JP3719018B2 - アンダーフィル材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機溶媒に可溶なアンダーフィル用ポリイミド樹脂、該樹脂を含有するアンダーフィル材及び該アンダーフィル材により形成された硬化膜に関するもので、特に、半導体チップを搭載した回路基板がポリイミド基板である場合におけるアンダーフィル工程に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
携帯電話やモバイルなどの電子機器は軽量小型化が要求されており、従来のピングリッドアレイなどの実装方式から裸の半導体を直に回路基板に実装する方式が開発されている。斯る方式の内、フェイスダウン方式による半導体のベアーチップ実装においては、ベアーチップと基板との間に空隙が生じ、その空隙を非導電性材料で充填する必要がある。この非導電性材料は、アンダーフィル材(封止材)と呼ばれ、エポキシ系のアンダーフィル材が開発されている。
【0003】
しかし、回路の狭ピッチ化に伴い、回路基板とエポキシ系アンダーフィル材との密着性及び該アンダーフィル材の硬化後のクラック発生が問題となっている。特に、回路基板がポリイミド基板の場合には、上記エポキシ系アンダーフィル材はポリイミドフィルムとの濡れ性が悪いため、半導体チップとポリイミド基板との間の狭い空隙に、上記エポキシ系アンダーフィル材を気泡を発生させることなく充分に充填することが難しく、また硬化後にクラックが発生し絶縁膜として機能しないため、新たなアンダーフィル材の開発が求められていた。
【0004】
従って、本発明の目的は、ポリイミドフィルムとの濡れ性が良好で半導体チップとポリイミド基板との狭い間隙に容易に充填でき、ポリイミド基板及び半導体チップとの密着性も良好で且つ硬化後にクラックが発生せず、しかも得られた硬化膜が優れた電気的特性と半田耐熱性を併有し、バンプ間の金属のマイグレーションの発生を防止できると共に半導体接点を補強し得る、アンダーフィル材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アンダーフィル材のバインダー樹脂について種々検討した結果、特定のポリイミドシロキサン成分を特定量含有するポリイミド樹脂を用いることにより、上記目的を達成するアンダーフィル材が得られることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、下記成分(a)、(b)及び(c)を含有し、25℃の溶液粘度が500センチポイズ以下であるアンダーフィル材を提供するものである。
(a)下記〔化4〕の一般式(1)で示されるポリイミドシロキサン成分50〜80モル%、下記〔化5〕の一般式(2)で示されるポリイミド成分10〜30モル%及び下記〔化6〕の一般式(3)で示されるポリイミド成分残部(各成分の合計100モル%)からなり、酸/アミン(当量比)が1.05〜2であるアンダーフィル用ポリイミド樹脂100重量部
(b)エポキシ樹脂2〜30重量部
(c)高沸点溶媒50〜140重量部
【0006】
【化4】
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0010】
また、本発明は、ポリイミド基板と該基板上に搭載された半導体チップとの間の空隙に、上記の本発明のアンダーフィル材を充填した後、加熱乾燥して硬化させることにより形成されてなる上記アンダーフィル材の硬化膜を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のアンダーフィル用ポリイミド樹脂、該樹脂を含有するアンダーフィル材及び該アンダーフィル材により形成された硬化膜について詳述する。
【0012】
先ず、本発明のアンダーフィル用ポリイミド樹脂について説明する。
本発明のアンダーフィル用ポリイミド樹脂は、芳香族テトラカルボン酸成分と、下記〔化7〕の一般式(4)で示されるジアミノポリシロキサン、下記〔化8〕の一般式(5)で示されるジアミン化合物及び必要に応じてその他のジアミン化合物〔H2 N−R6 −NH2 (R6 は一般式(3)の場合と同じ)〕からなるジアミン成分とを有機溶媒中で、熱イミド化あるいは化学イミド化することによって得ることができる。
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】
上記芳香族テトラカルボン酸成分としては、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ベンゼンジカルボン酸)ヘキサフルオロプロパン、ピロメリット酸、1,4−ビス(3,4−ベンゼンジカルボン酸)ベンゼン、2,2−ビス〔4−(3,4−フェノキシジカルボン酸)フェニル〕プロパン、又はそれらの無水物や低級アルコールのエステル化物が挙げられる。
これらのなかでも特に、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、及びこれらの酸の二無水物が、上記アンダーフィル用ポリイミド樹脂の有機溶媒に対する溶解性が優れているので好適である。
【0016】
上記一般式(4)で示されるジアミノポリシロキサンとしては、式中のR2 が2価の炭化水素基、好ましくは炭素数2〜6のアルキレン基、より好ましくは炭素数3〜5のアルキレン基、又はフェニレン基であり、R3 が独立に炭素数1〜3のメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基又はフェニル基であり、n1が3〜50、好ましくは3〜20であるものが挙げられる。
上記のn1の数が小さいとカール性が高くなる傾向にあり、n1の数があまり大きすぎたりすると耐溶剤性が低くなったり、芳香族テトラカルボン酸成分との反応性が低下したり、得られるポリイミド樹脂の分子量が低くなったり、有機溶媒に対する溶解性が低くなったり、他の有機化合物との相溶性が悪くなるので上記程度のものが適当である。
【0017】
上記一般式(4)で示されるジアミノポリシロキサンの具体的化合物の例としては、α,ω−ビス(2−アミノエチル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノフェニル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサン、α,ω−ビス(4−アミノブチル)ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。
【0018】
上記一般式(5)で示されるジアミン化合物は、分子中にエポキシ樹脂との反応性を有する基(水酸基又はカルボキシル基)を有する芳香族ジアミンである。上記一般式(5)で示されるジアミン化合物で水酸基を有する化合物としては、2,4−ジアミノフェノールなどのジアミノフェノール化合物類、3,3’−ジアミノ,4,4’−ジハイドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ,3,3’−ジハイドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ,2,2’−ジハイドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ,2,2’,5,5’−テトラハイドロキシビフェニルなどのヒドロキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ,4,4’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ,3,3’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ,2,2’−ジハイドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス〔3−アミノ,4−ハイドロキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−アミノ,3−ハイドロキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−アミノ,4−ハイドロキシフェニル〕ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ,2,2’,5,5’−テトラハイドロキシジフェニルメタンなどのヒドロキシジフェニルアルカン化合物類、3,3’−ジアミノ,4,4’−ジハイドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ,3,3’−ジハイドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ,2,2’−ジハイドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ,2,2’,5,5’−テトラハイドロキシジフェニルエーテルなどのヒドロキシジフェニルエーテル化合物類、3,3’−ジアミノ,4,4’−ジハイドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ,3,3’−ジハイドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ,2,2’−ジハイドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ,2,2’,5,5’−テトラハイドロキシジフェニルスルホンなどのヒドロキシジフェニルスルホン化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ,3−ハイドロキシフェノキシ)フェニル〕プロパンなどのビス(ハイドロキシフェニキシフェニル)アルカン化合物類、4,4’−ビス(4−アミノ,3−ハイドロキシフェノキシ)ビフェニルなどのビス(ハイドロキシフェノキシ)ビフェニル化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ,3−ハイドロキシフェノキシ)フェニル〕スルホンなどのビス(ハイドロキシフェノキシフェニル)スルホン化合物類などの水酸基を有するジアミン化合物を挙げることができる。
【0019】
また、上記一般式(5)で示されるジアミン化合物でカルボキシル基を有する化合物としては、3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノ安息香酸などのベンゼンカルボン酸類、3,3’−ジアミノ,4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ,3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ,2,2’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ,2,2’,5,5’−テトラカルボキシビフェニルなどのカルボキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ,4,4’−ジカルボキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ,3,3’−ジカルボキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ,2,2’−ジカルボキシジフェニルメタン、2,2−ビス〔3−アミノ,4−カルボキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−アミノ,3−カルボキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3−アミノ,4−カルボキシフェニル〕ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ,2,2’,5,5’−テトラカルボキシビフェニルなどのカルボキシジフェニルアルカン化合物類、3,3’−ジアミノ,4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ,3,3’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ,2,2’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−アジミノ,2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルエーテルなどのカルボキシジフェニルエーテル化合物類、3,3’−ジアミノ,4,4’−ジカルボキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ,3,3’−ジカルボキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ,2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルスルホンなどのカルボキシジフェニルスルホン化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ,3−カルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパンなどのビス(カルボキシフェノキシフェニル)アルカン化合物類、4,4’−ビス(4−アミノ,3−カルボキシフェノキシ)ビフェニルなどのビス(カルボキシフェノキシ)ビフェニル化合物類、2,2−ビス〔4−(4−アミノ,3−カルボキシフェノキシ)フェニル〕スルホンなどのビス(カルボキシフェノキシフェニル)スルホン化合物類などのカルボキシル基を有するジアミン化合物を挙げることができる。
【0020】
上記のその他のジアミン化合物(H2 N−R6 −NH2 )としては、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノ,2,5−ジハロゲノベンゼンなどのベンゼン1個を含むジアミン類、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、ビス(3−アミノフェニル)エーテル、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(3−アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、o−ジアニシジン、o−トリジン、トリジンスルホン酸類などのベンゼン2個を含むジアミン類、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼンなどのベンゼン3個を含むジアミン類、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4’−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、5,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセンなどのベンゼン4個以上を含むジアミン類などのジアミン化合物が挙げられる。
ヘキサメチレンジアミン、ジアミノドデカンなどの脂肪族ジアミン化合物を上記ジアミン化合物と共に使用することができる。
【0021】
本発明のアンダーフィル用ポリイミド樹脂中の上記一般式(1)で示されるポリイミドシロキサン成分、上記一般式(2)で示されるポリイミド成分及び上記一般式(3)で示されるポリイミド成分の割合は、順に、50〜80モル%、10〜30モル%及び残部(通常、0〜40モル%)である(各成分の合計は100モル%である)。
また、本発明のアンダーフィル用ポリイミド樹脂は、酸/アミン(当量比)が1.05〜2である。この場合、本発明のアンダーフィル用ポリイミド樹脂の末端基が酸末端(酸または酸無水物末端)となり、エポキシ樹脂と組み合わせて使用する場合に貯蔵安定性が向上する。
【0022】
本発明のアンダーフィル用ポリイミド樹脂は、例えば次の方法などで得られる。
(1)芳香族テトラカルボン酸成分と、上記一般式(4)で示されるジアミノポリシロキサン、上記一般式(5)で示されるジアミン化合物及び必要に応じてその他のジアミン化合物からなるジアミン成分とを使用し、有機極性溶媒中で連続的に15〜250℃で重合及びイミド化させてポリイミド樹脂を得る方法。
【0023】
(2)ジアミン成分を分けて、先ず芳香族テトラカルボン酸成分の過剰量と上記一般式(4)で示されるジアミノポリシロキサンとを有機極性溶媒中で15〜250℃で重合、イミド化させて、平均重合度1〜10程度の末端に酸又は酸無水物基を有するイミドシロキサンオリゴマーを調製し、別に芳香族テトラカルボン酸成分と過剰量の上記一般式(5)で示されるジアミン化合物及び必要に応じてその他のジアミン化合物とを有機極性溶媒中で15〜250℃で重合、イミド化させて、平均重合度1〜10程度の末端にアミノ基を有するイミドオリゴマーを調製し、次いでこの両者を混合して15〜60℃で反応させて、さらに130〜250℃に昇温してブロックタイプのポリイミド樹脂を得る方法。
【0024】
(3)芳香族テトラカルボン酸成分と、上記一般式(4)で示されるジアミノポリシロキサン、上記一般式(5)で示されるジアミン化合物及び必要に応じてその他のジアミン化合物からなるジアミン成分とを使用し、有機極性溶媒中でまず20〜80℃で重合させて一度ポリアミック酸を得た後に、イミド化してポリイミド樹脂を得る方法。
【0025】
上記ポリイミド樹脂を得る際に使用される有機極性溶媒としては、含窒素系溶媒、例えばN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムなど;硫黄原子を含有する溶媒、例えばジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなど;フェノール系溶媒、例えばクレゾール、フェノール、キシレノールなど;ジグライム系溶媒、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラグライムなど;酸素原子を分子内に有する溶媒、例えばアセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジオキサン、テトラヒドロフランなど;その他ピリジン、テトラメチル尿素などを挙げることができる。
また必要に応じてベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒やソルベントナフサ、ベンゾニトリルなど他の有機溶媒を併用してもよい。
【0026】
本発明のアンダーフィル用ポリイミド樹脂は、上記(1)〜(3)の方法などいずれの方法で得られたものを使用してもよいが、イミド化率が高く、後述する高沸点溶媒に少なくとも40重量%以上、好ましくは45〜65重量%、特に50〜60重量%程度の高濃度で溶解させることができるもので、25℃の溶液粘度(E型回転粘度計)が10〜500センチポイズ、特に100〜400センチポイズであることが好ましい。
【0027】
次に、本発明のアンダーフィル材について説明する。
本発明のアンダーフィル材の成分(a)は、上述した本発明のアンダーフィル用ポリイミド樹脂である。
【0028】
また、本発明のアンダーフィル材の成分(b)のエポキシ樹脂(以下単にエポキシと略記することもある。)としては、エポキシ当量が100〜1000程度であって、分子量が300〜5000程度である液状又は固体状のエポキシ樹脂が好ましい。例えば、ビスフェノールA型やビスフェノールF型のエポキシ樹脂(油化シェル製:エピコート806、エピコート825など)、3官能以上のエポキシ樹脂(油化シェル製:エピコート152、エピコート154、エピコート180シリーズ、エピコート157シリーズ、エピコート1032シリーズ、チバガイギー製:MT0163など)などを挙げることができる。
【0029】
上記成分(b)のエポキシ樹脂の使用量は、成分(a)のポリイミド樹脂100重量部に対して、2〜30重量部、好ましくは10〜20重量部である。使用量が、余り多すぎたり、少なすぎると接着性が低下したり、硬化後に耐熱性、耐薬品性が悪くなるので上記範囲が好ましい。
エポキシ樹脂と共にヒドラジド類、イミダゾール類などのエポキシ樹脂の硬化を促進する添加成分を使用してもよい。
【0030】
また、本発明のアンダーフィル材の成分(c)の高沸点溶媒としては、成分(a)の本発明のアンダーフィル用ポリイミド樹脂を得る際に使用できる上述の有機極性溶媒を挙げることができるが、沸点140℃以上で210℃以下のものを使用することが好ましい。特に沸点180℃以上、特に200℃以上である有機溶媒(例えばメチルトリグライムなど)を使用すると、溶媒の蒸発による散逸が極めて減少するので最適である。
【0031】
上記成分(c)の高沸点溶媒の使用量は、成分(a)のポリイミド樹脂100重量部に対して、50〜140重量部、好ましくは55〜120重量部である。使用量が140重量部より多いと、乾燥後の膜にクラックが発生しやすく、また、50重量部より少ないと、粘度が上昇し空隙への充填速度が小さくなる。
【0032】
本発明のアンダーフィル材には、タルク、マイカ、硫酸バリウムなどの無機フィラーを添加することは好ましくないが、アエロジル(サブミクロン以下の微粉状シリカ)は添加してもよく、また、フタロシアニングリーンなどの顔料を添加することもできる。
上記アエロジルは、平均粒子径が0.007〜0.03μmのものが好ましく、その使用量は、成分(a)のポリイミド樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましい。
また、上記顔料は、平均粒子径が0.01〜0.10μmのものが好ましく、その使用量は、成分(a)のポリイミド樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましい。
この他、本発明のアンダーフィル材には、必要に応じて、少量のカーボンなどを着色用に添加することもできる。
【0033】
本発明のアンダーフィル材は、成分(a)のポリイミド樹脂、成分(b)のエポキシ樹脂及び必要に応じてアエロジルや顔料などの他の添加成分の所定量を成分(c)の高沸点溶媒に添加し、均一に撹拌・混合することによって容易に得ることができる。
また、本発明のアンダーフィル材は、成分(a)のポリイミド樹脂の重合溶液をそのまま又はその重合溶液を適当な有機溶媒で希釈した希釈溶液を使用して、この重合溶液又は希釈溶液に成分(b)のエポキシ樹脂及び必要に応じてアエロジルや顔料などの他の添加成分の所定量を添加し、均一に撹拌・混合することによっても容易に得ることができる。
【0034】
本発明のアンダーフィル材は、25℃の溶液粘度が500センチポイズ以下、好ましくは100〜400センチポイズであることが作業性や溶液物性、その硬化膜特性上などから適当である。
【0035】
本発明のアンダーフィル材は、例えば、図1及び図2に示すように、銅回路2が形成されたポリイミド基板1と該基板1上に搭載された半導体チップ3との間の空隙及び隣接するバンプ4,4間の空隙に充填し、加熱乾燥して溶媒を除去すると共に硬化させることにより、上記空隙にアンダーフィル材の硬化膜5を形成することができる。尚、図1において、リード線である銅回路2は、約80本のものが図示されているが、通常は約400本または約400本以上であり、ピッチは80μm、または80μm以下である。このアンダーフィル材の硬化膜5を形成した後、銅回路の表面をカバーレイ(例えば、デュポン社製「パイララックス」、三井化学社製「ネオフレックス」など)を適用して保護する。
上記空隙へのアンダーフィル材の充填方法としては、空隙にアンダーフィル材を滴下する方法などが挙げられ、また、アンダーフィル材の充填速度は、0.5cm/1分以上、特に1cm/1分以上が好ましい。。
また、上記加熱乾燥は、例えば、50〜100℃程度の温度で30〜120分間程度加熱し次いで100〜130℃程度の温度で30〜120分間程度加熱し最後に120〜180℃程度の温度で30〜120分間程度加熱するなど、多段階の加熱乾燥が好ましい。
【0036】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例で使用した化合物をその略号と共に以下に示す。
a−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
DAPSi:α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン
MBAA:ビス(3−カルボキシ,4−アミノフェニル)メタン
BAPP:2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン
【0037】
また、物性の評価は次のようにして行った。
粘度;E型粘度計(東京計器社製)、25℃、1.34°コーン使用し測定
クラックス;バンプ間200ヶ所を顕微鏡により観察し、クラックが発生した数。
充填速度;10μm空隙のガラス板間に充填される時間を測定。
【0038】
実施例1
a−BPDA(1.40モル)、MBAA(0.25モル)及びDAPSi(0.75モル)をトリグライム溶媒中で温度160℃で6時間加熱撹拌してポリイミド溶液を得た。このポリイミド溶液は、ポリマー固形分濃度56.5重量%、溶液粘度(25℃)250センチポイズの溶液であった。また、イミド化率は100%であった。
上記ポリイミド溶液100重量部にエピコート1032H60(油化シェル製のエポキシ樹脂)(15重量部)及び硬化触媒2E4MZ(四国化成社製)(0.3重量部)を加えてアンダーフィル材を得た。このアンダーフィル材の溶液粘度(25℃)は350センチポイズ、充填速度1cm/分であった。
上記アンダーフィル材を、銅回路が形成されたポリイミド基板と該基板上に搭載された半導体チップとの間の空隙に滴下した。アンダーフィル材は、基板とチップとの間の空隙に、気泡を発生することなく容易に侵入し、充填することができた。これを90℃×90分+100℃×30分+160℃×60分の3段階で加熱乾燥し、アンダーフィル材の溶媒を除去すると共に硬化させて、硬化膜を得た。この硬化膜にはクラックの発生が認められなかった(クラックの発生数0個)。尚、クラックの発生数は、顕微鏡観察下、インナーリード間に認められるクラックの数である。
【0039】
比較例1
MBAA(0.25モル)及びDAPSi(0.75モル)の代わりにMBAA(0.10モル)及びDAPSi(0.90モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして硬化膜を得た。アンダーフィル材の溶液粘度(25℃)は300センチポイズであった。得られた硬化膜はバンプ間にクラックが認められた(クラックの発生数10個)。
【0040】
実施例2
エピコート1032H60(15重量部)の代わりにエピコート1032H60(25重量部)を用いた以外は、実施例1と同様にしてアンダーフィル材を得た。このアンダーフィル材の溶液粘度は(25℃)400センチポイズであった。
上記アンダーフィル材を用いて実施例1と同様にして硬化膜を得た。得られた硬化膜にはクラックの発生が認められなかった(クラックの発生数0個)。
【0041】
実施例3
a−BPDA(1.40モル)、DAPSi(0.60モル)、BAPP(0.30モル)及びMBAA(0.10モル)をトリグライム溶媒中で温度160℃で6時間加熱撹拌してポリイミド溶液を得た。このポリイミド溶液は、ポリマー固形分濃度53.4重量%、溶液粘度(25℃)250センチポイズの溶液であった。また、イミド化率は100%であった。
上記ポリイミド溶液100重量部にエピコート1032H60(15重量部)及び硬化触媒2E4MZ(0.3重量部)を加えてアンダーフィル材を得た。このアンダーフィル材の溶液粘度は(25℃)350センチポイズであった。
上記アンダーフィル材を、銅回路が形成されたポリイミド基板と該基板上に搭載された半導体チップとの間の空隙に滴下した。アンダーフィル材は、基板とチップとの間の空隙に、気泡を発生することなく容易に侵入し、充填することができた。これを80℃×30分+90℃×45分+100℃×45分+160℃×60分の4段階で加熱乾燥し、アンダーフィル材の溶媒を除去すると共に硬化させて、硬化膜を得た。この硬化膜にはクラックの発生が認められなかった(クラックの発生数0個)。
【0042】
実施例4
アンダーフィル材の加熱乾燥を90℃×90分+160℃×90分の2段階で加熱乾燥した以外は、実施例3と同様にして硬化膜を得た。得られた硬化膜にはクラックの発生が認められなかった(クラックの発生数0個)。
【0043】
【発明の効果】
本発明のアンダーフィル用ポリイミド樹脂は、有機溶媒に可溶であり、特に、半導体チップを搭載した回路基板がポリイミド基板である場合におけるアンダーフィル工程に適用して好適なものである。
また、本発明のアンダーフィル材は、ポリイミドフィルムとの濡れ性が良好で半導体チップとポリイミド基板との狭い間隙に容易に充填でき、ポリイミド基板及び半導体チップとの密着性も良好で且つ硬化後にクラックが発生せず、しかも得られた硬化膜が優れた電気的特性と半田耐熱性を併有し、バンプ間の金属のマイグレーションの発生を防止できると共に半導体接点を補強し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ポリイミド基板と半導体チップとの間の空隙に本発明のアンダーフィル材の硬化膜を形成した状態の一例を示す一部拡大平面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 ポリイミド基板
2 銅回路
3 半導体チップ
4 バンプ
5 アンダーフィル材の硬化膜
Claims (2)
- ポリイミド基板と該基板上に搭載された半導体チップとの間の空隙に、請求項1記載のアンダーフィル材を充填した後、加熱乾燥して硬化させることにより形成されてなる上記アンダーフィル材の硬化膜。
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