JP3718067B2 - 太陽電池一体型屋根材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅などの屋根に敷設することにより太陽光を利用して電力を得ることができる太陽電池一体型屋根材に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、地球規模での資源節約や環境問題を解決していくため、化石燃料の代替エネルギーとして無尽蔵でクリーンな太陽光エネルギーの活用が注目されており、住宅等の建築物の屋根上に太陽電池を設置し、この太陽電池から住宅に電力を供給することにより省エネルギー化を図ることが実施されている。
【0003】
太陽電池の屋根への取り付けに際しては、既設屋根瓦の上に金具等で架台を屋根構造部材に固定し、この架台上にパネル状の太陽電池ユニットを設置する方式、あるいは、スレート瓦や金属瓦のように平坦な表面を有する屋根瓦の基材表面に太陽電池を貼り合わせた、いわゆる太陽電池一体瓦を野地板に直接葺く方式などの手段が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
既設屋根瓦の上に金具等で架台を屋根構造部材に固定し、この架台上にパネル状の太陽電池ユニットを設置する方式は、太陽電池の配線やコネクターを外部に露出させることになり、直接風雨や太陽光の影響を受けやすく、耐久性上問題があるとともに、雨仕舞が難しいといった不具合がある。また、架台や太陽電池ユニットは、屋根とは独立した構造物として位置付けられ、耐風圧や積雪荷重等の外力に対して屋根瓦同等の強度が要求され、自ずと重量が大きくなる。そのため、屋根面に多大な重量が積載され、耐震上好ましくなく、架台の設置作業も極めて煩雑で高コストであるといった課題がある。
【0005】
また、スレート瓦やセメント瓦、金属瓦のように少なくとも一部ほぼ平坦な表面を有する屋根材の基材表面に太陽電池を一体化した、いわゆる太陽電池一体屋根材を野地板に直接葺く方式も提案されている。この方式では、太陽電池一体屋根材は一般に、ガラスまたは強化ガラス等の剛性の高い材料を太陽電池上面に配置し、太陽電池を保護している。このような太陽電池一体屋根材の受光面はほぼ平坦な表面に限定され、一体化のための屋根材は少なくとも一部ほぼ平坦な表面を有する屋根材を使用する他はなく、意匠上も極めて単調なものに成らざるを得なかった。また、少なくとも一部ほぼ平坦な表面を有する屋根材の表面に太陽電池を一体化すると、屋根材の働き面積に対する太陽電池の受光面積はほぼ平坦な表面部に限定されるため、結果として従来の太陽電池一体屋根材は使用枚数が多くなり、施工作業も煩雑で高コストである。ひいては、建築物の屋根面積、屋根形状の都合から、所望量の電力を得るのに必要な太陽電池の受光面積が確保できないといった極めて致命的な課題があった。
【0006】
屋根材に太陽電池を一体化したものとしては、たとえば、特開平10−93127号公報に見られるように、平瓦の表側の中央部に凹部を設け、太陽電池が装着されているものが提案されている。このような太陽電池一体屋根材は一般に、ガラスまたは強化ガラス等の剛性の高い材料を太陽電池上面に配置し、太陽電池を保護している。このような屋根材は、太陽電池を装着するために、平瓦の表側の中央部に凹部を形成する必要があり、凹部を形成しない通常の屋根材に比較し、踏み割れ強度が不足し、施工時等に太陽電池を破損してしまうという課題がある。また踏み割れ強度を向上させるために、屋根材を厚くすると、該太陽電池一体型屋根材の重量が重くなり、施工が困難であるばかりか、建築物の躯体に負担がかかり、耐震性が低下といった課題がある。
【0007】
更に、従来の太陽電池一体屋根材の太陽電池の接続コードの取り出し方としては、前記特開平10−93127号公報に見られるように、平瓦の表側の中央部に凹部を設け、平瓦の流れ方向と直交する上側周辺より外側に連通する凹溝が設けられ、更に、この上側周縁の外側端縁に防水リブが立設され、太陽電池の接続コードが、上記凹溝を挿通されるとともに、上記防水用リブを乗り越えて外側に引き出されているという方法や、特開平10−102687号公報に見られるような、平瓦の裏面の平坦部の流れ勾配方向にリブが間隔を開けて並設され、このリブ間の一部に表面に貫通する貫通孔が設けられ、この貫通孔に太陽電池の接続コードおよびプラグが挿通して引き出されるといった方法が提案されている。
【0008】
このような太陽電池の接続コードの取り出し方においては、該屋根材の表面に凹溝を設けたり、表面から裏面に貫通孔を設けなくてはならず、屋根材の加工に手間がかかり、さらに、防水上、耐久性上、課題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の問題点に鑑み、耐久性、雨仕舞いに優れ、屋根面に負担をかけない軽量で、施工性に優れ、安価でかつ意匠性に優れた、住宅などの屋根に敷設することにより太陽光を利用して電力を得ることができる太陽電池一体型屋根材を提供するものである。
【0010】
請求項1に係る太陽電池一体型屋根材にあっては、少なくとも表面に曲面及び、又は平面を有する窯業系屋根基材の該表面にシート状の可曲性を有する太陽電池モジュールが接合一体化されており、葺いたときに上に重なる屋根材との重なり部まで前記太陽電池モジュールの上縁が配置され、更に、葺いたときに下に重なる屋根材との重なり部まで前記太陽電池モジュールの下縁が配置されていることを特徴とする。
【0011】
本発明のシート状の可曲性を有する太陽電池モジュールとは太陽電池部と太陽電池部を封止、保護する材料と、絶縁被覆された接続用導体から構成され、該太陽電池モジュールの厚みが3mm以下を言う。特に該太陽電池モジュールの厚みが1mm程度の厚みが好ましい。可曲性とは太陽電池部を曲率半径100mm以下まで曲げても、発電特性に実質的に変化がないものをいう。曲率半径50mm以下まで曲げても、発電特性に実質的に変化がないものが好ましい。
【0012】
本発明の太陽電池は公知の結晶系シリコン、多結晶系シリコン、非晶質シリコン系の太陽電池のいずれを用いても良いが、可曲性の点から、非晶質シリコン系の太陽電池が好ましい。
【0013】
本発明において窯業系屋根基材とは、水硬性原料とその他の無機質原料および混練用の水からなり、混練、成形、養生したもの、若しくは粘土を主原料として混練、成形、焼成した釉薬瓦およびいぶし瓦などをいう。水硬性原料としては、たとえば市販の普通のポルトランドセメント、アルミナセメント、高炉セメント、石膏等を用いることができる。水硬性原料の添加量はセメント原料とその他の無機質原料を主成分とする固形分100重量部に対して10重量部〜70重量部使用する。
【0014】
その他の無機質原料としては珪石、長石、川砂、粘度、明礬石、ゼオライト、珪藻土、ガラス粉末、フライアッシュ、高炉スラグ等が用いられる。混練用の水は、前述の固形分100重量部に対して10重量部〜50重量部、好ましくは20重量部〜40重量部添加する。
【0015】
本発明の屋根基材の製造においては、その他の無機質原料に補強繊維を添加することも可能である。補強繊維としては、例えばポリプロピレン、ビニロン、ポリエチレン、ポリエステル、アラミド、ポリアミド、ナイロン、パルプ等の有機繊維および石綿、ワラストナイト、ガラス、鋼等の無機繊維を用いることができる。合成繊維は、セメント原料とその他の無機質原料を主成分とする固形分100重量部に対し、0.1重量部〜10重量部添加するのが好ましい。合成繊維の直径は1μm〜1mmが好ましく、20μm〜0.5mmが特に好ましい。
【0016】
本発明の屋根基材の製造において、必要に応じて水溶性高分子が添加されてもよい。前記水溶性高分子としては、例えばメチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルローズ、ヒドロキシルセルローズ、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド等を用いることができる。
【0017】
本発明の屋根基材の製造において、さらに必要に応じて無機質充填材を添加してもよい。前記無機質充填材としては、例えば、珪砂、川砂、フライアッシュ、高炉スラグ、粘土、ベントナイト、炭酸カルシウム、シリカフューム等が使用できる。
【0018】
本発明においては、必要に応じて顔料を添加することも可能である。添加する原料は、グンジョウ、カドミウムエロー、ベンガラ、クロムエロー、鉛白、チタン白、カーボンブラック、酸化鉄黒、酸化鉄ブラウンなどの顔料を使用できる。
【0019】
本発明に使用する窯業系屋根基材は、表面に曲面及び、又は平面を有するものであり、これらの面にシート状の可曲性を有する太陽電池モジュールを接合することが可能である。その一例を図2に示すように屋根基材の表面の平面部,曲面部に関わらず屋根材の葺き上がりの露出面に太陽電池モジュールが配されると、それだけで太陽電池の発電量を上げることができる。このように、窯業系屋根基材の表面は平面であっても曲面であっても、平面と曲面の双方を有していても良い。尚、シート状の可曲性を有する太陽電池モジュールの裏面と屋根基材の表面がなじむようにするために、窯業系屋根基材に曲面を有する場合には、その曲面が実質的に平行な直線の連続で構成される曲面であることが好ましく、更に、窯業系屋根基材に曲面を有する場合には、シート状の可曲性を有する太陽電池モジュールの曲げ可能な最小曲率半径よりも大きな曲率半径を有する曲面であることが好ましい。尚、前記した実質的に平行な直線の連続で構成される曲面の具体的な例を挙げると、波型,S字型,半円筒型等である。
【0020】
本発明の太陽電池モジュールが一体化された屋根材におけるシート状の可曲性を有する太陽電池モジュールと窯業系屋根基材の表面との接合は、窯業系屋根基材の表面にシート状の可曲性を有する太陽電池モジュールを載置し、その表面に細長い金属製の板やフレーム等を載置し、金属製のネジや金属製のビスで金属製の板やフレーム等を窯業系屋根基材に固定する方法でシート状の可曲性を有する太陽電池モジュールを窯業系屋根基材の表面に接合する方法でも、金属製の断面コ字型の材料でシート状の可曲性を有する太陽電池モジュールの縁部を挟み、その金属製の材を窯業系屋根基材の表面に接合する方法でも良く、更に、接着剤を使用して太陽電池モジュールを屋根基材に接着固定する方法でも良く、またこれらの方法を組み合わせた固定法でも良い。尚、金属材料としては、アルミニウムやステンレス鋼,ガルタイト等の錆難い金属であることが好ましい。
【0021】
本発明の太陽電池モジュールが一体化された屋根材は、表面に曲面及び、又は平面を有する窯業系屋根基材を使用し、その表面にシート状の可曲製を有する太陽電池モジュールが接合されているものであり、それゆえ、屋根材の表面に太陽電池を埋め込むための凹部を形成する必要がなく、凹部を形成しない通常の屋根材と同等の踏み割れ強度を有する屋根材とすることができる。このように凹部を形成する必要がないので、普通の屋根材の厚みで製造することができ、太陽電池一体型屋根材の重量が大きくならず、屋根葺き作業を容易にできるばかりか、建築物の躯体に負担が掛からず、建築物の躯体に負担が掛かった場合のような耐震性の低下を防止することができる。
【0022】
本発明の太陽電池一体型屋根材は、シート状の可曲性を有する太陽電池モジュールが窯業系屋根基材に一体化している。このため、屋根基材の平面部、曲面部に関わらず、該太陽電池部が配置できるため、受光面積が平面部に限定されること無く、該太陽電池一体型屋根材の葺き上がり露出面に、太陽電池部を有効的に配置させることができる。このため、この発明の太陽電池一体型屋根材は使用枚数を減らすことができ、限りある屋根面積を有効に太陽電池の受光面積として使用することが可能となる。
【0023】
また、太陽の角度および屋根勾配に関わらず、屋根材の葺き上がり露出面全ての面において太陽光の照射を受け、太陽光を有効的に電気に変換することができる。
【0024】
本発明の太陽電池一体型屋根材は、窯業系屋根基材からなる。窯業系屋根基材は一般に安価であり、しかも不燃性を有する。金属系屋根材に比較し熱容量が大きく、屋根面に施工した時に太陽電池の温度上昇を緩和し、熱劣化による太陽電池の特性低下を有効に低減できる。また、窯業系屋根基材は絶縁性が高く、太陽電池モジュール及び配線の破壊、劣化等による漏電を有効に防止することができる。
【0025】
本発明の太陽電池一体型屋根材は、葺いたときに上に重なる屋根材との重なり部まで該太陽電池モジュールの上縁が配置され、更に、葺いたときに下に重なる屋根材との重なり部まで該太陽電池モジュールの下縁が配置されている。太陽電池モジュールの重なり代は5mm以上、より好ましくは10mm以上であることが望ましい。葺き足方向に重なる該屋根材との間には野地板との不陸、該屋根材の寸法精度により5mm程度の隙間が開くことがあり、この隙間以上重なり代をとることが望ましい。
【0026】
太陽電池モジュールの上縁部および下縁部の木口が直接風雨に露出されることが無く、太陽電池の耐久性向上を図ることが可能である。さらに、該太陽電池モジュールと該屋根材が万一、一部剥がれるようなことがあっても、葺き足方向に重なっているため、剥がれの進行を良好に防止し、強風時には太陽電池モジュールの飛散を防止することができる。
【0027】
請求項2に係る太陽電池一体型屋根材にあっては、少なくとも表面に曲面及び、又は平面を有する窯業系屋根基材の該表面にシート状の可曲性を有する太陽電池モジュールが接合一体化されており、前記窯業系屋根基材の前記太陽電池モジュールとの接合面において、接合面から該窯業系屋根基材へ透気する部分が少なくとも一部形成されていることを特徴とする。
【0028】
本発明でいう屋根材面に少なくとも一部透気する部分とは、該屋根材の厚み方向の通気率が20×10-6[cm3 ・cm/(sec・cm2 ・g/cm2 )]以上であるものをいう。
【0029】
太陽電池モジュールと該屋根材を一体化するにあたり使用する接着材の塗布工程および貼り付け工程時の巻き込み気泡の、該太陽電池一体型屋根材の製造時および施工時、施工後の熱膨張によるふくれを良好に防止するとともに、本発明の太陽電池一体型屋根材で用いる接着材の硬化反応副生成物を該屋根基材を通して大気中に散逸させ、硬化反応副生成物の、該太陽電池一体型屋根材の製造時および施工時、施工後の熱膨張によるふくれを良好に防止することが可能である。
【0030】
請求項3に係る太陽電池一体型屋根材にあっては、可曲性を有する太陽電池モジュールの太陽電池部の基板が有機系の材料からなることを特徴とする。
【0031】
有機系の材料は、ステンレス等の無機材料に比較し、可曲性が高く、結果として可曲性に優れた太陽電池モジュールを作成することが可能である。より高い可曲性を有しているため、該太陽電池一体型屋根材の葺き上がり露出面に、太陽電池部を有効的に配置させることができる。このため、この発明の太陽電池一体型屋根材は使用枚数を減らすことができ、限りある屋根面積を有効に太陽電池の受光面積に使用することが可能となる。
【0032】
また、太陽の角度および屋根勾配に関わらず、屋根材の葺き上がり露出面全ての面において太陽光の照射を受けることができ、太陽光を有効的に電気に変換することができる。
【0033】
請求項4に係る太陽電池一体型屋根材にあっては、可曲性を有する太陽電池モジュールの太陽電池部の基板が芳香族ポリアミドフィルム材料からなることを特徴とする。
【0034】
芳香族ポリアミドフィルムは、可曲性が高い上に、耐熱性が高く、寸法安定性が高いため、太陽電池一体型屋根材の長期的な信頼性を向上することができる。芳香族ポリアミドフィルムの熱膨張率は10ppm/℃以下が好ましい。また、芳香族ポリアミドフィルムは、着色されているものも使用可能である。芳香族ポリアミドフィルムの厚みは、20〜50μmが好ましい。
【0035】
請求項5に係る太陽電池一体型屋根材にあっては、該太陽電池一体型屋根材を、屋根上に葺いたときに該屋根材と野地板の間にできる空間、若しくは上に重なる屋根材との間にできる空間が、実質的に電力引出部の配線、接続端子、電力ケーブル等を敷設可能な空間が形成されることを特徴とする。
【0036】
実質的に電力引出部の配線、接続端子、電力ケーブル等を敷設可能とは、太陽電池モジュールの電力引出部の配線、該配線に接続される接続端子、接続端子を接続する電力ケーブル等を接続した状態で、屋根面にこれらが露出しないように敷設可能なことをいう。
【0037】
本発明の太陽電池一体型屋根材にあっては、該太陽電池一体型屋根材を、屋根上に葺いたときに該屋根材と野地板の間にできる空間、若しくは上に重なる屋根材との間にできる空間が、実質的に電力引出部の配線、接続端子、電力ケーブル等を敷設可能な空間が形成されるため、太陽電池モジュールの電力引出部の配線、該配線に接続される接続端子、接続端子を接続する電力ケーブル等を接続した状態で、屋根面にこれらが露出しないように敷設可能となり、意匠的に美しい屋根面を構成することが可能となる。
【0038】
また、該空間の空気層により太陽電池の温度上昇が緩和され、高温時の効率低下を効果的に抑制することが可能である。
【0039】
請求項6に係る太陽電池一体型屋根材にあっては、太陽電池モジュールの電力引出部の配線が、帯状の平薄金属板で構成され、太陽電池の陽極部と陰極部とに接続されているとともに、太陽電池を表裏から挟んで覆っている電気絶縁性を有する耐候性保護材で太陽電池と一体的に覆われて形成されていることを特徴とする。
【0040】
本発明の帯状の金属薄膜はアルミ、銅、金、銀等の導電性が高い金属を用いるのが好ましい。太陽電池を表裏から挟んで覆っている電気絶縁性を有する耐候性保護材は、まず太陽電池を表裏からエチレン・酢酸ビニル共重合体等の樹脂で封止し、その表裏を更に耐候性の高いエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、ポリエチレン、ポリエステル等のフィルムを使用することが可能である。
【0041】
本発明の電力引出部の配線は、太陽電池モジュールとほぼ同じ厚みであることが好ましい。また、太陽電池モジュールと同等以上の可曲性を有することが好ましい。
【0042】
本発明において、太陽電池モジュールの電力引出部の配線が、帯状の平薄金属板で構成され、太陽電池の陽極部と陰極部とに接続されているとともに、太陽電池を表裏から挟んで覆っている電気絶縁性を有する耐候性保護材で太陽電池と一体的に覆われて形成されているため、太陽電池の陽極部と陰極部とに接続点における信頼性を向上することが可能である。また、太陽電池の接続コードを挿通するために、該窯業系屋根基材に凹溝を設けたり、該窯業系屋根基材に電力引出部の配線、接続端子、電力ケーブル等を裏面又は側面に通すための貫通孔を設ける必要が無く、該屋根材加工にかかる手間を省略化でき、さらに、屋根材としての防水性、耐久性を向上することが可能である。
【0043】
屋根材としての防水性、防火性などの機能を損なうこと無く、施工された住宅および建築物を快適に安全な状態に維持することが可能である。
【0044】
請求項7に係る太陽電池一体型屋根材にあっては、太陽電池モジュールの電力引出部の配線が、帯状の平薄金属板で構成され、太陽電池の陽極部と陰極部とに接続されているとともに、太陽電池を表裏から挟んで覆っている電気絶縁性を有する耐候性保護材で太陽電池と一体的に覆われ、少なくとも該窯業系屋根基材を屋根上に葺いたときに上に重なる屋根材と野地板の間にできる空間まで延長、形成されていることを特徴とする。
【0045】
上記太陽電池一体型屋根材は、該電力引出部の配線が、少なくとも該窯業系屋根基材を屋根上に葺いたときに上に重なる屋根材との間にできる空間まで延長、形成されているため、電力引出部の配線が、葺き足方向に重なる屋根材と野地板の間にできる空間に配置される。このため、該太陽電池モジュールの絶縁被覆された電力引出部の配線が、風雨および紫外線に直接曝露されることが無く、さらに該空間の空気層により温度変化が大幅に緩和され、長期的な電力引出部の配線の劣化による断線、漏電などを有効に防止し、長期的な耐久性を向上させることが可能である。
【0046】
また、該太陽電池一体型屋根材の施工時において、屋根面を歩行する際に、電力引出部の配線が、乱雑になることがなく、安全に作業を進めることができ、作業効率が向上する。該太陽電池一体型屋根材の施工後においても、メンテナンス等で屋根面を歩行する際に、電力引出部の配線が屋根面に露出していないので、安全に作業を進めることができ、作業効率が向上する。さらに、電力引出部の配線が、屋根面に露出していないので、意匠上優れた屋根面に仕上げることが可能である。
【0047】
請求項8に係る太陽電池一体型屋根材にあっては、窯業系屋根基材と太陽電池モジュールの接合面は、実質的に直線を平行に移動して得られる曲面および平面であり、接合面と接合面以外には段差が設けられ、屋根材の葺き足方向上部において、該太陽電池モジュールの上縁部上面と該屋根基材上面の接合部に段差が無い、もしくは太陽電池モジュール上面が屋根基材面よりも低くなっていることを特徴とする。本発明では屋根材の葺き足方向上部において、該太陽電池モジュールの上面と該屋根基材上面の接合部にコーキング、シーリングを施したり、粘着テープの貼付等で防水処理することも可能である。
【0048】
屋根材の葺き足方向上部において、該太陽電池モジュールの上面と該屋根基材上面の接合部は、葺きあがった状態では、屋根面に露出することはないが、雨水の吹き込み、雨水の流れ等により、雨水と接触、埃土が堆積することがある。屋根材の葺き足方向上部において、該太陽電池モジュールの上面と該屋根基材上面の接合部に段差が無い、もしくは太陽電池モジュール上面が屋根基材面よりも低くなっていることにより、容易に雨水および埃土が排出され、太陽電池モジュールの木口からの水の浸入、埃土への微生物、菌類、黴、苔等の繁殖などを有効に防止し、該太陽電池一体型屋根材の耐久性向上を図ることが可能である。
【0049】
請求項9に係る太陽電池一体型屋根材にあっては、施工時に葺き足調整可能であることを特徴とする。
【0050】
本発明でいう葺き足とは、該屋根材を葺いた時に該屋根材の屋根面に露出する該屋根材の葺き足方向の長さのことをいう。葺き足の調整可能な長さは5mm〜100mmが好ましく、10〜50mmがより好ましい。
【0051】
葺き足調整可能であることにより、切り妻屋根のみならず、寄せ棟、入母屋屋根さらにこれらの屋根の組み合わせ等の複雑な屋根面にも、太陽電池部を有効的に配置させることが可能である。
【0052】
請求項10に係る太陽電池一体型屋根材にあっては、前記太陽電池モジュールと前記窯業系屋根基材とが、接着材で接合され、該接着材が着色されていることを特徴とする。
【0053】
本発明において、接着材は、弾性接着材、反応形樹脂系接着材、瞬間接着材、ゴム系溶剤形接着材、エマルジョン・ラテックス形接着材、ホットメルト系接着材、樹脂系溶剤形接着材などを使用することができる。この発明の接着材は、一般に耐候性が高いシリコーン、変成シリコーンの少なくとも1つを含むことが好ましい。シリコーン系接着材は、1成分縮合反応型、1成分付加反応型、2成分縮合型、2成分付加反応型などを使用することができる。変成シリコーン系接着材は、1成分縮合反応型、2成分縮合型、2成分付加反応型などを使用することができる。特殊変成シリコーンポリマーとエポキシを主成分とする接着材を用いることも可能である。
【0054】
接着材は好ましくは弾性接着材とよばれているものがよい。該太陽電池一体型屋根材は日間、年間で数十℃の温度差の負荷を繰り返しかけられるため、太陽電池モジュールと屋根材の線膨張係数の差による寸法変化を吸収する接着材が好ましい。また、接着に先立ち、適当なプライマーを使用することができる。
【0055】
本発明の太陽電池一体型屋根材で用いる接着材は、着色されていることを特徴とする。本発明の太陽電池モジュールと屋根材の一体化に使用する接着材は、ポリマーの組成を変えることで着色しても良いし、顔料、充填材を添加して着色してもよい、これらを組み合わせることで着色しても良い。添加する顔料は、グンジョウ、カドミウムエロー、ベンガラ、クロムエロー、鉛白、チタン白、カーボンブラックなどの無機顔料でも良いし、アゾ系、トリフェニルメタン系、キノリン系、アントラキノン系、フタロシアニン系その他の有機顔料を使用しても良いが、好ましくは無機系の顔料が好ましい。添加する充填材は、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム等を用いることができる。
【0056】
本発明の太陽電池一体型屋根材にあっては、前記太陽電池モジュールと前記窯業系屋根基材とが、接着材で接合され、該接着材が着色されているため、太陽電池モジュールと一体化されていない屋根材と色あわせが容易に行え、意匠上、美しい屋根を構成することが可能である。
【0057】
請求項11に係る太陽電池一体型屋根材にあっては、前記太陽電池モジュールと前記窯業系屋根基材とが、接着材で接合され、該接着材が高温で揮発するものを実質的に含まない、若しくは高温で揮発するものを実質的に発生しないことを特徴とする。
【0058】
本発明の太陽電池一体型屋根材で用いる接着材の含有物および硬化反応副生成物において、沸点85度以下の成分が硬化前の接着材重量の1重量%未満であることが好ましい。
【0059】
本発明の太陽電池一体型屋根材は屋根面上で使用されるため、夏期の日中にはその温度が85度程度まで上昇することがある。
【0060】
本発明の太陽電池一体型屋根材で用いる接着材の硬化反応副生成物において、沸点85度以下の成分が硬化前の接着材重量の1重量%未満であると、該太陽電池一体型屋根材の太陽電池モジュール面にふくれが生じず、性能の低下、剥離、さらには太陽電池モジュールの破損を防止することが可能である。また、強風時には太陽電池モジュールの飛散を招くことを防止することが可能である。
【0061】
請求項12に係る太陽電池一体型屋根材にあっては、太陽電池モジュールと窯業系屋根基材とが、接着材で接合面を接合され、該接着材層に実質的に、通気する部分が形成されていることを特徴とする。
【0062】
本発明でいう実質的に通気する部分とは、接着材層に内包された気泡、空気層、若しくは接着材が含有する高温で揮発する成分、若しくは接着材が発生する高温で揮発する成分を、該太陽電池一体型屋根材が屋根面に葺かれ、太陽に照らされ高温になったときに、速やかに大気中に放出される、ガスの通り道が形成されている部分をいう。
【0063】
本発明では、該太陽電池モジュールの一部を解放した周囲のみを接着する方法、スポット接着を該太陽電池接合面全体に施す方法、ほぼ接合面全面をビード状に接着する方法などを用いることができる。
【0064】
該太陽電池モジュールと該屋根材を一体化するにあたり使用する接着材の塗布工程および貼り付け工程時の巻き込み気泡の、該太陽電池一体型屋根材の製造時および施工時、施工後の熱膨張によるふくれを良好に防止するとともに、本発明の太陽電池一体型屋根材で用いる接着材の硬化反応副生成物を大気中に散逸させ、硬化反応副生成物の熱膨張によるふくれを良好に防止することが可能である。
【0065】
【発明の実施の形態】
第1実施例
図1は太陽電池モジュールの一例を示す平面図、図2は太陽電池一体型屋根材の一例を示す分解斜視図、図3は図2に示す太陽電池一体型屋根材の完成状態の斜視図、図4は図3に示す太陽電池一体型屋根材の屋根面へ葺いた時の断面図、図5は図4に示す太陽電池一体型屋根材の屋根面へ葺いた時の、葺き足方向に重なる太陽電池一体型屋根材と重なり部の断面詳細図である。
【0066】
図1において、シート状の可曲性を有する太陽電池モジュール2は、該太陽電池モジュール2の電力引出部の配線5が、帯状の平薄金属板で構成され、太陽電池7の陽極部と陰極部とに接続されているとともに、太陽電池7を表裏から挟んで覆っている電気絶縁性を有する耐候性保護材で太陽電池と一体的に覆われ、少なくとも太陽電池一体型屋根材1を屋根上に葺いたとき、上に重なる太陽電池一体型屋根材1の裏面部側まで延長し得るように形成され、若しくは図4に示すように、上に重なる太陽電池一体型屋根材1と野地板8との間にできる空間10まで延長し得るように形成されており、該電力部の配線5には接続用端子6が接続されている。
【0067】
図2において、本実施例の太陽電池一体型屋根材1は、シート状の可曲性を有する太陽電池モジュール2と実質的に平行な直線の連続で構成される曲面および平面である表面を少なくとも一部接合面3として有する窯業系屋根基材4とが一体化されている構造である。
【0068】
窯業系屋根基材4の接合面3に太陽電池モジュール2を接合することによって、太陽電池一体型屋根材1は、図3に示すように完成された状態となる。
【0069】
上記の如くして構成された請求項1に記載した太陽電池一体型屋根材1は通常の屋根材と同様の方法で野地板8の上面に葺かれる。即ち、下側に葺かれた太陽電池一体型屋根材1の上端部分に上側の太陽電池一体型屋根材1の下端部分を重ねて葺くことによって、多数の太陽電池一体型屋根材1が図4に示すように、個々の太陽電池一体型屋根材1と野地板8の間に空間10を形成した構造となる。
【0070】
図5において、本実施例の太陽電池一体型屋根材1の、葺いたときに上に重なる太陽電池一体型屋根材1との重なり部まで太陽電池モジュール2の上縁が配置され、更に、葺いたときに下に重なる太陽電池一体型屋根材1との重なり部まで太陽電池モジュール2の下縁が配置されている。
【0071】
上記太陽電池一体型屋根材1にあって、窯業系屋根基材4と太陽電池モジュール2の接合面3は、実質的に直線を平行に移動して得られる曲面および平面であり、接合面3と接合面以外には段差が設けられ、太陽一体型屋根材1の葺き足方向上部において、太陽電池モジュール2の上縁部上面と該屋根基材4の上面の接合部3に段差が無い、もしくは太陽電池モジュール2上面が屋根基材4の上面よりも低くなっている。
【0072】
上記太陽電池一体型屋根材1は施工時に葺き足調整可能である。また本実施例の窯業系屋根基材4は平面型であるが、ほんの一例に過ぎず、本実施例に限定されるものではない。
【0073】
第2実施例
窯業系屋根基材4の太陽電池モジュール2との接合面3において、接合面3から窯業系屋根基材4へ透気する部分を少なくとも一部形成した請求項2に記載した太陽電池一体型屋根材1を作成した。
【0074】
即ち、アクリル樹脂塗装を施したセメント系屋根基材4を作成し、該屋根基材4と太陽電池モジュール2との接合面3において、接合面3の防水層であるアクリル樹脂塗膜層を#60のサンドペーパーで研磨し、樹脂塗膜層を接合面3ほぼ全体に除去した。屋根基材4の厚み方向の通気率は、15×10-6[cm3 ・cm/(sec/cm2 ・g/cm2 )]であった。屋根基材4の接合面3に変成シリコーン・エポキシ系接着材(コニシ社製、MOS 1008)を500g/m2塗布し、該屋根基材4と太陽電池モジュール2を貼りあわせ、1週間室温にて硬化させ、請求項に係る太陽電池一体型屋根材1を作成した。
【0075】
上記の如くして作成した太陽電池一体型屋根材1を、実際に屋根面に施工し、1週間後、ふくれの発生を目視観察した。
【0076】
比較例1
アクリル樹脂塗装を施したセメント系屋根基材4を作成した。該屋根基材4の厚み方向の通気率は、10×10-7[cm3 ・cm/(sec/cm2 ・g/cm2 ]であった。変成シリコーン・エポキシ系接着材(コニシ社製、MOS 1008)を該屋根基材の接合面に500g/m2 塗布し、該屋根基材と太陽電池モジュールを貼りあわせ、1週間室温にて硬化させ、太陽電池一体型屋根材1を作成した。
【0077】
上記太陽電池一体型屋根材1を、実際に屋根面に施工し、1週間後、ふくれの発生を目視観察した。
【0078】
実施例3
窯業系屋根基材4の太陽電池モジュール2とを顔料を添加した接着材を用いて接合し、請求項10に係る太陽電池一体型屋根材1を作成した。
【0079】
即ち、黒色のアクリル樹脂塗装を施したセメント系屋根基材4を作成し、該屋根基材4と太陽電池モジュール2との接合面3において、接合面3の防水層であるアクリル樹脂塗膜層を#60のサンドペーパーで研磨し、樹脂塗膜層を接合面3ほぼ全体に除去した。変成シリコーン・エポキシ系接着材(コニシ社製、MOS1008)100重量部に対し、顔料(コニシ社製、カラーマスター黒)を1重量部添加し、着色された接着材を作成した。該接着材と該屋根基材4に塗布した塗料との色差は3であった。接着材を該屋根基材4の接合面3に500g/m2塗布し、屋根基材4と太陽電池モジュール2を貼りあわせ、1週間室温にて硬化させ、太陽電池一体型屋根材1を作成した。
【0080】
上記太陽電池一体型屋根材1を実際に屋根面に施工し、外観観察を行った。
【0081】
比較例2
窯業系屋根基材4と太陽電池モジュール2とを接着材を用いて接合し、太陽電池一体型屋根材1を作成した。即ち、黒色のアクリル樹脂塗装を施したセメント系屋根基材4を作成し、該屋根基材4と太陽電池モジュール2との接合面3において、接合面3の防水層であるアクリル樹脂塗膜層を#60のサンドペーパーで研磨し、樹脂塗膜層を接合面3ほぼ全体に除去した。変成シリコーン・エポキシ系接着材(コニシ社製、MOS1008)を該屋根基材の接合面に500g/m2 塗布し、該屋根基材4と太陽電池モジュール2を貼りあわせ、1週間室温にて硬化させ、太陽電池一体型屋根材1を作成した。該接着材と該屋根基材4に塗布した塗料との色差は55であった。
【0082】
上記太陽電池一体型屋根材1を実際に屋根面に施工し、外観観察を行った。
【0083】
実施例4
窯業系屋根基材4の太陽電池モジュール2とを高温で揮発するものを実質的に含まない、若しくは高温で揮発するものを実質的に発生しない接着材を用いて接合し、請求項11に係る太陽電池一体型屋根材1を作成した。
【0084】
即ち、アクリル樹脂塗装を施したセメント系屋根基材4を作成し、該屋根基材4と太陽電池モジュール2を、硬化反応副生成物であるメタノールとエタノールの合計発生量が全接着材の0.2重量部の接着材を用いて、接着し、1週間室温にて硬化させ、太陽電池一体型屋根材1を作成した。
【0085】
比較例3
アクリル樹脂塗装を施したセメント系屋根基材4を作成し、該屋根基材4と太陽電池モジュール2を、硬化反応副生成物であるメタノールとエタノールの合計発生量が全接着材の2重量部の接着材を用いて、接着し、1週間室温にて硬化させ、太陽電池一体型屋根材1を作成した。
【0086】
実施例5
太陽電池モジュール2と窯業系屋根基材4とが、接着材で接合面3を接合され、該接着材層に実質的に、通気する部分が形成されている太陽電池一体型屋根材1を作成した。
【0087】
即ち、アクリル樹脂塗装を施したセメント系屋根基材4を作成し、該屋根基材4と太陽電池モジュール2を、セメダイン社製『スーパーX』をφ5mm、40mmピッチのビード状に塗布し、貼り付け、実質的に、通気する部分が形成された請求項12に係る太陽電池一体型屋根材1を作成した。
【0088】
上記太陽電池一体型屋根材1を実際に屋根面に施工し、1週間後、ふくれの発生を目視観察した。
【0089】
比較例4
アクリル樹脂塗装を施したセメント系屋根基材4を作成し、該屋根基材4と太陽電池モジュール2を、セメダイン社製『スーパーX』を接合面全面に塗布し、貼り付け、実質的に、通気する部分が形成されない太陽電池一体型屋根材1を作成した。
【0090】
上記太陽電池一体型屋根材1を実際に屋根面に施工し、1週間後、ふくれの発生を目視観察した。
【0091】
実施例2と比較例1の評価結果を表1、実施例3と比較例2の結果を表2、実施例4と比較例3の結果を表3、実施例5と比較例4の結果を表4に示す。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】
【発明の効果】
本発明の太陽電池一体型屋根材を住宅などの屋根に敷設することにより、耐久性、雨仕舞いに優れ、屋根面に負担をかけない軽量で、施工性に優れ、安価に、太陽光を利用して電力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 太陽電池モジュールの一例を示す平面図である。
【図2】 太陽電池一体型屋根材の一例を示す分解斜視図である。
【図3】 太陽電池一体型屋根材の完成状態の斜視図である。
【図4】 太陽電池一体型屋根材の屋根面に葺いたときの断面図である。
【図5】 太陽電池一体型屋根材の屋根面へ葺いた時の、葺き足方向に重なる太陽電池一体型屋根材と重なり部の断面詳細図である。
【符号の説明】
1 太陽電池一体型屋根材
2 太陽電池モジュール
3 接合面
4 窯業系屋根基材
5 電力引出部の配線
6 接続用端子
7 太陽電池
8 野地板
9 電力ケーブル
10 空間
Claims (12)
- 少なくとも表面に曲面及び、又は平面を有する窯業系屋根基材の該表面にシート状の可曲性を有する太陽電池モジュールが接合一体化されており、葺いたときに上に重なる屋根材との重なり部まで前記太陽電池モジュールの上縁が配置され、更に、葺いたときに下に重なる屋根材との重なり部まで前記太陽電池モジュールの下縁が配置されていることを特徴とする太陽電池一体型屋根材。
- 少なくとも表面に曲面及び、又は平面を有する窯業系屋根基材の該表面にシート状の可曲性を有する太陽電池モジュールが接合一体化されており、前記窯業系屋根基材の前記太陽電池モジュールとの接合面において、接合面から該窯業系屋根基材へ透気する部分が少なくとも一部形成されていることを特徴とする太陽電池一体型屋根材。
- シート状の可曲性を有する太陽電池モジュールに於いて、その電池部の基板が有機系の材料を用いていることを特徴とする請求項1又は2に記載した太陽電池一体型屋根材。
- シート状の可曲性を有する太陽電池モジュールに於いて、その電池部の基板が芳香族ポリアミドフィルムであることを特徴とする請求項3に記載した太陽電池一体型屋根材。
- 屋根上に葺いたときに該屋根材と野地板の間に、実質的に電力配線若しくは電力ケーブル、接続端子等を敷設可能な空間が形成されることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載した太陽電池一体型屋根材。
- 太陽電池モジュールの電力引出部の配線が、帯状の平薄金属板で構成され、太陽電池の陽極部と陰極部とに接続されているとともに、太陽電池を表裏から挟んで覆っている電気絶縁性を有する耐候性保護材で太陽電池と一体的に覆われて形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載した太陽電池一体型屋根材。
- 太陽電池モジュールの電力引出部の配線が、帯状の平薄金属板で構成され、太陽電池の陽極部と陰極部とに接続されているとともに、太陽電池を表裏から挟んで覆っている電気絶縁性を有する耐候性保護材で太陽電池と一体的に覆われ、少なくとも該太陽電池一体型屋根材を屋根上に葺いたときに上に重なる屋根材の裏面部側まで延長して形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載した太陽電池一体型屋根材。
- 窯業系屋根基材と太陽電池モジュールの接合面は、実質的に直線を平行に移動して得られる曲面および平面であり、接合面と接合面以外には段差が設けられ、屋根材の葺き足方向上部において、該太陽電池モジュールの上縁部上面と該屋根基材上面の接合部に段差が無い、もしくは太陽電池モジュール上面が屋根基材面よりも低くなっていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載した太陽電池一体型屋根材。
- 施工時に葺き足調整可能であることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載した太陽電池一体型屋根材。
- 前記太陽電池モジュールと前記窯業系屋根基材とが、接着材で接合され、該接着材が着色されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載した太陽電池一体型屋根材。
- 前記太陽電池モジュールと前記窯業系屋根基材とが、接着材で接合面の略全面を接合され、該接着材が高温で揮発するものを実質的に含まない、若しくは高温で揮発するものを実質的に発生しないことを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載した太陽電池一体型屋根材。
- 前記太陽電池モジュールと前記窯業系屋根基材とが、接着材で接合面を接合され、該接着材層に実質的に、通気する部分が形成されていることを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載した太陽電池一体型屋根材。
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