JP3712986B2 - ベンチ - Google Patents

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JP3712986B2 JP2002060279A JP2002060279A JP3712986B2 JP 3712986 B2 JP3712986 B2 JP 3712986B2 JP 2002060279 A JP2002060279 A JP 2002060279A JP 2002060279 A JP2002060279 A JP 2002060279A JP 3712986 B2 JP3712986 B2 JP 3712986B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、屋外に設置されるベンチに関するものである。
【発明の背景及び発明が解決しようとする課題】
【0003】
屋外に設置されるベンチでは、降雨があると、雨上がりの後に座板上面(座面)に水滴や水溜まりが残り、座面が乾燥(水滴や水溜まりが蒸発)するまでにかなりの時間がかかる。従って、屋外に設置されたベンチでは、雨上がり後、座面が乾燥するまでのかなり長時間の間、座面上に座れないという問題があった。
【0004】
尚、ベンチの座面上に残っている水を雑巾等できれいに拭き取れば、直ぐにでも座れるが、通常は雑巾を持参して外出することがないので、ベンチ座面の水を雑巾で拭き取ることはできない。又、手持ちのティッシュペーパーでベンチ座面の水を拭き取ろうとすると、大量のティッシュペーパーが必要となり、しかも近くにゴミかごが無い場所では拭き取った(濡れた)ティッシュペーパーを廃棄するのに困る。尚、降雪時には、雨水に代わってベンチ座面に雪が残り、上記と同様の各問題が生じる。
【0005】
本願発明は、上記のように、「雨上がり後にはベンチ座面が濡れているので座れない」、という問題点を解決し得るようにようにしたベンチを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。
【0007】
本願発明は、屋外に設置されるベンチを対象にしている。そして、本願のベンチは、脚部と、該脚部の上部に固定した下座板と、該下座板とほぼ同面積を有し且つ水不透過性の上座板と、前記下座板の奥側に設けられた背凭れ部とを備えている。
【0008】
脚部の材料は、プラスチック製で板状のものでもよいし、あるいは鉄パイプ製のものでもよい。又、この脚部は、下座板の左右両端寄り位置に一対有しているが、必要に応じて下座板の左右中間部にも設けることができる。
【0009】
下座板は、プラスチック板を使用できるが、プラスチック板のほかに木製板や金属板(例えばステンレス板やアルミニューム板)を使用してもよい。この下座板は、脚部上に固定されている。尚、この下座板は、大面積の1枚ものの板材を使用してもよく、あるいは適宜幅の分割板材を並設したものでもよい。
【0010】
上座板は、下座板の上面全面を被覆し得る1枚もの(水不透過性)の板材が使用されている。尚、この上座板も、プラスチック板や木製板や金属板が使用できる。
【0011】
背凭れ部は、背凭れ板を適宜の取付部材に取付けて形成されている。背凭れ板は、上部側がやや後方に傾斜する状態で取付けられている。背凭れ板の取付部材は、前記脚部に一体的に固定されている。この取付部材は、脚部をプラスチック板で形成したものでは該脚部と一体に連続するプラスチック製の補強リブ(左右一対ある)を用いたり、脚部を鉄パイプで形成したものでは同じく該取付部材に鉄パイプを用いることができる。又、背凭れ板の下端部と下座板の奥端部との間には水抜き用の隙間を設けている。
【0012】
又、本願のベンチでは、上座板を、その奥端部を回動中心として、下座板の上面を被覆する倒伏位置と背凭れ部の前面に凭れ掛けさせる立起位置との間で起伏自在に取付けている。上座板を起伏自在に取付けるための構造としては、該上座板の奥端部をベンチの固定側適所(例えば背凭れ部の下端部、脚部の奥端側上面、下座板の奥端部等)にヒンジ結合したり、あるいは上座板奥端部に軸を設ける一方、ベンチの固定側部分にU形の軸受けを設けて、該軸を該軸受け内に着脱自在に落とし込むようにしたものでもよい。尚、上座板を背凭れ部側に凭れ掛けさせた状態では、該上座板の重心がその回動中心より後方に位置しているので、該上座板がそのままの姿勢に維持される。又、該上座板は、背凭れ部側に凭れ掛けさせた状態で、適宜のロック手段で背凭れ部に固定するようにしてもよい。
【0013】
本願のベンチは、次のようにして使用できる。上座板は、下座板の上面を被覆した状態(倒伏位置)と、背凭れ部に凭れ掛けさせた状態(立起位置)との両方で使用できる。即ち、上座板を下座板上に被覆した状態では、該上座板上に座ることができ、他方、上座板を背凭れ部側に凭れ掛けさせた状態では、下座板上に座ることができる。
【0014】
ところで、降雨時において、上座板が下座板の上面を被覆している状態では、上座板上面は雨水で濡れるものの下座板の上面が雨水で濡れることがなく、逆に上座板を背凭れ部側に凭れ掛けさせている状態では、下座板上面は雨水で濡れるものの上座板の座面(背凭れ部に対面する後面)が雨水で濡れることがない。
【0015】
又、降雨時において、上座板が下座板の上面を被覆している状態では、背凭れ板の前面に付着した雨水が流下するが、背凭れ板の下端部と下座板の奥端部との間に水抜き用の隙間を設けているので、該背凭れ板の前面を伝って流下する雨水は該水抜き用の隙間から下方に流出し、下座板側に伝わることがない。
【0016】
そして、雨上がり直後には、現在の座面(下座板の上面又は上座板の上面)が雨水で濡れているが、ベンチに座る際には上座板の位置を変更させる。即ち、現在、上座板が下座板上面を被覆している状態(上座板の上面は濡れているが、下座板の上面は濡れていない)では、該上座板を背凭れ部に凭れ掛けさせる立起位置まで上方に回動させる。すると、濡れていない下座板上面が座面として現れ、その濡れていない下座板上に座ることができる。他方、現在、上座板が背凭れ部に凭れ掛けられている状態(下座板の上面は濡れているが、上座板の座面となる後面は濡れていない)では、該上座板を下座板を被覆する倒伏位置まで下方に回動させる。すると、濡れていない上座板の上面が座面として現れ、その濡れていない上座板上に座ることができる。
【発明の効果】
【0017】
このように、本願発明のベンチでは、下座板と上座板の2枚の座板を有しており、雨上がり後にベンチ(座面)に座る際に、上座板を倒伏位置と立起位置との間で回動させることにより、ベンチ座面に濡れていない座板(下座板又は上座板)を現出させることができる。従って、本願発明のベンチでは、雨上がり後に現状の座面が濡れていても、上座板を起伏操作するという簡単な作業で、ベンチとしての機能を回復させることができる(濡れていない座面に座ることができる)という効果がある。
【0018】
又、背凭れ板の下端部と下座板の奥端部との間に水抜き用の隙間を設けているので、降雨時において、上座板が下座板の上面を被覆している状態では、背凭れ板の前面を伝って流下する雨水が水抜き用の隙間から下方に流出するので、下座板側に伝わることがない。従って、本願発明のベンチでは、背凭れ板前面を流下する雨水で下座板上面が濡れることがないという効果もある。
【発明の実施の形態】
【0019】
図1〜図4を参照して本願実施形態のベンチを説明すると、この実施形態のベンチは、屋外に設置されるものである。
【0020】
そして、図1〜図4に示す実施形態のベンチは、左右一対の脚部1,1と、該両脚部1,1の上部に跨がって固定されている下座板2と、該下座板2とほぼ同面積を有し且つ水不透過性の上座板3と、下座板2の奥側に設けられた背凭れ部4とを備えている。
【0021】
各脚部1,1は、プラスチック製で板状のものを使用している。この各脚部1,1は、この実施形態では、下座板2の左右両端寄り位置に一対設けているが、必要に応じて下座板2の左右中間部にも設けることができる。
【0022】
下座板2は、この実施形態では、大面積で1枚もののプラスチック板が使用されている。尚、この下座板2としては、プラスチック板のほかに木製板や金属板(例えばステンレス板やアルミニューム板)も使用できる。又、この下座板2は、適宜幅の分割板材を並設して形成したものでもよい。そして、この下座板2は、脚部1,1上に接着あるいはビス止め等の適宜の手段で固定している。
【0023】
上座板3は、下座板2と同様に大面積で1枚もののプラスチック板が使用されている。この上座板3は、下座板2の上面全面を被覆し得る面積(下座板2の外形より僅かに大きい外形)を有しており、該上座板3が下座板2の上面2aを被覆したときに、上座板3の外周縁が下座板2の外周縁から若干はみ出るようにしている。尚、この上座板3も、プラスチック板のほかに、木製板や金属板を使用できる。又、この実施形態では、上座板3を水不透過性にする手段として、該上座板3を1枚ものの板材で形成しているが、上座板3上に降った雨がその下の下座板2側に透過しない構造のものであれば、上座板3として適宜の構造のものを採用できる。
【0024】
背凭れ部4には、プラスチック板からなる比較的大面積の背凭れ板40を有している。この背凭れ板40の後面には、左右両端寄り位置にそれぞれ補強リブ5,5が設けられている。この各補強リブ5,5は、この実施形態では、脚部1,1と一体もののプラスチックで形成している。尚、背凭れ板40は、上部側がやや後方に傾斜する状態で取付けられている。
【0025】
背凭れ板40の下端部41と下座板2の奥端部21との間には、水抜き用の若干幅の隙間7を設けている。
【0026】
上座板3は、その奥端部31を回動中心として、下座板2の上面を被覆する倒伏位置(図1及び図3の状態)と背凭れ部4の前面に凭れ掛けさせる立起位置(図4の状態)との間で起伏自在に取付けている。即ち、この実施形態では、上座板3の奥端部31を、背凭れ板40の下端部41前面の左右端部寄り2箇所において、それぞれヒンジ6,6で枢着している。尚、各ヒンジ6,6は、上座板奥端部31側の左右各ブラケット32,32と背凭れ板下端部41側の左右各ブラケット42とにそれぞれピン61,61を挿通して構成されている。
【0027】
上座板3を起伏自在に取付けるための構造としては、上記ヒンジ6,6によるもののほかに、例えば上座板奥端部31に軸を設ける一方、ベンチの固定側部分(例えば背凭れ板40の下端部41、脚部1,1の奥端側上面、下座板2の奥端部21等)にU形の軸受けを設けて、該軸を該軸受け内に着脱自在に落とし込むようにしたものでもよい。尚、この場合は、上座板3が容易に着脱できるので、該上座板3の取り替えが簡単になるという便利さがある。
【0028】
図4に示すように、上座板3を背凭れ部4側に凭れ掛けさせた状態では、該上座板3の重心がその回動中心(ピン61の位置)より後方に位置しているので、該上座板3がそのままの姿勢に維持される。
【0029】
又、この実施形態では、背凭れ板40の上端部に手前側に折返した折返し部43を形成している。そして、上座板3を背凭れ部4側に凭れ掛けさせた状態では、図4に示すように、背凭れ板40の上端部の折返し部43が上座板3の上端部(倒伏姿勢の前縁部となる)を被覆して、上座板3と背凭れ板40との間に雨水が侵入するのを防止し得るようにしている。尚、上座板3は、背凭れ部4側に凭れ掛けさせた状態で、簡易なロック手段で背凭れ部4側に固定するようにしてもよい。
【0030】
尚、下座板2及び上座板3は、図示の実施形態では平板状のものを使用しているが、他の実施形態では、奥行き方向の中央部が若干高くなるような湾曲形状にしたものを使用してもよい。このようにすると、下座板2又は上座板3上に降った雨水が前後方向に流れ易くなり、雨上がり時に各座板(2又は3)上に残る水滴の量が少なくなる(乾燥時間が短くなる)。
【0031】
この実施形態のベンチでは、上座板3は、図1及び図3に示すように下座板2の上面2aを被覆した状態(倒伏位置)と、図4に示すように背凭れ部4に凭れ掛けさせた状態(立起位置)との両方で使用できる。即ち、上座板3を下座板2上に被覆した状態では、上座板3上に座ることができ、他方、上座板3を背凭れ部4側に凭れ掛けさせた状態では、下座板2上に座ることができる。又、上座板3が下座板2を被覆している状態では、降雨時において上座板3上面3aは濡れるものの下座板2の上面2aは濡れることがなく、他方、上座板3を背凭れ部4側に凭れ掛けさせた状態では、降雨時において下座板2の上面2aは濡れるものの上座板3の座面(背凭れ板40に対面する後面)3aは濡れることがない。又、図1及び図3の状態(上座板3が下座板2を被覆している状態)において、降雨時に背凭れ板40の前面に付着した雨水は該背凭れ板40の前面を伝って隙間7から下方に流出するので、下座板2側に伝わることがない。従って、下座板2の上面が濡れることがない。
【0032】
そして、雨上がり直後には、現在の座面(下座板2の上面2a又は上座板3の上面3a)が雨水で濡れているが、ベンチに座る際には、上座板3の位置を変更させると座る場所に濡れていない座面が現れる。即ち、現在、上座板3が下座板上面2aを被覆している状態(図1及び図3の状態)では、上座板上面3aが濡れているが、該上座板3を背凭れ部4に凭れ掛けさせる立起位置まで上方に回動させると、濡れていない下座板2の上面2aが座面として現れ、その濡れていない下座板2上に座ることができる。他方、現在、上座板3が背凭れ部4に凭れ掛けられている状態(図4の状態)では、下座板上面2aが濡れているが、上座板3を下座板2を被覆する倒伏位置まで下方に回動させると、濡れていない上座板3の上面3aが座面として現れ、その濡れていない上座板3上に座ることができる。
【0033】
このように、この実施形態のベンチでは、雨上がり後にベンチ(座面)に座る際に、上座板3を倒伏位置と立起位置との間で起伏させることにより、座面に濡れていない座板(下座板2又は上座板3)を現出させることができ、雨上がり後に現状の座面が濡れていても、簡単な操作で濡れていない座面に座ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願実施形態のベンチの斜視図である。
【図2】 図1のベンチの一部分解斜視図である。
【図3】 図1のIII−III断面図である。
【図4】 図3の状態変化図である。
【符号の説明】
1は脚部、2は下座板、3は上座板、4は背凭れ部、6はヒンジ、7は隙間、21は下座板の奥端部、31は上座板の奥端部、40は背凭れ板、41は背凭れ板の下端部、61はピンである。

Claims (1)

  1. 脚部(1)と、該脚部(1)の上部に固定した下座板(2)と、該下座板(2)とほぼ同面積を有し且つ水不透過性の上座板(3)と、前記下座板(2)の奥側に設けられた背凭れ部(4)とを備え、
    前記上座板(3)は、その奥端部(31)を回動中心として、前記下座板(2)の上面を被覆する倒伏位置と前記背凭れ部(4)の前面に凭れ掛けさせる立起位置との間で起伏自在に取付けているとともに
    前記背凭れ部(4)の背凭れ板(40)の下端部(41)と前記下座板(2)の奥端部(21)との間に水抜き用の隙間(7)を設けている、
    ことを特徴とするベンチ。
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