JP3717746B2 - 排ガス浄化用金属担体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車エンジンなどの内燃機関からの排出ガスを浄化するための金属担体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属担体は、厚さ50μm程度の耐熱性のあるフェライト系ステンレス鋼などの金属よりなる平箔と、平箔をコルゲート加工した波箔とを、渦巻き状に巻回したり、或いは交互に重ねて積層したりしてハニカム体を形成し、これを耐熱性のあるフェライト系ステンレス鋼などの金属で製造された外筒に収納し、ロー付けなどにより相互に接合して構成されている。排ガスの流量は、メタルハニカム体の中央部ほど多く、従って温度上昇も速い。そして平箔は波箔に比べて熱応力を吸収しにくいため、平箔における波箔との接合箇所に応力歪が発生し易く、いわゆるフィルムアウト現象の発生が心配される。また、平箔と波箔とから構成されるサインセルでは、両者の接合点に鋭角的な隙間が当然発生し、予めロー材を塗布された平箔・波箔を巻回し、外筒に入れて加熱処理するとロー材が溶出して、ここに極端なコート溜りが発生してセル断面積を縮減してしまう欠点を有している。
【0003】
上記のフィルムアウトを安いコストで防止する構造が、特公昭60―27807号公報(以下、第1従来例と記載する)に開示されている。この公報に記載の金属担体は、排出ガスの流路を形成している一方の金属箔が局所的な隆起部又は突出片を、隣接する他方の金属箔がそれぞれ隆起部又は突出片に対応する凹部又は孔を具備しており、両者が互いに形状拘束的に作用を及ぼし合う構造の担体である。
【0004】
担体中央部の昇温が高くなり過ぎるのを防止するための技術として、特許第2648281号公報(以下、第2従来例と記載する)が開示されている。これは、複数の重畳配置された金属板状構造体から構成された渦流形成構造をしている。この渦流形成構造は、架橋状部分2と、これより巾の狭い樋溝状部分3とを有し、第1列の樋溝状部分3の底部4が、第2列の架橋状部分2の頂部5と同一平面内にあり、かつこれらが交互に並設されたものである。そのため、層方向にずれて配置されているため、架橋状部分2における樋溝状部分3の側方は開口6となっているとともに、平坦帯状片7により両者間が仕切られている。なお、この渦流形成構造は、全体として筒状体に形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
第1従来例では、2枚の、しかも径方向に間隔を開けて重層巻回する夫々に突出片、凹部を設け、両者の形状拘束作用により、フィルムアウトを防止している。そのため、この効果を得るには、これら突出片、凹部の成形ピッチが正確でなければならず、またその組立では極めて注意を要する。更に、突出片が成形された1枚と、凹部が成形された1枚とで1つのセットとしたとき、セット自体のフィルムアウトは低減できるとしても、そのセット間でのフィルムアウトについては、解消されるか否かは不明である。
【0006】
第2従来例では、架橋状部分2と、これより巾の狭い樋溝状部分3とが、層方向にずれて配置されている。これは、あらかじめ1層目と、2層目との成形配置をずらせて成形するか、又は同じ成形配置の1層目と2層目とを層方向に重畳配置するときに1層目と2層目との第2列の架橋状部分2と樋溝状部分3との位置をずらせるかの何れかの方法を採用することになる。しかしながら、これらは、単純な組合せではなく、構造が複雑になるとともに、経済的に高コストになる。なお、第2従来例では、開口部6を設けたことは軽量化に寄与するが、仕切り用に平坦帯状片7を設けているため、軽量化に逆効果となっている。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、簡単な構成で、フィルムアウトを防止するとともに、触媒作用を向上させ、担体の局部的加熱を防止できる排ガス浄化用金属担体及びその方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、長尺金属薄箔から成る触媒担持用ハニカム坦体は、正六角形の半分を成す連続した三辺と、この両端部から両方向に一辺の長さ分延びた水平部とを有した形状を、連続成形した金属薄箔を、所望の位置で180度折り返して重ね合わせてセルを形成したハニカム部を有しており、排ガス自然流路方向から見た断面形状は、正六角形断面のセルを層状に多数密接して配置した形状であり、前記正六角形断面のセルが、180度折り返し部以外は、排ガス自然流路方向にn分割されており、1/n毎に、正六角形の半分を成す台形形状の突部が位置する方向が180度異なり、その間に渦流を発生させる空間が設けられているハニカム体を、断熱材とともに内装した外筒により構成した排ガス浄化用金属担体である。
【0009】
従って、ハニカム体には、鋭角部がないので、コート溜りの発生がないとともに、フィルムアウト現象を防止できる。また、ハニカム部が上述の構造をしているため、通過する排ガスが乱流形状となり、排ガスが触媒と接触する機会が増大し、触媒反応効果が有効に得られ、担体が局部的に加熱されるのを防止できる。また、排気ガスの流路の選択巾が広がり、排気ガスの自己調圧が期待され通気抵抗が少なくなり、内燃機関の出力ロスが低減され、出力向上が図れる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の排ガス浄化用金属担体において、正六角形の一辺の長さ相当分の水平部に続いて、正六角形の対角線を水平方向に位置させたときの、正六角の対角線から上側の半分形状と、下側の半分形状とが、長尺金属平箔の全巾の1/n毎に180度対称の方向に形成され、次に正六角形の一辺の長さ相当分の水平部を介在させて、これと、正六角形の対角線から上側の半分形状と、下側の半分形状とが、長尺金属平箔の全巾の1/n毎に180度対称の方向に形成される成形が連続的に繰り返され、所望の位置で180度折り返されて方向転換されるコーナー部の正六角形のセルだけは、長尺金属平箔の全巾にわたって一様に形成された下側の半分形状の中心線を折り返して、この折り曲げ部を接触固定することによって形成されているものである。
【0011】
請求項1の効果に加え、容易な製造工程で形成できるとともに、折り返されて方向転換されるコーナー部が、長尺金属平箔の全巾にわたって一様に形成されたセルが形成されているため、外周部分への局所的荷重に対し、変形や破損の恐れを少なくすることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化用金属担体において、長尺金属薄箔の全幅の1/n毎に、180度対称の方向に形成される正六角形の対角線から上側の半分形状及び下側の半分形状のそれぞれの端面が長尺金属平箔の巾に対して、平行又は斜状、或いは弧状の何れかであるものである。
【0013】
従って、ハニカム部を通過する排ガスが、より乱流形状となり、排ガスが触媒と接触する機会が増大し、触媒反応効果が有効に得られ、担体が局部的に加熱されるのを一層、防止することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、長尺の金属平箔に対して正六角形の一辺の長さ相当分の水平部を残し、正六角形の対角線を水平方向に位置させたときの、正六角形の対角線から上側の半分形状と、下側の半分形状とを、長尺金属平箔の全巾の1/n毎に180度対称の方向に成形し、次に正六角形の一辺の長さ相当分を長尺金属平箔の全巾にわたって介在させ、続いて、正六角形の対角線から上側の半分形状と、下側の半分形状とを前回同様、長尺金属平箔の全巾の1/n毎に対称の方向に成形し、同様に水平部と成形部を交互に連続成形し、180度折り返して積層配置して外筒の形状に適応させるため所望の長さの地点で折り返し部を介在させ、この折り返し部では、長尺金属平箔の全巾にわたって一様に設けられている正六角形の一辺の長さ相当分に続いて、正六角形の半分を成す連続した三辺(ロ)、(ハ)、(ニ)と、これに続いて延長させた正六角形の一辺の長さ相当分の水平部(イ)、(ホ)とを有した形状を全巾にわたって一様に成形し、この形状の中心線を折り目として180度折り曲げて、折り曲げ部を対接させて2層目を形成し、連続して3層目、4層目…と形成して、外筒の形状に適応したm層まで積層して、前記ハニカム体を形成する排ガス浄化用金属担体の製造方法である。
【0015】
従って、請求項1〜請求項3までの効果を得られる排ガス浄化用金属担体を、簡単な構成で、容易に製造でき、コスト低減に寄与することができる。また、長尺金属薄箔1種だけの成形によって形成されるとともに、渦流発生空間を設けているので、その分、ハニカム体の重量を大巾に削減できる。従って、浄化開始時に、加熱されるハニカム体12の量が少ないので、このハニカム体12が瞬間に加熱され、反応開始時間を短縮することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体化した実施形態について、図1〜図4に基づいて説明する。
【0017】
金属担体11はハニカム体12の外周全面に断熱材13が巻着されて構成されており、その状態のまま外筒14に圧入されている。ハニカム体12は後述する製法により形成されている。その材料は、公知の厚さ50μm以下の耐熱性のあるフェライト系ステンレス鋼箔であり、バインダーの塗布、ロー散布、真空ロー付けなどの処理も、また公知の方法でよい。断熱材13の材質も公知のアルミナスラリー等の耐火性物質でよく、外筒14の材質も断熱性のあるフェライト系ステンレス鋼など公知のものでよい。
【0018】
図2に示すように長尺の平箔21を、正六角形の一辺の長さ相当分Eを残して、所定数に切り込む。例えば平箔21の全巾Wを、夫々の長さW1,W2,W3,W4に4等分割して切り込んだ場合には、平箔21に形成する凸部22を長さW1,W2,W3,W4毎に交互に形成する。すなわち、長さW1の部分が平箔21の水平面に対して上向きに突出させたならば、隣の長さW2の部分では下向きに突出させ、その隣の長さW3の部分は上向きに突出させ、長さW4の部分は下向きに突出させるように形成する。突出する形状は、上向き形状も下向き形状も全く同じで、正六角形の半分をなす台形形状である。
【0019】
次に、正六角形の一辺の長さ相当分の間隔を有する水平部23を残した位置から、再び正六角形の上(下)側半分の凸部22を成形する。即ち上(下)側の半分の凸部22と図の左右方向に延びた正六角形の一辺の長さ相当分の水平部23とを交互に連続して所望長さに配置して、波箔の1層目201とし、この1層目201を外筒14の形状に適応した形状にするために折り曲げる。折り曲げ部Cでは、平箔21の全巾Wを4分割することなく全巾Wが一体で正六角形をなす半分の台形形状に成形されている。図3に示すように、この台形形状の中心線24を中心として180°反転させて、点線で示す配置とする。即ち、中心線24で、180度反転させられた部分26は、部分25の下側に、部分26’として位置し、この部分26に続いている部分27も、同様に部分27’として位置し、部分28は、部分28’に位置する。そのため、部分25と部分26’とが対接して折り返し部を形成し、部分30,29,27’,28’で平箔21の全巾Wにわたって、一様な正六角形の4辺を形成することとなる。
【0020】
今、仮に、図3に示す如く正六角形断面のセルa,b,c,dで1層目201を形成し、中心線24で180度反転させて、セルeをセルe’に位置させ、セルfをセルf’に位置させて3層目202’を形成する。すると、1層目201と3層目202’との間に、平箔21の全巾Wにわたって一様な正六角形の4辺(部分30,29,27’,28’)を含む正六角形断面のセルAが形成される。また、正六角形断面のセルc,d,e’,f’によって、正六角形断面のセルBが形成される。同様にして、1層目201と、3層目202’との間に、セルが形成される。従って、これらが2層目201’となり、平箔21が折り返す前の状態では、2層目となる予定だった部分202は、反転されてハニカム体12の3層目202’を形成する。
【0021】
このようにして、第n層まで積層して、図1に示すハニカム体12を完成させる。その後、このハニカム体12の外周全面に断熱材13を巻着し、外筒14に圧入して金属担体11を得ることができる。このとき、図4に示すように、折り返されて方向転換されるコーナー部には、上述したセルAと同様に、長尺金属平箔の全巾にわたって一様に形成されたセル33が形成されている。
【0022】
以上、本発明の実施の形態では、以下のような特徴を得ることができる。
(a)本実施の形態のハニカム体12では、鋭角部がないので、コート溜りの発生がなく、フィルムアウト現象の発生を防止できる。
【0023】
(b)本実施の形態では、セルA,Bの全巾W方向において、長さW1,W2,W3,W4毎に、正六角形断面を形成する方向が180度異なっているため、ハニカム体12を通過する排ガスが乱流となり、触媒との接触機会が増大し、ミキシングによる触媒反応効果が得られる。また、このような構成にしたため、排ガスが通過する流路の選択巾が広がるので、極端に高圧となる部分がなくなり、排気ガスの自己調圧効果が得られる。従って、内燃機関の出力ロスが低減され、出力向上も図れる。
【0024】
(c)本実施の形態では、平箔21を折り曲げて、すなわち長尺金属薄箔1つだけでハニカム体12を形成しているので、構造が簡単で、コストを低減することができるとともに、ハニカム体12を軽量にすることができる。このため、浄化開始時に、加熱されるハニカム体12の量が少ないので、このハニカム体12が瞬時に加熱され、反応開始時間を短縮することができる。
【0025】
(d)本実施の形態では、部分26を折り返すことにより、平箔21をハニカム体12の形状に構成したので、その製造方法が簡単である。
(e)本実施の形態では、外筒14の形状に適応させるために、180度折り折り返されて方向転換されるコーナー部には、長尺金属平箔の全巾にわたって一様に形成されたセルA、33が形成されているので、外周部分への局所的荷重に対し、変形や破損の恐れを少なくすることができる。
(変形例)
なお、上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
【0026】
・上記実施の形態では、1層目を、排ガス流路方向に、六角形状の半分を成す形状が上側又は下側に交互に位置するようにした。しかし、これを2層目からm−1層目(最後の層の1つ前の層)までについて行い、1層目と最後の層であるm層目は、正六角形の一辺の長さ相当分に続いて、正六角形の半分を成す連続した三辺と、この両端部から一辺の長さ分延びた水平部とを有した形状を全巾にわたって一様に成形するようにしてもよい。この場合には、上部又は下部における局所的荷重に対し、変形や破損の恐れを少なくすることができる。
【0027】
・また、上記実施の形態では、長尺金属平箔の全幅の1/n毎に、180度対称の方向に形成される正六角形の半分の形状のそれぞれの幅方向の端面が、長尺金属平箔の巾に対して、平行となるようにした。しかしながら、長尺金属平箔の巾に対して斜状や、円弧状なした状態で形成されるように切り込みを入れてもよい。また、一部が斜状をなした状態としてもよい。例えば、図6に示すように、上側又は下側に突出した六角形状の半分を成す台形断面の真中の面36の辺が斜状になっている長尺金属平箔37としてもよい。また、図7に示すように、上側又は下側に突出した六角形状の半分を成す台形断面の真中の面38の辺が山型斜状になっている長尺金属平箔39としてもよい。
これらの場合、隣り合う面36、38の辺は、それぞれに整合するような形状をしている。なお、長尺金属平箔37のこの斜状を明確にするために、図6及び図7には、上記の実施形態で示した長尺金属平箔の巾に対して平行に形成された六角形状を二点鎖線で示している。
【0028】
・ハニカム体12の全体形状は、外筒14の形状に合せて形成すればよく、例えば図5に示すように、外筒14が例えば八角形の多角形であれば、これに合うように、平箔21を折り曲げるように変更してもよい。
【0029】
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる請求項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの効果とともに以下に記載する。
(1)長尺金属薄箔から成る触媒担持用ハニカム坦体を、断熱材とともに内装した外筒により構成した排ガス浄化用金属胆体において、
前記ハニカム担体が、
排ガス自然流路方向から見て、正六角形断面のセルを層状に多数密接して配置した形状で、
排ガス自然流路方向に対して直交する方向から見て、前記正六角形断面のセルを、排ガス流路方向には、正六角形の半分をなす台形形状の突部が位置する方向が180度、交互に異なる形状としたハニカム部を備え、
このハニカム部の空間において、渦流を発生させるようにしたことを特徴とする排ガス浄化用金属担体。
【0030】
従って、請求項1と同様な効果を得ることができる。
【0031】
【発明の効果】
正六角形断面のセルの集合体であるので、このハニカム体では鋭角部が皆無であり、サインセルの場合のようなコート溜りの発生がなく、フィルムアウトの発生が防止できる。セルの長さ方向においてn分割され、1/n毎に正六角形断面を形成する方向が180度異なっているので、そこに渦流を発生させる空間が設けられ、排ガスの通過過程に乱流形状により、万遍なく触媒との接触機会が増加し、ミキシングによる触媒反応効果が期待できる。
【0032】
また、長尺金属薄箔1種だけの成形によって形成されているハニカム体は製造が簡単でコスト低減に寄与できるし、渦流発生空間を設けているので、その分、ハニカム体の重量を大巾に削減できる。そのため、この効果として立上がり時、瞬時加熱により反応開始時間の短縮ができる。また、排気ガスの流路の選択巾が広がり、排気ガスの自己調圧が期待され、通気抵抗が少なくなり、内燃機関の出力ロスが低減され、出力向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】排ガス浄化用金属担体の一実施形態を示す正面断面図。
【図2】ハニカム部を構成する平箔の構造を示す斜視図。
【図3】ハニカム体の製造方法の説明図。
【図4】製造後のハニカム体の一部の斜視図。
【図5】変更例における排ガス浄化用金属担体を示す正面断面図。
【図6】ハニカム体を形成する長尺金属薄箔の第1変更例の要部の斜視図。
【図7】同じく第2変更例の要部の斜視図。
【符号の説明】
a,b,B,c,d,e,e’、f、f’…セル、A,33…コーナー部の正六角形のセル、C…折り曲げ部、W…全巾、W1,W2,W3,W4…長さ、11…金属担体、12…ハニカム体、13…断熱材、14…外筒、21…平箔、23…水平部、24…中心線、25,26’…折り返し部、201’…2層目、202’…3層目。
Claims (4)
- 長尺金属薄箔から成る触媒担持用ハニカム坦体は、
正六角形の半分を成す連続した三辺と、この両端部から両方向に一辺の長さ分延びた水平部とを有した形状を、連続成形した金属薄箔を、所望の位置で180度折り返して重ね合わせてセルを形成したハニカム部を有しており、
排ガス自然流路方向から見た断面形状は、正六角形断面のセルを層状に多数密接して配置した形状であり、
前記正六角形断面のセルが、180度折り返し部以外は、排ガス自然流路方向にn分割されており、1/n毎に、正六角形の半分を成す台形形状の突部が位置する方向が180度異なり、
その間に渦流を発生させる空間が設けられているハニカム体を、
断熱材とともに内装した外筒により構成した排ガス浄化用金属担体。 - 正六角形の一辺の長さ相当分の水平部に続いて、正六角形の対角線を水平方向に位置させたときの、正六角の対角線から上側の半分形状と、下側の半分形状とが、長尺金属平箔の全巾の1/n毎に180度対称の方向に形成され、
次に正六角形の一辺の長さ相当分の水平部を介在させて、これと、正六角形の対角線から上側の半分形状と、下側の半分形状とが、長尺金属平箔の全巾の1/n毎に180度対称の方向に形成される成形が連続的に繰り返され、
所望の位置で180度折り返されて方向転換されるコーナー部の正六角形のセルだけは、長尺金属平箔の全巾にわたって一様に形成された下側の半分形状の中心線を折り返して、この折り曲げ部を接触固定することによって形成されている請求項1に記載の排ガス浄化用金属担体。 - 長尺金属薄箔の全幅の1/n毎に、180度対称の方向に形成される正六角形の対角線から上側の半分形状及び下側の半分形状のそれぞれの端面が長尺金属平箔の巾に対して、平行又は斜状、或いは弧状の何れかである請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化用金属担体。
- 長尺の金属平箔に対して正六角形の一辺の長さ相当分の水平部を残し、正六角形の対角線を水平方向に位置させたときの、正六角形の対角線から上側の半分形状と、下側の半分形状とを、長尺金属平箔の全巾の1/n毎に180度対称の方向に成形し、
次に正六角形の一辺の長さ相当分を長尺金属平箔の全巾にわたって介在させ、続いて、正六角形の対角線から上側の半分形状と、下側の半分形状とを前回同様、長尺金属平箔の全巾の1/n毎に対称の方向に成形し、
同様に水平部と成形部を交互に連続成形し、180度折り返して積層配置して外筒の形状に適応させるため所望の長さの地点で折り返し部を介在させ、
この折り返し部では、長尺金属平箔の全巾にわたって一様に設けられている正六角形の一辺の長さ相当分に続いて、正六角形の半分を成す連続した三辺と、これに続いて延長させた正六角形の一辺の長さ相当分の水平部とを有した形状を全巾にわたって一様に成形し、
この形状の中心線を折り目として180度折り曲げて、折り曲げ部を対接させて2層目を形成し、連続して3層目、4層目…と形成して、外筒の形状に適応したm層まで積層して、前記ハニカム体を形成する排ガス浄化用金属担体の製造方法。
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