JP3716134B2 - 動揺装置の動作指令データ生成方法及び動揺装置 - Google Patents

動揺装置の動作指令データ生成方法及び動揺装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動作機構の動作制御方法に係り、特に映像との組み合わせにより人間に擬似的な動作感覚である体感を付与するためのシミュレーションライドと呼ばれる装置、アミューズメント用等のモーションライドと呼ばれる装置、これに類する動作機構、振動台その他の装置の運動を生成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
映像と組み合わせて機構を動作させ、これにより当該機構に搭乗した人間に擬似体験を付与するものとして、アミューズメント用モーションライド、あるいはシミュレーションライドと呼ばれる装置がある(以下、ライド装置と総称する)。その代表的なものは、例えば米国特許第5499920号公報、Method of Generating an Event Simulationなどに示されている。これらの装置には、映像と動作機構とに関する技術に着目すると下記のようなものがある。
【0003】
まず、映像に関しては、実写の映像を用いるものとコンピュータグラフィクス(CG)の技術により映像を生成するもの、また両者を併用するものなどがある。いずれの場合も、宇宙船等の疑似体験の対象となる物体の運動を計画し、この運動に対応した映像をCG、ミニチュアモデルを用いた実写等により作成するものが一般的である。この場合、映像に合わせてライド装置の動作も同様に作成する。ライド装置の動作の作成は、産業用ロボット等におけるのと同様に、実際にライド装置を動かしての教示、動作軌道を時間に対する位置の変化として数値として与える教示、などの手法を用いて行われる。また、ライド装置が模擬する移動体等の動作を数式等の形で記述し、これに基づいて計算により生成する手法もある。ここで、ライド装置の搭乗者に対して体験させる一連の映像と動作から成る内容、ストーリーは、コンテンツと呼ばれる。ここでは、必要な場合においては、映像コンテンツ、動作コンテンツ、としてこれらを区別して称することとする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ライド装置の動作は、上述のように映像に合わせて教示するのが通常である。この動作の教示は、ライド装置の動作軌道の代表点を指定し、これら代表点間をスプライン曲線などにより接続することによって与えることが一般的である。この教示作業は、動作軌道の設計とも呼ぶことが出来る作業であるが、ライド装置に搭乗する人間に対して動作感覚、体感を付与することが目的となるため、極めて熟練を要する作業である。また、ライド装置の動作範囲が有限である等の制約条件と、搭乗者の臨場感に影響を及ぼす刺激は視覚と動作との相乗効果として与えられることから、映像に合わせてライド装置の動作を作成するとともに、逆にライド装置の動作に合わせて映像を修正作成する、という必要が生ずる場合もあり、熟練に加えて手間と時間を要する作業である。また、疑似体験の対象となる仮想物体の運動ないしはライド装置の運動をモデルとして数式化し、これに基づいて実時間で動作指令を生成しつつ制御を行う方法においても、搭乗者の体感のみならず、ライド装置の動作範囲、機構の性能などをも考慮に入れて生成を行う必要があり、搭乗する人間に対して現実感を与えるためには数式のみに基づく演算だけではなく、上記したような熟練を要する動作軌道の設計作業と併用されることが通常である。
【0005】
このようなライド装置の動作軌道の設計作業は、一般的にライド装置機構の自由度配置などの特性を考慮しつつ行なうものであるため、ライド装置の機構に依存した作業となる。すなわち、全く同一の映像を用いたコンテンツであっても、ある特定のライド装置機構に対して設計した動作軌道は、基本的には別のライド装置機構に対しては適用できないということになる。
【0006】
この問題について、産業用ロボットの分野とのアナロジを用いて更に説明する。産業用ロボットには、直角座標型、円筒座標型、極座標型、多関節型などの機構のものがあるが、かつてはそれぞれの機構の各自由度の変位、すなわち関節の位置、角度を記憶させて動作の軌道を教示していたため、手先に取り付けた作業工具先端の動作軌道を仮に全く同一となるように動作させる必要がある場合においても、個別の機構毎に動作の教示をし直さなければならなかった。しかし、Paul著"Robot Manipulators"(MIT Press, 1981)あるいは、特開昭51-25273号公報などに示されるように、手先作業工具の動作軌道をロボットの機構とは独立した一般的な直交座標系を用いて表わし、記憶するとともに制御することによって、機構に依存しない動作軌道の記述、設計が可能となった。
【0007】
この産業用ロボットの例においては、ロボット手先の作業工具の先端の動作軌道、すなわち動作位置ならびに動作の速度を制御することが要件となるが、本発明で対象としているライド装置では、人間が搭乗するプラットフォーム部の動作において、当該搭乗者の体感を極力同一とすることが必要となる。すなわち、ライド装置では産業用ロボットと異なり、機構が異なる場合にはその動作軌道を変更してでも、擬似的に同様の体感を与えるように動作することが要求される。この意味において、両者はその目的、手段が全く異なるものではある。
【0008】
本発明の目的は、ライド装置において、限られた動作範囲、機構性能でも、搭乗する人間に対して現実感を与える動作を実現することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、ライド装置において、動作軌道の設計を容易にすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、複数の自由度を有する機構を動作させて人間に運動感覚を与えるライド装置である動揺装置の動作指令を、この動揺装置よりも自由度が多い第2の動揺装置の動作を変換して指令する動揺装置の動作指令データ生成方法において、前記動揺装置が第2の動揺装置よりも少ない自由度が回転運動の自由度であれば、この回転運動の軸に直交する2つの並進運動の自由度成分を用いて、具備しない自由度の運動を、置換、代行し、前記動揺装置が第2の動揺装置よりも少ない自由度が並進運動の自由度であれば、この並進運動の方向を接線方向に有する回転運動の自由度成分で置換、代行し、前記第2の動揺装置の運動を前記動揺装置が置換、代行するときにその置換、代行が、並進運動から回転運動への置換、代行の場合には、並進変位成分および並進速度成分、並進加速度成分の少なくともいずれかを、回転変位成分および回転速度成分、回転加速度成分の少なくともいずれかを用いて変換し、回転運動から並進運動への置換、代行の場合には、回転変位成分および回転速度成分、回転加速度成分の少なくともいずれかを、並進変位成分および並進速度成分、並進加速度成分の少なくともいずれかを用いて変換し、並進運動と回転運動との間の変換は、仮想回転半径を想定し、その仮想回転半径での回転運動の接線方向成分と並進成分とが等しくなるように変換する。
【0012】
数の自由度を有する機構を有し、この機構を動作させて人間に運動感覚を与えるライド装置である動揺装置において、この動揺装置よりも自由度の多い第2の動揺装置の動作を記憶する記憶手段を有する制御装置を備え、この制御装置は、前記動揺装置が第2の動揺装置よりも少ない自由度が回転運動の自由度であれば、具備しない自由度の運動を、この回転運動の軸に直交する2つの並進運動の自由度成分を用いて置換、代行し、前記動揺装置が第2の動揺装置よりも少ない自由度が並進運動の自由度であればこの並進運動の方向を接線方向に有する回転運動の自由度成分で置換、代行し、前記制御装置は、第2の動揺装置の運動を前記動揺装置が置換、代行するときにその置換、代行が、並進運動から回転運動への置換、代行の場合には、並進変位成分および並進速度成分、並進加速度成分の少なくともいずれかを、回転変位成分および回転速度成分、回転加速度成分の少なくともいずれかを用いて変換し、回転運動から並進運動への置換、代行の場合には、回転変位成分および回転速度成分、回転加速度成分の少なくともいずれかを、並進変位成分および並進速度成分、並進加速度成分の少なくともいずれかを用いて変換する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図1を用いて説明する。図1は本発明に係るシステム構成の一形態を示したものである。本発明の直接の対象となる動作機構は、モーションライド、シミュレーションライドなどと呼ばれるライド装置3である。
【0015】
ライド装置3は、基台部320と、駆動機構351,352,353,354を介して該基台部320と相対的に動作する動作プラットフォーム部330とから成る動揺装置であり、プラットフォーム部330には人間Hが搭乗するための座席340が1つもしくは複数取り付けられている。プラットフォーム部330は、臨場感を与える目的で閉空間を構成する場合も多く、キャビンもしくはカプセルとも呼ばれることもある。
【0016】
システム全体はLANなどのネットワークによって接続されており、統括制御装置1により時刻管理を行い、映像制御装置210ならびにモーション制御装置310が統括制御装置1からの同期信号によって時間的な同期を取ることにより、映像、ライド装置ともに円滑で自然な動作を実現する。
【0017】
映像制御装置210には映像データがファイル(図示せず)として記憶されている。映像データは、ミニチュアモデル等を利用して実写により撮影した映像であっても良いし、またコンピュータグラフィクス(CG)などの技術を用いて計算機により生成したものであっても良いが、ディジタル化された形でファイルとされることが一般的である。このファイルは、例えば30分の1秒毎の映像データ群から成り、この時間毎に逐次取り出し、投影装置(プロジェクタ)220に出力することでスクリーン230上に投射する。本実施例においては、スクリーン230はライド装置3の基台320が設置されている床面5に対して相対的に固定されているスクリーン固定型の例を示しているが、スクリーン230がライド装置3のプラットフォーム330に対して固定されるプラットフォーム搭載型(キャビン搭載型)であってもよい。ライド装置3のプラットフォーム330に搭乗している人間Hは、スクリ―ン230に映し出される映像を見つつ、プラットフォーム330の運動によって加速度等の動作感覚を得て、擬似体験をすることになる。
【0018】
このとき、ライド装置(動揺装置)の運動における並進変位成分、回転変位成分、並進速度成分、回転速度成分、並進加速度成分又は回転加速度成分のうち少なくとも1つの要素を、異なる成分の運動によって実現するようにすると、スクリーンに搭乗者が例えば前進或いは後進を始めるような映像が映し出された場合、プラットフォーム330にピッチング動作を与えることによって、搭乗者にあたかも前後方向の加速度が作用したように感じさせる。すなわち、実際に映し出される画面で搭乗者が感じるべき運動成分は、他の運動成分によって実現される。これは左右方向への旋回、上下方向への上昇下降動作においても同様である。
【0019】
モーション制御装置310においては、搭乗者が模擬体験する対象となる仮想物体の運動に対応した動作感覚、すなわち体感を与えるために、ライド装置3が実現すべき運動を表わすデータが、その記憶部311に記憶される。この仮想物体とは、例えば宇宙船あるいはレーシングカーなど、搭乗者に体験させようとする動作を行なう実体としての移動体に相当するものである。また、ライド装置3が実現すべき運動とは、理想的な自由度構成を有するライド装置30を仮定し、この理想ライド装置において実現されるべき運動である。
【0020】
理想ライド装置30としては、さまざまな機構構成の装置が考えられるが、ここではその一例としてを図4に示す。図4は互いに直交する3つの並進自由度X,Y,Z並びにこれらのX,Y,Z各軸まわりの回転ロール,ピッチ,ヨーの3自由度、計6つの自由度を有する機構であって、これを6本のアクチュエータ3051〜3056により駆動している。このような構成の機構はスチュワートプラットフォームと呼ばれるものである。
【0021】
ライド装置の運動とは、当該ライド装置の基台部に対するプラットフォーム部の運動であって、このプラットフォーム部に固定された座席に人間が搭乗し、プラットフォーム部の動揺運動を受けつつこれと同時に映像を鑑賞することによって仮想体験をするものである。ここで理想ライド装置30とは、3次元空間内の並進ならびに回転運動を相互の干渉なくすべて実現可能な機構であるものとして定義するものであって、このようなライド装置を実物として用意する必要は必ずしもなく、仮想的な機構として定義すれば良い。
【0022】
本実施例に係るライド装置3においては、その運動の自由度は、前後、上下、ならびにピッチ、ロールの4自由度のみを有しており、例えば左右方向の並進動作に対する自由度は有していないため、理想ライド装置30とは異なったものとなっている。この機構の詳細については後記するが、ここで言う自由度とは厳密には制御が可能な独立した動作成分の数である。すなわち、例えばロールとピッチとを同時に動作させた場合、相互の干渉によってヨー方向の角変位が生ずる機構であっても、このヨー変位を任意には制御不可能であるという意味で、ロールとピッチの自由度を持つ、と称している。
【0023】
モーション制御装置310には、その記憶部311に理想ライド装置30に対応する運動を表わすデータが記憶されている。具体的には、理想ライド装置30の基台部3020に対するプラットフォーム部3030の3次元的な位置ならびに姿勢から成るデータが複数組連続してデータ群として記憶されている。これらのデータ群は、各々隣り合うデータとの出力時間間隔を一定のサンプリング周期として与えることで、ライド装置の連続する運動の軌道を表わす。このサンプリング周期は、上記した映像ファイル221の取り出し周期と同一であっても良いし、異なっていても良い。また、この運動軌道は、例えば図5に示すようなテーブル形式などを用いて、軌道上の代表的な位置、姿勢の組を各自由度毎の変位を与えることによって指定し、それらの間をスプライン曲線などで補間することによってオフラインで、すなわちライド装置の運転に先立って記憶させておくことにより生成する。このような形で波形としてデータ群を設計、生成するためのツール、すなわちプログラムは、パーソナルコンピュータ用のものがいくつか市販されているので、それを利用するなどの方法により容易に実現することが出来る。
【0024】
本実施例に係るライド装置3の運動データ生成方法ならびにこれを用いた制御方法について、図2により説明する。モーション制御装置310では、記憶部311に記憶された軌道データ群231をサンプリング周期(以下Δtとする)毎にデータ取り出し処理111により逐次取り出す。時刻Tiにおいて取り出されたデータPi、すなわちデータ232は、これより前のサンプリング時刻T(i-1)およびT(i-2)において取り出されたデータであるP(i-1)、すなわちデータ233ならびにP(i-2)、すなわちデータ234をあわせて用いて、機構効果変換処理112によってライド装置3の機構構成に対応した運動指令235に変換される。この運動指令235は、更に機構座標変換処理113によってライド装置3の各自由度のアクチュエータ351c,352c,353c,354cに対応する変位指令236、速度指令237、加速度指令238に変換される。尚、ここで言うアクチュエータとは、ライド装置プラットフォーム部3030を駆動するためのリンク機構及びこのリンク機構を駆動するモータとの総称として用いる言葉であり、図3においてアクチュエータ351〜354のうちのモータ部は351c〜354c、リンク機後部は351b〜354bとして示されている。これらの指令236、237、238は、各アクチュエータ3-5乃至3-8のサーボ制御系351a,352a,353a,354aに対する入力となり、上記各アクチュエータの動作はこれらの指令に基づいて制御される。サーボ制御系としては公知の技術により実現されるものを用いる。その具体例を例示すれば図6のようになる。
【0025】
次に上記した機構効果変換処理112の詳細について更に説明する。いま、時刻Tiにおける理想ライド装置30の位置・姿勢をPiと表わし、同じく速度・角速度をVi、また、加速度・角加速度をAiと表わすものとする。なお、ここで問題にしている運動は理想ライド装置30ならびに実際に運動を実現するライド装置3におけるそれぞれの基台部に対するプラットフォーム部の運動であるが、これを便宜上、ライド装置の運動、あるいはライド装置の位置姿勢と簡略表現することがある。
【0026】
いま、理想ライド装置30の基台部、すなわち理想ライド装置30が設置されている床面5に対して固定された直交座標系をベース座標系と呼ぶことにし、ライド装置30の位置姿勢Piを同次座標形式の4行4列の行列で表わしたものを
mPiとする。すなわち、
【0027】
【数1】
Figure 0003716134
【0028】
ただし、npi = (nxpi, nypi, nzpi)t
opi = (oxpi, oypi, ozpi)t
api = (axpi, aypi, azpi)t は、
Piにおける基底ベクトルのベース座標系に対する方向余弦、
また、ppi = (pxpi, pypi, pzpi)t は位置ベクトルPiの
ベース座標系における表現。
なお、(x, y, z)t のtは転置を示す。
【0029】
なお、以下においては、位置・姿勢、速度・角速度、加速度・角加速度などの表現は、煩雑化を避けるために、それぞれ位置、速度、加速度という表現で代表することがある。また、これらの値の表現にはいろいろな形式が可能であるが、特に先頭にmを付して行列を、また先頭にeを付してベクトルを表わすものとし、表現形式に依存しない内容については先頭に符号を付さない形で用いることとする。
【0030】
モーション制御装置310では、上記したように理想ライド装置30の位置姿勢データを一定時間間隔毎に処理する。 時刻Tiにおいて取り出した位置姿勢データをPiとすれば、この時点における速度Viは、PiとP(i-1)の偏差として近似的に求めることが出来る。いま、これらを同次座標形式の行列で表わせば、
【0031】
【数2】
Figure 0003716134
【0032】
ただし、mViは速度を同次座標形式で表わしたもの
となる。なお、kは1/Δtを要素とする対角行列であって、Δtは前記のサンプリング周期である。また、加速度Aiについても同様であり、
【0033】
【数3】
Figure 0003716134
【0034】
として近似的に求めることが出来る。なお、位置姿勢データPiを上記のように同次座標形式の行列ではなく、位置ベクトルおよびオイラー角あるいはロール・ピッチ・ヨー角などの姿勢角を用いて表わす場合においては、それぞれの対応する成分ごとの差分として変化量を求め、これにサンプリング周期の逆数1/Δtを乗じることで速度、また加速度を近似的に求めることも出来る。
【0035】
また、ここでは記憶部311に記憶された軌跡データ231が位置姿勢データのみである場合について述べたが、軌跡データ231としては速度・角速度、加速度・角加速度などの成分要素の少なくとも一部を同時に有することも可能であるし、位置姿勢データ成分を有さない場合も考えられる。軌跡データ231として加速度Aiが直接記憶されている場合には、Aiを積分もしくは積算することによってViを、さらにViを積分または積算することによってPiを得ることも可能である。
【0036】
ここで、実際に運動を実施する機構は、ライド装置3であり、その自由度配置は理想ライド装置30とは異なることは先にも述べた。図3に本実施例におけるライド装置3の一例を示す。この機構では、上下(Z)、前後(X)の直交2軸と、主としてY軸まわりの回転(φ:ピッチング)、X軸まわりの回転(ρ:ローリング)を実現する2つの自由度を有しており、これらをライド装置3の基台320上をスライドする前後軸(X)390、ならびにこのスライド部390とプラットフォーム部330との間に配置された3つのパンタグラフ状のアーム360、370、380により駆動する。これらのアームにおけるスライド部390との接続部とプラットフォーム330との接続部との間の距離をそれぞれL6、L7、L8とすれば、前後方向位置(x)上下方向位置(z)、およびロール角度(ρ)、ピッチ角度(φ)とL6、L7、L8との関係は、幾何学的に一意にもとめることが出来る。ただし、この場合、与えられたロール、ピッチ角度を実現しようとすると、機構の動作干渉が生じて、左右方向(Y)あるいはヨー角度方向などにも変位を生ずることがあるが、これらは独立に制御が不可能な変位であって、基本的には駆動機構の自由度数4が、任意に制御可能な直交座標系での変位成分要素数と等しくなる。従って、基台部320に対するプラットフォーム部330の4つの位置、姿勢成分X、Z、ρ、φが与えられれば、これからx、L6、L7、L8の値を求め、それぞれの自由度の位置サーボ制御系351a、352a 、353a 、354aによりプラットフォーム部330の位置制御が実現出来る。
【0037】
さて、先に、ファイルとして記憶された軌跡データ群231から、時刻Tiにおける理想ライド装置30の位置・姿勢Pi 、速度・角速度Vi 、加速度・角加速度Aiの情報を得ることが出来ることを示した。これらは理想ライド装置に関するものであるから、それぞれ6つの独立した成分要素を有している。これらは、さまざまな方法によって表現することが可能であるが、ここでは位置をX、Y、Z、また姿勢をX軸まわりの回転であるロール(ρ)、Y軸まわりの回転であるピッチ(φ)、Z軸まわりの回転であるヨー(η)で表わすこととして説明する。ライド装置3の機構は、X、Z、ρ、φの4つの成分を主に実現するものであるので、この場合理想ライド装置30とは異なり、左右、すなわちY方向の成分ならびにヨー角度方向の成分の動作は任意に実現することが不可能である。したがって、これらの動作に関してどのように取扱うかが、ここで言う機構効果変換処理112のポイントとなる。
【0038】
まず、Y方向の並進成分については、基本的に動作の接線方向がY軸と概一致するロール方向の動作により近似的に実現することが必要である。左右方向の位置、速度、加速度をそれぞれY, Y', Y''と表わし、ロール方向の位置、すなわちロール角度をρとすれば、
ρ = Kr1・Y + Kr2・Y' + Kr3・Y'' (式4)
ここに、Kriは左右動作とロール動作との変換係数
としてロール角度(ρ)に変換することが出来る。なお、上記において、変換係数Kriは仮想的な回転半径の逆数としての物理的な意味と、位置、速度、加速度に対する変換の重み付け係数との両方の意味を合わせ持つものであり、必ずしも物理的な回転半径と整合性の取れたものとする必要もなく、またKr1=Kr2=Kr3である必要もない。なお、ロール角変位に基づいて作用する重力加速度によって並進方向の加速度成分を受けることになるため、これを利用して体感を模擬する意味から、Kr3については(式4)の計算を行なうサンプリング時点におけるロール角度の値ρ(i-1)を用いて、
Kr3 = Kr4・sin(ρ) (式5)
のようにロール角度の関数として重み付け係数を変化させること等も考えられる。なお、ここに角度ρはZ軸正方向を原点としている。
【0039】
また、Kriの値はロール軸角度の正方向の定義にもよるが、必ずしも正の数値である必要はなく、負の数値であってもさしつかえないし、一部の係数をゼロとすることで簡略化を図ることもさしつかえない。更に、例えば(式4)におけるKr3に代えて、Y''の時間履歴に着目し、ハイパスフィルタを用いて算出した時間応答をロール角度ρに反映させることなどの方法も考えられる。この方法は、いわゆるウォッシュアウトと呼ばれる手法における考えかたの一部を用いたものであって、並進加速度を部分的に回転変位により作用する重力加速度を利用することで模擬することを目的としている。この手法は、本来有限の可動範囲を持つ機構を用いてこの機構よりも大きな範囲にわたる動作を模擬するための手法であり、例えば、J.S.Freeman他著、The Iowa Driving Simulator, SAE Paper 950174などに概要が開示されている。
【0040】
(式4)においては、ロール角度ρを求める式を示したが、ロール角速度、角加速度についても同様な関係式により変換することが出来る。ただし、これらの計算式によって得たロール角度、角速度、角加速度の時間履歴は、必ずしも相互に整合性のとれたものとはならないことが考えられる。この場合には、いずれを優先するかの順位を定めることで変換を一意に確定するなどの方法を用いることが良い。
【0041】
次にヨー角度成分の動作については、ライド装置3にはこの動作成分を任意に駆動制御出来る機構が準備されていないため、並進動作によって近似的に実現することが必要である。ヨー角度ψによる動作に相当するXならびにY方向の並進動作成分を考えると、
X' = Kh1・ψ + Kh2・ψ' + Kh3・ψ'' (式6)
Y' = Kj1・ψ + Kj2・ψ' + Kj3・ψ'' (式7)
ここに、Khi, Kjiは変換係数
を得る。ここでは、ヨー角度の変化を、X, Y方向の速度に反映させる方法について示しているが、X, Y方向の加速度に反映させる方法あるいはこれらを組み合わせる方法も可能である。また、Khi, Kjiをすべてゼロにとることで、この補正を無効とする場合も考えられるし、(式6)(式7)の代わりに同様の形の1つの式のみにより変換の計算を行い、これを例えばヨー角速度もしくは角加速度の大きさに応じてXとYへの配分を決める、すなわちKを比例係数としてこれを更にψ'あるいはψ''の関数とするなどして、
Khi = K・Kji (式8)
(i = 1,2,3)
とする方法なども考えられる。なお、ここでKhi, Kjiの各々の値の正負は任意に選定可能である。ここでさらにX, Yのうち、ライド装置3においてはY方向の並進動作に関する自由度を有していないことから、このY成分を(式4)に適用することも可能である。
【0042】
以上で機構効果変換処理112の一例について説明したが、ライド装置3に特定の並進動作の自由度成分が具備されていない場合には当該並進動作の方向接線方向に持つ回転動作の自由度成分で置換、代行し、逆に回転動作の自由度成分が具備されていない場合には当該回転動作の軸に直交する2つの並進動作の自由度成分を用いて置換、代行することが、本処理の基本的な考え方である。
【0043】
以上の機構効果変換処理112の意味について考察すると、人間の運動感覚という観点から最も一般的と考えられる変換は、加速度に着目した変換であり、回転動による並進運動の代行は並進加速度の重み付けを大きくして回転角度に反映させるとともに、並進動による回転運動の代行においては回転角度の重み付けを大きくして並進加速度に反映させることと考えられるが、人間の感覚として映像の動きを視覚で捕らえる際の予測の作用が重要な役割を果すことから、映像の動きと物理運動との関係を考慮し、並進変位と回転変位との比例項も考慮すべきであると言うように解釈出来る。
【0044】
なお、回転動による並進運動の代行において重力成分を利用可能なものは、ロール角度ならびにピッチ角度運動であり、ヨー角度方向の運動に関してはこの重力による効果は利用出来ないこと、また人間の運動感覚、特にロール方向とピッチ方向の傾斜感覚が同一ではないこと、などから、回転の方向、性質により(式4)等の重みパラメータの値を変えて設定することが必要である。
【0045】
なお、以上示した各々の式におけるパラメータ値は、モーション制御装置310内部において記憶部311から取り出す運動データを監視しつつ適応的に変更することも可能であるし、想定される疑似体験のストーリに相当するコンテンツの内容に応じて、予めモーション制御装置310に記憶させておき、これを用いるなどの方法も可能である。
【0046】
ここでは、更に念のため、最も簡単な具体例を取り上げて本発明の内容を説明する。ここでは、現実のライド装置3として、ピッチングの自由度、すなわち1つの回転自由度のみを有する装置を想定する。もちろん、1つしか自由度を有しないこのような装置がライド装置として現実に意味を持つか否かについて論じているのではなく、複数の自由度を有する機構装置を対象にした議論において、その装置の持つ特定の1つの自由度について論じることに相当していることに注意されたい。
【0047】
このようなピッチングの自由度のみを有する装置においては、3次元空間内の任意方向の並進運動(X、Y、Z)ならびに回転運動(ロール、ピッチ、ヨー)成分をすべて実現もしくは近似的に実現することは困難である。図7において、ピッチング回転軸901に対して、ライド装置3の搭乗者の位置として想定する動作代表点902を考える。ピッチング動作の運動自由度は円弧909に沿った回転運動であり、特定の瞬間において動作代表点902の運動は、この点902におけるこの円弧909の接線方向の運動ベクトル904によって表される。なお、ここでは仮想回転半径903を仮定して用いている。この運動ベクトル04は、X方向ならびにZ方向の並進成分904x、904zに分解出来る。以上のことから、ピッチングの自由度のみを有する装置であっても、ピッチング運動のみならず上記X、Z方向の並進運動を模擬しうると言える。より正確に言えば、ピッチングの自由度のみを有する装置を用いても、ピッチング回転運動ならびにX、Z方向の並進運動において得られる体感を、少なくとも部分的に与えるような運動を行わせることが可能であると言える。なお、現実に有する自由度がピッチングのみである場合、明らかに付与すべき体感を実現できる並進運動の方向はピッチング位置、すなわち上記動作代表点902の位置に依存する。しかしながら、一般的には、動作代表点902は、搭乗者の搭乗するプラットフォーム部(図示せず)を概水平近傍の姿勢にて運転することが多いと考えられるため、ピッチング動による運動ベクトルはX成分が支配的であると言える。このとき、理想ライド装置30に対応する動作としてX方向の並進成分Xが与えられたとする。搭乗者の体感に対しては、運動の加速度が大きく寄与するため、上記並進運動Xに含まれる加速度をX''とし、またスクリーン230(図1参照)上に映写された映像の動きとの整合性をとる意味で、適切な係数Kp1、Kp3を用いて、ピッチ角度φを、
φ=φ0+Kp1・(X-X0)+Kp3・X'' (式9)
として与える。ここに、φ0、X0は、それぞれ本演算を実施する直前の時点におけるピッチ角度ならびに理想ライド装置のX方向位置である。
【0048】
また、この(式9)は、理想ライド装置30の動作として並進成分Xのみが与えられた場合の演算式であるが、理想ライド装置の動作として並進成分Xならびにピッチ成分φrefが与えられた場合には、(式9)を、
φ=φ0+Kp1・(X-X0)+Kp3・X''+Kp0・φref (式10)
などとすれば良い。ここで、Kp1、Kp3は、物理的にはピッチ回転中心901から搭乗者位置902までの間の距離、すなわち回転半径に相当するが、位置X及び加速度X''のいずれを、どれほどピッチ動作に反映するかに応じて重み付けし、物理的な回転半径とは異なる値に設定することは一向に差し支えない。また、Kp0はこれら並進運動成分とピッチ回転成分との間の重み付けを定める係数としての意味を持つ。
【0049】
以上、1自由度のライド装置の場合を例にとって説明したが、他の方向の自由度に関しても同様の議論が成り立ち、複数自由度を有するライド装置に対しては相互に干渉のない個々の自由度方向に分離して同様の処理を組み合わせて行うことにより本発明の方法を実現することが出来る。なお、与えられた理想ライド装置の運動の特定成分に対して、該成分の運動を実現し得る自由度を持たない実ライド装置を用いる場合においては、当該成分の運動については無視することとする。
【0050】
ところで、上記した産業用ロボットの例とのアナロジについて再度触れる。両者は、機構に非依存な座標系を用いて運動を記述するという意味では思想を同じくしている。しかし、産業用ロボットにおいては、記述された運動軌道を満たすようにロボットの手先作業工具の軌道を制御することを目的としているのに対して、本発明のような動揺装置の場合には、記述された運動軌道そのものを少なくとも位置、姿勢のレベルでは必ずしも満たすことが出来ない機構装置を用いて、当該機構の備える自由度によってこの運動を代行することを目的としたものであり、両者の相違に着目することで本発明の主眼が明確化されるものと考える。
【0051】
以上に述べた実施例では、まず、3次元空間における剛体の運動を一般的に実現可能な理想機構あるいはその部分機構を有するライド装置に対して動作軌道を設計するとともに、その動作軌道に基づき、実際の動作を実現させる対象となるライド装置の機構の動作軌道を変換生成する。この変換生成にあたって、搭乗者の動作感覚、体感という観点から上記理想機構に対する場合と概同一の動作感覚、体感を付与し得る動作軌道を、変換により生成するものである。なお、体感とは個人差のある指標であるが、ここでは、人間は加速度、加々速度を感知する能力を有することを考慮して、主としてライド装置の動作における加速度、加々速度、および作用する重力加速度に着目して上記変換を行なうものである。
【0052】
また、上記の理想機構とは、例えば直交する3軸方向の並進運動成分と、これら3軸まわりの回転運動成分を発生させることが可能な機構である。
【0053】
以上に述べた実施例によれば、ライド装置の記憶部に記憶される運動データを、実際の制御対象であるライド装置の機構には非依存とすることが出来る。このため、手間のかかる運動軌道の設計、入力作業をライド装置の機構構成に関わらず1回だけ行なっておけば、任意の機構構成のライド装置に対して適用可能となる効果を奏する。またこの場合、運動軌道の設計作業は、理想的な自由度配置を有する仮想的なライド装置を想定することで、一般化された直交座標系に関する位置ならびに姿勢の各成分を設計、入力する。このため、設計作業を行なうにあたってもその軌道の位置、速度、加速度などの物理的意味を把握しやすく、かつ特定の機構に非依存な形で行なうことが出来るため、これまで熟練作業者が時間を掛けて実施していた設計作業を大幅に削減しうる、という効果も奏する。更に、この理想機構以外の機構構成を有するライドに対して、ライド装置に搭乗する人間の運動感覚、すなわち体感を支配する運動軌道に含まれる位置、姿勢、速度、加速度などの運動成分を保持することをクライテリアとする変換を実行してライド装置の制御を行なうため、搭乗者の運動感覚、体感を出来る限り保持し、理想機構を持つライド装置の場合における体感を極力損なわないように特定のライド装置の動作を生成し、制御することが可能となるという大きな効果を奏する。また、本発明に係る変換処理は簡単な演算のみにより実現出来るため、ライド装置の制御のためのリアルタイム制御処理に容易に組込み可能であり、実時間での実行が可能である。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、動揺装置の運動における並進変位成分、回転変位成分、並進速度成分、回転速度成分、並進加速度成分又は回転加速度成分のうち少なくとも1つの要素を、異なる成分の運動によって実現するようにしたことにより、実現できない運動成分を他の成分によって擬似的に実現できるので、限られた動作範囲、機構性能でも、搭乗する人間に対して現実感を与える動作を実現することができる。
【0055】
また、本発明によれば、動作指令データの並進変位成分、回転変位成分、並進速度成分、回転速度成分、並進加速度成分又は回転加速度成分のうち少なくとも1つの要素を、この動揺装置の機構とは異なる構成の機構を有する第2の装置に対する動作指令データに含まれる異なる成分の要素を変換して生成することにより、ライド装置の運動データを実際の制御対象であるライド装置の機構には非依存とすることが出来るので、動作軌道の設計を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例におけるシステム構成図。
【図2】 運動データの生成方法と制御方法のフロー図。
【図3】 ライド装置の機構構成を示す図。
【図4】 理想ライド装置の一例を示す図。
【図5】 運動軌道を与えるテーブルを示す図。
【図6】 サーボ制御系の実施例を示す図。
【図7】 並進運動と回転運動を説明する図。
【符号の説明】
110…統括制御装置、210…映像制御装置、220…プロジェクタ、230…スクリーン、3…ライド装置、310…モーション制御装置、311…運動軌道データ記憶部、320…基台、330…プラットフォーム、340…座席、351c…アクチュエータa、352c…アクチュエータb、353c…アクチュエータc、354c…アクチュエータd、390…プラットフォームスライド部、351a…アクチュエータa位置サーボ制御系、352a…アクチュエータb位置サーボ制御系、353a…アクチュエータc位置サーボ制御系、354a…アクチュエータd位置サーボ制御系、30…理想機構を有するライド装置、4…ネットワーク、1…床面、111…運動データ取り出し処理、112…機構効果変換処理、113…機構座標変換処理、221…映像データ、231…軌道データ群。

Claims (2)

  1. 複数の自由度を有する機構を動作させて人間に運動感覚を与えるライド装置である動揺装置の動作指令を、この動揺装置よりも自由度が多い第2の動揺装置の動作を変換して指令する動揺装置の動作指令データ生成方法において、前記動揺装置が第2の動揺装置よりも少ない自由度が回転運動の自由度であれば、この回転運動の軸に直交する2つの並進運動の自由度成分を用いて、具備しない自由度の運動を、置換、代行し、前記動揺装置が第2の動揺装置よりも少ない自由度が並進運動の自由度であれば、この並進運動の方向を接線方向に有する回転運動の自由度成分で置換、代行し、前記第2の動揺装置の運動を前記動揺装置が置換、代行するときにその置換、代行が、並進運動から回転運動への置換、代行の場合には、並進変位成分および並進速度成分、並進加速度成分の少なくともいずれかを、回転変位成分および回転速度成分、回転加速度成分の少なくともいずれかを用いて変換し、回転運動から並進運動への置換、代行の場合には、回転変位成分および回転速度成分、回転加速度成分の少なくともいずれかを、並進変位成分および並進速度成分、並進加速度成分の少なくともいずれかを用いて変換し、並進運動と回転運動との間の変換は、仮想回転半径を想定し、その仮想回転半径での回転運動の接線方向成分と並進成分とが等しくなるように変換することを特徴とする動作指令データ生成方法。
  2. 複数の自由度を有する機構を有し、この機構を動作させて人間に運動感覚を与えるライド装置である動揺装置において、
    この動揺装置よりも自由度の多い第2の動揺装置の動作を記憶する記憶手段を有する制御装置を備え、この制御装置は、前記動揺装置が第2の動揺装置よりも少ない自由度が回転運動の自由度であれば、具備しない自由度の運動を、この回転運動の軸に直交する2つの並進運動の自由度成分を用いて置換、代行し、前記動揺装置が第2の動揺装置よりも少ない自由度が並進運動の自由度であればこの並進運動の方向を接線方向に有する回転運動の自由度成分で置換、代行し、前記制御装置は、第2の動揺装置の運動を前記動揺装置が置換、代行するときにその置換、代行が、並進運動から回転運動への置換、代行の場合には、並進変位成分および並進速度成分、並進加速度成分の少なくともいずれかを、回転変位成分および回転速度成分、回転加速度成分の少なくともいずれかを用いて変換し、回転運動から並進運動への置換、代行の場合には、回転変位成分および回転速度成分、回転加速度成分の少なくともいずれかを、並進変位成分および並進速度成分、並進加速度成分の少なくともいずれかを用いて変換することを特徴とする動揺装置。
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