JP3718765B2 - プラント診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラント診断装置に係り、特に複数のプラントから得られる観測値を用いて、プラントの現在の状態を診断するとともに、将来の状態も予測するプラント診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラントから得られる各観測値は相関関係が複雑であるため、各観測値の波形から変動要因を特定することは難しい。
【0003】
そこで、従来では、各観測値に対して、特徴を抽出できるような処理を施した後、診断や予測をすることが提案されている。例えば、特開平8−221117号公報には、自己相似性の高い信号を抽出するためにフラクタル次元を用いる方法や、信号の歪度を計算し、その絶対値が0に近い場合には、正規分布に近いため複雑度を低くし、逆に歪度の絶対値が0に近くない場合には、正規分布から外れるため複雑度を高くし、信号のゆらぎ成分を抽出する方法が示されている。
【0004】
また、特開平8−304125号公報には、信号を周波数解析し、正常時の周波数解析結果と比較することで、異常を検知する方法が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、観測値の変動をゆらぎと捉え、このゆらぎを検知することで異常を検出するようにしており、ゆらぎが生じた要因まで特徴付けられるような方法は考慮されていない。
【0006】
プラントから得られる各観測値の相関関係は複雑であるため、変動要因までも考慮した過去データとの比較は困難である。例えば、原子力発電プラントの水質管理を行う上で、放射線量に直接影響を及ぼすCoイオン濃度を監視することは非常に重要であるが、上記従来技術では、Coイオン濃度が変動した事は検知できるが、どのような要因からCoイオン濃度が変動したのかは判らない。このような問題は、保全の観点から非常に重要な課題である。
【0007】
本発明の目的は、プラントの観測値が変動した場合、その変動要因を考慮した幅広い診断を行うことのできるプラント診断装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、複数のプラントの状態を測定するとともに、その測定信号を用いて各プラントの状態を診断するプラント診断装置において、測定信号を取り込んで測定信号を独立な信号に分解する信号解析装置と、信号解析装置から出力された独立な信号や関連する情報を自プラント及び他プラント毎に保存するとともに、プラント異常時の原因データを保存するデータベースと、信号解析装置から出力された独立な信号とデータベースに保存された独立な信号とを比較する比較装置と、その比較結果に基づいてプラントの状態を診断する診断装置と、その診断結果を表示する診断結果表示装置と、比較装置での比較結果に基づいて、信号解析装置から出力された独立な信号に類似する他プラントの独立な信号をデータベースから取り込んで、他プラントの独立な信号を自プラントの独立な信号に変換する変換装置と、信号解析装置から出力された自プラントの独立な信号と変換装置により変換された独立な信号とが入力され、切換操作によって、前記入力された2種類の独立な信号のどちらか一方を選択する切換装置と、選択された独立な信号を取り込んで、自プラントの挙動を予測したプラントモデルを出力する予測手段と、予測手段の出力結果を表示する予測結果表示装置とを備えたことを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、プラントの測定信号を独立な信号に分解し、その分解した独立な信号とデータベースに保存された独立な信号とを比較することにより、変動があった信号の変動要因を考慮して他プラントのデータを自プラントのデータに変換することができ、診断の幅を広げることができる。また、比較装置と変換装置によって、自プラントの予測や他プラントで発生した異常を自プラントで模擬することもできる。
【0010】
信号解析装置は、独立成分解析を用いて測定信号を独立な信号に分解する。
データベースには、プラント正常時のデータとして、信号解析装置から出力された独立な信号と計算中に用いた変数及び平均値と分散値が、プラント異常時のデータとして、信号解析装置から出力された独立な信号と計算中に用いた変数が、プラント異常時の原因データとして、事故原因、事故の内容や対応策が、それぞれ最低限保存されている。
【0011】
比較装置は、信号解析装置から出力された独立な信号を統計的に処理するとともに、自プラントの独立な信号とデータベースから取り込んだ他プラントの独立な信号との類似度を判定する。
【0012】
比較装置での比較結果を表示する比較結果表示装置が設けられ、比較結果表示装置には、自プラントの独立な信号に対応する他プラントの独立な信号と、その他プラントの類似度とが表示される。
【0013】
比較結果表示装置、診断結果表示装置および予測結果表示装置は、それぞれ独立した表示装置、同一の表示装置、または2つの表示装置がそれぞれ組み合わされた表示装置によって構成されている。
【0014】
診断装置は、比較装置で統計的に処理された結果からプラントの正常・異常を判定する判定手段と、判定手段により異常と判定した場合又は比較装置によって類似度が高いと判定された場合に、データベースよりプラント異常の原因や対策を検索する検索手段とを有する。
【0015】
変換装置は、他プラントの独立な信号を自プラントの独立な信号に変換するシステムを同定する同定手段と、同定されたシステムにより他プラントの独立な信号を自プラントの独立な信号に変換する変換手段とを有する。
【0016】
予測手段は、複数のプラントモデルを保存したモデルデータベースを含み、モデルデータベースより該当するプラントモデルを抽出するとともに、切換装置によって選択された独立な信号を入力し、プラントモデルの出力値をデータベースより得られる独立成分解析の計算中に用いられた変数を使ってプラントの観測値データに変換する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係るプラント診断装置の全体構成を示している。本プラント診断装置には信号解析装置10が設けられ、この信号解析装置10は、入力された観測値データ1を独立な信号に分解し、その分解した独立な信号を出力する。独立な信号は比較装置20に入力され、比較装置20は、過去事例が収録された過去事例データベース60内の信号と信号解析装置10から出力された独立な信号とを比較し、その比較結果を出力する。比較結果は比較結果表示装置130に表示される。比較装置20での比較結果は診断装置30に入力され、診断装置30は比較結果により診断を実施する。その診断結果は診断結果表示装置40に表示される。
【0018】
また、変換装置50が設けられ、この変換装置50は、信号解析装置10から出力される自プラントの独立な信号、比較装置20から出力される比較結果、及び過去事例データベース60内の信号を用いて、類似する他プラントの独立な信号を自プラントの独立な信号に変換する。他プラントの独立な信号を自プラントの独立な信号に変換した信号は予測機能切換装置70に入力される。予測機能切換装置70は、変換装置50から入力した前記信号および信号解析装置10から出力される自プラントの独立な信号のどちらかを、機能切換指令120に応じて選択する。
【0019】
予測機能切換装置70で選択された信号はモデル80に入力され、モデル80は、その入力信号に基づいて、モデルデータベース100より該当するプラントモデルを抽出し、それを予測信号として出力する。その予測信号は予測結果表示装置90に取り込まれ、予測表示装置90に表示される。本実施の形態では、モデル80及びモデルデータベース100は予測手段を構成している。
【0020】
なお、変換装置50では、信号を変換するための関数を学習により同定しなければならないため、モード切換指令110により、学習モードと変換モードを切換えることで実現している。また、過去事例データベース60には、図4に示すように、各プラント毎に正常時データ61、異常時データ62、原因データ63がそれぞれ格納されている。
【0021】
次に、診断と予測に関する動作についてそれぞれ説明する。
初めに、診断に関する動作について説明する。プラント設備に設けられたセンサにより得られる観測値データ1をフロッピーディスクや光磁気ディスクなどの記憶媒体や、専用又は一版電話回線、イーサネットなどのインターネット技術を用いて信号解析装置10に入力する。
【0022】
信号解析装置10では、入力された観測値データ1を独立な信号に分解する。分解するためのアルゴリズムは、独立成分解析を用いる。アルゴリズムは、以下の数式(1)〜(4)を用いる。
【0023】
【数1】
Figure 0003718765
【0024】
【数2】
Figure 0003718765
【0025】
【数3】
Figure 0003718765
【0026】
【数4】
Figure 0003718765
【0027】
ここで、y(t)は時間tでの独立な信号をベクトル表現したもの、x(t)は時間tでの観測値データをベクトル表現したもの、Wは観測値データを独立な信号に変換する行列、ΔW(t)は時間tでの行列の更新量、ΔWij(t)は第i行第j列の行列の要素の更新量、ηは時間tでの更新ステップ、y(t),y(t)はそれぞれ時間tでのベクトルy(t)の要素、cは正の定数である。
【0028】
数式(1)は、問題の定式化を表している。つまり、観測値データを行列Wによって独立な信号に変換することを意味している。この独立な信号を実現するように、行列Wを数式(2)のように更新していく。行列Wの各要素の更新量は、数式(3)によって与えられる。また、更新ステップは数式(4)によって定義され、時間が進むにつれて行列Wが収束するようになっている。
【0029】
次に、このようなアルゴリズムで観測値データを独立な信号に分解できることについて説明する。行列Wが収束するまでアルゴリズムを繰り返していくと、数式(3)はゼロに収束していく。これは、数式(3)の右辺の期待値が0になることと等価であるから、E[y ]=0がいえる。yが一番初めに作られるとすれば、当然独立であるため、その平均値を0とすれば(0でなければ、その分をバイアスとして引いておけばよい)、期待値 E[y]=0となる。これより、E[y ]E[y]=0となる。つまり、E[y ]=E[y ]E[y]となる。この式が成立するのは、yとyが独立である場合だけである。よって、上記のアルゴリズムより、観測値データを独立な信号に分解できる。
【0030】
次に、比較装置20の動作を図2を用いて説明する。
図2に示すように、比較装置20は、自プラントモード21と他プラントモードの2種類の機能を有する。
【0031】
自プラントモード21では、自プラントの異常診断をするための処理を行う。具体的には、過去事例データベース60内の正常時データから平均値と分散値を取得し、これを正規化ガウス分布22にセットした後、信号解析装置10から出力される独立な信号を入力し、正規化ガウス分布の出力値23を得る。
【0032】
他プラントモード24では、自プラントの独立な信号と他プラントの独立な信号を類似度計算25に入力する。具体的には、以下の数式(5)に示す相互情報量を用いて計算する。
【0033】
【数5】
Figure 0003718765
【0034】
ここで、I(X;X)はXとXの相互情報量、H(X)はXのエントロピー、H(X|X)はXに対するXの条件付きエントロピーである。数式(5)の右辺は、Xが持っているXに関する情報の量を表している。このことから、相互情報量I(X;X)が0になるということは、XがXの情報を持っていないという事になるので、XとXは独立であるといえる。つまり、類似性がないという事になる。
【0035】
上記のように類似度計算25の結果をしきい値判定26に入力する。しきい値判定26では、相互情報量が設定されたしきい値よりも小さければ、類似性がないと判定し、しきい値よりも大きければ類似性があると判定する。類似性があると判定された独立な信号の組合せを類似独立信号の組合せデータ27とする。
【0036】
比較結果表示装置130では、その組合せデータをユーザに表示するための装置である。図6に、その比較結果の表示例を示す。この例では、自プラントの独立な信号が、XプラントとYプラントの独立な信号とそれぞれどれくらいの類似度があるのかを示している。例えば、自プラントの第1信号は、Xプラントの第3信号に対して類似度0.72、Yプラントの第2信号に対して類似度0.92であり、自プラントの第2信号は、Xプラントの第1信号に対して類似度0.84、Yプラントの第3信号に対して類似度0.25であり、自プラントの第3信号は、Xプラントの第5信号に対して類似度0.89、Yプラントの第1信号に対して類似度0.11である。
【0037】
次に、診断装置30について図3を用いて説明する。自プラントモード21の場合、比較装置20からは正規化ガウス分布の出力値23が出力される。そして、この出力値23が、あるしきい値よりも大きいか否かで、プラント状態の正常又は異常が判定される。すなわち、正規化ガウス分布の出力値23が、あるしきい値よりも大きいときは、正常値の分布よりも離れていないということで、しきい値判定31によって、プラント状態が正常と判定される。その結果は診断結果表示装置40に送られる。逆に、あるしきい値よりも小さいときは、正常値の分布よりも離れているということで、しきい値判定31によって、プラント状態が異常と判定される。異常と判断した場合は、異常事例検索32は過去事例データベース60内の原因データ63(図4参照)にアクセスし、異常原因を探索する。その結果は診断結果表示装置40に送られる。
【0038】
また、他プラントモード24の場合、比較装置20からは類似独立信号の組合せデータ27が出力される。この場合には、類似独立信号抽出33によって、異常と診断された独立な信号と類似な他プラントの独立な信号を類似独立信号の組合せデータ27の中から抽出される。対応する他プラントの独立な信号があれば、異常事例検索32によって、過去事例データベース60内にある原因データ63から該当する原因が抽出され、その結果は診断結果表示装置40に送られる。
【0039】
診断結果表示装置40では、診断装置30から送られてきた結果を、CRTなどの表示装置を用いて表示する。
【0040】
また、正常と判定された場合には、その判定結果は過去事例データベース60内の正常時データ61に、異常と判定された場合には、その判定結果は過去事例データベース60内の原因データ63にそれぞれ格納される。
【0041】
図7及び図8に異常時の表示例を示す。図7は正常時データ61と比較した時、第2信号が正常な分布から逸脱し異常となった場合である。このとき、現在の独立な信号のデータと正常時の独立な信号のデータが対比して表示される。そして、詳細ボタン200をクリックすれば、過去事例データベース60から参照された原因等が表示される。
【0042】
図8は他プラントの類似する独立な信号を用いて、過去事例データベース60に参照した結果の表示例である。この例では、自プラントの独立な信号のうち第3信号が異常の原因となっており、比較装置20によって、類似度が高いと判定されたXプラントの独立な信号のうちの第5信号を基にして、過去の異常事例を過去事例データベース60より参照した結果である。対策ボタン201を押せば、過去の対応策が表示される。
【0043】
次に、本実施の形態において、予測に関する動作について説明する。
予測の場合にも、診断に関する動作で説明した信号解析装置10及び比較装置20での動作を実行する。その後、変換装置50での動作に移る。
【0044】
変換装置50においては、図5に示すように、モード切換指令110によって、学習モード51または変換モード54が選択される。ここで、各動作の内容を説明する。
【0045】
学習モード51では、比較装置20の他プラントモード24の場合に出力される類似独立信号の組合せデータ27を用いて、評価指標設定52にて評価指標が設定される。具体的には、次の数式(6)によって設定される。
【0046】
【数6】
Figure 0003718765
【0047】
ここで、Eは評価指標、Tは独立な信号の全時間、y(t)は時間tの自プラントの独立な信号、y^(t)は時間tの他プラントの独立な信号である。
【0048】
ニューラルネットの学習53では、数式(6)で示された評価指標を最小とするように学習をする。なお、ニューラルネットの学習については、「ニューラルネットと計測制御」西川,北村、朝倉出版(1995)に詳しい。これにより、他プラントの類似な独立な信号を自プラントの独立な信号に変換するニューラルネットが作成されたことになる。このニューラルネットは、同定されたニューラルネット55となる。
【0049】
変換モード54では、過去事例データベース内にある異常時データから変換したい類似独立信号を同定されたニューラルネット55に入力し、自プラントの対応する独立な信号に変換する。その変換された信号は、予測機能切換装置70に送られる。
【0050】
予測機能切換装置70では、機能切換指令120により、予測モード121と異常模擬モード122を切換える。予測モード121では、信号解析装置10から出力される自プラントの独立な信号をそのままモデル80に対し出力する。異常模擬モード122では、信号解析装置10からの独立な信号に対し、他プラントの独立な信号と類似な信号がある場合には、その信号を変換装置50により他プラントの類似独立信号から変換された独立な信号と置き換え、モデル80に対し出力する。
【0051】
モデル80では、モデルデータベース100より対応するプラントのモデルを呼び出し、予測機能切換装置70からのデータを入力値として、予測信号を出力する。モデルに関しては、ニューラルネットやARMAモデルなどの統計的モデルや物理モデルなどを用いる。ただし、このとき得られる出力信号は独立な信号であるため、過去事例データベース60の正常時データ61や異常時データ62内にある行列Wの要素を用いて観測値データに変換しなければばらない。具体的には、行列Wの逆行列を独立な信号に掛ければ、観測値データ1が求まる。得られた観測値データ1は予測結果表示装置90に送られる。
【0052】
予測結果表示装置90では、CRTなどに代表される表示装置を用いて、予測モード121の場合は、自プラントの予測結果として表示し、異常模擬モード122の場合は、他プラントの異常原因を自プラントで模擬するとどのような結果となるのかを表示する。
【0053】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態は、本発明に係るプラントの状態予測診断装置を原子力発電プラントの水質管理システムに適用した例で、図1における診断や予測をより具体化したものである。
【0054】
観測値データ1としては、給水流量や電気出力などに代表される原子力プラントの状態を表すデータと、復水脱塩装置入口の導電率、ナトリウム濃度、塩素濃度などに代表される原子力プラントの水質を表すデータが挙げられる。これらの観測値データ1を図1に示す信号解析装置10に入力する。そして、実施の形態1で説明したアルゴリズムにより、観測値データ1を独立な信号に分解する。
【0055】
分解された独立な信号は、実施の形態1の場合と同様に比較装置20で比較処理された後、診断装置30によって水質に関する診断が行われる。具体的には、自プラントモード21の場合、分解された独立な信号のうち第2の信号がしきい値判定31によって異常と判定されると、過去事例データベース60内を検索する。例えば、第2の信号が異常である場合、主復水器海水漏洩が対応すれば、診断結果表示装置40には、「主復水器海水漏洩」と表示される。
【0056】
また、他プラントモード24の場合、比較装置20によって類似度が高いと判断されたプラントの独立な信号のうち、図3のしきい値判定31によって異常と判定された独立な信号と類似度が高い信号があれば、自プラントモードと同様に、過去事例データベース60内を検索し、そのときの異常原因を特定する。例えば、上述での第2の信号とYプラントの第5の信号が比較装置20の結果、類似度が高いとすると、過去事例データベース60内のYプラントの第5の信号が異常である場合を検索する。この結果、Yプラントも主復水器海水漏洩であれば、診断結果表示装置40に、Yプラントでの事故事例では「主復水器海水漏洩」と表示される。
【0057】
次に、予測に関しても、実施の形態1で述べた方法と同様であるが、具体的には、自プラントと類似度の高い他プラントがZプラントであるとする。
【0058】
図1での機能切換指令120により、予測モード121が選択されている場合には、自プラントの独立な信号を入力とし、モデル80の出力を予測信号とする。本実施の形態では、原子力発電プラントの水質管理システムに適用しているため、予測信号から推定される事は、水質管理に関するものである。予測結果表示装置90では、例えば、「復水貯蔵タンク劣化水混入への傾向がある」や「復水脱塩装置樹脂リークへの傾向がある」などの水質管理に関する予測結果が表示される。
【0059】
また、図1での機能切換指令120により、異常模擬モード121が選択されている場合には、比較装置20により類似度が高いと判定された他プラントの独立な信号を入力とし、モデル80の出力を異常模擬信号とする。これによって、類似度の高い他プラントでの事故事例データを自プラントで模擬することができる。この場合でも、上述した予測モード121での予測結果表示装置90での表示と同様に、自プラントで今後発生するであろう水質管理に関する予測結果が予測結果表示装置90に表示される。
【0060】
以上に述べた実施の形態1・2では本発明を原子力発電プラントの水質管理システムに適用しているが、本発明は水質の予測や診断に限定されるものではなく、プラントの観測値データが得られるシステムであれば、本発明によって、同様の予測や診断にも対応できる。たとえば、火力発電プラントの状態量や各種プラントの機器データなども、センサからの観測値データとして得ることができるため、本発明はこれらの予測及び診断にも適用できる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プラントの観測値が変動した場合に、その変動要因を考慮した幅広いプラント診断、及びプラント状態の予測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラントの状態予測診断装置の全体構成図である。
【図2】比較装置の動作を示す説明図である。
【図3】診断装置の動作を示す説明図である。
【図4】過去事例データベースの構成を示す図である。
【図5】変換装置の動作を示す説明図である。
【図6】類似度計算の表示例を示す図である。
【図7】異常診断結果の表示例を示す図である。
【図8】他プラントの類似データを用いた異常診断の表示例を示す図である。
【符号の説明】
1 観測値データ
10 信号解析装置
20 比較装置
21 自プラントモード
22 正規化ガウス分布
23 正規化ガウス分布の出力値
24 他プラントモード
25 類似度計算
26 しきい値判定
27 類似独立信号の組合せデータ
30 診断装置
31 しきい値判定
32 異常事例検索
33 類似独立信号抽出
40 診断結果表示装置
50 変換装置
51 学習モード
52 評価指標設定
53 ニューラルネットの学習
54 変換モード
55 同定されたニューラルネット
60 過去事例データベース
61 正常時データ
62 異常時データ
63 原因データ
70 予測機能切換装置
80 モデル
90 予測結果表示装置
100 モデルデータベース
110 モード切換指令
120 機能切換指令
121 予測モード
122 異常模擬モード
130 比較結果表示装置

Claims (9)

  1. 複数のプラントの状態を測定するとともに、その測定信号を用いて各プラントの状態を診断するプラント診断装置において、
    前記測定信号を取り込んで該測定信号を独立な信号に分解する信号解析装置と、前記信号解析装置から出力された独立な信号や関連する情報を自プラント及び他プラント毎に保存するとともに、プラント異常時の原因データを保存するデータベースと、前記信号解析装置から出力された独立な信号と前記データベースに保存された独立な信号とを比較する比較装置と、前記比較結果に基づいてプラントの状態を診断する診断装置と、その診断結果を表示する診断結果表示装置と、
    前記比較装置での比較結果に基づいて、前記信号解析装置から出力された独立な信号に類似する他プラントの独立な信号を前記データベースから取り込んで、該他プラントの独立な信号を自プラントの独立な信号に変換する変換装置と、前記信号解析装置から出力された自プラントの独立な信号と前記変換装置により変換された独立な信号とが入力され、切換操作によって、前記入力された2種類の独立な信号のどちらか一方を選択する切換装置と、前記選択された独立な信号を取り込んで、自プラントの挙動を予測したプラントモデルを出力する予測手段と、前記予測手段の出力結果を表示する予測結果表示装置と、を備えたことを特徴とするプラント診断装置。
  2. 請求項1に記載のプラント診断装置において、
    前記信号解析装置は、前記測定信号を独立成分解析を用いて独立な信号に分解することを特徴とするプラント診断装置。
  3. 請求項1に記載のプラント診断装置において、
    前記データベースには、プラント正常時のデータとして、前記信号解析装置から出力された独立な信号と計算中に用いた変数及び平均値と分散値が、プラント異常時のデータとして、前記信号解析装置から出力された独立な信号と計算中に用いた変数が、プラント異常時の原因データとして、事故原因、事故の内容や対応策が、それぞれ最低限保存されていることを特徴とするプラント診断装置。
  4. 請求項1に記載のプラント診断装置において、
    前記比較装置は、前記信号解析装置から出力された独立な信号を統計的に処理するとともに、自プラントの独立な信号と前記データベースから取り込んだ他プラントの独立な信号との類似度を判定することを特徴とするプラント診断装置。
  5. 請求項1又は4に記載のプラント診断装置において、
    前記比較装置での比較結果を表示する比較結果表示装置が設けられ、該比較結果表示装置には、自プラントの独立な信号に対応する他プラントの独立な信号と、その他プラントについての前記類似度とが表示されることを特徴とするプラント診断装置。
  6. 請求項5に記載のプラント診断装置において、
    前記比較結果表示装置、前記診断結果表示装置および前記予測結果表示装置は、それぞれ独立した表示装置、同一の表示装置、または2つの表示装置がそれぞれ組み合わされた表示装置からなることを特徴とするプラント診断装置。
  7. 請求項1又は4に記載のプラント診断装置において、
    前記診断装置は、前記比較装置で統計的に処理された結果からプラントの正常・異常を判定する判定手段と、該判定手段により異常と判定した場合又は前記比較装置によって前記類似度が高いと判定された場合に、前記データベースよりプラント異常の原因や対策を検索する検索手段と、を有することを特徴とするプラント診断装置。
  8. 請求項1に記載のプラント診断装置において、
    前記変換装置は、他プラントの独立な信号を自プラントの独立な信号に変換するシステムを同定する同定手段と、同定されたシステムにより他プラントの独立な信号を自プラントの独立な信号に変換する変換手段と、を有することを特徴とするプラント診断装置。
  9. 請求項1に記載のプラント診断装置において、
    前記予測手段は、複数のプラントモデルを保存したモデルデータベースを含み、前記モデルデータベースより該当するプラントモデルを抽出するとともに、前記切換装置によって選択された独立な信号を入力し、前記プラントモデルの出力値を前記データベースより得られる独立成分解析の計算中に用いられた変数を使ってプラントの観測値データに変換することを特徴とするプラント診断装置。
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