JP3715935B2 - フラーレン誘導体の重合体の製造方法及びフラーレン誘導体の重合体 - Google Patents

フラーレン誘導体の重合体の製造方法及びフラーレン誘導体の重合体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラーレン誘導体の重合体の製造方法及びフラーレン誘導体の重合体に関する。より詳しくは、単量体単位としてのフラーレン誘導体が規則的に配列している重合体の製造方法、及びこの方法により得られるフラーレン誘導体の重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
1990年にC60の大量合成法が確立されて以来、フラーレンに関する研究が精力的に展開されている。その結果、数多くのフラーレン誘導体が合成され、その多様な機能が明らかにされてきた。それに伴い、フラーレン及びその誘導体を用いた電子伝導材料、半導体材料、生理活性物質等の各種用途開発が進められている(例えば、総説として、現代化学1992年4月号12頁、現代化学2000年6月号46頁、Acc. Chem. Res., 1998, 98, 2527 等)。
【0003】
フラーレンに関する研究開発対象の一つとして、フラーレン又はその誘導体を単量体単位とする重合体が挙げられる。この様な重合体は、フラーレン自体の重合体、各種フラーレン誘導体の重合体ともに知られており、その性質から各種電子材料、半導体材料、生理活性物質等の用途が期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような重合体を上記用途に使用する場合、その構造内においてフラーレンやその誘導体等の単量体単位を規則的に配列させるとともに、その形状及びサイズを精密に(例えばナノメートルのスケールで)制御することができれば、大変有用である。
【0005】
しかしながら、上記の様な、単量体単位が規則的に配列しているともに、その形状及びサイズが精密に制御された重合体を製造することは、極めて困難であり、現在のところこうした重合体は得られていない。従って、単量体単位が規則的に配列しているともに、その形状及びサイズが精密に制御された、フラーレンやその誘導体等の重合体が望まれていた。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、単量体単位としてのフラーレン誘導体が規則的に配列しているともに、全体の形状及びサイズが精密に制御された、フラーレン誘導体の重合体及びその製造方法を提供することに存する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意探索した結果、反応性部位を有するフラーレン誘導体が規則的に配列した集合体において、その規則的な配列を崩すことなく前記反応性基を反応させることにより、上記目的が効果的に達成されることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は、反応性部位を有するフラーレン誘導体の集合体における、前記反応性基をクロスリンク反応させることにより、前記フラーレン誘導体を重合させる、フラーレン誘導体の重合体の製造方法であって、該フラーレン誘導体が、前記反応性部位として、オレフィン部位,電子不足オレフィン部位,アセチレン部位,カルボニル部位,ヒドロキシ基,1級又は2級のアミノ基,及びカルボキシル基の何れかを、一分子につき2つ以上有するとともに、前記反応性部位のクロスリンク反応が、オレフィン部位のメタセシス反応、電子不足オレフィン部位の光又は触媒的カップリング反応、アセチレン部位の光又は触媒的カップリング反応、ヒドロキシ基のエステル化反応,エーテル化反応又はアセタール化反応、及び、カルボキシル基のエステル化反応又はアミド化反応のうち何れかであることを特徴とする、フラーレン誘導体の重合体の製造方法に存する。
また、本発明の別の要旨は、反応性部位を有するフラーレン誘導体の集合体における、前記反応性部位をクロスリンク反応させることにより、前記フラーレン誘導体を重合させる、フラーレン誘導体の重合体の製造方法であって、該フラーレン誘導体が、下記一般式(I),( II )及び( III )の何れかで表わされることを特徴とする、フラーレン誘導体の重合体の製造方法に存する。
【化2】
Figure 0003715935
(上記一般式(I),( II )及び( III )中、Rは、各々独立に、直鎖状,分鎖状又は環状の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアミノ基のうち何れかを表わす。Rは、各々独立に、任意の置換基を有していても良く、任意のヘテロ原子を含んでいても良い。Xは、前記反応性部位を有する置換基を表わす。上記一般式(I)中、M + は対カチオンを表わす。)
【0009】
また、本発明の別の要旨は、単量体単位としてのフラーレン誘導体が2次元又は3次元で規則的に配列していることを特徴とする、フラーレン誘導体の重合体に存する。
また、本発明の別の要旨は、単量体単位としてのフラーレン誘導体が規則的に配列しており、且つ、二重膜構造を形成していることを特徴とする、フラーレン誘導体の重合体に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明に係るフラーレン誘導体の重合体の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と呼ぶ場合がある。)は、反応性部位を有するフラーレン誘導体が規則的に配列して形成される集合体において、前記反応性基を反応させることによりフラーレン誘導体を重合させるものであって、該フラーレン誘導体が、前記反応性部位として、オレフィン部位,電子不足オレフィン部位,アセチレン部位,カルボニル部位,ヒドロキシ基,1級又は2級のアミノ基,及びカルボキシル基の何れかを、一分子につき2つ以上有するとともに、前記反応性部位のクロスリンク反応が、オレフィン部位のメタセシス反応、電子不足オレフィン部位の光又は触媒的カップリング反応、アセチレン部位の光又は触媒的カップリング反応、ヒドロキシ基のエステル化反応,エーテル化反応又はアセタール化反応、及び、カルボキシル基のエステル化反応又はアミド化反応のうち何れかであること、或いは、該フラーレン誘導体が、後述の一般式(I),( II )及び( III )の何れかで表わされることを、その特徴としている。
【0011】
ここで、フラーレンとは、炭素原子が球状又はラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスターを指す。具体例としては、C60(いわゆるバックミンスター・フラーレン),C70,C76,C78,C82,C84,C90,C94,C96及びより高次の炭素クラスターが挙げられる。
【0012】
また、フラーレン誘導体とは、上記のフラーレンを基本骨格として、これに部分的な化学構造の変化を加えて得られる化合物を、広く指すものとする。具体的には、フラーレン骨格に水素原子,水酸基,アミノ基,ハロゲン基,有機基などが単数又は複数付加した化合物(以下、付加誘導体、又は付加体ということがある。フラーレン骨格に付加される付加基の数に応じて、3重付加体、5重付加体、10重付加体等の様に、語頭に付加基の数を付して呼ぶこともある。)や、カリックスアレーンやシクロデキストリンなどのホスト分子とフラーレン分子とからなる包括体等がある。なお、本明細書で「有機基」とは、炭素を含む基の総称であり、「付加」とはフラーレン骨格内の炭素原子に対し、基が付加して結合を形成することを意味する。
【0013】
本発明の製造方法で原料とするフラーレン誘導体は、少なくとも一以上の反応性部位を有する。ここで、反応性部位とは、フラーレン誘導体同士の重合反応に関与する活性部位のことであって、通常は、フラーレン骨格に付加する付加置換基上に存在する、クロスリンク(共有結合形成)反応により互いに結合可能な部位を指す。
【0014】
ここで、クロスリンク反応により互いに結合可能な部位とは、フラーレン誘導体に下記反応式(A)で表わされる反応を生じさせる部位のことを指す。
【化3】
Figure 0003715935
【0015】
上記反応式(A)において、“Fullerene Derivative−X”及び“Fullerene Derivative−X′”は、反応性部位を有する有機基Xが付加したフラーレン誘導体を表わし、“coupling agent”は、反応性部位の種類に応じて選択されたカップリング試薬を表わし、“Fullerene Derivative−Y−Fullerene Derivative”は、有機基X間のクロスリンク反応により形成される有機連結基Yを介して連結されたフラーレン誘導体の二量体を表わす。また、Zは、反応性部位の種類及び反応の種類によって生じ得る副生化合物を表わす。
【0016】
クロスリンク反応により互いに結合可能な部位の具体例としては、−CR1=CR2−等で表わされるオレフィン部位,−OC(=O)CR3=CR4−等で表わされる電子不足オレフィン部位,−C≡C−等で表わされるアセチレン部位,−C(=O)−で表わされるカルボニル部位,−OHで表わされるヒドロキシ基,−COOHで表わされるカルボキシル基,−NH2,−NH−でそれぞれ表わされる1級又は2級のアミノ基等が挙げられる。なお、前記式中R1〜R3はそれぞれ独立に、水素原子,水酸基,アミノ基,ハロゲン基,有機基等を表わす。これらの中でも、有機基末端に存在するオレフィン部位である、−CH=CH2で表わされるビニル基が特に好ましい。
【0017】
本発明の製造方法で原料とするフラーレン誘導体は、その構造に応じて各種方法により製造することが可能であるが、例えば、骨格となるフラーレンに、上述した反応性部位を有する有機基を公知の各種手法で付加することにより、製造することができる。
【0018】
骨格となるフラーレンは特に限定されないが、製造時における反応原料の入手の容易さ等の観点から、C60又はC70が好ましい。また、フラーレンの製造法も特に限定されず、公知の方法によって製造されたフラーレンを原料として用いることができる。フラーレンは精製された単一品であってもよいし、二種類以上のフラーレンの混合物であってもよい。
【0019】
反応性部位を有する付加基のフラーレン骨格への付加数は、特に制限されず、反応性部位の種類に応じて任意に選択する。例えば、反応性部位としてクロスリンク反応により互いに結合可能な部位を有する付加基を付加する場合には、2つ以上を付加する必要がある。付加反応の手法を選択することにより、特定構造のフラーレンに対する有機基の2重付加誘導体、3重付加誘導体、5重付加誘導体、10重付加誘導体及びアミノ基の4重付加体をそれぞれ選択的に合成することが可能であることが知られているので、付加数を2,3,4,5又は10とすることが好ましい。なお、付加基の付加数が複数である場合、付加基の種類は同一であっても良く、互いに異なっていても良い。
【0020】
付加有機基のフラーレンへの導入は、一例として、求核付加反応により行なうことができる。具体的には、付加基として有機基を導入する場合、例えばグリニヤール試薬や有機リチウム試薬、又はこれらの試薬と銅化合物とから調整される有機銅試薬を用いて、一段階又は複数段階で付加反応を行なうことができる。グリニヤール試薬や有機リチウム試薬、有機銅試薬等の構造には、特に制限は無い。即ち、導入しようとする有機基を有するグリニヤール試薬や有機リチウム試薬、有機銅試薬を用いて直接付加反応を行なっても良いし、こうしたグリニヤール試薬や有機リチウム試薬が合成困難又は不安定な場合には、まず導入が容易な基をフラーレン骨格に導入した後に、更に変換反応により置換基を目的とする付加有機基の形に変換することもできる。また、付加基としてアミノ基を導入する場合には、光照射下において1級又は2級のアミンを加えればよい。
【0021】
本発明の製造方法で原料とするフラーレン誘導体は、その分子中に複数の異なる親和性部位を有するものが好ましく、具体例としては、以下の一般式(I)〜(III)で表わされる化合物が、後述するように所定の条件下で特定形状の自己集合体を形成するので好ましい。
【化4】
Figure 0003715935
【0022】
上記一般式(I),(II)及び(III)において、Rは、各々独立に、直鎖状,分鎖状又は環状の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアミノ基のうち何れかを表わす。
【0023】
直鎖状,分鎖状又は環状の脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基,エチル基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル基,イソブチル基,sec-ブチル基,tert-ブチル基,シクロプロピル基及びシクロヘキシル基等が挙げられ、芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
【0024】
また、Rは、各々独立に、任意の置換基を有していても良く、任意のヘテロ原子を含んでいても良い。置換基の具体例としては、メチル基,エチル基,プロピル基等のアルキル基、エテニル基,プロペニル基,ブテニル基,ペンテニル基等のアルケニル基、フェニル基,ナフチル基等の芳香族基などが挙げられる。また、ヘテロ原子の具体例としては、N,S,O,P,Si等が挙げられる。
【0025】
なお、一般式(II)及び一般式(III)においては、Rが親水性基を含むことが好ましい。親水性基の例としては、4級アンモニウムカチオン、カルボン酸アニオン等が挙げられる。
【0026】
Xは、前記反応性部位を有する付加基を表わす。具体的に、オレフィン部位を有する基としては、1−アルケン基、trans−2−アルケン基、cis−2−アルケン基等の1置換又は2置換アルケン基の他に、3置換アルケン基や4置換アルケン基、ビニリデン基、1,3−ジエン基等が挙げられる。また、電子不足オレフィン部位を有する基としては、シアノビニル基,アクリレート基,ビニルケトン基、スルフォニルビニル基等が、アセチレン部位を有する基としては、末端アルケン基及び内部アルケン基が、アミノ基としては、一級及び二級のアミノ基が挙げられる。
【0027】
また、上記一般式(I)において、M+は対カチオンを表わす。具体例としては、Li+,Na+,K+,Pb+,Cs+,Fr+,Cu+,Tl+等の単原子からなる一価のカチオンの他に、MgBr+,ZnBr+,NH4 +,N(CH34 +,P(C654 +等の複数原子からなる一価のカチオンが挙げられる。
【0028】
上述したフラーレン誘導体を規則的に配列して集合体を形成する方法としては、フラーレン誘導体の自己集合(self assembly)を利用する方法が挙げられる。ここで、自己集合とは、溶液中に溶けている分子が会合することによって集合体を形成する現象をいう。その具体例としては、両親媒性を示すフラーレン誘導体を水性溶媒又は油性溶媒に加えることにより、二重膜やミセル、逆ミセル等の自己集合体を形成させる方法が挙げられる。この方法は、フラーレン誘導体の種類や量、溶媒の種類やpH等の各種特性を調整することにより、フラーレン誘導体の配列状態や集合体の形状、サイズを制御することが可能であるので好ましい。
【0029】
集合体の形状としては、集合体が3次元であれば球又はラグビーボール状などが挙げられ、2次元であれば平面状、そして1次元であれば線状が、それぞれ好ましく例示される。なお、集合体の形状が3次元又は2次元である場合、この形状はフラーレン誘導体の単分子膜又は二重膜によって形成される。
【0030】
また、集合体のサイズは特に限定されないが、球の場合は直径が2nm以上、好ましくは10nm以上、また、1000nm以下、好ましくは500nm以下、更に好ましくは100nm以下であって、ラグビーボール状であれば、その長径が2nm以上、好ましくは10nm以上、また、1000nm以下、好ましくは500nm以下、更に好ましくは100nm以下である。平面状の場合、厚さが1nm以上、また、20nm以下、好ましくは10nm以下であって、平面の大きさは特に限定されない。線状の場合、長さは2nm以上である。
【0031】
本発明者らは、フラーレンの五重付加体の金属塩が水中で自己集合して、球状又は略球状の二重膜ベシクル(vesicle)を形成するという知見を得、既に発表した(SCIENCE, Vol. 291, 2001, p.1944-1947)。図1に、フラーレンの五重付加体の金属塩の一種であるPh560K(前記化学式中、Phはフェニル基を表わす。以下の記載においても同様である。)を自己集合させて形成した、半径17nm程度の球状又は略球状の二重膜ベシクルのモデルを示す。なお、本明細書において「球状又は略球状」とは、その長径/短径比の値が、通常1.05以下、好ましくは1.03以下であることを指す。よって、例えばこの文献記載の方法を用いることにより、フラーレン誘導体が規則的に配列するとともに、全体の形状及びサイズが制御された自己集合体を得ることが可能である。
【0032】
前記文献記載の方法を用いる場合、原料としては、上記一般式(I),(II)及び(III)で表わされるフラーレン誘導体が好ましい。また、集合体を形成するために用いる溶媒系は特に限定されないが、分子内に水親和部位と疎水部位を有するフラーレン誘導体の場合には、水などの極性溶媒中にフラーレン誘導体を加えることにより、ベシクルを形成させることができる。極性溶媒としては、水、メタノールやエタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル類などがあげられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を任意の混合比で用いてもよい。また必要に応じて、更に有機化合物、無機塩などを添加してもよい。任意に溶媒系及びその使用量を選択することで、形成されるベシクルを目的とする形状、大きさにコントロールすることができる。溶媒系に加えるフラーレン誘導体の量は、溶媒系に対する濃度が通常0.001mM以上、好ましくは0.01mM以上、更に好ましくは0.1mM以上、また、通常100mM以下、好ましくは50mM以下、更に好ましくは10mM以下となる量が好適である。
【0033】
上述の手法等により得られたフラーレン誘導体の集合体において、反応性部位を反応させてフラーレン誘導体を重合させる方法としては、反応性部位の種類に応じて各種の方法を選択することが可能である。但し、集合体におけるフラーレン誘導体の規則的な配列を実質的に乱すことのないように、穏やかな反応条件の下で進行し、且つ反応性の高い化合物を生じることのない反応が好ましい。
【0034】
例えば、反応性部位が共有結合形成反応により互いに結合可能な部位である場合には、上記反応式(A)で示したように、カップリング試薬を添加して反応性部位間に共有結合形成反応を生じさせ、反応性部位を有する有機基を連結することにより、フラーレン誘導体を相互に結合させればよい。
【0035】
反応の具体例として、前記反応性部位がオレフィン部位である場合には、メタセシス反応が好ましく、電子不足オレフィン部位である場合には、[2+2]型環化付加反応等の光又は触媒的結合形成反応が好ましく、オレフィン部位と電子不足オレフィン部位との反応である場合には、[4+2]型Diels-Alder反応が好ましく、アセチレン部位である場合には、[2+2+2]型環化付加反応等の光又は触媒的結合形成反応が好ましく、ヒドロキシ基である場合には、エーテル化反応が好ましく、ヒドロキシ基とカルボニル部位との反応である場合には、アセタール化反応が好ましく、カルボキシル基とヒドロキシ基との反応である場合には、エステル化反応が好ましく、カルボキシル基とアミド基との反応である場合には、アミド化反応が好ましい。
【0036】
特に、反応性部位としてビニル基(−CH=CH2)を有するフラーレン誘導体の集合体について、以下の反応式(B)により表わされるメタセシス反応を行なうことが好ましい。
【化5】
Figure 0003715935
【0037】
上記反応式(B)のメタセシス反応によれば、結合に関与したフラーレン誘導体のビニル基のモル数に対して、50%のモル数のメチレンが発生するので、共有結合形成反応の進行を容易に把握することができる。また、緩やかな反応条件で反応が進行する上に、反応性の高い各種の化合物が発生することがないので、集合体におけるフラーレン誘導体の規則的な配列が乱されることなく、単量体単位としてのフラーレン誘導体が規則的に配列しているフラーレン誘導体の重合体を得ることが可能である。
【0038】
上記反応式(B)のメタセシス反応を行なう場合、メタセシス反応の触媒としては、均一系の高活性メタセシス触媒、例えばAccounts of Chemical Research 2001, 34, 18-29や有機合成化学協会誌2001, 59, 40-51などに詳しく纏められている、ルテニウム−アルキリデン錯体(通称グラブス(Grubbs)触媒)が好ましく用いられる。集合体の形状を壊さないために、穏和な条件で反応を進行させる触媒が好ましく、また、水系溶媒で集合体を形成させる場合には、水に対する安定性が十分高い触媒である必要がある。グラブス触媒は、この条件を満たしており、本発明の重合触媒として好適である。反応を進行させるために高温が必要であり、また水に対する安定性が十分でない古典的なメタセシス触媒、例えばWCl6/Bu4Sn、MoO3/SiO2などの固体触媒などは好ましくない。
【0039】
メタセシス反応の触媒として、具体的には、以下の錯体があげられる。
【化6】
Figure 0003715935
(但し、上記化学式において、Cyはシクロヘキシル基を表わし、Mesは2,4,6−トリメチルフェニル基を表す。)
【0040】
反応は通常、集合体を形成した後、温度や溶媒の種類、混合比などを保って集合体の構造を保持したままで、少量の有機溶媒に溶解した上記触媒を添加することにより行われる。触媒量は、集合体を形成しているフラーレン誘導体に対して、通常0.01mol%以上、好ましくは0.05mol%以上、また通常100mol%以下、好ましくは10mol%以下である。触媒量が少ないと反応が著しく遅く、また多すぎると反応が激しすぎて集合体の構造を保持できない場合がある。
【0041】
本発明の製造方法により得られたフラーレン誘導体の重合体は、単量体単位としてのフラーレン誘導体が規則的に配列しているともに、重合体全体の形状及びサイズが精密に制御されている。従って、電子伝導材料、半導体材料、生理活性物質等の各種用途に利用することが可能となり、極めて有用である。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。
【0043】
[実施例1]
【化7】
Figure 0003715935
【0044】
上記化学式(1)で表わされるフラーレン誘導体(フラーレン誘導体(I))138mg(100μmol)に、t−ブトキシカリウムのテトラヒドロフラン溶液(濃度0.08M)1.4mL(112μmol)を加え、10分攪拌する。減圧下、溶媒を留去し乾固した後、THF(テトラヒドロフラン)4.2mLにより希釈して、上記フラーレン誘導体(I)のTHF溶液(濃度24mM)を得た。得られた溶液の色は濃橙色であった。この溶液を96.6mLの超純水にゆっくりと加えた後、溶媒を50mLまで減圧留去して濃縮し、再び超純水を加えて全量が100mLとなるよう希釈した。この濃縮・希釈操作を三度繰り返してTHFを除去し、フラーレン誘導体(I)の水溶液を調整した。得られた溶液の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図2に示す。溶液中にフラーレン誘導体(I)の球状ベシクル(フラーレン誘導体の集合体)が生成しているのが確認された。これは球状二重膜ベシクルと考えられる。
【0045】
上記フラーレン誘導体の水溶液5mLに、下記化学式(2)で表わされるメタセシス触媒(グラブス触媒)の塩化メチレン溶液(濃度49mM)50μLを加え、クロスリンク反応(メタセシス反応)を行なった。
【0046】
【化8】
Figure 0003715935
【0047】
また、予め反応器にシリンジを装着しておき、触媒添加後(反応開始後)におけるエチレンの発生量を、シリンジへの流入量として経時的に測定した。触媒添加直後から気体の発生が認められたが、重クロロホルム中でのプロトンNMR(核磁気共鳴)分析により、この気体はエチレンであることが確認された。即ち、フラーレン誘導体(I)が有する反応性部位(5つの付加基の末端のビニル基)間にメタセシス反応が生じ、フラーレン誘導体(I)の重合が起こっていることが判る。
【0048】
図3に触媒添加後におけるエチレンの累積発生量の経時変化を表わすグラフを示す。図3のグラフの横軸に相当するエチレンの累積発生量は、フラーレン誘導体(I)の反応性部位全てが反応に関与した場合に予想されるエチレン発生量(モル換算でフラーレン誘導体(I)の量の2.5倍)を100%として、これに対するモル比で表わしている。図3のグラフに明らかなように、反応開始後50分間で、57%に当たるエチレンの生成が見られた。
【0049】
反応後における溶液の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図3に示す。反応前に確認された球状二重膜ベシクルと同等の形状及びサイズを有する球状二重膜ベシクルが確認されるが、これがフラーレン誘導体(I)の重合体であると推測される。
【0050】
[実施例2]
【化9】
Figure 0003715935
【0051】
上記化学式(3)で表わされるフラーレン誘導体(フラーレン誘導体(II))167mg(100μmol)を、33.3mLの水:THF=1:1混合溶媒に溶解し、上記フラーレン誘導体(II)の3mM溶液を調製した。得られた溶液の色は濃橙色であった。この溶液を66.7mLの超純水にゆっくりと加えた後、実施例1と同様の濃縮・希釈操作を三度繰り返してTHFを除去し、上記フラーレン誘導体(II)の水溶液を調整した。
【0052】
上記フラーレン誘導体(II)の水溶液100mLに、上記化学式(2)で表わされるメタセシス触媒(グラブス触媒)の49mM塩化メチレン溶液を81.6μL加え、クロスリンク反応を行なった。反応開始後、実施例1と同様の手法により、生成するエチレンガスの量を測定した。上記フラーレン誘導体(II)が有する反応性部位(4つの付加基の末端のビニル基)全てがメタセシス反応に関与した場合に予想されるエチレン発生量(モル換算でフラーレン誘導体(II)の量の2倍)を100%とした場合に、触媒添加後10分間で52%のエチレンの生成がみられた。
【0053】
実施例1,2ともに、反応時におけるエチレン発生量が50%台であることから、フラーレン誘導体(I),(II)の有する反応性部位のうち何れも50%強程度がメタシセス反応に関与したことが判る。このような数値の得られた理由は定かではないが、理由の一つとしては、フラーレン誘導体(I),(II)の球状二重膜ベシクルの内部に触媒が浸透せず、表側の膜を形成するフラーレン誘導体(I),(II)のみが重合したためではないかと推測される。この点からも、実施例1,2ともにフラーレン誘導体(I),(II)が球状二重膜ベシクルの形状及びサイズを保ったまま重合したことが裏付けられる。
【0054】
【発明の効果】
本発明に係るフラーレン誘導体の重合体の製造方法は、反応性部位を有するフラーレン誘導体が規則的に配列して形成される集合体において、前記反応性部位をクロスリンク反応させることによりフラーレン誘導体を重合させるとともに、上述の特定の反応性部位を有するフラーレン誘導体を用いて上述の特定のクロスリンク反応を生じさせる、又は、上述の特定の構造を有するフラーレン誘導体を用いることにより、単量体単位としてのフラーレン誘導体を規則的に配列させるとともに、重合体全体の形状及びサイズを精密に制御することができる。従って、電子伝導材料、半導体材料、生理活性物質等の各種用途への適用が可能となり、極めて有用である。
【0055】
また、本発明に係るフラーレン誘導体の重合体は、単量体単位としてのフラーレン誘導体が規則的に配列しているともに、重合体全体の形状及びサイズが精密に制御されている。従って、電子伝導材料、半導体材料、生理活性物質等の各種用途に利用することが可能となり、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Ph560Kを自己集合させて形成した、半径17nm程度の球状又は略球状の二重膜ベシクルのモデルを、一部を破断して示す図である。
【図2】 実施例1において生成したフラーレン誘導体の集合体(球状二重膜ベシクル)の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図3】 実施例1におけるエチレンの累積発生量の経時変化を示すグラフである。
【図4】 実施例1において形成されたフラーレン誘導体の重合体(球状二重膜ベシクル)の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。

Claims (5)

  1. 反応性部位を有するフラーレン誘導体の集合体における、前記反応性部位をクロスリンク反応させることにより、前記フラーレン誘導体を重合させる、フラーレン誘導体の重合体の製造方法であって、
    該フラーレン誘導体が、前記反応性部位として、オレフィン部位,電子不足オレフィン部位,アセチレン部位,カルボニル部位,ヒドロキシ基,1級又は2級のアミノ基,及びカルボキシル基の何れかを、一分子につき2つ以上有するとともに、
    前記反応性部位のクロスリンク反応が、オレフィン部位のメタセシス反応、電子不足オレフィン部位の光又は触媒的カップリング反応、アセチレン部位の光又は触媒的カップリング反応、ヒドロキシ基のエステル化反応,エーテル化反応又はアセタール化反応、及び、カルボキシル基のエステル化反応又はアミド化反応のうち何れかであることを特徴とする、フラーレン誘導体の重合体の製造方法
  2. 反応性部位を有するフラーレン誘導体の集合体における、前記反応性部位をクロスリンク反応させることにより、前記フラーレン誘導体を重合させる、フラーレン誘導体の重合体の製造方法であって、
    該フラーレン誘導体が、下記一般式(I),(II)及び(III)の何れかで表わされることを特徴とする、フラーレン誘導体の重合体の製造方法。
    Figure 0003715935
    * MERGEFORMAT
    (上記一般式(I),(II)及び(III)中、Rは、各々独立に、直鎖状,分鎖状又は環状の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアミノ基のうち何れかを表わす。Rは、各々独立に、任意の置換基を有していても良く、任意のヘテロ原子を含んでいても良い。Xは、前記反応性部位を有する置換基を表わす。上記一般式(I)中、M+は対カチオンを表わす。
  3. 単量体単位としてのフラーレン誘導体が2次元又は3次元で規則的に配列していることを特徴とする、フラーレン誘導体の重合体。
  4. 単量体単位としてのフラーレン誘導体が規則的に配列しており、且つ、二重膜構造を形成していることを特徴とする、フラーレン誘導体の重合体。
  5. 球状又は略球状であることを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載のフラーレン誘導体の重合体。
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