JP3727063B2 - レーザおよびフォトダイオードを具える光電子半導体装置 - Google Patents

レーザおよびフォトダイオードを具える光電子半導体装置 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、第1の波長の第1放射ビームを第1の側から放射し、前記第1の波長より長い第2の波長の第2放射ビーム用の放射導波路を形成し、前記第2ビームを前記第1の側から入れることができる以下にしばしば省略してレーザと呼ぶ半導体ダイオードレーザと、前記レーザの第1の側と反対側の第2の側において位置し、前記レーザに対して整列し、前記第2の波長の放射に感応する以下にしばしば省略してフォトダイオードと呼ぶ半導体フォトダイオードとを具える以下にしばしば省略して装置と呼ぶ光電子半導体装置に関するものである。本発明は、このような装置を具える光グラスファイバ通信用システムと、このような装置における使用に好適な半導体ダイオードレーザにも関するものであり、このような装置を製造する方法に関することでもある。
背景技術
このような装置は、特に加入者側における送信機/受信機ユニットとして使用され、加入者は、グラスファイバ通信網を経て、中央ユニットと、またはこのような送信機/受信機ユニットを所有する他の加入者または加入者のグループと情報をやり取りする。やり取りする情報は、電話通信、(加入者)TV等の場合のように、画像、音声、およびデータを具えてもよく、異なった波長の2種類の放射、加入者によって供給される情報用の第1の波長(λ1)の放射と、加入者または加入者のグループによって受けられるべき情報用の第2の波長(λ2)の放射との2種類の異なった波長の放射を用いて行うことができる。したがって、前記送信機/受信機ユニットは、前記第2の波長の光信号を検出し、これらの信号を(慣例的な)電気信号に変換するとともに、他の(慣例的な)電気信号を前記第1の波長を有する光放射信号に変換する必要がある。
このような装置は、米国特許明細書第5031188号から既知である。光電子半導体装置は、例えばこの引用特許の図2に示されており、この装置において、半導体ダイオードレーザとこれに整列したフォトダイオードとが、半導体ボディ内に存在する。この装置は、1.3μmの波長を有する放射ビームを第1の側から放射し、この同じ側において1.5μmの波長を有する放射ビームを受け、これを、第1放射ビームを発生するDFB(=Distributed FeedBack:分布帰還型)ダイオードレーザ、溝によって前記ダイオードレーザから絶縁された監視および吸収部分、および電気分離帯の順番で通過させる。最後に、1.5μmの放射は、フォトダイオードに到達し、これによって検出される。上述した電気から光信号へとその逆の変換は、ダイオードレーザおよびフォトダイオードの電気接続によって達成される。
この既知の装置の欠点は、比較的複雑なことであり、前記において列挙したように、装置においてクロストークおよび干渉が少ない良好な動作に必要な比較的多くの部品を具えることである。このような装置の製造もまたかなり複雑であり、多くの精密なステップを含むことは、明白である。このことにより、この既知の装置は、比較的高価なものとなる。この欠点は、実際問題としてグラスファイバ通信システムが、例え1つの装置が加入者のグループによって共有されるとしても、非常に多くのこのような装置を具えるため、特に重大である。
発明の開示
本発明は、上述した欠点を持たないか少なくともかなり少ない程度にし、したがって比較的簡単で容易に製造され、その結果価格を安くすることができる上述した種類の光電子半導体装置を提供することを、特にその目的として有している。したがって本発明は、比較的安価な光グラスファイバ用システムを可能にすることもその目的として有している。加えて、本発明は、関連する装置における使用に好適な半導体ダイオードレーザを実現することと、このような装置を製造する方法を得ることとをその目的として有している。
本発明によれば、上述した種類の光電子半導体装置は、この目的のために、前記レーザおよび半導体フォトダイオードを、一本の放射経路に沿って連続して存在する別個の半導体部品とし、これらの半導体部品に、使用中レーザ放射の大部分が第1放射ビームによって形成され、実際的に排他的に前記第1放射が前記レーザの第1の側から放射され、実際的に前記第2放射ビームの全体が前記フォトダイオードに到達できるようにする手段を設けたことを特徴とする。別個の部品を使用したために、本装置を驚くほど簡単なものとすることができることが分かる。前記レーザおよびフォトダイオードを、簡単で標準的な部品とすることができる。したがって、前記レーザを、比較的簡単なファブリー−ペロー型のものとしてもよい。既知の装置において不快であったような、レーザの複雑な配置を省略することができる。加えて、部品が真っ直ぐな放射経路において配置されるため、製造が簡単である。部品を相互に整列させることは、もはや簡単である。このことは、同様に別個の部品を使用する他の既知の装置、すなわち1994年4月、JEEにおいて刊行された、M. Hanedaによる″Optical Modules Permit Interactive Communication, Serve in Multimedia Systems″の66から69ページに開示されている装置を考えると明らかになる。この他の既知の装置(例えば引用文献の図3参照)は、いわゆる″回転(rotating)″構造を有している。ファイバからの放射経路は、2つの枝に分割され、これらの枝において、レーザ及びフォトダイオードが各々存在する。このことは、整列を比較的複雑にし、さらに、放射経路の分割に高価な部品を必要とする。これらの2つの状況により、この既知の解決法も比較的高価なものとなる。前記本発明の特徴を記述した部分に記述した手段があるため、これらの部品を1本の放射経路に含めることは可能であり、それにもかかわらずノイズおよびクロストークが少ない装置の良好な動作が可能である。本装置は、装置に結合された光グラスファイバからの光信号のフレネル反射またはレイリー後方散乱のクロストークによって生じる、実際的なグラスファイバ通信システムにおける妨害が、無いまたは少なくとも実際的に無いか、多くて高度に許容しうるレベルである。前記手段を比較的簡単で容易な方法で設けることができることから、本発明による装置は、驚くほど安価である。追加の利点は、第1放射ビームが最高の効率で発生されることである。
第1の極めて重要な実施例において、前記手段は、前記レーザの第1の側において位置し、両方の波長において低い反射率を有する第1コーティング層と、前記レーザの第2の側において位置し、前記第1の波長において高い反射率を有し、前記第2の波長において低い反射率を有する第2コーティング層とを具える。この装置の実施例は、上述した目的を極めて良好に達成し、極めて容易に製造される。前記コーティング層を、簡単な方法、例えば部品上、例えばレーザの鏡面上にスパッタリングまたは蒸着によって設けることができる。重要な変形例において、前記第1コーティング層を単一層コーティング層とし、前記第2コーティング層を多層コーティング層とする。低屈折率(例えばn=1.5程度)の層と高屈折率(例えばn=3程度)の層を交互に具えるこのような多層コーティング層によって、種々の波長の放射ビームに対して本発明に必要な特性を得ることができる。このようなコーティング層は、例えばレーザ鏡面に対する保護層の機能も同時に果たすことができる。
本発明による装置の好適な実施例において、前記手段は、好適には前記第2コーティング層と同様の多層コーティング層で、前記フォトダイオード上に位置し、前記第2コーティング層の特性と同様の特性を有する第3コーティング層を具える。前記レーザによって発生される放射の反射率に関しては、前記レーザの第2の側においては極めて強く、例えば99%以上とし、同時に前記第2放射ビームに対する透過率も極めて大きく、例えば95%以上とすることが強く望まれる。このようにするには、比較的多くの層を持つ多層コーティング層を必要とする。前記条件を前記第2多層コーティング層のみによって実現しようとする場合、レーザの第2の側に比較的多くの層が存在することになる。レーザは、比較的壊れやすい装置であることから、このような状況は、不利である。前記第2多層コーティング層の(光学)特性は、レーザが動作中(極めて)高温になるため、変動する恐れがあり、加えて前記コーティング層が、レーザの誘導電圧によって剥離する恐れがある。前記レーザの第2の側における本発明による手段の機能の一部を、前記フォトダイオード上の第3多層コーティング層に引き継がせた場合、前記第2コーティング層は、より少ない層を具えることができ、上述した特性の変動の問題と剥離の問題とは、軽減される。ここで前記フォトダイオードが動作中高温にならないか、実際的に高温にならないことに注意されたい。加えて、フォトダイオードにコーティング層を設けることは(n2個のフォトダイオードが同時である)、レーザにコーティング層を設けること(n個のみのレーザが同時である)よりはるかに簡単であり、より能率的である。
好適には、前記第2および第3コーティング層を、ほぼ同一のものとする。1種類のコーティング層、すなわち同じ数の層、同じ厚さ、および同じ構成を有するコーティング層を使用することによって、本発明による装置の製造は、比較的簡単になる。好適な変形例において、前記フォトダイオードを放射経路に対して10°から30°程度の間の角度、好適には20°程度の角度に配置し、同時に本装置は、前記第1の波長の放射に感応するとともに前記フォトダイオードによって反射された放射に対して整列するモニタダイオードも具える。前記レーザ出力を、このモニタダイオードによって簡単な方法でさらに別個の部品によって監視し、制御することができる。
極めて好適な実施例において、前記第1のコーティング層を、前記第1の波長において5から15%、例えば10%の反射率とし、前記第2の波長において低い反射率または全く無反射とし、前記半導体ダイオードレーザの第2の側において存在する多層コーティング層を、全体として、前記第1の波長において99から100%程度の反射率とし、前記第2の波長において低い反射率または全く無反射とする。ここで″低い反射率または全く無反射″という表現は、反射率が5%以下のことを意味する。このような装置は、グラスファイバ通信網において高度に十分な実際的な性能をもたらす。好適には、前記半導体ダイオードレーザの第2の側において存在する多層コーティング層を、全体として、少なくとも99.9%の反射率とする。後者の反射率が99.99%程度の場合、極めて良好な結果が達成される。後者の場合、前記レーザからフォトダイオードへのクロストークは、レーザパワー全体よりも少なくとも40dB低く、代表的に0から5dBm(=0から3.3mW)である。本装置が、前記レーザ上の第2多層コーティング層に加えて前記フォトダイオード上に第3多層コーティング層を具える場合、前記第2および第3多層コーティング層の各々は、条件の組が満足されるように寄与する。
好適には、前記第1波長を1.28μmから1.34μmの間とし、前記第2波長を1.48μmから1.60μmの間とする。前記第1波長を、例えば1.30μmとし、前記第2波長を、例えば1.55μmとする。これらのような波長は、グラスファイバ通信網における使用に対して高度に好適であり、InP/InGaAsP材料製の関連部品は、極めて信頼できる。上述した波長用装置の好適な実施例において、前記レーザ上に存在する第1コーティング層は、厚さ226nmの1層の酸化ハフニウム層を具え、前記第2多層コーティング層は、第1層が93.7nm厚で、第10層が43.4nm厚で、第2層から第9層が交互に86.9nm厚および187.5nm厚であり、交互にシリコンおよび2酸化シリコンである10層を具える。これは、前記レーザの第1の側において、1.3μm放射に対して9.7%、1.5μm放射に対して2.0%の反射率に対応する。前記レーザの後方において、これらの値は、各々99.97%および2.1%である。この場合、前記フォトダイオードにコーティングする必要は無い。上述したように、本装置は好適には、第2および第3多層コーティング層を具える。これらのコーティング層は、各々、例えば第1層が93.7nm厚で、第8層が43.4nm厚で、第2層から第7層が交互に86.9nm厚および187.5nm厚であり、再び交互にシリコンおよび2酸化シリコンである8層を具える。この時各多層コーティング層の反射率は、1.3μm放射に対して97.6%、1.5μm放射に対して2.6%である。前記第2および第3コーティング層の反射率97.6%は、全体の反射率98.8%、すなわちほぼ99%に対応する。前記フォトダイオードを、放射経路に対して例えば20°の角度にした場合、前記第3多層コーティング層の8層のみを、第1層を96.4nm厚とし、第8層を43.7nm厚とし、第2層から第7層を交互に87.5nm厚および192.9nm厚に変更するだけで十分である。この時前記第3多層コーティング層の反射率は、1.3μm放射に対して93%、1.5μm放射に対して3%である。この時前記第2および第3コーティング層の合計の反射率は、98%程度である。
好適には、本装置は、前記部品を内部に収容し、前記部品に対して電気的に接続し、前記レーザの第1の側に隣接する側において前記レーザと整列したグラスファイバと結合するとともにこれを開放する他の手段を設けた箱状ボディを具える。前記箱状ボディをDIL(=Dual In Line)またはいわゆるバタフライエンベロープのような標準的なエンベロープとしてもよい。好適には、前記箱状ボディは、同軸シースを具える。好適には、前記シースに標準的なグラスファイバカプラを設ける。このような好適なシースも、価格を安くするために多大な寄与をもたらす。
本発明による、光電子による光グラスファイバ通信用システムと、これに結合され、分岐し、その終端の一部が加入者側において位置する光電子送信機/受信機ユニットに結合されたグラスファイバネットワークとは、前記送信機/受信機ユニットのような本発明による光電子半導体装置を具える。このようなシステムは、実際問題として前記条件の組に極めて良好に従い、安価でもある。
本発明は、レーザにも関するものであり、このレーザは、その第1の側から第1の波長の放射ビームを放射し、前記第1の波長より長い第2の波長の第2放射ビーム用の放射導波路を形成するものであり、同時に、使用中レーザ放射の大部分が第1放射ビームによって形成され、実際的に排他的に前記第1放射が前記レーザの第1の側から放射され、実際的に前記第2放射ビームの全体が前記半導ダイオードレーザを減衰無く通過できるようにする本発明による手段を設けたものである。このようなレーザは、本発明による光電子装置における使用に対して高度に好適である。好適には、両方の波長において低反射率を有する第1コーティング層を前記レーザの第1鏡面上に設け、前記第1の波長において高反射率を有し、前記第2の波長において低反射率を有する第2コーティング層を前記レーザの第2鏡面に設ける。
第1の側において第1の波長の第1放射ビームを放射し、前記第1の波長よりも長い第2の波長の第2放射ビーム用の放射導波路を形成し第1の側から放射することができるレーザを具え、前記レーザの第2の側において存在し、前記レーザと整列し、前記第2の波長を有する放射に感応するフォトダイオードを具える光電子半導体装置を製造するための本発明による方法は、前記レーザおよびフォトダイオードに関して別個の半導体部品を選択し、前記装置内に1本の直線の放射経路において交互に配置することを特徴とし、前記半導体部品に、使用中レーザ放射の大部分が第1放射ビームによって形成され、実際的に排他的に前記第1放射が前記レーザの第1の側から放射され、実際的に前記第2放射ビームの全体が前記フォトダイオードに到達できるようにする手段を設けることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
本発明を、実施例および添付した図の参照とともに説明する。ここで、
図1は、本発明による光電子半導体装置の実施例の透視図であり、
図2は、図1の装置のレーザの線II−IIにおける断面図であり、
図3は、図1の装置のフォトダイオードの線III−IIIにおける断面図であり、
図4は、同軸シース内の図1の装置の縦断面図であり、
図5は、図1の装置を具えるグラスファイバ通信用システムを図式的に示す。
これらの図は、図式的なものであり、一定の比率を示しておらず、厚さ方向の寸法は、分かりやすくするために特に誇張してある。種々の図における対応する部品には、できるだけ同じ参照符を与えた。
発明を実施するための最良の形態
図1は、1本のほぼ直線の放射経路において相互に配置され別個の部品から成るレーザ10およびフォトダイオード20を有する、本発明による装置100の実施例の透視図である。放射経路は、2つの放射ビーム80および90の方向に延在する。ここでは1.3μm程度の波長λ1の第1放射ビーム80は、動作中レーザ10の第1の側50から放射され、ここでは1.5μm程度のより長い波長λ2の第2放射ビーム90は、動作中前記第1の側50においてレーザ10から放射される。図1のレーザ10の線II−IIにおける断面図を図2に示し、図1のフォトダイオード20の線III−IIIにおける断面図を図3に示す。
レーザ10(図2参照)は、金属層8を設けたここではn型である第1導電型の基板1を有する半導体ボディを具え、金属層8上に、2つのめっき層2および4の間に位置する活性層3と、この場合各々第1のn導電型および第2のp導電型である2つのめっき層2および4の間のpn接合部とを有する半導体層構造が存在する。電磁輻射を、メサ11A内に位置する活性層3の細長い小片状の活性領域3A内で、順方向の十分な電流強度を与えられたpn接合部によって発生することができる。高抵抗めっき層5を、メサ11Aのいずれか一方の側に設ける。メサ11Aの幅は、2μm程度であり、その長さは、300μm程度である。レーザ10は、ここではいわゆるSIPBH(=Semi Insulating Planar Buried Hetero)型のものであり、さらに第2導電型であるp型の接触層6を具える。1μm程度の厚さであるめっき層2および4と基板とは、ここではInPから成る。活性層3は、0.15μm程度の厚さを有し、InGaAsPから成り、1.3μm程度の放射波長に対応する。したがって活性領域3Aは、1.5μm程度の波長の放射用の放射導波路を形成する。表面50および60を切削によって形成し、第1鏡面50および第2鏡面60を形成する。
フォトダイオード20は、レーザ10の第1の側50に向かい合った第2の側60において存在し、その活性領域26(図3参照)がレーザ10の活性領域3Aと整列し、ここでは金属層28を設けたこの場合では第1のn導電型のInP製の基板21を具え、この基板21は、1.6μm程度の波長に対応する性質を有し3から5μm程度の厚さを有するn型活性InGaAs層と、活性領域26に対応し50から300μm程度の直径を有するp型領域24を設けたn型InPのほぼ1μm厚の表面層23とをその上に有する。ダイオード20の上面70上に、ここでは2酸化シリコンの絶縁層25と、活性層26に接触する金属層27とが存在し、これらの下にpn結合が層22および23との間に形成され、この結合に動作中逆バイアス電圧が印加され、第2波長すなわち1.5μmの波長に感応する。
本発明によれば、さらに、レーザ10およびフォトダイオード20に手段51、61および71を設け、これらによって、使用中レーザ10の放射の大部分が第1放射ビーム80によって形成され、実際的に排他的に第1放射ビーム80がレーザ10の第1の側50から放射され、実際的に第2放射ビームの全体がフォトダイオード20に到達できるようにする。結果として、本発明による装置は、以下の非常に驚くべき特性の組み合わせを有する。第1に、放射ビーム80は、実際的に最大の放射光パワーを有する。加えて、第2放射ビーム90は、例えばこのビームのビーム源からグラスファイバに実際的に全く戻らず、干渉反射は依然として発生しない。最後に、第2放射ビーム90を、低い減衰で、再び干渉反射無しで検出することができる。結局、本発明による装置100の極めて重要な利点は、別個の部品10および20を使用することによって、装置と部品10および20の製造が、簡単で安価になることである。同様に、本発明による手段51、61および71を、部品10および20にまたはこれらの上に簡単な方法で固着することができる。
ここで手段51および61は、レーザ10の第1の側50において存在する第1コーティング層51と、レーザ10の第2の側60において存在する第2コーティング層61とを具える。第1コーティング層51は、ここでは1.3および1.5μm程度である両方の波長において低い反射率を有し、一方この場合多層コーティング層である第2コーティング層61は、第1波長に対して高い反射率を有し、第2波長に対して低い反射率を有する。本例において、コーティング層51および61を、レーザ10の鏡面50および60に設ける。ここでレーザ10は、比較的厚い活性層3を有する極めて簡単なファブリー−ペロー型のものであり、したがって比較的簡単に製造できる。本例において、手段51、61および71は、本例においてはフォトダイオード20上に存在し第2コーティング層61と同様の特性を有する第3多層コーティング層も具える。結果として、2つのコーティング層61および71は、比較的簡単なものであり、すなわちこれらは、比較的少ない数の層から成るものであり、このことは、重要な利点である。要するに、レーザ10は、使用中高温になり、その結果として第2多層コーティング層の光学特性が影響を受け、このようなコーティング層61はまた、より多くの層を含むのに比例してより早く剥離する。フォトダイオード20の温度は、使用中あまり変化しない。この場合において、2つの多層コーティング層61および71は、実際的に同一のものであり、その結果装置100の製造は、依然として簡単なままである。
好適には、第1コーティング層51は、第1の波長に対して5から15%の反射率を有し、この場合9.7%の反射率を有し、一方第2の波長に対しては低反射または無反射とし、この場合2%の反射率とする。半導体ダイオードレーザ10の第2の側60において存在する多層コーティング層61および71は、第1の波長に対して99から100%の反射率を有し、この場合各々97.6%とし、第2の波長に対して低反射(好適には無反射)とし、この場合各々2.6%程度の反射率を有する。本例において、第1および第2波長(λ1,λ2)を、各々1.28μmから1.34μmおよび1.48μmから1.60μmとする。ここでレーザ10の第1鏡面50に設けられた第1コーティング層51は、厚さ225nmの酸化ハフニウムの一枚の層51を具える。ここでレーザ10の第の側60において位置する2つの多層コーティング層61および71は、第1層が93.7nm厚で、第8層が43.5nm厚で、第2層から第7層が交互に86.9および187.5nm厚で、交互に2酸化シリコンおよびシリコンである8層を各々具える。これは、レーザ10の第1の側50における、1.3μm放射に対して9.7%および1.5μm放射に対して2.0%の反射率に対応する。この時、多層コーティング層61および71における反射率は、1.3μm放射に対して97.6%であり1.5μm放射に対して2.6%である。
装置100のこの実施例の第1の変形例において、フォトダイオード20は、放射経路と、例えば20°の角度を成す。このダイオードは、モニタダイオード(図示せず)として機能し、これによってレーザ10のパワーを制御することができる。その場合は、第3コーティング層の8層の厚さのみを変更し、第1層を96.4nm厚とし、第8層を43.7nm厚とし、第2から7層を交互に87.5nm厚および192.9nm厚とする。この時、第3多層コーティング層71の反射率は、1.3μm放射に対して93%であり、1.5μm放射に対して3%である。
装置100のこの実施例の変形例において、本発明による手段は、上述したような第1コーティング層51および第2コーティング層61を排他的に具える。この時、第2コーティング層61は、第1層が93.7nm厚で、第10層が43.5nm厚で、第2層から第9層が交互に86.9および187.5nm厚で、交互に2酸化シリコンおよびシリコンである10層を具える。これは、レーザ10の第1の側50における、1.3μm放射に対して9.7%程度および1.5μm放射に対して2.0%程度の反射率に対応する。レーザ10の背面60において、これらの値は、各々99.97%および2.1%である。この変形例は、上述した欠点のほかに、多少より簡単であるという利点を有する。
図4は、同軸シース内の図1の装置100の縦断面図を示す。装置100には、レーザ10、フォトダイオード20および(半導体)モニタダイオード(もし存在するなら。図示せず)と電気的な接続を設ける。部品10および20と接続部41との接続配線は、図示しない。モジュール100に、レーザ10の第1の側50に隣接する側においてレーザ10と整列するグラスファイバ43と結合し、これから開放する他の手段42を設ける。ここで他の手段42は、軸および/または半径方向において、上方におよび/または互いに逆方向にスライドさせることができ、互いに接合された多くのスチールブッシュ42′、42″および42′″を具え、1つのブッシュ42′は、ここではレンズ44を具える。このような同軸モジュールは、比較的容易に高い精度をもって製造することができ、本発明による装置100の低い価格に実際的に寄与することができる。
図5は、図1の装置とグラスファイバ通信するシステム1000を図式的に示す。本システムは、光電子交換部200と、これに結合され、枝分かれし、加入者側において位置する光電子送信機/受信機ユニット100にその終端部分が結合されたグラスファイバ網300とを具える。ユニット100は、ここでは1.3μmの波長の第1放射ビーム80を交換部200に送出し、この交換部は、ここでは1.5μmの波長の第2放射ビーム90を発生し、このビームは、ユニット100によって検出される。トランシーバユニット100は、本実施例の光電子半導体装置を具える。
本実施例における装置100のレーザ10は、第1の側50において第1の波長λ1の放射ビーム80を放射し、第1の波長λ1より長い第2の波長λ2の放射ビーム90用の放射導波路を形成し、このレーザ10に、本発明による手段51および61を設け、これらによって使用中レーザ放射の大部分が第1放射ビーム80によって形成され、実際的に排他的に第1放射80がレーザ10の第1の側50から放射され、実際的に第2放射ビーム90が半導ダイオードレーザ10を減衰無く通過できるようにした。この場合におけるレーザ10は、その第1鏡面において両方の波長において低い反射率を有する第1コーティング層61を有し、一方、第1の波長に対して高い反射率を有し、第2の波長に対して低い反射率を有する第2の多層コーティング層61を、レーザ10の第1鏡面50の反対側に位置する第2鏡面60に設ける。
本発明による装置の本実施例は,次のように(図1および4参照)製造される。最初に、多くのレーザ10およびフォトダイオード20を、別個の基板上に製造する。レーザ10を搭載する基板を、互いに隣り合って位置するレーザ10の列を有する別個の細長い小片に分割し、これらのレーザの鏡面50および60がこれらの細長い小片の側面に位置するようにする。レーザ10の製造において活性層3に選択した材料を、ここでは波長1.3μmの放射に対応するInGaAsPとし、レーザ10の活性領域3Aが、1.3μm放射を放射し、1.5μm放射用放射導波路3Aを形成できるようにする。フォトダイオード20の製造において活性層22に選択する材料を、InGaAs(P)とし、ここではInGaAsとし、フォトダイオード20が1.5μm放射に感応するような構成および厚さを有するようにする。本発明によれば、次に、レーザ10を含む細長い小片とフォトダイオード20を有する基板とに、ここではスパッタリングによって手段51、61および71を設け、その結果として、使用中レーザ10の放射の大部分が第1放射ビームによって形成され、実際的に排他的に第1放射ビーム80がレーザの第1の側50から放射され、実際的に放射ビーム9の全体がフォトダイオード20に到達できるようにする。手段51、61および71は、上述した(多層)コーティング層を具える。その後、分離したレーザ10およびフォトダイオード20を、この場合において切削および切除によって各々得る。次にこれらの別個の半導体部品10および20を、図1には示さないが図4に示す箱状ボディ100内に存在する図1には示さないが図4に示す適当な支持体44に搭載することによって、直線の放射経路において一列に交互に配置する。図4に示すような同軸シース100の場合において、このシースに、グラスファイバ43に結合またはこれから開放する他の手段42を設ける。
本発明は、本発明の範囲内で多くの変形が当業者にとっては可能であることから、与えた実施例に限定されるものではない。したがって、本例におけるこれらの記述と比較して、異なった厚さ、異なった半導体材料および異なった構成を使用してもよい。本発明を、GaAs/AlGaAsおよびInGaP/InAlGaP材料のシステムにおいて用いることもできることを、特に言及しておく。前記手段は、コーティング層の他に、異なった波長において異なった反射/透過特性を持つことができる、コーティング層と同様の(外部)回析格子のような他の(外部)設備も具えることもできる。コーティング層を、部品の内側に、レーザの第1および第2の側における放射経路において配置され装置内に含まれる、例えばガラス製のプレート上に設けてもよい。本発明を、本例において記述したSIPBH構造において使用できるだけでなく、DCPBH(=Double Channel Planar buried Hetero)構造のような他の構造においても使用できることにも言及しておく。本発明は、埋め込みリッジ型のレーザ構造において大きな利点をもたらすことができる。活性領域をメサによって完全にまたは部分的に形成する必要は、全くない。本発明を、例えばいわゆる酸化ストリップレーザに有利性をもって用いることもできる。

Claims (1)

  1. 第1の波長の第1放射ビームを第1の側から放射し、前記第1の波長より長い第2の波長の第2放射ビーム用の放射導波路を形成し、前記第2ビームを前記第1の側から入れることができる半導体ダイオードレーザと、前記半導体レーザの第1の側と反対側の第2の側において位置し、前記半導体ダイオードレーザに対して整列し、前記第2の波長の放射に感応する半導体フォトダイオードとを具える光電子半導体装置において、前記半導体ダイオードレーザおよび半導体フォトダイオードを、一本の直線放射経路に沿って連続的に存在する別個の半導体部品とし、前記光電子半導体装置に手段を設けることによって、使用中レーザ放射の大部分が第1放射ビームによって形成され、実際的に排他的に前記第1放射ビームが前記半導体ダイオードレーザの第1の側から放射され、実際的に前記第2放射ビームの全体が前記半導体フォトダイオードに到達できるようにし、前記半導体ダイオードレーザにおける活性層が前記放射導波路を形成することを特徴とする光電子半導体装置。
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