JP3723695B2 - メカニカルシール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給水系におけるポンプのシール用であるメカニカルシールに関し、特にボイラや給水系における構造材の腐食抑制のために揮発性物質処理が供給水に施される場合に好適なメカニカルシールに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、火力発電所におけるボイラへの給水系におけるポンプのシールには、例えば実公昭62−29723号公報で知られるような一般的構造を有するメカニカルシールが広く用いられている。このメカニカルシールは、シールハウジング側の静止環と回転軸側の回転環とが互いの密封端面を相対回転可能に摺接させることでシール部を形成しており、静止環と回転環との摺動面には摺動面の冷却を兼ねたシール液が循環的に供給されるようになっている。このようなメカニカルシールにおいては、静止環や回転環の密封端面に傷を生じるとそのシール能が低下する。このような問題に関連する従来技術としては、例えば特開平3−175197号公報や特開平10−286568号公報に開示の例が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般的にはメカニカルシールにおいてその静止環や回転環の密封端面に傷を生じることは考えにくいと言える。しかし、最近、給水系で用いられるメカニカルシールでそのシール能が低下するという事態が発生した。そこで本願発明者等はその原因を追求してきた。まず明らかになったことは、カーボン材が用いられている静止環でなく炭化珪素材が用いられている回転環の密封端面に凹みのような状態で磨耗性の傷が部分的に発生しており、これがシール能の低下要因となっていることであった。このように、硬い炭化珪素材の回転環の密封端面に磨耗傷を生じることは一般に考えにくいことである。そこでその発生原因を分析したところ、ボイラや給水系の配管等の鉄材における腐食を抑制するために供給水に施されている揮発性物質処理で鉄材に耐食性の保護皮膜として生成するマグネタイト(Fe34 )が大きく関係していることが明らかになった。すなわち保護皮膜として生成するマグネタイトは、かなり硬質で、その一部がサブミクロンオーダーの微粒子となって供給水中に混入し、この供給水をシール液に利用しているメカニカルシールにおける静止環と回転環との摺動面にマグネタイトの微粒子が入り込むことにより、これが研磨材となって回転環の密封端面に磨耗傷を生じるということである。
【0004】
ところで、腐食抑制のための水処理の方式には揮発性物質処理の他に酸素処理がある(例えば、「酸素処理プラント給水管理への電気化学的手法適用試験」:火力原子力発電、Vol.49 No.2 Feb.1998)。酸素処理の場合には保護皮膜としてヘマタイト(α−Fe23 )を生成させる。このヘマタイトはマグネタイトとに較べてかなり軟質である。したがってシール液については酸素処理的な条件とすることでヘマタイトが優勢的に生成するようにすれば、上記のような摺動面における磨耗傷の発生を効果的に防止できる可能性がある。そのような観点から試験を行なったところ、期待通りの効果が得られた。
【0005】
本発明は上記のような知見に基づいてなされたものであり、メカニカルシールについて、それにおけるシール液をヘマタイトが優勢的に生成する条件とすることで、耐久性の向上を図ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的のために本発明では、揮発性物質処理がなされる水の給水系に用いられ、当該給水系における前記揮発性物質処理水を利用したシール液の冷却などのためのシール液循環部を備えたメカニカルシールにおいて、前記シール液循環部に酸素供給手段を設け、この酸素供給手段で前記シール液に酸素を供給するようにしたことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。第1の実施形態によるメカニカルシールの構成を簡略化して図1に示す。図1のメカニカルシールは、例えば火力発電所のボイラへの給水用ポンプに用いられるものであり、本体部Mとシール液循環部Sからなる。本体部Mは、シールハウジング1に固定された静止環2と回転軸3に装着された回転環4とを備えており、これら静止環2と回転環4が互いの密封端面2fと4fを相対回転可能に摺接させることでシール部を形成している。
【0008】
静止環2のシールハウジング1への固定はシールハウジング1のフランジ部5を介してなされ、両者の間にはOリング6を介在させてある。一方、回転環4の回転軸3への装着は、回転軸3に対し軸線方向では摺動可能であるが相対回転は不能な状態でなされ、両者の間には軸パッキン7を介在させてある。そして回転環4は、回転軸3に固定してあるリテーナ8に支持させたスプリング9により回転軸3の軸線方向に付勢されることでその密封端面4fを静止環2の密封端面2fに対し圧接させるようにされている。またこの回転環4には、その外周部に適宜な間隔で凹溝10gを複数形成することでインペラ10が設けられている。
【0009】
静止環2と回転環4が形成するシール部には本体部Mで回転環4の側(図1中の左方)を満たしている揮発性物質処理水(供給水)の一部が流入してシール液となる。このシール液は、例えば5000cm3 程度の量で、シール部とそこに接続するシール液循環部Sにおいて閉じ込められような状態となって内部循環する。そのシール液循環部Sは、循環配管20と冷却器21および酸素供給手段12を備えており、冷却器21で冷却すると共に酸素供給手段22で酸素を供給したシール液を本体部Mのシール部に循環させるようになっている。冷却器21は、流入配管23により外部から供給されて流出配管24により戻って行く冷却媒体でシール液を冷却するようにされている。その冷却媒体には、通常、水が用いられ、この冷却水の温度は火力発電の場合であれば、35℃程度であるのが一般である。本実施形態における酸素供給手段12は、小型コンプレッサ22cと仕切弁22bからなり、小型コンプレッサ22cで加圧空気を供給することで酸素をシール液に供給するようにされている。
【0010】
本発明ではシール液をヘマタイトが優勢的に生成する条件とするために、シール液における酸素濃度が100ppb以上となるようにする。シール液を100ppb以上の酸素濃度にするのに必要は空気の供給量は、シール液の量とこのシール液の供給源である揮発性物質処理水の酸素濃度により決まる。シール液の量は上記のように5000cm3 程度である。一方、一般的な火力発電所における揮発性物質処理水は、その酸素濃度が10ppb以下で、そのpHが9.3〜9.5となるようにされている。したがって必要な空気供給量は、回転環4の側を満たしている揮発性物質処理水の側への酸素の拡散が実質的にないとして、2cm3 程度となる。
【0011】
シール液循環部Sからのシール液は、シールハウジング1に設けてある流入口25から本体部Mに流入する一方で、同じくシールハウジング1に設けてある流出口26からシール液循環部Sに戻り、この間に回転環4におけるインペラ10により強制流動させるられることで静止環2と回転環4の摺動面に入り込んでそこにおける液膜シール作用と冷却作用を発揮する。
【0012】
本発明ではシール液をヘマタイトが優勢的に生成する条件とすることを要点としており、そのための第1の条件として、上記のようにシール液における酸素濃度を100ppb以上に維持することに加えて、第2の条件として、シール液の冷却器21による冷却後の温度を40℃以下とするようにしている。以下にこのような条件とすることの理由について説明する。
【0013】
常に水と接触している鉄材の表面に耐食性の保護皮膜としてマグネタイト(Fe34 )が生成するかヘマタイト(α−Fe23 )が生成するかは、水の温度、pH、酸素濃度、および鉄イオン濃度により定まり、外部的に操作が容易である温度と酸素濃度については、温度が高くて酸素濃度が低いほどマグネタイトが生成しやすく、ヘマタイトはその逆の条件で生成しやすい(例えば「高温水中における鉄の酸化物および水酸化物の生成」:化学工学論文集、第13巻第2号1987)。つまりpHと鉄イオン濃度が一定であるとして、温度と酸素濃度に関して境界的な条件があり、この境界的な条件の何れ側とするかにより、マグネタイトとヘマタイトの何れかを優勢的に生成させることができる。そして酸素濃度に関する境界的な条件はほぼ100ppb前後であると考えられている。
【0014】
一方、温度に関してはその境界的な条件は必ずしも定かでない。ただ、マグネタイトの生成反応、つまり水中への鉄の溶解により形成される水酸化第一鉄(Fe(OH)2 )からスタートし、酸素の供給が不十分で且つ高温である条件の下で、Fe+2H2 O→Fe(OH)2 +H2 、そして3Fe(OH)2 →Fe34 +2H2 O+H2 と反応してマグネタイトを生成する反応を考慮すると、実用的な範囲でできるだけ水温を低くしてやることがマグネタイトの生成を抑制してヘマタイトを優勢的て生成させる上で好ましいと言える。これを具体的には考えると、上記のように冷却器21における冷却水の温度が35℃であることから、35℃以下に冷却することは不可能であり、冷却器21の冷却容量を大きくすることで実用的に可能な最大限の冷却レベルは40℃程度となる。
【0015】
図2に示すのは第2の実施形態によるメカニカルシールである。本実施形態は、その酸素供給手段32の構成において第1の実施形態と異なる。すなわち本実施形態における酸素供給手段32は、酸化剤タンク32tに貯蔵してある酸化剤を注入ポンプ32pでシール液に供給するようにされている。
【0016】
図3に示すのは第3の実施形態によるメカニカルシールである。本実施形態もその酸素供給手段42の構成において第1の実施形態と異なる。すなわち本実施形態における酸素供給手段42は、電気分解式であり、電極42eと電源42vを備え、電極42eをシール液に接触させてシール液を電気分解することで酸素を発生させ、この酸素でシール液中の酸素濃度を高めるようにしている。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、揮発性物質処理がなされる水の給水系に用いられメカニカルシールについて、そのシール液をヘマタイト優勢の条件に維持するようにしているので、シール液中に研磨性の大きなマグネタイトが混入するのを効果的に抑制することができ、したがってマグネタイトの微粒子に起因する摺動面の損傷を有効に防止でき、耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態によるメカニカルシールの構成図である。
【図2】第2の実施形態によるメカニカルシールの構成図である。
【図3】第3の実施形態によるメカニカルシールの構成図である。
【符号の説明】
22 酸素供給手段
32 酸素供給手段
42 酸素供給手段
S シール液循環部

Claims (3)

  1. 揮発性物質処理がなされる水の給水系に用いられ、当該給水系における前記揮発性物質処理水を利用したシール液の冷却などのためのシール液循環部を備えたメカニカルシールにおいて、前記シール液循環部に酸素供給手段を設け、この酸素供給手段で前記シール液に酸素を供給するようにしたことを特徴とするメカニカルシール。
  2. シール液中の酸素濃度を100ppb以上に維持するようにした請求項1に記載のメカニカルシール。
  3. シール液循環部の冷却器によるシール液の冷却温度を40℃以下とするようにした請求項1または請求項2に記載のメカニカルシール。
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