電力、クロックの回り込み等によるノイズの増加に繋がる。
【0009】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、超音波振動子を励振する電気的な駆動パルスを任意波形及び波数に調整可能とする超音波振動子駆動回路を大規模化することなく提供することを目的とする。
また、駆動パルスをプログラマブルに任意波形及び波数に調整可能とし、かつノイズ耐性のある超音波振動子駆動回路を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明による超音波振動子駆動回路は、所定のパルス幅の基準パルスを発生する基準パルス発生手段と、入力される前記基準パルスに対して所定の遅延処理を施した複数の遅延パルスを生成し、前記複数の遅延パルスそれぞれの遅延時間の設定が可能な遅延手段と、前記遅延手段によって設定された遅延パルスの遅延時間を任意に制御する遅延時間制御手段と、前記基準パルスに対して周波数帯域の中心周波数、周波数帯域幅および波数を任意に変位させた合成パルス信号を生成するように、前記基準パルスの出力信号と前記遅延時間制御手段によって遅延時間が制御された任意の遅延パルスの出力信号とを論理的に合成し、当該合成パルス信号を基に超音波振動子を駆動する駆動パルスを生成する駆動パルス合成手段と、前記駆動パルス合成手段で得られた駆動パルスを増幅して超音波振動子を駆動する超音波駆動手段と、を備えたことを特徴とする
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は第1の実施の形態を備えた超音波診断装置の全体構成を示し、図2は超音波駆動回路の構成を示し、図3は送信パルスの周期の1例を示し、図4は超音波駆動回路の動作説明のタイミングチャートを示す。
【0012】
図1に示すように超音波診断装置1は体腔内に挿入可能で、超音波振動子5を内蔵した超音波プローブ2と、超音波プローブ2が接続され、超音波振動子5を駆動したり、受信信号に対する信号処理などを行う超音波観測装置3と、この超音波観測装置3と接続され、映像信号が入力されることにより、対応する超音波診断画像(超音波断層画像)を表示するモニタ4とからなる。
【0013】
超音波プローブ2は体腔内に挿入される細長の挿入部6と、この挿入部6の後端に設けられ、術者が把持する把持部7と、この把持部7から延出されたケーブル部8とを有し、このケーブル部8の端部に設けたコネクタ9を超音波観測装置3に着脱自在で接続することができる。
【0014】
挿入部6内にはフレキシブルシャフト11が挿通され、その先端には超音波振動子5が取り付けられ、またこのフレキシブルシャフト11の後端は把持部7内のモータ12に取り付けられ、モータ12を回転することにより、フレキシブルシャフト11の回転と共に、その先端に取り付けた超音波振動子5も回転できるようにしている。
【0015】
超音波振動子5は中空のフレキシブルシャフト11内に挿通した信号線13と接続され、この信号線13はモータ12の回転軸の中空部を経てスリップリング部14でこのスリップリング部14のステータ側接点に接続された信号線を経てコネクタ9の接点に至る。そして、このコネクタ9が接続されることにより、超音波観測装置3内の超音波駆動信号を出力する超音波駆動回路16と超音波振動子5で受信したエコー信号から超音波断層画像に対応する映像信号生成の受信処理を行う受信処理回路17とに接続される。
【0016】
また、モータ12も信号線18等を経てコネクタ接点から超音波観測装置3内の制御回路19と接続され、モータ12は制御回路19の制御下で所定の速度で回転する。
また、制御回路19はモータ12の回転制御に同期した信号を超音波駆動回路16に送り、超音波駆動回路16は回転に同期してパルス発生動作などを行う。また、制御回路19はモータ12の回転制御に同期した信号を受信処理回路17にも送り、エコー信号に対する信号処理を行う際に使用する。
【0017】
本実施の形態における超音波振動子5は例えば複合圧電素子を用いて形成され、広帯域の周波数特性を有する。
そして、本実施の形態の超音波駆動回路16は図2に示すように、パルス発生手段で発生したパルスを遅延制御手段で遅延量が制御される複数の遅延手段を通してパルス合成手段で合成してさらに増幅手段で増幅して駆動パルスを生成する構成にしている。以下、詳細に説明する。
【0018】
超音波観測装置3内の超音波駆動回路16はパルス発生部22を有し、このパルス発生部22は例えば図3に示すような一定の周期の基準となる電気的な送信パルスを発生する。
【0019】
この送信パルスはパルス分配部23に入力され、このパルス分配部23は前記パルス発生部22の出力を(遅延量をプログラムで制御可能とする)複数のプログラマブルアナログディレイライン(図2ではP.A.ディレイラインと略記)24a,24b,24c及びパルス合成を行うパルス合成部25へ分配する。
【0020】
また、この超音波駆動回路16は遅延時間制御手段、より具体的には遅延量を決定するデータを生成するディレイデータ生成部26を有し、このディレイデータ生成部26は前記プログラマブルアナログディレイライン24a,24b,24cのパルスの遅延量を定めるディレイデータを任意に生成し、前記パルス分配部3からパルスがプログラマブルアナログディレイライン24a,24b,24cに到達する以前に個々のプログラマブルアナログディレイライン24a,24b,24cにディレイデータを送信し、プログラマブルアナログディレイライン24a,24b,24cでのディレイ量を予め設定しておく。
【0021】
前記プログラマブルアナログディレイライン24a,24b,24cでは前記パルス分配部23から出力されてくるパルスを各ディレイデータに基づいたディレイ量(ディレイ時間)だけ遅延して、パルス合成部25に出力する。
【0022】
このパルス合成部25では前記プログラマブルアナログディレイライン24a,24b,24c及びパルス分配部23から出力されるパルスを論理合成し、パルス発生部22で発生した基準のパルスから所望とする任意のパルスを生成する。
【0023】
前記パルス合成部25で生成されて出力されるパルスはパルスドライバ27で電流増幅され、広帯域の出力特性を持つパルストランス28を経て電圧増幅され、この超音波駆動回路16からコネクタ9を介して超音波プローブ2に出力する。
【0024】
超音波プローブ2では、超音波観測装置1の超音波駆動回路16からの電気的な出力パルス(超音波駆動パルス或いは送信パルス)を超音波プローブ2の先端部に設けた超音波振動子5で音響的な超音波パルスに変換し、外部に例えば放射状に超音波パルスを照射する。
【0025】
そして、外部の生体側の音響インピーダンスの変化部分で反射された超音波を超音波振動子5で受信して、電気信号つまりエコー信号に変換して図1に示す受信処理回路17に送り、映像信号を生成し、モニタ4に出力して、超音波断層画像を表示する。
【0026】
なお、本実施の形態では超音波駆動回路16は図示しない二次回路と電気的に絶縁され、患者に挿入される部分に内蔵された超音波振動子5と電気的に接続される患者回路内に設けている。受信処理回路17はその入力側の一部の回路部分が患者回路に設けられ、途中のアイソレーション手段を介して後段側の回路部分は二次回路内に設けられている。
【0027】
次に本実施の形態による超音波駆動パルスの(送信パルスの合成による)生成の動作について、図4を参照して説明する。
【0028】
図4に示すパルスS1はパルス発生部22の送信パルス或いはパルス分配部23を通した出力である。パルスS2、S3及びS4は各個別にディレイ量が設定されたプログラマブルアナログディレイライン24a,24b,24cの出力パルスであり、パルスS1に対して経時的に遅延を生じたパルスである。
【0029】
この例では、パルスS2をNOT回路(或いは反転回路)で反転し、その反転したパルス\S2とS1とをAND回路によって論理合成することによって、パルスS5のごとく1波目のパルスが生成される。
【0030】
また、プログラマブルアナログディレイライン24a,24b,24cを通って遅延したパルス同士(ここではパルスS3、S4)をパルスS1、S2と同様に、例えばパルスS4をNOT回路で反転し、その反転したパルス\S4とS3とをAND回路によって論理合成することにより、2波目のパルスが生成される。このように合成されるパルスそのものを遅延すると同時にそのパルス幅の調整も任意に可能となる。
【0031】
そして、これらパルスS5とS6とをOR回路で合成することによりパルスS7に示すような複数パルスのバースト波を形成することも可能である。そして、パルスS7はパルスドライバ27、パルストランス28を経て増幅されたパルスS8となり、超音波駆動パルスとして超音波振動子5に印加される。
【0032】
本実施の形態によれば、パルス発生部22により発生される基準のパルスとしてはパルスS1に示すようにパルス幅が長いもので有っても、遅延時間制御手段としてのディレイデータ生成部26によるディレイデータにより、遅延手段としてのプログラマブルアナログディレイライン24a,24b,24cで遅延し、パルス合成部25で合成することにより、任意の波数でかつパルス幅を細かく短くする等、所望とする波数及び周波数特性の調整した駆動パルスを簡単に生成することができる。
【0033】
なお、特開平11−47129号公報においては、バースト波の作り方を開示し、この公報の図3にあるように、トリガ信号を遅延させた信号とを経時的に単に合成する手段を開示しているのみであり、本実施の形態のようにパルス幅の調整まではできない。
【0034】
また、特開平8−299335号公報では高速クロックを使用した従来例の代表であり、生成しようとする駆動パルスの立ち上がりたち下がりにパルスを立てそこから駆動パルスを生成する手法を開示している。この方法を使うと、数nsec、単位での調整に数百MHzのクロックが必要となり、そのノイズ対策などの点で、回路の大規模化や複雑化が避けられない。
【0035】
これに対し、本実施の形態では、高速クロックを使うことなく数nsec、の駆動パルス調整が可能であり、また、クロックの輻射によるノイズを無くすことが可能である。
また、特開昭62−38357号公報は複数の振動子からの出力超音波に重み付けする方法のものであり、パルス幅を自在にかつ詳細に調整することが開示されていない。
【0036】
このように本実施の形態によれば、高速なクロック発生手段や高速カウンタなどを必要とせず、小規模な回路構成で簡単に任意波形及び任意波数の駆動パルスを生成することができる。
より具体的には、超音波の駆動パルス幅を数nsec〜数百usec単位で制御可能となる。
また、ディレイラインをプログラマブルにしたことでパルス幅の変更や設定が容易となる。
【0037】
(第2の実施の形態)
次に図5ないし図8を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。図5は第2の実施の形態の超音波駆動回路の構成を示し、図6は2系統にしたパルスドライバ及びパルストランスの具体的な構成を示し、図7はディレイデータの送信タイミングを示し、図8は超音波駆動回路の動作説明のタイミングチャートを示す。
【0038】
本実施の形態の超音波駆動回路30は図2に示す第1の実施の形態の超音波駆動回路16と一部異なる構成となっており、第1の実施の形態をより改善したものである。
つまり、図2の超音波駆動回路16において、パルス発生部22とパルス分配部23の間、及びディレイデータ生成部26とプログラマブルアナログディレイライン24a,24b,24cの間とに信号を電気的に分離するアイソレーション部31を設けている。これにより図5のように超音波駆動回路30内部に患者回路32と二次回路33を形成している。
【0039】
そして、二次回路33に設けたディレイデータ生成部26から出力されるディレイデータは同じく二次回路33内に設けたパラレル/シリアル変換部(図5ではP/S変換部と略記)34でシリアルデータに変換され、アイソレーション部31でディレイデータを電気的に分離して患者回路32側のシリアル/パラレル変換部(図5ではS/P変換部と略記)35に転送されるようにしている。
【0040】
ここでは、アイソレーション部31を経てのディレイデータの受け渡しをシリアル転送として、以下に説明する。
患者回路32に設けたシリアル/パラレル変換部35にディレイデータが入力されると、そのディレイデータはパラレルデータに変換され、それぞれ個別のプログラマブルアナログディレイライン24a,24b,24cに送られ、個別にディレイ量が設定される。
【0041】
また、二次回路13に設けたパルス発生部22で発生した送信パルスは、アイソレーション部31で電気的に分離され、二次回路33のパルス分配部23に供給される。
パルス分配部23にパルスが供給されたあとは第1の実施の形態と同様の流れでパルス合成部25に至る。
【0042】
パルス合成部25の出力パルスはここで2系統のパルスドライバ27a、27bに分配される。この2系統のパルスドライバ27a,27bは、1系統を正のパルスを駆動するパルスドライバ27aと、もう1系統を負のパルスを駆動するパルスドライバ27bとする。
【0043】
ここで、2系統のパルスドライバ27a,27bとパルストランス28は図6のごとく構成されている。
パルスドライバ27aはパルストランス28の2つの一次巻線の一方を介して正の電源端+Vcc(簡単化のためその電源電圧も+Vccとする)と接続されたFET36aと、このFET36aをスイッチング駆動することにより正の電源電圧(+Vcc)をスイッチングするFETドライバ37aとで構成されている。
【0044】
同様にパルスドライバ27bはパルストランス28の2つの一次巻線の他方を介して負の電源端−Vccと接続されたFET36bと、このFET36bをスイッチング駆動することにより負の電源電圧(−Vcc)をスイッチングするFETドライバ37bとで構成されている(また、図6の配線では、FET36bはFET36aとは一次巻線の巻き始め及び巻き終わりが逆にして接続されている)。
【0045】
このようにパルストランス28を図6に示す構成とし、2系統の前記FET36a,36bとFETドライバ37a,37bとをこのパルストランス28に接続することによって、超音波駆動回路30の出力パルスを零ボルトを中心とした正負バイポーラ的なパルスとすることができる。
【0046】
本実施の形態のパルス発生動作については、図7を参照して説明する。図7は基本的には図4と同様のパルス合成を行っている。
図7に示すパルスS9はパルス分配部23の出力パルスである。パルスS10、S11及びS12はそれぞれ個別にディレイ量が設定された前記プログラマブルアナログディレイライン24a,24b,24cの出力パルスであり、パルスS9に対して経時的に遅延を生じたパルスである。
【0047】
この例では、パルスS10をNOT回路で反転し、その反転したパルス\S10とS9とをAND回路によって論理合成することによって、パルスS13のごとく1波目のパルスが形成される。
【0048】
また、プログラマブルアナログディレイライン24a,24b,24cを通って遅延したパルス同士(ここではパルスS11、S12)をパルスS9、S10と同様に論理合成し、遅延を生じた合成パルスS14を生成する。
【0049】
そして、これらパルスS13とS14をそれぞれ、正パルスドライバにパルスS13を供給し、負パルスドライバにパルスS14を供給する。その後はパルストランス28を図6のごとく構成することによって、パルスS15のごときバイポーラ的な正負に振れるパルスを形成する。
【0050】
このように2系統のパルス駆動手段を設けることにより、1方と他方のパルス駆動手段の周波数特性を変更することにより、所望とする周波数帯域付近で平坦な帯域特性を持つ駆動パルスを生成することができる。
【0051】
また、ディレイデータ生成部26からのディレイデータをパラレル/シリアル変換部34でシリアルデータに変換し、アイソレーション部31を介してシリアル/パラレル変換部35に転送する場合、図8に示すように送信タイミング期間T1と受信タイミング期間T2とに重ならないように、これらとずらしたタイミングの転送期間T3で転送することにより、シリアル転送に起因するクロックノイズを軽減ないしは解消できるようにしている。
また、シリアル転送に用いるクロック周波数を受信帯域とずらすことでノイズの影響を無くすことが可能となる。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態によれば以下のような効果が得られる。 a.超音波駆動パルス幅を数nsec〜数百usec単位で制御可能となる。 b.ディレイラインをプログラマブルにしたことでパルス幅の変更や設定が容易となる。
c.パルスドライバを正負2系統に分離することで、バイポーラ的波形の形成が可能となり、任意周波数帯域に設定可能となった。
d.アイソレーション部で使用するフォトカプラの個数を大幅に減少でき、回路規模を小さくできる。
【0053】
e.患者回路への信号ラインの数を減らすことでノイズを軽減できる。
f.二次回路からのシリアル転送のタイミングを考慮することでシリアル転送に起因するクロックノイズを軽減できる。
g.クロック周波数を受信帯域とずらすことでノイズの影響を無くすことが可能となる。
【0054】
なお、例えば第2の実施の形態において、例えば操作パネルなどでの設定により、所望とする帯域でフラットになる駆動パルスの指示操作を行った場合に、これに応じてディレイデータ生成部26でその指示に対応したディレイデータの生成を行えるようにしても良い。
【0055】
また、所望とする帯域でフラットになる駆動パルスにおけるその帯域の中心周波数、帯域幅、波数等の指定により、ディレイデータ生成部26でその指示に対応したディレイデータの生成を行えるようにしても良い。
【0056】
また、そのような中心周波数、帯域幅、波数等にそれぞれ対応したディレイデータをメモリなどに格納して、操作パネルなどからの指示、選択操作などの操作で対応するディレイデータを読み出してそのディレイデータで駆動パルスを生成するようにしても良い。
【0057】
また、超音波駆動回路における駆動パルスの中心周波数、帯域幅、波数等の設定に連動して、受信処理回路17の特性もその場合におけるエコー信号を効率良く受信できる特性にフィルタ、ゲイン、STC特性等を切り替えるようにしても良い。この場合、上記の操作パネルなどでの駆動パルスの特性を決める設定に連動して、その場合のエコー信号を受信するのに適した特性などに設定するようにしても良い。
【0058】
また、上述の実施の形態では超音波プローブ2に内蔵された超音波振動子5を駆動(励振)させる場合で説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、音響的な診断用の画像情報を得る機能の他に、光学的な診断用の画像情報を得る機能も備えた超音波内視鏡の場合にも適用できる。
【0059】
[付記]
1.所定のパルス幅の基準パルスを発生する基準パルス発生手段と、
入力されるパルスを遅延させて遅延パルスを作り、前記遅延パルスの遅延時間の設定が可能な遅延手段と、
前記遅延手段の遅延時間を任意に制御する遅延時間制御手段と、
前記遅延手段の出力を合成して超音波振動子を駆動する駆動パルスを生成する駆動パルス合成手段と、
前記駆動パルス合成手段で得られた駆動パルスを増幅して超音波振動子を駆動する超音波駆動手段と、
を備えたことを特徴とする超音波駆動回路。
【0060】
2.超音波振動子を励振する超音波駆動回路に於いて、
所定の波形のパルスを出力するパルス発生部と、
パルス発生部からの出力を分配するパルス分配部と、
パルス分配部の出力を任意時間遅延させるディレイラインと、
上記パルス分配部の出力と上記ディレイラインの出力を合成するパルス合成部と、
パルス合成部の出力を増幅するパルスドライバと、
上記ディレイラインのディレイ量をコントロールするディレイデータ生成部と、
を備えることを特徴とする超音波駆動回路。
【0061】
3.上記ディレイラインは、上記ディレイデータ生成部により任意にディレイ量を設定可能なプログラマブルアナログディレイラインであることを特徴とする付記2記載の超音波駆動回路。
4.上記パルス合成部は、上記パルス発生器の出力とディレイライン出力とを任意に合成可能で、パルス発生部の出力よりパルス幅の狭いパルスを一つ以上出力可能なパルス合成部を備えたことを特徴とする付記2記載の超音波駆動回路。
【0062】
5.上記パルス発生部とパルス分配部との間、及びディレイデータ生成部とアナログディレイラインとの間に信号を電気的に分離するアイソレーション部を備えたことを特徴とする付記2記載の超音波駆動回路。
6.上記アイソレーション部を伝送するデータはシリアルデータであることを特徴とする付記2記載の超音波駆動回路。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、遅延時間を、例えば数nsecないしは数百nsec単位で設定して、遅延手段の出力を論理的に合成することで、任意にしかも細かくパルス幅や波数を設定できる駆動パルスを簡単に小規模な回路構成で生成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を備えた超音波診断装置の全体構成図。
【図2】超音波駆動回路の構成を示すブロック図。
【図3】送信パルスの周期の1例を示す図。
【図4】超音波駆動回路の動作説明のタイミングチャート図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の超音波駆動回路の構成を示すブロック図。
【図6】2系統にしたパルスドライバ及びパルストランスの具体的な構成を示す図。
【図7】ディレイデータの送信タイミングを示す図。
【図8】超音波駆動回路の動作説明のタイミングチャート図。
【図9】PZT振動子の周波数特性(帯域)と送信信号の帯域の具体例を示す図。
【図10】広帯域振動子の帯域と送信信号の帯域の関係を示す図。
【符号の説明】
1…超音波診断装置
2…超音波プローブ
3…超音波観測装置
4…モニタ
5…超音波振動子
6…挿入部
11…フレキシブルシャフト
12…モータ
16…超音波駆動回路
17…受信処理回路
19…制御回路
22…パルス発生部
23…パルス分配部
24a,24b,24c…プログラマブルアナログディレイライン
25…パルス合成部
26…ディレイデータ生成部
27…パルスドライバ
28…パルストランス

Claims (1)

  1. 所定のパルス幅の基準パルスを発生する基準パルス発生手段と、
    入力される前記基準パルスに対して所定の遅延処理を施した複数の遅延パルスを生成し、前記複数の遅延パルスそれぞれの遅延時間の設定が可能な遅延手段と、
    前記遅延手段によって設定された遅延パルスの遅延時間を任意に制御する遅延時間制御手段と、
    前記基準パルスに対して周波数帯域の中心周波数、周波数帯域幅および波数を任意に変位させた合成パルス信号を生成するように、前記基準パルスの出力信号と前記遅延時間制御手段によって遅延時間が制御された任意の遅延パルスの出力信号とを論理的に合成し、当該合成パルス信号を基に超音波振動子を駆動する駆動パルスを生成する駆動パルス合成手段と、
    前記駆動パルス合成手段で得られた駆動パルスを増幅して超音波振動子を駆動する超音波駆動手段と、
    を備えたことを特徴とする超音波振動子駆動回路。
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