JP3720269B2 - 検査装置および検査用レンズ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品の検査装置に関し、特に、側面を有する物品の表面の検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
円筒形状を有する検査対象物を自動検査する技術として、特開平5−87744号公報に開示される技術がある。図10を参照して、この公報に開示された表面検査装置800は、検査対象物810の周囲に検査対象物810を取囲むように配置され、検査対象物810の側面からの反射光を検査対象物810の上方に反射させる環状プリズム802と、検査対象物810の上面からの反射光と環状プリズム802の上面804から出力された光とを撮像する2次元撮像カメラと、2次元撮像カメラからの映像信号を画像処理する画像処理装置とを含む。
【0003】
この公報に開示された表面検査装置800によると、環状プリズム802の環状の内部に検査対象物810を吸引機構808などを用いて載置する。環状プリズム802は、検査対象物810の側面からの反射光を、全反射面806により、環状プリズム802の上面804に向けて反射させる。2次元撮像カメラは、検査対象物810の正面からの反射光と環状プリズム802の上面804から出力された光とを2次元にて撮像する。画像処理装置は、2次元撮像カメラからの映像信号を処理する。
【0004】
検査対象物810を取囲むように、環状のプリズム802を検査対象物810の側面に配置したため、1つの2次元撮像カメラで検査対象物810の正面と側面全周とを同時に検査することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の公報に開示された表面検査装置では、環状プリズムの中空部内に検査対象物を載置する必要がある。このため、検査対象物を1個ずつ環状内に挿入し装填する必要があり、この装填に要する時間が画像処理技術を用いた検査に要する時間よりも長いため、全体として単位時間当たりの検査能力を高めることが困難である。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、側面を有する検査対象物に対して高い処理能力を有する、検査精度の高い検査装置および検査用レンズを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る検査装置は、正面と、正面に交差する方向の側面とを有する検査対象物の表面を検査する検査装置であって、検査対象物の正面が予め定められた方向を向くように検査対象物が載置される載置台と、載置台に載置された検査対象物の側面を照明する照明装置と、載置台の位置と予め定められた関係にある位置に設置され、照明装置の照明により照明された側面からの反射光を屈折させることにより、側面からの反射光の光路を所定の方向へ変更するための光路変更手段と、光路変更手段から出力された側面からの反射光を撮像するための撮像手段と、撮像手段に接続され、撮像手段により撮像された側面からの反射光の映像信号を画像処理するための画像処理手段とを含む。
【0008】
第1の発明によると、照明装置は載置台に載置された検査対象物の側面を照明する。光路変更手段は、載置台の位置と予め定められた関係にある位置に設置され、照明装置の照明により照明された側面からの反射光を屈折させて、その光路を所定の方向へ変更する。撮像手段は、所定の方向へ変更された側面からの反射光を撮像する。画像処理手段は、撮像手段により撮像された側面からの反射光の映像信号を画像処理する。これにより、光路変換手段は載置台の位置から予め定められた関係(たとえば、載置台から離れた関係)にある位置に設置され、かつ、撮像手段は光路変換手段により所定の方向(たとえば、検査対象物の載置台への送込み、載置台からの送出しと異なる方向)に変換された検査対象物の側面からの反射光を撮像できるので、載置台に検査対象物を高速度で送込んで、側面の検査を行うことができる。その結果、側面を有する検査対象物に対して高い処理能力を有する検査装置を提供することができる。
【0009】
第2の発明に係る検査装置は、第1の発明の構成に加えて、所定の方向は、載置台に検査対象物が載置されたときの正面が向く予め定められた方向であり、光路変更手段の設置される位置は、載置台から離れた、載置台に対向する位置である。
【0010】
第2の発明によると、載置台に対向する位置に設置された光路変更手段は、載置台に載置された検査対象物の側面からの反射光の光路を、載置台に検査対象物が載置されたときの正面が向く方向に変換する。これにより、光路変換手段は載置台に載置された検査対象物から離れた位置に設置され、かつ、撮像手段は光路変換手段により載置台に検査対象物が載置されたときの正面が向く方向(たとえば、載置台に垂直な方向であって、検査対象物の載置台への送込み、載置台からの送出しと異なる方向)に変換された検査対象物の側面からの反射光を撮像できるので、載置台に検査対象物を高速度で送込んで、側面の検査を行うことができる。その結果、側面を有する検査対象物に対して高い処理能力を有する検査装置を提供することができる。
【0011】
第3の発明に係る検査装置は、第1または第2の発明の構成に加えて、光路変更手段は、底面と、底面の面積よりも小さな面積を有する上面と、底面の周縁と上面の周縁とを結ぶ斜面とを有する中実透明なレンズであって、上面を載置台に対向するように設置されるものである。
【0012】
第3の発明によると、載置台に載置された検査対象物の側面からの反射光は、レンズの斜面に入射して、レンズを構成する物質の屈折率により、所定の方向に屈折する。屈折された側面からの反射光は、撮像手段により撮像される。これにより、レンズを構成する物質の屈折率により検査対象物の側面の全周からの反射光を所定の方向(たとえば、検査対象物の載置台への送込み、載置台からの送出しと異なる方向)へ屈折させるレンズは、載置台の位置から予め定められた関係(たとえば、載置台から離れた関係)にある位置に設置されているので、載置台に検査対象物を高速度で送込むことができる。その結果、側面を有する検査対象物に対して高い処理能力を有する検査装置を提供することができる。
【0013】
第4の発明に係る検査装置は、第3の発明の構成に加えて、レンズは、レンズを構成する物質の屈折率と、斜面および検査対象物の側面から構成される角度と、レンズの上面と検査対象物との距離とにより定まる関数に基づいて、斜面から入射した側面からの反射光の光路を屈折させる。
【0014】
第4の発明によると、載置台に載置された検査対象物の側面の全周からの反射光は、レンズの斜面に入射して、レンズを構成する物質の屈折率と、斜面および検査対象物の側面から構成される角度と、レンズの上面と検査対象物との距離とにより定まる関数に基づいて検査対象物の側面からの反射光を所定の方向へ屈折させる。これにより、所定の関数に基づいて検査対象物の側面からの反射光を所定の方向(たとえば、検査対象物の載置台への送込み、載置台からの送出しと異なる方向)へ屈折させるレンズは、載置台の位置から予め定められた関係(たとえば、載置台から離れた関係)にある位置に設置されているので、載置台に検査対象物を高速度で送込むことができる。その結果、側面を有する検査対象物に対して高い処理能力を有する検査装置を提供することができる。
【0015】
第5の発明に係る検査装置は、第3または第4の発明の構成に加えて、レンズは、底面から上面へ貫通する中空部を有し、レンズは、中空部の内部から中空部の内面を通してレンズ内部に入射する光を遮断するための遮断手段をさらに含む。
【0016】
第5の発明によると、遮断手段は、レンズに設けられた中空部の内面を通してレンズ内部に入射する光を遮断する。これにより、検査対象物の側面の全周からの反射光以外の光は、レンズ内部へ入射しないので、撮像手段は検査対象物の側面からの反射光のみを撮像できる。その結果、側面を有する検査対象物に対して高い処理能力を有する、検査精度の高い検査装置を提供することができる。
【0017】
第6の発明に係る検査装置は、第5の発明の構成に加えて、中空部の断面形状は、中空部を通じて、検査対象物の正面の全体を観察できる形状であり、撮像手段は、光路変更手段から出力された検査対象物の側面からの反射光と、中空部を通して入射する検査対象物の正面からの反射光とを撮像するための手段を含み、画像処理手段は、撮像手段により撮像された側面からの反射光の映像信号と正面からの反射光の映像信号とを画像処理するための手段を含む。
【0018】
第6の発明によると、中空部の断面形状は、検査対象物の正面の全体を観察できる形状である。これにより、撮像手段は、光路変更手段から出力された検査対象物の側面の全周からの反射光と、中空部を通して入射する検査対象物の正面の全体からの反射光とを一度に撮像できる。その結果、側面を有する検査対象物において、側面の全周と正面の全体とを検査できる、高い処理能力を有する検査装置を提供することができる。
【0019】
第7の発明に係る検査装置は、第1〜第6のいずれかの発明の構成に加えて、照明装置と検査対象物との間の位置に設置された第1の偏光フィルタと、検査対象物と撮像手段との間の位置に設置された第2の偏光フィルタとをさらに含み、第1の偏光フィルタの偏光面は、第2の偏光フィルタの偏光面を90度ずらしたものである。
【0020】
第7の発明によると、第1の偏光フィルタは、照明装置からの照明光を特定の振動方向の光のみを透過させて、照明光を平面偏光にする。第2の偏光フィルタの偏光面は、第1の偏光フィルタの偏光面と90度のずれがあるため、第2の偏光フィルタは、偏光が維持される検査対象物からの正反射光を透過しないが、偏向が維持されない検査対象物からの散乱光を透過する。その結果、検査対象物が光沢がありハレーションを起こす場合でも、ハレーションの原因である正反射光を撮像カメラへ入射させることを回避でき、精度の高い検査を行なうことができる。
【0021】
第8の発明に係る検査用レンズは、底面と、底面の面積よりも小さな面積を有する上面と、底面の周縁と上面の周縁とを結ぶ斜面とを有する中実透明なレンズであって、レンズは、底面から上面へ貫通する中空部を有し、レンズは、中空部の内部から中空部の内面を通してレンズ内部に入射する光を遮断するための遮断手段を含む。
【0022】
第8の発明によると、レンズの斜面から入射した光は、レンズを構成する物質の屈折率により、所定の方向(たとえば、レンズ底面に垂直な方向)に屈折して、底面から出力する。遮断手段はレンズに設けられた中空部の内面を通してレンズ内部に入射する光を遮断する。これにより、レンズを構成する物質の屈折率により斜面から入射した光の光路を所定の方向へ屈折させ、かつ、斜面から入射した光以外の以外の光は、レンズ内部へ入射させない。その結果、斜面から入射した光のみを所定の方向に屈折できるレンズを提供でき、このレンズを、たとえば、側面を有する検査対象物の側面検査に使用することにより高い処理能力を有する検査装置を提供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明の繰返しは適宜省略する。
【0024】
図1および図2を参照して、本実施の形態に係る検査装置100は、第1の正面610と、第1の正面610に直角な方向の第1の側面604と、底面616とを有する検査対象物600の表面を検査する検査装置である。検査対象物600の詳細な形状については後述する。
【0025】
検査装置100は、検査対象物600の底面616を下にして検査対象物600を搬送する搬送コンベア650と、搬送コンベア650に載置され所定の検査位置に搬送された検査対象物600の側面を照明するリング照明装置300と、搬送コンベア650およびリング照明装置300の上方に設置され、リング照明装置300の照明により照明された第1の側面604などからの反射光を屈折させることにより、第1の側面604などからの反射光の光路を垂直な方向へ変更するレンズ200と、レンズ200の底面202から出力された第1の側面604の全周からの反射光などを撮像する撮像カメラ400と、撮像カメラ400に接続され、撮像カメラ400により撮像された第1の側面604からの反射光などの映像信号を画像処理する画像処理装置500とを含む。
【0026】
検査装置100はさらに、リング照明装置300と検査対象物600との間の位置に設置され、リング照明装置300からの照明光の特定の振動方向の光のみを透過させて、照明光を平面偏光にするための第1の偏光フィルタ900と、検査対象物600と撮像カメラ400との間の位置であって、検査対象物600とレンズ200との位置に設置された第2の偏光フィルタ902とを含む。この第1の偏光フィルタ900の偏光面は、第2の偏光フィルタ902の偏光面と90度ずれている。第1の偏光フィルタ900は、リング状の形状を有し、リング内側に第2の偏光フィルタ902から撮像カメラ400への光路が設定され、撮像カメラ400への光路が遮られることがない。
【0027】
レンズ200は、円形の底面202と、底面202の面積よりも小さな面積を有する円形の上面208と、底面202の周縁と上面208の周縁とを結ぶ斜面204とを有する中実透明なレンズである。本実施の形態に係る検査装置100のレンズ200の材質は石英ガラスである。石英ガラスの屈折率は、空気屈折率1に対して1.5163である。また、円形の底面202の中心の位置と円形の上面208の中心の位置とが一致している。さらに、レンズ200は、底面202と上面208とを貫通する円柱状の中空部206を有し、底面202および上面208の中心の位置と中空部206の中心の位置とが一致している。中空部206は、その内面に、中空部206から中空部206の内面を通してレンズ200内部に入射する光を遮断する遮断面を有する。遮断面には、たとえば、可視光線を遮断する黒いシートが貼付されたり、可視光線を遮断する黒いペンキなどが塗られたりする。なお、中空部206の断面積は、検査対象物600の正面の全体が観察できる直径を有する。
【0028】
リング照明装置300は、リング形状の照明装置であって、検査対象物600の側面および正面を均一に照明する。撮像カメラ400には、2次元のCCD(charge coupled device)カメラなどが用いられる。撮像カメラ400は、搬送コンベア650に設けられた、検査対象物600が所定の位置に到着したことを検知する検査対象物検知センサ(図示しない)から出力された同期信号に基づいて、画像データを取込む。取込まれた画像データは、レンズ200の中空部を通して観察される検査対象物600の正面の画像と、レンズ200の底面202から出力された検査対象物600の側面の画像とを含む。
【0029】
画像処理装置500は、撮像カメラ500が撮像した検査対象物600の正面画像と側面画像とのデータを画像処理し、検査対象物600の正面および側面の傷などを検出する。また、検出した傷の大きさや数に基づいて、検査対象物600の検査合否を判定する。検査不合格と判定された検査対象物600は、搬送コンベア650上に設けられた、不良品排出エアーノズル(図示しない)からのエアーの噴出などにより搬送コンベア600から排除される。
【0030】
検査対象物600は、第1の正面610、第2の正面612および第3の正面614と、それら正面に直角な方向の第1の側面604、第2の側面606および第3の側面608とを有する。また、第1の側面604は、その側面が一部が欠落している切欠部602を有する。また、後述するように、第1の側面の一部には斜面605がある。なお、検査対象物600は、搬送コンベア650により、図1のX方向、図2のY方向に搬送され、搬送されている途中に検査対象物600の表面が自動検査される。
【0031】
次に、リング照明装置300の照明光の光路と、リング照明装置300の照明光により反射した検査対象物600の側面からの反射光の光路とを説明する。なお、リング照明装置300は、前述のとおりリング形状を有しており、リング照明装置300のリング内側に、検査対象物600の正面と側面とを均一に照明できるように、光ファイバ束が多数並べられた照明ライン302を有する。この照明ライン302は、検査対象物600の正面と側面とを照明できるような角度を有する。
【0032】
図1における3−3断面を示す図3を参照して、リング照明装置300の照明ライン302から照射された照明光は、照明光軌跡304〜310を描いて、検査対象物600の側面を照明する。このとき、リング照明装置300の照明ライン302から照射された照明光の一部(軌跡は図示しない)は、検査対象物600の第1の正面610などを照明する。
【0033】
図3に示すように、照明ライン302から照射された照明光の一部は、照明光軌跡908を描いて、検査対象物600の斜面605を照射する。検査対象物600の表面に光沢のある場合、この斜面605からの正反射光によるハレーションが発生する。図4を参照して、照明光軌跡908で描かれた照明光は、この斜面605に照射される。検査対象物600の全反射に近い反射特性により、斜面605から、反射光軌跡918を描いて、撮像カメラ400に正反射光が入射される。その結果、ハレーションが発生する。これは、斜面605における垂線に対して照明光の入射角と等しい反射角の光路上に、撮像カメラ400が設置されるためである。このような検査対象物の形状および反射特性を有する場合、このハレーションにより検査が困難になる。そのため、第1の偏光フィルタ900により平面偏光の照明光にする。正反射光は偏光が維持され、一方、異物などによる散乱光は無偏光に近い。第2の偏光フィルタ902の偏光面を、第1の偏光フィルタ900の偏光面と90度ずらしているため、偏光が維持された正反射光は、第2の偏光フィルタ902を透過できない。その結果、第2の偏光フィルタ902を透過するのは正反射光以外の光となり、撮像カメラ400にハレーションが撮像されることを回避できる。
【0034】
リング照明装置300により照明された検査対象物600の第1の側面604、第2の側面606および第3の側面608からの反射光は、反射光軌跡314〜320を描いて、レンズ200の斜面204に入射する。このレンズ200の斜面204に入射した反射光軌跡314〜320で表される光路は、レンズ200により垂直上向きの光路に変換される。以下、この光路の変換について説明する。
【0035】
図5および図6を参照して、まず、検査対象物600の側面からの反射光のレンズ200への入射について説明する。検査対象物600の側面604などからの反射光が、できるだけ多くレンズ200の斜面204からレンズ内部に入射するように入射角θが定められる。多くの反射光をレンズ200の内部に入射させ、これを屈折させて撮像カメラ400に入力させることにより、より明るく鮮明な検査対象物600の側面画像を得ることができ、検査精度を向上させることになる。入射角θは、空気とレンズ200を構成する物質である石英ガラスとにより定まる入射角と反射率との関係(図6)から、反射率が低い(すなわち、レンズ200内部への入射率が高い)、70度までに設定することが好ましい。本実施の形態においてはθ=約65度とした。この入射角θに基づいて、レンズ200の斜面204に入射した検査対象物600の側面からの反射光を、垂直方向に屈折させるために、斜面204の傾きを示す斜面角度αと、レンズ200の上面208と検査対象物600との距離とにより定まる、反射光の光路の傾きを示す光路傾き角βとを定める。これらの角度には、θ=α+βの関係がある。その関係を満たすように、斜面角度αと光路傾き角βとを定める。前述のように反射角θを設定した後、レンズ200の斜面角度αを定めると、光路傾き角βが定まりレンズ200と検査対象物600との距離が定まる。このようにして、レンズ200の形状と、レンズ200と検査対象物600との距離などが定まる。
【0036】
図7を参照して、レンズ200が中空部206を有しない場合の、検査対象物600の側面からの反射光以外の外乱光の光路などについて説明する。レンズ200の底面202から入射された外乱光のうちの光路330に示すような外乱光は、レンズ200の入射側の斜面204において光路332に示すように屈折し、レンズ200の出力側の斜面204において光路334に示すように反射する。この光路334に示す外乱光の光路は、検査対象物600の側面からの反射光の光路320が屈折された後の光路に重なり、撮像カメラ400に入力される。撮像カメラ400にこのような外乱光が入力されると、外乱光と検査対象物600の側面からの反射光とが重畳して、正しく検査をすることができない。このような外乱光が撮像カメラ400に入力されることを避けるために、レンズ200は、中空部206を有する。さらに、中空部206は、その内面に、中空部206から中空部206の内面を通してレンズ200内部に入射する光を遮断する遮断面を有する。
【0037】
以上のような構造を有する、本実施の形態に係る検査装置100の動作について説明する。図1および図2を参照して、搬送コンベア650により検査対象物600が図1に示すX方向に搬送される。搬送コンベア650上の所定の位置に検査対象物600が到着すると、検査対象物検知センサが検査対象物600を検知する。このとき、リング照明装置300により、検査対象物300の側面と正面とが照明されている。検査対象物検知センサは、撮像カメラ400へ同期信号を送信する。同期信号を受信した撮像カメラ400は、レンズ200の中空部206を通して、検査対象物600の第1の正面610、第2の正面612および第3の正面614からの反射光と、レンズ200の底面202から出力された、第1の側面604、第2の側面606および第3の側面608からの反射光とを撮像する。
【0038】
図5を参照して、検査対象物600の第1の側面604、第2の側面606および第3の側面608からの反射光の約90%(図6において入射角θ=65度とした場合の反射率が約10%であるため)は、レンズ200の斜面204から入射する。レンズ200に入射した光は垂直上方へ屈折する。これは、レンズ200の材質である石英ガラスの屈折率とレンズ200の斜面角度αとレンズ200と検査対象物600との距離とにより定まる関数に基づいて、屈折後の反射光の光路が垂直上向きになるように、レンズ200の形状、レンズ200の設置される位置を定めたためである。また、中空部206の内部からの可視光線は遮断面により遮断されレンズ200の斜面204には入射しないので、外乱光が撮像カメラ400に入力されることがない。
【0039】
図8を参照して、本実施の形態に係る検査装置100の撮像カメラ400にて撮像した画像例を説明する。中空部206を通じて撮像された、検査対象物600の第1の正面610、第2の正面612および第3の正面614からの反射光の映像は、それぞれ第1の正面の画像領域710、第2の正面の画像領域712および第3の正面の画像領域714の画像に対応する。また、レンズ200の底面202から出力されて撮像された、検査対象物600の第1の側面604、第2の側面606および第3の側面608からの反射光の映像は、それぞれ第1の側面の画像領域704、第2の側面の画像領域706および第3の側面の画像領域708の画像に対応する。切欠部602からの反射はないため、この切欠部602に対応する画像領域702には検査対象物600の画像は表示されない。
【0040】
このようにして、検査対象物600の第1の正面610、第2の正面612および第3の正面614と、第1の側面604、第2の側面606および第3の側面608とが、撮像カメラ400により一度に撮像できる。
【0041】
以上のようにして、本実施の形態に係る検査装置は、正面と側面とを有する検査対象物に対して、検査対象物から離れた位置に設置されたレンズにより、側面からの反射光を検査対象物の上方向に変更できる。変換された検査対象物の側面からの反射光と、検査対象物の正面からの反射光とを、上方に配置した撮像カメラで一度に撮像でき、撮像された画像データに基づいて画像処理技術を用いた検査を行うことができる。また、レンズは、検査対象物から離れた位置に設置されているため、レンズの環状内に挿入し装填する必要がなく、高速度で検査対象品を検査装置に送込み、検査装置から送出すことができる。その結果、側面を有する検査対象物に対して高い処理能力を有する、検査精度の高い検査装置を提供することができる。
【0042】
また、図9に示すように、第2の偏光フィルタ902に代えて第2の偏光フィルタ904を設けてもよい。この偏光フィルタ904は、検査対象物500と撮像カメラ400との間の位置であって、レンズ200と撮像カメラ400との間の位置に設置される。この第2の偏光フィルタ904の偏光面は、前述の第2の偏光フィルタ902と同じく、第1の偏光フィルタ900の偏光面と90度ずれている。このようにしても、検査対象物のハレーションを回避できる。
【0043】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る検査装置の概要を示す斜視図である。
【図2】 図1に示す検査装置の概要を示す側面図である。
【図3】 図1に示す斜視図における3−3断面を示す断面図(その1)である。
【図4】 検査対象物の斜面からの反射光の光路を説明する説明図である。
【図5】 検査対象物の側面からの反射光の光路を説明する説明図(その1)である。
【図6】 空気からガラスに入射する場合の入射角と反射率との関係を示す図である。
【図7】 検査対象物の側面からの反射光の光路を説明する説明図(その2)である。
【図8】 撮像された画像の一例を示す図である。
【図9】 図1に示す斜視図における3−3断面を示す断面図(その2)である。
【図10】 従来の検査装置を説明する説明図である。
【符号の説明】
100 検査装置、200 レンズ、300 リング照明装置、400 撮像カメラ、500 搬送コンベア、600 検査対象物、900、902 偏光フィルタ
Claims (7)
- 正面と、前記正面に交差する方向の側面とを有する検査対象物の表面を検査する検査装置であって、
前記検査対象物の前記正面が予め定められた方向を向くように前記検査対象物が載置される載置台と、
前記載置台に載置された前記検査対象物の前記側面を照明する照明装置と、
前記載置台の位置と予め定められた関係にある位置に設置され、前記照明装置の照明により照明された前記側面からの反射光を屈折させることにより、前記側面からの反射光の光路を所定の方向へ変更するための光路変更手段と、
前記光路変更手段から出力された前記側面からの反射光を撮像するための撮像手段と、
前記撮像手段に接続され、前記撮像手段により撮像された前記側面からの反射光の映像信号を画像処理するための画像処理手段とを含み、
前記光路変更手段は、底面と、前記底面の面積よりも小さな面積を有する上面と、前記底面の周縁と前記上面の周縁とを結ぶ斜面とを有する中実透明なレンズであって、前記上面を前記載置台に対向するように設置される、検査装置。 - 前記所定の方向は、前記載置台に前記検査対象物が載置されたときの前記正面が向く前記予め定められた方向であり、
前記光路変更手段の設置される位置は、前記載置台から離れた、前記載置台に対向する位置である、請求項1に記載の検査装置。 - 前記レンズは、前記レンズを構成する物質の屈折率と、前記レンズの前記斜面および前記検査対象物の前記側面から構成される角度と、前記レンズの上面と前記検査対象物との距離とにより定まる関数に基づいて、前記斜面から入射した前記側面からの反射光の光路を屈折させる、請求項1または2に記載の検査装置。
- 前記レンズは、
前記底面から前記上面へ貫通する中空部を有し、
前記レンズは、前記中空部の内部から前記中空部の内面を通して前記レンズ内部に入射する光を遮断するための遮断手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の検査装置。 - 前記中空部の断面形状は、前記中空部を通して、前記検査対象物の前記正面の全体を観察できる形状であり、
前記撮像手段は、前記光路変更手段から出力された前記検査対象物の前記側面からの反射光と、前記中空部を通して入射する前記検査対象物の前記正面からの反射光とを撮像するための手段を含み、
前記画像処理手段は、前記撮像手段により撮像された前記側面からの反射光の映像信号と前記正面からの反射光の映像信号とを画像処理するための手段を含む、請求項4に記載の検査装置。 - 前記検査装置は、前記照明装置と前記検査対象物との間の位置に設置された第1の偏光フィルタと、前記検査対象物と前記撮像手段との間の位置に設置された第2の偏光フィルタとをさらに含み、
前記第1の偏光フィルタの偏光面は、前記第2の偏光フィルタの偏光面を90度ずらしたものである、請求項1〜5のいずれかに記載の検査装置。 - 底面と、前記底面の面積よりも小さな面積を有する上面と、前記底面の周縁と前記上面の周縁とを結ぶ斜面とを有する中実透明なレンズであって、前記レンズは、前記底面から前記上面へ貫通する中空部を有し、
前記レンズは、前記中空部の内部から前記中空部の内面を通して前記レンズ内部に入射する光を遮断するための遮断手段を含む、検査用レンズ。
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