JP3715448B2 - 店舗改装用アンケートセット原本・冊子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、店舗改装に用いられるアンケートセット原本・冊子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
店舗の良し悪しは、通常、その店舗に客が頻繁に来店して活況を呈しているか(=集客力)とか、商品がよく売れているか(=販売力)等の指標で評価される。そこで、店舗改装に際しては、自店の弱点が集客力にあるのか販売力にあるのかを充分に分析し、これを補うように改装することが重要である。そこで、自店の弱点を客観的に評価するために、従来から、周期的に来店人数をカウントしたり、売上動向を調べたりすることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の手法では、仮に集客力や販売力が低下していることが判明しても、そのことだけでは、店舗のどの部分をどのように改装すればよいかを明確に見いだすことができず、効果的な改装につながっていないのが実情である。特に、近年、景気の停滞により個人消費が伸び悩んでいるため、各店舗において、他店に対して優位性のある、効果的な店舗づくりを行うことが切実な課題となっている。
【0004】
そこで、店舗の現状をよりきめ細かく分析して的確な弱点補強を実現するよう店舗の改装を行うことが強く望まれているが、そのような手法は未だ開発されていないのが実情である。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、店舗内の現状を的確に分析して弱点補強を行うことのできる店舗改装用アンケートセット原本・冊子の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、対象となる店舗に関わる客層を、店舗との関わり方の薄い順に、商圏客、入店客、購入客、固定客の少なくとも四つの層に分類するとともに、店舗内を、主として商圏客を入店させることを目的とする顧客誘引・歓迎スペースと、主として入店客に商品購入させることを目的とする商品試用・選択スペースと、主として購入客を固定客にすることを目的とする相談スペースの少なくとも三つのスペースに分け、上記各客層に対するその店舗の集客力と販売力を分析してその分析結果に応じたスペース構成となるよう店舗内を改装するのに用いられるものであって、下記のアンケートセットの原本(A)と、下記の(B)〜(E)の表示部を備えた冊子とを組み合わせてなる店舗改装用アンケートセット原本・冊子を、その要旨とする。
【0007】
(A)上記各客層ごとに、その客層に対する店舗の集客力と販売力を分析できるよう異なる設問が設けられたアンケートセットの原本。
(B)上記各スペースごとに、そのスペースの集客力強化および販売力強化のための提案ポイントが表示された提案表示部。
(C)集客力を強化すべき店舗の改装パターン例および販売力を強化すべき店舗の改装パターン例が、それぞれイラストで表示され、各イラストに太線囲いで、店舗内における上記各スペースの区分設定が表示された改装パターン表示部。
(D)上記各スペースごとに、そのスペースに用いるべき商品群が、主として集客力強化作用を果たす商品群と、主として販売力強化作用を果たす商品群とに分類された状態で、まとめて表示された商品分類表示部。
(E)上記各スペースごとに、そのスペースに用いるべき什器が、主として集客力強化作用を果たす什器と、主として販売力強化作用を果たす什器とに分類された状態で、まとめて表示された什器分類表示部。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は、本発明の店舗改装用冊子の一例を示している。この冊子100は、化粧品および薬品のメーカーが、その化粧品および薬品を商品として取り扱うチェーン店に対し、「店づくり」への提案の一環としてまとめたもので、この冊子100に沿って改装の提案が行われるようになっている。以下、この冊子100の内容に沿って説明する。なお、この冊子100の表紙には、「C.S店舗評価マニュアル」というタイトル101が付されているが、上記「C.S」とは、「Customer Satisfaction=お客様の満足」という意味で、このメーカーが、この店舗改装方法の基本概念を示す記号として付しているものである。
【0010】
まず、この冊子を開いて最初の頁(図示せず)には、最上部に、「1.店舗づくりのコンセプト」という見出しが表示されており、その下には、「アンケートを通じてお客さまの様々な声を聴き、この声をお店づくりに生かすことが目的です。」との文があり、この店舗改装方法の目的が明記されている。そして、その下には、下記の表1が示されており、この店舗改装方法では、店舗内を、機能上、下記の四つのスペースに分けて考えることが特徴であることがわかる。
【0011】
【表1】
【0012】
上記表1において、左端の「アンケート対象」とは、店舗改装を行うに先立ち、店舗に対し客観的な情報を得るために行われるアンケートの対象者を示している。アンケート対象者は、店舗に関わる顧客を、店舗との関わり方の薄い順に、「商圏客」、「入店客」、「購入客」、「固定客」の四種類の層に分類して構成されており、各層ごとに異なる内容のアンケートが行われるようになっている。そして、最も店舗との関わりが希薄な商圏客を来店させる(ステップA)機能を果たすのが、店舗正面の、「マグネット&ウエルカムスペース(誘引・歓迎)」である、と位置づけられている。また、つぎに店舗との関わりが希薄な「入店客」に商品を購入させる(ステップB)機能を果たすのが、店舗内の、「トライアル&セルフセレクションスペース(試用・選択)」である、と位置づけられている。そして、商品を購入した「購入客」を繰り返し来店させる(ステップC)機能を果たすのが、店舗内の、「カウンセリング&ホスピススペース(相談・癒し)」である、と位置づけられている。また、「固定客」を継続的に来店させる(ステップD)機能を果たすのが、店舗内の、「プロテック&ハイタッチスペース(技能・施術)」である、と位置づけられている。
【0013】
そして、店舗改装に先立ち行われるアンケートとは、この冊子とは別個にまとめられる「アンケートマニュアル」に従って行われるもので、そのマニュアルには、例えば、図2に示すように、上記四種類に分類した各客層が、どのようなターゲットとなり、どのような調査を行うかについて、系統的に示す模式図7が表示されている。この模式図7により、アンケート調査の大枠を把握することができる。なお、上記模式図7の右端には、客層とは関係のない、「不満度」に関するアンケート調査についての表示8が設けられている。この「不満度」調査は、「入店客」,「購入客」,「固定客」に関係なく、店舗内に入った顧客全員に聞き取り調査するもので、店内での顧客の不満を、より細かく抽出するために、客層別のアンケートとは別に行うものである。
【0014】
上記アンケートに用いられるアンケート用紙について説明する。上記客層別の四種類のアンケート用紙と、不満度に関するアンケート用紙は、原本が用意され、必要な人数分だけこれを複写して使用できるようになっている。
【0015】
まず、商圏客用のアンケート用紙9は、図3に示すような構成になっている。すなわち、上部に、「C.Sアンケートにご協力ください」の見出し10が表示されており、その下に、「(当てはまるものをマルで囲んでください)」の文11が小さく付記されている。また、上記見出し10の左側には、「商」の字を丸囲いしたマーク12が付されており、このアンケート用紙が商圏客用のものであることが、一目でわかるようになっている。そして、その下には、「 を知っていますか?」の設問13があり、上記空欄に、対象となる店名が予め記入されるようになっている。この設問13により、まず、対象となる店舗の認知度がわかるようになっている。
【0016】
そして、「はい」と答えた人に対しては、「店内に入ったことがありますか?」の設問14と、「入らない理由をお答えください」の設問15が用意されている。また、「いいえ」と答えた人に対しては、「知らなかった理由をお答えください」の設問16が用意されている。設問15,16には、それぞれ5つの選択肢と自由に記入できる「その他」の空欄が設けられている。これらの設問14〜16によって、店舗への入りやすさがわかるようになっている。
【0017】
その下には、「いつもどんなお店で化粧品を買っていますか?(いくつでも)」の設問17と複数の選択肢が設けられており、さらにその下には、「お店選びのポイントは何ですか?(いくつでも)」の設問18と複数の選択肢および空欄が設けられている。そして、その下には、「どのくらいの割合で化粧品を買いますか?」の設問19と複数の選択肢が設けられているとともに、一回の購入金額を記入する欄20が設けられている。これらの設問17〜19によって、商圏客の化粧品に関する購買動向がわかるようになっている。
【0018】
なお、上記アンケート用紙9の下部には、「あなたご自身のことをうかがいます」の文が付された破線囲いの欄21が設けられており、このなかに、回答者の住まい、利用交通機関、年代、についての設問が設けられている。そして、上記破線囲いの欄21の下には、「ご協力ありがとうございました」の文22が付してある。
【0019】
また、入店客用のアンケート用紙23は、図4に示すような構成になっている。すなわち、その上部には、上記商圏客用のアンケート用紙9と同様、「C.Sアンケートにご協力ください」の見出し10と「(当てはまるものをマルで囲んでください)」の文11が表示されており、その左側に、このアンケート用紙23が入店客用のものであることを示すための、「入」の字を丸囲いしたマーク24が付されている。そして、その下には、「当店で化粧品を買ったことがありますか?」の設問25があり、「はい」と答えた人に対しては、「どんな商品を買いますか?(いくつでも)」の設問26と、「前に当店を利用したのはいつですか?」の設問27が用意されている。また、「いいえ」と答えた人に対しては、「買い物をしない理由をお答えください」の設問28が用意されている。設問26〜28には、それぞれ選択肢(もしくは自由に記入できる「その他」の空欄を含む)が設けられている。これらの設問25〜28によって、入店客に対する販売力の強弱がわかるようになっている。
【0020】
その下には、「当店の印象はいかがですか?(それぞれ1つにマルをつけてください)」の設問29が設けられており、さらにその下に、店内の印象に関する7項目についての小問30と、「とても良い」,「良い」,「普通」,「あまり良くない」,「良くない」等の五段階評価からなる選択肢31とが表示されている。これによって、店内の明るさや商品の選びやすさ等に関して、入店客による店舗内の評価がわかるようになっている。そして、その下には、「いつもどんなお店で化粧品を買っていますか?(いくつでも)」の設問32と複数の選択肢が設けられており、入店客の化粧品に関する購買動向がわかるようになっている。
【0021】
なお、上記アンケート用紙23の下部にも、前記商圏客用のアンケート用紙9と同様、「あなたご自身のことをうかがいます」の文が付された破線囲いの欄21が設けられており、その下に、「ご協力ありがとうございました」の文22が付してある。
【0022】
また、購入客用のアンケート用紙33は、図5に示すような構成になっている。すなわち、前記アンケート用紙9,23と同様、上部には、「C.Sアンケートにご協力ください」の見出し10と「(当てはまるものをマルで囲んでください)」の文11が表示されており、その左側に、このアンケート用紙33が購入客用であることを示すための、「購」の字を丸囲いしたマーク34が付されている。そして、その下には、「当店の会員になっていますか?」の設問35があり、「はい」と答えた人に対しては、「会員になって良かったことは何ですか?(いくつでも)」の設問36と選択肢(自由に記入できる「その他」の空欄を含む)が設けられている。また、「いいえ」と答えた人に対しては、「会員にならない理由をお答え下さい(いくつでも)」の設問37と選択肢(自由に記入できる「その他」の空欄を含む)が設けられている。これらの設問35〜37によって、購入客の店舗への依存度(会員として店舗に帰属することに対する意識)の強弱がわかるようになっている。
【0023】
その下には、前記入店客用のアンケート用紙23と同様、「当店の印象はいかがですか?(それぞれ1つにマルをつけてください)」の設問29が設けられており、さらにその下に、店内の印象に関する10項目についての小問30aと、五段階評価からなる選択肢31とが表示されている。これによって、店内の明るさや店員の接客態度等に関して、購入客による店舗内の評価がわかるようになっている。そして、その下には、「いつもどんなお店で化粧品を買っていますか?(いくつでも)」の設問32と複数の選択肢が設けられており、購入客の化粧品に関する購買動向がわかるようになっている。
【0024】
なお、上記アンケート用紙33の下部にも、前記アンケート用紙9,23と同様、「あなたご自身のことをうかがいます」の文が付された破線囲いの欄21が設けられており、その下に、「ご協力ありがとうございました」の文22が付してある。
【0025】
また、固定客用のアンケート用紙38は、図6に示すような構成になっている。すなわち、前記アンケート用紙9等と同様、上部には、「C.Sアンケートにご協力ください」の見出し10と「(当てはまるものをマルで囲んでください)」の文11が表示されており、その左側に、このアンケート用紙38が固定客用のものであることを示すための、「固」の字を丸囲いしたマーク39が付されている。そして、その下には、「どのくらいの間隔で来店されますか?」の設問40があり、「毎月〜2カ月ごと」と答えた人に対しては、「来店の理由は何ですか?(いくつでも)」の設問41と選択肢(自由に記入できる「その他」の空欄を含む)が設けられている。また、「3カ月以上の間隔」と答えた人に対しては、「間隔が空く理由は何ですか?(いくつでも)」の設問42と選択肢(自由に記入できる「その他」の空欄を含む)が設けられている。これらの設問40〜42によって、固定客に対する販売力の強弱がわかるようになっている。
【0026】
その下には、前記アンケート用紙23,33と同様、「当店の印象はいかがですか?(それぞれ1つにマルをつけてください)」の設問29が設けられており、さらにその下に、店内の印象に関する9項目についての小問30bと、五段階評価からなる選択肢31とが表示されている。これによって、店員の接客態度や売り出しの企画・内容等に関して、固定客による店舗内の評価がわかるようになっている。そして、その下には、「当店に一言アドバイスをお願いします(どんなことでも結構です)」の文43と四角枠の空欄44が設けられており、固定客によるアドバイスが得られるようになっている。
【0027】
なお、上記アンケート用紙38の下部にも、前記アンケート用紙9等と同様、「あなたご自身のことをうかがいます」の文が付された破線囲いの欄21が設けられており、その下に、「ご協力ありがとうございました」の文22が付してある。
【0028】
また、不満度用のアンケート用紙45は、図7に示すような構成になっている。すなわち、その上部には、前記アンケート用紙9等と同様、「C.Sアンケートにご協力ください」の見出し10と「(当てはまるものをマルで囲んでください)」の文11が表示されており、その左側に、このアンケート用紙45が不満度用の特別のものであることを示すための、「特」の字を丸囲いしたマーク46が付されている。そして、その下には、「店の応対について、どのようにお感じになりましたか?」の設問47と五段階の選択肢が設けられている。
【0029】
また、その下には、「あなたが受けた印象をお聞かせください」の設問48と、「入ったらジロッと見られた」,「すぐに近寄ってきた」等、店の対応についての詳細な感想を例示した20の選択肢と、その他の感想を記入するための空欄49が設けられており、さらにその下には、「店舗・商品について、どのようにお感じになりましたか?」の設問50と五段階の選択肢が設けられている。そして、その下には、「あなたが受けた印象をお聞かせください」の設問51と、「メーカーごとに置いてあるので見にくい」,「商品の種類が少ない」等、店舗・商品についての詳細な感想を例示した21の選択肢と、その他の感想を記入するための空欄52が設けられている。これらの設問47,48,50,51により、商品購入の有無等に関わらず入店した顧客が抱いた店舗に対する不満がわかるようになっている。
【0030】
なお、上記アンケート用紙45の下部にも、前記商圏客用のアンケート用紙9等と同様、「あなたご自身のことをうかがいます」の文が付された破線囲いの欄21が設けられており、その下に、「ご協力ありがとうございました」の文22が付してある。
【0031】
一方、図1の冊子100には、前記「マグネット&ウエルカムスペース」、「トライアル&セルフセレクションスペース」、「カウンセリング&ホスピススペース」、「プロテック&ハイタッチスペース」の四つのスペースのそれぞれについて、集客力強化および販売力強化のための提案手法がまとめられている。
【0032】
例えば、「マグネット&ウエルカムスペース」に関する頁は、図8に示すように構成されている。すなわち、まず、最上部に、「2.店舗スペースについて」という見出し60が表示されており、その下に、「マグネット&ウエルカムスペース」の項目61が表示されている。そして、その下に設けられた長四角枠62内には、「ステップA=「入店」…商圏客→入店客」と記入されており、マグネット&ウエルカムスペースが、商圏客を入店客とするために重要な機能を果たすことを、再度確認できるようになっている。
【0033】
その下の四角枠63には、左端に、縦書きで「コンセプト」の小見出し64が付されており、その右側に、「店舗がその存在を往来客・通行客にアピールする上で、最も大切なスペースであり、………店舗の<顔>のスペース。」といった、マグネット&ウエルカムスペースの存在意義を説明する文65が箇条書きされている。また、その下の四角枠66には、左端に、縦書きで「展開ポイント」の小見出し67が付されており、その右側に、「時代性・季節性を基軸とした<見世>機能が配置された商品群によって演出され、表現されていること。」といった、マグネット&ウエルカムスペースの展開ポイントを示す文68が箇条書きされている。
【0034】
また、その下の左側の四角枠69には、上部に、横書きで「化粧品専門店への提案ポイント」の小見出し70が付されており、その下に、「商品の並行配列(フック商品陳列台)の徹底とシーズン外れのポスター等の放置に注意する。」といった化粧品専門店ならではのポイントを示す文71が箇条書きされている。そして、その右側の四角枠72には、上部に、横書きで「薬局・薬店への提案ポイント」の小見出し73が付されており、その下に、「化粧品の持つ明るさ、ファッション性を活かした、親近感とイメージのアップを図る。」といった薬局・薬店ならではのポイントを示す文74が箇条書きされている。
【0035】
さらに、その下の四角枠75には、左側に、縦書きで「商品カテゴリー」の小見出し76が付されており、その右側の最上段77には、「化粧品専門店(集客力強化)」に必要な商品カテゴリーとして「年間を通じての使用・補充を必要とする使用頻度の高い商品群」が示され、その下の段78には、「化粧品専門店(販売力強化)」に必要なカテゴリーとして「シーズンの到来を告示する用途別商品群」が示されている。また、その下の段79には、「薬局・薬店(集客力強化)」に必要な商品カテゴリーとして「誰にでも訴えられるポピュラー商品群」が示され、最下段80には、「薬局・薬店(販売力強化)」に必要な商品カテゴリーとして「店独自の催事や販促企画対象商品群で、主に値頃感のある戦略商品群」が示されている。
【0036】
そして、「トライアル&セルフセレクションスペース」、「カウンセリング&ホスピススペース」、「プロテック&ハイタッチスペース」についても、上記と同様の構成で、そのスペースのコンセプト、展開ポイント、化粧品専門店への提案ポイント、薬局・薬店への提案ポイント、商品カテゴリーについて、それぞれ表示されている。
【0037】
また、図1の冊子100には、▲1▼集客力を強化すべき化粧品専門店、▲2▼販売力を強化すべき化粧品専門店、▲3▼集客力を強化すべき薬局・薬店、▲4▼販売力を強化すべき薬局・薬店、の四パターンについて、それぞれの店づくりにおいて、「マグネット&ウエルカムスペース」と、「トライアル&セルフセレクションスペース」と、「カウンセリング&ホスピススペース」と、「プロテック&ハイタッチスペース」の配置区分をどのように設定すればよいかのパターン例が示されている。
【0038】
例えば▲1▼集客力を強化すべき化粧品専門店の改装パターン例を示す頁は、図9に示すような構成になっている。すなわち、この頁の左上には、「3.店舗のパターン例」という見出し81が表示されており、その下の四角枠内に、「専門店(集客力強化)」の項目82が表示されている。そして、その下に、店舗の改装パターンを示すイラスト83が表示されており、前記四つのスペース区分をどのように設定したかがわかるように、それぞれのスペースが太線で囲われている。
【0039】
このパターン例によれば、集客力を強化するために、マグネット&ウエルカムスペースとして店舗の正面全面を用い、しかも正面に配置する棚の高さを低くして、店舗内の様子が外からよくわかるようにしている。
【0040】
また、▲2▼販売力を強化すべき化粧品専門店のパターン例を示す頁は、図10に示すような構成になっている。この頁の構成も、基本的には上記図9に示す頁の構成と同様であるが、左上の四角枠内の項目84が、「専門店(販売力強化)」となっている。
【0041】
このパターン例によれば、販売力を強化するために、トライアル&セルフセレクションスペースを充分に広くとり、顧客が店内を移動しやすいように通路を広くあけている。
【0042】
さらに、図1の冊子100には、前記「マグネット&ウエルカムスペース」、「トライアル&セルフセレクションスペース」、「カウンセリング&ホスピススペース」、「プロテック&ハイタッチスペース」の四つのスペースのそれぞれについて、そのスペースごとに、集客力強化および販売力強化のために有効な什器に関する情報がまとめられている。
【0043】
例えば、マグネット&ウエルカムスペースに用いる什器情報をまとめた頁を図11に示す。すなわち、この頁の左上には、「4.各スペースの売場展開」という見出し84が表示され、その下に、「マグネット&ウエルカムスペース」の項目85が表示されている。そして、その下に、マグネット&ウエルカムスペースにおいて適宜の什器類で構成された売場展開の一例を示す写真86(商品が陳列された状態で撮影されているが、図では商品を省略している。以下の写真も同じ。)が表示され、その下に、上記写真86に写っている什器87を詳細に示す拡大写真87′が表示されている。なお、写真87″は、上記什器87の背面を示したものであり、写真88は什器87と組み合わせて用いるのに好適な他の什器を示したものである。
【0044】
そして、そのつぎの頁(図示せず)の上部には、「基本什器と設置パターン」の見出しとともに、下記の表2として示される表が表示されている。
【0045】
【表2】
【0046】
上記表2によれば、マグネット&ウエルカムスペースにおいて、店舗の種類(専門店か薬局・薬店か)と課題(集客力強化か販売力強化か)に応じて、どのような什器を組み合わせて売場を構成することが好ましいかが即座にわかるようになっている。
【0047】
そして、上記表2の下には、「マグネット&ウエルカムスペースの重点MDプラン」の見出しとともに、下記の表3として示される表が表示されている。
【0048】
【表3】
【0049】
上記表3によれば、マグネット&ウエルカムスペースにおいて、どのような商品群を重点的に陳列すれば効果的か、そしてその価格帯はいくからが即座にわかるようになっている。
【0050】
そして、「トライアル&セルフセレクションスペース」、「カウンセリング&ホスピススペース」、「プロテック&ハイタッチスペース」についても、上記と同様の構成で、それぞれのスペースに用いるべき什器および商品群についてまとめられている。
【0051】
また、図1の冊子100には、メーカーが、店舗改装用に推奨する各種ニュータイプの什器や、陳列補助ツール,宣伝広告表示用のカラーフィルム等についての情報を表示する頁(図示せず)が設けられている。
【0052】
上記冊子100および前記アンケート用紙9,23,33,38,45を用い、例えばつぎのようにして、店舗の現状分析を行い、それにもとづいて店舗改装提案を行ったのち、具体的な改装に着手する。
【0053】
まず、上記アンケート用紙9等を用い、例えばつぎのようにして、店舗の現状分析のためのアンケート調査を行う。より詳しく説明すると、商圏客に対するアンケート調査は、対象となる店舗近辺の通りでの聞き取り調査もしくは個別訪問を行う。また、入店客に対するアンケート調査は、対象となる店舗から出てきた顧客に対して、出口調査を行う。聞き取り方式、自由記入方式のどちらでもよい。さらに、購入客に対するアンケート調査は、店内で化粧品を購入した顧客に対し、レジでの支払後、行う。聞き取り方式、自由記入方式のどちらでもよい。一方、固定客に対するアンケート調査は、基本的に、該当する顧客に、カウンターに座って自由記入をしてもらう。また、不満度に対する特別のアンケート調査は、顧客の種類に関わらず、入店した顧客に対し、ランダムに行うようにする。
【0054】
上記一連のアンケート調査によって、一定のデータ(例えばそれぞれ種類のアンケートに対し50人分ずつのデータ)が揃ったら、その結果を一式、メーカーに渡し、その内容に基づいて、メーカーが対象となる店舗の現状分析を行う。
【0055】
上記現状分析は、予め設定された「普通」の基準に対し、各データが示す傾向を分析し、その店舗の集客力と販売力を評価することによって行われる。そして、その分析は、店舗を、前記表1に示す四つのスペースに分けて行われる。
【0056】
このようにして得られた、各スペースごとの現状分析の結果に基づき、そのスペースの弱点をいかに補うかを、集客力と販売力を軸に、前記冊子100の提案手法(図8参照)に沿って、具体的な提案としてまとめる。また、その店舗に合った、四つのスペースの配置区分と改装イメージを、前記冊子100の店舗パターン例(図9,図10参照)のように視覚化して提示する。そして、各スペースごとに、前記冊子100の什器情報(図10,表2参照)を参考にして、分析結果に合わせて集客力強化もしくは販売力強化のための什器を選択し、改装に用いるようにする。さらに、各スペースごとに、前記冊子100の商品群情報(図8,表3参照)を参考にして、分析結果に合わせて集客力もしくは販売力強化のための商品群を選択し、改装店舗には、これらを重点的に陳列するようにする。
【0057】
このようにして、アンケート調査による現状分析を踏まえ、四つのスペースごとに集客力と販売力の弱点補強を実現した、優れた店舗改装を行うことができる。
【0058】
なお、上記の例では、本発明の店舗改装用冊子として、図1に示すような冊子100を用いたが、冊子は必ずしもこのような形態にする必要はない。ただし、アンケート用紙は調査のため、必要数を必ず原本から複写して用意しなければならない。
【0059】
また、上記の例では、アンケートの対象を、「商圏客」と、「入店客」と、「購入客」と、「固定客」の四層に分類したが、よりきめ細かく情報を得るために、五層以上に分類しても差し支えはない。ただし、アンケートの内容は、それぞれの層において、顧客と店舗との関係性が異なることから、その差異が反映されるような設問を組み立てる必要があり、少しずつ異なる内容としなければならない。なお、部分的に同一の設問を含むことは、差し支えない。
【0060】
さらに、上記の例では、店舗内を、機能別に、「マグネット&ウエルカムスペース」と、「トライアル&セルフセレクションスペース」と、「カウンセリング&ホスピススペース」と、「プロテック&ハイタッチスペース」の四つのスペースに区分したが、上記「プロテック&ハイタッチスペース」は、店舗の規模によっては設けない場合もあるため、必ずしも必要ではない。
【0061】
また、上記の例では、冊子100に、スペースごとの什器情報、商品群情報、さらにはメーカー推奨什器や販促ツールに関する情報等を盛り込んでいる。これらの情報を一括して冊子100にまとめておけば、改装のための提案を、よりスムーズかつ具体的に行うことができ、好適だからである。
【0062】
そして、上記の例は、化粧品および薬品のメーカーが、その化粧品および薬品を商品として取り扱うチェーン店に対して改装を提案し、メーカー主導型で改装を行う場合を説明したが、必ずしもメーカー主導型で改装を行う必要はなく、店舗経営者が自店を改装する場合等にも、上記方法を適用することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上のように、本発明の店舗改装用アンケートセット原本・冊子によれば、顧客を、店舗との関係性によって少なくとも四つの層に分類し、その顧客層ごとに内容の異なるアンケートを行い、その結果を分析して店舗の集客力と販売力を分析することができるようになっている。したがって、上記店舗改装用冊子に表示された、一定の形式化されたマニュアルに沿って分析を行うだけで、店舗内の少なくとも三つの機能スペースを、どのように配置すれば、その店舗の集客力、販売力を補強することができるかが明確になり、だれでも、ニーズに合致した店づくりを、簡単に行うことができる。
【0064】
また、上記店舗改装用冊子には、上記店舗内の少なくとも三つの機能スペースごとに、主として集客力強化作用を果たす商品群と、主として販売力強化作用を果たす商品群とを分類して示す商品分類表示部が設けられているため、その表示に基づいて、各機能スペースにおいて両商品群のいずれか一方を優先的に用いることにより、現状分析結果に応じたきめの細かい店づくりを実現することができる。
【0065】
さらに、上記店舗改装用冊子には、上記店舗内の少なくとも三つの機能スペースごとに、主として集客力強化作用を果たす什器と、主として販売力強化作用を果たす什器とを分類して示す什器分類表示部が設けられているため、その表示に基づいて、各機能スペースにおいて両什器のいずれか一方を優先的に用いることにより、上記と同じく、きめの細かい店づくりを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に用いる冊子の例を示す斜視図である。
【図2】上記実施例におけるアンケート調査の概略図である。
【図3】上記アンケート調査に用いるアンケート用紙の説明図である。
【図4】上記アンケート調査に用いるアンケート用紙の説明図である。
【図5】上記アンケート調査に用いるアンケート用紙の説明図である。
【図6】上記アンケート調査に用いるアンケート用紙の説明図である。
【図7】上記アンケート調査に用いるアンケート用紙の説明図である。
【図8】図1の冊子に表示された店舗スペース提案マニュアルの説明図である。
【図9】上記冊子に表示された店舗のパターン例の説明図である。
【図10】上記冊子に表示された他の店舗のパターン例の説明図である。
【図11】上記冊子に表示された什器の説明図である。
Claims (1)
- 対象となる店舗に関わる客層を、店舗との関わり方の薄い順に、商圏客、入店客、購入客、固定客の少なくとも四つの層に分類するとともに、店舗内を、主として商圏客を入店させることを目的とする顧客誘引・歓迎スペースと、主として入店客に商品購入させることを目的とする商品試用・選択スペースと、主として購入客を固定客にすることを目的とする相談スペースの少なくとも三つのスペースに分け、上記各客層に対するその店舗の集客力と販売力を分析してその分析結果に応じたスペース構成となるよう店舗内を改装するのに用いられるものであって、下記のアンケートセットの原本(A)と、下記の(B)〜(E)の表示部を備えた冊子とを組み合わせてなることを特徴とする店舗改装用アンケートセット原本・冊子。
(A)上記各客層ごとに、その客層に対する店舗の集客力と販売力を分析できるよう異なる設問が設けられたアンケートセットの原本。
(B)上記各スペースごとに、そのスペースの集客力強化および販売力強化のための提案ポイントが表示された提案表示部。
(C)集客力を強化すべき店舗の改装パターン例および販売力を強化すべき店舗の改装パターン例が、それぞれイラストで表示され、各イラストに太線囲いで、店舗内における上記各スペースの区分設定が表示された改装パターン表示部。
(D)上記各スペースごとに、そのスペースに用いるべき商品群が、主として集客力強化作用を果たす商品群と、主として販売力強化作用を果たす商品群とに分類された状態で、まとめて表示された商品分類表示部。
(E)上記各スペースごとに、そのスペースに用いるべき什器が、主として集客力強化作用を果たす什器と、主として販売力強化作用を果たす什器とに分類された状態で、まとめて表示された什器分類表示部。
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