JP3724121B2 - Cooker - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、赤外線を放射するランプヒータのような加熱手段を備えたコンロ部により、耐熱ガラス板を介して被加熱容器を加熱する加熱調理器に関するもので、サーミスタ式の温度センサを用いて加熱制御するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の加熱調理器としては、例えば特開平4−236016号公報に開示されているようなものがあり、その加熱調理器の構成について、図14を参照して説明する。
【0003】
図14において、101は被加熱容器、102は被加熱容器101を載置し、ランプヒータ103よりの赤外線を透過する耐熱ガラス板で、ケース104の上部に装着されている。105は耐熱ガラス板102の下部に設けたサーミスタ式温度センサで、ランプヒータ103よりの輻射熱をバイアスとして付加し、被加熱容器101の温度上昇勾配と近似(応答時間の遅れを少なくしたもの)させて被加熱容器101を加熱制御する。106は線膨張式温度センサで、設定温度に到達すると線膨張してマイクロスイッチ107を動作させ、耐熱ガラス板102およびランプヒータ103の過昇温度防止を制御してその故障を少なくし寿命を長く保持している。108はサーミスタ式温度センサ105と線膨張式温度センサ106とを備えたコンロ部で、スプリング109により耐熱ガラス板102に当接しており、ドーナツ状の金属材ケース110の内部にはランプヒータ103を配設している。この金属材ケース110は、上部が開口し、側面と底面とを備えて垂直断面が皿状をなし、内底面にはリング状の断熱材111、側面内側には円筒状の断熱材112,113を備えている。そして金属材ケース110の中央部にはサーミスタ式温度センサ105が位置している。114は断熱材111の上面に位置させた円筒状の断熱材で、耐熱ガラス板102と断熱材111との間の隙間をなくて金属材ケース110の内部を気密にしている。なお、線膨張式温度センサ106は、ランプヒータ103と耐熱ガラス板102との間でランプヒータ103と直交するように位置している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の加熱調理器にあっては、被加熱容器101を加熱制御するサーミスタ式温度センサ105が電気的動作であるのに対して、線膨張式温度センサ106は機械式動作であるので、(1)時間的な応答性が遅くて悪い、(2)ONする時とOFFする時との制御動作温度の差が大きいなどの問題点があり、微妙な加熱制御ができないという課題があった。
【0005】
また、上記の課題を解決するために、サーミスタ式温度センサ105のみにすると、サーミスタ式温度センサ105は、被加熱容器101の温度を直接的に検知する方式ではなく、耐熱ガラス板102を介して被加熱容器101の温度を間接的に検知する方式であるので、種々の被加熱容器101を加熱制御する場合に、サーミスタ式温度センサ105だけでは、被加熱容器101の材質,底面の形状、あるいは底面の色などの違いにより加熱性能が異なり、使い勝手が良くないという課題があった。
【0006】
このことについて説明すると、例えば、土鍋を加熱するに最適なようにサーミスタ式温度センサ105の温度しきい値を設定すると、フッ素樹脂処理したアルミ材のフライパンの場合には、その底面、すなわち耐熱ガラス板102に接する面が黒色であると、加熱し過ぎとなってフッ素樹脂処理の上限温度300〜320℃以上になる場合があり、好ましくない。また、逆に、サーミスタ式温度センサ105の温度しきい値を、フッ素樹脂処理したアルミ材のフライパンの黒色底面に適応させると、土鍋には好ましくないものとなる。
【0007】
さらに、フッ素樹脂処理したフライパンの底面が白色の場合に最適なように温度しきい値を設定すると、フッ素樹脂処理した焼き肉プレートの場合には加熱し過ぎとなり、フッ素樹脂処理の上限温度300〜320℃以上になる場合があって好ましくない。また、逆に、焼き肉プレートに適応させるとフライパンの場合に好ましくないものとなる。
【0008】
これは、ランプヒータ103よりの赤外線が、耐熱ガラス板102を透過した後に、被加熱容器101の底面にて反射され、耐熱ガラス板102に向けての二次輻射が加わることなどにより、耐熱ガラス板102の温度が高温に上昇し、コンロ部108の内部が高温となり、加熱後にサーミスタ式温度センサ105の温度しきい値まで急激に温度上昇することに起因している。その結果、早いパワーダウン加熱となってフルパワー加熱の時間が少なくなり、加熱パワー不足となるので、調理加熱の完了までに時間がかかることになる。そして、サーミスタ式温度センサ105の温度しきい値の設定を高めると、別の被加熱容器には好ましくないものとなる。
【0009】
したがって、サーミスタ式温度センサ105だけでは、各種の被加熱容器101に対応する制御は困難になるので、商品の取り扱い説明書に、(1)土鍋の場合は、底面がフラットなものであること、(2)底面が白色の加熱容器はなるべく使用しないこと、(3)底面が白色の加熱容器の場合には、パワー不足のために加熱時間が少々長くなることなどを明記し、ユーザに理解を求める必要があるという課題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、被加熱容器を載置する耐熱ガラス板の下面に、加熱手段を内蔵したコンロ部を配設し、このコンロ部の近傍に、加熱手段よりの輻射熱を検出する第1サーミスタ式温度センサと前記耐熱ガラス板の下面に当接する第2サーミスタ式温度センサとを配設し、前記第2サーミスタ式温度センサが検出した温度と、加熱手段よりの輻射熱を検出する前記第1サーミスタ式温度センサが検出した温度との温度差により前記被加熱容器の種類を判別し、判別した前記被加熱容器の種類により、前記第2サーミスタ式温度センサが有する前記複数の温度しきい値のいずれかを選択して加熱制御することとしている。
【0011】
そして、この発明によれば、焼き肉プレートの加熱時においてフッ素樹脂処理を損傷することがなく、またフライパンの加熱時におけるパワー不足が解消でき、各種の被加熱容器を精度高く適正加熱することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図1〜13を参照して説明する。
【0013】
(実施例1)
実施例1について、加熱調理器の外観図を示す図1、同加熱調理器の正面断面図を示す図2、同加熱調理器の側面断面図を示す図3、同加熱調理器のコンロ部の外観図を示す図4、および同加熱調理器の制御ブロック図を示す図5を参照して説明する。
【0014】
図1〜5において、加熱調理器は、被加熱容器1を載置し、赤外線を透過する耐熱ガラス板2と上面ケース3とを接着剤4により一体化し、この上面ケース3と、外側に遮熱板5を一体に固定したコンロ部6および冷却ファン7ならびに制御部8を内蔵した下面ケース9とをねじ10により固定し、結合している。
【0015】
コンロ部6は、赤外線を透過する耐熱ガラス板2の下部に位置し、その外壁11は上部を開口し、底面の形状は、赤外線を放射するランプヒータ12を中心軸に位置させる放物線形状とし、壁面はケイ酸ナトリウム膜により被覆している。なお、外壁11は赤外線に対して反射率の高いアルミ材料により形成している。コンロ部6の上面は、遮熱板5と下面ケース9との間に介在させたスプリングバネ13により耐熱ガラス板2に当接し、底面の中央部、すなわち外壁11の底部の中央部には、開口部14を有する突部15を形成している。
【0016】
サーミスタ式温度センサ16は、コンロ部6における突部15の開口部14に位置させ、スプリングバネ17により耐熱ガラス板2に当接するように附勢している。
【0017】
もう一つのサーミスタ式温度センサ18は、コンロ部6の外壁11の中央部に突部15を設けることにより形成された凹部19の下方に位置している。この凹部19には、上部に開口部20を有する突部21を設け、コンロ部6の外側に備えた遮熱板5には、コンロ部6の外壁11に設けた突部21に対応し、上面に小孔22を有する突部23を設けている。この突部23とコンロ部6の突部21との間には断熱材リング24を介在させ、小孔部22を有する突部23にサーミスタ式温度センサ18を金具25により固定している。
【0018】
また、上面ケース3の側面には、加熱開始キー26、加熱停止キー27等を有する操作部28を備えている。なお、29はマイコンである。
【0019】
つぎに、その動作について図5を参照して説明する。加熱調理器は、加熱開始キー26を押して通電を開始すると、コンロ部6の内部の複数本のランプヒータ12が発熱し、赤外線が直上部に位置する耐熱ガラス板2を透過して金属鍋,天ぷら鍋,土鍋,焼き肉プレート,フライパンなどの被加熱容器1を伝導熱と輻射熱とにより加熱する。
【0020】
この加熱時における二つのサーミスタ式温度センサ16,18が相互補完する制御動作について説明する。
【0021】
サーミスタ式温度センサ16,18が共にサーミスタ式であるので、応答性よく制御することができ、また、二つのサーミスタ式温度センサ16,18により、種々の被加熱容器1に対応した加熱の制御をすることができる。例えば、被加熱容器1として土鍋を用いた場合は、材料がセラミックであるので、ランプヒータ12よりの赤外線は、耐熱ガラス板2を透過した後に被加熱容器1の底面により反射されて耐熱ガラス板2に向けての二次輻射が加わることにより、耐熱ガラス板2の温度が高温に上昇するとともにコンロ部6の内部の加熱立ち上がり温度勾配が大きく変化するのをサーミスタ式温度センサ18にて確実に検知することができる。
【0022】
これに対して、被加熱容器1がアルミ材フライパンなどのように、底面が黒色の場合には、ランプヒータ12よりの赤外線が耐熱ガラス板2を透過し易い処から、被加熱容器1により吸収され易くなり、サーミスタ式温度センサ18の加熱立ち上がり温度勾配は、土鍋の場合に比べて小さいものとなる。
【0023】
そこで、サーミスタ式温度センサ18の変化を検知し、サーミスタ式温度センサ16により最適制御をするので、例えば、加熱開始二分経過後におけるサーミスタ式温度センサ18の温度と加熱開始三分経過後におけるサーミスタ式温度センサ18の温度とを取り込み、その温度勾配をマイコン29により演算し、標準値以上の温度勾配の場合は被加熱容器1が土鍋と判別し、標準値未満の温度勾配の場合は底面が黒色の被加熱容器と判別するものである。そして、標準値以上の温度勾配の場合は、サーミスタ式温度センサ16は温度しきい値の高い方を選択し、標準値未満の温度勾配の場合は、サーミスタ式温度センサ16は、温度しきい値の低い方を選択するものである。
【0024】
これにより、被加熱容器1としてフッ素処理した底面が黒色のフライパンなどを用いて加熱する場合においても適正な加熱温調制御をすることができ、万が一空焚き加熱しても二個のサーミスタ式温度センサ16,18のいずれかにより制御するため、フライパンのプレート温度がフッ素樹脂処理の上限である300〜320℃を越えることがなくなる。
【0025】
以上のように、この実施例によれば、(1)従来の線膨張式温度センサを用いる場合と違ってサーミスタ式温度センサ16,18を備えるもので、構造が簡単で、低コスト化が図れ、(2)二つのサーミスタ式温度センサ16,18により精度よく加熱温調制御をすることにより、パワー不足が解消され、またフッ素処理が高温度による弊害を受けることがなくなり、(3)二つのサーミスタ式温度センサ16,18が相互に補完制御をするので適応する被加熱容器1の種類を拡大することができるという効果を奏する。
【0026】
(実施例2)
実施例2の加熱調理器の構成は、実施例1の場合と同様であるが、サーミスタ式温度センサ18は、加熱手段であるランプヒータ12よりの輻射熱を検出し、サーミスタ式温度センサ16は耐熱ガラス板2の下面に直接当接し、この両方のサーミスタ式温度センサ16,18により加熱制御するもので、その制御シーケンスを示す図6を参照して説明する。
【0027】
この加熱調理器は、ランプヒータ12よりの赤外線の反射が大きい被加熱容器1を加熱する場合と、ランプヒータ1よりの赤外線の反射が少ない被加熱容器1を加熱する場合とに、温度精度を高めた制御をすることができるもので、サーミスタ式温度センサ16がある温度を検出したとき、サーミスタ式温度センサ18が検出する温度がある温度以上か未満かにより被加熱容器1の種類を判別し、サーミスタ式温度センサ18に設けた二つの温度しきい値のいずれかを選択して制御するものである。
【0028】
例えば、加熱開始後に、サーミスタ式温度センサ16が155℃を検出したとき、サーミスタ式温度センサ18が125℃以上であれば土鍋と判別し、125℃未満であれば底面が黒色のアルミ材フライパンと判別する。そして、サーミスタ式温度センサ18が125℃以上であればサーミスタ式温度センサ16のしきい値の高い方(215℃)を選択し、125℃未満であればサーミスタ式温度センサ16のしきい値の低い方(165℃)を選択する。
【0029】
そして、温度しきい値の215℃もしくは165℃に到達すると、ランプヒータ12のパワーを自動的に520Wもしくは170Wにダウンさせ、215℃もしくは165℃以下になると、自動的に1300Wのフルパワーに戻す加熱温調制御をする。
【0030】
つまり、サーミスタ式温度センサ16とサーミスタ式温度センサ18とにより得た温度情報をミックスした学習制御により、種々の被加熱容器1を判別し、適正な加熱ができるようにして適応する被加熱容器1の種類を拡大したものである。
【0031】
以上のように、この実施例によれば、(1)学習制御することにより、各種の加熱容器に対応した適正な加熱を可能にし、(2)学習制御することにより、精度の高い制御を可能とし、適応する加熱容器の種類を増加させることができるという効果を奏する。
【0032】
(実施例3)
実施例3について、加熱調理器のコンロ部の平面図を示す図7、同加熱調理器の要部断面側面図を示す図8を参照して説明する。
【0033】
図7,8において、アルミ材料により形成した外壁11にランプヒータ12を内蔵して形成したコンロ部6の構成は図2に示す実施例1の場合とほぼ同じであるが、つぎの構成のみが異なっている。すなわち、外壁11の底部の中央部に、突部15が形成されておらなく、また、サーミスタ式温度センサ16はコンロ部6の中央部に位置しておらなく、サーミスタ式温度センサ16はコンロ部6の外周部に位置している構成になっている。
【0034】
そして、コンロ部6の外周部を三等分した位置に、窪み部30を設け、この窪み部30に近接してサーミスタ式温度センサ16を三個位置させている。コンロ部6の外周部ではあるが、ランプヒータ12よりの輻射熱が少し付加されるように、サーミスタ式温度センサ16はコンロ部6の外壁11に接近させて設けている。なお、サーミスタ式温度センサ16は、コンロ部6の外壁11に、部分的に当接させることにより熱のバイアスを加え、被加熱容器1の温度上昇勾配とサーミスタ式温度センサ16の温度上昇勾配とを近似させ、応答時間の遅れを少なくしている。
【0035】
したがって、二種類のサーミスタ式温度センサ16,18によるミックス制御をするが、サーミスタ式温度センサ16は、コンロ部6の中央部に位置しているのではなく、コンロ部6の外周部の窪み部30において外壁11に近接して位置させているので、被加熱容器1が加熱ゾーン、すなわちコンロ部6の直径部分よりもずれて載置されている場合にも、コンロ部6の外周部を三等分した位置に設けられたサーミスタ式温度センサ16により、確実に温度を検出できる。また、サーミスタ式温度センサ16は、コンロ部6の窪み部30において外壁11と近接させているので、温度検出の確実さを高めることができる。
【0036】
以上のように、この実施例によれば、(1)サーミスタ式温度センサ16をコンロ部6の中央部に位置させない構成により、中央部に位置させた場合とほぼ同じ性能が得られ、コンロ部6の構成を簡単にすることができ、(2)ランプヒータ12より熱をバイアスとしてサーミスタ式温度センサ16に付加しているので、温度検出の精度は中央部にサーミスタ式温度センサ16を位置させた場合と同等であり、(3)サーミスタ式温度センサ16が三個必要となるが、コンロ部6の構成が簡略になるためにコスト安に実現することができるという効果を奏する。
【0037】
(実施例4)
実施例4の加熱調理器の構成は、実施例1の場合と同様であり、二種類の温度センサであるサーミスタ式温度センサ18とサーミスタ式温度センサ16とにより、焼き肉プレートとフライパンとを選択制御するもので、制御シーケンスを示す図9を参照して説明する。
【0038】
そして、この場合の加熱調理器は、温度センサと操作部28の加熱キー、すなわち、加熱開始キー26および加熱停止キー27とを関連させているもので(図1参照)、操作部の一つの加熱キーにより、焼き肉プレートとフライパンとの両方を加熱制御するものである。なお、焼き肉プレートおよびフライパンとしたのは、通常の加熱調理器においては、焼き肉プレートとフライパンとは同一の加熱キーにより操作していることによる。ところが、この種の赤外線加熱においては、ランプヒータ12よりの赤外線が耐熱ガラス板2を透過し易いので、被加熱容器1が赤外線を吸収し易いものか、吸収し難いものかにより加熱性能が異なる。
【0039】
つまり、被加熱容器としては、焼き肉プレート,すき焼きプレート,鉄製フライパン,ステンレスフライパン,被加熱面が黒色のアルミ製フライパンなどの部類と、被加熱面が白色のアルミ製フライパンなどの部類があり、これら両者では加熱性能が異なるものである。
【0040】
このことについて図2を参照して説明する。
【0041】
サーミスタ式温度センサ16は、被加熱容器1として焼き肉プレートから被加熱面が白色のアルミ製フライパンまでの全ての部類のものを用いて加熱する場合でも多少の差があるが、ほぼ同様な温度勾配で上昇する。これは、サーミスタ式温度センサ16は耐熱ガラス板2に当接しているので、この被加熱容器1および耐熱ガラス板2の温度上昇に対して追従できるためである。
【0042】
ところが、サーミスタ式温度センサ18は、コンロ部6の内部の輻射温度を検出するので、被加熱容器1の種類により、コンロ部6の温度上昇に大幅の差が生じる。例えば、被加熱面が白色のアルミ製フライパン、あるいは板厚が薄いために底面が変形しているフライパンなどの被加熱容器1を加熱する場合には、コンロ部6の内部が急速に温度上昇するが、底面が黒色系の焼き肉プレートの被加熱容器1を加熱する場合には、コンロ部6の温度上昇は前者の場合よりも遅くなる。
【0043】
そこで、加熱開始後に、サーミスタ式温度センサ16がある温度を検出したとき、サーミスタ式温度センサ16とサーミスタ式温度センサ18とが検出した温度の温度差を学習することにより、被加熱容器1として用いているものが、被加熱面白色のアルミ製フライパンであるか否かを判別し、サーミスタ式温度センサ16に設けた二つの温度しきい値のいずれかを選択制御できるようにしたものである。
【0044】
具体的には、図9に示すように、被加熱容器1の加熱を開始し、サーミスタ式温度センサ16の温度が175℃に到達したとき、サーミスタ式温度センサ16の温度とサーミスタ式温度センサ18の温度との温度差が40℃以上ならば焼き肉プレートと判別し、このときサーミスタ式温度センサ16のしきい値は190℃/180℃を選択し、40℃以下ならば被加熱面白色のフライパンと判別し、このときサーミスタ式温度センサ16のしきい値は215℃/205℃を選択する。温度しきい値の190℃もしくは215℃に到達すると、ランプヒータ12のパワーを自動的に520Wもしくは170Wにダウンさせ、190℃もしくは215℃以下になると、自動的に1300Wのフルパワーに戻す加熱温調制御をする。
【0045】
被加熱容器1が焼き肉プレートの場合には、底面が黒色系でフッ素処理をしているが、ランプヒータ12よりの赤外線が耐熱ガラス板2を透過し易く被加熱容器1に吸収され易いために、コンロ部6の内部の温度が上昇し難くなっており、サーミスタ式温度センサ16,18によって加熱制御することにより、300℃〜320℃以下に制御することができる。
【0046】
以上のように、この実施例によれば、(1)被加熱容器1が焼き肉プレートであるかフライパンであるかを識別して制御することができるので、焼き肉プレートのフッ素樹脂処理を損なうまでの加熱をすることがなく、またフライパンのパワー不足を解消することができ、(2)被加熱容器1として用いる各種プレート容器の適正加熱を精度高く実現することができ、(3)白色タイプから黒色タイプ、さらに、鉄製やステンレス製のフライパンにも適正な加熱を実現することができるという効果を奏する。
【0047】
(実施例5)
実施例5の加熱調理器は、サーミスタ式温度センサ16とサーミスタ式温度センサ18により選択制御すること、および加熱調理器の操作部の加熱キーと関連させたことにおいては、前述の実施例4の場合と同様であるが、実施例4の場合との違いは、被加熱容器1として鍋底が白色系のものを用いた場合に、温度立ち上がりの変化が大きいサーミスタ式温度センサ18により、被加熱容器1の種類を判別するようにしたものである。制御としてはサーミスタ式温度センサ16,18によるミックス制御で、制御シーケンスを示す図10を参照して説明する。なお、加熱調理器の構成は実施例1の場合と同様である。
【0048】
すなわち、加熱開始後に、サーミスタ式温度センサ18がある温度以上か未満かにより被加熱容器1の種類を判別し、サーミスタ式温度センサ16の二つのしきい値のいずれかを選択制御できるようにしたものである。
【0049】
具体的には、図10に示すように、被加熱容器1の加熱を開始し、サーミスタ式温度センサ18がある温度(175℃)以上の場合、被加熱容器1は鍋底が白色系のものと判別し、ある温度(175℃)未満の場合は被加熱容器1は鍋底が黒色系のものと判別する。
【0050】
そして、ある温度(175℃)以上の場合、サーミスタ式温度センサ16のしきい値は260℃を選択し、ある温度(175℃)未満の場合、サーミスタ式温度センサ16のしきい値は215℃を選択する。温度しきい値の260℃もしくは215℃に到達すると、ランプヒータ12のパワーを自動的に520Wもしくは170Wにダウンさせ、260℃もしくは215℃以下になると、自動的に1300Wのフルパワーに戻す加熱温調制御をする。
【0051】
以上のように、この実施例によれば、(1)温度立ち上がりの変化の大きいサーミスタ式温度センサ18により被加熱容器1の種類を判別するので、適正加熱がし易くなり、(2)被加熱容器1として用いる鍋の種類を大幅に増すことができるという効果を奏する。
【0052】
(実施例6)
実施例6の加熱調理器について、その要部断面正面図を示す図11を参照して説明する。
【0053】
この加熱調理器は、被加熱容器1として土鍋を用いて加熱する場合、サーミスタ式温度センサ18の温度のしきい値により加熱制御し、サーミスタ式温度センサ16の温度のしきい値に上限温度を設定して、サーミスタ式温度センサ16の過昇温度防止機能を付加したものである。なお、加熱調理器の構成は実施例1の場合と同様である。
【0054】
この種の赤外線加熱においては、ランプヒータ12よりの赤外線が、耐熱ガラス板2を透過し易く、被加熱容器1に吸収され易いものか、吸収され難いものかにより、加熱性能が大きく異なる。特に、被加熱容器1として土鍋を用いた場合には、底面31が、白色のもの、図11に示すように凹状のもの、茶色または黒色のもの、あるいはフラットなものなどがあるために適正加熱の実現が難しい。さらに、サーミスタ式温度センサ16だけでは、精度の高い制御は難しいので、従来は取扱説明書に使用に適する土鍋を明記していた。
【0055】
何故ならば、土鍋の場合は金属鍋に比べて加熱効率が悪いからである。これは、ランプヒータ12よりの赤外線が耐熱ガラス板2を透過し、被加熱容器1を加熱するのであるが、加熱としては熱伝導と輻射による熱伝達で加熱している。しかし、金属鍋に比べて土鍋はセラミック系の材質であるので、熱伝導が悪く、加熱効率が悪くなる。
【0056】
また、土鍋の底面が白色系のものの場合には、ランプヒータ12よりの赤外線が耐熱ガラス板2を透過した後に、被加熱容器1である土鍋の底面により反射され、耐熱ガラス板2に向けての二次輻射が加わることにより、耐熱ガラス板2の温度が高温に上昇し、コンロ部6の内部が高温となり、その結果、サーミスタ式温度センサ18が、加熱開始後にいち早くしきい値まで温度上昇するからである。そして、早くパワーダウン加熱となるので、加熱制御に際してフルパワーでの加熱時間の割合がトータルの加熱時間の中で少なくなり、結果として加熱パワー不足となり、調理加熱完了までに時間がかかるという課題を有するものである。
【0057】
この課題を解決するために、コンロ部6の温度が、その内部の輻射温度を検出するサーミスタ式温度センサ18の温度しきい値に到達すると、加熱手段のパワーを自動的にダウンさせ、また、温度しきい値以下になると、自動的にフルパワーに戻すような加熱制御をし、その制御温度のしきい値を少々高く設定したものである。
【0058】
しかし、土鍋には各種の種類,形状があり、例えば、数は少ないものの底面が白色系で且つ底面形状が凹状の土鍋を加熱した場合には、サーミスタ式温度センサ16が高温になる。サーミスタ式温度センサ16は使用環境温度に限界があり、加熱によって、この限界の温度に達する場合がある。そこで、サーミスタ式温度センサ16に上限の温度しきい値を設けて必要以上の高温にならないように制御しており、この制御としては即座に加熱を停止するか、または、加熱手段のパワーを減少させるかなどにより行うことができる。
【0059】
以上のように、この実施例によれば、サーミスタ式温度センサ16を温度的に保護することができ、且つ制御温度のしきい値を少々高くすることにより、(1)種々の土鍋を適正加熱することができるとともに土鍋の加熱性能を向上させることができ、(2)土鍋加熱時のパワー不足を解消することができるという効果を奏する。
【0060】
(実施例7)
実施例7の加熱調理器について、その操作部説明図を示す図12、および加熱調理器の制御シーケンスを示す図13を参照して説明する。
【0061】
温度センサと操作部の加熱キーとを関連させており、鍋物キー32が動作している場合、サーミスタ式温度センサ16とサーミスタ式温度センサ18とによるミックス制御をし、サーミスタ式温度センサ18に、二つの温度しきい値を設けて識別制御をするものである。
【0062】
なお、コンロ部6の構成は、実施例1の場合と同一である。
【0063】
操作部28におけるキーは、各種の加熱内容が選択できる四つのキー、すなわち、フライパン加熱できる焼き物キー33、鍋物キー32、天ぷら,フライ物などをする揚げ物キー34、および保温キー35を設け、さらに、操作部28には、加熱開始キー26と加熱停止キー27とパワー切り替えキー36と表示ランプ37とを備えている。そして、焼き物キー33による加熱および揚げ物キー34による加熱のときは、予めマイコン29(図5参照)に入力しておいた温度を270℃とし、この温度にて加熱制御している。
【0064】
次に、長時間加熱の煮物もできる鍋物キー32による加熱について、図12および図13に基づいて説明する。
【0065】
操作部28の鍋物キー32により、底面が黒色の金属鍋、底面が白色の各種鍋および土鍋などを加熱することになる。ところが、この種の加熱調理器で赤外線による加熱をする場合においては、ランプヒータ12よりの赤外線が、耐熱ガラス板2を透過し易いので、赤外線が被加熱容器1に吸収され易いか、吸収され難いかにより、加熱性能が異なる。例えば、底面が黒色の金属鍋あるいは底面が白色の鍋と土鍋とにより加熱性能は異なるものである。
【0066】
そこで、鍋物キー32により加熱している場合において、サーミスタ式温度センサ18は温度しきい値として180℃と210℃との二つを有し、加熱開始後、サーミスタ式温度センサ16が290℃以下の場合ならば金属鍋と判別し、サーミスタ式温度センサ18の温度しきい値としては180℃を選択する。また、サーミスタ式温度センサ16が290℃以上の場合ならば土鍋と判別し、サーミスタ式温度センサ18の温度しきい値の210℃を選択する。そして、温度しきい値の210℃もしくは180℃に到達すると、ランプヒータ12のパワーを自動的に520Wもしくは170Wにダウンさせ、210℃もしくは180℃以下になると、自動的に1300Wのフルパワーに戻す加熱温調制御をする。
【0067】
この場合、鍋物キー32による加熱はどんな鍋の場合であってもサーミスタ式温度センサ18の温度しきい値を高めにしておけば良いというものでない。それは、鍋物キー32による加熱には、金属鍋や土鍋を加熱する場合、あるいは金属鍋により長時間加熱の煮物加熱をする場合などが含まれているので、サーミスタ式温度センサ18の温度しきい値を高めると、コンロ部6などの関連各部の温度も上昇して高くなり、好ましくないものとなる。
【0068】
そこで、土鍋を加熱する時に、サーミスタ式温度センサ18の温度しきい値を高めに設定するのは、通常の沸騰までの加熱のように連続加熱時間としては20分〜40分程度の短かい加熱時間の場合とし、シチューなどの煮物加熱をする時のように、金属鍋により、連続加熱時間としては60分〜120分程度の長時間加熱をする場合は、サーミスタ式温度センサ18の温度しきい値が低めに設定できるように、複数の温度しきい値を設定し、識別制御ができるようにして土鍋の加熱性能を向上させている。
【0069】
以上のように、この実施例によれば、鍋物キー32により加熱するときは、両方のサーミスタ式温度センサ16,18によりミックス制御をし、サーミスタ式温度センサ18には二つの温度しきい値を設定して識別制御することにより、(1)鍋物キー32により加熱する場合において、土鍋を加熱する時の加熱性能を向上させ、(2)コンロ部6などの関連各部の温度上昇を抑えて加熱性能を向上させることができるという効果を奏する。
【0070】
(実施例8)
実施例8の加熱調理器は、両方のサーミスタ式温度センサ16,18により選択制御すること、操作部28に設けた四つの加熱キーと関連させたことなどは実施例7の場合と同一とし、コンロ部6の構成は、実施例1の場合と同一とし、鍋物キー32により焼き物加熱をするような誤違キーによる加熱の不具合をなくすように制御をさせたものである。
【0071】
まず、鍋物キー32により焼き物加熱をする誤違キー加熱をすると、なにが不具合かについて説明する。
【0072】
(1)鍋物キー32による加熱においては、実施例7で説明したように、金属鍋の加熱と土鍋の加熱とがあり、土鍋はセラミックで金属鍋に比べて熱伝導率が小さいために吸熱が悪いので、加熱パワーとしては大きく、温度的限界まで加熱制御する加熱温調制御が必要となる。
【0073】
(2)一方、焼き物キー33による加熱は、焼き肉プレート,すき焼きプレート,フライパンなどの被加熱容器を用い、調理する前に空焚き加熱をする工程が必要となるが、これらの被加熱容器は、フッ素樹脂処理しているために、フッ素樹脂処理している面がある温度以下になるような加熱温調制御が必要となる。
【0074】
従って、鍋物キー32により焼き物加熱をすると、鍋物キー32による場合にはある温度以下に維持するような加熱温調制御が付加されていないために、フッ素樹脂処理した焼き肉プレート,すき焼きプレート,フライパンなどが、必ず行う空焚き加熱により損傷されるという不具合が生じる。
【0075】
そこで、あるいは土鍋加熱時には動作しない温度しきい値を検証し、サーミスタ式温度センサ16の温度しきい値としてK温度(330℃)を設定し、誤違キー加熱で鍋物キー32により焼き物加熱をした場合、この温度に到達すると加熱運転が停止するようにしており、これにより、鍋物キー32により焼き物加熱した場合の不具合をなくす安全制御をすることができる。
【0076】
以上のように、この実施例によれば、鍋物キー32による加熱時に、サーミスタ式温度センサ16の温度しきい値として上限温度を設け、この温度以上になると加熱運転を停止する加熱制御機能を付加しているので、鍋物キー32により誤って焼き物加熱をした場合に、フッ素樹脂処理した焼き肉プレート,すき焼きプレート,フライパンなどが異常に加熱されたり、空焚き加熱されたりすることによる不具合のない安全制御を実現することができるという効果を奏する。
【0077】
(実施例9)
実施例9は、両方のサーミスタ式温度センサ16,18にて選択制御すること、操作部28に設けた四つの加熱キーと関連させたことなどは実施例7の場合と同一とし、コンロ部6の構成は実施例1の場合と同一とし、焼き物キー33にて鍋物加熱をするような誤違キーによる加熱の不具合をなくすように制御をさせるものである。
【0078】
まず、焼き物キー33にて鍋物加熱をする誤違キー加熱をすると、なにが不具合かについて説明する。
【0079】
(1)焼き物キー33における加熱には、焼き肉プレート,すき焼きプレート,フライパンなど種々の被加熱容器を加熱し、また、フライパンにも被加熱面が黒色のもの,白色のもの,あるいは被加熱底面が凸状のものなどがある。そして、先の実施例において説明したように、被加熱面が白色のフライパンおよび被加熱底面が凸状に変形したフライパンの場合は、サーミスタ式温度センサ18は、二次輻射により温度しきい値に早く到達するため、加熱パワーをダウンすることが多くなってパワー不足となる。そこで、被加熱面が黒色のフライパンを加熱する時のような場合にパワー不足なく加熱ができるようにするために、サーミスタ式温度センサ16の温度しきい値は215℃および250℃(このとき、黒色と判別した場合の温度しきい値は190℃および215℃)とし、温度しきい値は少々高く設定している。
【0080】
さらに、サーミスタ式温度センサ18の温度しきい値も、サーミスタ式温度センサ16と同様に、被加熱面が黒色のフライパンの場合よりも少々高く設定している。被加熱面が黒色のフライパンと判別すると温度しきい値としては210℃を、被加熱面が白色のフライパンと判別すると温度しきい値としては230℃を選択するような制御をしている。
【0081】
(2)一方、鍋物キー32の加熱においては、先の実施例にて説明したように、サーミスタ式温度センサ18は温度しきい値として180℃および210℃の二つを有し、土鍋加熱時には温度しきい値として210℃を選択制御するものである。土鍋加熱時には可能な限り高温に設定したいものであるが、コンロ部6などの関連各部の温度上昇を防止するために低めに抑えている。
【0082】
しかし、焼き物キー33による加熱時のサーミスタ式温度センサ18の温度しきい値は230℃であり、焼き物キー33にて土鍋加熱すると、コンロ部6などの関連各部の温度上昇が少々大きくなり具合が良くない。
【0083】
そこで、焼き物キー33にて誤って鍋物加熱をした場合に、コンロ部6など関連各部の温度上昇が大きくなって具合が悪くならないように、サーミスタ式温度センサ16により制御するものとしている。サーミスタ式温度センサ16の温度しきい値としては290℃を設定し、この温度に到達すると加熱手段のパワーを自動的にダウンさせ、290℃以下になると自動的にフルパワーに戻すような加熱温調制御をし、焼き物キー33にて鍋物加熱した場合の不具合を無くす安全制御機能を付加したものである。
【0084】
以上のように、この実施例によれば、焼き物キー33による加熱時に、サーミスタ式温度センサ16の温度しきい値がある温度以上になると、加熱パワーを制御する加熱制御機能を付加することにより、パワーをダウンさせるので、焼き物キー33にて鍋物加熱をした場合、コンロ部6などの関連各部が温度上昇するという不具合がない安全制御を実現することができるという効果を奏する。
【0085】
(実施例10)
実施例10の加熱調理器は、両方のサーミスタ式温度センサ16,18にて選択制御すること、操作部28に設けた四つの加熱キーと関連させたことなどは実施例7の場合同一とし、コンロ部6の構成は実施例1の場合と同一とし、揚げ物キー34にて焼き物加熱、あるいは鍋物加熱をするような誤違キーによる加熱をした場合の不具合をなくすように制御をさせるものである。
【0086】
まず、揚げ物キー34にて焼き物加熱、あるいは鍋物加熱をする誤違キー加熱をすると、なにが不具合かについて説明する。
【0087】
(1)揚げ物キー34の加熱においては、被加熱容器1として揚げ物用の天ぷら鍋を専用鍋とせず不特定多数の天ぷら鍋を対象とした加熱が実現できるようにしており、油加熱時の油の発火温度が370℃〜380℃であるので、予めマイコン29に入力しておいた温度に到達すると加熱手段を自動的に停止させて油加熱時の油の発火を防止している。このときのサーミスタ式温度センサ16の温度しきい値は290℃に設定し、各種の天ぷら鍋または各種の鍋底形状のものであっても安全性が確保できるように最適化している。
【0088】
(2)焼き物キー33の加熱においては、焼き肉プレート,すき焼きプレート,フライパンなど種々の被加熱容器を加熱し、また、フライパンにも被加熱面が黒色のもの,白色のもの,あるいは被加熱底面が凸状のものがある。そして、被加熱面が白色のフライパンおよび被加熱底面が凸状に変形したフライパンに対応させるために、サーミスタ式温度センサ16の温度しきい値は260℃に設定しているので、揚げ物キー34の加熱にて焼き物加熱をすると290℃まで加熱されることになる。
【0089】
(3)鍋物キー32の加熱においては、土鍋加熱の場合にサーミスタ式温度センサ18の温度しきい値は210℃に制御されているので、揚げ物キー34の加熱にて鍋物の加熱をしても同一温度の210℃に制御され、良くも悪くもなく加熱されることになる。
【0090】
つまり、揚げ物キー34にて焼き物加熱をすると、揚げ物キー34のサーミスタ式温度センサ16の温度しきい値が290℃であり、フッ素処理した焼き肉プレート,すき焼きプレート,フライパンなどを加熱するとき、空焚き加熱する工程が必要なことを想定すると、温度しきい値を少し低くする必要がある。
【0091】
そこで、揚げ物キー34にて焼き物加熱、あるいは鍋物加熱をした場合においては、揚げ物キー34による場合のサーミスタ式温度センサ16の温度しきい値として280℃を設定し、この温度に到達すると加熱手段のパワーを自動的にダウンさせ、280℃以下になると自動的にフルパワーに戻すような加熱温調制御をし、揚げ物キー34にて焼き物加熱あるいは鍋物加熱をした場合の不具合をなくす安全制御機能を付加したものである。
【0092】
以上のように、この実施例によれば、(1)揚げ物キー34による加熱時に、サーミスタ式温度センサ16の温度しきい値としてある温度(280℃)を設定し、この温度に到達すると加熱手段のパワーを自動的に極端にダウンさせ、その温度以下になると自動的にフルパワーに戻すような加熱温調制御をすることができ、揚げ物キー34にて焼き物加熱および鍋物加熱をした場合に、フッ素樹脂処理した焼き肉プレート,すき焼きプレート,フライパンなどを異常に空焚き加熱する不具合をなくした安全制御が実現できるという効果を奏する。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したような形態で実施される本発明の加熱調理器によれば、以下に記載されるような効果を奏する。
【0094】
請求項1によれば、焼き肉プレートの加熱時においてフッ素樹脂処理を損傷することがなく、またフライパンの加熱時におけるパワー不足が解消でき、各種の被加熱容器を精度高く適正加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における加熱調理器の外観図
【図2】 同加熱調理器の正面断面図
【図3】 同加熱調理器の側面断面図
【図4】 同加熱調理器のコンロ部の外観図
【図5】 同加熱調理器の制御回路ブロック図
【図6】 本発明の実施例2における加熱調理器の制御シーケンスを示す図
【図7】 本発明の実施例3における加熱調理器のコンロ部の平面図
【図8】 同加熱調理器の要部断面側面図
【図9】 本発明の実施例4における加熱調理器の制御シーケンスを示す図
【図10】 本発明の実施例5における加熱調理器の制御シーケンスを示す図
【図11】 本発明の実施例6における加熱調理器の要部断面正面図
【図12】 本発明の実施例7における加熱調理器の操作部説明図
【図13】 同加熱調理器の制御シーケンスを示す図
【図14】 従来における加熱調理器の正面断面図
【符号の説明】
1 被加熱容器
2 耐熱ガラス板
6 コンロ部
12 ランプヒータ(加熱手段)
16,18 セラミック式温度センサ
32 鍋物キー
33 焼き物キー
34 揚げ物キー[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a heating cooker that heats a heated container through a heat-resistant glass plate by using a stove unit having a heating means such as a lamp heater that emits infrared rays, and is heated using a thermistor type temperature sensor. It is something to control.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as this type of cooking device, there is one as disclosed in, for example, JP-A-4-236016, and the configuration of the cooking device will be described with reference to FIG.
[0003]
In FIG. 14, 101 is a heated container, 102 is a heat-resistant glass plate on which the heated
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional cooking device, the thermistor
[0005]
Further, in order to solve the above problem, if only the thermistor
[0006]
To explain this, for example, when the temperature threshold value of the thermistor
[0007]
Furthermore, if the temperature threshold is set so as to be optimal when the bottom surface of the frying pan treated with the fluororesin is white, in the case of the roasted meat plate treated with the fluororesin, the heating is excessive, and the upper limit temperature of the fluororesin treatment is 300 to 320. It is not preferable because the temperature may be higher than ℃. Conversely, adapting to a grilled meat plate is not preferable in the case of a frying pan.
[0008]
This is because the infrared rays from the
[0009]
Therefore, since it becomes difficult to control the various heated
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the present invention has a stove part with a built-in heating means disposed on the lower surface of a heat-resistant glass plate on which a heated container is placed, and radiant heat from the heating means is provided near the stove part. DetectFirst thermistor typeContact the temperature sensor and the lower surface of the heat-resistant glass plateSecond thermistor typeA temperature sensor,The type of the container to be heated is determined based on the temperature difference between the temperature detected by the second thermistor temperature sensor and the temperature detected by the first thermistor temperature sensor that detects radiant heat from the heating means. Select one of the plurality of temperature thresholds of the second thermistor temperature sensor depending on the type of container to be heatedThe heating is controlled.
[0011]
And according to this invention,Fluorine resin treatment is not damaged when the grilled meat plate is heated, and when the frying pan is heated.Can solve the power shortageVarious kinds of heated containers can be heated appropriately with high accuracy.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to FIGS.
[0013]
Example 1
About Example 1, FIG. 1 which shows the external view of a heating cooker, FIG. 2 which shows front sectional drawing of the heating cooking appliance, FIG. 3 which shows side sectional drawing of the heating cooking appliance, The stove part of the heating cooking appliance A description will be given with reference to FIG. 4 showing an external view and FIG. 5 showing a control block diagram of the cooking device.
[0014]
1-5, the heating cooker mounts the to-be-heated
[0015]
The
[0016]
The thermistor
[0017]
Another thermistor
[0018]
An
[0019]
Next, the operation will be described with reference to FIG. When the heating cooker starts energization by pressing the heating start key 26, the plurality of
[0020]
A control operation in which the two
[0021]
Since the thermistor
[0022]
On the other hand, when the
[0023]
Therefore, since the change of the thermistor
[0024]
Thereby, even when the bottom surface treated with fluorine is heated as a
[0025]
As described above, according to this embodiment, (1) Unlike the conventional linear expansion type temperature sensor, the thermistor
[0026]
(Example 2)
The configuration of the cooking device of the second embodiment is the same as that of the first embodiment, but the
[0027]
This heating cooker increases the temperature accuracy when heating the
[0028]
For example, when the thermistor
[0029]
When the temperature threshold value of 215 ° C. or 165 ° C. is reached, the power of the
[0030]
In other words,
[0031]
As described above, according to this embodiment, (1) learning control enables appropriate heating corresponding to various heating containers, and (2) learning control enables highly accurate control. And the effect that the kind of heating container to adapt can be increased is produced.
[0032]
(Example 3)
Example 3 will be described with reference to FIG. 7 showing a plan view of a stove part of a heating cooker and FIG. 8 showing a cross-sectional side view of the main part of the heating cooker.
[0033]
7 and 8, the structure of the
[0034]
And the
[0035]
Therefore, the mix control is performed by the two types of thermistor
[0036]
As described above, according to this embodiment, (1) the thermistor
[0037]
Example 4
The configuration of the cooking device of the fourth embodiment is the same as that of the first embodiment, and the
[0038]
In this case, the heating cooker associates the temperature sensor with the heating key of the
[0039]
In other words, there are several types of heated containers, such as grilled meat plates, sukiyaki plates, iron frying pans, stainless steel frying pans, aluminum frying pans with black heated surfaces, and aluminum frying pans with white heated surfaces. Both have different heating performance.
[0040]
This will be described with reference to FIG.
[0041]
The thermistor-
[0042]
However, since the thermistor
[0043]
Therefore, when the
[0044]
Specifically, as shown in FIG. 9, when heating of the
[0045]
In the case where the
[0046]
As described above, according to this embodiment, (1) since it is possible to identify and control whether the
[0047]
(Example 5)
The heating cooker of the fifth embodiment is selectively controlled by the thermistor
[0048]
That is, after the start of heating, the type of the
[0049]
Specifically, as shown in FIG. 10, when heating of the
[0050]
When the temperature is higher than a certain temperature (175 ° C.), the threshold value of the thermistor
[0051]
As described above, according to this embodiment, (1) the type of the
[0052]
(Example 6)
The heating cooker of Example 6 is demonstrated with reference to FIG. 11 which shows the principal part cross-sectional front view.
[0053]
When heating using a clay pot as the
[0054]
In this type of infrared heating, the heating performance differs greatly depending on whether the infrared rays from the
[0055]
This is because earthenware pots have a lower heating efficiency than metal pots. This is because the infrared rays from the
[0056]
When the bottom of the earthenware pot is white, infrared rays from the
[0057]
In order to solve this problem, when the temperature of the
[0058]
However, there are various types and shapes of earthenware pots. For example, when a earthenware pot whose number is small but the bottom surface is white and the bottom surface shape is concave, the thermistor
[0059]
As described above, according to this embodiment, the thermistor-
[0060]
(Example 7)
The cooking device of the seventh embodiment will be described with reference to FIG. 12 showing the operation unit explanatory diagram and FIG. 13 showing the control sequence of the cooking device.
[0061]
When the temperature sensor and the heating key of the operation unit are associated with each other and the
[0062]
The configuration of the
[0063]
The keys in the
[0064]
Next, heating by the
[0065]
The
[0066]
Therefore, in the case of heating with the
[0067]
In this case, the heating by the
[0068]
Therefore, when the earthenware pot is heated, the temperature threshold value of the thermistor
[0069]
As described above, according to this embodiment, when the
[0070]
(Example 8)
The heating cooker of the eighth embodiment is the same as that of the seventh embodiment in that it is selectively controlled by both thermistor
[0071]
First of all, what will be wrong when the wrong key heating is performed to heat the pottery with the
[0072]
(1) In the heating with the
[0073]
(2) On the other hand, the heating with the grilled key 33 uses a heated container such as a grilled meat plate, a sukiyaki plate, a frying pan, etc., and requires a step of air-cooking before cooking. Since the fluororesin treatment is performed, it is necessary to control the heating temperature so that the fluororesin treatment surface is below a certain temperature.
[0074]
Accordingly, when the
[0075]
Therefore, the temperature threshold value which does not operate when the earthenware pot is heated is verified, the K temperature (330 ° C.) is set as the temperature threshold value of the thermistor
[0076]
As described above, according to this embodiment, an upper limit temperature is set as the temperature threshold value of the thermistor
[0077]
Example 9
The ninth embodiment is the same as that of the seventh embodiment in that selection control is performed by both thermistor
[0078]
First, what will be described as a malfunction when the wrong key heating for heating a pot with the
[0079]
(1) For heating in the
[0080]
Further, the temperature threshold value of the thermistor
[0081]
(2) On the other hand, in the heating of the
[0082]
However, the temperature threshold value of the thermistor
[0083]
In view of this, the thermistor-
[0084]
As described above, according to this embodiment, when the temperature threshold value of the
[0085]
(Example 10)
The heating cooker of Example 10 is the same as in Example 7 in that it is selectively controlled by both thermistor
[0086]
First, what is wrong when fried
[0087]
(1) In the heating of the deep-fried
[0088]
(2) In heating the
[0089]
(3) In heating the
[0090]
That is, when the fried
[0091]
Therefore, when the fried
[0092]
As described above, according to this embodiment, (1) a temperature (280 ° C.) is set as a temperature threshold value of the thermistor
[0093]
【The invention's effect】
According to the cooking device of the present invention implemented in the form as described above, the following effects can be obtained.
[0094]
Claim1According toBakedWhen the meat plate is heated, the fluororesin treatment is not damaged, and power shortage during heating of the frying pan can be solved, and various heated containers can be heated appropriately with high accuracy.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an external view of a heating cooker in
[Fig. 2] Front sectional view of the cooking device
FIG. 3 is a side sectional view of the cooking device.
[Fig. 4] External view of the stove part of the heating cooker
FIG. 5 is a control circuit block diagram of the cooking device.
FIG. 6 is a diagram showing a control sequence of the heating cooker in
FIG. 7 is a plan view of a stove part of a heating cooker in
FIG. 8 is a cross-sectional side view of the main part of the heating cooker.
FIG. 9 is a diagram showing a control sequence of a heating cooker in
FIG. 10 is a diagram showing a control sequence of a heating cooker in
FIG. 11 is a cross-sectional front view of an essential part of a heating cooker in
FIG. 12 is an explanatory diagram of an operation unit of a heating cooker in Embodiment 7 of the present invention.
FIG. 13 is a diagram showing a control sequence of the heating cooker
FIG. 14 is a front sectional view of a conventional cooking device.
[Explanation of symbols]
1 Heated container
2 heat-resistant glass plate
6 Stove section
12 Lamp heater (heating means)
16, 18 Ceramic temperature sensor
32 Hot Pot Key
33 Pottery key
34 Deep-fried food key
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