JP3723430B2 - 冷媒圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵庫等に用いる単気筒のレシプロ式冷媒圧縮機に係り、特にシリンダと、回転軸を保持する軸受を有する本体とを一体に備えた本体を用い、片持軸受構造の圧縮機部を構成した冷媒圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリンダと回転軸を保持する軸受を有する本体とを別部品で構成し、ボルト等により締結固定されている冷媒圧縮機では、製造過程や輸送時に加わる衝撃によりシリンダと本体の締結にズレを生じ、本来の性能を発揮できないことがあり、これを防止する構造として図5に示すような圧縮機部1を構成するシリンダ2と軸受3とを一体に備えた本体4を用いて、片持軸受構造を構成した冷媒圧縮機が採用されている。
【0003】
この冷媒圧縮機では、シリンダ2内を往復運動するピストン5と、このピストン5にピストンピン6を介して回転軸7の偏芯部8とを連接するためのコンロッド10とを組付けたピストンコンロッド結合11を圧縮機部1に組込むため、回転軸7の偏芯部8寄りに設けられたバランスウェイト9をウェイト本体9aと付加ウェイト9bとに分割した構造とし、図6及び図7に示すようにピストンコンロッド結合11のピストン5部をシリンダ2内に挿入後、付加ウェイト9bをボルト12等により締結固定するようなものが知られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、分割構造のバランスウェイトでは部品点数の増加と、締結固定のための作業工数が増すことからコスト増加となり、締結した付加ウェイトが外れ圧縮機部を損傷する恐れがあること等の問題点があった。
【0005】
本発明は、これらの問題を改善した冷媒圧縮機を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、冷凍機油を貯溜した密閉容器内に、電動機部と、この電動機部に回転軸を介して連結する圧縮機部とを、回転軸心を垂直方向にして配設してなる冷媒圧縮機において、前記圧縮機部の回転軸側シリンダ内壁の上部に、シリンダの軸線に斜交する軸線を中心とするシリンダ内径と同一か、あるいは僅かに大きい円筒形状の切欠きを形成したことによって、ピストン組込みのための空間を確保するものである。
【0007】
請求項2にかかる発明は、冷凍機油を貯溜した密閉容器内に、電動機部と、この電動機部に回転軸を介して連結する圧縮機部とを、回転軸心を垂直方向にして配設してなる冷媒圧縮機において、前記圧縮機部の回転軸側シリンダ上壁には、シリンダの軸線と平行にシリンダ内径と同一か、あるいは僅かに大きい幅の切欠きを形成したことによって、ピストン組込みのための空間を確保するものである。
【0008】
請求項3にかかる発明は、前記切欠きの中心方向は、回転軸の軸線方向から圧縮行程中の前記回転軸の偏芯方向45度の範囲に位置していることによって、圧縮行程中にピストン側圧が加わる側のシリンダ内径面積を確保するものである。
【0009】
請求項4にかかる発明は、前記切欠きを形成したシリンダの切欠き面と、シリンダ内径面との交点は、シリンダの前記回転軸側端面から下死点に位置するピストンのピストンピン挿入孔の面取り部を含む範囲に位置したことによって、シリンダ内径とピストン外径間のシール性を確保するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
先ず本発明に係る冷媒圧縮機について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態である冷媒圧縮機の内部構造を示す縦断面図である。図において21は密閉容器であり、この内部下方に配置された電動機22と、この電動機22により回転軸7を介して駆動される圧縮機部1が上方に設けられている。圧縮機部1は回転軸7に設けられた偏芯部8の回転運動を、コンロッド10とピストンピン6を介してピストン5の往復運動に変換し、シリンダ2内をピストン5が往復運動するように構成されている。
【0011】
シリンダ2には前部に弁座板23を介して吐出マフラ24が備えられ、冷媒ガスの吸入と吐出径路が形成されている。また、密閉容器21の底部には圧縮機部1の摺動部と、これを駆動する回転軸7と軸受3の摺動部を潤滑するための冷凍機油15を貯留しており、回転軸7の下端部に設けられた遠心ポンプ16により冷凍機油15を汲み上げて、先ず軸受3との摺動部へ給油し、更に回転軸7と偏芯部8との内径に備えた給油孔18を通して上方に位置する圧縮機部1に給油している。
【0012】
圧縮機部1に給油された冷凍機油15は偏芯部8の外径に導かれ、コンロッド10に組込まれたブッシュ14との摺動部を潤滑した後末端から周囲に飛散する。この飛散した冷凍機油15の一部は往復運動するピストン5の外径とシリンダ2の内径との摺動部を潤滑すると共に、この摺動部の隙間をシールしている。
【0013】
また、本冷媒圧縮機を構成する圧縮機部1の組立手順は、先ずシリンダ2と軸受7とを一体に備えた本体4に回転軸7を装着し、ピストン5とコンロッド10とをピストンピン6を介して組付けたピストンコンロッド結合11のピストン5部をシリンダ2内へ挿入し、シリンダ2の軸線を中心に回転させ、回転軸7の偏芯部8にコンロッド10の大輪部を通し、この大輪部にブッシュ14を圧入している。
【0014】
図2は本発明の一実施形態である圧縮機部の一部を示しており、図中(イ)はシリンダ2部の縦断面、(ロ)は回転軸7側のシリンダ端面を示し、(ハ)はピストンコンロッド結合11の組込み状態を示す斜視図である。
【0015】
本実施形態では、回転軸7側のシリンダ2内壁の上部に、シリンダ2の軸線Loに角度Xで斜交する軸線Lを中心とするシリンダ2の内径Doと同一か、あるいは僅かに大きい径Dからなる円筒形状の切欠き13を形成している。これにより、ピストンコンロッド結合11を組込む際のピストン5をシリンダ2へ斜め下向きに挿入する空間を確保でき、バランスウェイト9の天面がシリンダ2の底面より高い寸法であっても組込みができることから、回転軸7の偏芯部18寄りに充分量のバランスウェイト9を一体に設けることが可能になる。
【0016】
図3は本発明の別の実施形態である圧縮機部の一部を示しており、図中(ニ)はシリンダ2部の縦断面、(ホ)は回転軸7側のシリンダ端面を示し、(ヘ)はピストンコンロッド結合11の組込み状態を示す斜視図である。
【0017】
本実施形態では、回転軸7側のシリンダ2の上壁に、シリンダ2の軸線Loと平行にシリンダ2の内径Doと同一か、あるいは僅かに大きい幅Dの切欠き13を形成している。これにより、ピストンコンロッド結合11を組込む際のピストン5をシリンダ2へ斜め下向きに挿入する空間を確保でき、バランスウェイト9の天面がシリンダ2の底面より高い寸法であっても組込みができることから、回転軸7の偏芯部18寄りに充分量のバランスウェイト9を一体に設けることが可能になる。
【0018】
また、圧縮行程中のガス圧がピストン5のトップ面に作用して発生する力は、偏芯部18に連接するコンロッド10の軸線とピストン5の軸線との成す角度で分解され、側圧としてピストン5をシリンダ2の側壁に押付ける力として加わるが、前述した実施形態の切欠き13の中心方向を、回転軸7の軸線方向から圧縮行程中の偏芯部18方向45度の範囲(図2の(ロ)と図3の(ホ)に示す角度Y)に位置させることで、側圧が加わる方向のシリンダ2の内径面積を確保でき、シリンダとピストンの摺動摩耗を抑制することが可能になる。
【0019】
図4は本発明の実施形態である圧縮機部の要部断面を示しており、図中のピストンコンロッド結合11は下死点に位置している。ここで、圧縮行程中の高圧ガスがシリンダ2の内径とピストン5の外径との隙間から漏れて体積効率が低下するのを防止するため、これらの摺動部はシールに必要な最大限の面積を確保する必要がある。本発明の前述したシリンダ2の切欠き13は、この切欠き面13aとシリンダ2の内径面との交点17が、シリンダ2の回転軸7側端面から下死点に位置するピストン5のピストンピン6挿入孔の面取り部を含む範囲B内に位置させることで、シリンダ2内径とピストン5外径間をシールするのに必要な面積を確保でき、性能の低下を抑制することが可能になる。
【0020】
また、前述の切欠きを設けることで、回転軸の偏芯部の末端から周囲に飛散する冷凍機油を効果的に捕捉し、ピストンとシリンダとの摺動部及びピストンピンとコンロッドの摺動部に給油することが可能になり、シール性と潤滑特性の改善が図れ、生産性ならびに性能が良く信頼性の高い冷媒圧縮機を供給することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、冷凍機油を貯溜した密閉容器内に、電動機部と、この電動機部に回転軸を介して連結する圧縮機部とを、回転軸心を垂直方向にして配設してなる冷媒圧縮機において、前記圧縮機部の回転軸側シリンダ内壁の上部に、シリンダの軸線に斜交する軸線を中心とするシリンダ内径と同一か、あるいは僅かに大きい円筒形状の切欠きを形成したことによって、ピストン組込みのための空間を確保でき、回転軸の偏芯部寄りに充分量のバランスウェイトを一体に設けることが可能になる。
【0022】
請求項2の発明によれば、冷凍機油を貯溜した密閉容器内に、電動機部と、この電動機部に回転軸を介して連結する圧縮機部とを、回転軸心を垂直方向にして配設してなる冷媒圧縮機において、前記圧縮機部の回転軸側シリンダ上壁には、シリンダの軸線と平行にシリンダ内径と同一か、あるいは僅かに大きい幅の切欠きを形成したことによって、回転軸の偏芯部寄りに充分量のバランスウェイトを一体に設けることが可能になる。
【0023】
請求項3の発明によれば、前記切欠きの中心方向は、回転軸の軸線方向から圧縮行程中の前記回転軸の偏芯方向45度の範囲に位置していることによって、圧縮行程中にピストン側圧が加わる側のシリンダ内径面積を確保でき、シリンダとピストンの摺動摩耗を抑制することが可能になる。
【0024】
請求項4の発明によれば、前記切欠きを形成したシリンダの切欠き面と、シリンダ内径面との交点は、シリンダの前記回転軸側端面から下死点に位置するピストンのピストンピン挿入孔の面取り部を含む範囲に位置したことによって、シリンダ内径とピストン外径間のシール性を確保でき、性能の低下を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である冷媒圧縮機の内部構造を示す縦断面図。
【図2】同実施形態である圧縮機部の一部を示す図。
【図3】本発明の別の実施形態である圧縮機部の一部を示す図。
【図4】本発明の実施形態である圧縮機部の要部縦断面を示す図。
【図5】従来の冷媒圧縮機の内部構造を示す縦断面図。
【図6】同ピストンコンロッド結合の組付け斜視図。
【図7】同付加ウェイトの組付け斜視図。
【符号の説明】
1 圧縮機部
2 シリンダ
4 本体
5 ピストン
7 回転軸
8 偏芯部
10 コンロッド
11 ピストンコンロッド結合
13 切欠き
Claims (4)
- 冷凍機油を貯溜した密閉容器内に、電動機部と、この電動機部に回転軸を介して連結する圧縮機部とを、回転軸心を垂直方向にして配設してなる冷媒圧縮機において、前記圧縮機部の回転軸側シリンダ内壁の上部に、シリンダの軸線に斜交する軸線を中心とするシリンダ内径と同一か、あるいは僅かに大きい円筒形状の切欠きを形成したことを特徴とする冷媒圧縮機。
- 冷凍機油を貯溜した密閉容器内に、電動機部と、この電動機部に回転軸を介して連結する圧縮機部とを、回転軸心を垂直方向にして配設してなる冷媒圧縮機において、前記圧縮機部の回転軸側シリンダ上壁には、シリンダの軸線と平行にシリンダ内径と同一か、あるいは僅かに大きい幅の切欠きを形成したことを特徴とする冷媒圧縮機。
- 前記切欠きの中心方向は、回転軸の軸線方向から圧縮行程中の前記回転軸の偏芯方向45度の範囲に位置していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷媒圧縮機。
- 前記切欠きを形成したシリンダの切欠き面と、シリンダ内径面との交点は、シリンダの前記回転軸側端面から下死点に位置するピストンのピストンピン挿入孔の面取り部を含む範囲に位置したことを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の冷媒圧縮機。
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