JP3729741B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1つの室外機に複数の室内機を接続して成る空気調和機に関し、特にその冷媒制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機のブロック図の一例を図1に示す。室外側は、圧縮機101、室外熱交換器102、室外ファン103、電動膨張弁104−1、104−2、及び、104−3、四方弁105、油分離器106、油分離器用キャピラリーチューブ107、圧縮機吐出温度センサ108、圧縮機吸入温度センサ109、室外熱交換器温度センサ110、個別ガス温度センサ111−1、111−2、及び、111−3、並びに、制御装置112から成る。
【0003】
室内側は、室内熱交換器201−1、室内ファン202−1、室内温度センサ203−1、室内熱交換器温度センサ204−1、及び、制御装置205ー1から成る第1の室内ユニット200−1、室内熱交換器201−2、室内ファン202−2、室内温度センサ203−2、室内熱交換器温度センサ204−2、及び、制御装置205ー2から成る第2の室内ユニット200−2、並びに、室内熱交換器201−3、室内ファン202−3、室内温度センサ203−3、室内熱交換器温度センサ204−3、及び、制御装置205ー3から成る第3の室内ユニット200−3で構成されている。
【0004】
冷房運転時には、圧縮機101から吐出される高圧気体の冷媒は、油分離器106及びキャピラリーチューブ107により油分が除去された後、四方弁105により室外熱交換器102に送られる。室外熱交換器102では外部に熱を放出して冷媒が液化する。
【0005】
この液化した冷媒は、電動膨張弁104−1、104−2、及び、104−3に分岐点Aで分流し、電動膨張弁104−1、104−2、104−3を介することにより減圧された後、それぞれ室内熱交換器201−1、201−2、201−3に送られる。尚、電動膨張弁104−1、104−2、104−3は、その開度が電気的に調節可能であり、それぞれ室内熱交換器201−1、201−2、201−3に流れる冷媒の量を制御するためにも使用される。
【0006】
室内熱交換器201−1、201−2、201−3では、室内から熱を吸収して冷媒が気化する。室内熱交換器201−1、201−2、及び、201−3から吐出される冷媒は、四方弁105に至る前に分岐点Bで合流し、四方弁105により圧縮機101に送られる。尚、暖房運転時には冷房運転時と逆の経路で冷媒が流れる。また、冷房運転と暖房運転との切り換えは、四方弁105を用いて冷媒が流れる経路を切り換えることにより行われる。
【0007】
圧縮機吐出温度センサ108は、圧縮機101の上部あるいは吐出側パイプに配されており、圧縮機101から吐出される冷媒の温度に相当する温度を検出する。圧縮機吸入温度センサ109は、圧縮機101の吸入側パイプに配されており、圧縮機101に吸入される冷媒の温度に相当する温度(以下、「圧縮機吸入温度」)を検出する。室外熱交換器温度センサ110は、室内熱交換器201−1、201−2、201−3と圧縮機101との間であって、室外熱交換器102が存在する側の分岐点Aよりも室外熱交換器102側のパイプに配されている。
【0008】
個別ガス温度センサ111−1、111−2、111−3は、それぞれ室内熱交換器201−1、201−2、201−3と圧縮機101との間であって、室外熱交換器102が存在しない側の分岐点Bよりも室内熱交換器201−1、201−2、201−3側のパイプ(以下、「室内熱交換器の圧縮機側個別パイプ」)に流れる冷媒の温度に相当する温度(以下、「個別ガス温度」)を検出する。
【0009】
室内温度センサ203−1、203−2、203−3は、それぞれ第1の室内ユニット200−1、第2の室内ユニット200−2、第3の室内ユニット200−3の室内空気の吸い込み側に配されており、各室内ユニットが設置された室内空気の温度を検出する。
【0010】
室内熱交換器温度センサ204−1、204−2、204−3は、室内熱交換器201−1、201−2、201−3の内部のパイプに配されており、室内熱交換器204−1、204−2、204−3の内部の冷媒の温度に相当する温度(以下、「室内熱交換器温度」)を検出する。
【0011】
制御装置205−1、205−2、205−3は、それぞれユーザからリモコンなどによって入力された指令に応じて、室内ファン202−1、202−2、202−3を制御するとともに、運転開始や運転停止などの指令や、運転の種類、設定温度、室内ユニットの温度センサで検出された温度などの情報を室外側の制御装置112に伝送する。
【0012】
室外側の制御装置112は、圧縮機吐出温度センサ108、圧縮機吸入温度センサ109、室外熱交換器温度センサ110、並びに、個別ガス温度センサ111−1、111−2、及び、111−3で検出された温度や室内ユニット側の制御装置205−1、205−2、205−3から送られてくる各種の情報に基づいて、圧縮機101、室外ファン103、電動膨張弁104−1、104−2、104−3、及び、四方弁105を制御するようになっている。
【0013】
電動膨張弁104−1、104−2、104−3の開度を制御する従来の方法を図6に示すフローチャートを用いて説明する。まず、運転中の各室内ユニット200−x(xは1、2、または、3を示す)に関して、個別ガス温度センサ111−xでの検出温度Tsx、及び、室内熱交換器温度センサ204−xでの検出温度Texを取り込む(S501)。次に、S501で取り込んだ温度TsxとTexとの差である個別ユニット過熱度SHxを算出する(S502)。
【0014】
次に、S502で算出した個別ユニット過熱度SHxが基準値よりも大きければ(S503のYes)、対応する電動膨張弁104−xの開度を大きくして室内ユニット200−xの冷媒の流量を増加させる(S504)。一方、個別ユニット過熱度SHxが基準値よりも小さければ(S505のYes)、対応する電動膨張弁104−xの開度を小さくして室内ユニット200−xの冷媒の流量を減少させる(S506)。
【0015】
S504及びS506の後は、S501へ戻る。また、個別ユニット過熱度SHxが基準値よりも大きくなく(S503のNo)、且つ、基準値よりも小さくなければ(S505のNo)、対応する電動膨張弁104−xの開度を変更することなく、S501へ戻る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来は、室内ユニットの過熱度(個別ガス温度センサでの検出温度と室内熱交換器温度センサでの検出温度との差)が基準値に等しくなるように電動膨張弁の開度を制御するようになっていたが、これには以下に述べるような問題があった。
【0017】
個別ガス温度センサ及び室内熱交換器温度センサの取り付け具合や周囲の熱による影響で、これらの温度センサでの検出温度にはばらつきが生じるが、圧縮機の吸入口での過熱度と室内ユニットの過熱度との関係は図7に示すようになっており、室内ユニットの過熱度が少し変化しただけでも、圧縮機の吸入口での過熱度は大きく変化する(これは、室内熱交換器の圧縮機側個別パイプでは、3〜5℃の過熱度であり、冷媒流速の脈動により、過熱ガスが流れたり、2相流になったりするので、定常な流れに比べて測定温度が高めになるためである)。
【0018】
圧縮機の吸入口での過熱度は一般的に5〜15℃に設定するが、例えば圧縮機の吸入口での過熱度を12℃にするために、室内ユニットの過熱度を6℃になるように制御する場合、室内ユニットの過熱度が2℃低く検出されると、圧縮機の吸入口での過熱度は14℃になり、室内ユニットの過熱度が2℃高く検出されると、圧縮機の吸入口での過熱度は6℃になる。
【0019】
したがって、室内ユニットの過熱度に基づいて電動膨張弁の開度を制御するという従来の方法では、圧縮機の吸入口での過熱度を精度良く制御することができず、運転効率のばらつき及び低下を招く要因となっていた。
【0020】
そこで、本発明は、1つの室外機に複数の室内機を接続して成る空気調和機であって、圧縮機の吸入口での過熱度をより精度良く制御することによって、運転効率のばらつき及び低下を改善した空気調和機を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明では、1つの圧縮機に対して複数の室内熱交換器を備えるとともに、該複数の室内熱交換器に対してそれぞれ冷媒の流量を制御するための手段を備えて成る空気調和機において、
圧縮機に吸入される冷媒の温度である圧縮機吸入温度を検出する手段と、
各室内熱交換器の内部の冷媒の温度である室内熱交換器温度を検出する手段と、
室内熱交換器と圧縮機との間であって、室外熱交換器が存在しない側の分岐点よりも室内熱交換器側の冷媒の温度である個別冷媒温度を各室内熱交換器毎に検出する手段と、
前記圧縮機吸入温度と運転中の全ての室内ユニットの前記室内熱交換器温度の平均との差を全ユニット過熱度、室内ユニットの前記個別冷媒温度と前記室内熱交換器温度との差を個別ユニット過熱度、該個別ユニット過熱度と運転中の全ての室内ユニットの個別ユニット過熱度の平均との差を個別ユニット過熱度偏差とすると、
運転中の各室内ユニット毎に、前記全ユニット過熱度と前記個別ユニット過熱度偏差との和である補正個別ユニット過熱度を求め、該補正個別ユニット過熱度が予め設定された基準過熱度より大きい場合には冷媒の流量が増加し、一方、小さい場合には冷媒の流量が減少するように制御する手段と、
を備えている。
【0022】
この構成により、圧縮機吸入温度をTsc、対象としている室内ユニットの室内熱交換器温度をTex、対象としている室内ユニットの個別ガス温度をTsx、運転中の全ての室内ユニットの個別ガス温度の平均をTsmとすると、後出する式2で表される補正個別ユニット過熱度SHaxに基づいて、対象としている室内ユニットの冷媒の流量が制御される。
【0023】
また、本発明では、1つの圧縮機に対して複数の室内熱交換器を備えるとともに、該複数の室内熱交換器に対してそれぞれ冷媒の流量を制御するための手段を備えて成る空気調和機において、
圧縮機に吸入される冷媒の温度である圧縮機吸入温度を検出する手段と、
各室内熱交換器の内部の冷媒の温度である室内熱交換器温度を検出する手段と、
室内熱交換器と圧縮機との間であって、室外熱交換器が存在しない側の分岐点よりも室内熱交換器側の冷媒の温度である個別冷媒温度を各室内熱交換器毎に検出する手段と、
前記圧縮機吸入温度と運転中の全ての室内ユニットの前記室内熱交換器温度の平均との差を全ユニット過熱度、室内ユニットの前記個別冷媒温度と前記室内熱交換器温度との差を個別ユニット過熱度、該個別ユニット過熱度と運転中の全ての室内ユニットの前記個別ユニット過熱度の平均との差を個別ユニット過熱度偏差、前記全ユニット過熱度と前記個別ユニット過熱度偏差との和を補正個別ユニット過熱度とすると、
運転中の各室内ユニット毎に、所定時間間隔で前記補正個別ユニット過熱度と予め設定された基準過熱度との差である対基準過熱度差を求めて積算し、その積算値が所定値よりも大きい場合には冷媒の流量が増加し、一方、所定値よりも小さい場合には冷媒の流量が減少するように制御する手段と、
を備えている。
【0024】
この構成により、圧縮機吸入温度をTsc、対象としている室内ユニットの室内熱交換器温度をTex、対象としている室内ユニットの個別ガス温度をTsx、運転中の全ての室内ユニットの個別ガス温度の平均をTsmとすると、後出する式2で表される補正個別ユニット過熱度SHaxと基準過熱度SH0xとの差の積分値に基づいて、対象としている室内ユニットの冷媒の流量が制御される。
【0025】
尚、前記基準過熱度は、対象としている室内ユニットの能力、圧縮機の運転周波数、並びに、運転中の全ての室内ユニットの能力と台数との各組合わせ毎に設定しておいてもよい。
【0026】
また、本発明では、1つの圧縮機に対して複数の室内熱交換器を備えるとともに、該複数の室内熱交換器に対してそれぞれ冷媒の流量を制御するための手段を備えて成る空気調和機において、
圧縮機に吸入される冷媒の温度である圧縮機吸入温度を検出する手段と、
各室内熱交換器の内部の冷媒の温度である室内熱交換器温度を検出する手段と、
室内熱交換器と圧縮機との間であって、室外熱交換器が存在しない側の分岐点よりも室内熱交換器側の冷媒の温度である個別冷媒温度を各室内熱交換器毎に検出する手段と、
前記室内熱交換器温度と室内熱交換器補正温度との和を補正室内熱交換器温度、前記圧縮機吸入温度と運転中の室内ユニットの前記補正室内熱交換器温度の平均との差を全ユニット過熱度、室内ユニットの前記個別冷媒温度と前記室内熱交換器温度との差を個別ユニット過熱度、該個別ユニット過熱度と運転中の全ての室内ユニットの前記個別ユニット過熱度の平均との差を個別ユニット過熱度偏差とすると、
運転中の各室内ユニット毎に、前記全ユニット過熱度と前記個別ユニット過熱度偏差との和である補正個別ユニット過熱度を求め、該補正個別ユニット過熱度が予め設定された基準過熱度より大きい場合には冷媒の流量が増加し、一方、小さい場合には冷媒の流量が減少するように制御する手段と、
を備えている。
【0027】
この構成により、圧縮機吸入温度をTsc、対象としている室内ユニットの室内熱交換器温度をTex、運転中の全ての室内ユニットの室内熱交換器補正温度の平均をTam、対象としている室内ユニットの個別ガス温度をTsx、運転中の全ての室内ユニットの個別ガス温度の平均をTsmとすると、後出する式3で表される補正過熱度SHaxに基づいて、対象としている室内ユニットの冷媒の量が制御される。
【0028】
また、本発明では、1つの圧縮機に対して複数の室内熱交換器を備えるとともに、該複数の室内熱交換器に対してそれぞれ冷媒の流量を制御するための手段を備えて成る空気調和機において、
圧縮機に吸入される冷媒の温度である圧縮機吸入温度を検出する手段と、
各室内熱交換器の内部の冷媒の温度である室内熱交換器温度を検出する手段と、
室内熱交換器と圧縮機との間であって、室外熱交換器が存在しない側の分岐点よりも室内熱交換器側の冷媒の温度である個別冷媒温度を各室内熱交換器毎に検出する手段と、
前記室内熱交換器温度と予め設定された室内熱交換器補正温度との和を補正室内熱交換器温度、前記圧縮機吸入温度と運転中の室内ユニットの前記補正室内熱交換器温度の平均との差を全ユニット過熱度、室内ユニットの前記個別冷媒温度と前記室内熱交換器温度との差を個別ユニット過熱度、該個別ユニット過熱度と運転中の全ての室内ユニットの前記個別ユニット過熱度の平均との差を個別ユニット過熱度偏差、前記全ユニット過熱度と前記個別ユニット過熱度偏差との和を補正個別ユニット過熱度とすると、
運転中の各室内ユニット毎に、所定時間間隔で前記補正個別ユニット過熱度と予め設定された基準過熱度との差である対基準過熱度差を求めて積算し、その積算値が所定値よりも大きい場合には冷媒の流量が増加し、一方、所定値よりも小さい場合には冷媒の流量が減少するように制御する手段と、
を備えている。
【0029】
この構成により、圧縮機吸入温度をTsc、対象としている室内ユニットの室内熱交換器温度をTex、運転中の全ての室内ユニットの室内熱交換器補正温度の平均をTam、対象としている室内ユニットの個別ガス温度をTsx、運転中の全ての室内ユニットの個別ガス温度の平均をTsmとすると、後出する式3で表される補正過熱度SHaxと基準過熱度SH0との差の積分値に基づいて、対象としている室内ユニットの冷媒の流量が制御される。
【0030】
尚、室内熱交換器補正温度は、対象としている室内ユニットの能力、圧縮機の運転周波数、並びに、運転中の全ての室内ユニットの能力と台数との各組合わせ毎に設定しておいてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。本発明の第1実施形態である空気調和機は、従来技術として説明したものと同じく図1に示す構成となっているので、本第1実施形態の特徴的な部分についてのみ説明する。
【0032】
室内ユニット200−1、200−2、200−3のそれぞれの制御装置205−1、205−2、205−3は、ユーザからリモコンなどによって設定温度、冷房運転の要求が入力されると、室温センサ203−1、203−2、203−3で検出された温度と設定温度との差に応じた要求能力コードを室外側の制御装置112に転送する。
【0033】
室外側の制御装置112の動作を図2に示すフローチャートを用いて説明する。まず、各室内ユニットの制御装置から伝送されてくる要求能力コードを総合し、それに基づいて圧縮機101の運転周波数Ftを決定する(S101)。尚、圧縮機101はインバータ式であり、運転周波数Ftに応じて回転数が決定するようになっている。
【0034】
次に、S101で決定した運転周波数Ftで圧縮機101の運転を開始させる(S102)。次に、運転中の各室内ユニット200−xの1ユニット当たり運転周波数Fxを導出する(S103)。
【0035】
尚、1ユニット当たり運転周波数は、該当する室内ユニットの能力、圧縮機101の運転周波数Ft、並びに、運転中の室内ユニットの能力及び台数に基づいて導出する。例えば、本実施形態では室内ユニットが3台あるが、そのうちの1台の能力が3.5[kW]、他の2台が2.5[kW]であるとすると、下記の表1に示すように、運転中の室内ユニットの能力及び台数に応じて、室内ユニットの能力毎に分配修正係数を予め与えておき、該当する分配修正係数を圧縮機101の運転周波数Ftに乗じて得られる値を1ユニット当たり運転周波数とする。あるいは、下記の式1から1ユニット当たり運転周波数を求めるようにしてもよい。
【0036】
【表1】
Figure 0003729741
【0037】
【式1】
Figure 0003729741
【0038】
次に、運転中の室内ユニット200−xの基準過熱度SH0xを導出する(S104)。尚、基準過熱度は、一例として下記の表2に示すように、該当する室内ユニットの1ユニット当たり運転周波数及び能力に対して、数値表あるいは関数として予め設定されており、これに基づいて導出される。
【0039】
【表2】
Figure 0003729741
【0040】
次に、圧縮機吸入温度センサ109での検出温度Tsc、運転中の室内ユニット200−xに対応する個別ガス温度センサ111−xでの検出温度Tsx、及び、運転中の室内ユニット200−xの室内熱交換器温度センサ204−xでの検出温度Texを取り込む(S105)。
【0041】
次に、S105で取り込んだ検出温度Texの平均値Temを算出する(S106)。次に、S105で取り込んだ検出温度TscとS106で求めた平均値Temとの差である全ユニット過熱度SHtを求める(S107)。
【0042】
次に、S105で取り込んだ検出温度Tsxと検出温度Texとの差である個別ユニット過熱度SHxを求める(S108)。次に、S108で求めた個別ユニット過熱度SHxの平均値SHmを求める(S109)。次に、S108で求めた個別ユニット過熱度SHxとS109で求めた平均値SHmとの差である個別ユニット過熱度偏差DSHxを求める(S110)。次に、S107で求めた全ユニット過熱度SHtとS110で求めた個別ユニット過熱度偏差DSHxとの和である補正個別ユニット過熱度SHaxを求める(S111)。
【0043】
次に、S111で求めた補正個別ユニット過熱度SHaxがS104で導出した基準過熱度SH0xよりも大きいか否かを判定する(S112)。大きければ(S112のYes)、電動膨張弁104−xの開度を1段階大きくし(S113)、その後、S101へ移行する。
【0044】
一方、大きくなければ(S112のNo)、補正個別ユニット過熱度SHaxが基準過熱度SH0xよりも小さいか否かを判定する(S114)。小さければ(S114のYes)、電動膨張弁104−xの開度を下げ(S115)、その後、S101へ移行する。一方、小さくなければ(S114のNo)、そのままS101へ移行する。
【0045】
以上の処理により、圧縮機101の吸入温度Tsc、運転中の室内ユニット200−xの室内熱交換器温度Tex、運転中の室内ユニット200−xの個別ガス温度Tsx、運転中の全ての室内ユニットの個別ガス温度の平均値Tsmから、下記の式2で求められる補正個別ユニット過熱度SHaxに基づいて電動膨張弁104−xの開度が制御される。
【0046】
【式2】
Figure 0003729741
【0047】
これにより、個別ガス温度センサ111−1、111−2、111−3、及び、室内熱交換器温度センサ204−1、204−2、204−3での検出温度がばらついたとしても、室内ユニットの過熱度に基づいて対応する電動膨張弁の開度を制御する場合に比べて、圧縮機101の吸入口での過熱度を精度良く制御することができるようになり、運転効率のばらつき及び低下を改善することができる。
【0048】
本発明の第2実施形態である空気調和機について説明する。本第2実施形態は従来技術として説明したものと同じく図1に示す構成となっているので、特徴的な部分についてのみ説明する。冷房運転時における電動膨張弁104−1、104−2、104−3の開度の制御に関して制御装置112が行う動作のフローチャートを図3に示す。
【0049】
S201〜S211は、上記第1実施形態において制御装置112が行う図2に示したS101〜S111と同一であるので説明を省略する。S211を終えると、補正個別ユニット過熱度SHaxと基準過熱度SH0xとの差である対基準過熱度差DSHaxを求める(S212)。次に、S212で求めた対基準過熱度差DSHaxを加算することによって運転中の室内ユニット200−xの対基準過熱度差の積分値ΣDSHaxを更新する(S213)。
【0050】
次に、S213で更新された積分値ΣDSHaxが上限値以上であるか否かを判定する(S214)。上限値以上であれば(S214のYes)、電動膨張弁104−xの開度を1段階大きくし(S215)、その後、S201へ移行する。一方、上限値以上でなければ(S214のNo)、S213で更新された積分値ΣDSHaxが下限値以下であるか否かを判定する(S216)。
【0051】
下限値以下であれば(S216のYes)、電動膨張弁104−xの開度を1段階小さくし(S217)、その後、S201へ移行する。一方、下限値以下でなければ(S216のNo)、そのままS201へ移行する。
【0052】
以上の処理により、圧縮機101の吸入温度Tsc、運転中の室内ユニット200−xの室内熱交換器温度Tex、運転中の室内ユニット200−xの個別ガス温度Tsx、運転中の全ての室内ユニットの個別ガス温度の平均値Tsmから、前出の式2で求められる補正個別ユニット過熱度SHaxと基準過熱度SH0xとの差の積分値に基づいて電動膨張弁104−xの開度が制御される。
【0053】
これにより、個別ガス温度センサ111−1、111−2、111−3、及び、室内熱交換器温度センサ204−1、204−2、204−3での検出温度がばらついたとしても、室内ユニットの過熱度に基づいて対応する電動膨張弁の開度を制御する場合に比べて、圧縮機101の吸入口での過熱度を精度良く制御することができるようになり、運転効率のばらつき及び低下を改善することができる。また、圧縮機101の吸入口での過熱度をよりスムーズにきめ細かく制御することができる。
【0054】
本発明の第3実施形態である空気調和機について説明する。本第3実施形態は従来技術として説明したものと同じく図1に示す構成となっているので、特徴的な部分についてのみ説明する。冷房運転時における電動膨張弁104−1、104−2、104−3の開度の制御に関して制御装置112が行う動作のフローチャートを図4に示す。
【0055】
まず、各室内ユニットの制御装置から伝送されてくる要求能力コードを総合し、それに基づいて圧縮機101の運転周波数Ftを決定する(S301)。次に、S301で決定した運転周波数で圧縮機101の運転を開始させる(S302)。次に、運転中の室内ユニット200−xの1ユニット当たり運転周波数Fxを導出する(S303)。尚、S303での1ユニット当たり運転周波数の導出は、上記第1実施形態と同様に行えばよい。
【0056】
次に、運転中の室内ユニット200−xの室内熱交換器補正温度Taxを導出する(S304)。尚、室内熱交換器補正温度は、室内熱交換器温度センサが配された部分から圧縮機101の吸入口までの冷媒の温度降下を補正するものであり、一例として下記の表3に示すように、該当する室内ユニットの1ユニット当たり運転周波数及び能力に対して、数値表あるいは関数として予め設定されており、これに基づいて導出される。
【0057】
【表3】
Figure 0003729741
【0058】
次に、圧縮機吸入温度センサ109での検出温度Tsc、運転中の室内ユニット200−xの個別ガス温度センサ111−xでの検出温度Tsx、及び、運転中の室内ユニット200−xの室内熱交換器温度センサ204−xでの検出温度Texを取り込む(S305)。
【0059】
次に、S305で取り込んだ検出温度TexとS304で導出した室内熱交換器補正温度Taxとの和である補正室内熱交換器温度Teaxを求める(S306)。次に、S306で求めた補正室内熱交換器温度Teaxの平均値Teamを求める(S307)。
【0060】
次に、S305で取り込んだ検出温度TscとS307で求めた平均値Teamとの差である補正全ユニット過熱度SHatを求める(S308)。次に、S305で取り込んだ検出温度Tsxと検出温度Texとの差である個別ユニット過熱度SHxを求める(S309)。次に、S309で求めた個別ユニット過熱度SHxの平均値SHmを求める(S310)。
【0061】
次に、S309で求めた個別ユニット過熱度SHxとS310で求めた平均値SHmとの差である個別ユニット過熱度偏差DSHxを求める(S311)。次に、S308で求めた補正全ユニット過熱度SHatとS311で求めた個別ユニット過熱度偏差DSHxとの和である補正個別ユニット過熱度SHaxを求める(S312)。
【0062】
次に、S312で求めた補正個別ユニット過熱度SHaxが予め設定された固定の基準過熱度SH0よりも大きいか否かを判定する(S313)。大きければ(S313のYes)、電動膨張弁104−xの開度を1段階大きくし(S314)、その後、S301へ移行する。
【0063】
一方、大きくなければ(S313のNo)、補正個別ユニット過熱度SHaxが基準過熱度SH0よりも小さいか否かを判定する(S315)。小さければ(S315のYes)、電動膨張弁104−xの開度を1段階小さくし(S316)、その後、S301へ移行する。一方、小さくなければ(S315のNo)、そのままS301へ移行する。
【0064】
以上の処理により、圧縮機101の吸入側の温度Tsc、運転中の室内ユニット200−xの室内熱交換器温度Tex、運転中の全ての室内ユニットの室内熱交換器補正温度の平均値Tam、運転中の室内ユニット200−xの個別ガス温度Tsx、運転中の全ての室内ユニットの個別ガス温度の平均値Tsmから、下記の式3で求められる補正個別ユニット過熱度SHaxに基づいて電動膨張弁104−xの開度が制御される。
【0065】
【式3】
Figure 0003729741
【0066】
これにより、個別ガス温度センサ111−1、111−2、111−3、及び、室内熱交換器温度センサ204−1、204−2、204−3での検出温度がばらついたとしても、室内ユニットの過熱度に基づいて対応する電動膨張弁の開度を制御する場合に比べて、圧縮機101の吸入口での過熱度を精度良く制御することができるようになり、運転効率のばらつき及び低下を改善することができる。また、圧縮機101の運転周波数及び対象としている室内ユニットの能力に応じて生じる冷媒の温度降下に基づいて室内熱交換器温度を補正するので、より幅広い運転領域で上記効果を得ることができる。
【0067】
本発明の第4実施形態である空気調和機について説明する。本第4実施形態は従来技術として説明したものと同じく図1に示す構成となっているので、特徴的な部分についてのみ説明する。冷房運転時における電動膨張弁104−1、104−2、104−3の開度の制御に関して制御装置112が行う動作のフローチャートを図5に示す。
【0068】
S401〜S412は、上記第3実施形態において制御装置112が行う図4に示したS301〜S312と同一であるので説明を省略する。S412を終えると、補正個別ユニット過熱度SHaxと予め設定された基準過熱度SH0との差である対基準過熱度差DSHaxを求める(S413)。S413で求めた対基準過熱度差DSHaxを加算することによって運転中の室内ユニット200−xの対基準過熱度差の積分値ΣDSHaxを更新する(S414)。
【0069】
次に、S414で更新された積分値ΣDSHaxが上限値以上であるか否かを判定する(S415)。上限値以上であれば(S415のYes)、電動膨張弁104−xの開度を1段階大きくし(S416)、その後、S401へ移行する。一方、上限値以上でなければ(S415のNo)、S414で更新された積分値ΣDSHaxが下限値以下であるか否かを判定する(S417)。
【0070】
下限値以下であれば(S417のYes)、電動膨張弁104−xの開度を1段階小さくし(S418)、その後、S401へ移行する。一方、下限値以下でなければ(S417のNo)、そのままS401へ移行する。
【0071】
以上の処理により、圧縮機101の吸入側の温度Tsc、運転中の室内ユニット200−xの室内熱交換器温度Tex、運転中の全ての室内ユニットの室内熱交換器補正温度の平均値Tam、運転中の室内ユニット200−xの個別ガス温度Tsx、運転中の全ての室内ユニットの個別ガス温度の平均値Tsmから、前出の式3で求められる補正個別ユニット過熱度SHaxと基準過熱度SH0との差の積分値に基づいて電動膨張弁104−xの開度が制御される。
【0072】
これにより、個別ガス温度センサ111−1、111−2、111−3、及び、室内熱交換器温度センサ204−1、204−2、204−3での検出温度がばらついたとしても、室内ユニットの過熱度に基づいて対応する電動膨張弁の開度を制御する場合に比べて、圧縮機101の吸入口での過熱度を精度良く制御することができるようになり、運転効率のばらつき及び低下を改善することができる。また、圧縮機101の運転周波数及び対象としている室内ユニットの能力に応じて生じる冷媒の温度降下に基づいて室内熱交換器温度を補正するので、より幅広い運転領域で上記効果を得ることができる。さらに、圧縮機の吸入口での過熱度をよりスムーズにきめ細かく制御することができる。
【0073】
尚、上記各実施形態で示した方式による電動膨張弁の開度の制御は、冷房運転時だけに限らず、暖房運転時に行ってもよい。また、上記各実施形態は、冷房及び暖房の両機能を備えた空気調和機であったが、冷房と暖房とのどちらか一方の機能を備えたものであっても構わない。また、室内熱交換器の数は、2あるいは4以上であっても構わない。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の空気調和機によれば、室内ユニットの過熱度に基づいて対応する電動膨張弁の開度を制御する場合に比べて、圧縮機の吸入口での過熱度を精度良く制御することができるようになり、運転効率のばらつき及び低下を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 空気調和機のブロック図である。
【図2】 第1実施形態における電動膨張弁の開度の制御に関する動作のフローチャートである。
【図3】 第2実施形態における電動膨張弁の開度の制御に関する動作のフローチャートである。
【図4】 第3実施形態における電動膨張弁の開度の制御に関する動作のフローチャートである。
【図5】 第4実施形態における電動膨張弁の開度の制御に関する動作のフローチャートである。
【図6】 従来技術における電動膨張弁の開度の制御に関する動作のフローチャートである。
【図7】 圧縮機の吸入口での過熱度と室内ユニットの過熱度との関係を示す図である。
【符号の説明】
101 圧縮機
102 室外熱交換器
103 室外ファン
104−1、104−2、104−3 電動膨張弁
105 四方弁
106 油分離器
107 油分離器用キャピラリーチューブ
108 圧縮機吐出温度センサ
109 圧縮機吸入温度センサ
110 室外熱交換器温度センサ
111−1、111−2、111−3 個別ガス温度センサ
112 制御装置
200−1、200−2、200−3 室内ユニット
201−1、201−2、201−3 室内熱交換器
202−1、202−2、202−3 室内ファン
203−1、203−2、203−3 室内温度センサ
204−1、204−2、204−3 室内熱交換器温度センサ
205−1、205−2、205−3 制御装置

Claims (6)

  1. 1つの圧縮機に対して複数の室内熱交換器を備えるとともに、該複数の室内熱交換器に対してそれぞれ冷媒の流量を制御するための手段を備えて成る空気調和機において、
    圧縮機に吸入される冷媒の温度である圧縮機吸入温度を検出する手段と、
    各室内熱交換器の内部の冷媒の温度である室内熱交換器温度を検出する手段と、
    室内熱交換器と圧縮機との間であって、室外熱交換器が存在しない側の分岐点よりも室内熱交換器側の冷媒の温度である個別冷媒温度を各室内熱交換器毎に検出する手段と、
    前記圧縮機吸入温度と運転中の全ての室内ユニットの前記室内熱交換器温度の平均との差を全ユニット過熱度、室内ユニットの前記個別冷媒温度と前記室内熱交換器温度との差を個別ユニット過熱度、該個別ユニット過熱度と運転中の全ての室内ユニットの個別ユニット過熱度の平均との差を個別ユニット過熱度偏差とすると、
    運転中の各室内ユニット毎に、前記全ユニット過熱度と前記個別ユニット過熱度偏差との和である補正個別ユニット過熱度を求め、該補正個別ユニット過熱度が予め設定された基準過熱度より大きい場合には冷媒の流量が増加し、一方、小さい場合には冷媒の流量が減少するように制御する手段と、
    を備えたことを特徴とする空気調和機。
  2. 1つの圧縮機に対して複数の室内熱交換器を備えるとともに、該複数の室内熱交換器に対してそれぞれ冷媒の流量を制御するための手段を備えて成る空気調和機において、
    圧縮機に吸入される冷媒の温度である圧縮機吸入温度を検出する手段と、
    各室内熱交換器の内部の冷媒の温度である室内熱交換器温度を検出する手段と、
    室内熱交換器と圧縮機との間であって、室外熱交換器が存在しない側の分岐点よりも室内熱交換器側の冷媒の温度である個別冷媒温度を各室内熱交換器毎に検出する手段と、
    前記圧縮機吸入温度と運転中の全ての室内ユニットの前記室内熱交換器温度の平均との差を全ユニット過熱度、室内ユニットの前記個別冷媒温度と前記室内熱交換器温度との差を個別ユニット過熱度、該個別ユニット過熱度と運転中の全ての室内ユニットの前記個別ユニット過熱度の平均との差を個別ユニット過熱度偏差、前記全ユニット過熱度と前記個別ユニット過熱度偏差との和を補正個別ユニット過熱度とすると、
    運転中の各室内ユニット毎に、所定時間間隔で前記補正個別ユニット過熱度と予め設定された基準過熱度との差である対基準過熱度差を求めて積算し、その積算値が所定値よりも大きい場合には冷媒の流量が増加し、一方、所定値よりも小さい場合には冷媒の流量が減少するように制御する手段と、
    を備えたことを特徴とする空気調和機。
  3. 前記基準過熱度が、対象としている室内ユニットの能力、圧縮機の運転周波数、並びに、運転中の全ての室内ユニットの能力と台数との各組合わせ毎に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和機。
  4. 1つの圧縮機に対して複数の室内熱交換器を備えるとともに、該複数の室内熱交換器に対してそれぞれ冷媒の流量を制御するための手段を備えて成る空気調和機において、
    圧縮機に吸入される冷媒の温度である圧縮機吸入温度を検出する手段と、
    各室内熱交換器の内部の冷媒の温度である室内熱交換器温度を検出する手段と、
    室内熱交換器と圧縮機との間であって、室外熱交換器が存在しない側の分岐点よりも室内熱交換器側の冷媒の温度である個別冷媒温度を各室内熱交換器毎に検出する手段と、
    前記室内熱交換器温度と室内熱交換器補正温度との和を補正室内熱交換器温度、前記圧縮機吸入温度と運転中の室内ユニットの前記補正室内熱交換器温度の平均との差を全ユニット過熱度、室内ユニットの前記個別冷媒温度と前記室内熱交換器温度との差を個別ユニット過熱度、該個別ユニット過熱度と運転中の全ての室内ユニットの前記個別ユニット過熱度の平均との差を個別ユニット過熱度偏差とすると、
    運転中の各室内ユニット毎に、前記全ユニット過熱度と前記個別ユニット過熱度偏差との和である補正個別ユニット過熱度を求め、該補正個別ユニット過熱度が予め設定された基準過熱度より大きい場合には冷媒の流量が増加し、一方、小さい場合には冷媒の流量が減少するように制御する手段と、
    を備えたことを特徴とする空気調和機。
  5. 1つの圧縮機に対して複数の室内熱交換器を備えるとともに、該複数の室内熱交換器に対してそれぞれ冷媒の流量を制御するための手段を備えて成る空気調和機において、
    圧縮機に吸入される冷媒の温度である圧縮機吸入温度を検出する手段と、
    各室内熱交換器の内部の冷媒の温度である室内熱交換器温度を検出する手段と、
    室内熱交換器と圧縮機との間であって、室外熱交換器が存在しない側の分岐点よりも室内熱交換器側の冷媒の温度である個別冷媒温度を各室内熱交換器毎に検出する手段と、
    前記室内熱交換器温度と予め設定された室内熱交換器補正温度との和を補正室内熱交換器温度、前記圧縮機吸入温度と運転中の室内ユニットの前記補正室内熱交換器温度の平均との差を全ユニット過熱度、室内ユニットの前記個別冷媒温度と前記室内熱交換器温度との差を個別ユニット過熱度、該個別ユニット過熱度と運転中の全ての室内ユニットの前記個別ユニット過熱度の平均との差を個別ユニット過熱度偏差、前記全ユニット過熱度と前記個別ユニット過熱度偏差との和を補正個別ユニット過熱度とすると、
    運転中の各室内ユニット毎に、所定時間間隔で前記補正個別ユニット過熱度と予め設定された基準過熱度との差である対基準過熱度差を求めて積算し、その積算値が所定値よりも大きい場合には冷媒の流量が増加し、一方、所定値よりも小さい場合には冷媒の流量が減少するように制御する手段と、
    を備えたことを特徴とする空気調和機。
  6. 前記室内熱交換器補正温度が、対象としている室内ユニットの能力、圧縮機の運転周波数、並びに、運転中の全ての室内ユニットの能力と台数との各組合わせ毎に設定されていることを特徴とする請求項4または5に記載の空気調和機。
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