JP3725511B2 - 集合住宅のセントラル給湯・暖房用コージェネレーションシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は集合住宅のセントラル給湯・暖房用コージェネレーションシステムに係り、特に災害時の自立運転を行なえるように工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、セントラル給湯を行なっている集合住宅や、セントラル暖房を行なっている集合住宅は見受けられるが、その両者を行なっている集合住宅は殆んど無い。
【0003】
他方、コージェネレーションシステムを設置している集合住宅でも、その自家発電した電力の供給先は、非常灯と非常用エレベーターに限られており、しかも非常時の運転時間が長くとも6時間程度に過ぎないため、非常時の給水が行なわれていないこととも相俟って、地震などの災害時におけるライフラインを確保することができない。
【0004】
一例を挙げれば、給湯を行なうコージェネレーションシステムとして特開2002−48005号が、又暖房を行なうコージェネレーションシステムとして特開平5−264072号が各々提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような公知発明は何れもガスを燃料とするエンジンによって、発電機を駆動するようになっているため、地震などの災害時にガス供給管路が破損すれば、そのコージェネレーションシステムの自立運転が不可能であり、集合住宅に適用したとしても、災害時における共用部分の安全な通行や給水、冬期での暖房を保障できるものではない。そのように構成されていないからである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題に鑑み、あくまでも集合住宅のセントラル給湯とセントラル暖房を行なえ、しかも災害時の自立運転可能なコージェネレーションシステムを提供しようとするものであり、そのための構成として第1に大型貯油タンクからの灯油を平常時のみならず、災害時にも一定時間だけ使用可能な一定量として貯溜する中継サービス貯油タンクと、
【0007】
その中継サービス貯油タンクから分配供給される灯油を燃料として運転するコージェネレーションユニット並びに複数台のボイラーと、
【0008】
そのボイラーにより作られた熱媒水を貯溜するバッファータンクと、
【0009】
上記コージェネレーションユニットの灯油エンジンから回収した排熱によって、受水槽からの給水を加熱・貯湯するストレージタンクと、
【0010】
上記バッファータンクとストレージタンクとの相互間に介在する給湯用熱交換ユニットを、そのバッファータンクと連通接続する熱交換1次側の循環回路と、
【0011】
同じく給湯用熱交換ユニットを上記ストレージタンクと連通接続する熱交換2次側の循環回路と、
【0012】
上記熱交換1次側循環回路から集合住宅の専有部分に向かって導出配管された暖房回路と、
【0013】
上記ストレージタンクから同じく集合住宅の専有部分に向かって導出配管された給湯回路と、
【0014】
受水槽から加圧給水ポンプを介して、上記専有部分とストレージタンクへの分配状態に導出配管された第1給水路と、
【0015】
その第1給水路の途中から分岐配管されて、上記加圧給水ポンプにより集合住宅の共用部分へ給水する第2給水路と、
【0016】
その第2給水路の災害時における予備給水バイパス路として上記受水槽へ接続配管され、且つその予備給水バイパス路の途中に介在する予備加圧給水ポンプと、
【0017】
上記コージェネレーションユニットの発電機に接続配線されて、その自家発電した電力と商用電力とを切り替える電力切替盤とから成り、
【0018】
災害時には上記中継サービス貯油タンクに貯溜された予備燃料の灯油を使用しつつ、ボイラーとコージェネレーションユニットを一定時間だけ自立運転させて、冬期でのセントラル暖房を行なう一方、
【0019】
そのコージェネレーションユニットの自家発電した電力を、上記電力切替盤から共用部分の照明器具と予備加圧給水ポンプへ供給することにより、その照明器具の点灯と共用部分への給水を行なえるように設定したことを特徴とし、
【0020】
又、第2に同じく大型貯油タンクからの灯油を平常時のみならず、災害時にも一定時間だけ使用可能な一定量として貯溜する中継サービス貯油タンクと、
【0021】
その中継サービス貯油タンクから分配供給される灯油を燃料として運転するコージェネレーションユニット並びに複数台のボイラーと、
【0022】
そのボイラーにより作られた熱媒水を貯溜するバッファータンクと、
【0023】
上記コージェネレーションユニットの灯油エンジンから回収した排熱によって、水道からの給水を加熱・貯湯するストレージタンクと、
【0024】
上記バッファータンクとストレージタンクとの相互間に介在する給湯用熱交換ユニットを、そのバッファータンクと連通接続する熱交換1次側の循環回路と、
【0025】
同じく給湯用熱交換ユニットを上記ストレージタンクと連通接続する熱交換2次側の循環回路と、
【0026】
上記熱交換1次側循環回路から集合住宅の専有部分に向かって導出配管された暖房回路と、
【0027】
上記ストレージタンクから同じく集合住宅の専有部分に向かって導出配管された給湯回路と、
【0028】
水道から加圧給水ポンプを介して、上記専有部分とストレージタンクへの分配状態に配管された第1給水路と、
【0029】
その第1給水路の途中から分岐配管されて、上記加圧給水ポンプより集合住宅の共用部分へ給水する第2給水路と、
【0030】
その第2給水路の災害時における予備給水バイパス路として上記第1給水路へ連通接続され、且つその予備給水バイパス路の途中に介在する予備加圧給水ポンプと、
【0031】
上記コージェネレーションユニットの発電機に接続配線されて、その自家発電した電力と商用電力とを切り替える電力切替盤とから成り、
【0032】
災害時には上記中継サービス貯油タンクに貯溜された予備燃料の灯油を使用しつつ、ボイラーとコージェネレーションユニットを一定時間だけ自立運転させて、冬期でのセントラル暖房を行なう一方、
【0033】
そのコージェネレーションユニットの自家発電した電力を、上記電力切替盤から共用部分の照明器具と予備加圧給水ポンプへ供給することにより、その照明器具の点灯と共用部分への給水を行なえるように設定したことを特徴とするものである。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基いて本発明を詳述すると、本発明は熱源機のボイラーとコージェネレーションユニットの燃料に灯油(本明細書中、単に油と略称することもある。)を使用して、集合住宅のセントラル給湯とセントラル暖房を行なう災害自立型コージェネレーションシステムであり、その第1実施形態の全体構成を示した図1から明白なように、大型の貯油タンク(1)が機械室(M)の外部に設置されている。このような燃料の貯油タンク(1)は通例地下式として、集合住宅の構内に埋設されることとなる。
【0035】
(2)は機械室(M)の内部に格納設置された中継サービス貯油タンクであり、給油路(3)を介して上記貯油タンク(1)と接続配管されていると共に、その給油路(3)の途中には給油ポンプ(4)が設置されてもいる。中継サービス貯油タンク(2)に一旦貯溜した灯油を、機械室(M)内の後述するコージェネレーションユニット(U)や熱源機のボイラー(5a)(5b)、その他の必要な各種機器類へ供給するようになっている。
【0036】
上記中継サービス貯油タンク(2)は特に災害対策型の仕様として、図2の拡大図に示す如く、その内部が縦仕切り壁(6)を介して上流側の前室(7a)と下流側の後室(7b)に2分されており、その前室(7a)には災害時使用する予備燃料の灯油が、又後室(7b)には平常時使用する灯油が各々貯溜されている。
【0037】
そして、上記貯油タンク(1)から中継サービス貯油タンク(2)への給油路(3)は、その前室(7a)内の底面付近まで奥深く導入垂下されており、灯油が必らず前室(7a)を満杯状態に保った上、縦仕切り壁(6)をオーバーフローして、後室(7b)へ自づと移入するようになっている。
【0038】
但し、物理的には前室(7a)と後室(7b)とを別個なタンクとして並列状態に接合一体化し、その縦仕切り壁(6)を通じて前室(7a)から後室(7b)へ、灯油がオーバーフローするように構成しても良い。
【0039】
その結果、何れにしても灯油は中継サービス貯油タンク(2)内を常に流動・活性化して、水と分離するおそれがなく、災害時にも支障なく有効使用することができる。しかも、常に一定量の灯油が上記中継サービス貯油タンク(2)の前室(7a)内に確保されていることとなる。その一定量はコージェネレーションユニット(U)を短かくとも24時間だけ連続運転できる程度として、例えば約100リットルに設定されている。
【0040】
災害時の破損などにより、上記貯油タンク(1)内の灯油を使用できなくなったとしても、その中継サービス貯油タンク(2)における前室(7a)内の灯油を応急的に使用して、コージェネレーションユニット(U)を好ましくは24時間以上の一定時間だけ自立運転させることができるようになっているのである。
【0041】
(8a)(8b)は上記中継サービス貯油タンク(2)の前室(7a)と後室(7b)から下向き並列的に導出された前後一対のドレンであり、その何れの中途高さ位置も返油路(9)を介して、上記貯油タンク(1)と接続配管されている。
【0042】
しかも、中継サービス貯油タンク(2)における上記縦仕切り壁(6)の上方位置から導出するオーバーフロー油路(10)が、その返油路(9)の途中に連通接続されている。(11)は上記オーバーフロー油路(10)と貯油タンク(1)との相互間において、その返油路(9)に介挿設置された返油ポンプである。
【0043】
又、(12)は上記中継サービス貯油タンク(2)の貯油レベルセンサーであって、好ましくはその後室(7b)の内部に挿入セットされた安全防爆型のフロートスイッチ(フロート式液面計)から成り、平常時使用する灯油の貯溜レベルが正常な一定の範囲(H)内にあるか否かを検知して、その出力電気信号により上記給油ポンプ(4)や返油ポンプ(11)を作動制御するようになっている。
【0044】
つまり、中継サービス貯油タンク(2)の貯油レベルが正規の上限を越えた時には、上記給油ポンプ(4)を停止し、返油ポンプ(11)を作動させることによって、その余剰分の灯油をサービス貯油タンク(2)から上記貯油タンク(1)へ返還する一方、同じく貯油レベルが正規の下限まで到達していない時には、上記返油ポンプ(11)を停止し、給油ポンプ(4)を作動させて、その不足分の灯油を貯油タンク(1)からサービス貯油タンク(2)へ補給するのである。
【0045】
万一、その補給できない場合には、これを集中監視センターにおいて、上記貯油レベルセンサー(12)からの警告信号により知得した管理人が、貯油タンク(1)内の貯油量や給油ポンプ(4)の故障、その他の考えられる原因を点検して、必要な修復作業を行なう。
【0046】
(13)は上記中継サービス貯油タンク(2)からの導出油路であり、その基端部が並列する前後一対の分岐油路(14a)(14b)を介して、上記前室(7a)におけるドレン(8a)の中途高さ位置と、後室(7b)におけるドレン(8b)の中途高さ位置に各々連通接続されている一方、同じく導出油路(13)の先端部はコージェネレーションユニット用分配給油路(15)と、ボイラー用分配給油路(16)との並列する一対として分岐配管されている。
【0047】
(17)(18)はそのコージェネレーションユニット(U)への分配給油路(15)とボイラー(5a)(5b)への分配給油路(16)との途中に各々介挿設置された給油メーター、(19a)(19b)は上記分岐油路(14a)(14b)の途中に各々介挿設置された開閉弁であり、その前後一対の開閉弁(19a)(19b)を管理人が手動操作により切り替えて、平常時には上記中継サービス貯油タンク(2)における後室(7b)内の灯油を使用し、災害時には同じく前室(7a)内の灯油を使用できる状態に保つ。
【0048】
先に一言した熱源機のボイラー(5a)(5b)は、そのボイラー用分配給油路(16)からの灯油を燃料として、約80℃の熱媒水を作り、これをバッファータンク(20)に貯溜し、集合住宅のセントラル給湯とセントラル暖房に使用する。そのために、ボイラー(5a)(5b)はその燃焼時にのみ間歇運転されるボイラー用循環ポンプ(21a)(21b)と、流量調整弁(22a)(22b)とを備えたボイラー用循環回路(23)によって、バッファータンク(20)と連通接続されている。
【0049】
そのバッファータンク(20)の容量は一例として約1000リットルであり、これに熱媒水を貯溜するようになっている結果、セントラル給湯並びにセントラル暖房の負荷変動を平準化することができ、ボイラー(5a)(5b)の小型化にも役立つ。
【0050】
ボイラー(5a)(5b)の仕様は単相100/200Vとして、しかもその複数台(図例では2台)が並列設置されており、上記バッファータンク(20)に付属する温度センサー(24a)(24b)からの検知出力信号に基いて、その運転の台数制御を行なうようになっているため、単体故障の悪影響を受けるおそれがない。
【0051】
他方、先に一言したコージェネレーションユニット(U)は、そのコージェネレーションユニット用分配給油路(15)からの灯油を燃料とする灯油エンジン(25)と、その駆動力を受けて自家発電し得る発電機(26)と、エンジン(25)の排ガス熱交換器(27)とから成るユニット体であり、ストレージタンク(28)内の給水(飲用可能な水道水)を排熱により昇温させ、セントラル給湯用の温水として貯溜するようになっている。
【0052】
つまり、コージェネレーションユニット(U)の上記排ガス熱交換器(27)とストレージタンク(28)とは、熱回収用循環ポンプ(29)を有する熱回収用循環回路(30)によって連通接続されており、ストレージタンク(28)から取り出した水をコージェネレーションユニット(U)の排熱により、最高約85℃まで加熱して、そのストレージタンク(28)へ戻し貯湯するように構成されているのである。
【0053】
ストレージタンク(28)の容量は例えば約2000リットルに設定されており、これがコージェネレーションユニット(U)からの排熱回収タンクとして機能するため、熱エネルギーのロスがなく、又そのストレージタンク(28)に温水を貯溜するようになっている結果、セントラル給湯の負荷変動を平準化することができ、後述する給湯用熱交換ユニットの小型化にも役立つ。
【0054】
尚、上記コージェネレーションユニット(U)の一例として、その灯油エンジン(25)の燃料使用量は約3.7リットル/h.発電機(26)の標準仕様は単相三線100/200v.出力9.8Kw/h.約15,000Kcal/h.の熱回収量である。
【0055】
(31)は上記バッファータンク(20)の熱媒水をセントラル給湯並びにセントラル暖房の熱源として活用するため、そのバッファータンク(20)とストレージタンク(28)との相互間に介在する給湯用熱交換ユニットであり、その熱交換1次側(熱媒側)の循環回路(32)を介してバッファータンク(20)と接続配管されている一方、同じく熱交換2次側(給湯側)の循環回路(33)によって上記ストレージタンク(28)と接続配管されている。
【0056】
つまり、(34)(35)はその熱交換1次側循環回路(32)に介挿設置された小型の循環ポンプと流量調整弁、(36)(37)は熱交換2次側循環回路(33)に介挿設置されたやはり小型の循環ポンプと流量調整弁であり、上記バッファータンク(20)から取り出した熱媒水を給湯用熱交換ユニット(31)に送入して、ストレージタンク(28)内の給水や温度低下した温水を加熱するようになっているのである。
【0057】
しかも、上記熱交換2次側の循環回路(33)には温度センサー(38)も設置されており、これからの検知出力信号に基き、熱交換1次側の循環回路(32)に介在する熱媒水の温度調整用三方弁(39)を作動させて、給湯温度を約70℃の一定に保つことにより、ストレージタンク(28)内の滅菌効果も達成している。
【0058】
そして、このような給湯用熱交換ユニット(31)の熱交換1次側循環回路(32)からは、集合住宅における専有部分(A)の温水パネルヒーター(40)に向かう暖房回路(41)が分岐状態に導出配管されており、上記バッファータンク(20)に貯溜の熱媒水を利用して、セントラル暖房を行なえるようになっている。図3はその暖房回路(41)の配管系統を抽出した拡大図である。
【0059】
(42)(43)はその暖房回路(41)に介挿設置された暖房循環ポンプと流量調整弁、(44)は同じく外気温度との関係おいて、循環送り温度を調整するための三方弁であり、冬期の常時運転される暖房循環ポンプ(42)によって、上記パネルヒーター(40)へ約60℃〜約80℃の熱媒水を供給し、集合住宅の専有部分(A)を輻射熱により暖房する。
【0060】
図示省略してあるが、上記暖房回路(41)おける配管の最上部では、その暖房回路(41)のバイパス管路に定流量弁を設置して、放熱ロスを解消すると共に、暖房ヘッダー部に差圧弁を設けることにより、専有部分(A)のパネルヒーター(40)へ悉く均等に熱媒水を供給するようになっていることは、言うまでもない。尚、上記バッファータンク(20)への給水は、集合住宅の屋上に設置された膨張タンクへ、上記暖房回路(41)の途中を接続配管することにより、その膨張タンクを使用して行なわれることになる。
【0061】
又、(45)は水道水を貯溜する大型の受水槽であって、上記燃料の貯油タンク(1)と同じく機械室(M)の外部へ、通例地上式として設置されることになる。(46)は受水槽(45)から上記ストレージタンク(28)と、集合住宅の専有部分(A)にある浴室や台所、洗面台などの給水栓(47)に向かって、その分配状態に導出配管された第1給水路、(48)はその第1給水路(46)の基端部から、同じく集合住宅における共用部分(B)の給水栓(49)に向かって分岐配管された第2給水路であり、これらに共通する1台の加圧給水ポンプ(50)を介して、上記専有部分(A)と共用部分(B)並びにストレージタンク(28)へ悉く給水できるようになっている。(51)は上記ストレージタンク(28)を指向する第1給水路(46)の先端部に設置された減圧弁である。
【0062】
しかも、上記共用部分(B)の給水栓(49)に向かう第2給水路(48)の基端部は、災害時使用する予備給水バイパス路(52)として分岐された上、受水槽(45)に接続配管されており、災害時にはその予備給水バイパス路(52)の途中に介在する予備加圧給水ポンプ(53)を使用して、集合住宅における共用部分(B)の給水栓(49)へ給水できるようになっている。その上記加圧給水ポンプ(50)と並列する予備加圧給水ポンプ(53)の仕様も単相100/200Vであり、上記コージェネレーションユニット(U)が自家発電した電力を受けて運転される。
【0063】
上記ストレージタンク(28)内には給湯用となる約70℃の温水が貯溜されている旨を説明したが、そのストレージタンク(28)からは上記専有部分(A)の給水栓(47)に向かう給湯回路(54)が導出配管されており、その途中に介在する給湯循環ポンプ(55)によって、セントラル給湯を行なえるようになっている。図4はその給湯回路(54)の配管系統を抽出した拡大図である。
【0064】
その給湯回路(54)の途中は上記第1給水路(46)との連通接続状態にあり、その専有部分(A)の給水栓(47)へ供給する給湯温度を、湯水混合回路(56)の給湯ミキシングユニット(57)によって、上記約70℃から約60℃まで低下させ、使用上の火傷事故を予防している。尚、図示省略してあるが、給湯回路(54)における配管の最上部でも、そのバイパス管路にやはり定流量弁を設置することにより、放熱ロスを解消している。
【0065】
上記第1実施形態の場合、5階建て100戸程度の集合住宅を対象としており、ストレージタンク(28)の1台を設置しているにとどまるが、集合住宅における建物の規模や戸数などの如何では、その複数台を図5のような接続状態に設置しても良い。
【0066】
更に、図中の符号(58)は集合住宅の共用部分(B)に設置された電力切替盤であって、平常時に商用電力を共用部分(B)の廊下や階段、外路などに存在する照明器具(59)、機械室(M)内のボイラープラント制御盤(60)などへ分配供給するが、その電力切替盤(58)は第1送電線(61)を介して、上記コージェネレーションユニット(U)の発電機(26)と接続配線されており、平常時でも上記コージェネレーションユニット(U)の運転により発電した場合には、商用電力からその自家発電した電力に自づと切り替わる。電力配線の無い地域でも、又商用電力を使わなくとも、本発明のコージェネレーションシステムを運転できるようになっているのである。
【0067】
そして、本発明では災害時の応急として、上記中継サービス貯油タンク(2)の前室(7a)内に予備燃料の灯油が貯溜されているため、災害時でもその灯油により上記コージェネレーションユニット(U)を、短かくとも24時間は自立運転させることができる。
【0068】
その自家発電した電力を上記電力切替盤(58)から分配供給することにより、共用部分(B)の照明器具(59)を点灯させて、災害時の安全な通行を確保する一方、同じく電力切替盤(58)からの電力を受けたボイラープラント制御盤(60)が、災害時にも一定時間だけは機械室(M)内のボイラー(5a)(5b)を初め、上記した配管系統の各種ポンプ(4)(11)(21a)(21b)(29)(34)(36)(42)(55)やその他の必要な機器類を作動制御することになる。図6は図1から抽出した電力分配供給系統を示している。
【0069】
しかも、上記ボイラープラント制御盤(60)は第2送電線(62)を介して、災害時の予備加圧給水ポンプ(53)と接続配線されており、その災害時には共用部分(B)の給水栓(49)へ給水することもできるようになっている。その意味から、本発明を災害時の自立運転型コージェネレーションシステムと称したわけである。
【0070】
本発明に係る上記第1実施形態の構成では、平常時中継サービス貯油タンク(2)における後室(7b)内の灯油を受給して、コージェネレーションユニット(U)が運転され、自家発電すれば、電力切替盤(58)により自づと商用電力から自家発電した電力に切り替えられて、集合住宅における共用部分(B)の照明器具(59)が点灯する一方、ボイラープラント制御盤(60)によって機械室(M)内のボイラー(5a)(5b)や各種ポンプ(4)(11)(21a)(21b)(29)(34)(36)(42)(50)(55)、その他の必要な機器類が正しく作動制御されることになり、図示の実線矢印から明白なように、共用部分(B)の給水栓(49)に対する給水を初め、専有部分(A)に対するセントラル給湯や冬期でのセントラル暖房も行なわれる。
【0071】
その各種機器類の作動制御は機械室(M)内に設置のコンピユーターを用いて行ない、その状況や故障などを集中監視センターにおいて管理したり、更にはインターネットなどの通信回線を利用して、集合住宅からの遠隔的に監視することも可能である。
【0072】
そして、上記中継サービス貯油タンク(2)の前室(7a)内には、コージェネレーションユニット(U)を短かくとも24時間だけ運転できる予備燃料の灯油が貯溜されているため、災害時にはその前室(7a)からの分岐油路(14a)に介在する開閉弁(19a)を人為的に開放操作すれば、図示の点線矢印に示す如く、その灯油を受給したコージェネレーションユニット(U)が自立運転し、その自家発電した電力により共用部分(B)の照明器具(59)を点灯させることができると共に、同じく自家発電した電力を受けた予備加圧給水ポンプ(53)が作動して、上記第2給水路(48)とその予備給水バイパス路(52)を通じて、共用部分(B)の給水栓(49)へ給水することができ、災害時のライフラインを確保し得るのである。
【0073】
又、自家発電した電力を受けたボイラープラント制御盤(60)により、災害時にもボイラー(5a)(5b)を一定時間だけ作動させることができ、そのボイラー(5a)(5b)に対しても上記中継サービス貯油タンク(2)における前室(7a)内の灯油が供給されるようになっているため、そのバッファータンク(20)内の熱媒水を利用した専有部分(A)の暖房回路(41)が密閉回路であることとも相俟って、冬期でのセントラル暖房を行なうことができる。
【0074】
次に、図7は本発明の第2実施形態を示しており、その構成上図1の第1実施形態と相違する点は、下記の通りである。
【0075】
即ち、上記第1実施形態の場合、受水槽(45)から共用部分(B)の給水栓(49)を指向する予備給水バイパス路(52)の途中に、災害時の予備加圧給水ポンプ(53)を介挿設置して、その予備加圧給水ポンプ(53)へ電力切替盤(58)から送電するようになっており、これによれば共用部分(B)の給水栓(49)へ、受水槽(45)から多量の給水を行なえる利点がある。
【0076】
これに比して、第2実施形態では上記受水槽(45)から機械室(M)内のストレージタンク(28)に向かう第1給水路(46)の先端部と、同じく受水槽(45)から共用部分(B)の給水栓(49)に向かう第2給水路(48)の途中とを、災害時の予備給水バイパス路(52)によって連通接続すると共に、その予備給水バイパス路(52)の途中に災害時の予備加圧給水ポンプ(53)を介挿設置しており、これを第2送電線(62)によってボイラープラント制御盤(60)と接続配線している。
【0077】
このような第2実施形態の構成によれば、受水槽(45)の設置を省略して、水道水を直接第1給水路(46)へ導入するように接続配管した場合や、その受水槽(45)が災害時に万一破損した場合でも、上記ストレージタンク(28)内の貯水を共用部分(B)の給水栓(49)へ給水できる利点がある。尚、第2実施形態におけるその他の構成は上記第1実施形態と実質的に同一であるため、その図7に図1との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
【0078】
【発明の効果】
以上のように、本発明では集合住宅のセントラル給湯・暖房用コージェネレーションシステムとして、大型貯油タンク(1)からの灯油を平常時のみならず、災害時にも一定時間だけ使用可能な一定量として貯溜する中継サービス貯油タンク(2)と、
【0079】
その中継サービス貯油タンク(2)から分配供給される灯油を燃料として運転するコージェネレーションユニット(U)並びに複数台のボイラー(5a)(5b)と、
【0080】
そのボイラー(5a)(5b)により作られた熱媒水を貯溜するバッファータンク(20)と、
【0081】
上記コージェネレーションユニット(U)の灯油エンジン(26)から回収した排熱によって、受水槽(45)からの給水を加熱・貯湯するストレージタンク(28)と、
【0082】
上記バッファータンク(20)とストレージタンク(28)との相互間に介在する給湯用熱交換ユニット(31)を、そのバッファータンク(20)と連通接続する熱交換1次側の循環回路(32)と、
【0083】
同じく給湯用熱交換ユニット(31)を上記ストレージタンク(28)と連通接続する熱交換2次側の循環回路(33)と、
【0084】
上記熱交換1次側循環回路(32)から集合住宅の専有部分(A)に向かって導出配管された暖房回路(41)と、
【0085】
上記ストレージタンク(28)から同じく集合住宅の専有部分(A)に向かって導出配管された給湯回路(54)と、
【0086】
受水槽(45)から加圧給水ポンプ(50)を介して、上記専有部分(A)とストレージタンク(28)への分配状態に導出配管された第1給水路(46)と、
【0087】
その第1給水路(46)の途中から分岐配管されて、上記加圧給水ポンプ(50)により集合住宅の共用部分(B)へ給水する第2給水路(48)と、
【0088】
その第2給水路(48)の災害時における予備給水バイパス路(52)として上記受水槽(45)へ接続配管され、且つその予備給水バイパス路(52)の途中に介在する予備加圧給水ポンプ(53)と、
【0089】
上記コージェネレーションユニット(U)の発電機(26)に接続配線されて、その自家発電した電力と商用電力とを切り替える電力切替盤(58)とから成り、
【0090】
災害時には上記中継サービス貯油タンク(2)に貯溜された予備燃料の灯油を使用しつつ、ボイラー(5a)(5b)とコージェネレーションユニット(U)を一定時間だけ自立運転させて、冬期でのセントラル暖房を行なう一方、
【0091】
そのコージェネレーションユニット(U)の自家発電した電力を、上記電力切替盤(58)から共用部分(B)の照明器具(59)と予備加圧給水ポンプ(53)へ供給することにより、その照明器具(59)の点灯と共用部分(B)への給水を行なえるように設定してあるため、冒頭に述べた従来技術の課題を抜本的に解決することができ、地震などの災害時におけるライフラインを確保し得る効果がある。
【0092】
即ち、本発明の上記構成によれば、そのコージェネレーションユニット(U)とボイラー(5a)(5b)の燃料が灯油であり、しかも中継サービス貯油タンク(2)に平常時は勿論のこと、災害時でも一定時間だけ自立運転できる一定量として貯溜されているため、その灯油以外の燃料タンクを増設する必要なく、上記予備燃料の灯油を使用しつつ、災害時でもコージェネレーションユニット(U)を自立運転させて、その自家発電した電力により集合住宅の共用部分(B)へ給水と、その共用部分(B)における照明器具(59)の点灯を行なうことができ、冬期には一定時間だけの応急的なセントラル暖房も行なえる。
【0093】
又、上記ボイラー(5a)(5b)は複数台として設置されており、これによって作った熱媒水を暖房用として、バッファータンク(20)へ貯溜するようになっているため、その暖房負荷の変動を平準化できると共に、ボイラー(5a)(5b)の単体が故障するも、コージェネレーションシステムの全体的な運転に支障を及ぼすおそれがない。
【0094】
しかも、上記コージェネレーションユニット(U)からの排熱回収タンクとして機能するストレージタンク(28)内の給水を、上記ボイラー(5a)(5b)の熱媒水を利用して、その給湯用熱交換ユニット(31)により加熱し、集合住宅の専有部分(A)へ給湯するようになっているため、熱効率に優れるほか、給湯負荷の変動も平準化できる効果がある。
【0095】
そして、このような諸効果は請求項2の構成を採用するも、実質上同等に達成することができ、何れにしても災害時の予備加圧給水ポンプ(53)からの給水先が、集合住宅の共用部分(B)に限定されているため、その予備加圧給水ポンプ(53)の小型化や貴重な給水として認識させることにも役立つ。
【0096】
特に、請求項3の構成を採用するならば、大型貯油タンク(1)から中継サービス貯油タンク(2)へ導入される灯油が、その上流側の前室(7a)から下流側の後室(7b)へ自づと移入して、常に流動・活性化するため、災害時の予備燃料として支障なく有効に使用できるのであり、水との分離現象を起すおそれがない。
【0097】
又、請求項4の構成を採用するならば、平常時使用する灯油の貯溜量を、その貯油レベルセンサー(12)により検知して、過不足なくボイラー(5a)(5b)とコージェネレーションユニット(U)へ分配供給することができ、その灯油を効率良く使用し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の全体を示すシステム構成図である。
【図2】図1の中継サービス貯油タンクを抽出して示す拡大図である。
【図3】図1の暖房回路を抽出して示す拡大図である。
【図4】図1の給湯回路を抽出して示す拡大図である。
【図5】複数台のストレージタンクを接続した変形使用例の拡大図である。
【図6】図1の電力分配供給系統を抽出して示す拡大図である。
【図7】本発明に係る第2実施形態の全体を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
(1)・貯油タンク
(2)・中継サービス貯油タンク
(3)・給油路
(4)・給油ポンプ
(5a)(5b)・ボイラー
(6)・縦仕切り壁
(7a)・前室
(7b)・後室
(9)・返油路
(11)・返油ポンプ
(12)・貯油レベルセンサー
(13)・導出油路
(14a)(14b)・分岐油路
(15)・コージェネレーション用分配給油路
(16)・ボイラー用分配給油路
(19a)(19b)・開閉弁
(20)・バッファータンク
(23)・ボイラー用循環回路
(25)・灯油エンジン
(26)・発電機
(27)・排ガス熱交換器
(28)・ストレージタンク
(30)・熱回収用循環回路
(31)・給湯用熱交換ユニット
(32)・熱交換1次側循環回路
(33)・熱交換2次側循環回路
(40)・温水パネルヒーター
(41)・暖房回路
(45)・受水槽
(46)・第1給水路
(47)(49)・給水栓
(48)・第2給水路
(50)・加圧給水ポンプ
(52)・予備給水バイパス路
(53)・予備加圧給水ポンプ
(54)・給湯回路
(56)・湯水混合回路
(58)・電力切替盤
(59)・照明器具
(60)・ボイラープラント制御盤
(61)(62)・第1、2送電線
(A)・専有部分
(B)・共用部分
(M)・機械室
(U)・コージェネレーションユニット
Claims (4)
- 大型貯油タンク(1)からの灯油を平常時のみならず、災害時にも一定時間だけ使用可能な一定量として貯溜する中継サービス貯油タンク(2)と、
その中継サービス貯油タンク(2)から分配供給される灯油を燃料として運転するコージェネレーションユニット(U)並びに複数台のボイラー(5a)(5b)と、
そのボイラー(5a)(5b)により作られた熱媒水を貯溜するバッファータンク(20)と、
上記コージェネレーションユニット(U)の灯油エンジン(26)から回収した排熱によって、受水槽(45)からの給水を加熱・貯湯するストレージタンク(28)と、
上記バッファータンク(20)とストレージタンク(28)との相互間に介在する給湯用熱交換ユニット(31)を、そのバッファータンク(20)と連通接続する熱交換1次側の循環回路(32)と、
同じく給湯用熱交換ユニット(31)を上記ストレージタンク(28)と連通接続する熱交換2次側の循環回路(33)と、
上記熱交換1次側循環回路(32)から集合住宅の専有部分(A)に向かって導出配管された暖房回路(41)と、
上記ストレージタンク(28)から同じく集合住宅の専有部分(A)に向かって導出配管された給湯回路(54)と、
受水槽(45)から加圧給水ポンプ(50)を介して、上記専有部分(A)とストレージタンク(28)への分配状態に導出配管された第1給水路(46)と、
その第1給水路(46)の途中から分岐配管されて、上記加圧給水ポンプ(50)により集合住宅の共用部分(B)へ給水する第2給水路(48)と、
その第2給水路(48)の災害時における予備給水バイパス路(52)として上記受水槽(45)へ接続配管され、且つその予備給水バイパス路(52)の途中に介在する予備加圧給水ポンプ(53)と、
上記コージェネレーションユニット(U)の発電機(26)に接続配線されて、その自家発電した電力と商用電力とを切り替える電力切替盤(58)とから成り、
災害時には上記中継サービス貯油タンク(2)に貯溜された予備燃料の灯油を使用しつつ、ボイラー(5a)(5b)とコージェネレーションユニット(U)を一定時間だけ自立運転させて、冬期でのセントラル暖房を行なう一方、
そのコージェネレーションユニット(U)の自家発電した電力を、上記電力切替盤(58)から共用部分(B)の照明器具(59)と予備加圧給水ポンプ(53)へ供給することにより、その照明器具(59)の点灯と共用部分(B)への給水を行なえるように設定したことを特徴とする集合住宅のセントラル給湯・暖房用コージェネレーションシステム。 - 大型貯油タンク(1)からの灯油を平常時のみならず、災害時にも一定時間だけ使用可能な一定量として貯溜する中継サービス貯油タンク(2)と、
その中継サービス貯油タンク(2)から分配供給される灯油を燃料として運転するコージェネレーションユニット(U)並びに複数台のボイラー(5a)(5b)と、
そのボイラー(5a)(5b)により作られた熱媒水を貯溜するバッファータンク(20)と、
上記コージェネレーションユニット(U)の灯油エンジン(26)から回収した排熱によって、水道からの給水を加熱・貯湯するストレージタンク(28)と、
上記バッファータンク(20)とストレージタンク(28)との相互間に介在する給湯用熱交換ユニット(31)を、そのバッファータンク(20)と連通接続する熱交換1次側の循環回路(32)と、
同じく給湯用熱交換ユニット(31)を上記ストレージタンク(28)と連通接続する熱交換2次側の循環回路(33)と、
上記熱交換1次側循環回路(32)から集合住宅の専有部分(A)に向かって導出配管された暖房回路(41)と、
上記ストレージタンク(28)から同じく集合住宅の専有部分(A)に向かって導出配管された給湯回路(54)と、
水道から加圧給水ポンプ(50)を介して、上記専有部分(A)とストレージタンク(28)への分配状態に配管された第1給水路(46)と、
その第1給水路(46)の途中から分岐配管されて、上記加圧給水ポンプ(50)より集合住宅の共用部分(B)へ給水する第2給水路(48)と、
その第2給水路(48)の災害時における予備給水バイパス路(52)として上記第1給水路(46)へ連通接続され、且つその予備給水バイパス路(52)の途中に介在する予備加圧給水ポンプ(53)と、
上記コージェネレーションユニット(U)の発電機(26)に接続配線されて、その自家発電した電力と商用電力とを切り替える電力切替盤(58)とから成り、
災害時には上記中継サービス貯油タンク(2)に貯溜された予備燃料の灯油を使用しつつ、ボイラー(5a)(5b)とコージェネレーションユニット(U)を一定時間だけ自立運転させて、冬期でのセントラル暖房を行なう一方、
そのコージェネレーションユニット(U)の自家発電した電力を、上記電力切替盤(58)から共用部分(B)の照明器具(59)と予備加圧給水ポンプ(53)へ供給することにより、その照明器具(59)の点灯と共用部分(B)への給水を行なえるように設定したことを特徴とする集合住宅のセントラル給湯・暖房用コージェネレーションシステム。 - 中継サービス貯油タンク(2)を縦仕切り壁(6)により、貯油タンク(1)からの灯油が導入される上流側の前室(7a)と、その灯油が前室(7a)から縦仕切り壁(6)をオーバーフローして自づと移入し得る下流側の後室(7b)に2分して、
上記前室(7a)に災害時コージェネレーションユニット(U)が短かくとも24時間だけ運転される一定量の灯油を貯溜すると共に、
上記中継サービス貯油タンク(2)からコージェネレーション用分配給油路(15)とボイラー用分配給油路(16)に分岐配管される導出油路(13)の基端部を、上記前室(7a)と後室(7b)との対応的に並列する前後一対の分岐路(14a)(14b)として、その両分岐油路(14a)(14b)の途中に介挿設置された開閉弁(19a)(19b)を、手動操作により切り替えるように設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の集合住宅のセントラル給湯・暖房用コージェネレーションシステム。 - 貯油タンク(1)と中継サービス貯油タンク(2)とを給油路(3)と返油路(9)との一対により連通接続すると共に、
上記中継サービス貯油タンク(2)を縦仕切り壁(6)により、給油路(3)からの灯油が導入される上流側の前室(7a)と、その灯油が縦仕切り壁(6)をオーバーフローして自づと移入し得る下流側の後室(7b)に2分して、
上記前室(7a)に災害時使用される灯油を、後室(7b)に平常時使用される灯油を各々貯溜し、
その後室(7b)の灯油が予じめ決められた正規な範囲(H)の上限を越えた時には、その貯油レベルセンサー(12)の検知出力信号により上記返油ポンプ(11)を作動させて、その余剰分の灯油を上記中継サービス貯油タンク(2)から貯油タンク(1)へ返還する一方、
同じく灯油が正規な範囲(H)の下限に達しない時には、やはり貯油レベルセンサー(12)の検知出力信号により上記給油ポンプ(4)を作動させて、その不足分の灯油を上記貯油タンク(1)から中継サービス貯油タンク(2)へ補給するように設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の集合住宅のセントラル給湯・暖房用コージェネレーションシステム。
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