JP3722240B2 - 電子部品の樹脂封止装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下型を用いて成型されたた樹脂封止部を有する、例えば発光ダイオード、センサー、IC、ダイオード等の電子部品の製造方法及び樹脂封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の電子部品は、鉄等の金属より形成されるリードフレーム上に電子素子を搭載し、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で樹脂封止して形成される。例えば、フォトインタラプタにおける発光部の一次樹脂成形を行う場合、即ちリードフレーム上の発光ダイオード素子を樹脂封止する場合、図7に示すように、リードフレーム31は、帯状の連結バー311から一対のリード端子312が複数組一定間隔で並んで延出し、これらリード端子312の中途部をタイバー313が連結するという構造を有している。尚、ここで、リード端子312のタイバー313を境にした連結バー311側をアウターリード312a、また、先端側をインナーリード312bと称すこととする。
【0003】
前記リードフレーム31は、各一対のインナーリード312bの一方先端部に発光ダイオード素子(図示しない)が搭載され、該発光ダイオード素子は他方のインナーリード312bの先端部と金属ワイヤ等で電気的に接続されている。このように発光ダイオード素子が搭載されたリードフレーム31は、上下金型で上下方向から挟持される。図8に示すように、下金型32は、上金型との合わせ面に、樹脂タブレットを収納する樹脂ポット穴(図示しない)、これと連結して前記リードフレーム31の長手方向に沿って延びるランナ溝33、これから分岐する複数のゲート溝34、及びこれに通じる樹脂封止部成形用のキャビティー穴35が刻設されている。また、下金型32には、前記キャビティー穴35に充填された樹脂がリード端子312間に流出しないように、キャビティー穴35に隣接しリード端子312間に位置するダム部36が設けられている。
【0004】
一方、図9に示すように、上金型37の合わせ面には、前記下金型32のランナ溝33及びキャビティー穴35と対応するように、ランナ溝38及びキャビティー穴39が設けられており、更に深さ数μm〜十数μmの通気路溝40が、このキャビティー穴39から上金型37の側面方向に向かって刻設されている。
そして、前記リードフレーム31を上下金型37、32間に挟み込んだ状態で、樹脂ポット内で加熱溶融された樹脂を、プランジャー(図示しない)で押圧し、ランナ溝33、38及びゲート溝34を介してキャビティー穴35、39、即ちキャビティー内に充填し硬化することによって、リードフレーム31の長手方向に沿って一定間隔毎に搭載された前記発光ダイオード素子をインナーリード312bの先端部とともに樹脂封止する。前記溶融された樹脂をキャビティー内に充填するとき、キャビティー内の空気を外に逃がすようにして溶融樹脂の充填を円滑にする必要がある。そこで、前記上金型37の合わせ面に通気路溝40が設けられており、キャビティー内へ溶融樹脂を充填していくのに伴って、キャビティー内の空気は前記通気路溝40を通ってキャビティー外に押し出されるようになっている。
【0005】
次に、図10に示すように、上金型37を上昇させ、上下金型37、32を開き、鉄等からなる円柱状の押し出しピン41を上金型37側のキャビティー穴39の底面より下降突出させ、その後、円柱状の押し出しピン42を下金型32側のキャビティー穴35底面より上昇突出させて、樹脂封止部43を上下金型37、32から離脱させ、リードフレーム31を取り出した後、リードフレーム31のタイバー313の部分を打ち抜いて切除する。
【0006】
前記通気路溝40は、前述したように溶融樹脂充填時にキャビティー内の空気を逃がすために設けられているが、キャビティー内を完全に樹脂で満たすために空気だけを逃がすことはできず、どうしても溶融樹脂が漏れ出してしまう。この漏れ出した溶融樹脂がさらに通気路溝周辺の金型の合わせ面に染みだし、図11に示す如く、リードフレーム31のインナーリード312bの間に薄膜状に強く密着固化し、またアウターリード312aの間にまで厚膜状に強く密着固化し、リード端子312に不要樹脂44となって付着する。このような不要樹脂44は、ウォータージェット(噴流水)を吹き付け、その後洗い落とせなかった残存する不要樹脂44を前記タイバー313の切除と同時に除去することにより、リード端子312から除去されている。
【0007】
そして、連結バー311からリード端子312を打ち抜き加工により切り離して発光ダイオード(電子部品)が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の製造方法においては、前記不要樹脂44を前記ウォータージェットを用いてリード端子312から除去するのだが、リード端子に対して密着性の高いエポキシ樹脂等からなる不要樹脂44はリード端子312に対して強固に密着しているために、完全に除去することが困難であり、どうしてもリード端子312に部分的に残留してしまい易く、特にアウターリード312aに不要樹脂44が残留すると、得られた製品をプリント基板などに実装する場合に実装不良の原因となりかねない。また、不要樹脂44が残留することにより、製品の外観不良を発生させてしまうといった問題を生じさせることとなるのである。又、アウターリード312aの側面に不要樹脂44の残りカスが付着していると、半田付け等のときに半田未付着の原因となるのである。
【0009】
更に、不要樹脂44が残留したまま、前記連結バー311からリード端子312を打ち抜き加工する際や必要に応じてリード端子312に曲げ加工を施す際に、これら加工に用いる金型においてリードフレーム31の位置決めを正確に行えない場合が生じることがあり、結果不良品の発生率を高めることとなるのである。
【0010】
これらのような問題は、透明乃至半透明の樹脂封止部を必要とする発光ダイオード、センサー等の電子部品の製造において、特に生じ易いものである。つまり、透明乃至不透明の樹脂封止部を形成する場合、封止樹脂材料にフィラー等の添加材を少量しか使用できないために、これを溶融させたときの流動性は、不透明樹脂封止部の材料を溶融したときより高く、成形金型の合わせ面に染み出し樹脂バリが発生し易いのである。
【0011】
本発明は、以上のような状況下において考え出されたもので、樹脂モールド工程でリードフレームに付着する不要樹脂を確実に除去し得る電子部品の製造方法及びこの製造方法に好適に使用できる樹脂封止装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子部品の樹脂封止装置は、複数のリード端子の中途部を連結するタイバーを有するリードフレーム上の電子素子を樹脂封止する型を備えた電子部品の樹脂封止装置であって、前記型における前記タイバー上に位置する箇所にのみ樹脂貯留室を設け、前記型と前記樹脂貯留室とを連通するように設けられた第1の通気路を備えたことを特徴とする。また、前記樹脂貯留室と型外部とを連通する第2の通気路を備えることを特徴とする請求項1記載の電子部品の樹脂封止装置である。さらに、前記電子部品が透明乃至半透明の樹脂封止部を有する電子部品である請求項1または2記載の電子部品の樹脂封止装置である。
【0013】
【発明の作用および効果】
本発明によれば、溶融樹脂をキャビティー内に充填したとき、キャビティーから空気とともに通気路へ漏れ出す溶融樹脂を、通気路の途中におけるリードフレームのタイバー上或いはタイバーを切り欠いた位置に設けた貯留室に溜めるようにしたので、アウターリードまで溶融樹脂が染み出すことを効果的に防止でき、貯留室内で固化した溶融樹脂はタイバーに付着していることとなり、樹脂封止後にリードフレームからタイバーを切除するときに、不要樹脂としてタイバーとともに除去されることとなる。よって、アウターリードに樹脂が付着することがなくなる。従って、不要樹脂の残留による実装不良及び外観不良を極めて低減できるのである。
【0014】
また、本発明の装置によれば、上型の貯留室内上面からタイバーに向かって押し出し可能に設けられた押し出しピンを挿入し、貯留室と上型外部とを連通する第2の通気路を設けているので、上下型から樹脂封止されたリードフレームを取り出す際、貯留室内に溜まり固化した樹脂を押し出し、リード端子を変形させることなく円滑な取り出しを行え、且つキャビティー内の空気をタイバー上方へぬくことができ、溶融樹脂がアウターリード側へ染み出すのを確実に防止できるのである。
【0015】
本発明は、樹脂バリが発生し易い透明乃至半透明の樹脂封止部を必要とする電子部品の製造に、特に有効である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により、本発明の特徴とするところをより詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されることはない。
まず、第1の実施例としてフォトインタラプタにおける発光部の発光ダイオードの一次樹脂封止を行う場合について説明する。図1に、樹脂封止用の下金型及びリードフレームを示す。図1中、符号1はリードフレームを示し、該リードフレーム1は鉄等の金属よりなり、帯状の連結バー11から垂直方向に一対のリード端子12が複数組一定間隔で並んで延出し、これらリード端子12の中途部をタイバー13が連結するという構造を有している。尚、ここで、リード端子12のタイバー13を境にした連結バー11側をアウターリード12a、また、先端側をインナーリード12bと称すこととする。前記リードフレーム1は、各一対のインナーリード12bの一方先端部に発光ダイオード素子(図示しない)が搭載され、該発光ダイオード素子は他方のインナーリード12bの先端部と金属ワイヤ等で電気的に接続されている。
【0017】
また、同図中、符号2は下金型を示し、該下金型2は超硬合金からなり、基台(図示せず)上に固設されている。下金型2には、その上金型との合わせ面に、樹脂ポット穴(図示しない)、これに連結しリードフレーム1の長手方向に沿って延びるランナ溝3、このランナ溝3から両側に分岐する複数のゲート溝4、各ゲート溝4に通じるキャビティー穴5、及び該キャビティー穴5に隣接しリードフレーム1のインナーリード12b間の隙間を埋めるダム部6が刻設されている。また、下金型2には、前記キャビティー穴5の底面から押し出し可能に設けられ先端がキャビティー穴5の底面の一部を構成する円柱状の押し出しピン7が嵌遊されており、空圧式シリンダ(図示しない)の伸縮動により上下動自在となっている。
【0018】
一方、図2に示すように、上金型8には、前記下金型2のランナ溝3及びキャビティー穴5に対応するように、ランナ溝9及びキャビティー穴10が刻設されている。また、前記キャビティー穴10と連通する通気路溝21が、リードフレーム1を装着したときに、キャビティー穴10からリード端子12間を通って延設されており、この通気路溝21の途中でリードフレーム1のタイバー13上に位置する箇所に、底面に向かって狭くなるようにテーパ状に設けられた貯留室穴22が設けられている。更に、キャビティー穴10の底面から押し出し可能に円柱状の押し出しピン23が前記下金型2における押し出しピン7と同様にして嵌遊されている。前記上金型8は、油圧シリンダ(図示しない)の伸縮動により下金型2に対して上下動するものである。
【0019】
樹脂封止に際しては、これら上下金型8、2間にリードフレーム1を挟み込んで閉じるのであるが、まず、図1に示したように、リードフレーム1を、吸着コレットにより吸着保持した状態で、型開きした上金型8と下金型2との間に移送し、次いで、リードフレーム1のインナーリード12b上に搭載した発光ダイオード素子が下金型2のキャビティー穴5上にそれぞれ位置するように載置する。そして、リードフレーム1を、上金型8が油圧シリンダの伸動により下金型2に向けて下動することにより、図3に示すように、上金型8と下金型2の間に挟み込む。これにより、樹脂封止材料としてのエポキシ樹脂からなる円柱状の樹脂タブレットを収納する樹脂ポット(図示しない)、該樹脂ポットで溶融された樹脂を樹脂封止部となる空間であるキャビティーAへと導くランナB及びゲートC(樹脂充填路)、並びにキャビティーAから通気路Dへ洩れ出した溶融樹脂を貯留する貯留室Eが形成され、インナーリード12a上の素子は、キャビティーAに収容された状態となる。その後、予め従来の吸着搬送方法により樹脂ポット内に収納された樹脂タブレットを、下金型2内部に備えられたヒータ(図示せず)の加熱により溶融し、さらに、この溶融樹脂を樹脂ポット穴内に嵌入されたプランジャー(図示せず)の上昇により押圧してランナB及びゲートCを通じて各キャビティーA内に充填し固化してインナーリード12b上の素子を覆う。
【0020】
前記のように溶融樹脂をキャビティーA内に充填するとき、溶融樹脂の充填に伴いキャビティーA内の空気は通気路Dへ押し出される。この溶融樹脂充填過程において、溶融樹脂の一部が前記空気に引き込まれるようにキャビティーAから通気路Dへ漏れ出したとしても、通気路Dの途中に設けられた貯留室E内に貯留される。図4に示すように、この貯留室Eに貯留された溶融樹脂は、その後固化しリードフレーム1のタイバー13上に不要樹脂24として密着することとなる。本実施例では、前記貯留室Eを上金型8側に設けているが、下金型2側に設けても構わない。
【0021】
次に、上金型8を上動させ上下金型8、2を開き、樹脂封止されたリードフレーム1を取り出す。このとき、上金型8の押し出しピン23を、上下金型8、2を開くと同時にキャビティーA面から下降突出して上金型8からリードフレーム1を離脱させる。尚、下金型2のキャビティー穴5に設けられた押し出しピン7は、上下金型8、2の開放と同時に上昇突出させてもよいし、開放後に上昇突出させてもよい。
【0022】
このようにして上下金型8、2から取り出されたリードフレーム1は、前記キャビティーAで固化した樹脂がインナーリード12b上の発光ダイオード素子部分を封止し、貯留室Eで固化した樹脂がタイバー13上に不要樹脂24として密着していることとなる。このリードフレーム1のタイバー13を前記不要樹脂24とともに金型を用いて打ち抜き除去する。そして、必要に応じてウォータージェット(噴流水)を吹き付けたり、有機溶剤に浸積したりして、例えば樹脂封止部25近傍に残留する不要樹脂24を除去してもよい。このウォータージェット又は有機溶剤を用いた不要樹脂の除去は、前記タイバー13を除去する前に行ってもよい。
【0023】
その後、リードフレーム1から連結バー11を切除して、樹脂封止された発光ダイオードを得ることができる。
次に、第2の実施例について説明する。本実施例において用いる上金型26には、図5(A)及び(B)に示すように、キャビティー穴10と、ゲート溝4側と対向する側に、連結する第1の通気路溝27が設けられ、この第1の通気路溝27は底面に向かって狭くなるようにテーパ状に設けられた貯留室穴28に通じており、これら第1の通気路溝27及び貯留室穴28は、上下金型26、2をリードフレーム1を挟み込んで閉じたときに、それぞれ第1の通気路D’及び貯留室E’を形成する。前記貯留室E’は、上下金型26、2をリードフレーム1を挟み込んで閉じたときに、リードフレーム1のタイバー13上に位置される。更に、上金型26には、貯留室穴28の底面から下金型2の方向へ向かって押し出し可能に設けられた押し出しピン29が挿入され、前記貯留室穴28と上金型26外部とを連通する第2の通気路30が設けられている。押し出しピン29も前記と同様に空圧式シリンダ(図示しない)の伸縮動により上下動自在となっている。尚、第2の実施例において、下金型2は、前記第1の実施例で用いたものと同じ構成のものを用いている。
【0024】
このような構成の樹脂封止用金型装置を用いて、第1の実施例と同様、発光ダイオードの樹脂封止を次のように行った。
第1の実施例と同様にして溶融樹脂をキャビティーA内に充填・固化してリードフレーム1のインナーリード12b上の発光ダイオード素子を樹脂封止する。このとき、溶融樹脂の充填に伴いキャビティーA内の空気は第1の通気路D’へ押しやられ、貯留室E’及び第2の通気路30の押し出しピン29との隙間を経て金型外に出る。この溶融樹脂充填過程において、溶融樹脂の一部が前記空気に引き込まれるようにキャビティーAから第1の通気路D’へ漏れ出したとしても、第1の通気路D’の先端に設けられた貯留室E’内に貯留される。この貯留室E’に貯留された溶融樹脂は、その後固化しリードフレーム1のタイバー13上に密着することとなる。このように、貯留室E’をタイバー13上に設け、貯留室E’から上方(上金型)へ延びるように第2の通気路30を設けているので、アウターリード12aに溶融樹脂が染み出し樹脂バリとなって付着することが殆どない。
【0025】
次に、上金型26を上動させ上下金型26、2を開き、樹脂封止されたリードフレーム1を取り出す。このとき、上金型26の押し出しピン23、29を、上下金型26、2を開くと同時にキャビティーA面及び貯留室E’面から下降突出できる状態としておくことが好ましく、このようにして上金型26からリードフレーム1を取り出すときは、上下金型26、2を開くと同時にリードフレーム1を上金型26から確実に離脱させることができるので、リード端子12の変形をより軽減できるのである。
【0026】
このようにして上下金型26、2から取り出されたリードフレーム1は、前記キャビティーAで固化した樹脂がインナーリード12b上の発光ダイオード素子部分を封止し、貯留室E’で固化した樹脂がタイバー13上に不要樹脂として密着していることとなる。以後第1の実施例と同様にして、タイバー13及び不要樹脂を除去するなどし、樹脂封止された発光ダイオードを得ることができる。
【0027】
次に、第3の実施例について説明する。図6に示すように、リードフレーム1’は、第1の実施例で示したリードフレーム1のタイバー13の中央部を円状にに打ち抜いた切り込みを設けたもので、そのタイバー1’3に切り欠き部1’3aが設けられている。このリードフレーム1’を用い、前記第1の実施例と同様にして発光ダイオードを得ることができる。本実施例では、タイバー1’3に切り欠き部1’3aを設けているので、前記第1の実施例における貯留室Eの深さをより浅くして設けることができる。即ち、前記上金型8の貯留室穴22を浅くしたり、貯留室Eへ漏れ出す溶融樹脂の量が切り欠き部1’3aの容積と同等又はそれ以下の場合には貯留室穴22をなくしたりすることもできる。
【0028】
以上本発明の実施例として発光ダイオードの製造について説明したが、本発明はこれに限定されることなくトランジスタ、IC等の樹脂封止部を有する電子部品に広く使用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に用いるリードフレーム及び樹脂封止用の下金型を示す要部斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例に用いる樹脂封止用の上金型を示す要部斜視図である。
【図3】図1及び図2の上下金型間にリードフレームを挟んで閉じた状態を示す要部断面図である。
【図4】図3の上下金型により樹脂封止されたリードフレームを上下金型から取り出した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施例に用いる(A)上金型を示す要部斜視図、及び(B)上下金型間にリードフレームを挟んで閉じた状態を示す要部断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例におけるリードフレームを示す要部斜視図である。
【図7】従来より一般的に用いられている発光ダイオード用リードフレームを示す要部斜視図である。
【図8】従来の下金型を示す要部斜視図である。
【図9】従来の上金型を示す要部斜視図である。
【図10】従来における樹脂封止後に上下金型からリードフレームを取り出す状態を示す要部断面図である。
【図11】従来の樹脂封止部の成形方法において、リードフレームに不要樹脂が付着している状態を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1,1’ リードフレーム
13,1’3 タイバー
2 下金型
8,26 上金型
A キャビティー
B ランナ
C ゲート
D 通気路
D’ 第1の通気路
E,E’ 貯留室
【発明の属する技術分野】
本発明は、上下型を用いて成型されたた樹脂封止部を有する、例えば発光ダイオード、センサー、IC、ダイオード等の電子部品の製造方法及び樹脂封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の電子部品は、鉄等の金属より形成されるリードフレーム上に電子素子を搭載し、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で樹脂封止して形成される。例えば、フォトインタラプタにおける発光部の一次樹脂成形を行う場合、即ちリードフレーム上の発光ダイオード素子を樹脂封止する場合、図7に示すように、リードフレーム31は、帯状の連結バー311から一対のリード端子312が複数組一定間隔で並んで延出し、これらリード端子312の中途部をタイバー313が連結するという構造を有している。尚、ここで、リード端子312のタイバー313を境にした連結バー311側をアウターリード312a、また、先端側をインナーリード312bと称すこととする。
【0003】
前記リードフレーム31は、各一対のインナーリード312bの一方先端部に発光ダイオード素子(図示しない)が搭載され、該発光ダイオード素子は他方のインナーリード312bの先端部と金属ワイヤ等で電気的に接続されている。このように発光ダイオード素子が搭載されたリードフレーム31は、上下金型で上下方向から挟持される。図8に示すように、下金型32は、上金型との合わせ面に、樹脂タブレットを収納する樹脂ポット穴(図示しない)、これと連結して前記リードフレーム31の長手方向に沿って延びるランナ溝33、これから分岐する複数のゲート溝34、及びこれに通じる樹脂封止部成形用のキャビティー穴35が刻設されている。また、下金型32には、前記キャビティー穴35に充填された樹脂がリード端子312間に流出しないように、キャビティー穴35に隣接しリード端子312間に位置するダム部36が設けられている。
【0004】
一方、図9に示すように、上金型37の合わせ面には、前記下金型32のランナ溝33及びキャビティー穴35と対応するように、ランナ溝38及びキャビティー穴39が設けられており、更に深さ数μm〜十数μmの通気路溝40が、このキャビティー穴39から上金型37の側面方向に向かって刻設されている。
そして、前記リードフレーム31を上下金型37、32間に挟み込んだ状態で、樹脂ポット内で加熱溶融された樹脂を、プランジャー(図示しない)で押圧し、ランナ溝33、38及びゲート溝34を介してキャビティー穴35、39、即ちキャビティー内に充填し硬化することによって、リードフレーム31の長手方向に沿って一定間隔毎に搭載された前記発光ダイオード素子をインナーリード312bの先端部とともに樹脂封止する。前記溶融された樹脂をキャビティー内に充填するとき、キャビティー内の空気を外に逃がすようにして溶融樹脂の充填を円滑にする必要がある。そこで、前記上金型37の合わせ面に通気路溝40が設けられており、キャビティー内へ溶融樹脂を充填していくのに伴って、キャビティー内の空気は前記通気路溝40を通ってキャビティー外に押し出されるようになっている。
【0005】
次に、図10に示すように、上金型37を上昇させ、上下金型37、32を開き、鉄等からなる円柱状の押し出しピン41を上金型37側のキャビティー穴39の底面より下降突出させ、その後、円柱状の押し出しピン42を下金型32側のキャビティー穴35底面より上昇突出させて、樹脂封止部43を上下金型37、32から離脱させ、リードフレーム31を取り出した後、リードフレーム31のタイバー313の部分を打ち抜いて切除する。
【0006】
前記通気路溝40は、前述したように溶融樹脂充填時にキャビティー内の空気を逃がすために設けられているが、キャビティー内を完全に樹脂で満たすために空気だけを逃がすことはできず、どうしても溶融樹脂が漏れ出してしまう。この漏れ出した溶融樹脂がさらに通気路溝周辺の金型の合わせ面に染みだし、図11に示す如く、リードフレーム31のインナーリード312bの間に薄膜状に強く密着固化し、またアウターリード312aの間にまで厚膜状に強く密着固化し、リード端子312に不要樹脂44となって付着する。このような不要樹脂44は、ウォータージェット(噴流水)を吹き付け、その後洗い落とせなかった残存する不要樹脂44を前記タイバー313の切除と同時に除去することにより、リード端子312から除去されている。
【0007】
そして、連結バー311からリード端子312を打ち抜き加工により切り離して発光ダイオード(電子部品)が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の製造方法においては、前記不要樹脂44を前記ウォータージェットを用いてリード端子312から除去するのだが、リード端子に対して密着性の高いエポキシ樹脂等からなる不要樹脂44はリード端子312に対して強固に密着しているために、完全に除去することが困難であり、どうしてもリード端子312に部分的に残留してしまい易く、特にアウターリード312aに不要樹脂44が残留すると、得られた製品をプリント基板などに実装する場合に実装不良の原因となりかねない。また、不要樹脂44が残留することにより、製品の外観不良を発生させてしまうといった問題を生じさせることとなるのである。又、アウターリード312aの側面に不要樹脂44の残りカスが付着していると、半田付け等のときに半田未付着の原因となるのである。
【0009】
更に、不要樹脂44が残留したまま、前記連結バー311からリード端子312を打ち抜き加工する際や必要に応じてリード端子312に曲げ加工を施す際に、これら加工に用いる金型においてリードフレーム31の位置決めを正確に行えない場合が生じることがあり、結果不良品の発生率を高めることとなるのである。
【0010】
これらのような問題は、透明乃至半透明の樹脂封止部を必要とする発光ダイオード、センサー等の電子部品の製造において、特に生じ易いものである。つまり、透明乃至不透明の樹脂封止部を形成する場合、封止樹脂材料にフィラー等の添加材を少量しか使用できないために、これを溶融させたときの流動性は、不透明樹脂封止部の材料を溶融したときより高く、成形金型の合わせ面に染み出し樹脂バリが発生し易いのである。
【0011】
本発明は、以上のような状況下において考え出されたもので、樹脂モールド工程でリードフレームに付着する不要樹脂を確実に除去し得る電子部品の製造方法及びこの製造方法に好適に使用できる樹脂封止装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子部品の樹脂封止装置は、複数のリード端子の中途部を連結するタイバーを有するリードフレーム上の電子素子を樹脂封止する型を備えた電子部品の樹脂封止装置であって、前記型における前記タイバー上に位置する箇所にのみ樹脂貯留室を設け、前記型と前記樹脂貯留室とを連通するように設けられた第1の通気路を備えたことを特徴とする。また、前記樹脂貯留室と型外部とを連通する第2の通気路を備えることを特徴とする請求項1記載の電子部品の樹脂封止装置である。さらに、前記電子部品が透明乃至半透明の樹脂封止部を有する電子部品である請求項1または2記載の電子部品の樹脂封止装置である。
【0013】
【発明の作用および効果】
本発明によれば、溶融樹脂をキャビティー内に充填したとき、キャビティーから空気とともに通気路へ漏れ出す溶融樹脂を、通気路の途中におけるリードフレームのタイバー上或いはタイバーを切り欠いた位置に設けた貯留室に溜めるようにしたので、アウターリードまで溶融樹脂が染み出すことを効果的に防止でき、貯留室内で固化した溶融樹脂はタイバーに付着していることとなり、樹脂封止後にリードフレームからタイバーを切除するときに、不要樹脂としてタイバーとともに除去されることとなる。よって、アウターリードに樹脂が付着することがなくなる。従って、不要樹脂の残留による実装不良及び外観不良を極めて低減できるのである。
【0014】
また、本発明の装置によれば、上型の貯留室内上面からタイバーに向かって押し出し可能に設けられた押し出しピンを挿入し、貯留室と上型外部とを連通する第2の通気路を設けているので、上下型から樹脂封止されたリードフレームを取り出す際、貯留室内に溜まり固化した樹脂を押し出し、リード端子を変形させることなく円滑な取り出しを行え、且つキャビティー内の空気をタイバー上方へぬくことができ、溶融樹脂がアウターリード側へ染み出すのを確実に防止できるのである。
【0015】
本発明は、樹脂バリが発生し易い透明乃至半透明の樹脂封止部を必要とする電子部品の製造に、特に有効である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により、本発明の特徴とするところをより詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されることはない。
まず、第1の実施例としてフォトインタラプタにおける発光部の発光ダイオードの一次樹脂封止を行う場合について説明する。図1に、樹脂封止用の下金型及びリードフレームを示す。図1中、符号1はリードフレームを示し、該リードフレーム1は鉄等の金属よりなり、帯状の連結バー11から垂直方向に一対のリード端子12が複数組一定間隔で並んで延出し、これらリード端子12の中途部をタイバー13が連結するという構造を有している。尚、ここで、リード端子12のタイバー13を境にした連結バー11側をアウターリード12a、また、先端側をインナーリード12bと称すこととする。前記リードフレーム1は、各一対のインナーリード12bの一方先端部に発光ダイオード素子(図示しない)が搭載され、該発光ダイオード素子は他方のインナーリード12bの先端部と金属ワイヤ等で電気的に接続されている。
【0017】
また、同図中、符号2は下金型を示し、該下金型2は超硬合金からなり、基台(図示せず)上に固設されている。下金型2には、その上金型との合わせ面に、樹脂ポット穴(図示しない)、これに連結しリードフレーム1の長手方向に沿って延びるランナ溝3、このランナ溝3から両側に分岐する複数のゲート溝4、各ゲート溝4に通じるキャビティー穴5、及び該キャビティー穴5に隣接しリードフレーム1のインナーリード12b間の隙間を埋めるダム部6が刻設されている。また、下金型2には、前記キャビティー穴5の底面から押し出し可能に設けられ先端がキャビティー穴5の底面の一部を構成する円柱状の押し出しピン7が嵌遊されており、空圧式シリンダ(図示しない)の伸縮動により上下動自在となっている。
【0018】
一方、図2に示すように、上金型8には、前記下金型2のランナ溝3及びキャビティー穴5に対応するように、ランナ溝9及びキャビティー穴10が刻設されている。また、前記キャビティー穴10と連通する通気路溝21が、リードフレーム1を装着したときに、キャビティー穴10からリード端子12間を通って延設されており、この通気路溝21の途中でリードフレーム1のタイバー13上に位置する箇所に、底面に向かって狭くなるようにテーパ状に設けられた貯留室穴22が設けられている。更に、キャビティー穴10の底面から押し出し可能に円柱状の押し出しピン23が前記下金型2における押し出しピン7と同様にして嵌遊されている。前記上金型8は、油圧シリンダ(図示しない)の伸縮動により下金型2に対して上下動するものである。
【0019】
樹脂封止に際しては、これら上下金型8、2間にリードフレーム1を挟み込んで閉じるのであるが、まず、図1に示したように、リードフレーム1を、吸着コレットにより吸着保持した状態で、型開きした上金型8と下金型2との間に移送し、次いで、リードフレーム1のインナーリード12b上に搭載した発光ダイオード素子が下金型2のキャビティー穴5上にそれぞれ位置するように載置する。そして、リードフレーム1を、上金型8が油圧シリンダの伸動により下金型2に向けて下動することにより、図3に示すように、上金型8と下金型2の間に挟み込む。これにより、樹脂封止材料としてのエポキシ樹脂からなる円柱状の樹脂タブレットを収納する樹脂ポット(図示しない)、該樹脂ポットで溶融された樹脂を樹脂封止部となる空間であるキャビティーAへと導くランナB及びゲートC(樹脂充填路)、並びにキャビティーAから通気路Dへ洩れ出した溶融樹脂を貯留する貯留室Eが形成され、インナーリード12a上の素子は、キャビティーAに収容された状態となる。その後、予め従来の吸着搬送方法により樹脂ポット内に収納された樹脂タブレットを、下金型2内部に備えられたヒータ(図示せず)の加熱により溶融し、さらに、この溶融樹脂を樹脂ポット穴内に嵌入されたプランジャー(図示せず)の上昇により押圧してランナB及びゲートCを通じて各キャビティーA内に充填し固化してインナーリード12b上の素子を覆う。
【0020】
前記のように溶融樹脂をキャビティーA内に充填するとき、溶融樹脂の充填に伴いキャビティーA内の空気は通気路Dへ押し出される。この溶融樹脂充填過程において、溶融樹脂の一部が前記空気に引き込まれるようにキャビティーAから通気路Dへ漏れ出したとしても、通気路Dの途中に設けられた貯留室E内に貯留される。図4に示すように、この貯留室Eに貯留された溶融樹脂は、その後固化しリードフレーム1のタイバー13上に不要樹脂24として密着することとなる。本実施例では、前記貯留室Eを上金型8側に設けているが、下金型2側に設けても構わない。
【0021】
次に、上金型8を上動させ上下金型8、2を開き、樹脂封止されたリードフレーム1を取り出す。このとき、上金型8の押し出しピン23を、上下金型8、2を開くと同時にキャビティーA面から下降突出して上金型8からリードフレーム1を離脱させる。尚、下金型2のキャビティー穴5に設けられた押し出しピン7は、上下金型8、2の開放と同時に上昇突出させてもよいし、開放後に上昇突出させてもよい。
【0022】
このようにして上下金型8、2から取り出されたリードフレーム1は、前記キャビティーAで固化した樹脂がインナーリード12b上の発光ダイオード素子部分を封止し、貯留室Eで固化した樹脂がタイバー13上に不要樹脂24として密着していることとなる。このリードフレーム1のタイバー13を前記不要樹脂24とともに金型を用いて打ち抜き除去する。そして、必要に応じてウォータージェット(噴流水)を吹き付けたり、有機溶剤に浸積したりして、例えば樹脂封止部25近傍に残留する不要樹脂24を除去してもよい。このウォータージェット又は有機溶剤を用いた不要樹脂の除去は、前記タイバー13を除去する前に行ってもよい。
【0023】
その後、リードフレーム1から連結バー11を切除して、樹脂封止された発光ダイオードを得ることができる。
次に、第2の実施例について説明する。本実施例において用いる上金型26には、図5(A)及び(B)に示すように、キャビティー穴10と、ゲート溝4側と対向する側に、連結する第1の通気路溝27が設けられ、この第1の通気路溝27は底面に向かって狭くなるようにテーパ状に設けられた貯留室穴28に通じており、これら第1の通気路溝27及び貯留室穴28は、上下金型26、2をリードフレーム1を挟み込んで閉じたときに、それぞれ第1の通気路D’及び貯留室E’を形成する。前記貯留室E’は、上下金型26、2をリードフレーム1を挟み込んで閉じたときに、リードフレーム1のタイバー13上に位置される。更に、上金型26には、貯留室穴28の底面から下金型2の方向へ向かって押し出し可能に設けられた押し出しピン29が挿入され、前記貯留室穴28と上金型26外部とを連通する第2の通気路30が設けられている。押し出しピン29も前記と同様に空圧式シリンダ(図示しない)の伸縮動により上下動自在となっている。尚、第2の実施例において、下金型2は、前記第1の実施例で用いたものと同じ構成のものを用いている。
【0024】
このような構成の樹脂封止用金型装置を用いて、第1の実施例と同様、発光ダイオードの樹脂封止を次のように行った。
第1の実施例と同様にして溶融樹脂をキャビティーA内に充填・固化してリードフレーム1のインナーリード12b上の発光ダイオード素子を樹脂封止する。このとき、溶融樹脂の充填に伴いキャビティーA内の空気は第1の通気路D’へ押しやられ、貯留室E’及び第2の通気路30の押し出しピン29との隙間を経て金型外に出る。この溶融樹脂充填過程において、溶融樹脂の一部が前記空気に引き込まれるようにキャビティーAから第1の通気路D’へ漏れ出したとしても、第1の通気路D’の先端に設けられた貯留室E’内に貯留される。この貯留室E’に貯留された溶融樹脂は、その後固化しリードフレーム1のタイバー13上に密着することとなる。このように、貯留室E’をタイバー13上に設け、貯留室E’から上方(上金型)へ延びるように第2の通気路30を設けているので、アウターリード12aに溶融樹脂が染み出し樹脂バリとなって付着することが殆どない。
【0025】
次に、上金型26を上動させ上下金型26、2を開き、樹脂封止されたリードフレーム1を取り出す。このとき、上金型26の押し出しピン23、29を、上下金型26、2を開くと同時にキャビティーA面及び貯留室E’面から下降突出できる状態としておくことが好ましく、このようにして上金型26からリードフレーム1を取り出すときは、上下金型26、2を開くと同時にリードフレーム1を上金型26から確実に離脱させることができるので、リード端子12の変形をより軽減できるのである。
【0026】
このようにして上下金型26、2から取り出されたリードフレーム1は、前記キャビティーAで固化した樹脂がインナーリード12b上の発光ダイオード素子部分を封止し、貯留室E’で固化した樹脂がタイバー13上に不要樹脂として密着していることとなる。以後第1の実施例と同様にして、タイバー13及び不要樹脂を除去するなどし、樹脂封止された発光ダイオードを得ることができる。
【0027】
次に、第3の実施例について説明する。図6に示すように、リードフレーム1’は、第1の実施例で示したリードフレーム1のタイバー13の中央部を円状にに打ち抜いた切り込みを設けたもので、そのタイバー1’3に切り欠き部1’3aが設けられている。このリードフレーム1’を用い、前記第1の実施例と同様にして発光ダイオードを得ることができる。本実施例では、タイバー1’3に切り欠き部1’3aを設けているので、前記第1の実施例における貯留室Eの深さをより浅くして設けることができる。即ち、前記上金型8の貯留室穴22を浅くしたり、貯留室Eへ漏れ出す溶融樹脂の量が切り欠き部1’3aの容積と同等又はそれ以下の場合には貯留室穴22をなくしたりすることもできる。
【0028】
以上本発明の実施例として発光ダイオードの製造について説明したが、本発明はこれに限定されることなくトランジスタ、IC等の樹脂封止部を有する電子部品に広く使用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に用いるリードフレーム及び樹脂封止用の下金型を示す要部斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例に用いる樹脂封止用の上金型を示す要部斜視図である。
【図3】図1及び図2の上下金型間にリードフレームを挟んで閉じた状態を示す要部断面図である。
【図4】図3の上下金型により樹脂封止されたリードフレームを上下金型から取り出した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施例に用いる(A)上金型を示す要部斜視図、及び(B)上下金型間にリードフレームを挟んで閉じた状態を示す要部断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例におけるリードフレームを示す要部斜視図である。
【図7】従来より一般的に用いられている発光ダイオード用リードフレームを示す要部斜視図である。
【図8】従来の下金型を示す要部斜視図である。
【図9】従来の上金型を示す要部斜視図である。
【図10】従来における樹脂封止後に上下金型からリードフレームを取り出す状態を示す要部断面図である。
【図11】従来の樹脂封止部の成形方法において、リードフレームに不要樹脂が付着している状態を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
1,1’ リードフレーム
13,1’3 タイバー
2 下金型
8,26 上金型
A キャビティー
B ランナ
C ゲート
D 通気路
D’ 第1の通気路
E,E’ 貯留室
Claims (3)
- 複数のリード端子の中途部を連結するタイバーを有するリードフレーム上の電子素子を樹脂封止する型を備えた電子部品の樹脂封止装置であって、前記型における前記タイバー上に位置する箇所にのみ樹脂貯留室を設け、前記型と前記樹脂貯留室とを連通するように設けられた第1の通気路を備えたことを特徴とする樹脂封止装置。
- 前記樹脂貯留室と型外部とを連通する第2の通気路を備えることを特徴とする請求項1記載の電子部品の樹脂封止装置。
- 前記電子部品が透明乃至半透明の樹脂封止部を有する電子部品である請求項1または2記載の電子部品の樹脂封止装置。
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