JP3719142B2 - Vehicle traction control device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の発進時や加速時に駆動輪がスリップした場合に、駆動輪のスリップを抑制する車両用トラクション制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の発進時や加速時に駆動輪のスリップ状態(加速スリップ状態)が増加した場合に、駆動輪に対して制動力を付与し、またエンジン出力を低下させることで、駆動輪の加速スリップ傾向を抑制して、加速スリップに起因した車両の加速性低下を防止する技術が知られている。例えば、特表平2−501293号には、エンジン回転数が所定の回転数を下回った場合には、このような加速スリップを抑制するトラクション制御を中止して、エンジンストールの発生を防止することが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなエンジンストールの防止処理は、しきい値となるエンジン回転数として、所定のエンスト防止回転数が予め規定されており、実際のエンジン回転数がこのエンスト防止回転数を下回った場合に、トラクション制御を中止する。
【0004】
しかし、ここで予め設定したエンスト防止回転数は、通常、実際にエンジンストールとなるエンジン回転数よりも高い回転数に設定されており、エンジン回転数がエンスト防止回転数に至った場合でも、その後に実際にエンジンストール状態となるまでには多少の時間的余裕がある。従って、例えばエンジン回転数の低下速度が低い場合には、低下速度が高い場合に比べて、より大きな時間的余裕があり、エンジン回転数がエンスト防止回転数に至った時点でトラクション制御を中止すると、加速スリップを抑制するトラクション制御が早めに終了してしまい、十分な効果が発揮されない場合がある。これを解決すべく、エンスト防止回転数をより低い回転数に設定すると、エンジン回転数が急激に低下する状況では、エンスト防止制御が間に合わず、エンジンストールを引き起こしてしまう。
【0005】
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、エンジン回転数とその変化状態に応じ、確実にエンジンストールを防止しつつ、効果的に加速スリップ傾向を抑制する車両用トラクション制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる車両用トラクション制御装置は、駆動輪の加速スリップを抑制する車両用トラクション制御装置であって、駆動輪の加速スリップ状態を検知する検知手段と、エンジンの回転数を検知する回転数検知手段と、検知手段で検知される加速スリップ状態が所定状態を超えた場合に、加速スリップ状態の抑制処理を実行するトラクション制御手段と、回転数検知手段で検知されるエンジン回転数に当該エンジン回転数の変化率と時間係数との乗算値を加算した判定値を算出し、判定値が小さい場合には判定値が大きい場合よりトラクション制御手段による抑制の度合いを低減する制限手段とを備えて構成する。特に、請求項2にかかる車両用トラクション制御装置では、時間係数は、エンジン回転数の変化率が大きいほど小さな値とする。また、請求項3にかかる車両用トラクション制御装置では、時間係数は、エンジン回転数の変化率が負の領域より正の領域で大きな値とする。また、請求項4にかかる車両用トラクション制御装置では、時間係数は、エンジン回転数が低いほど大きな値とする。
【0007】
なお、制限手段による制限処理としては、トラクション制御手段による抑制処理を緩和・軽減させる処理と、トラクション制御手段による抑制処理を中止させる処理との双方を含む。
【0008】
制限手段は、エンジン回転数に加え、エンジン回転数の変化状態を考慮して、トラクション制御手段の処理に制限を加える。このようにエンジン回転数の変化状態を考慮することにより、例えば、エンジン回転数の低下傾向が大の場合には、低下傾向が小の場合に比べて、トラクション制御手段に対する制限をより強くしたり、或いはエンジン回転数がより高い段階で制限を開始することも可能である。
【0009】
請求項5にかかる車両用トラクション制御装置は、請求項1〜4記載の車両トラクション制御装置において、トラクション制御手段は、駆動輪の回転を制動する制動力を、運転者のブレーキ操作とは別に発生するブレーキアクチュエータと、ブレーキアクチュエータの動作制御を行い、このブレーキアクチュエータで発生させる制動力を、駆動輪の加速スリップ状態に応じて制御する制御手段とを備え、制限手段は、判定値が小の場合には、判定値が大の場合にブレーキアクチュエータで発生する制動力に比べ、より小さな制動力となるように、制御手段の制御処理を変更する。
【0010】
トラクション制御手段が、このように駆動輪に対して制動力を付与するブレーキアクチュエータ及びその制御手段を備えて構成する場合では、エンジン回転数の低下傾向が大の場合には、より小さな制動力となるように、制限手段によって制御手段の制御処理を変更する。これにより、エンジン回転数の低下傾向が小の場合には、加速スリップ傾向を抑制させるトラクション制御を継続して実施させ、エンジン回転数の低下傾向が大の場合には、エンジンストール傾向から早期に回復させる。
【0011】
請求項6にかかる車両用トラクション制御装置は、請求項1〜4記載の車両トラクション制御装置において、トラクション制御手段は、エンジンに導入される吸入空気量を調節する絞り弁を、所定の開度に変位駆動するアクチュエータと、駆動輪の加速スリップ状態に応じて、アクチュエータの動作制御を実施する制御手段とを備え、制限手段は、判定値が小の場合には、判定値が大の場合に制御手段によって制御される絞り弁の開度に比べて、より開側位置となるように、制御手段によるアクチュエータの制御処理を変更する。
【0012】
トラクション制御手段が、このように絞り弁の開度を変位駆動するアクチュエータ及びその制御手段を備えて構成する場合では、エンジン回転数の低下傾向が大の場合には、絞り弁の開度がより開側となるように、制限手段によって制御手段の制御処理を変更して、エンジン出力の低下を抑制させる。これにより、エンジン回転数の低下傾向が小の場合には、エンジン出力を絞って加速スリップ傾向を抑制させるトラクション制御を継続して実施させ、エンジン回転数の低下傾向が大の場合には、エンジンストール傾向から早期に回復させる。
【0013】
請求項7にかかる車両用トラクション制御装置は、請求項1〜4記載の車両トラクション制御装置が、判定値が小の場合には第1のエンジン回転数において制限手段による処理を開始させ、判定値が大の場合には第1のエンジン回転数よりも低い第2のエンジン回転数において制限手段による処理を開始させる開始制御手段をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
このような開始制御手段を備えることで、エンジン回転数の低下傾向が大の場合には比較的高い第1のエンジン回転数において、トラクション制御を抑制するための制限手段の処理を早期に開始させ、エンジンストール傾向からの回復処理を早期に実施することができる。また、エンジン回転数の低下傾向が小の場合には第1のエンジン回転数よりも低い第2のエンジン回転数において制限手段による処理を開始させ、加速スリップ傾向を抑制させるトラクション制御をより継続して実施させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態につき、添付図面を参照して説明する。
【0016】
図1に、実施形態にかかるトラクション制御装置を搭載した2輪駆動車両の駆動系を概略的に示す。エンジン1の回転出力は、トランスミッション2を介して駆動軸4に伝達される。駆動軸4はリアデファレンシャル5Rを介して左右の駆動軸6RL、6RRに連結されており、前輪側の左右の駆動軸6FL、6FRはフロントデファレンシャル5Fを介して連結されている。
【0017】
各車輪FL,FR,RL,RRには、各車輪FL,FR,RL,RRの回転を制動する制動装置10を設けており、この制動装置10は、車輪FL,FR,RL,RRと共に回転するディスクロータ11と、このディスクロータ11の外縁部に設けたキャリパ12とを備えたディスクブレーキを構成しており、キャリパ12はディスクロータ11の両側面に当接させる摩擦パッドや、供給される油圧によって摩擦パッドをディスクロータ11に押圧する押圧ピストンを収容したホイールシリンダ26(図2参照)などを備えて構成している。
【0018】
また、エンジン1に吸入空気を導入する吸気系路中には、エンジンに導入される吸入空気量を調節するスロットルバルブ7が設けられており、スロットルバルブ7をスロットルモータ8によって所定の開度に変位駆動する機構となっている。なお、図1では、1弁式の電子制御スロットル機構を例示したが、この他にも、2弁式の電子制御スロットル機構であっても良い。2弁式の電子制御スロットル機構としては、例えば、下流側に、アクセルペダルとワイヤで連結されてアクセルペダルの動作に連動するスロットルバルブを配し、その上流側に、モータの駆動力によって開度が変化する電子制御式のスロットルバルブを配して構成される。
【0019】
図2に、各車輪FL,FR,RL,RRの制動装置10を作動させる油圧制御システムを示す。マスタシリンダ22は互いに独立した2つの加圧室を直列に配しており、ブレーキペダル20のペダル操作がマスタシリンダ22内の各加圧室のピストンに伝達される機構となっており、これによりブレーキペダル20の操作力に応じた大きさの油圧が各加圧室に発生する。各加圧室で発生した油圧は、油圧導管24を介してブレーキアクチュエータ300に導かれ、ここで個々に制御された油圧が、油圧導管24を介して各制動装置10のホイールシリンダ26に供給される。
【0020】
ブレーキアクチュエータ300は、運転者によるブレーキペダル20の操作とは別にホイールシリンダ26内の油圧を上昇させ得る油圧ポンプと、ブレーキアクチュエータ300内を流通する圧油の流通制御を行う制御弁とを備えており、これらの動作制御を行うことで、運転者のブレーキ操作とは別に、ホイールシリンダ26内の油圧を昇圧、減圧、保持させる機能を有している。
【0021】
このようなブレーキアクチュエータ300及びスロットルバルブ7の動作制御は、制御装置100によって実施する。
【0022】
図3に、制御装置100を含むトラクション制御装置の全体的な構成を概略的に示す。トラクション制御装置は、各車輪FL,FR,RL,RRに対して設けられ、各車輪FL,FR,RL,RRの車輪速度をそれぞれ検出する車輪速センサ210、アクセルペダル30の操作量を検出するアクセル操作センサ220、各ホイールシリンダ26内の圧力を検出する圧力センサ230、エンジン回転数を検出する回転数センサ240、スロットルバルブ7の開度を検出するスロットルポジションセンサ250などを備えている。これら各センサ210〜250の検出結果は制御装置100に与えられ、制御装置100では、検出結果をもとに制御対象となるブレーキアクチュエータ300やスロットルモータ8の動作制御を実施している。
【0023】
ここで、トラクション制御として制御装置100において実施する制御処理のうち、制動力を付与して加速スリップ傾向を抑制するブレーキ制御について、図4のフローチャートに沿って説明する。なお、図4のフローチャートでは、駆動輪となる左右の後輪(車輪RL、RR)のうち、一方の駆動輪についての制御処理を示すこととし、他方の駆動輪についても同様の処理が実行される。
【0024】
このフローチャートは、イグニションスイッチのオン操作によって起動する。まず、ステップ(以下、「ステップ」を「S」と記す)102に進み、図3に示した各センサの検出結果を読み込む。
【0025】
続くS104では、車輪速センサ210の検出結果をもとに駆動輪の車輪速度をVrとして設定すると共に、従動輪となる左右の前輪(各車輪FL,FR)の車輪速度の平均値を演算し、その演算結果を推定車体速度Vfとして設定する。
【0026】
続くS106では、ブレーキ制御の実施を許可する許可条件が成立しているかが判断される。この許可条件としては、例えば、加速中で、かつ、従動輪の車輪速度が所定のしきい値以上の場合に、ブレーキ制御の実施が許可される。なお、加速中である状況は、例えば、アクセル操作が検出され、かつ、ブレーキ操作が検出されていない場合に、加速中であると判断する。また、このS102では、ブレーキ制御に優先して実施される他の制御処理が実行中でないかを含めて判断しても良い。
【0027】
S106で許可条件が成立していないと判断された場合には(S106で「No」)、このままこのルーチンを終了するが、S106で「Yes」と判断されれた場合には、次のS108に進む。
【0028】
S108では、ブレーキ制御の開始判定を行う際の基準値Vtsを設定する。ここでは、S104で設定した推定車体速度Vfと、予め規定した車輪の目標スリップ率Sとを用いて、Vts=Vf/(1−S)として設定する。
【0029】
続くS110では、ブレーキ制御が実行中か否かを示すフラグF1の値がF1=0であるかを調べる。このフラグF1はF1=1でブレーキ制御の実行中を示すフラグであり、初期設定としてF1=0に設定されており、この時点ではF1=0に設定されているため、ここでは「Yes」と判断されて、S112に進む。
【0030】
S112では、駆動輪の車輪速度Vrが、基準値Vtsに開始判定定数K1(K1>0)を加えた値よりも大(Vr>Vts+K1)であるかを判断する。この結果、「No」と判断された場合には、ブレーキ制御の実行条件が不成立であると判断して、このルーチンを終了する。これに対し、「Yes」と判断された場合には、S114に進み、フラグF1の値をF1=1に設定してブレーキ制御が開始されたことを示す。
【0031】
続くS116では、駆動輪のスリップ量ΔVを、駆動輪の車輪速度Vrと推定車体速度Vfとをもとに、ΔV=Vr―Vfとして設定し、S118に進む。
【0032】
S118では、このフローチャートで制御処理を担当する一方の駆動輪について、車輪速度の変化状態を判定する。この判定は、例えば、先のS102において求めた車輪速度と、前回のルーチンのS102で求めた車輪速度と、その間の時間間隔とをもとに車輪加速度を求め、車輪加速度が「+(正)」、「−(負)」、「0(増減なし)」のいずれであるか判定する。この際の判定例としては、車輪加速度の絶対値が所定の小さい値(車輪速度が所定の微小範囲内)であれば増減なしとして判定し、この範囲を超えて車輪速度が増加/減少している場合には、車輪加速度が「+」/「−」として判定する。
【0033】
続くS120では、S116で設定した駆動輪のスリップ量ΔVと、S118で判定した車輪速度の変化状態(+、0、−)とをもとに、図5に示す表より、ブレーキ油圧の制御要求を設定する。図5では、スリップ量ΔVが、所定値V1以上に大きい場合、所定値V2以下に小さい場合、所定値V1と所定値V2との間の場合、の3つの大きさについて、それぞれ車輪速度の変化状態(+、0、−)に応じて、ブレーキ油圧の制御要求が規定されている。例えばスリップ量ΔVが所定値V1以上で、車輪速度の変化状態が「+」の場合には、ブレーキ油圧の制御要求は「急増圧」となる。
【0034】
続くS200では、後に詳述するエンジンストール防止処理が実施された後、S124に進み、S200を経て設定されたブレーキ油圧の制御要求がブレーキアクチュエータ300に対して出力され、該当する制動装置10のホイールシリンダ26の圧力が制御される。
【0035】
このようにしてブレーキ制御が開始されると、ブレーキ制御の実行中を示すフラグF1の値がF1=1に設定されているため、次のルーチンにおけるS110では「No」と判断され、S126に進む。
【0036】
S126では、駆動輪の車輪速度Vrが、基準値Vtsから終了判定定数K2を引いた値よりも大(Vr>Vts−K2)であるかを判断する。この判断で「Yes」の場合には、駆動輪のスリップを抑制すべく、再びS116以降の処理が実施される。一方、S126で「No」と判断された場合には、駆動輪のスリップ状態が目標範囲内に収まったものと判断し、S128に進んでフラグF1の値をF1=0に設定し、ブレーキ制御が終了したことを示す。
【0037】
このような処理を繰り返すことにより、駆動輪の加速スリップ傾向を抑制するブレーキ制御を実行する。
【0038】
ここでS200で実施するエンジンストール防止処理について、図6のフローチャートに沿って説明する。
【0039】
まずS202に進み、先のS102で取得したエンジン回転数neを読み込み、続くS204では、エンジン回転数neに変化率dne×時間係数t(例えばt=1sec)を加えた値を、エンジン回転の状態を表す判定値NEとして設定する。この判定値NEは、エンジン回転数ne、エンジン回転数の変化率dne及び時間係数tに応じて設定される値であり、減速時の変化率dneは負の値となるため、エンジン回転数neが低く、エンジン回転数neの減速傾向が高いほど、より小さな値を示す。従って、判定値NEの値が小さいほどエンジンストール傾向が大であると判断できる。
【0040】
なお、変化率dneは、例えば前回のルーチンのS102で読み込まれたエンジン回転数と今回のルーチンのS102で読み込まれたエンジン回転数との偏差と、その間の時間間隔とをもとに算出することができる。
【0041】
続くS206では、S204で設定した判定値NEが所定値NE1(例えば1200程度)より小であるかを判断する。S206の判断で「No」の場合には、エンジンがストール傾向にないと判断し、このルーチンを終了する。
【0042】
一方、S206の判断で「Yes」の場合には、S208に進み、S204で設定した判定値NEが所定値NE2(例えば1000程度)より大であるかを判断する。ここで「Yes」の場合には、判定値NEは、NE1≧NE>NE2の範囲内の値となり、エンジンがストール傾向に移行しつつある状態であると判断する。
【0043】
この場合にはS210に進み、まず、先のS102で読み込んだ圧力センサ230の検出結果をもとに、該当する駆動輪における、ホイールシリンダ26の油圧Pがしきい値Pthより大であるかを判断する。
【0044】
S210で「No」、すなわちホイールシリンダ26の油圧Pがしきい値Pth以下の場合には、駆動輪に付与される制動力は大きな制動力では無いとして判断し、この時点のようにエンジンストール傾向の度合いが低い状況では、ブレーキ制御用の制動力を低減させるよりも、トラクション制御としてのブレーキ制御を継続させることを優先させることとし、このままこのルーチンを終了する。
【0045】
これに対しS210で「Yes」、すなわちホイールシリンダ26の油圧Pがしきい値Pthを超える場合には、ホイールシリンダ26の油圧をより増加させた場合には、エンジンストール傾向の度合いが急激に増加することになる。このため、S212に進み、先のS120で設定された制御要求が増圧側への要求であるかを判断し、「No」の場合にはそのままこのルーチンを終了して、S120で設定された制御要求を維持することとし、「Yes」の場合には、ブレーキ油圧の制御要求を保持要求に変更して、これ以上にブレーキ油圧が上昇して、エンジンストール傾向が増大することを回避する。
【0046】
これに対し、先のS208で「No」、すなわちS204で設定した判定値NEが所定値NE2以下である場合には、S216に進み、さらに判定値NEが所定値NE3(例えば800程度)より大であるかを判断する。ここで「Yes」の場合には、判定値NEは、NE2≧NE>NE3の範囲内の値となり、エンジン回転がストール傾向であると判断し、S218に進む。
【0047】
S218では、先のS120で設定されたブレーキ油圧の制御要求が、増圧側の要求であるかを判断する。S218で「No」、すなわちS120において、保持、減圧或いは急減圧の制御要求が設定されている場合には、エンジンストール傾向が抑制される方向に制御油圧が設定されているため、このままこのルーチンを終了し、制御要求の変更処理を実施せずにS120で設定された制御要求をそのまま維持する。
【0048】
一方、S218で「Yes」、すなわちS120において、増圧或いは急増圧の制御要求が設定されている場合には、S220に進み、S120で設定された増圧状態を抑制させる増圧抑制処理を実施する。例えばS120において制御要求が急増圧の場合には通常の増圧へ、また、制御要求が通常の増圧の場合には緩増圧へと、増圧勾配が抑制される方向へ制御要求を変更する。このような増圧抑制処理によって、S120で設定された制御要求に比べてエンジンストール傾向が抑制される方向に制御油圧が変更される。
【0049】
さらに、先のS216で「No」、すなわちS204で設定した判定値NEが所定値NE3以下である場合には、エンジン回転数ne、その変化率dne及び時間係数tをもとに設定した判定値NEが小さな値を示しており、エンジンストール傾向が極めて大であると判断できる。この場合には、先のS120で設定されたブレーキ油圧の制御要求を、すべて急減圧要求に変更して、対象となる駆動輪に付与される制動力を十分に抑制し、より早期にエンジンストール傾向から回復させる。
【0050】
S200では、このようなエンジンストール抑制処理を実施することで、エンジン回転数とその変化率とをもとに、確実にエンジンストールを防止しつつ、効果的に加速スリップ傾向を抑制することができる。
【0051】
なお、実施形態で例示した各所定値NE1〜NE3は、例示した値に限定するものではなく、NE1>NE2>NE3の関係を満たしていれば良い。
【0052】
また、説明した実施形態のS204では判定値NEを、NE=ne+dne・tとして規定したが、この時間係数t(t>0)の値を、例えば図7に示すように、エンジン回転数の微分値となる変化率dneの値に応じて設定することもできる。このように時間係数tを可変設定することにより、変化率dneが負の領域では、エンジン回転数neの低下が急激なほど、時間係数tの値がより大きな値に設定されるため、この作用によって判定値NEがより小さな値となり、エンジンストールの防止制御を早期に開始することができる。また、変化率dneが正の領域では、変化率dneが小さいほど、時間係数tの値がより大きな値に設定されるので、エンジン回転数neが増加傾向に反転した直後で、変化率dneが小さい状況下であっても、判定値NEをより大きな値に設定することができるため、早期にエンジンストールの防止制御を終了させることができる。
【0053】
また、図8に示すように、変化率dneが負の領域に比べて正の領域で、時間係数tの値をより大きな値に設定しても良く、これにより、エンジン回転数neが増加に転じた場合には、速やかにエンジンストール防止処理を終了させることができる。
【0054】
さらに、図9に示すように、この時間係数tの値を、エンジン回転数neの大きさに応じて設定することもできる。図9の例では、エンジン回転数neが低いほど時間係数tはより大きな値に設定されるので、判定値Neの設定に際して、エンジン回転数neが低い領域で、エンジン回転の変化状態がより大きく反映されるため、エンジンストールの防止処理を早期に開始することができると共に、エンジンストール傾向からエンジン回転数が増加傾向に反転した場合には、エンジンストールの防止処理を速やかに終了させることができる。
【0055】
なお、時間係数tの値を、エンジン回転数neとその変化率dneとの双方を考慮して設定することもできる。この場合、図7より変化率dneに応じて設定される時間係数をt1、図8よりエンジン回転数neに応じて設定される時間係数とt2とすると、S204で用いる時間係数tを、例えばt=t1×t2として設定しても良い。
【0056】
また、以上説明した実施形態では、各ホイールシリンダ26内の圧力を圧力センサ230によって検出する場合を例示したが、この例に限定するものではなく、例えば、ブレーキアクチュエータ300における圧油流通制御用の制御弁に対する開度司令値と、経過時間とをもとに、該当するホイールシリンダ26内の圧力を推定する推定処理を実行し、その推定結果を用いることも可能である。
【0057】
次に、他の実施形態について説明する。
【0058】
S200で実施するエンジンストール防止処理の他の実施形態について、図10のフローチャートに沿って説明する。
【0059】
まずS230では、先のS102で取得したエンジン回転数neを読み込み、続くS232では、エンジンストール防止処理が実行中か否かを示すフラグF2の値がF2=0であるかを調べる。このフラグF2はF2=1でエンジンストール防止処理が実行中であること示すフラグであり、初期設定としてF2=0に設定されており、この時点では「Yes」と判断されて、S234に進む。
【0060】
S234ではエンジン回転数neの変化率(微分値)dneを演算し、続くS236では、求めた変化率dneの値が負、すなわちエンジン回転数neが減少傾向であるかを判断する。エンジン回転数neが一定か、或いは増加傾向の場合には(S236で「No」)、エンジンストール傾向にないと判断して、S238に進み、先のS120で既に設定されたブレーキ油圧の制御要求をそのまま維持して、このルーチンを終了する。
【0061】
一方、エンジン回転数neが減少傾向である場合には(S236で「Yes」)、S240に進み、S234で求めた変化率dneの絶対値が、エンジン回転数neの急減速状態を想定して比較的大きな値として設定したしきい値S1(S1>0)よりも大であるかを判断する。
【0062】
S240で「Yes」、すなわち変化率dneの絶対値がしきい値S1よりも大の場合には、S242に進み、エンジンストール防止処理の開始条件となる、エンジン回転数neのしきい値nethを、比較的高い回転数ne1(例えば1300rpm程度)に設定する。
【0063】
これに対しS240で「No」、すなわち変化率dneの絶対値がしきい値S1以下の場合にはS244に進み、変化率dneの絶対値がしきい値S2(S1>S2>0)よりも大であるかを判断する。このしきい値S2はエンジン回転数neの中程度の減速状態を想定して規定した値である。
【0064】
S244で「Yes」、すなわち変化率dneの絶対値がしきい値S2よりも大の場合には、S246に進み、エンジンストール防止処理の開始条件となる、エンジン回転数neのしきい値nethを、回転数ne1よりも低い回転数ne2(例えば1100rpm程度)に設定する。
【0065】
これに対し、S244で「No」、すなわち変化率dneの絶対値がしきい値S2以下の場合には、エンジン回転数が緩やかに減少している状況であり、この場合には、S248に進み、エンジンストール防止処理の開始条件となる、エンジン回転数neのしきい値nethを、回転数ne2よりも低い回転数ne3(例えば900rpm程度)に設定する。
【0066】
このようなS242、S246或いはS248の処理を経た後、S250に進み、先のS230で読み込んだエンジン回転数neが、S242、S246或いはS248で設定したしきい値nethより小であるかを判断する。
【0067】
その結果、エンジン回転数neがしきい値neth以上である場合には(S250で「No」)、エンジンストールの防止処理を開始するほど、エンジン回転数が低下していないと判断し、S238に進み、先のS120で既に設定されたブレーキ油圧の制御要求をそのまま維持して、このルーチンを終了する。
【0068】
一方、エンジン回転数neがしきい値nethより小である場合には(S250で「Yes」)、S252に進んでフラグF2の値をF2=1に設定し、エンジンストール防止処理が実行中であること示す。
【0069】
そしてS254に進み、エンジンストールの防止処理を実行する。この処理例としては、例えば、S120の制御要求が減圧要求或いは保持要求であれば、そのままS120で設定された制御要求を維持し、制御要求が増圧側に設定されている場合には、制御要求が急増圧の場合には通常の増圧へ、制御要求が通常の増圧の場合には緩増圧へと、増圧勾配が抑制される方向へ御要求を変更する。このような増圧抑制処理によって、S120で設定された制御要求に比べてエンジンストール傾向が抑制される方向に制御油圧が変更される。
【0070】
次回以降のルーチンでは、エンジンストールの防止処理が開始され、フラグF2の値がF2=1に設定されているため、S232で「No」と判断されてS256に進む。
【0071】
S256では、エンジン回転数neが、エンジンストールの防止処理を開始した際に設定したしきい値nethに、所定値αを加えた回転数よりも増加したかを判断する。その結果、「No」の場合にはS254に進んで、エンジンストールの防止処理を継続して実施し、「Yes」の場合には、エンジン回転がストップ傾向から十分に回復したものとみなし、S258に進んで、フラグF2の値をF2=0にリセットして、エンジンストールの防止処理を終了させる。
【0072】
さらに他の実施形態について説明する。
【0073】
加速スリップ傾向を抑制するトラクション制御として、制御装置100では、スロットルバルブを閉側に制御して、エンジン出力を抑制させるスロットル制御も実施している。そこで、前述したようなエンジンストールの防止処理を、このようなスロットル制御に適用した場合について説明する。
【0074】
以下、図11のフローチャートに沿って説明する。
【0075】
このフローチャートは、イグニションスイッチのオン操作によって起動する。なお、図11のフローチャートでは、駆動輪となる左右の後輪(車輪RL、RR)のうち、一方の駆動輪についての制御処理を示すこととし、他方の駆動輪についても同様の処理が実行される。
【0076】
まず、S302に進み、図3に示した各センサの検出結果を読み込み、続くS304では、読み込んだ駆動輪の車輪速度をVrとして設定すると共に、従動輪となる左右の前輪(各車輪FL,FR)の車輪速度の平均値を演算し、その演算結果を推定車体速度Vfとして設定する。
【0077】
続くS306では、先に説明した図4のS106と同様に、スロットル制御の実施を許可する許可条件が成立しているかが判断される。S306で許可条件が成立していないと判断された場合には(S306で「No」)、このままこのルーチンを終了するが、S306で「Yes」と判断されれた場合には、次のS308に進む。
【0078】
S308では、スロットル制御の開始判定を行う際の基準値Vtsを設定する。ここでは、S304で設定した推定車体速度Vfと、予め規定した車輪の目標スリップ率Sとを用いて、Vts=Vf/(1−S)として設定する。
【0079】
続くS310では、スロットル制御が実行中か否かを示すフラグF3の値がF=0であるかを調べる。このフラグF3はF3=1でスロットル制御の実行中を示すフラグであり、初期設定としてF3=0に設定されており、この時点ではF3=0に設定されているため、ここでは「Yes」と判断されて、S312に進む。
【0080】
S312では、駆動輪の車輪速度Vrが、基準値Vtsに開始判定定数K3(K3>0)を加えた値よりも大(Vr>Vts+K3)であるかを判断する。この結果、「No」と判断された場合には、駆動輪の車輪速度Vrと基準値Vtsとの差が、開始判定定数K3以上に増大していない状況であり、この場合にはスロットル制御の開始条件が不成立であると判断して、このルーチンを終了する。
【0081】
これに対し、S312で「Yes」と判断された場合には、S314に進み、フラグF3の値をF3=1に設定してスロットル制御が開始されたことを示す。
【0082】
続くS316では、スロットルバルブ7の開度を閉側に制御し、エンジン出力を抑制させるスロットル制御の初回目の制御か否かを判断する。スロットル制御を開始するに当たり、スロットルバルブ7の開度をどの程度閉側に傾動させるかが、開始時のエンジン回転数neに応じて予め規定されており、初回スロットル制御の場合には(S316で「Yes」)、S326に進み、スロットル制御の初期値として、このときのエンジン回転数neに応じてスロットルバルブ7の目標開度θTを設定する。
【0083】
続いてS322に進み、設定した目標開度θTに応じた制御量をスロットルモータ8に対して出力し、スロットルバルブ7を閉側に駆動させる。この処理により吸入空気量が減少する等により、エンジン出力が抑制される。この後、S324に進み、このルーチンで設定した目標開度θTを前回値θ(n−1)として記憶させる。
【0084】
次のルーチンでは、同様にS302〜S310が実行されるが、この時点ではフラグF3の値がF3=1に設定されているため、S310で「No」と判断されてS328に進む。
【0085】
S328では、駆動輪の車輪速度Vrが、基準値Vtsから終了判定定数K4(K4>0)を引いた値よりも小さくなったか(Vr<Vts−K4)を判断する。この判断で「No」の場合には、駆動輪の車輪速度Vrが、十分に抑制されていないと判断し、継続してエンジン出力を抑制すべ、再びS316に進む。
【0086】
スロットル制御が開始されて2回目以降のルーチンでは、S316で「No」と判断されてS318に進み、スロットル制御の開始時に(S328を経由する処理)、スロットルバルブ7の開度を絞った状態から、スロットルバルブ7の開度を開側に戻すために設定するフィードバック量Δθを、下記(1)式をもとに設定する。なお、下記(1)式中、「A」,「B」、「C」は所定のゲイン係数、「Δt」は所定の時間偏差(演算周期)を示す。
【0087】
Δθ=A・{(Vts−Vr)/Δt}+B・(Vts−Vr)+C …(1)続くS400では、エンジンストール傾向を抑制するため、フィードバック量Δθに対する補正値βを設定する。このS400が、図4のS200で示したエンジンストール防止処理に対応する。
【0088】
ここでS400の補正値βの設定処理を図12のフローチャートに示す。
【0089】
まずS402に進み、先のS302で取得したエンジン回転数neを読み込み、S403に進んで、エンジン回転数neの変化率(微分値)dneを演算する。そしてS404に進み、エンジン回転数neに変化率dne×時間係数t(例えばt=1sec)を加えた値をとって、先に説明した実施形態と同様に、エンジン回転の状態を表す判定値NEとして設定する。
【0090】
続くS406では、S404で設定した判定値NEが所定値NE4(例えば1200程度)より小であるかを判断する。S406の判断で「No」の場合には、エンジンがストール傾向にないと判断し、S408に進んで、補正値βをβ=0に設定してこのルーチンを終了する。
【0091】
一方、S406の判断で「Yes」の場合には、S410に進み、S204で設定した判定値NEが、NE4よりも小さい所定値NE5(例えば1000程度)より大であるかを判断する。ここで「Yes」の場合には、判定値NEは、NE4>NE>NE5の範囲内の値となり、エンジンストール傾向の度合いは低いものの、エンジンストール傾向に移行しつつある状態であると判断する。この場合にはS412に進み、補正値βの値を比較的小さな値としてβ1(β1>0)に設定する。
【0092】
これに対し、先のS410で「No」、すなわちS404で設定した判定値NEが所定値NE5以下である場合には、S414に進み、さらに判定値NEがNE5よりも小さい所定値NE6(例えば800程度)より大であるかを判断する。ここで「Yes」の場合には、判定値NEは、NE5≧NE>NE6の範囲内の値となり、エンジン回転が中程度のストップ傾向であると判断し、S416に進んで、補正値βを、β1よりも大きな値を有するβ2に設定して(β=β2>β1)、このルーチンを終了する。
【0093】
また、S414の判断で「No」の場合には、エンジン回転のストップ傾向が大であると判断し、S418に進み、補正値βを、β2よりも大きな値を有するβ3に設定して(β=β3>β2>β1)、このルーチンを終了する。
【0094】
このようにして補正値βを設定することにより、判定値NEをもとに判断されるエンジンストール傾向が大きいほど、補正値βはより大きな値に設定されることになる。
【0095】
図11のフローチャートに戻り、このようにしてS400で補正値βを設定した後、S320に進み、下記(2)式をもとに、スロットルバルブ7の目標開度θTを設定する。なお、下記(2)式中「Δt」は所定の時間偏差(演算周期)を示す。
【0096】
θT=θ(n−1)+Δθ・Δt+β …(2)
(2)式より、補正値βは、スロットルバルブ7の開度を開側に戻すために設定するフィードバック量Δθをより増加させるための補正値となっており、補正値βが大きいほど、スロットルバルブ7の開度をより開側に復帰させることができる。
【0097】
この後、S322に進み、S320で設定した目標開度θTに応じた制御量をスロットルモータ8に対して出力した後、S324に進み、このルーチンで設定した目標開度θTを前回値θ(n−1)として記憶させる。
【0098】
そして、次回以降のルーチンでは、S302〜S328に至る処理ステップが実行され、S328の判断において、駆動輪の車輪速度Vrが基準値Vtsから終了判定定数K4を引いた値よりも小さくなった場合には(S328で「Yes」)、駆動輪の車輪速度Vrが十分に抑制されたものと判断できる。このためS330に進み、スロットル制御を終了させるための所定の終了処理を開始させる。この処理は、スロットルバルブ7の開度が急激に通常の開度まで復帰することを防止するため、スロットルバルブ7の開度を、通常の開度まで徐々に変化させる処理である。
【0099】
そして、この後、S332に進み、フラグF3の値をF3=0にリセットして、このルーチンを終了する。
【0100】
このような処理を繰り返し実施することで、S400において設定する補正値βの作用によって、フィードバック量Δθは、エンジンストール傾向が大きいほど、より大きな値となるように補正される。この結果、(2)式において設定されるスロットルバルブ7の目標開度θTは、エンジンストール傾向が大きいほどより開側に設定されることとなり、この作用により、エンジン出力の抑制状態が軽減される。このように、エンジン回転数の変化状態を考慮することで、エンジンストール状態となることをより確実に防止することが可能となる。
【0101】
以上説明した図12のフローチャートでは、エンジン回転数neに(変化率dne×時間係数t)を加えた値としての判定値NEに応じて補正値βを設定したが、補正値βを設定せずに、係数「γ」の値を判定値NE或いはエンジン回転数の変化率dneに応じて可変設定しても良い。この場合、S320で用いる(2)式に代えて、下記の(3)式が採用される。
【0102】
θT=θ(n−1)+Δθ・Δt・γ …(3)
そして、係数「γ」の値は、例えば判定値NEが小さいほど、より大きな値に設定する。これにより、エンジンストール傾向が大きいほど、フィードバック量Δθはより大きな値となるように補正されるため、スロットルバルブ7をより開側の位置まで復帰させることができ、これによりエンジンス出力の抑制傾向が軽減され、エンジンストールを防止することができる。
【0103】
また、この係数γの値は、例えば図13に示すように、エンジン回転数の変化率dneの値に応じて設定することにより、変化率dneが負の領域では、エンジン回転数neの低下が急激なほど、フィードバック量Δθがより増加されるため、スロットルバルブ7がより開側の位置まで復帰して、エンジン出力がより大きく増加する。また、変化率dneが正の領域では、変化率dneが小さいほど、係数γの値がより大きな値に設定されるので、エンジン回転数neが増加傾向に反転した直後で、変化率dneが小さい状況下であっても、フィードバック量Δθを大きな値に設定することができるため、エンジンストールの防止制御を早期に終了させることができる。
【0104】
また、図14に示すように、変化率dneが負の領域に比べて正の領域で、係数γの値をより大きな値に設定しても良く、これにより、エンジン回転数neが増加に転じた場合には、速やかにエンジンストール防止処理を終了させることができる。
【0105】
さらに、図15に示すように、この係数γの値を、エンジン回転数neの大きさに応じて設定することもできる。図15の例では、エンジン回転数neが低いほど係数γはより大きな値に設定されるので、エンジン回転数neが低い領域では、フィードバック量Δθがより増加されて、その結果スロットルバルブ7がより開側の位置まで復帰するため、エンジン回転数neが低い領域ほど、エンジン出力をより大きく増加させることができる。
【0106】
また、このようなエンジン出力の抑制傾向を軽減する処理としては、図11のS400やS320以外のステップにおいても実施することができる。例えば判定値NEが小さい領域ほど、S308における目標スリップ率S又はS312の開始判定定数K3の値を、より大きな値に設定することで、エンジン出力を抑制させるスロットル制御の開始タイミングを遅らせることができ、これによりエンジン出力の抑制を軽減させることができる。
【0107】
さらに、スロットル制御が開始された後では、例えば判定値NEが小さい領域ほど、S308の目標スリップ率Sを大、S328の終了判定定数K4の値を小、又は、(1)式のゲイン係数A、B、Cの値を大(S318)に設定することで、トラクション制御をより早期に終了させることができ、これによりエンジン出力の抑制を軽減させることができる。
【0108】
この他にも、例えば判定値NEが小さい領域ほど、初回のスロットル制御(S326)で設定するスロットルバルブ7の目標開度θTをより開側に設定し、制御開始時におけるスロットルバルブ7の絞りを少なく設定することで、エンジン出力の抑制を軽減させることもできる。
【0109】
以上説明した各実施形態では、2輪駆動車に対するトラクション制御について説明したが、2輪駆動車に限定するものではなく、4輪駆動車についても同様に実施することができる。
【0110】
【発明の効果】
以上説明したように、各請求項に係る車両用トラクション制御装置によれば、回転数検知手段で検知されるエンジン回転数に加えて、エンジン回転数の変化状態を考慮して、トラクション制御手段による抑制処理を制限する制限手段を備える構成を採用した。
【0111】
これにより、エンジン回転数の低下傾向が大の場合には、低下傾向が小の場合に比べて、トラクション制御手段に対する制限をより強くしたり、或いはエンジン回転数がより高い段階で制限を開始することも可能となるので、トラクション制御を実行した際にも、確実にエンジンストールを防止しつつ、効果的に加速スリップ傾向を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態にかかるトラクション制御装置を搭載した2輪駆動車両を概略的に示す構成図である。
【図2】制動装置を作動させる油圧制御システムを概略的に示すシステム構成図である。
【図3】トラクション制御装置の全体的な構成を示すブロック図である。
【図4】トラクション制御としてのブレーキ制御を示すフローチャートである。
【図5】スリップ量ΔVと車輪速度の変化状態とに応じてブレーキ油圧の制御要求を規定した設定図表である。
【図6】図4のS200で実施するエンジンストール防止処理を示すフローチャートである。
【図7】エンジン回転数neの変化率dneと時間係数tとの関係を規定したグラフである。
【図8】エンジン回転数neの変化率dneと時間係数tとの関係を規定したグラフである。
【図9】エンジン回転数neと時間係数tとの関係を規定したグラフである。
【図10】図4のS200で実施するエンジンストール防止処理の他の実施形態を示す、フローチャートである。
【図11】トラクション制御としてのスロットル制御に対して、エンジンストール防止処理を適用した場合を示すフローチャートである。
【図12】図11のS400における、補正値βの設定処理を示すフローチャートである。
【図13】エンジン回転数neの変化率dneと係数γとの関係を規定したグラフである。
【図14】エンジン回転数neの変化率dneと係数γとの関係を規定したグラフである。
【図15】エンジン回転数neと係数γとの関係を規定したグラフである。
【符号の説明】
7…スロットルバルブ、10…制動装置、20…ブレーキペダル
26…ホイールシリンダ、30…アクセルペダル、100…制御装置
300…ブレーキアクチュエータ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a traction control device for a vehicle that suppresses slippage of a drive wheel when the drive wheel slips when the vehicle starts or accelerates.
[0002]
[Prior art]
When the slip state of the drive wheel (accelerated slip state) increases when the vehicle starts or accelerates, the braking force is applied to the drive wheel and the engine output is reduced to reduce the tendency of the drive wheel to slip. A technique for suppressing the deterioration of the acceleration of the vehicle due to the acceleration slip is known. For example, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2-501293, when the engine speed falls below a predetermined speed, the traction control for suppressing such acceleration slip is stopped to prevent the engine stall. Is disclosed.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In such an engine stall prevention process, a predetermined engine stall prevention speed is defined in advance as an engine speed serving as a threshold, and when the actual engine speed falls below the engine stall prevention speed, Stop traction control.
[0004]
However, the engine stall speed set in advance here is normally set to a higher speed than the engine speed at which engine stall actually occurs, and even if the engine speed reaches the engine stall prevention speed, However, there is a certain amount of time before the engine stalls. Therefore, for example, when the speed of decrease in the engine speed is low, there is a larger time margin than when the speed of decrease is high, and the traction control is stopped when the engine speed reaches the engine stall prevention speed. In some cases, the traction control that suppresses the acceleration slip ends early, and a sufficient effect is not exhibited. In order to solve this problem, if the engine stall prevention speed is set to a lower speed, the engine stall prevention control will not be in time in a situation where the engine revolution speed rapidly decreases, causing engine stall.
[0005]
The present invention has been made to solve such problems, and its object is to effectively suppress the acceleration slip tendency while reliably preventing the engine stall according to the engine speed and its change state. The object is to provide a vehicle traction control device.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The traction control device for a vehicle according to
[0007]
Note that the restriction process by the restriction unit includes both a process for reducing or reducing the suppression process by the traction control unit and a process for canceling the suppression process by the traction control unit.
[0008]
The limiting means limits the processing of the traction control means in consideration of the change state of the engine speed in addition to the engine speed. By considering the change state of the engine speed in this way, for example, when the decrease tendency of the engine speed is large, the restriction on the traction control means is made stronger than when the decrease tendency is small. Alternatively, the restriction can be started at a stage where the engine speed is higher.
[0009]
Claim 5The vehicle traction control device according toClaims 1-4In the vehicle traction control device described above, the traction control means controls a brake actuator that generates a braking force for braking the rotation of the driving wheel separately from a driver's brake operation, and operation control of the brake actuator. Control means for controlling the braking force to be generated according to the acceleration slip state of the drive wheel, the limiting means,When the judgment value is smallIsWhen the judgment value is largeIn addition, the control process of the control means is changed so that the braking force is smaller than the braking force generated by the brake actuator.
[0010]
In the case where the traction control means is configured to include a brake actuator for applying a braking force to the drive wheel and the control means, the braking force is reduced when the engine rotational speed tends to decrease. Thus, the control process of the control unit is changed by the limiting unit. As a result, the traction control that suppresses the acceleration slip tendency is continued when the decrease tendency of the engine speed is small, and when the decrease tendency of the engine speed is large, the engine stall tendency is started earlier. Let me recover.
[0011]
Claim 6The vehicle traction control device according toClaims 1-4In the vehicle traction control device described above, the traction control means includes an actuator that drives the throttle valve that adjusts the amount of intake air introduced into the engine to a predetermined opening, and an actuator according to an acceleration slip state of the drive wheel. Control means for performing the operation control of, and the limiting means,When the judgment value is smallIsWhen the judgment value is largeThe control process of the actuator by the control means is changed so that the opening position is more open than the opening of the throttle valve controlled by the control means.
[0012]
In the case where the traction control means is configured to include an actuator for driving the displacement of the throttle valve and the control means as described above, when the engine rotational speed tends to decrease, the throttle valve opening is further increased. The control process of the control unit is changed by the limiting unit so as to be on the open side, thereby suppressing a decrease in engine output. As a result, when the decrease tendency of the engine speed is small, the traction control for reducing the acceleration slip tendency is suppressed by reducing the engine output, and when the decrease tendency of the engine speed is large, the engine Recover early from a stall tendency.
[0013]
Claim 7The vehicle traction control device according toClaims 1-4The vehicle traction control device described isWhen the judgment value is smallStarts processing by the limiting means at the first engine speed,When the judgment value is largeIs further provided with start control means for starting processing by the limiting means at a second engine speed lower than the first engine speed.
[0014]
By providing such a start control means, the process of the limiting means for suppressing the traction control is started early at a relatively high first engine speed when the tendency of the engine speed to decrease is large. In addition, the recovery process from the engine stall tendency can be performed early. Further, when the tendency of the engine speed to decrease is small, the traction control is further continued to start the processing by the limiting means at the second engine speed lower than the first engine speed and suppress the acceleration slip tendency. Can be implemented.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the accompanying drawings.
[0016]
FIG. 1 schematically shows a drive system of a two-wheel drive vehicle equipped with the traction control device according to the embodiment. The rotational output of the
[0017]
Each wheel FL, FR, RL, RR is provided with a
[0018]
In addition, a
[0019]
FIG. 2 shows a hydraulic control system for operating the
[0020]
The
[0021]
Such operation control of the
[0022]
FIG. 3 schematically shows the overall configuration of the traction control device including the
[0023]
Here, of the control processing executed in the
[0024]
This flowchart is started by turning on the ignition switch. First, the process proceeds to step (hereinafter, “step” is referred to as “S”) 102, and the detection results of the sensors shown in FIG. 3 are read.
[0025]
In the subsequent S104, the wheel speed of the driving wheel is set as Vr based on the detection result of the
[0026]
In subsequent S106, it is determined whether a permission condition for permitting the execution of the brake control is satisfied. As the permission condition, for example, when the vehicle is accelerating and the wheel speed of the driven wheel is equal to or higher than a predetermined threshold value, the execution of the brake control is permitted. Note that the situation in which the vehicle is accelerating is determined to be accelerating when, for example, an accelerator operation is detected and a brake operation is not detected. Further, in S102, determination may be made including whether or not other control processing that is executed in preference to brake control is being executed.
[0027]
If it is determined in S106 that the permission condition is not satisfied ("No" in S106), the routine is terminated as it is. If it is determined "Yes" in S106, the process proceeds to the next S108. move on.
[0028]
In S108, a reference value Vts for determining whether to start brake control is set. Here, Vts = Vf / (1−S) is set using the estimated vehicle body speed Vf set in S104 and the target slip ratio S of the wheel defined in advance.
[0029]
In subsequent S110, it is checked whether the value of the flag F1 indicating whether or not the brake control is being executed is F1 = 0. This flag F1 is a flag indicating that the brake control is being executed when F1 = 1, and is set to F1 = 0 as an initial setting. At this time, F1 = 0 is set. Determination is made and the process proceeds to S112.
[0030]
In S112, it is determined whether the wheel speed Vr of the driving wheel is larger (Vr> Vts + K1) than a value obtained by adding the start determination constant K1 (K1> 0) to the reference value Vts. As a result, when it is determined as “No”, it is determined that the execution condition of the brake control is not satisfied, and this routine is finished. On the other hand, if “Yes” is determined, the process proceeds to S114, where the value of the flag F1 is set to F1 = 1 to indicate that the brake control is started.
[0031]
In subsequent S116, the slip amount ΔV of the drive wheel is set as ΔV = Vr−Vf based on the wheel speed Vr of the drive wheel and the estimated vehicle body speed Vf, and the process proceeds to S118.
[0032]
In S118, the change state of the wheel speed is determined for one of the drive wheels in charge of the control process in this flowchart. In this determination, for example, the wheel acceleration is obtained based on the wheel speed obtained in the previous S102, the wheel speed obtained in S102 of the previous routine, and the time interval therebetween, and the wheel acceleration is “+ (positive)”. ”,“ − (Negative) ”, or“ 0 (no increase / decrease) ”. As an example of determination at this time, if the absolute value of the wheel acceleration is a predetermined small value (the wheel speed is within a predetermined minute range), it is determined that there is no increase / decrease, and the wheel speed increases / decreases beyond this range. If there is, the wheel acceleration is determined as “+” / “−”.
[0033]
In the subsequent S120, a brake hydraulic pressure control request is obtained from the table shown in FIG. 5 based on the slip amount ΔV of the drive wheel set in S116 and the wheel speed change state (+, 0, −) determined in S118. Set. In FIG. 5, the wheel speed changes for each of three magnitudes: when the slip amount ΔV is larger than the predetermined value V1, smaller than the predetermined value V2, and between the predetermined value V1 and the predetermined value V2. Depending on the state (+, 0, −), a control request for brake oil pressure is defined. For example, when the slip amount ΔV is equal to or greater than the predetermined value V1 and the wheel speed change state is “+”, the brake hydraulic pressure control request is “rapidly increased”.
[0034]
In the subsequent S200, an engine stall prevention process, which will be described in detail later, is performed, and then the process proceeds to S124, where the brake hydraulic pressure control request set via S200 is output to the
[0035]
When the brake control is started in this way, the value of the flag F1 indicating that the brake control is being executed is set to F1 = 1. Therefore, “No” is determined in S110 in the next routine, and the process proceeds to S126. .
[0036]
In S126, it is determined whether or not the wheel speed Vr of the driving wheel is larger than the value obtained by subtracting the end determination constant K2 from the reference value Vts (Vr> Vts−K2). In the case of “Yes” in this determination, the processing after S116 is performed again to suppress the slip of the driving wheel. On the other hand, if “No” is determined in S126, it is determined that the slip state of the drive wheel is within the target range, the process proceeds to S128, the value of the flag F1 is set to F1 = 0, and the brake control is performed. Indicates that has ended.
[0037]
By repeating such a process, the brake control for suppressing the acceleration slip tendency of the drive wheels is executed.
[0038]
Here, the engine stall prevention process executed in S200 will be described with reference to the flowchart of FIG.
[0039]
First, the process proceeds to S202, and the engine speed ne acquired in the previous S102 is read. In the subsequent S204, the value obtained by adding the rate of change dne × time coefficient t (for example, t = 1 sec) to the engine speed ne is set as the engine speed state. Is set as a determination value NE representing. This determination value NE is a value set according to the engine speed ne, the engine speed change rate dne, and the time coefficient t. Since the change rate dne during deceleration is a negative value, the engine speed ne Is lower, and the lower the tendency of the engine speed ne to decrease, the smaller the value. Therefore, it can be determined that the smaller the determination value NE, the greater the engine stall tendency.
[0040]
The rate of change dne is calculated based on, for example, the deviation between the engine speed read in S102 of the previous routine and the engine speed read in S102 of the current routine, and the time interval therebetween. Can do.
[0041]
In subsequent S206, it is determined whether or not the determination value NE set in S204 is smaller than a predetermined value NE1 (for example, about 1200). If “No” in the determination in S206, it is determined that the engine does not tend to stall, and this routine is terminated.
[0042]
On the other hand, if “Yes” is determined in S206, the process proceeds to S208, and it is determined whether the determination value NE set in S204 is larger than a predetermined value NE2 (for example, about 1000). In the case of “Yes”, the determination value NE is a value within the range of NE1 ≧ NE> NE2, and it is determined that the engine is in a state of shifting to a stall tendency.
[0043]
In this case, the process proceeds to S210. First, based on the detection result of the
[0044]
If “No” in S210, that is, if the hydraulic pressure P of the
[0045]
On the other hand, if “Yes” in S210, that is, if the hydraulic pressure P of the
[0046]
On the other hand, if “No” in the previous S208, that is, if the determination value NE set in S204 is equal to or less than the predetermined value NE2, the process proceeds to S216, and the determination value NE is larger than the predetermined value NE3 (for example, about 800). It is judged whether it is. In the case of “Yes”, the determination value NE is a value within the range of NE2 ≧ NE> NE3, and it is determined that the engine rotation has a stall tendency, and the process proceeds to S218.
[0047]
In S218, it is determined whether the brake hydraulic pressure control request set in the previous S120 is a pressure increase request. If “No” is determined in S218, that is, if a control request for holding, depressurization or rapid depressurization is set in S120, the control oil pressure is set in such a direction that the engine stall tendency is suppressed. The control request set in S120 is maintained as it is without performing the control request changing process.
[0048]
On the other hand, if “Yes” in S218, that is, if a control request for pressure increase or rapid pressure increase is set in S120, the process proceeds to S220, and a pressure increase suppression process is performed to suppress the pressure increase state set in S120. To do. For example, in S120, the control request is changed to a normal pressure increase when the control request is a sudden pressure increase, and to a gentle pressure increase when the control request is a normal pressure increase, so that the pressure increase gradient is suppressed. To do. By such a pressure increase suppression process, the control hydraulic pressure is changed in a direction in which the engine stall tendency is suppressed compared to the control request set in S120.
[0049]
Further, if “No” in the previous S216, that is, if the determination value NE set in S204 is equal to or less than the predetermined value NE3, the determination value set based on the engine speed ne, its rate of change dne, and the time coefficient t. NE shows a small value, and it can be determined that the engine stall tendency is extremely large. In this case, all the brake hydraulic pressure control requests set in the previous S120 are changed to sudden pressure reduction requests, and the braking force applied to the target drive wheels is sufficiently suppressed, so that the engine stalls earlier. Recover from the trend.
[0050]
In S200, by executing such an engine stall suppression process, the acceleration slip tendency can be effectively suppressed while reliably preventing the engine stall based on the engine speed and the rate of change thereof. .
[0051]
Note that the predetermined values NE1 to NE3 exemplified in the embodiment are not limited to the exemplified values as long as the relationship NE1> NE2> NE3 is satisfied.
[0052]
Further, in S204 of the described embodiment, the determination value NE is defined as NE = ne + dne · t. However, the value of the time coefficient t (t> 0) is expressed by, for example, as shown in FIG. It can also be set according to the value of the change rate dne that is a value. By variably setting the time coefficient t in this manner, in a region where the change rate dn is negative, the value of the time coefficient t is set to a larger value as the decrease in the engine speed ne is more rapid. Thus, the determination value NE becomes a smaller value, and the engine stall prevention control can be started early. In a region where the rate of change dn is positive, the smaller the rate of change dn, the larger the value of the time coefficient t. Therefore, immediately after the engine speed ne is reversed to increase, the rate of change dn is Even under a small situation, the determination value NE can be set to a larger value, so that the engine stall prevention control can be terminated early.
[0053]
Further, as shown in FIG. 8, the value of the time coefficient t may be set to a larger value in a positive region than in a negative region of the change rate dne, thereby increasing the engine speed ne. If it turns, the engine stall prevention process can be immediately terminated.
[0054]
Further, as shown in FIG. 9, the value of the time coefficient t can be set according to the magnitude of the engine speed ne. In the example of FIG. 9, the time coefficient t is set to a larger value as the engine speed ne is lower. Therefore, when the determination value Ne is set, the change state of the engine speed is larger in the region where the engine speed ne is low. Therefore, the engine stall prevention process can be started at an early stage, and the engine stall prevention process can be promptly terminated when the engine speed is reversed from an engine stall tendency to an increasing tendency. .
[0055]
Note that the value of the time coefficient t can be set in consideration of both the engine speed ne and the rate of change dne. In this case, assuming that the time coefficient set according to the change rate dne from FIG. 7 is t1, and the time coefficient set according to the engine speed ne from FIG. 8 is t2, the time coefficient t used in S204 is, for example, t = T1 × t2 may be set.
[0056]
Further, in the embodiment described above, the case where the pressure in each
[0057]
Next, another embodiment will be described.
[0058]
Another embodiment of the engine stall prevention process performed in S200 will be described along the flowchart of FIG.
[0059]
First, in S230, the engine speed ne acquired in the previous S102 is read, and in the subsequent S232, it is checked whether the value of the flag F2 indicating whether the engine stall prevention process is being executed is F2 = 0. The flag F2 is a flag indicating that F2 = 1 and the engine stall prevention process is being executed. The flag F2 is set to F2 = 0 as an initial setting. At this time, “Yes” is determined, and the process proceeds to S234.
[0060]
In S234, the change rate (differential value) dn of the engine speed ne is calculated, and in the subsequent S236, it is determined whether the obtained change rate dne is negative, that is, whether the engine speed ne is decreasing. If the engine speed ne is constant or tends to increase (“No” in S236), it is determined that there is no tendency for engine stall, and the process proceeds to S238, where the brake hydraulic pressure control request already set in the previous S120 is requested. And the routine is terminated.
[0061]
On the other hand, if the engine speed ne is decreasing (“Yes” in S236), the process proceeds to S240, assuming that the absolute value of the change rate dne obtained in S234 is a sudden deceleration state of the engine speed ne. It is determined whether or not the threshold value S1 (S1> 0) set as a relatively large value.
[0062]
If “Yes” in S240, that is, if the absolute value of the rate of change dne is larger than the threshold value S1, the process proceeds to S242, where the threshold value neth of the engine speed ne, which is the starting condition for the engine stall prevention process, is set. A relatively high rotational speed ne1 (for example, about 1300 rpm) is set.
[0063]
In contrast, if “No” in S240, that is, if the absolute value of the change rate dn is equal to or smaller than the threshold value S1, the process proceeds to S244, where the absolute value of the change rate dn is greater than the threshold value S2 (S1> S2> 0). Determine if it is large. This threshold value S2 is a value defined assuming an intermediate deceleration state of the engine speed ne.
[0064]
If “Yes” in S244, that is, if the absolute value of the rate of change dne is larger than the threshold value S2, the process proceeds to S246, where the threshold value neth of the engine speed ne, which is the starting condition for the engine stall prevention process, is set. The rotation speed ne2 (for example, about 1100 rpm) lower than the rotation speed ne1 is set.
[0065]
On the other hand, if “No” in S244, that is, if the absolute value of the rate of change dn is equal to or smaller than the threshold value S2, the engine speed is gradually decreasing. In this case, the process proceeds to S248. The threshold value neth of the engine speed ne, which is a starting condition for the engine stall prevention process, is set to a speed ne3 (for example, about 900 rpm) lower than the speed ne2.
[0066]
After such processing of S242, S246, or S248, the process proceeds to S250, where it is determined whether the engine speed ne read in S230 is smaller than the threshold value neth set in S242, S246, or S248. .
[0067]
As a result, if the engine speed ne is equal to or greater than the threshold value neth (“No” in S250), it is determined that the engine speed has not decreased as the engine stall prevention process is started, and the process proceeds to S238. Then, the control request of the brake hydraulic pressure already set in the previous S120 is maintained as it is, and this routine is finished.
[0068]
On the other hand, if the engine speed ne is smaller than the threshold value neth (“Yes” in S250), the process proceeds to S252 where the value of the flag F2 is set to F2 = 1, and the engine stall prevention process is being executed. Show that there is.
[0069]
In step S254, an engine stall prevention process is executed. As an example of this process, for example, if the control request in S120 is a pressure reduction request or a hold request, the control request set in S120 is maintained as it is, and if the control request is set on the pressure increasing side, the control request When the pressure is suddenly increased, the request is changed to a normal pressure increase. When the control request is a normal pressure increase, the request is changed to a slow pressure increase. By such a pressure increase suppression process, the control hydraulic pressure is changed in a direction in which the engine stall tendency is suppressed compared to the control request set in S120.
[0070]
In the routine after the next time, the engine stall prevention process is started and the value of the flag F2 is set to F2 = 1. Therefore, “No” is determined in S232, and the process proceeds to S256.
[0071]
In S256, it is determined whether or not the engine speed ne has increased more than the speed obtained by adding a predetermined value α to the threshold value neth set when the engine stall prevention process is started. As a result, in the case of “No”, the process proceeds to S254, and the engine stall prevention process is continuously performed. In the case of “Yes”, it is considered that the engine rotation has sufficiently recovered from the stop tendency, and S258. Then, the value of the flag F2 is reset to F2 = 0, and the engine stall prevention process is terminated.
[0072]
Still another embodiment will be described.
[0073]
As traction control for suppressing the acceleration slip tendency, the
[0074]
Hereinafter, it demonstrates along the flowchart of FIG.
[0075]
This flowchart is started by turning on the ignition switch. In the flowchart of FIG. 11, control processing is shown for one of the left and right rear wheels (wheels RL, RR) serving as driving wheels, and the same processing is executed for the other driving wheel. The
[0076]
First, the process proceeds to S302, and the detection result of each sensor shown in FIG. 3 is read. In the subsequent S304, the wheel speed of the read driving wheel is set as Vr and the left and right front wheels (wheels FL, FR) that are driven wheels are set. ) Is calculated, and the calculation result is set as the estimated vehicle body speed Vf.
[0077]
In the subsequent S306, it is determined whether or not a permission condition for permitting the execution of the throttle control is satisfied, as in S106 of FIG. 4 described above. If it is determined that the permission condition is not satisfied in S306 (“No” in S306), this routine is terminated as it is. If it is determined “Yes” in S306, the process proceeds to the next S308. move on.
[0078]
In S308, a reference value Vts for determining whether to start throttle control is set. Here, Vts = Vf / (1−S) is set using the estimated vehicle body speed Vf set in S304 and the target slip ratio S of the wheel defined in advance.
[0079]
In subsequent S310, it is checked whether or not the value of the flag F3 indicating whether or not the throttle control is being executed is F = 0. This flag F3 is a flag indicating that the throttle control is being executed when F3 = 1, and is set to F3 = 0 as an initial setting. At this time, F3 = 0 is set. After the determination, the process proceeds to S312.
[0080]
In S312, it is determined whether the wheel speed Vr of the drive wheel is larger (Vr> Vts + K3) than a value obtained by adding the start determination constant K3 (K3> 0) to the reference value Vts. As a result, if it is determined as “No”, the difference between the wheel speed Vr of the drive wheel and the reference value Vts has not increased to the start determination constant K3 or more. The routine is terminated when it is determined that the start condition is not satisfied.
[0081]
On the other hand, if “Yes” is determined in S312, the process proceeds to S314, in which the value of the flag F3 is set to F3 = 1 to indicate that the throttle control is started.
[0082]
In subsequent S316, the opening degree of the
[0083]
Then, it progresses to S322 and set target opening degree (theta)TIs output to the
[0084]
In the next routine, S302 to S310 are executed in the same manner. At this time, since the value of the flag F3 is set to F3 = 1, it is determined as “No” in S310, and the process proceeds to S328.
[0085]
In S328, it is determined whether or not the wheel speed Vr of the drive wheel is smaller than a value obtained by subtracting the end determination constant K4 (K4> 0) from the reference value Vts (Vr <Vts−K4). If the determination is “No”, it is determined that the wheel speed Vr of the driving wheel is not sufficiently suppressed, the engine output should be continuously suppressed, and the process proceeds to S316 again.
[0086]
In the second and subsequent routines after the throttle control is started, “No” is determined in S316, and the process proceeds to S318. At the start of the throttle control (processing via S328), the
[0087]
Δθ = A · {(Vts−Vr) / Δt} + B · (Vts−Vr) + C (1) In the subsequent S400, a correction value β for the feedback amount Δθ is set to suppress the engine stall tendency. This S400 corresponds to the engine stall prevention process shown in S200 of FIG.
[0088]
Here, the setting process of the correction value β in S400 is shown in the flowchart of FIG.
[0089]
First, the process proceeds to S402, where the engine speed ne acquired in the previous S302 is read, and the process proceeds to S403, where the change rate (differential value) dne of the engine speed ne is calculated. In step S404, a value obtained by adding the rate of change dne × time coefficient t (for example, t = 1 sec) to the engine speed ne is used to determine the determination value NE that represents the state of the engine rotation as in the above-described embodiment. Set as.
[0090]
In subsequent S406, it is determined whether the determination value NE set in S404 is smaller than a predetermined value NE4 (for example, about 1200). If the determination in S406 is “No”, it is determined that the engine does not tend to stall, the process proceeds to S408, the correction value β is set to β = 0, and this routine is terminated.
[0091]
On the other hand, if “Yes” is determined in S406, the process proceeds to S410, and it is determined whether the determination value NE set in S204 is larger than a predetermined value NE5 (for example, about 1000) smaller than NE4. Here, in the case of “Yes”, the determination value NE is a value within a range of NE4> NE> NE5, and it is determined that the engine stall tendency is low but the engine stall tendency is being shifted. . In this case, the process proceeds to S412, and the correction value β is set to β1 (β1> 0) as a relatively small value.
[0092]
On the other hand, if “No” is determined in the previous S410, that is, if the determination value NE set in S404 is equal to or less than the predetermined value NE5, the process proceeds to S414, and the predetermined value NE6 (for example, 800, which is smaller than NE5) Degree) is greater than In the case of “Yes”, the determination value NE is a value within the range of NE5 ≧ NE> NE6, and it is determined that the engine rotation has a moderate stop tendency, and the process proceeds to S416, where the correction value β is set. , Β2 having a value larger than β1 (β = β2> β1), and this routine is terminated.
[0093]
If “No” is determined in S414, it is determined that the engine rotation stop tendency is large, and the process proceeds to S418, in which the correction value β is set to β3 having a value larger than β2 (β = Β3> β2> β1), and this routine is terminated.
[0094]
By setting the correction value β in this way, the correction value β is set to a larger value as the engine stall tendency determined based on the determination value NE is larger.
[0095]
Returning to the flowchart of FIG. 11, after setting the correction value β in S400 in this way, the process proceeds to S320, and the target opening θ of the
[0096]
θT= Θ (n−1) + Δθ · Δt + β (2)
From equation (2), the correction value β is a correction value for further increasing the feedback amount Δθ that is set to return the opening of the
[0097]
Thereafter, the process proceeds to S322, and the target opening θ set in S320.TIs output to the
[0098]
In the next and subsequent routines, the processing steps from S302 to S328 are executed, and when the wheel speed Vr of the driving wheel is smaller than the value obtained by subtracting the end determination constant K4 from the reference value Vts in the determination in S328. ("Yes" in S328), it can be determined that the wheel speed Vr of the drive wheel is sufficiently suppressed. Therefore, the process proceeds to S330 and a predetermined end process for ending the throttle control is started. This process is a process of gradually changing the opening degree of the
[0099]
Thereafter, the process proceeds to S332, the value of the flag F3 is reset to F3 = 0, and this routine is terminated.
[0100]
By repeatedly performing such processing, the feedback amount Δθ is corrected to become a larger value as the engine stall tendency increases due to the action of the correction value β set in S400. As a result, the target opening θ of the
[0101]
In the flowchart of FIG. 12 described above, the correction value β is set according to the determination value NE as a value obtained by adding (change rate dne × time coefficient t) to the engine speed ne, but the correction value β is not set. In addition, the value of the coefficient “γ” may be variably set according to the determination value NE or the engine speed change rate dne. In this case, the following formula (3) is adopted instead of the formula (2) used in S320.
[0102]
θT= Θ (n−1) + Δθ · Δt · γ (3)
The value of the coefficient “γ” is set to a larger value as the determination value NE is smaller, for example. As a result, the larger the engine stall tendency, the more the feedback amount Δθ is corrected so as to become a larger value. Therefore, the
[0103]
Further, as shown in FIG. 13, for example, the value of this coefficient γ is set according to the value of the engine speed change rate dne, so that the engine speed ne decreases in the region where the change rate dne is negative. The more rapid, the more the feedback amount Δθ increases, so that the
[0104]
Further, as shown in FIG. 14, the coefficient γ may be set to a larger value in the positive region than in the negative region, so that the engine speed ne starts to increase. If this happens, the engine stall prevention process can be immediately terminated.
[0105]
Further, as shown in FIG. 15, the value of the coefficient γ can be set according to the magnitude of the engine speed ne. In the example of FIG. 15, the coefficient γ is set to a larger value as the engine speed ne is lower. Therefore, in the region where the engine speed ne is low, the feedback amount Δθ is further increased, and as a result, the
[0106]
Further, the process of reducing the tendency of suppressing the engine output can be performed in steps other than S400 and S320 in FIG. For example, in a region where the determination value NE is smaller, the target slip ratio S in S308 or the start determination constant K3 in S312 is set to a larger value, so that the start timing of throttle control that suppresses engine output can be delayed. Thereby, suppression of engine output can be reduced.
[0107]
Further, after the throttle control is started, for example, in a region where the determination value NE is smaller, the target slip ratio S in S308 is larger, the value of the end determination constant K4 in S328 is smaller, or the gain coefficient A in the equation (1) By setting the values of B, C to large (S318), the traction control can be terminated earlier, and the suppression of engine output can be reduced.
[0108]
In addition to this, for example, as the determination value NE is smaller, the target opening θ of the
[0109]
In each of the embodiments described above, traction control for a two-wheel drive vehicle has been described. However, the traction control is not limited to a two-wheel drive vehicle, and can be similarly performed for a four-wheel drive vehicle.
[0110]
【The invention's effect】
As described above, according to the traction control device for a vehicle according to each claim, in addition to the engine rotational speed detected by the rotational speed detecting means, the change state of the engine rotational speed is taken into consideration and the traction control means A configuration including limiting means for limiting the suppression process was adopted.
[0111]
Thereby, when the decrease tendency of the engine speed is large, the restriction on the traction control means is made stronger or the restriction is started at a higher stage of the engine speed than when the decrease tendency is small. Therefore, even when the traction control is executed, the acceleration slip tendency can be effectively suppressed while reliably preventing the engine stall.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram schematically showing a two-wheel drive vehicle equipped with a traction control device according to an embodiment.
FIG. 2 is a system configuration diagram schematically showing a hydraulic control system for operating a braking device.
FIG. 3 is a block diagram showing the overall configuration of the traction control device.
FIG. 4 is a flowchart showing brake control as traction control.
FIG. 5 is a setting chart that defines a brake hydraulic pressure control request according to a slip amount ΔV and a change state of a wheel speed.
6 is a flowchart showing an engine stall prevention process executed in S200 of FIG.
FIG. 7 is a graph defining the relationship between the rate of change dne of the engine speed ne and the time coefficient t.
FIG. 8 is a graph defining the relationship between the rate of change dne of the engine speed ne and the time coefficient t.
FIG. 9 is a graph defining the relationship between the engine speed ne and the time coefficient t.
FIG. 10 is a flowchart showing another embodiment of the engine stall prevention process performed in S200 of FIG.
FIG. 11 is a flowchart showing a case where engine stall prevention processing is applied to throttle control as traction control.
12 is a flowchart showing correction value β setting processing in S400 of FIG.
FIG. 13 is a graph defining the relationship between the rate of change dne of the engine speed ne and the coefficient γ.
FIG. 14 is a graph defining the relationship between the rate of change dne of the engine speed ne and the coefficient γ.
FIG. 15 is a graph defining the relationship between the engine speed ne and the coefficient γ.
[Explanation of symbols]
7 ... Throttle valve, 10 ... Brake device, 20 ... Brake pedal
26 ... Wheel cylinder, 30 ... Accelerator pedal, 100 ... Control device
300 ... Brake actuator
Claims (7)
駆動輪の加速スリップ状態を検知する検知手段と、
エンジンの回転数を検知する回転数検知手段と、
前記検知手段で検知される加速スリップ状態が所定状態を超えた場合に、加速スリップ状態の抑制処理を実行するトラクション制御手段と、
前記回転数検知手段で検知されるエンジン回転数に当該エンジン回転数の変化率と時間係数との乗算値を加算した判定値を算出し、判定値が小さい場合には判定値が大きい場合より前記トラクション制御手段による抑制の度合いを低減する制限手段とを備える車両用トラクション制御装置。A vehicle traction control device that suppresses acceleration slip of a drive wheel,
Detecting means for detecting the acceleration slip state of the drive wheel;
A rotational speed detection means for detecting the rotational speed of the engine;
Traction control means for executing acceleration slip state suppression processing when the acceleration slip state detected by the detection means exceeds a predetermined state;
A determination value obtained by adding a multiplication value of a change rate of the engine rotation speed and a time coefficient to the engine rotation speed detected by the rotation speed detection means is calculated. A traction control device for a vehicle, comprising: restriction means for reducing the degree of suppression by the traction control means.
駆動輪の回転を制動する制動力を、運転者のブレーキ操作とは別に発生するブレーキアクチュエータと、
前記ブレーキアクチュエータの動作制御を行い、このブレーキアクチュエータで発生させる制動力を、前記駆動輪の加速スリップ状態に応じて制御する制御手段とを備え、
前記制限手段は、
前記判定値が小の場合には、前記判定値が大の場合に前記ブレーキアクチュエータで発生する制動力に比べ、より小さな制動力となるように、前記制御手段の制御処理を変更する請求項1〜請求項4のいずれか 1 項に記載の車両用トラクション制御装置。The traction control means includes
A brake actuator that generates a braking force for braking the rotation of the drive wheel separately from the driver's brake operation;
Control means for controlling the operation of the brake actuator and controlling the braking force generated by the brake actuator in accordance with the acceleration slip state of the drive wheel,
The limiting means is
Wherein when the determination value is small as compared to the braking force which the judgment value is generated by the brake actuator when the large, so that a smaller braking force, according to claim 1 for changing the control process of the control means the vehicle traction control apparatus according to any one of-claims 4.
エンジンに導入される吸入空気量を調節する絞り弁を、所定の開度に変位駆動するアクチュエータと、
前記駆動輪の加速スリップ状態に応じて、前記アクチュエータの動作制御を実施する制御手段とを備え、
前記制限手段は、
前記判定値が小の場合には、前記判定値が大の場合に前記制御手段によって制御される前記絞り弁の開度に比べて、より開側位置となるように、前記制御手段によるアクチュエータの制御処理を変更する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用トラクション制御装置。The traction control means includes
An actuator that drives a throttle valve that adjusts the amount of intake air introduced into the engine to a predetermined opening;
Control means for performing operation control of the actuator according to the acceleration slip state of the drive wheel,
The limiting means is
When the determination value is small, the actuator by the control means is more open so that the opening of the throttle valve is controlled by the control means when the determination value is large . The traction control apparatus for a vehicle according to any one of claims 1 to 4, wherein the control process is changed.
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