JP3711972B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭やオフィス、レストラン、工場などで使用される誘導加熱装置に関するものであり、さらに詳しくはアルミニウムや銅といった低透磁率、高電気伝導率なる材料の被加熱物を電磁誘導の原理を利用して加熱する調理器や加熱装置など誘導加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下誘導加熱装置の例として、誘導加熱コイルから高周波磁界を発生し、電磁誘導による渦電流によって鍋等の被加熱物を加熱する誘導加熱調理器について説明する。
【0003】
従来の誘導加熱調理器について、図10に基づいて一例を説明する。図において3は被加熱物である調理鍋、5は商用交流電源を入力する電源プラグであり、商用交流電源は整流され、整流された直流をインバータ回路1が入力して高周波電流に変換して加熱コイル2に供給し、加熱コイル2は高周波磁界を発生する。4は電気絶縁体であるトッププレート、具体的にはセラミック材の厚み4mmなるプレートであり、調理鍋1が載置される。
【0004】
この構成において、加熱コイル2からは高周波磁界が発生し、電磁誘導による渦電流のために調理鍋1が加熱される。調理鍋1がアルミニウムや銅といった低透磁率かつ高電気伝導率なる材料で作られていた場合には、高透磁率材料である鉄などで作られている場合のように加熱コイル2から吸引力が働かず、調理鍋1からの反発磁界により調理鍋1に浮力が作用し、調理鍋1の重量によっては(重量が軽い場合には)、被加熱物1が浮力によりずれたり、被加熱物1の戴置面からの浮きが生じるおそれがある。
【0005】
この現象は、アルミニウムや銅の場合に顕著である。すなわち同じ低透磁率材料であっても、非磁性SUSのようなアルミニウムや銅よりも電気伝導率が低い材料の場合は、加熱コイル2に流す電流が少なくても十分な発熱が得られるので、反発磁界が小となるものである。図11に、アルミニウムで作られた調理鍋1加熱時の入力電力と浮力の相関の一例を示す。図11のグラフにおいて、横軸は入力電力で、縦軸は浮力で示している。この様に、入力電力の増加に伴い、浮力も増加し、その浮力が調理鍋及びその内容物の合計重量を超えると、調理鍋1のずれ、浮きが生じる。
【0006】
こういった背景から昨今、重量センサを用いて被加熱物の移動を検出するもの、磁気センサを用いて検出するもの、また、共振周波数検出手段を用いて検出するもの等がある。さらには、電源電流または加熱コイル電流の傾きを検知して、加熱コイルの磁界の影響による被加熱物の浮きや移動を検知する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−332375号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いずれの技術も被加熱物の磁界による浮力の作用で移動したことを検出した場合に、移動しないように加熱電力を抑制あるいは加熱停止するものであり、人為的に調理鍋1を移動した場合にも同様に加熱電力を抑制あるいは加熱停止するということが起きることがあった。例えばフライパンを用いた炒め物調理中に使用者が調理鍋1をゆする場合などに、不必要に加熱電力を抑制あるいは停止してしまいうまく加熱できないといった加熱調理器としての使い勝手が悪くなるという課題があった。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、本来加熱コイル(被加熱物を含めた)への供給電力を抑制すべきでない場合、例えば被加熱物を使用者が持って小刻みに上下動させたり、水平に移動させたりして行う調理動作等、調理中に人為的な被加熱物移動が生起している場合と、加熱コイルへの供給電力を抑制すべき場合、すなわち、加熱コイル上部に加熱のため放置された被加熱物が、加熱コイルの発生する磁界の作用による浮きなどによる移動とを区別し、人為的な移動と検知したときは、出力抑制動作を制限して調理上の不都合を解消あるいは緩和して使い勝手の良い誘導加熱装置を実現することを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、制御手段は、移動検出手段が移動を検出すると出力抑制動作を行うので、被加熱物の移動が継続するのを防止することができる。
【0011】
また、その後前記出力抑制動作を解除して再度出力を徐々に増加させて前記出力抑制動作を行う移動検出動作を1回以上繰り返すので、被加熱物が加熱コイルの磁界により浮いて移動したことを検知している場合には、移動検出動作の繰り返しが略同一の出力変化で反復する。制御手段は、この出力変化を検知するので、出力変化が不規則となる人為的な被加熱物の移動と識別できるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、高周波磁界を発生し、被加熱物を加熱する加熱コイルを含むインバータと、前記加熱コイルの出力を低出力から所定の出力に徐々に増加させる制御手段と、前記加熱コイルの出力が前記所定の出力に増加するまでの前記インバータの動作状態を検知して前記被加熱物の移動を検出する移動検出手段とを備え、前記制御手段は、前記移動検出手段が前記被加熱物の移動を検出すると、移動を検出した時の前記加熱コイルの出力より小さい出力に抑制するまたは加熱を停止する出力抑制動作を行い、その後前記出力抑制動作を解除して再度出力を徐々に増加させて前記出力抑制動作を行う移動検出動作を1回以上繰り返すとともに、前記移動検出動作の繰り返しが略同一の出力変化で反復していることを検知すると、前記加熱コイルの発生する高周波磁界による前記被加熱物の移動が起きていると判断し、それ以降の前記加熱コイルの出力を前記移動検知手段が移動を検出した出力より小さい出力に抑制して加熱を行う構成とすることにより、制御手段は、移動検出手段が移動を検出すると出力抑制動作を行うので、被加熱物の移動が継続するのを防止することができる。
【0013】
また、移動検出手段が移動を検出して出力抑制動作を行った後、その出力抑制動作を解除して再度出力を徐々に増加させて前記出力抑制動作を行う移動検出動作を1回以上繰り返すので、被加熱物が加熱コイルの磁界により浮き上がったり移動したことを検知している場合には、移動検出動作の繰り返しが略同一の出力変化で反復する。制御手段は、この出力変化を検知するので、出力変化が不規則となる人為的な被加熱物の移動と識別できる。
【0014】
また移動検出動作を行うということは若干でも被加熱物が移動するので、この動作を無制限に続けると被加熱物が少しずつ移動していく可能性があるが、上記の構成の場合、制御手段は、放置した被加熱物が移動していると判断した場合は移動検出を中止するのでそのような事態を避けることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、特に、請求項1に記載の制御手段は、移動検出手段が被加熱物の移動を複数回検出し、移動検出時のインバータの出力値をサンプリングし、そのサンプリングにより得られた複数の出力値に基づき前記被加熱物の移動が起きているかいないかを判断するので、移動検出動作の繰り返しが略同一の出力変化で反復していることを精度良くまた簡単に検知することができる。
【0016】
すなわち移動検知手段の検知結果に基づき、被加熱物の移動を検知して出力を抑制するタイミングは制御手段が決定するものであり、出力値はインバータの入力電流や、加熱コイルに流れる電流をモニターすることで他の制御動作に使用するものと兼用できることから容易に測定できる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、特に、請求項2に記載の制御手段は、サンプリングにより得られた複数の出力値を比較または演算して前記出力値が相互に略同一と判断した場合は、被加熱物が加熱コイルの発生する高周波磁界により移動していると判断するので、加熱コイルの出力を抑制する際の判断をマイクロコンピュータを使用して容易に実現することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、特に、請求項1または2に記載の制御手段は、移動検出動作の繰り返しに要する時間を検出してその時間の変化に応じて前記被加熱物の移動が起きているかいないかを判断するので、移動検出動作の繰り返しが略同一の出力変化で反復していることを精度良くまた簡単に検知することができる。
【0019】
すなわち移動検知手段の検知結果に基づき、被加熱物の移動を検知して出力を抑制するタイミングは制御手段が決定するものであり、移動検出動作の繰り返しに要する時間が容易に測定できる、またインバータの入出力波形を測定して繰り返しに要する時間を測定してもよい。
【0020】
請求項5に記載の発明は、特に、請求項4に記載の制御手段は、移動検出動作の繰り返しに要する時間を複数回測定し、得られた複数の値を比較または演算して、それらが相互に略同一であると判断した場合には被加熱物が加熱コイルの発生する高周波磁界により移動していると判断することにより、加熱コイルの出力を抑制する際の判断をマイクロコンピュータを使用して容易に実現することができる。
【0021】
請求項6に記載の発明は、特に、請求項1〜5に記載の制御手段は、制御手段は、移動検出手段の検出結果に基づいて出力抑制動作を行った後において、人為的に被加熱物による移動が起きたことを検知すると、前記移動検出動作を解除して、所定の出力まで加熱コイルの出力を増加させることにより、放置した被加熱物の移動を極力抑制でき、かつ調理動作に係る人為的な被加熱物の移動が起きた場合に、被加熱物の移動防止のための電力抑制が継続され調理性能が低下するのを回避可能とするものである。炒め物調理などの調理開始時において使用者が被加熱物を動かした場合において、十分な加熱コイルの出力を確保することが可能となる。しかもこの場合において通常の被加熱物移動の課題(自然に移動してしまうなど)は使用者が被加熱物を保持しているのでそれほど問題とならない。
【0022】
請求項7に記載の発明は、特に、使用者の設定した所定の出力に対応した表示を行う表示手段を備え、前記表示手段は、請求項1〜5に記載の制御手段は、制御手段が移動検出手段の検出結果に基づく出力抑制動作を開始しても設定された出力に対応した表示を継続して表示するとともに、前記制御手段が加熱コイルの発生する高周波磁界による前記被加熱物の移動が起きていると判断して以降に、表示する出力値を所定の出力に対応する表示より下げることにより、使用者が設定したインバータ出力(加熱コイル出力または消費電力に相当する)に対応する出力表示が不必要に変更されて、使用者に不必要な不安感を与えることのない使い勝手の良い誘導加熱装置を提供することが可能となる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、特に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の移動検知手段は、インバータ出力の時間変化に応じて被加熱物の移動を検出する構成とすることにより、簡単な構成で被加熱物の移動を検知することができる。
【0024】
【実施例】
以下本発明の実施例について、誘導加熱調理器を例にとり図面を参照しながら説明する。
【0025】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例について図面を参照しながら説明する。図1は本実施例の誘導加熱調理器の概略断面構成図であり、図2は誘導加熱調理器の回路ブロック図を示す。図1及び図2において、筐体12の上部にセラミック製のトッププレート10が配置され、トッププレート10上部に被加熱物である調理鍋9が載置される。電源プラグ19は商用電源11に接続される。筐体12内部で商用電源11は整流平滑部13に入力される。整流平滑部13にはブリッジダイオードで構成される全波整流器13aとその直流出力端間に第1の平滑コンデンサ13bが接続される。
【0026】
第1の平滑コンデンサ13bの両端にはインバータ回路7が接続され、インバータ回路7に誘導加熱コイル8が接続される。インバータ回路7と誘導加熱コイル8は高周波インバータを構成する。インバータ回路7には、第1のスイッチング素子7c(本実施の形態ではIGBT)と、第2のスイッチング素子7d(本実施の形態ではIGBT)の直列接続体が設けられる。第1のダイオード7eが第1のスイッチング素子7cに逆並列に、第2のダイオード7fが第2のスイッチング素子7dに逆並列に接続されている。IGBT7cとIGBT7dの直列接続体の両端には第2の平滑コンデンサ7bが接続される。
【0027】
前記直列接続体の接続点と全波整流器13aの正極端間にはチョークコイル7aが接続される。前記直列接続体の低電位端子は全波整流器13aの負極端子に接続される。前記直列接続体の両スイッチング素子の接続点と全波整流器13aの負極端子間には誘導加熱コイル8と共振コンデンサ7gの直列接続体が接続される。
【0028】
カレントトランス14はインバータ回路7の商用電源11から入力する電源電流を検知し、電源電流検知回路15に検知信号を出力する。電源電流検知回路15は電源電流の大きさに比例した検知信号を制御手段である制御回路18と電源電流変化検知回路16に出力する。
【0029】
電源電流変化検知回路16は変化判別回路17に検知信号を出力し、変化判別回路17は判別信号を制御回路18に出力する。カレントトランス14、電源電流検知回路15、電源電流変化検知回路16及び変化判別回路17は移動検出手段を構成する。制御回路18はインバータ回路7にある第1のスイッチング素子7cと第2のスイッチング素子7dを駆動する。
【0030】
使用者が加熱出力設定、または加熱開始若しくは停止のために操作する入力キーを有する入力部19が制御回路18に接続され、入力部19の出力信号が制御回路18に出力される。また、表示手段20は、制御回路18に接続され、入力部19により設定された加熱出力設定内容等を使用者に対して表示する。
【0031】
以上のように構成された誘導加熱調理器の動作を説明する。商用電源11は全波整流器13aにより整流され、第1の平滑コンデンサ13bはインバータ回路7と誘導加熱コイル8を有する高周波インバータに電源を供給する。
【0032】
図3は本実施例における各部波形を示す。波形(a)は第2のスイッチング素子7d及びダイオード7fに流れる電流波形Ic2を示す。波形(b)は第1のスイッチング素子7c及びダイオード7eに流れる電流波形Ic1を示す。波形(c)は第2のスイッチング素子7dのコレクタ−エミッタ間に生じる電圧Vce2を示す。波形(d)は第1のスイッチング素子7cのコレクタ−エミッタ間に生じる電圧Vce1を示す。波形(e)は誘導加熱コイル8に流れる電流ILを示している。
【0033】
第1のスイッチング素子7fがオンしている場合には、第1のスイッチング素子7f(若しくは第2のダイオード)と誘導加熱コイル8と共振コンデンサ7gの閉回路に共振電流が発生すると共に、チョークコイル4にエネルギが蓄えられる。蓄えられたエネルギは第2のスイッチング素子7fがオフすると、第1のダイオード7eを介して第2の平滑コンデンサ7bに放出される。
【0034】
第2のスイッチング素子7fがオフして以降は、第1のスイッチング素子7cがオンするので、第1のダイオード7eに電流が流れた後、第1のスイッチング素子7c(若しくは第1のダイオード7e)と、誘導加熱コイル8と、共振コンデンサ7gと、第2の平滑コンデンサ7bとを含む閉回路に共振電流が流れる。
【0035】
第1のスイッチング素子7cと第2のスイッチング素子7dの駆動周波数は約20kHz近傍で可変され、駆動時間比率は図3に示すように約1/2近傍で可変される。誘導加熱コイル8と共振コンデンサ7gのインピーダンスは、調理鍋9が指定の材質(例えばアルミニウム等の高導電率、非磁性体)で標準的な鍋(誘導加熱コイルの径以上の鍋)が、トッププレート10の指定の場所(例えば加熱部分として示されている場所)に載置されたとき、発生する共振周波数が駆動周波数の約3倍になるように設定されている。従ってこの場合共振周波数は約60kHzになるよう設定される。
【0036】
誘導加熱コイル8はそこに約60kHzの高周波電流が発生するので、調理鍋9がアルミ製であっても効率良く加熱することができる。本実施例の高周波インバータは、第1のダイオード7e、第2のダイオード7fに流れる回生電流が第1の平滑コンデンサ13bに流れず、第2の平滑コンデンサ7bに供給されるので加熱効率が高い。
【0037】
また、第2の平滑コンデンサ7bにより、誘導加熱コイル8に供給される高周波電流の包絡線(エンベロープ)が従来の調理器より平滑化されるので、加熱時に鍋などから発生する振動音の商用周波数成分が低減される。
【0038】
また、本実施例の高周波インバータは、調理鍋9と誘導加熱コイル8の磁気結合が低下した場合、同じ駆動条件(周波数、駆動時間比など)で動作させると入力電力が低下する特性を有する。
【0039】
制御回路18は電源電流検知回路15から電源電流の大きさに比例した出力信号を入力されるので、第1のスイッチング素子7cと第2のスイッチング素子7dを入力電力(高周波インバータの出力値)を所定の値に制御するように、駆動周波数を可変又は両スイッチング素子の駆動時間比を可変して制御する。
【0040】
起動時、制御回路18は、図4(a)の実線及び破線の線Aで示すように高周波インバータの出力を低出力から設定電力にまで、徐々に駆動周波数または駆動時間比を変えて増加させる。この時、図4(b)の線A’に示すように電源電流が上記設定電力に対応する設定電流に達するまで同様に増加する。
【0041】
調理鍋9がアルミなどの高導電率、非磁性体製のものであった場合には、誘導加熱コイル8に流れる電流が増大するので調理鍋9に誘導される電流も増大し、相互に作用する反発力により浮き上がったりずれたりする可能性がある。
【0042】
起動時、低入力電力から設定電力に到達するまでにこのような、被加熱鍋9の浮きやずれが生じると、図4(a)の線Bに示すように入力電力の増加率が減少し、同様に図4(b)の線B’に示すように電源電流の増加率も減少する。
【0043】
電源電流変化検知回路16は電源電流検知回路15から出力される信号から電源電流値の変化率を測定して、変化判別回路17に出力する。変化判別回路17は電源電流値の変化率が第1の所定範囲内にあり、かつ所定時間以上継続すると調理鍋9が反発力により移動したと判断して、その旨の信号を制御回路18に出力する。制御回路18はこの信号を入力すると、インバータ回路7の動作を停止、あるいは調理鍋9の移動が生じないようにインバータ回路7の出力を制御する。
【0044】
図5にこの制御の例を示す。図5は図4と同様、加熱開始時における入力電力及び入力電流の時間変化を示す。図5に示すように調理鍋9の反発力による浮きやずれの発生によって生じた入力電流の傾きの変化を変化が生じてから約0.1秒で検知した後、検知した際の電流より低い値にて保持される。
【0045】
インバータ回路7の電力制御の応答速度が早い場合、制御回路18が上記結合変化に即追従して駆動条件を入力電力増加させる方向に変更するため、上記のような鍋ずれ、浮きによる電源電流変化が検知できなくなる可能性がある。従って本実施例では、制御回路18が電力制御を行なう際の単位時間当たりの増加率を電源電流の変化が検出可能となる値近傍あるいはそれ以下に設定している。
【0046】
また本実施例において、変化判別回路17、制御回路18、電源電流検知回路15の一部または全部をマイクロコンピュータを利用して構成することで、鍋ずれ、浮き検知が起き始めてから変化判別回路17がそのことを判別するのに要する時間(以降「浮き検知時間」と呼ぶ)を上記のように約0.1秒程度にすることができるのを実験により確認している。
【0047】
浮き検知時間を0.1秒程度にすることにより調理鍋9のずれや浮きを視認しにくくすることができる。ただし、調理鍋9の大きさや形状などにより検出時に若干浮きやずれが視認され易くなる場合がある。例えば軽量のフライパンでは重心が鍋中央よりも取っ手側にあり、少しの浮力で取っ手と反対側の鍋底が浮いて傾く場合等である。
【0048】
インバータ7が起動後、上記のように調理鍋9の移動を検知すると、使用者が設定した出力(例えば2kW)より低い出力値(例えば設定出力より約800W低下させる)に保持することになるが、そのままその低出力を継続すると強い加熱出力を必要とする調理ができなくなる。従って、起動時に出力が安定するまでの間に、使用者が調理鍋9を動かし、この動作により誤って変化判別回路17が調理鍋9が浮いて移動したと検知すると消費電力が低く保持されてしまい、上記のように十分な加熱ができず使い勝手が悪くなるものである。
【0049】
これに対して、本実施例の制御回路18の出力制御動作は、図6のようになっている。図6に示すように、設定された電流値(10A)に到達する途中で、時点t1で調理鍋10が浮き始め、変化判別回路17が時間t2で初めて調理鍋9の移動を検知すると、制御回路18はその時(時点t2)の出力値(この場合電源電流値)I11(この場合8A)を電源電流検知回路15の検知結果を基に測定する。そして制御回路18は加熱出力を、その移動検知の出力値I1(8A)よりも2A低い出力値I21(6A)に低下させる。
【0050】
制御回路18は、加熱出力をその値I21に所定時間T1(例えば1秒)保持後、時点t3で出力抑制動作を解除して再度徐々に加熱出力(入力電流)増加させる。そして変化判別回路17が、時点t4から時点t5において再び調理鍋9の移動を検知すると、制御回路18は、変化判別回路17が2回目に移動を検知した時点t5の出力値I12を測定するとともに出力をI22まで低下し上記の動きを繰り返す。
【0051】
調理鍋9が放置されている場合、誘導加熱コイル8と調理鍋9との結合が変わらないので、変化判別回路17が初回に移動検知した時の電源電流の値I11と2回目に調理鍋9の移動が検知された時の出力値I12が略同じ値となる。このように、制御回路18は、繰り返し変化判別回路17により移動検知をさせ、その移動が検知されるたびに出力値をサンプリングするというサンプリング動作を所定回数(この場合3回)行い、各回の移動検出時における電源電流の測定値を比較演算してほぼ同じであれば(例えば測定値が所定の幅(図6ではΔI)の範囲内にあれば)、調理鍋9が浮いた状態で放置されていると判断して、それ以降移動検出動作を中止(移動をしたと判断した後の出力抑制状態の解除を禁止)し、移動検知を行う出力I11あるいはI12よりも低い電力値で(この場合I21、I22、I23(3回目に移動検知した後の抑制された)は略同じなのでその値で、)加熱継続するものである。
【0052】
もし、上記のように移動検出動作の中止を行わなかった場合、所定の時間(移動検知後の出力抑制状態での保持時間(この場合1秒)とその解除後再度調理鍋9が浮き上がるまでの浮き検知時間(この場合約0.1秒)の和)が経過する毎に、調理鍋9が微妙に浮くことになる。調理鍋9がフライパンの場合、調理鍋9の重心が偏りバランスが悪いため、浮き上がった際調理鍋9の一部だけが浮き上がり回転動作を行う場合がある。調理鍋9の回転動作による誘導加熱コイル8と調理鍋9との磁気結合の変化が小さいので、上記の移動検知動作ができない場合があり、例えば調理鍋9が誘導加熱コイル8から大きくずれてしまうほど大きな回転動作となってしまうことがある。この動作を繰り返していると、浮き上がる毎に回転する場合が想定されることから、移動検出動作の回数は可能な限り少ない方がよい。また、浮き上がってから、検知するまでの時間は短い方がよい。
【0053】
またこの時の出力表示手段の動作について、図6と図9を用いて説明する。入力部19により、加熱出力を「強」設定(2kW)とすると、制御回路18は、出力表示手段20に信号を出力して、図9(ア)に示すように、「強」までの表示素子(LED)が全て点灯し「強」の出力設定がなされたことを表示する。
【0054】
例えばアルミニウム製の調理鍋9が放置された状態で加熱開始されると、図6のように出力が徐々に増加し、時点t2において、浮力により調理鍋9が浮いたことが図6の時点t2(この時の加熱出力は1800W)で検知されると、加熱出力が約400W低下し1200Wとなる。このとき、出力表示手段20の表示は、図9(ア)の状態を継続し、出力値が抑制されても、その表示は出力設定時の状態から変化しない。
【0055】
そして、制御回路18は、調理鍋9の移動検知動作を3回繰り返して、図6の時点t7で、上記のようにその反復動作の状態を監視して、調理鍋9が浮力により移動し、人為的な操作により移動が検知されたものでないと判断すると、出力表示手段20は、「5」と「強」に相当する表示素子を点滅する(図9(イ)参照)。この表示により、使用者は加熱出力が「4」すなわち、1200Wにまで、抑制されたことを認識することができる。この表示形態は、(素子の部分的な点滅動作により)浮力検知機能が働いたことを、(点灯および点滅した部分の合計により)設定された出力を、及び(点灯部分により)移動検知機能により強制的に抑制された出力値を、それぞれ使用者に表示するものであり、音声にてその旨を言葉で報知する等、表示形態には限定されず、他の方法でも同様の効果を奏することができるものである。
【0056】
なお、上記のように点滅や音声により調理鍋9が浮力により移動し、人為的な操作により移動が検知されたものでない旨の表示をせず、調理鍋9の人為的な操作で移動が検知されたものでないことを確認してから、単に出力の変化を、表示するようにしてもよい。直接、調理作業に必要な情報ではないのでそのような表示をすると、使用者によってはかえって混乱する恐れがあるからである。
【0057】
上記のような、移動検知動作を行う場合において、使用者が調理鍋9を動かす場合の制御動作について図7を用いて説明する。人間の調理鍋9の操作に基づく調理鍋9の動きと同様、調理鍋9の移動検出時の電源電流の変化はランダムとなり、図7に示すように移動を検知する時の電流値が高い時もあれば低い時もある。この状態は、前記の移動検知のサンプリングにより得られる複数の移動検知時の出力値を比較することで判別できる。この様な場合は、移動検出動作、即ち、移動を検知した後の出力抑制動作を解除して再度出力を設定値まで増加させる動作を繰り返すことになる。この結果、人為的な動作に基づく調理鍋9の移動がなされた場合には、不必要に出力値が抑制されることを防止することができる。
【0058】
制御回路18が、変化判別回路17により調理鍋9が浮力により移動し放置されたものと判断し、移動検出動作を中止して設定電力よりも低い値を保持している時に使用者が調理鍋9を人為的に移動させた場合の動作について図8を用いて説明する。この状況は、具体的にはアルミニウム製の軽量なフライパンをまず予熱のため放置し、変化判別回路17がこれを検知して電力抑制をし、その後使用者が保持して調理を開始する場合などで生起することが想定される。図2のインバータ7においては、調理鍋9と誘導加熱コイル8との磁気結合に加熱出力が依存するので、前述のように調理鍋9が使用者の保持等によって浮くと一時的に電源電流が小さくなるものである(図A点)。
【0059】
変化判別回路17がこの電源電流の時間変化を検知し(この場合、時間が経過するとともに出力が低下するのを検知する)、制御回路18は出力抑制動作を解除し、徐々に出力を増加させ設定電力となるようにする。
【0060】
例えば予熱時に、制御回路18が調理鍋9が浮力により浮いて出力抑制状態になっていても、使用者が実際に保持して調理していることを検知した時には、自動的に出力抑制動作を解除して抑制された出力から設定出力まで加熱出力が上昇するので、使い勝手が向上するものである。制御回路18は、出力抑制状態のときに、図9(イ)に示すような表示を行っていたが、変化判別回路18が人為的な調理鍋9の移動を検知すると時出力表示手段20は当初の設定出力に変更され、図9(ア)のようになる。
【0061】
以上のように、本実施例においては、高周波磁界を発生し、調理鍋9を加熱するインバータである誘導加熱コイル8及びインバータ回路7と、誘導加熱コイル8の出力を低出力から所定の出力に徐々に増加させる制御手段である制御回路18と、誘導加熱コイル8の出力が所定の出力に増加するまでの高周波インバータの動作状態を検知して調理鍋9の移動を検出する移動検出手段である電源電流変化検知回路16と変化判別回路17とを備え、制御回路18は、移動検出手段の検出結果に基づいて、誘導加熱コイル8の出力を、移動検出手段が移動を検出すると移動を検出した出力I11またはI12より小さい出力I21またはI22に抑制する出力抑制動作を行い、その後出力抑制動作を解除して再度出力を徐々に増加させて出力抑制動作を行う移動検出動作を3回繰り返し、移動検出動作の繰り返しが略同一の出力変化で反復していることを検知すると、誘導加熱コイル8の発生する高周波磁界による被加熱物の移動が起きていると判断し、それ以降の加熱コイルの出力を移動検知手段が移動を検出した出力より小さい出力に抑制して加熱を行うことにより、調理鍋9の移動が継続するのを防止することができる。
【0062】
また、制御回路18は、調理鍋9が誘導加熱コイル8の磁界により浮き上がったことを、移動検出動作の繰り返しが略同一の出力変化で反復する出力変化により検知するので、出力変化が不規則となる人為的な被加熱物の移動と識別できる。また、制御回路18は、放置した調理鍋9が移動していると判断した場合は移動検出を中止するので、被加熱物が少しずつ移動していくのを避けることができる。
【0063】
また、本実施例においては、移動検出手段が調理鍋9の移動を複数回(3回)検出し、移動検出時のインバータ回路7及び誘導加熱コイル8の出力値である電源電流をサンプリングし、そのサンプリングにより得られた複数(この場合3個)の出力値に基づき被加熱物の移動が起きているかいないか(この場合3個の出力値が所定の範囲内に入っているかどうか)を判断するので、移動検出動作の繰り返しが略同一の出力変化で反復していることを精度良くまた簡単に検知することができる。
【0064】
すなわち移動検知手段の検知結果に基づき、調理鍋9の移動を検知して出力を抑制するタイミングは制御回路18が決定するものであり、出力値はインバータ回路7の入力電流(電源電流)や、誘導加熱コイル8の電流をモニターすることで制御回路18による出力制御等他の制御動作に使用するものと兼用できることから回路構成を簡素化することができる。
【0065】
また、本実施例においては、制御回路18は、サンプリングにより得られた複数8この場合3個)の出力値を比較または演算して前記出力値が相互に略同一と判断した場合は、調理鍋9が誘導加熱コイル8の発生する高周波磁界により移動していると判断するので、誘導加熱コイル8の出力を抑制する際の判断をマイクロコンピュータを使用して容易に実現することができる。
【0066】
また、本実施例においては、制御回路18は、移動検出手段の検出結果に基づいて出力抑制動作を行った後において、人為的に調理鍋9による移動が起きたことを検知すると、移動検出動作を解除して、所定の出力まで誘導加熱コイル8の出力を増加させることにより、放置した調理鍋9の移動を極力抑制でき、かつ調理動作に係る人為的な被加熱物の移動が起きた場合に、出力抑制動作を自動的に解除して、調理鍋9の移動防止のための電力抑制が継続され調理性能が低下するのを回避できる。
【0067】
例えば、炒め物調理などの調理開始時において使用者が調理鍋9を動かした場合において、十分な誘導加熱コイル8の加熱出力を確保することが可能となる。しかもこの場合において通常の調理鍋9移動の課題(自然に移動してしまうなど)は、使用者が調理鍋9を保持しているのでそれほど問題とならない。
【0068】
また、本実施例においては、使用者の設定した所定の出力に対応した表示を行う出力表示手段20は、制御回路18が移動検出手段の検出結果に基づく出力抑制動作を開始しても設定された出力に対応した表示を継続して表示するとともに、制御回路18が誘導加熱コイル8の発生する高周波磁界による調理鍋9の移動が起きていると判断して以降に、表示する出力値を所定の出力に対応する表示より下げるので、使用者が設定したインバータ回路7の出力(誘導加熱コイル8の出力または消費電力若しくは電源電流に相当する)に対応する出力表示手段20の出力表示が不必要に変更されて、使用者に不必要な不安感を与えることのない使い勝手の良い誘導加熱装置を提供することが可能となる。
【0069】
また、本実施例においては、インバータ回路17または誘導加熱コイル8の出力の時間変化に応じて被加熱物の移動を検出する構成とすることにより、マイクロコンピュータを使用して簡単な構成で調理鍋9の移動を検知することができる。
【0070】
なお、上記実施例においては、調理鍋9の移動が起きているかいないかを、移動検出時の電源電流値を複数測定し、その値が略同一か否かによって判断したが、移動検出動作の繰り返しに要する時間を複数回測定し、得られた複数の値を比較または演算して、それらが相互に略同一であると判断しても、同様の作用効果を得ることができる。そして、電源電流のかわりにインバータの入出力波形(電圧又は電流)を測定して繰り返しに要する時間を測定してもよい。
【0071】
なお、移動検知後の出力を所定の値に抑制する際、所定値を零、即ち加熱停止としても良いが、出力抑制値を高くすればするほど、人為的な移動かどうかの検知を迅速にすることができる。
【0072】
なお、本実施例では2石式のSEPPインバータ構成としたが、例えば1石式の電圧共振形インバータなど負荷(被加熱物)との磁気結合変化により入力電流が変化するものであればいかなる構成あるいは制御方式のインバータでもよい。さらに電力可変を周波数を用いて行うものとしたが、これも制限されるものでなく、例えば周波数一定で2石のスイッチング素子の導通比率を変化させるなどの方式でもよいことは言うまでもない。
【0073】
被加熱物の移動検出に電源電流の時間変化を用いたが、例えば共振周波数検出手段を用いて、その変化により検知しても良い。さらに移動時に発生する音や振動を検出してもよい。
【0074】
【発明の効果】
以上のように、請求項1乃至8に記載の発明によれば、特に被加熱物が低透磁率、高電気伝導率を加熱する誘導加熱装置において、浮力により被加熱物のずれや浮きといった移動が発生した時に、人為的な移動と非人為的な移動を判別して、それぞれに適した電力制御や表示を行うことが可能となるため、使い勝手の良い誘導加熱装置を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の断面図
【図2】本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の回路ブロック図
【図3】本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の高周波インバータの動作波形を示す図
【図4】(a)本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の入力電力の時間変化を示す図
(b)本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の電源電流の時間変化を示す図
【図5】(a)本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の入力電力の時間変化を示す図
(b)本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の電源電流の時間変化を示す図
【図6】本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の電源電流の時間変化(被加熱物が放置されて移動検知動作が行われた場合)を示す図
【図7】本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の電源電流の時間変化(被加熱物が人為的に移動された場合)を示す図
【図8】本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の電源電流の時間変化(移動検知による出力抑制状態で被加熱物が人為的に移動された場合)を示す図
【図9】(ア)本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の出力表示手段の出力設定時の表示状態を示す図
(イ)本発明の第1の実施例における誘導加熱装置の被加熱物が放置されていることが確認された後の出力表示手段の表示状態を示す図
【図10】従来の誘導加熱装置の断面図
【図11】従来の誘導加熱装置の入力電力と浮力の相関図
【符号の説明】
7 インバータ回路(高周波インバータ)
8 誘導加熱コイル(加熱コイル)
9 調理鍋(被加熱物)
14 カレントトランス(移動検出手段)
15 電源電流検知回路(移動検出手段)
16 電源電流変化検知回路(移動検出手段)
17 変化判別回路(移動検出手段)
18 制御回路(制御手段)
20 出力表示手段(表示手段)

Claims (8)

  1. 高周波磁界を発生し、被加熱物を加熱する加熱コイルを含むインバータと、前記加熱コイルの出力を低出力から所定の出力に徐々に増加させる制御手段と、前記加熱コイルの出力が前記所定の出力に増加するまでの前記インバータの動作状態を検知して前記被加熱物の移動を検出する移動検出手段とを備え、前記制御手段は、前記移動検出手段が前記被加熱物の移動を検出すると、その移動を検出した時の前記加熱コイルの出力より小さい出力に抑制するまたは加熱を停止する出力抑制動作を行い、その後前記出力抑制動作を解除して再度出力を徐々に増加させて前記出力抑制動作を行う移動検出動作を1回以上繰り返すとともに、前記移動検出動作の繰り返しが略同一の出力変化で反復していることを検知すると、前記加熱コイルの発生する高周波磁界による前記被加熱物の移動が起きていると判断し、それ以降の前記加熱コイルの出力を前記移動検知手段が移動を検出した出力より小さい出力に抑制して加熱を行う誘導加熱装置。
  2. 制御手段は、移動検出手段が被加熱物の移動を複数回検出し、移動検出時のインバータの出力値をサンプリングし、そのサンプリングにより得られた複数の出力値に基づき前記被加熱物の移動が起きているかいないかを判断する請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 制御手段は、サンプリングにより得られた複数の出力値を比較または演算して前記複数の出力値が相互に略同一と判断した場合は、被加熱物が加熱コイルの発生する高周波磁界により移動していると判断する請求項2に記載の誘導加熱装置。
  4. 制御手段は、移動検出動作の繰り返しに要する時間を検出してその時間の変化に応じて前記被加熱物の移動が起きているかいないかを判断する請求項1または2に記載の誘導加熱装置。
  5. 制御手段は、移動検出動作の繰り返しに要する時間を複数回測定し、得られた複数の値を比較または演算して略同一である場合には被加熱物が加熱コイルの発生する高周波磁界により移動していると判断する請求項4に記載の誘導加熱装置。
  6. 制御手段は、移動検出手段の検出結果に基づいて出力抑制動作を行った後において、人為的に被加熱物による移動が起きたことを検知すると、前記移動検出動作を解除して、所定の出力まで加熱コイルの出力を増加させる請求項1〜5のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  7. 使用者の設定した所定の出力に対応した表示を行う表示手段を備え、前記表示手段は、制御手段が移動検出手段の検出結果に基づく出力抑制動作を開始しても設定された前記所定の出力に対応した表示を継続して表示するとともに、前記制御手段が加熱コイルの発生する高周波磁界による前記被加熱物の移動が起きていると判断して以降に、表示する出力を前記所定の出力に対応する表示出力より下げる請求項1〜6のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  8. 移動検知手段は、インバータ出力の時間変化に応じて被加熱物の移動を検出する請求項1〜7のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
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