JP3716596B2 - サーミスタ素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、雰囲気温度や固体温度等の検出、あるいは電子回路等の温度補償を行うのに用いられるサーミスタ素子に関し、より詳細には、サーミスタ素体内に複数の内部電極を形成してなる積層型のサーミスタ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、温度の検出や温度補償に、種々のサーミスタ素子が幅広く用いられている。また、用途によっては、低抵抗のサーミスタが求められており、低抵抗化を図るために、図6に示すチップ型の積層サーミスタ素子が提案されている。
【0003】
図6(a),(b)に示すように、サーミスタ素子61は、半導体セラミック材料よりなるサーミスタ素体62内に複数の内部電極63a〜63eをサーミスタ素体層を介して重なり合うように配置した構造を有する。内部電極63a,63c,63eが端面62aに引き出されており、端面62aに形成された外部電極64aに接続されている。他方、内部電極63b,63dが端面62bに引き出されており、端面62bに形成された外部電極64bに接続されている。
【0004】
また、サーミスタ素子61では、抵抗値のばらつきを低減するために、内部電極63a,63c,63eと、内部電極63b,63dとの幅が異ならされている。これを、内部電極63b,63cを代表して図6(b)を参照して説明する。
【0005】
内部電極63bと、内部電極63cとは、長さL1 の範囲で重なり合っている。もっとも、内部電極63bの幅W1 に比べて、内部電極63cの幅W2 が小さくされている。
【0006】
従って、上記サーミスタ素子61を製造するにあたり、内部電極63a〜63eが上面に形成された各グリーンシートを積層するにあたり、幅方向に積層ずれが生じたとしても、内部電極63cが内部電極63bの幅W1 内に含まれる領域に配置される限り、抵抗値のばらつきが生じ難い。
【0007】
しかしながら、内部電極63b,63dの幅W1 と、内部電極63a,63c,63eの幅W2 とを異ならせた場合であっても、長さ方向、すなわち対向2端面62a,62bを結ぶ方向に積層ずれが生じた場合には、内部電極が重なり合っている領域の長さ寸法L1 がばらつき、やはり抵抗値がばらつくという問題があった。
【0008】
他方、特開平6−53008号公報には、サーミスタ素体の対向2端面を結ぶ上記長さ方向の積層ずれに起因する抵抗値のばらつきを低減し得る積層型サーミスタ素子が開示されている。この積層型サーミスタ素子の構造を、図7を参照して説明する。
【0009】
サーミスタ素子71では、サーミスタ素体72の対向2端面72a,72bから中央に向かって延びるように、第1,第2の内部電極73a,73bがそれぞれ形成されている。第1,第2の内部電極73a,73bは、中央において、所定距離を隔てて対向されている。内部電極73a,73bは、それぞれ、端面72a,72bに形成された外部電極74a,74bに接続されている。
【0010】
また、内部電極73a,73bとサーミスタ素体層を介して重なり合うように、第3の内部電極73cが埋設されている。内部電極73cは、外部電極74a,74bに接続されていない。
【0011】
サーミスタ素子71では、第3の内部電極73cが第1,第2の内部電極73a,73bに重なり合っているため、内部電極73a,73bが形成されたグリーンシートと、内部電極73cが形成されたグリーンシートとを積層するにあたり、長さ方向すなわち対向2端面72a,72bを結ぶ方向に積層ずれが生じたとしても、該積層ずれに起因する抵抗値のばらつきを低減し得る。
【0012】
すなわち、第1の内部電極73aと、第3の内部電極73cとの重なり合っている部分の長さ寸法b1 が積層ずれにより小さくなった場合には、長さ寸法b1 が小さくなった分だけ、逆に、第2の内部電極73bと、第3の内部電極73cとの重なり合っている領域の長さ寸法b2 が大きくなる。従って、長さ方向の積層ずれに起因する抵抗値のばらつきを低減することができる。さらに、横方向の積層ずれに起因する抵抗値のばらつきを低減させるには、内部電極73a,73bと、内部電極73cの幅寸法に差をつければよく、前述した図6に示したサーミスタ素子61と同様の効果が得られる。しかし、電極重なり寸法(b1 +b2 )がL1 より小さく、かつ直列になるため、抵抗値が図6のサーミスタ素子61に比べて大幅に大きくなり、低抵抗化が難しくなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、図7に示した積層型サーミスタ素子71においては、積層ずれに起因する抵抗値のばらつきは低減し得るものの、抵抗値が大きくなってしまい、低抵抗値にすることができなかった。また、図6に示したサーミスタ素子61は、抵抗値を小さくすることができるが、幅方向に沿った積層ずれに起因する抵抗値のばらつきは低減し得るものの、長さ方向への積層ずれに起因する抵抗値のばらつきを抑制することはできなかった。
【0014】
本発明の目的は、低抵抗化を図り得る積層型サーミスタにおいて、積層ずれに起因する電極重なり面積のばらつきを抑制することができ、低抵抗であり、かつ抵抗値精度が高いサーミスタ素子を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係るサーミスタ素子は、対向し合う第1,第2の端面を有するサーミスタ素体と、前記サーミスタ素体の第1の端面に引き出された第1の内部電極と、第1の内部電極の先端と所定距離を隔てて対向されており、かつサーミスタ素体内に埋設されている第1のフローティング電極と、前記サーミスタ素体の第2の端面に引き出された第2の内部電極と、前記第2の内部電極の先端と所定距離を隔てて対向されており、かつサーミスタ素体内に埋設されている第2のフローティング電極と、第1,第2の端面に形成された第1,第2の外部電極とを備え、第1,第2のフローティング電極がサーミスタ素体内において厚み方向に重なり合うように配置されており、かつ第1,第2のフローティング電極の長さ及び幅を、それぞれ、l1 ,w1 ,及びl2 ,w2 としたときに、l1 >l2 かつw1 >w2 とされていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項2に記載の発明では、前記第1,第2のフローティング電極が、第1,第2の内部電極と厚み方向に重なり合わない領域に形成されている。
請求項3に記載の発明では、第1,第2のフローティング電極のうち、少なくとも一方が、それぞれ、所定距離を隔てて配置された複数のフローティング電極部を有するように分割されている。
【0017】
請求項4に記載の発明では、前記第1の内部電極と、第1のフローティング電極とが異なる高さ位置に形成されている。
請求項5に記載の発明では、前記第2の内部電極と、第2のフローティング電極とが異なる高さ位置に形成されている。
【0018】
請求項6に記載の発明では、前記第1の内部電極及び第1のフローティング電極からなる第1の電極対、並びに第2の内部電極及び第2のフローティング電極からなる第2の電極対のうち少なくとも一方が、複数形成されている。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1(a)及び(b)は、本発明の第1の実施例に係るチップ型積層サーミスタ素子を説明するための縦断面図及び平面断面図である。なお、本実施例のチップ型サーミスタ素子1は、負の抵抗温度特性を有するサーミスタ素体2を用いて構成されており、従ってNTCサーミスタ素子と動作するように構成されている。
【0020】
サーミスタ素体2は、負の抵抗温度特性を有する半導体セラミックスにより構成されており、対向2端面2a,2bを有する直方体状の形状を有する。なお、以下においては、サーミスタ素体2の端面2a,2bを結ぶ方向を長さ方向、該長さ方向と直交し、サーミスタ素体2の上面及び下面と平行な方向を幅方向、サーミスタ素体2の上面、下面を結ぶ方向を高さ方向とする。
【0021】
端面2aからサーミスタ素体2内に延びるように第1の内部電極3aが形成されている。第1の内部電極3aの先端すなわち内側端と、長さg1 の所定のギャップを隔てて第1のフローティング電極3bが形成されている。
【0022】
また、端面2bから内側に向かって第2の内部電極4aが形成されている。第2の内部電極4aの先端と、長さg2 のギャップを隔てて第2のフローティング電極4bが形成されている。
【0023】
本実施例では、第1の内部電極3a及び第1のフローティング電極3bが同一高さ位置に形成されている。また、第2の内部電極4a及び第2のフローティング電極4bが同一高さ位置に形成されている。また、第1,第2のフローティング電極3b,4bは、サーミスタ素体層2cを介してその厚み方向に重なり合うように形成されている。
【0024】
図1(b)から明らかなように、第1のフローティング電極3bの長さl1 及び幅w1 は、第2のフローティング電極4bの長さl2 及び幅w2 に対し、l1 >l2 かつw1 >w2 の関係を満たすように構成されている。
【0025】
なお、第1,第2のフローティング電極3b,4bは、図1では矩形の形状を有するように構成されているが、矩形以外の他の形状とされていてもよい。すなわち、第2のフローティング電極4bを下方に投影した場合に、第1のフローティング電極3bが形成されている領域内に含まれる形状に形成されておりさえすれば、両者の形状は特に限定されるものではない。
【0026】
また、第1,第2のフローティング電極3b,4bは、第1,第2の内部電極3a,4aに対し、厚み方向に重なり合わない領域に形成されている。
なお、5a,5bは、それぞれ、第1,第2の外部電極を示し、端面2a,2bを覆うように形成されている。
【0027】
サーミスタ素子1を製造するにあたっては、先ず、第1の内部電極3a及び第1のフローティング電極3bが印刷されたグリーンシートと、第2の内部電極4a及び第2のフローティング電極4bが印刷されたグリーンシートとを、無地のグリーンシートと共に積層し、得られた積層体を加圧した後、焼成することによりサーミスタ素体2を得る。従って、従来のサーミスタ素子61,71と同様に、上記グリーンシートの積層ずれに起因する抵抗値のばらつきが問題となる。
【0028】
しかしながら、サーミスタ素子1では、サーミスタ素体層を介して重なり合っているのは、第1,第2のフローティング電極3b,4bであり、第1,第2のフローティング電極3b,4bが上述した特定の寸法関係を有するように構成されているため、幅方向及び長さ方向のいずれの方向に積層ずれが生じた場合であっても、第2のフローティング電極4bが、第1のフローティング電極3bを上方に投影した領域内に含まれる限り、積層ずれに起因する抵抗値の変動が生じない。
【0029】
従って、積層ずれに起因する抵抗値のばらつきが生じ難いサーミスタ素子1を提供することができる。
なお、上記サーミスタ素体2としては、負の抵抗温度特性を有する適宜の半導体セラミックスを用いて構成することができるが、PTCサーミスタを構成するために正の抵抗温度特性を有する半導体セラミックスを用いてサーミスタ素体2を構成してもよい。また、第1,第2の内部電極3a,4a及びフローティング電極3b,4bについては、Ag、Ag−Pdなどの適宜の導電性材料を用いて構成することができ、特に限定されるものではない。
【0030】
さらに、外部電極5a,5bについても、サーミスタ素体2の端面2a,2bを覆うようにAgペーストなどの導電ペーストを塗布し、焼き付けることにより、あるいはAgもしくはAg−Pdなどの導電性材料をメッキ、蒸着もしくはスパッタリング等により端面2a,2bに付与することにより形成することができる。
【0031】
また、外部電極5a,5bについては、半田付け性を高めるために、AgもしくはAg−Pdからなる外部電極上にNiメッキ層を介して、Snメッキ層を形成した積層構造としてもよく、外部電極5a,5bの材料及び積層構造などについても、特に限定されるものではない。
【0032】
次に、具体的な実験例につき説明する。
Mn、Ni及びCo等の遷移金属酸化物を混合してなる負の抵抗温度特性を有するセラミック粉末に、バインダー樹脂、分散剤及び表面活性剤を混合し、セラミックスラリーを調製し、該セラミックスラリーを用い、厚み50μmのセラミックグリーンシートを得た。次に、上記セラミックグリーンシートを所定の矩形形状に打ち抜き、複数枚の矩形のマザーのセラミックグリーンシートを得た。
【0033】
1枚のマザーのセラミックグリーンシート上に、Ag−Pdペーストを印刷し、第1の内部電極3a及び第1のフローティング電極3bをマトリクス状に複数形成した。また、他の1枚のマザーのセラミックグリーンシート上に、第2の内部電極4a及び第2のフローティング電極4bをマトリクス状に複数形成した。上記第1,第2のマザーのセラミックグリーンシートを、無地の他の適宜の枚数のマザーのセラミックグリーンシートと共に、積層ずれ量を後述のように調整して積層し、厚み方向に加圧し、圧着し、マザーの積層体を得た。
【0034】
しかる後、マザーの積層体を厚み方向に切断し、個々のサーミスタ素子1単位の積層体チップを得、該積層体チップを焼成し、サーミスタ素体2を得た。
上記サーミスタ素体2の端面2a,2bにAgペーストを塗布し、焼き付けることにより外部電極5a,5bを形成した。
【0035】
上記のようにして、長さ1.6mm×幅0.8mm×厚み0.8mmの寸法のサーミスタ素体2を有し、図1に示した幅w1 =0.5mm、l1 =0.8mm、w2 =0.3mm、l2 =0.6mm、g1 =0.1mm、g2 =0.2mmである実施例のチップ型サーミスタ素子を得た。
【0036】
上記のようにして得られた実施例のチップ型サーミスタ素子の抵抗値R及びB定数を測定した。結果を、抵抗値R及びB定数の各ばらつきと共に下記の表1に示す。
【0037】
なお、表1において、実施例の積層ずれ0及び積層ずれ0.05mmは、それぞれ、図1(b)に示すように、マザーのセラミックグリーンシートが積層ずれを有しないように積層した場合並びに図2に示すように、幅方向及び長さ方向に0.05mmの積層ずれを生じているように積層した場合の結果を示す。
【0038】
また、比較のために、第1,第2のフローティング電極3b,4bの寸法を第1のフローティング電極3bと同一としたことを除いては、上記実施例と同様にしてチップ型サーミスタ素子を作製した。この比較例のサーミスタ素子の抵抗値R及びB定数並びにこれらのばらつきについても、下記の表1に併せて示す。比較例における積層ずれ0及び積層ずれ0.05mmは、実施例の場合と同様の意味内容を表すものとする。
【0039】
なお、表1において、3CV=(3σ/X)×100(%)、但し、σは標準偏差、Xは平均値を示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003716596
【0041】
表1から明らかなように、第1,第2のフローティング電極の寸法を同一とした比較例に比べ、実施例のチップ型サーミスタ素子では、長さ方向及び幅方向に0.05mmのグリーンシート積層ずれが生じた場合であっても、抵抗値の変動がほとんどないチップ型サーミスタ素子の得られることがわかる。
【0042】
(変形例)
上述した実施例のチップ型サーミスタ素子1では、第1,第2のフローティング電極3b,4bは、単一の矩形形状の内部電極で構成されていたが、本発明に係るサーミスタ素子では、図3(a)に示すように、フローティング電極を複数のフローティング電極部に分割してもよい。
【0043】
すなわち、図3(a)に示すサーミスタ素子11では、第2のフローティング電極4bが、複数のフローティング電極部4b1 ,4b2 に分割されている。この場合、フローティング電極部4b1 ,4b2 は、互いに所定距離を隔てて対向されているが、第2のフローティング電極4bの幅w2 及び長さl2 は、図示のように両者が形成されている領域外線の幅及び長さとされる。
【0044】
また、図3(a)では、フローティング電極部4b1 ,4b2 は、長さ方向に沿って分割されていたが、幅方向に沿って分割されていてもよい。
図3(b)に示すサーミスタ素子12では、フローティング電極が分割されているのではなく、第1,第2のフローティング電極が、同じ高さ位置において、それぞれ、複数形成されている。すなわち、第1の内部電極3aと同じ高さ位置において、複数の第1のフローティング電極3b,3bが所定距離を隔てて形成されている。他方、第2のフローティング電極についても、第2の内部電極4aと同じ高さ位置において、複数の第2のフローティング電極4b,4bが形成されている。この場合、第1,第2のフローティング電極の長さ及び幅は、図示のl1 ,l2 ,w1 ,w2 で示すように、各フローティング電極3b,4bの長さ及び幅寸法で決定されることになる。
【0045】
また、サーミスタ素子1では、第1,第2の内部電極3a,4aが、それぞれ、対応する第1,第2のフローティング電極3b,4bと同一高さ位置に形成されていたが、図4に示すように、第1の内部電極3aは、第1のフローティング電極3bと異なる高さ位置に形成されていてもよく、同様に、第2の内部電極4aについても、第2のフローティング電極4bと異なる高さ位置に形成されていてもよい。
【0046】
また、特に図示はしないが、第1の内部電極3aのみが対応するフローティング電極3bと異なる高さ位置に形成されていてもよく、あるいは第2の内部電極4aのみが対応するフローティング電極4bと異なる高さ位置に形成されていてもよい。
【0047】
さらに、図5に示すように、第1の内部電極3aと第1のフローティング電極3bで構成される第1の電極対及び第2の内部電極4aと第2のフローティング電極4bで構成される第2の電極対が、それぞれ、サーミスタ素体2内において複数積層されていてもよい。また、いずれか一方の電極対のみが複数積層されていてもよい。
【0048】
図3〜図5に示したように、本発明に係るサーミスタ素子における内部電極及びフローティング電極の構造は、第1,第2のフローティング電極が上記特定の寸法関係を満たすようにして、サーミスタ素体を介して厚み方向に重なり合っている限り、種々変形することができる。
【0049】
本発明は、負の抵抗温度特性を有するNTCサーミスタ素子及び正の抵抗温度特性を有するPTCサーミスタ素子のいずれにも適用することができる。また、上記対向2端面に第1,第2の外部電極が形成されているので、プリント回路基板などに容易に表面実装し得るチップ型のサーミスタ素子として用いることができる。
【0050】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、サーミスタ素体内に、第1,第2の内部電極及び第1,第2のフローティング電極を形成してなり、第1,第2のフローティング電極がサーミスタ素体層を介して厚み方向に重なり合っている構成において、第1のフローティング電極の長さl1 及び幅w1 と、第2のフローティング電極の長さl2 及びw2 とが、l1 >l2 かつw1 >w2 の関係を満たすように形成されているので、長さ方向及び幅方向のいずれの方向に積層ずれが生じた場合であっても、抵抗値のばらつきが生じ難いサーミスタ素子を提供することが可能となる。
【0051】
従って、低抵抗化を図り得る積層型サーミスタ素子であって、抵抗値精度を効果的に高め得る。
請求項2に記載の発明によれば、第1,第2のフローティング電極が、第1,第2の内部電極と厚み方向に重なり合わないように形成されているため、第1,第2のフローティング電極と、第1,第2の内部電極との重なり合いに起因する抵抗値のばらつきが生じ難い、より一層抵抗値のばらつきの少ないサーミスタ素子を提供することができる。
【0052】
請求項3に記載の発明によれば、第1,第2のフローティング電極のうち、少なくとも一方が、それぞれ、複数のフローティング電極部を有するように分割されているため、同じサーミスタ素体を用いて、様々な抵抗値を有し、しかも抵抗値のばらつきの少ないサーミスタ素子を提供することが可能となる。
【0053】
請求項4に記載の発明では、第1の内部電極と、第1のフローティング電極とが異なる高さ位置に形成されており、請求項5に記載の発明では、第2の内部電極と第2のフローティング電極とが異なる高さ位置に形成されているので、それぞれ、各内部電極とフローティング電極との間の距離を調整することにより、同一サーミスタ素体を用い、様々な抵抗値を有し、しかも抵抗値のばらつきの少ないサーミスタ素子を提供することが可能となる。
【0054】
請求項6に記載の発明では、第1の内部電極及び第1のフローティング電極からなる第1の電極対並びに第2の内部電極及び第2のフローティング電極からなる第2の電極対の少なくとも一方が複数形成されているので、より一層低抵抗であり、かつ抵抗値のばらつきの小さいサーミスタ素子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の一実施例に係るサーミスタ素子の縦断面図及び平面断面図。
【図2】具体的な実験例において作製した実施例のチップ型サーミスタ素子の平面断面図であり、長さ方向及び幅方向に0.05mm積層ずれが生じている場合を示す図。
【図3】(a)及び(b)は、本発明に係るサーミスタ素子の各変形例を示す平面断面図。
【図4】本発明のサーミスタ素子のさらに他の変形例を説明するための縦断面図。
【図5】本発明に係るサーミスタ素子の他の変形例を説明するための縦断面図。
【図6】(a)及び(b)は、従来のチップ型サーミスタ素子の一例を説明するための縦断面図及び平面断面図。
【図7】(a)及び(b)は、従来のチップ型サーミスタ素子の他の例を説明するための縦断面図及び平面断面図。
【符号の説明】
1…サーミスタ素子
2…サーミスタ素体
2a,2b…端面
2c…サーミスタ素体層
3a…第1の内部電極
3b…第1のフローティング電極
4a…第2の内部電極
4b…第2のフローティング電極
4b1 ,4b2 …フローティング電極部
11,12…サーミスタ素子

Claims (6)

  1. 対向し合う第1,第2の端面を有するサーミスタ素体と、
    前記サーミスタ素体の第1の端面に引き出された第1の内部電極と、
    第1の内部電極の先端と所定距離を隔てて対向されており、かつサーミスタ素体内に埋設されている第1のフローティング電極と、
    前記サーミスタ素体の第2の端面に引き出された第2の内部電極と、
    前記第2の内部電極の先端と所定距離を隔てて対向されており、かつサーミスタ素体内に埋設されている第2のフローティング電極と、
    第1,第2の端面に形成された第1,第2の外部電極とを備え、
    第1,第2のフローティング電極がサーミスタ素体内において厚み方向に重なり合うように配置されており、かつ第1,第2のフローティング電極の長さ及び幅を、それぞれ、l1 ,w1 ,及びl2 ,w2 としたときに、l1 >l2 かつw1 >w2 とされていることを特徴とする、サーミスタ素子。
  2. 前記第1,第2のフローティング電極が、第1,第2の内部電極と厚み方向に重なり合わない領域に形成されている、請求項1に記載のサーミスタ素子。
  3. 前記第1,第2のフローティング電極のうち少なくとも一方が、それぞれ、所定距離を隔てて分離された複数のフローティング電極部を有するように分割されている、請求項1または2に記載のサーミスタ素子。
  4. 前記第1の内部電極と、第1のフローティング電極とが異なる高さ位置に形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載のサーミスタ素子。
  5. 前記第2の内部電極と、第2のフローティング電極とが異なる高さ位置に形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載のサーミスタ素子。
  6. 前記第1の内部電極及び第1のフローティング電極からなる第1の電極対、並びに第2の内部電極及び第2のフローティング電極からなる第2の電極対の少なくとも一方が、複数形成されている、請求項1〜5のいずれかに記載のサーミスタ素子。
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