JP3724029B2 - スイング圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍装置などに使用されるスイング圧縮機に関し、特に、シリンダ室のボア断面積を拡大させる構造に係る。
【0002】
【従来の技術】
一般に、このスイング圧縮機は、例えば、特開平6−58276号公報に開示されるように、密閉ケーシング内にモータと、該モータで駆動する圧縮要素とを内装して構成されてなる。この圧縮要素は、吸入口および吐出口が開口するシリンダ室を有するシリンダと、上記シリンダ室に配設され、内周部が上記モータにより駆動する駆動軸の偏心軸部に回転可能に嵌合されたピストンと、該ピストンの外周部に半径方向外方に向けて突出状に結合され、上記シリンダ室を吸入口に通じる低圧室と吐出口に通じる高圧室とに区画するブレードと、上記シリンダの吸入口と吐出口との間に設けられ、そのシリンダ室に開口する開口部を有する孔と、該孔内にピストン軸方向に延びる軸を支点に揺動自在に設けられ、上記ブレードの突出先端側を揺動自在にかつ進退自在に支持する揺動ブッシュとを備え、上記駆動軸の回転に伴いピストンがブレードを介して揺動ブッシュを支点に揺動するようにシリンダ室の内周壁に沿って公転し、この公転によって吸入口から低圧室に吸入された冷媒ガスなどの流体を圧縮して高圧にし、その高圧となった流体を高圧室より吐出口を介して吐出するようにしている。この場合、密閉ケーシングの胴体中心線上にあるモータにより駆動軸が駆動される関係上、偏心軸部は、密閉ケーシングの胴体中心線(駆動軸の軸心)に対して偏心して揺動することになり、シリンダ室のボアは、その中心を胴体中心線と一致させた状態で、シリンダの内周部にブッシュ孔を確保しつつ、上記駆動軸に対する偏心軸部の偏心量により設定されている。
【0003】
一方、その他のスイング圧縮機としては、ピストンが自転しないというスイング圧縮機特有の構成を利用し、ピストン軸を高圧室が低圧室よりも小さくなるようにシリンダ室の軸心(ボア中心)に対して高圧回転領域側に偏心させるとともに、シリンダ室の軸心を、該シリンダ室の内周面に対して上記ピストンの外周面をピストン軸の揺動軌跡に伴い公転させるように、駆動軸の軸心に対して低圧回転領域側に偏心させ、高圧回転領域でのピストンの公転速度を低下させて、吐出流体の低速化による過圧縮の低減および回転角度に対する圧縮動力の変動低減を図るようにしたものもある(特開平5−248379号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の如きシリンダ室のボア中心が胴体中心線と一致するスイング圧縮機では、シリンダ室のボア径は、シリンダの内周部にブッシュ孔が確保されるようにシリンダの外径に規制された状態で、密閉ケーシングの胴体中心線(駆動軸の軸心)に対する偏心軸部の偏心量により設定されている。そのため、シリンダ室のボア容積を拡大する場合には、シリンダ室のシリンダ軸方向への高さつまりシリンダハイトを高くする必要がある。しかし、シリンダハイトを高くすれば、シリンダ室の内周面とピストンの外周面との間でのピストン軸方向への長さが増加して該両面間の流体漏れ隙間が増加する上、シリンダ室の内周面およびピストンの外周面の研磨などの加工時にピストン軸方向から挿通される加工具の撓みによる加工精度の悪化を招き、圧縮機の効率低下を招く恐れがある。一方、シリンダ室のボア径を拡大してシリンダ室のボア容積を拡大すれば、偏心軸部の偏心量の極小化を図ることができず、ブレードは進退方向への長さを要して加工寸法の縮短化によるコストダウンを達成することができない。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ピストン軸を効果的に偏心さることで、シリンダハイトを極小化させると共に偏心軸部の偏心量を極小化させて、圧縮要素の設計の最適化を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明が講じた解決手段は、吸入口(21)および吐出口(22)が開口するシリンダ室(6a)を有するシリンダ(6) と、上記シリンダ室(6a)内に配設され、内周部が駆動軸(5) の偏心軸部(5a)に回転可能に嵌合されたピストン(9) と、該ピストン(9) の外周部に突出状に結合され、上記シリンダ室(6a)を吸入口(21)に通じる低圧室(34)と吐出口(22)に通じる高圧室(35)とに区画するブレード(31)と、上記シリンダ(6) の吸入口(21)と吐出口(22)との間に設けられ、そのシリンダ室(6a)に開口する開口部(24a) を有する孔(24)と、該孔(24)内にピストン軸(OP)方向に延びる軸(OB)を支点に揺動自在に設けられ、上記ブレード(31)の突出先端側を揺動自在にかつ進退自在に支持する揺動ブッシュ(32)とを備え、上記ピストン(9) が駆動軸(5) の回転に伴い上記シリンダ室(6a)内で公転するように構成されたスイング圧縮機(1) を前提とする。そして、上記ピストン(9) を、上記シリンダ室(6a)のボア断面積を拡大するように、上記偏心軸部(5a)の軸心(OH)に対してピストン軸(OP)を上記ブレード(31)とは反対側に偏心させて設け、上記ピストン軸(OP)を、ピストン(9) の公転時に駆動軸(5) の軸心(OK)を支点にほぼ真円形状に揺動する上記偏心軸部(5a)の軸心(OH)に対して包線状の軌跡(X) を描くように揺動させる。さらに、上記シリンダ室(6a)の軸心(OC)を、上記ピストン(9) の外周面(12),(12'),(12'') を上記ピストン軸(OP)の揺動軌跡(X) に伴いシリンダ室(6a)の内周面(11),(11'),(11'') に沿って公転させるように、上記駆動軸(5) の軸心(OK)に対して上記ブレード(31)とは反対側に偏心させる構成としたものである。
【0007】
この構成により、請求項1記載の発明では、偏心ブッシュ(5a)をそのまま利用してピストン(9) の径が拡大されることになり、それに伴いシリンダ室(6a)のボア径がブレード(31)とは反対側に拡径されて、シリンダ内周部のブッシュ孔(孔)に規制されることなくボア断面積が拡大され、シリンダ室のボア容積が増加する。
【0008】
そのため、シリンダハイトを小さくしてもシリンダ室(6a)のボア容積が確保されることになり、シリンダハイトを小さくすることで、シリンダ室(6a)の内周面(11),(11'),(11'') とピストン(9) の外周面(12),(12'),(12'') との間の流体漏れ隙間をピストン軸(OP)方向に減少させることが可能となる上、シリンダ室(6a)の内周面(11),(11'),(11'') およびピストン(9) の外周面(12),(12'),(12'') の研磨などの加工時にピストン軸(OP)方向から挿通される加工具の撓みが抑制されて該加工具による加工精度が向上する。しかも駆動軸(5) の軸心(OK)に対して偏心軸部(5a)の偏心量を極小化することも可能となり、ブレード(31)が進退方向に縮小されてブレード(31)の加工寸法の縮短によるコストダウンが達成される。
【0009】
請求項2記載の発明が講じた解決手段は、請求項1記載の発明のピストン軸(OP)を特定し、ブレード(31)の進退移動方向に延びる軸線(m) 上にブレード(31)とは反対側に偏心して設ける構成としたものである。
【0010】
この構成により、請求項2記載の発明では、ピストン軸(OP)の揺動軌跡(X) が半径方向に最も大きくなり、それに伴いシリンダ室(6a)のボア径が最大限に拡径されてボア断面積が拡大され、シリンダ室(6a)のボア容積がより効果的に拡大される。
【0011】
請求項3記載の発明が講じた解決手段は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成要件に加えて、ピストン(9) の外周面(12)を、ピストン軸(OP)を中心とする断面真円形状に形成する一方、シリンダ室(6a)の内周面(11)を、上記ピストン(9) の外周面(12)をピストン軸(OP)の揺動軌跡(X) に伴って公転させるような断面非真円形状に形成する構成としたものである。
【0012】
この構成により、請求項3記載の発明では、ピストン(9) 外周面(12)を断面真円形状とすることにより、例えばピストン(9) と同形状の断面真円形状のエンドミルなどの加工具を、ピストン軸(OP)を支点とする包線状の軌跡(X) 通りに揺動させることで、断面非真円形状のシリンダ室(6a)の内周面(11)の加工が容易に行える。
【0013】
請求項4記載の発明が講じた解決手段は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成要件に加えて、シリンダ室(6a)の内周面(11') を、該シリンダ室(6a)の軸心(OC)を中心とする断面真円形状に形成する一方、ピストン(9) の外周面(12') を、そのピストン軸(OP)の揺動軌跡(X) に伴い上記シリンダ室(6a)の内周面(11') に沿って公転するような断面非真円形状に形成する構成としたものである。
【0014】
この構成により、請求項4記載の発明では、シリンダ室(6a)の内周面(11') が加工し易い断面真円形状となることから、加工時に制約を受ける内周面(11') 側の加工がエンドミルなどの加工具により精度良く簡単に行える。一方、加工時に制約を受けないピストン(9) の外周面(12') 側が断面非真円形状となることから、その外周面(12') が断面非真円形状に精度良く簡単に加工される。
【0015】
さらに、請求項5記載の発明が講じた解決手段は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成要件に加えて、ピストン(9) の外周面(12'')およびシリンダ室(6a)の内周面(11'')を、該シリンダ室(6a)の内周面(11'')に対してピストン(9) の外周面(12'')をそのピストン軸(OP)の揺動軌跡(X) に伴い公転させるように、それぞれ断面非真円形状に形成する構成としたものである。
【0016】
この構成により、請求項5記載の発明では、ブレード(31)の進退方向とほぼ直交する高圧回転領域側および低圧回転領域側における,シリンダ室(6a)の内周面(11'')とシリンダ(6) の外周面との間の不要な肉厚を効率良く利用して、シリンダ室(6a)のボア径を効率良く拡径することが可能となり、ボア容積がさらに効果的に拡大される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図4は本発明の実施の形態に係るスイング圧縮機の全体構成を示し、このスイング圧縮機(1) は、密閉ケーシング(2) の内方上部にモータ(3) を配設しているとともに、該モータ(3) の下部側に圧縮要素(4) を配設し、上記モータ(3) から延びる駆動軸(5) で上記圧縮要素(4) が回転駆動されるようになっている。この圧縮要素(4) は、内部にシリンダ室(6a)を有するシリンダ(6) と、該シリンダ(6) の上下両開放部に対接して配設され、この上下両開放部を閉鎖するフロント
ヘッド(7) およびリヤヘッド(8) と、上記シリンダ室(6a)内に回転可能に配設されたピストン(9) とを備え、上記各ヘッド(7),(8) に設けた軸受部に上記駆動軸(5) の下部側が軸受支持されている。
【0019】
また、図1に示すように、上記シリンダ室(6a)の内周面としての内周壁(11)は、断面略円形状に形成されており、上記ピストン(9) は円環状に形成され、その内周側には、偏心軸部(5a)が回転自在に嵌合されている。上記偏心軸部(5a)の軸心(OH)は、後述するブレード(31)の進退移動軸線(m) 上を駆動軸(5) の軸心(OK)に対して所定量オフセット(偏心)して設けられていて、駆動軸(5) の回転時にはピストン(9) が自転することなくその外周面(12)の一箇所でシリンダ室(6a)の内周壁(11)に接触又は近接しつつ内周壁(11)に沿って公転するようになっている。上記駆動軸(5) の軸心(OK)側には、上記ケーシング(2) における底部油溜め(2a)に開口する給油路(10)が設けられている。この給油路(10)は、その入口側にポンプ要素(13)が設けられていると共に、上記偏心軸部(5a)とピストン(9) との摺接面つまりシリンダ室(6a)内に中間出口が開口されてなり、上記ポンプ要素(13)で底部油溜め(2a)から汲み上げた潤滑油を給油路(10)を介して中間出口より上記シリンダ室(6a)内に供給するようにしている。
【0020】
さらに、上記シリンダ(6) にはそのシリンダ室(6a)の外周壁に開口する吸入口(21)が設けられ、該吸入口(21)には密閉ケーシング(2) の外部から吸入管(2b)が接続されている。また、図3に示すように、上記フロントヘッド(7) およびリヤヘッド(8) にはそのシリンダ室(6a)の上下両壁にそれぞれ開口する円形状の吐出口(22),(22) が設けられ、該各吐出口(22)にはシリンダ室(6a)(詳しくは後述する高圧室(35))内の圧力が所定値以上になったときに開く吐出弁(23)が設けられている。該各吐出弁(23)は、吐出口(22)を開閉する弁体(23a) と、該弁体(23a) の所定量以上の開放を当接により規制する弁押え(23b) とを備えてなる。そして、上記リヤヘッド(8) の吐出口(22)から吐出した冷媒ガス等の流体は、シリンダ(6) および両ヘッド(7),(8) を軸心方向に貫通する貫通口(図示せず)を介してフロントヘッド(7) の吐出口(22)から吐出した流体と共に密閉ケーシング(2) 外に吐出されるようになっている。さらに、上記シリンダ(6) には吸入口(21)と吐出口(22)との間の位置に軸方向に貫通する円柱形状のブッシュ孔(24)(孔)が形成され、該ブッシュ孔(24)は、円周の一部でシリンダ室(6a)に臨んで開口する開口部(24a) を有してなる。
【0021】
上記ピストン(9) にはその外周面(12)から半径方向に突出して延びるブレード(31)が一体的に設けられている。該ブレード(31)は、ピストン(9) と一体形成され、あるいは別部材からなりかつ両者を凹凸嵌合構造または接着剤等により連結して構成されている。上記ブレード(31)の突出先端側は上記ブッシュ孔(24)内に挿入されている一方、ブッシュ孔(24)内には、その軸心(OB)を支点にして揺動する略円柱形状の揺動ブッシュ(32)が揺動自在に嵌挿されている。上記揺動ブッシュ(32)には、上記ブレード(31)の突出先端側を開口部(24a) を介して進退移動可能に受入れる受入溝(33)が形成されている。上記揺動ブッシュ(32)は、その受入溝(33)内にブレード(31)を挟んだ状態のまま該ブレード(31)の突出先端側が進退移動するのを許容するとともにブレード(31)と一体にブッシュ孔(24)内で揺動するように設けられている。そして、上記ブレード(31)は、シリンダ(6) の内周壁(11)とピストン(9) の外周面(12)との間のシリンダ室(6a)を吸入口(21)に通じる低圧室(34)と吐出口(22)に通じる高圧室(35)とに区画しており、この状態でピストン(9) がブレード(31)を介して揺動ブッシュ(32)を支点に揺動するようにシリンダ室(6a)の内周壁(11)に沿って公転し、この公転毎に吸入口(21)から吸入した流体を圧縮して吐出口(22)から吐出するように構成されている。尚、図4中(2c)は、密閉ケーシング(2) の上部に接続した外部吐出管である。
【0022】
そして、本発明の特徴部分として、上記ピストン(9) は、上記シリンダ室(6a)のボア断面積を拡大するように、上記偏心軸部(5a)の軸心(OH)に対してピストン軸(OP)を上記ブレード(31)とは反対側に偏心させて配置されている。また、図2に示すように、上記偏心軸部(5a)の軸心(OH)と上記ピストン軸(OP)とは、ピストン(9) の公転時に上記ブッシュ孔(24)の軸心(OB)を通るブレード(31)の進退移動軸線(m) 上に位置して設けられ、ピストン(9) の公転時に偏心軸部(5a)の軸心(OH)が駆動軸(5) の軸心(OK)を中心にして真円形状の軌跡(Y) を描いて揺動するのに対し、ピストン軸(OP)の揺動軌跡(X) は、上記ブレード(31)の進退移動軸線(m) 上における偏心軸部(5a)の軸心(OH)とピストン軸(OP)との間の距離(a) が不変であることから、その偏心軸部(5a)の軸心(OH)の揺動軌跡(Y) に対する進退移動軸線(m) 上のピストン軸(OP)のポイントデータ値(図2中の黒丸で示す)を順次繋いで描かれる包線によって求められる。
【0023】
一方、上記シリンダ室(6a)の軸心(OC)は、上記ピストン(9) の外周面(12)を上記ピストン軸(OP)の揺動軌跡(X) に伴いシリンダ室(6a)の内周壁(11)に沿って公転させるように、上記駆動軸(5) の軸心(OK)に対して上記ブレード(31)とは反対側に偏心している。上記シリンダ室(6a)の軸心(OC)および駆動軸(5) の軸心(OK)は、それぞれピストン(9) の上死点位置または下死点位置における上記ブレード(31)の進退移動軸線(m) 上に設けられている。そして、上記ピストン(9) の外周面(12)は、上記ピストン軸(OP)を中心とする断面真円形状に形成されている一方、上記シリンダ室(6a)の内周壁(11)は、上記ピストン(9) の外周面(12)を上記ピストン軸(OP)の包線状の揺動軌跡(X) に伴って公転させるように、それぞれ低圧回転領域側および高圧回転領域側に拡径された断面非真円形状に形成されている。この場合、偏心軸部(5a)の軸心(OH)、駆動軸(5) の軸心(OK)、ピストン軸(OP)およびシリンダ室(6a)の軸心(OC)は、図2に示すピストン(9) の上死点位置におけるブレード(31)の進退移動軸線(m) 上にブレード(31)側から順に並んで設けられ、そのうち、偏心軸部(5a)の軸心(OH)およびシリンダ室(6a)の軸心(OC)は、図1に示すピストン(9) の下死点位置におけるブレード(31)の進退移動軸線(m) 上においてほぼ同心上に設けられている。
【0024】
したがって、上記実施の形態では、ピストン軸(OP)は、偏心軸部(5a)の軸心(OH)を変更することなくその軸心(OH)に対してブレード(31)の進退移動軸線(m) 上を該ブレード(31)とは反対側に偏心して設けられている一方、シリンダ室(6a)の軸心(OC)は、上記ピストン軸(OP)の揺動軌跡(X) に伴いピストン(9) が公転するように駆動軸(5) の軸心(OK)に対して上記進退移動軸線(m) 上におけるブレード(31)とは反対側に偏心して設けられている。これにより、偏心軸部(5a)をそのまま利用してピストン(9) の径が拡大されることになり、それに伴いシリンダ室(6a)のボア径がブレード(31)とは反対側に最大限に拡径されて、シリンダ(6) 内周部のブッシュ孔(24)に規制されることなくボア断面積が拡大され、シリンダ室(6a)のボア容積が効果的に増加する。
【0025】
そのため、シリンダハイトを小さくしてもシリンダ室(6a)のボア容積を確保することが可能となり、シリンダハイトの極小化によって、シリンダ室(6a)の内周壁(11)とピストン(9) の外周面(12)との間の流体漏れ隙間をピストン軸(OP)方向に減少させることができるとともに、シリンダ室(6a)の内周壁(11)およびピストン(9) の外周面(12)の研磨などの加工時にピストン軸(OP)方向から挿通されるエンドミルなどの加工具の撓みが抑制されて該加工具による加工精度を向上させることができ、スイング圧縮機(1) の高効率化を図ることができる。しかも駆動軸(5) の軸心(OK)に対して偏心軸部(5a)の偏心量を極小化することも可能となり、ブレード(31)が進退方向に縮小されてブレード(31)の加工寸法の縮短によるコストダウンを達成することができる。その結果、シリンダハイトおよび偏心軸部(5a)の偏心量の極小化によって、圧縮要素(4) の設計の最適化を図ることができる。
【0026】
さらに、ピストン(9) の外周面(12)が断面真円形状に、シリンダ室(6a)の内周壁(11)が断面非真円形状にそれぞれ形成されているので、例えばピストン(9) と同形状の断面真円形状の加工具などを、ピストン軸(OP)を支点とする包線状の軌跡(X) 通りに揺動させることで、断面非真円形状のシリンダ室(6a)の内周壁(11)の加工を容易に行うことができる。
【0027】
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
【0028】
先ず、第1の変形例として、図1に一点鎖線で示すように、シリンダ室(6a)の内周壁(11') が、該シリンダ室(6a)の軸心(OC)を中心とする断面真円形状に形成される一方、ピストン(9) の外周面(12') が、そのピストン軸(OP)の揺動軌跡(X) に伴い上記シリンダ室(6a)の内周壁(11') に沿って公転するように、ピストン(9) の上死点位置または下死点位置におけるブレード(31)の進退移動軸線(m) 方向に拡径された断面非真円形状に形成されるようにしている。この場合には、シリンダ室(6a)の内周壁(11') が加工し易い断面真円形状となることから、加工時に制約を受ける内周壁(11') 側の加工をエンドミルなどの加工具により精度良く簡単に行うことができる。一方、加工時に制約を受けないピストン(9) の外周面(12') 側が断面非真円形状となることから、その外周面(12') を断面非真円形状に精度良く簡単に加工することができる。
【0029】
また、第2変形例として、図1に二点鎖線で示すように、ピストン(9) の外周面(12'')およびシリンダ室(6a)の内周壁(11'')が、シリンダ室(6a)の内周壁(11'')に対してピストン(9) の外周面(12'')をそのピストン軸(OP)の揺動軌跡(X) に伴い公転させるように、それぞれ低圧回転領域側および高圧回転領域側に拡径された断面非真円形状に形成されるようにしている。この場合には、ブレード(31 の進退方向とほぼ直交する高圧回転領域側および低圧回転領域側における,シリンダ室(6a)の内周壁(11'')とシリンダ(6) の外周壁との間の不要な肉厚を効率良く利用し、シリンダ室(6a)のボア径を効率良く拡径させてボア容積をさらに効果的に拡大できる。
【0030】
尚、本発明は上記実施の形態および各変形例に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含するものである。例えば、上記実施の形態では、ピストン軸(OP)を、ブレード(31)の進退移動軸線(m) 上に設けたが、ピストン軸がブレードの進退移動軸線上から外れた位置において該ブレードとは反対側に偏心させた状態で設けられるようにしても良く、この場合においても、シリンダ室のボア径が拡径されてボア容積が拡大する。
【0031】
また、上記実施の形態では、偏心軸部(5a)の軸心(OH)を、駆動軸(5) の軸心(OK)に対してシリンダ室(6a)の軸心(OC)とほぼ同じ偏心量で偏心させたが、駆動軸の軸心に対してシリンダ室の軸心とは異なる偏心量で偏心していても良い。
【0032】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明におけるスイング圧縮機によれば、偏心軸部の軸心に対してピストン軸をブレードとは反対側に偏心させる一方、シリンダ室の軸心を駆動軸の軸心に対してブレードとは反対側に偏心させたので、シリンダ室のボア容積を効果的に拡大し、シリンダハイトの効果的な極小化による流体漏れ隙間の低減および加工具の加工精度の向上によるスイング圧縮機の高効率化を図ることができる。また、本発明によれば、偏心軸部の偏心量の極小化によりブレードを縮小させてブレードのコストダウンを図ることができ、よってシリンダハイトおよび偏心軸部の偏心量の極小化による圧縮要素の設計の最適化を図ることができる。
【0033】
請求項2記載の発明におけるスイング圧縮機によれば、ピストン軸をブレードの進退移動軸線上に設けたので、シリンダ室のボア径を最大限に拡径させてボア断面積を拡大し、シリンダ室のボア容積をより効果的に拡大させることができる。
請求項3記載の発明におけるスイング圧縮機によれば、ピストンの外周面を断面真円形状に、シリンダ室の内周面を断面非真円形状にそれぞれ形成したので、ピストンと同形状の加工具などによってシリンダ室の内周面の加工を容易に行うことができる。
【0034】
請求項4記載の発明におけるスイング圧縮機によれば、シリンダ室の内周面を加工し易い断面真円形状に、ピストンの外周面を加工し難い断面非真円形状にそれぞれ形成したので、シリンダ室の内周面およびピストンの外周面をそれぞれ精度良く簡単に加工することができる。
【0035】
さらに、請求項5記載の発明におけるスイング圧縮機によれば、ピストンの外周面およびシリンダ室の内周面を共に断面非真円形状に形成したので、シリンダの径方向の不要な肉厚を効率良く利用してシリンダ室のボア径を効率良く拡径でき、ボア容積をさらに効果的に拡大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る偏心軸部付近で切断したピストンの下死点位置における圧縮要素の横断平面図である。
【図2】 ピストン公転時における偏心軸部の軸心に対するピストン軸の揺動軌跡を説明する説明図である。
【図3】 吐出口付近で切断した圧縮要素の縦断正面図である。
【図4】 スイング圧縮機の縦断側面図である。
【符号の説明】
(1) スイング圧縮機
(5) 駆動軸
(5a) 偏心軸部
(6) シリンダ
(6a) シリンダ室
(9) ピストン
(11),(11'),(11'') シリンダ室の内周壁(内周面)
(12),(12'),(12'') ピストンの外周面
(21) 吸入口
(22) 吐出口
(24) ブッシュ孔(孔)
(24a) 開口部
(31) ブレード
(32) 揺動ブッシュ
(34) 低圧室
(35) 高圧室
(m) 進退移動軸線(軸線)
(OB) ブッシュ孔の軸心
(OC) シリンダ室の軸心
(OH) 偏心軸部の軸心
(OK) 駆動軸の軸心
(OP) ピストン軸
(X) ピストン軸の揺動軌跡(軌跡)

Claims (5)

  1. 吸入口(21)および吐出口(22)が開口するシリンダ室(6a)を有するシリンダ(6) と、
    上記シリンダ室(6a)内に配設され、内周部が駆動軸(5) の偏心軸部(5a)に回転可能に嵌合されたピストン(9) と、
    該ピストン(9) の外周部に突出状に結合され、上記シリンダ室(6a)を吸入口(21)に通じる低圧室(34)と吐出口(22)に通じる高圧室(35)とに区画するブレード(31)と、
    上記シリンダ(6) の吸入口(21)と吐出口(22)との間に設けられ、そのシリンダ室(6a)に開口する開口部(24a) を有する孔(24)と、
    該孔(24)内にピストン軸(OP)方向に延びる軸(OB)を支点に揺動自在に設けられ、上記ブレード(31)の突出先端側を揺動自在にかつ進退自在に支持する揺動ブッシュ(32)とを備え、上記ピストン(9) が駆動軸(5) の回転に伴い上記シリンダ室(6a)内で公転するように構成されたスイング圧縮機(1) において、
    上記ピストン(9) は、上記シリンダ室(6a)のボア断面積を拡大するように、上記偏心軸部(5a)の軸心(OH)に対してピストン軸(OP)を上記ブレード(31)とは反対側に偏心させて設けられ、上記ピストン軸(OP)は、ピストン(9) の公転時に駆動軸(5) の軸心(OK)を支点にほぼ真円形状に揺動する上記偏心軸部(5a)の軸心(OH)に対して包線状の軌跡(X) を描くように揺動しており、
    上記シリンダ室(6a)の軸心(OC)は、上記ピストン(9) の外周面(12),(12'),(12'') を上記ピストン軸(OP)の揺動軌跡(X) に伴いシリンダ室(6a)の内周面(11),(11'),(11'') に沿って公転させるように、上記駆動軸(5) の軸心(OK)に対して上記ブレード(31)とは反対側に偏心していることを特徴とするスイング圧縮機。
  2. 上記ピストン軸(OP)は、上記ブレード(31)の進退移動方向に延びる軸線(m) 上を上記ブレード(31)とは反対側に偏心して設けられている請求項1記載のスイング圧縮機。
  3. 上記ピストン(9) の外周面(12)は、上記ピストン軸(OP)を中心とする断面真円形状に形成されている一方、
    上記シリンダ室(6a)の内周面(11)は、上記ピストン(9) の外周面(12)を上記ピストン軸(OP)の揺動軌跡(X) に伴って公転させるような断面非真円形状に形成されている請求項1又は請求項2記載のスイング圧縮機。
  4. 上記シリンダ室(6a)の内周面(11') は、該シリンダ室(6a)の軸心(OC)を中心とする断面真円形状に形成されている一方、
    上記ピストン(9) の外周面(12') は、そのピストン軸(OP)の揺動軌跡(X) に伴い上記シリンダ室(6a)の内周面(11') に沿って公転するような断面非真円形状に形成されている請求項1又は請求項2記載のスイング圧縮機。
  5. 上記ピストン(9) の外周面(12'')および上記シリンダ室(6a)の内周面(11'')は、該シリンダ室(6a)の内周面(11'')に対してピストン(9) の外周面(12'')をそのピストン軸(OP)の揺動軌跡(X) に伴い公転させるように、それぞれ断面非真円形状に形成されている請求項1又は請求項2記載のスイング圧縮機。
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