JP7153585B2 - 異常原因推定方法、および、異常原因推定装置 - Google Patents

異常原因推定方法、および、異常原因推定装置 Download PDF

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Description

本発明は、異常原因推定方法、および、異常原因推定装置に関する。
各機器や各計器のプロセス量が時々刻々と変化するプラントを診断するプラント診断システムとして、基準となるプロセス量を事前に計測しておき、現在のプロセス量と比較する評価方法が用いられている。
特許文献1には、基準となるプロセス量相互の相関を蓄積し、蓄積したデータと現在のデータを比較して異常を検知する方法が記載されている。
特許文献2には、複数のプロセス量を混合信号とみなして、独立成分に分解し、独立成分の挙動に着目して異常診断を行うことで、波形の変動要因を精度よく検知する方法が記載されている。
特許文献3には、運転状態を複数の“正常”な状態として予め数理モデルとして格納し、現状のプラントの運転状態がどの“正常”な状態に属するかを判定した上で、該当した状態との際を評価することにより異常を判定する方法が記載されている。
特開2011-243118号公報 特開2003-44123号公報 特開2015-103218号公報
プラント全体に発生した異常な状態は、同時発生する多くの異常なプロセス量として検知される。しかし、異常の原因となる機器そのものよりも、その原因の機器から異常な状態が伝搬されたことで、正常な機器であっても異常なプロセス量を出力する機器のほうが多いこともある。この場合、異常が伝搬された先の機器よりも、異常を伝搬する元の機器をすみやかに特定して対策を行うことで、同時発生する多くの異常なプロセス量が一括して正常に回復することが期待される。
つまり、異常の原因となる機器を早期に精度よく推定することが、異常状態からの復旧作業において重要となる。しかし、災害などでプラント全体に異常な状態が発生してしまうと、目視などで異常の原因となる機器を辿ることは困難な状況となる。
そこで、本発明は、異常の原因となる機器を早期に精度よく推定することを、主な課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の異常原因推定装置は、以下の特徴を有する。
異常原因推定装置は、信号成分分解部と、異常信号グループ抽出部と、相関変化グループ抽出部と、異常原因推定部と、記憶部とを有しており、
前記信号成分分解部が、診断対象プラント内で冗長化された信号グループごとに計測された各信号を読み込み、信号グループに対して独立成分解析を行うことで、独立な信号成分に分解し、
前記異常信号グループ抽出部が、異常パターンまたは正常パターンとして事前に記憶部に格納された登録済パターンと、前記信号成分分解部により分解された現在の信号パターンとを比較することで、現在の信号パターンから異常パターンに類似する異常信号グループを抽出し、
前記相関変化グループ抽出部が、前記信号成分分解部により分解された信号パターンについて、信号グループ間での相互の相関関係が変化した相関変化グループを抽出し、
前記異常原因推定部が、抽出された前記異常信号グループと、抽出された前記相関変化グループとの双方に該当する現在の信号パターンを抽出し、その抽出された現在の信号パターンを扱う機器を前記診断対象プラントの異常の原因として推定することを特徴とする。
その他の手段は、後記する。
本発明によれば、異常の原因となる機器を早期に精度よく推定することができる。
本発明の実施例1に関するプラント診断システムの構成図である。 本発明の実施例1に関する診断対象プラントの構成図である。 本発明の実施例1に関する信号系統モデル格納部に格納されたデータの例である。 本発明の実施例1に関する信号系統モデル格納部の機器種別と信号のIDとの対応例を示すテーブルである。 本発明の実施例1に関する互いに冗長関係を有する信号の集合を1つの信号グループに集約したことを示すテーブルである。 本発明の実施例1に関する運転履歴データ格納部の登録済パターンのうちの正常パターンの一例を示すテーブルである。 本発明の実施例1に関する運転履歴データ格納部の登録済パターンのうちの異常パターンの一例を示すテーブルである。 本発明の実施例1に関する支援システム演算処理装置によるプラント診断のメイン処理を示すフローチャートである。 本発明の実施例1に関する図8のメイン処理から呼び出された、異常原因を探索するサブルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施例1に関する図2の診断対象プラントから、異常機器グループだけを抽出して図示した構成図である。 本発明の実施例1に関する相関変化グループ抽出部が計算した相関変化グループの一例である。 本発明の実施例1に関する異常信号グループと、相関変化グループとをマップ表示した一例である。 本発明の実施例1に関する異常原因機器の表示画面である。 本発明の実施例1に関する判定結果の出力画面を示す。 本発明の実施例1に関する図14の時系列グラフ上の点を選択したときの詳細画面である。 本発明の実施例2に関する支援システム演算処理装置の構成図である。 本発明の実施例2に関する異常である計器を推定する処理を示すフローチャートである。
以下、図面を用いて実施例を説明する。
図1は、プラント診断システムの構成図である。
プラント診断システムは、支援システム演算処理装置(異常原因推定装置)100と、プラント信号入力装置200と、支援システム入出力装置300と、運転履歴データ格納部(記憶部)400と、信号系統モデル格納部500とを含めて構成される。
プラント信号入力装置200は、診断対象プラントの信号を支援システム演算処理装置100に出力する。なお、プラント信号入力装置200のバッファには、出力周期に従って、あらかじめ決められた時間に計測された診断対象プラントの信号が、出力前に一時的に記憶される。
支援システム入出力装置300は、ユーザから入力されたプラント診断の質問に対して、支援システム演算処理装置100から受信した診断対象プラントへの診断結果を回答する。この診断結果には、診断対象プラント全体の健全性の評価結果に加え、診断対象プラント内の異常の原因となる機器の推定結果も含まれている。
信号系統モデル格納部500は、診断対象プラントの設計データとして、信号がどの機器への入力信号か、どの機器からの出力信号か、または系統・機器の内部状態の測定値かという信号系統の情報を格納する。
運転履歴データ格納部400は、診断対象プラントの履歴データとして、診断対象プラントの各信号成分についての時系列の挙動パターンを登録済パターンとして事前に格納する。この登録済パターンは、信号が正常であるときの正常パターンか、信号が異常であるときの異常パターンかのいずれかに分類されている。
支援システム演算処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、ハードディスクなどの記憶手段(記憶部)と、ネットワークインタフェースとを有するコンピュータとして構成される。
このコンピュータは、CPUが、メモリ上に読み込んだプログラム(アプリケーションや、その略のアプリとも呼ばれる)を実行することにより、各処理部により構成される制御部(制御手段)を動作させる。
支援システム演算処理装置100は、信号成分分解部110と、異常信号グループ抽出部120と、プラント健全性評価部130と、相関変化グループ抽出部140と、異常原因推定部150とを有する。
信号成分分解部110は、プラント信号入力装置200から入力した信号を、信号系統モデル格納部500の情報に基づいて、同等の計測値を計測している信号群に類別した上で、それら信号群を信号成分に分解する。なお、異常信号グループ抽出部120以降の各処理部、および、運転履歴データ格納部400が扱う信号パターンは、それぞれ信号成分分解部110により分解された後のものである。
異常信号グループ抽出部120は、運転履歴データ格納部400に格納された過去の登録済パターンと、信号成分分解部110が分解した今回の信号パターンとを比較して、今回の信号パターンが正常パターンか、異常パターンか、それらのいずれにも該当しない不明パターンかをを評価する。例えば、今回の信号パターンに波形形状が類似する異常パターンが登録済パターンから見つかったときには、異常信号グループ抽出部120は、今回の信号パターンも異常パターンとして評価する。
なお、「信号グループ」とは、診断対象プラントの冗長化された計器群を用いて同じプロセス量を測定した結果の計器ごとの信号の集合である(詳細は図5)。つまり、同じ配管を流れる流量などの同じプロセス量であっても、その配管の上流側、中流側、下流側にそれぞれ計器を配置しておくことで、1つの計器が故障しても、配管の監視を中断させること無く信頼性を向上させることができる。
以上説明したように、異常信号グループ抽出部120は、異常パターンの信号を計測した信号グループ(異常信号グループ)を抽出する。
プラント健全性評価部130は、異常信号グループ抽出部120が抽出した異常信号グループと、運転履歴データ格納部400に格納された過去の登録済パターンとをもとに、診断対象プラント全体の異常度合いを評価する。プラント健全性評価部130は、例えば、文献「井手剛、杉山将著、“異常検知と変化検知”、講談社、2015年8月」の方法により診断対象プラントを評価する。
または、プラント健全性評価部130は、診断対象プラントの全信号グループに対する異常信号グループの割合を診断対象プラント全体の異常度合いとしてもよい。
相関変化グループ抽出部140は、信号成分分解部110により分解された信号グループ間での相互の相関関係を計算し、その相関関係が過去から現在に対して変化した信号グループ(相関変化グループ)を抽出する。
異常原因推定部150は、異常信号グループ抽出部120が抽出した異常信号グループと、相関変化グループ抽出部140が抽出した相関変化グループとに基づいて、診断対象プラントの異常発生の原因となる信号グループ(異常原因グループ)を推定する。
つまり、支援システム演算処理装置100から支援システム入出力装置300を介してユーザに通知される診断結果は、プラント健全性評価部130による診断対象プラント全体の健全性の評価結果と、異常原因推定部150による診断対象プラント内の異常の原因となる機器の推定結果である。
図2は、診断対象プラントの構成図である。
診断対象プラントのうちの2000番台の符号は、プラントを構成する機器・またはサブシステムである。各機器は、実線の矢印の向きに流れる流体によって、相互につながっている。以下、2000番台の符号(例えば、2010、2020、2030、2040、2041、2042、2050、2051、2060、2061、2070)を機器IDとして用いる。
診断対象プラントのうちの2100番台の符号(2100から2114まで)は、圧力計を示す。以下、2100番台の符号を計器で測定した信号のIDとして用いる。
診断対象プラントのうちの2200番台の符号(2200から2233まで)は、流量計を示す。以下、2200番台の符号を計器で測定した信号のIDとして用いる。
図3は、信号系統モデル格納部500に格納されたデータの例である。信号系統モデル格納部500は、機器IDごとに、機器の種類を示す「機器種別」と、機器の入力プロセス量にかかわる信号のIDを示す「入力計測ID」と、機器の出力プロセス量となる信号のIDを示す「出力計測ID」と、機器の状態(内部のプロセス量)にかかわる信号のIDを示す「状態計測ID」と、その他のコメントを示す「備考」とを対応付ける。
例えば、信号系統モデル格納部500の第1行に示す機器ID「2010」について、以下の情報が登録されている。
・機器種別=「R」
・入力計測ID=2101、2203、2204、2110、2224、2225
・出力計測ID=2100、2200、2201、2202
また、信号系統モデル格納部500の第11行に示す機器ID「2070」について、以下の情報が登録されている。
・機器種別=「F」
・入力計測ID=2218、2219
・出力計測ID=2108、2220、2221
・状態計測ID=2113、2114
図4は、信号系統モデル格納部500の機器種別と信号のIDとの対応例を示すテーブルである。図2で説明したように、機器種別「P」(例えば、圧力)が、2100~2119までの信号IDに対応し、機器種別「F」(例えば流量)が、2200~2233までの信号IDに対応する。
図5は、互いに冗長関係を有する信号の集合を1つの信号グループに集約したことを示すテーブルである。
機器種別「F」のグループ「GF_1~GF_16」と、機器種別「P」のグループ「GP_1」とが、それぞれ個別の信号グループとして定義されている。グループ「GP_1」の構成要素は、2113、2114の信号である。
以後の説明では、便宜上、この図5に記載されていない信号も1つの信号だけで、信号グループを形成しているとみなし、そのグループIDは信号IDと同じとする。
以上説明した図4,図5の各テーブルも信号系統モデル格納部500に格納されている。
以下、図6,図7を参照して、運転履歴データ格納部400内の登録済パターンの具体例を説明する。この登録済パターンの信号グループごとの波形は、あらかじめ、過去の運転から得られた信号を処理した結果の実測値でもよいし、文献などに記載の理論値でもよい。
図6は、運転履歴データ格納部400の登録済パターンのうちの正常パターンの一例を示すテーブルである。
グループGF_1などのグループごとに、頻出する正常パターンの波形と、その出現確率とが登録済パターンとして運転履歴データ格納部400に登録されている。
なお、図6の例では、波形をイメージデータで登録しているが、ウエーブレット変換や、短時間周波数変換などでは、波形を数式モデルの係数により格納することができるので、係数として格納することも格納である。また、出現確率は、例えば、蓄積された正常運転時の時間区画数Nにたいして、パターンが出現した数をnとするとn/Nで評価して記録しておく。
図7は、運転履歴データ格納部400の登録済パターンのうちの異常パターンの一例を示すテーブルである。
グループGF_2などのグループごとに、頻出する異常パターンの波形と、その出現確率とが登録済パターンとして運転履歴データ格納部400に登録されている。
異常パターンの波形が発生する要因は、例えば、自動弁の場合、固着や、弁の漏洩である。異常パターンの波形については、正常時と同様に、数学モデルの係数で登録することも可能である。
図8は、支援システム演算処理装置100によるプラント診断のメイン処理を示すフローチャートである。このフローチャートを実行する事により、支援システム演算処理装置100は、診断対象プラント全体の異常度合いを計算し、診断対象プラントに異常が発生した場合の異常原因となる機器・系統とを推定する。
S8000において、信号成分分解部110は、あらかじめ定めた時間区画ΔT間のプロセス量を示す信号グループを、プラント信号入力装置200から読み込む。
S8100において、信号成分分解部110は、読み込んだ信号グループに対して、例えば、文献「甘利俊一、村田昇著、“独立成分解析”、サイエンス社、SGCライブラリ18、2002年10月」にある独立成分解析により、独立な信号成分に分解する。
S8200において、信号成分分解部110は、分解された各信号成分に対して、文献「芦野隆一、甘利俊一、山本鎭男著、“ウエーブレット解析”、共立出版、1997年6月」にあるウエーブレット変換や短時間周波数変換などで、周波数ごとに分離した波形を抽出する。これにより、データ量の多い信号波形をデータ量の少ない周波数量へと圧縮することができる。
なお、信号成分分解部110は、単一の信号からなる信号グループに対しては、S8100の処理を省略して、S8200のウエーブレット変換や短時間周波数変換などを直接行ってもよい。
S8300において、異常信号グループ抽出部120は、運転履歴データ格納部400内の過去の登録済パターンと、S8200において処理された現在の時間区画での信号パターンとを比較・評価する。
S8400において、異常信号グループ抽出部120は、現在の信号パターンが過去の異常パターンと一致するか否かを判定する。S8400でYesなら、図9に示す異常原因を探索するサブルーチンを起動する(S8700)。S8400でNoなら、処理をS8500に進める。
図9は、図8のメイン処理から呼び出された、異常原因を探索するサブルーチンを示すフローチャートである。
S9000において、異常信号グループ抽出部120は、S8400で異常と判定された信号グループを異常信号グループとして生成する。
S9100において、異常信号グループ抽出部120は、信号系統モデル格納部500を参照して、異常信号グループを扱う機器の集合を異常機器グループとして生成する。異常信号グループを扱う機器とは、異常信号グループを信号のID(入力計測ID、出力計測ID、または、状態計測ID)にもつ機器である。
図10は、図2の診断対象プラントから、異常機器グループだけを抽出して図示した構成図である。この図10の時点では異常機器グループに属する機器が多く存在しており、作業員はどの機器から修理を開始すればよいかがわからない。そこで、S9200以降の処理において、異常の原因となる機器をさらに絞り込むことにする。
図9のS9200において、相関変化グループ抽出部140は、信号成分分解部110により分解された信号グループ間での相互の相関関係を計算し、その相関関係が過去から現在に対して変化した信号グループ(相関変化グループ)を抽出する。
図11は、相関変化グループ抽出部140が計算した相関変化グループの一例である。機器の異常を絞り込むために、相関変化の計算は入力信号IDと出力信号IDとの組み合わせに対して行われる。以下の説明では、相関変化の値が「0.5」以上の信号グループの組み合わせを、相関変化グループとする。
S9300において、異常原因推定部150は、異常信号グループと、相関変化グループとを参照して、異常の原因となる機器を推定する。
図12は、異常信号グループと、相関変化グループとをマップ表示した一例である。
マップ表示の各ノード(GP_1,GP_15,GF_1,GF_2)は1つの信号グループを示す。太線枠のノード(GP_1,GF_2)は、異常信号グループの一例である。マップ表示のノード間を接続する各リンクは2つの信号グループ間の相関関係を示す。太線枠のリンク(例えばGP_1,GP_15間)は、相関変化グループの一例である。
そして、異常原因推定部150は、各太線枠ノード(異常信号グループ)のうちの太線枠のリンク(相関変化グループ)を少なくとも1つを有する異常信号グループを原因候補として残し、各異常信号グループのうちの太線枠のリンクが0本であるものをふるい落とす。換言すると、異常原因推定部150は、異常信号グループと、相関変化グループとの双方に該当する信号グループを原因候補として残す。
例えば、図12では、異常原因推定部150は、太線枠のリンク(相関変化「0.6」)を有する太線枠ノード(GP_1)を残し、太線枠のリンクを有さない太線枠ノード(GP_2)をふるい落とす。
そして、異常原因推定部150は、S9300で残った異常信号グループについての、S9200で生成した異常機器グループを、異常原因機器として特定する。
図13は、S9300で特定された異常原因機器の表示画面である。
異常原因推定部150は、異常信号グループ「GP_1」に対応する信号ID「2113,2114」(図5参照)を、状態計測IDとして有する機器「2070」(図3参照)を、異常機器グループの異常原因機器として表示する。ここで、表示画面には、異常原因機器そのものの表示に加えて、その異常原因機器が原因候補に残った理由を示す相関変化グループのリンク情報も併せて表示してもよい。この表示により、作業員は機器「2070」から修理を開始すればよいことがわかる。
図8のS8500において、異常信号グループ抽出部120は、現在の信号パターンが過去の正常パターンと一致するか否かを判定する。S8500でYesなら、現在の信号パターンを正常パターンであると判定する(S8800)。S8500でNoなら、現在の信号パターンがこの時点で正常パターンにも異常パターンにも該当しない不明パターンであるので、処理をS8600に進める。
S8600において、異常信号グループ抽出部120は、現在の不明パターンと過去の登録済パターンとを照合し、類似する登録済パターンの運転状態に応じて不明パターンを分類する。
不明パターンとは、各系統で、これまで発生したことのないパターンの波形である。よって、異常信号グループ抽出部120は、運転履歴データ格納部400の出現確率が高い登録済パターンから、出現確率が低い登録済パターンへと照合対象を拡大する。
つまり、異常信号グループ抽出部120は、現在の不明パターンに近い信号パターンを出現確率が低い登録済パターンから探索する。そして、異常信号グループ抽出部120は、探索された登録済パターンに対応する過去の運転時の状態が正常なら不明パターンを正常パターンと分類する。一方、探索された登録済パターンに対応する過去の運転時の状態が異常なら不明パターンを異常パターンと分類する。
このような順序付きのパターン照合は言語解析などで行われているDPマッチングなどの技術により実現できる。DPマッチングは、例えば、文献「内田誠一著、“DPマッチング概説:基本と様々な拡張”、電子情報通信学会技術研究報告.PRMU、パターン認識・メディア理解106(428)、P31-36、2006」に記載されている。
図14は、S8600の判定結果の出力画面を示す。この出力画面は、診断対象プラント全体の状態ごとの時系列グラフ810,820,830で表現され、グラフの縦軸は信号グループである。
時系列グラフ830で示される現状パターンに対して、運転時の状態が正常であるときの時系列グラフ810と、異常であるときの時系列グラフ820とがそれぞれ運転履歴データ格納部400から発見されたとする。
ここでは、現状パターンに対するパターン照合の結果として、一致度=60%の正常パターンが一致度=40%の異常パターンよりも似ている(高得点)ので、現状パターンが正常パターンであると判定されている。
なお、時系列グラフ上の黒丸(符号832など)は、頻出する異常パターンの発生時刻、発生箇所を示す。時系列グラフ上の白丸(符号831など)は、頻出しない異常パターンの発生時刻、発生箇所を示す。
図15は、図14の時系列グラフ上の点を選択したときの詳細画面である。
ユーザが白丸(符号831)をクリックすると、白丸が位置する信号グループ(GP_3)と、その信号グループに対して相関の変化が大きい別の信号グループ(GP_4)との間の相関の変化を示す時系列グラフ831aが表示される。
ユーザが黒丸(符号832)をクリックすると、黒丸が位置する信号グループ(GP_6)と、その信号グループに対して相関の変化が大きい別の信号グループ(GP_2)との間の相関の変化を示す時系列グラフ832aが表示される。
図16は、実施例2の支援システム演算処理装置100の構成図である。
実施例1の異常原因推定部150は、異常原因機器を推定していた。実施例2では、実施例1の図1で示した支援システム演算処理装置100に対して、グループ内異常推定部160を追加した構成である。グループ内異常推定部160は、異常原因機器が扱う信号グループを計測するための個々の計器から、異常である計器を推定する。
図17は、実施例2の支援システム演算処理装置100による異常である計器を推定する処理を示すフローチャートである。
S14000~S14200の各処理は、図8のS8000~S8200と同じ処理である。これらの前処理により、グループ内異常推定部160は、運転履歴データ格納部400から信号成分分解部110により分解された各信号グループを取得する。
S14300において、相関変化グループ抽出部140は、各機器ごとに扱う信号(入力の信号と、出力の信号と、状態の信号)の組み合わせに対して相関の変化を評価する。例えば、図10の機器2040に関しては、以下の8個の組み合わせについて、各分解成分の相関変化を見る。
・<2117、2116>
・<2117、GF_11>
・<GF_12、2116>
・<GF_2、GF_11>
・<2102、2116>
・<2102、GF_11>
・<GF_3、2116>
・<GF_3、GF_11>
S14400において、グループ内異常推定部160は、信号グループ内の相関が大きく変化した信号成分が存在するか否かを判定する。例えば、信号「GF_11」のいずれかの分解成分に関する相関だけが変化していれば、信号成分「GF_11」を測定する計器の異常とみなされる。
S14500において、グループ内異常推定部160は、S14400に該当する信号成分に分解する前の信号グループを構成するもとの信号のうち、信号成分への寄与が大きな信号を信号異常と判定する。
例えば、グループ内異常推定部160は、S14400に該当する信号成分「GF_11」が2224、2225の2つの信号からなりたっており、相関が変化した成分の寄与が2224が大きい場合には、計器2224が故障していると判定する。寄与度が同等の場合には2つとも故障していると判定する。
以上説明した本実施形態(実施例1,実施例2)では、異常信号グループ抽出部120が、運転履歴データ格納部400内の登録済パターンと、現在の信号パターンとを照合することで、現在の信号パターンを異常パターンか正常パターンかに分類する。
そして、異常原因推定部150は、相関変化グループ抽出部140が抽出した相関変化グループと、異常信号グループ抽出部120が抽出した異常信号グループとを組み合わせて、異常原因機器を推定する。
これにより、異常パターンが検出される機器が多く存在していても、異常が伝搬した元となる異常原因機器を相関変化グループにより推測することで、異常原因機器を適切に絞り込むことができる。
さらに、実施例2では、グループ内異常推定部160によって異常原因機器に関する計器も検出することができるので、作業員は多くの異常パターンが同時に発生する状況下でも、適切な機器や計器へのメンテナンスを開始することができる。
なお、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、さまざまな変形例が含まれる。例えば、前記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。
また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段などは、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。
また、前記の各構成、機能などは、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)などの記録装置、または、IC(Integrated Circuit)カード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
さらに、各装置を繋ぐ通信手段は、無線LANに限定せず、有線LANやその他の通信手段に変更してもよい。
100 支援システム演算処理装置(異常原因推定装置)
110 信号成分分解部
120 異常信号グループ抽出部
130 プラント健全性評価部
140 相関変化グループ抽出部
150 異常原因推定部
160 グループ内異常推定部
200 プラント信号入力装置
300 支援システム入出力装置
400 運転履歴データ格納部(記憶部)
500 信号系統モデル格納部

Claims (6)

  1. 異常原因推定装置は、信号成分分解部と、異常信号グループ抽出部と、相関変化グループ抽出部と、異常原因推定部と、記憶部とを有しており、
    前記信号成分分解部は、診断対象プラント内で冗長化された信号グループごとに計測された各信号を読み込み、信号グループに対して独立成分解析を行うことで、独立な信号成分に分解し、
    前記異常信号グループ抽出部は、異常パターンまたは正常パターンとして事前に記憶部に格納された登録済パターンと、前記信号成分分解部により分解された現在の信号パターンとを比較することで、現在の信号パターンから異常パターンに類似する異常信号グループを抽出し、
    前記相関変化グループ抽出部は、前記信号成分分解部により分解された信号パターンについて、信号グループ間での相互の相関関係が変化した相関変化グループを抽出し、
    前記異常原因推定部は、抽出された前記異常信号グループと、抽出された前記相関変化グループとの双方に該当する現在の信号パターンを抽出し、その抽出された現在の信号パターンを扱う機器を前記診断対象プラントの異常の原因として推定することを特徴とする
    異常原因推定方法。
  2. 前記異常原因推定装置は、さらに、グループ内異常推定部を有しており、
    前記グループ内異常推定部は、前記異常原因推定部が異常の原因として推定した機器が扱う信号パターン間で、相関の変化が大きい信号パターンを抽出し、その抽出した信号パターンを計測した計器を異常な計器として推定することを特徴とする
    請求項1に記載の異常原因推定方法。
  3. 前記異常原因推定部は、現在の信号パターンについて、抽出された前記異常信号グループごとのノードと、抽出された前記相関変化グループを示すリンクとを含むグラフを表示することを特徴とする
    請求項1に記載の異常原因推定方法。
  4. 前記異常原因推定部は、信号グループごとの異常パターンの発生時刻を示すグラフを表示することを特徴とする
    請求項1に記載の異常原因推定方法。
  5. 前記信号成分分解部は、独立な信号成分に分解した信号に対して、周波数ごとに分離した波形を抽出して前記異常信号グループ抽出部および前記相関変化グループ抽出部に出力することを特徴とする
    請求項1に記載の異常原因推定方法。
  6. 診断対象プラント内で冗長化された信号グループごとに計測された各信号を読み込み、信号グループに対して独立成分解析を行うことで、独立な信号成分に分解する信号成分分解部と、
    異常パターンまたは正常パターンとして事前に記憶部に格納された登録済パターンと、前記信号成分分解部により分解された現在の信号パターンとを比較することで、現在の信号パターンから異常パターンに類似する異常信号グループを抽出する異常信号グループ抽出部と、
    前記信号成分分解部により分解された信号パターンについて、信号グループ間での相互の相関関係が変化した相関変化グループを抽出する相関変化グループ抽出部と、
    抽出された前記異常信号グループと、抽出された前記相関変化グループとの双方に該当する現在の信号パターンを抽出し、その抽出された現在の信号パターンを扱う機器を前記診断対象プラントの異常の原因として推定する異常原因推定部と、を有することを特徴とする
    異常原因推定装置。
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