JP3715884B2 - ストレーナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストレーナに関し、詳しくは、化学処理プラントなどにおける各種液体の通過経路の途中に配置されて、液体中に含まれるゴミや不純物などの固形異物を分離除去するのに使用されるストレーナを対象にしている。
【0002】
【従来の技術】
ストレーナの一般的な構造としては、筒状容器の内部に、メッシュ板やパンチングメタル板などで構成された濾過エレメントが装着されており、筒状容器に設けられた流入口から取り込まれた液体が、濾過エレメントを通過する際に、固形物は濾過エレメントの通過を阻止され、液体だけが流出口を経て筒状容器の外部に出ていくようになっている。
ストレーナに装着されて使用しているうちに固形物が詰まった濾過エレメントを洗浄したり交換したりするために、ストレーナには開閉自在な蓋が設けられており、この開閉蓋を開けて、濾過エレメントを取り出したり再び取り付けたりできるようになっている。
【0003】
開閉蓋としては、ストレーナの内部を流れる液体が漏れないように、ストレーナの開口を確実に密閉できる構造が必要になる。具体的には、開閉蓋をボルトやナットを用いてストレーナの開口に締め付け固定する構造が採用される。
開閉蓋などの密閉構造として、スイングボルト機構と呼ばれる構造がある。スイングボルト機構をストレーナに適用すると、外周に雄ねじが切られたボルトの下端を、ストレーナの本体側の外周に旋回自在に取り付けておく。ボルトを垂直に立てる方向に旋回させて開閉蓋の外周に凹入された係止溝にはめ込み、開閉蓋の上部でボルトにアイナットをねじ込み、アイナットで開閉蓋をストレーナ本体側に締め付けて密閉する。開閉蓋の周囲の複数個所に上記したスイングボルト機構を備えておけば、開閉蓋の全周を均等かつ強力にストレーナ本体に圧接させて密閉することができる。
【0004】
開閉蓋を開くときには、スイングボルト機構のアイナットを緩めてボルトを開閉蓋の係止溝から外側に外せば、開閉蓋の締め付けが解除され、開閉蓋を開くことができる。アイナット付きのボルトは、ストレーナ本体の外側面に沿うように旋回させておけば、紛失したり損傷したり汚れたりすることがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記したスイングボルト機構による密閉構造を備えたストレーナでは、ストレーナの外壁に損傷が生じ易く、耐久性が低下するという問題がある。
化学処理プラントでは、処理液の温度調整のために、流体通路の全体を断熱材で覆っておくことが多い。ストレーナについても、外壁に断熱材を貼り付けることが行われる。この外壁の断熱材あるいは断熱材を保護する被覆材が、スイングボルト機構のボルトあるいはアイナットの衝突によって損傷する。
ストレーナの開閉蓋を開く際には、アイナットを緩めてボルトを外側に倒すようにして、開閉蓋の係止溝から外す。外側に旋回したボルトは、ストレーナ本体の外壁に勢い良く衝突し、金属製のボルトで前記断熱材や被覆材を損傷してしまうのである。ボルトを手で持ってゆっくりと旋回させ、ストレーナ本体の外壁にやさしく沿わせればよいが、濾過エレメントの交換などの作業を迅速に行おうとすると、どうしても、ボルトを勢い良く外側に倒してストレーナ本体にぶつけてしまい易くなる。
【0006】
ストレーナの外壁に、断熱材や被覆材がなく金属壁が露出している場合には、別の問題が発生する。金属のボルトが金属壁に衝突すると、激しい騒音を立てる。金属同士の衝突で火花が発生することがある。化学処理プラントでは環境中に可燃性物質が存在していたり、ストレーナ自体が可燃性物質を取り扱っていたりすることがあり、前記火花が引火すると火災や爆発を起こす心配がある。
さらに、開閉蓋を閉めなおす際には、ストレーナ本体の開口を開閉蓋で塞いでから、ストレーナの外壁に下向きに垂れ下がったボルトを、垂直上向きになるまで約180°も旋回させなければならない。開閉蓋の全周にわたって、複数個所のボルトをいちいち下向きから上向きへと旋回させる作業は大変に手間がかかり面倒な作業である。
【0007】
本発明の課題は、前記した従来技術の問題点を解消し、ストレーナの開閉蓋の構造を、取扱いが容易で耐久性、安全性の優れたものにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるストレーナは、流体経路中に配置されて流体中の固形物を除去するストレーナであって、上端が開口した容器状をなし、開口外周に張り出すフランジ部と流体の流入口および流出口とを有するストレーナ本体と、前記ストレーナ本体の内部で前記流入口から流出口への流体経路の途中に配置され前記固形物の通過を阻止する濾過エレメントと、前記フランジ部の上面に当接して前記開口を塞ぎ、外周の一端が前記ストレーナ本体に軸支され、上方側に旋回して開く開閉蓋と、前記ストレーナ本体の外周に配置され、上端が鉛直方向に延びる姿勢から外側に傾く方向へと回動する締結軸と、前記フランジ部および前記開閉蓋の外周端に凹入され、前記締結軸が鉛直方向に延びる姿勢で挿入される係止溝と、前記締結軸の上部に配置され、前記開閉蓋を前記フランジ部に締め付ける締付部材と、前記締結軸の上端を外側に傾けたときの鉛直線に対する傾斜角度を20〜80°の範囲に規制する回動規制部材とを備える。
【0009】
〔ストレーナ〕
ストレーナの基本構造は、通常の濾過用あるいは固形物除去用のストレーナと共通する構造が採用される。ストレーナに流す流体の種類や量、流体から除去する固形物の種類や量、必要な除去性能などの条件に合わせて、適宜の材料や構造を採用することができる。
流体としては、水などの液体、液体に各種の化合物が溶解あるいは分散された液体、さらにはガスなどを含み、固形物としては、流体を構成する材料に含まれていた不純物や化学処理の過程で発生した副生物などのうち、不要な異物となる固形物であれば、粉粒状、繊維状、細片状などの様々な形態を有するものがある。
【0010】
ストレーナには、ストレーナ本体、濾過エレメント、開閉蓋などの基本構造に加えて、開閉蓋の密閉構造を備えておく。
〔ストレーナ本体〕
ストレーナの機能を果たす濾過エレメントを収容する。ストレーナ本体の形状や構造は、濾過エレメントに合わせて設定される。
ストレーナ本体は、鋼材などの金属からなるものが一般的であるが、合成樹脂や繊維強化樹脂、セラミックなどの材料からなるものも使用でき、複数の材料を組み合わせたものもある。
【0011】
ストレーナ本体の基本構造としては、上端が開口した容器状をなしている。具体的な形状としては、有底円筒状のものが一般的であるが、楕円筒状や長円筒状、角筒状のものも用いられる。下端が球形に丸められたものや、下方から上方に狭まるテーパー状のもの、途中が膨らんだビヤ樽状のものなどもある。
開口には、外周に張り出すフランジ部を有している。フランジ部は幅のある周枠状をなし、開口の形状に合わせて、円形、楕円形、長円形、多角形などをなす。フランジ部の幅は、開閉蓋との間で確実な密閉状態を構成できる程度に設定しておく。
【0012】
流体の流入口および流出口は、濾過エレメントの配置構造あるいはストレーナ本体内における流体の通過経路の構造に合わせて配置される。一般的には、ストレーナ本体の外周側壁のうち直径方向で対向する位置に、流入口と流出口とを配置する。流入口と流出口の高さは同じ位置であってもよいし、上下に少しずれた位置であってもよい。流入口および流出口には、ストレーナを設置する配管に接続するための管フランジや管継手を設けておくことができる。ストレーナ本体から外側に延びる流入管や流出管を取り付けておくこともできる。
ストレーナ本体には、内部空間に溜まったドレインや異物を排出するドレイン口あるいはドレイン管を設けておくことができる。
【0013】
〔濾過エレメント〕
通常のストレーナに装着される濾過エレメントと同様の材料および構造が採用できる。
濾過エレメントの材料としては、流体は容易に通過できるが除去すべき固形物は通過できない程度の微細な貫通空間を有する材料が使用される。具体的には、線材を縦横に編んだメッシュ材、微細な孔を穿孔した孔あき板、多孔質材料、繊維の集積体、合成樹脂の発泡体などが使用できる。
濾過エレメントは、ストレーナ本体の内部で、流入口から流出口に至る流体の通過経路の途中に配置しておく。流体は必ず濾過エレメントを通過していくように、濾過エレメントの配置構造を設定しておく。
【0014】
濾過エレメントを着脱自在に取り付けておけば、濾過エレメントの交換が可能になる。洗浄などの作業も容易になる。ストレーナ本体への濾過エレメントの取付手段としては、ビス取付や凹凸嵌合、ねじ込みなどの各種固着手段が採用できる。開閉蓋を閉めることで、濾過エレメントに開閉蓋の一部が当接して濾過エレメントが固定されるようにしておくこともできる。
〔開閉蓋〕
ストレーナ本体の開口を塞ぐ。濾過エレメントの出し入れやストレーナ内部の点検、洗浄作業などを行うのに利用される。
【0015】
開閉蓋の基本的な構造は、通常のストレーナにおける開閉蓋の構造と同様でよい。
開閉蓋は、一般的には鋼などの金属材料からなるが、合成樹脂や繊維強化樹脂、セラミックなどからなるものでもよい。
開閉蓋の外形状は、ストレーナ本体のフランジ部の上面に当接させて閉めるので、フランジ部の外周形状に合わせておく。
開閉蓋の外周の一端を、ストレーナ本体に軸支しておき、この軸支個所を基点にして、開閉蓋が上方側に旋回して開く。開閉蓋のストレーナ本体への取付構造は、通常の各種機器類の蓋におけるヒンジ状の取付構造が採用される。
【0016】
開閉蓋は、開いた状態で、ストレーナ本体の開口面に対して少なくとも90°以上の角度で開く必要がある。開口面と平行な180°まで開いてもよく、ストレーナ本体の外側面に沿う270°付近まで開くようにすることもできる。通常は、90°から180°までの間で、開閉蓋が外側に傾斜した状態で開くのが好ましい。
〔開閉蓋の密閉構造〕
開閉蓋をストレーナ本体のフランジ部に当接させて閉じた状態で、開閉蓋とストレーナ本体との密閉を図る構造を備えておく。
【0017】
基本的な密閉機能は、締結軸と係止溝と締付部材とを組み合わせた構造で果たす。このような密閉構造として、一般にスイングボルト機構と呼ばれている構造が適用できる。
<締結軸>
ストレーナ本体の外周に配置される。外周の複数個所に配置しておくことができる。締結軸の設置数は、開閉蓋の周長や必要な密閉力などの条件によって異なる。複数個所の締結軸の間隔は等間隔であってもよいし、必要に応じて一部の間隔が違っていても構わない。開閉蓋の取付構造などの邪魔にならない個所に配置しておくのが好ましい。
【0018】
締結軸は、開閉蓋を密閉したときの圧接力に耐える程度の強度を有する材料および寸法に設定する。金属棒材やボルト材が使用できる。
締結軸は、ストレーナ本体の外周から鉛直に上方に延びる姿勢から、上端が外側に傾く方向へと回動するようにストレーナ本体に取り付けられる。具体的には、ストレーナ本体に対して垂直面内で回動自在に軸支しておけばよい。軸支構造としては、通常のスイングボルト機構と同様の構造が採用できる。
締結軸の具体的な設計条件は、JIS、JPI、API、ASME、ASTMなどの国家規格や業界規格で規定あるいは推奨される設計条件を採用することができる。
【0019】
<係止溝>
係止溝は、フランジ部および開閉蓋のうち、上端を鉛直方向に延ばした姿勢の締結軸が配置される位置で、外周端に凹入される。係止溝の形状は、挿入される締結軸の形状に合わせて設定される。係止溝の幅を締結軸の太さよりも大きくしておけば、締結軸の挿入がスムーズに行える。係止溝の具体的形状として、U字形、矩形などが採用される。
フランジ部と開閉蓋とで同じ位置および同じ形状で係止溝を形成しておけばよいが、フランジ部と開閉蓋とで細部形状が異なる係止溝を設けておくこともできる。
【0020】
係止溝と締結軸との何れかに弾力的に変形する凹凸係合部を設けておけば、締結軸を係止溝に係合させた状態で一時的に固定することができる。
<締付部材>
係止溝に締結軸が挿入された状態で、締結軸の上部に配置される。開閉蓋の上部に下向きに力を加え、開閉蓋をフランジ部に締め付けて密閉状態を作り出す。
締付部材の構造としては、開閉蓋をフランジ部に締め付ける方向に押圧できれば、各種機械装置における締め付け機構が採用できる。例えば、締結軸にねじ込まれたナットが用いられる。外周に雄ねじを有する締結軸に対して、内周に雌ねじを有するナットをねじ込んで昇降させれば、フランジ部に対する開閉蓋の締め付けおよび締め付け解除を果たすことができる。締付部材を、トグル機構やカム機構、クサビ機構などの各種機構装置を組み合わせて構成してもよい。
【0021】
締付部材となるナットとしては、アイナットや蝶ナットなど、回転操作を容易にする構造を備えたものが好ましい。
<回動規制部材>
締結軸の傾きを規制できれば、配置構造は特に限定されない。締結軸の回動範囲に締結軸が傾く方向への移動を阻止するような部材が配置されていればよい。例えば、締結軸の回動面を横切る棒材や腕材からなる規制片を、ストレーナ本体あるいは締結軸の軸支構造に備えておくことができる。
回動規制部材を弾力的に変形できる材料で作製したり、締結軸と当接する個所に弾力的に変形できる材料を配置しておけば、締結軸に対して弾力的に当接することができる。
【0022】
締結軸が回動規制部材で規制されたときの締結軸の傾斜角度を、20〜80度の範囲に設定しておくことが好ましい。より好ましくは、30〜50度である。前記傾斜角度が大き過ぎると、締結軸および締付部材の先端が外側に大きく張り出すことになり、ストレーナの周囲に広いスペースを占有することになる。開閉蓋を閉じて密閉する際に、締結軸を大きく回動させる必要がある。傾斜角度が小さ過ぎると、締結軸を外側に傾けても、開閉蓋の係止溝が締結軸に引っ掛かったままになったりして、開閉操作が行い難くなる。
【0023】
【発明の実施形態】
図1〜図4に示す実施形態は、化学処理プラントの液体パイプラインに装着して使用されるストレーナを表している。
〔ストレーナの基本構造〕
図1、2に示すように、ストレーナ10は、金属製で有底円筒の容器状をなすストレーナ本体40と、ストレーナ本体40の上端開口を塞ぐ金属製の開閉蓋30とを備えている。
ストレーナ本体40は、内部空間を上下に仕切る仕切枠41を有し、仕切枠41には、中空籠状の濾過エレメント42が取り付けられている。濾過エレメント42は、細かなメッシュ材料あるいは多数の細孔が貫通するパンチングメタルなどで作製されている。仕切枠41よりも下方でストレーナ本体40の側壁には流出管46が接続されている。仕切枠41よりも上方でストレーナ本体40の側壁には流入管44が接続されている。流出管46および流入管44が、パイプラインの途中に挿入設置される。
【0024】
流入管44から送り込まれた液体は、濾過エレメント42を通過して流出管46から送りだされる。濾過エレメント42を通過する液体に含まれる固形物は、濾過エレメント42で通過を阻止され、濾過エレメント42の内面に付着したり、濾過エレメント42の内部に溜まったりする。
ストレーナ本体40の下端にはドレイン管48が接続されている。ドレイン管48は、通常の運転時にはバルブや栓で閉塞されており、ストレーナ本体40の洗浄作業時などに内部の液を抜き出すのに利用される。
〔開閉蓋〕
ストレーナ本体40の上端開口には、外周側に水平に張り出すフランジ部50を有する。円板状をなす開閉蓋30がフランジ部50の上面に被せられてストレーナ本体40の開口を塞ぐ。開閉蓋30とフランジ部50の間にはパッキング材54が挟み込まれて密閉性を高めている。開閉蓋30の底面中央には、濾過エレメント42の上端に当接して抑える抑え具31を有する。
【0025】
図2および図3に示すように、開閉蓋30は、外周の一端にヒンジ部36を介して、ストレーナ本体40のフランジ部50の外周に取り付けられている。ヒンジ部36を基点にして、開閉蓋30が上方側に開く。開閉蓋30の上面には把手32を有し、この把手32を持って開閉蓋30の開閉操作を行う。
〔開閉蓋の密閉構造〕
開閉蓋30でストレーナ本体40の開口を塞いだ状態で締付固定する構造として、いわゆるスイングボルト機構を備えている。
図2に示すように、開閉蓋30の外周には一定の間隔毎に、U字形に凹入された係止溝34を有する。図では8個所に係止溝34がある。図2には表れていないが、フランジ部50にも開閉蓋30と同じ位置に同じ形状の係止溝52が設けられている。そして、係止溝34、52の配置個所毎に、スイングボルト機構が設けられている。
【0026】
図4、図5に詳しく示すように、ストレーナ本体40の外側壁には、フランジ部50の下側で係止溝34、52の両側に、左右一対の軸受板74、74が対向して配置されている。軸受板74、74には、ボルト・ナットで構成された回動軸72の両端が水平状態で支持されている。回動軸72には、締結ボルト70の下端に設けられた軸孔部71が嵌入装着されている。回動軸72に軸支された締結ボルト70は垂直面内で自由に回動することができる。
締結ボルト70が、垂直方向に延びる上向き姿勢に回動してくると、締結ボルト70は、フランジ部50の係止溝52および開閉蓋30の係止溝34に挿入される。締結ボルト70がほぼ垂直上向きになった姿勢で、係止溝34、52の奥に当接するので、それ以上は締結ボルト70が回動することはできない。
【0027】
軸受板74、74の外周端面には、両者に架け渡された細い短冊状の回動規制板76を有する。図4に示すように、回動軸72に回動自在に軸支された締結ボルト70が外側に回動してくると、締結ボルト70の外周面が回動規制板76に当接する。回動規制板76に当接した締結ボルト70は、その位置よりも外側には回動したり傾いたりすることはできない。
したがって、締結ボルト70は、係止溝34、52に挿入された垂直姿勢から、締結ボルト70の側面が回動規制板76に当たる外側に傾いた姿勢までの間で回動する。締結ボルト70が回動規制板76に当接したとき、すなわち最大に傾いたときの鉛直線に対する傾斜角度θ=40°に設定されている。
【0028】
軸孔部71を除く締結ボルト70の上部側の外周には雄ねじを有する。締結ボルト70の上部には、アイナット60がねじ込み取り付けされる。アイナット60は、ドーナッツ形をなす環状頭部62の下端にナット部64が設けられ、ナット部64の中央には雌ねじ66が切られている。ナット部64を締結ボルト70にねじ込むことで、締結ボルト70に対してアイナット60が上下に移動する。環状頭部62を手でつかんだり、環状頭部62に棒状工具を差し込んだりして、環状頭部62を回転操作すれば、ナット部64の回転すなわちアイナット60を緩めたり締めつけたりする動作が容易かつ確実に行える。
【0029】
〔開閉蓋の密閉操作〕
図4に示すように、締結ボルト70が、係止溝34、52に挿入された状態で、アイナット60を回して締結ボルト70の下方にねじ込んでいくと、ナット部64の底面が開閉蓋30に当たり、開閉蓋30をパッキング材54を介してフランジ部50に圧接することになる。開閉蓋30の外周で複数個所に配置された締結ボルト70のアイナット74を締め付ければ、開閉蓋30はフランジ部50に対して強固に締め付け固定される。ストレーナ10の内部空間は確実に密閉された状態になる。
【0030】
この状態で、ストレーナ10に流体を流せば、濾過エレメント42による濾過機能が良好に発揮され、流体中の固形物を効率的に除去することができる。
〔開閉蓋の開操作〕
固形物で目詰まりを起こしたり通過抵抗が増えたりした濾過エレメント42を取り替えたりストレーナ10の内部を掃除したりするときには、開閉蓋30を開ける必要がある。
開閉蓋30を開けるには、複数個所のアイナット60を回転させて緩める。締結ボルト70に対してアイナット60がある程度の高さまで上昇すると、締結ボルト70を外側に傾斜させて開閉蓋30の係止溝34から外すことができる。外側に傾斜した締結ボルト70は回動規制板76に当接する位置で確実に停止する。
【0031】
開閉蓋30の外周の全ての位置で、アイナット60を緩め、締結ボルト70を外側に傾ければ、開閉蓋30は、ヒンジ部36を規定にして上側に開くことが可能になる。なお、このような開閉蓋30の開き動作が可能になりさえすれば、締結ボルト70は、開閉蓋30の係止溝34よりも外側に完全に移動していなくても構わない。締結ボルト70あるいはアイナット60が、開閉蓋30の開き動作の邪魔にならなければ良いのである。
図3に示すように、開閉蓋30は、ストレーナ本体40の上面開口を開放する程度に開いた状態で固定されるようになっている。この状態で、ストレーナ本体40から濾過エレメント42を引き上げることができる。ストレーナ本体40の内部空間から固形物を取り除いたり洗浄したりする作業も行える。開閉蓋30がストレーナ本体40に一体的に設けられているので、開閉蓋30を別の場所に除けておいたり、保管しておく手間がかからない。特に、開閉蓋30の内面に異物が付いたり、開閉蓋30に付着した液体で周囲の環境を汚したりすることが防げる。
【0032】
このとき、締結ボルト70は外側に傾斜した状態になっているので、締結ボルト70が、ストレーナ本体40の上部で行われる各種作業の邪魔になることがない。また、斜め上向きの締結ボルト70に取り付けられたアイナット60が、ストレーナ本体40の開口よりも高い位置に有れば、ストレーナ本体40の開口から零れた液体や汚れが、アイナット60に付着することが防げる。締結ボルト70にストレーナ10内部の液体や洗浄液が付いたとしても、締結ボルト70の外面に沿って下方に伝わり落ちるので、これらの液体がアイナット60の環状頭部62を汚すことがない。アイナット60を取り扱う際には、環状頭部62を手で持って操作することがあり、有害な液体が付着したままでは作業ができない。付着物で滑り易くなっていると作業が行い難い。締結ボルト70が斜め上を向いた状態であれば、上記のような問題の発生が防止できる。
【0033】
〔開閉蓋の再密閉操作〕
所定の作業を終わって開閉蓋30を再び閉めたあと、アイナット60で締め付け密閉する際には、外側に傾いた状態の締結ボルト70を垂直姿勢に戻すだけで、締結ボルト70を所定の位置に配置することができる。斜め上を向いた状態の締結ボルト70は、作業者が取り上げたりつかんだりするのが容易である。作業者の位置からストレーナ10を挟んで向こう側にある締結ボルト70でも、斜め上を向いた締結ボルト70であれば比較的簡単に操作することができる。
【0034】
【発明の効果】
この発明にかかるストレーナは、締結軸と締付部材による開閉蓋の密閉構造において、締結軸を外側に回動させたときの最大傾斜角度を回動規制部材で規制していることにより、締結軸および締付部材の取扱い操作が行い易くなり、ストレーナを損傷することが防止でき、作業時における安全性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を表すストレーナの一部断面正面図
【図2】 同上の平面図
【図3】 開閉蓋を開いた状態の要部側面図
【図4】 開閉板の密閉構造を示す要部拡大断面図
【図5】 前図と直交する方向から見た側面図
【符号の説明】
10 ストレーナ
30 開閉蓋
34、52 係止溝
40 ストレーナ本体
50 フランジ部
60 アイナット
62 環状頭部
64 ナット部
66 雌ねじ
70 締結ボルト
72 回動軸
74 軸受板
76 回動規制板
Claims (5)
- 流体経路中に配置されて流体中の固形物を除去するストレーナであって、
上端が開口した容器状をなし、開口外周に張り出すフランジ部と流体の流入口および流出口とを有するストレーナ本体と、
前記ストレーナ本体の内部で前記流入口から流出口への流体経路の途中に配置され前記固形物の通過を阻止する濾過エレメントと、
前記フランジ部の上面に当接して前記開口を塞ぎ、外周の一端が前記ストレーナ本体に軸支され、上方側に旋回して開く開閉蓋と、
前記ストレーナ本体の外周に配置され、上端が鉛直方向に延びる姿勢から外側に傾く方向へと回動する締結軸と、
前記フランジ部および前記開閉蓋の外周端に凹入され、前記締結軸が鉛直方向に延びる姿勢で挿入される係止溝と、
前記締結軸の上部に配置され、前記開閉蓋を前記フランジ部に締め付ける締付部材と、
前記締結軸の上端を外側に傾けたときの鉛直線に対する傾斜角度を20〜80°の範囲に規制する回動規制部材と、
を備えるストレーナ。 - 前記開閉蓋が、開いた状態で前記ストレーナ本体の開口面に対して90°から270°の角度になるように開く
請求項1に記載のストレーナ。 - 前記回動規制部材が、前記ストレーナ本体に固定され、前記締結軸の上端を外側に傾けたときに締結軸の外周に当接する規制片である
請求項1または2に記載のストレーナ。 - 前記締結軸の上端に雄ねじ部を有し、
前記締付部材が、前記締結軸の雄ねじ部にねじ込まれる雌ねじ部と、操作用の環状頭部とを有する
請求項1〜3の何れかに記載のストレーナ。 - 前記締結軸、係止溝および締付部材が、スイングボルト機構を構成する
請求項1〜4の何れかに記載のストレーナ。
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