JP2008071613A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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篤志 藤田
Takeshi Kitaizumi
武 北泉
Hideki Sadakata
秀樹 定方
Yoichi Kurose
洋一 黒瀬
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Abstract

【課題】平滑手段の劣化を速やかに判別して、使用者の利便性を損なうことのない誘導加熱装置を提供することを目的としている。
【解決手段】平滑手段4の電圧を検知する電圧検知手段5を備え、制御手段6は電圧検知手段5の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合において、インバータ7出力を低下または停止すべく制御するようにしたものである。これによって、平滑手段4の電圧を電圧検知手段5で検知して、平滑手段4の劣化を速やかに判別することができ、平滑手段4の劣化時にはインバータ7出力を低下または停止すべく制御するので、使用者の利便性を損なうことがないものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般家庭やオフィス、レストラン、工場などで使用される誘導加熱装置に関するものであり、さらに詳しくは、被加熱物としてアルミニウムや銅などの低透磁率かつ高電気伝導率の材料からなる被加熱物を加熱する誘導加熱調理器や、誘導加熱式湯沸かし器、誘導加熱式アイロン、またはその他の誘導加熱式加熱装置などで、特にアルミニウムや銅などを加熱可能とする誘導加熱装置に関するものである。
従来、この種の誘導加熱装置として、例えば、誘導加熱調理器に関して、複数のスイッチング素子を有し、一方のスイッチング素子のオン期間中に周期の短い共振電流を加熱コイルに発生し、かつ第1、第2の平滑コンデンサから加熱コイルに電力を供給することにより、入力電圧の脈流による鍋鳴り音が生じず、騒音の少ないアルミ鍋などを加熱する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−257609号公報
しかしながら、前記従来の構成では、インバータの電源となる第1の平滑コンデンサおよび補助的な電源となる第2の平滑コンデンサの電圧変動により、アルミ鍋などの被加熱物を誘導加熱する際、高周波磁界強度も変動する。特に、鉄などの強磁性体以外の材質(アルミニウムなどの高電気伝導率かつ低透磁率からなる材質)で形成された被加熱物を加熱する場合には、この磁界強度の変動によって、磁界と被加熱物内部に誘導される誘導電流との反発力が被加熱物の周期的な振動および振動音(鍋鳴り音)を発生させるため、使用者の利便性を損なう。
そのため、第1、第2の平滑コンデンサは、電圧変動が生じないような大容量のものが選択され、通常は大容量化が容易である電解コンデンサが用いられている。ところが、電解コンデンサは構造上内部に電解液を含んでいる。この電解液は、電解コンデンサ使用中に徐々に飛散していき、最終的には電解コンデンサの容量が大幅に低下する。何らかの異常により使用時の温度が設計温度より高い場合は、容量の低下が早まる場合もある。また、部品不良による液漏れ、過電流などによる急激な電解液飛散に伴う防爆弁作動なども考えられる。
一般に、電解コンデンサは内部に化学的な不安定要素を含んでいるため、他電子部品に比べて寿命が短い部品であるとも言える。
電解コンデンサ容量が低下した場合、アルミ鍋などの被加熱物を誘導加熱した際に、非常に大きな鍋鳴り音が発生して利用者の利便性を損なうため、部品劣化を検知して所定の制御を行うことが望まれる。また過度のストレスを加え続けて使用して、電解コンデンサの防爆弁が作動した場合には、電解液が気化したガスによる異臭などで利用者に不利益なること甚大である。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、平滑手段の劣化を速やかに判別して、使用者の利便性を損なうことのない誘導加熱装置を提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、平滑手段の電圧を検知する電圧検知手段を備え、制御手段は電圧検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合において、インバータ出力を低下または停止すべく制御するようにしたものである。
これによって、平滑手段の電圧を電圧検知手段で検知して、平滑手段の劣化を速やかに判別することができ、平滑手段の劣化時にはインバータ出力を低下または停止すべく制御するので、使用者の利便性を損なうことがないものである。
本発明の誘導加熱装置は、平滑手段の劣化を速やかに判別して、使用者の利便性を損なうことない誘導加熱装置を提供することができる。
第1の発明は、商用電源からの交流電圧を整流する整流手段と、整流手段の2次側に接続された平滑手段と、前記平滑手段の電圧を検知する電圧検知手段と、前記平滑手段に接続されるインバータと、前記インバータに内包される複数のスイッチング素子と、前記インバータに接続され被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記電圧検知手段からの信号を入力しかつ前記インバータの制御を行う制御手段とを備え、前記インバータはスイッチング素子のオン/オフによって高周波電流を加熱コイルに供給して被加熱物を誘導加熱するとともに、前記制御手段は電圧検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合において、前記インバータ出力を低下または停止すべく制御する誘導加熱装置とするものである。これによって、平滑手段の電圧を電圧検知手段で検知して、平滑手段の劣化を速やかに判別することができ、平滑手段の劣化時にはインバータ出力を低下または停止すべく制御するので、使用者の利便性を損なうことがないものである。
第2の発明は、特に、第1の発明において、平滑手段の電圧を検知する電圧検知手段に代えるかまたはこれに加えて、インバータの出力の大きさを検知するインバータ出力検知手段を備え、制御手段はインバータ出力検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合において、インバータ出力を低下または停止すべく制御することにより、インバータ出力検知手段でインバータの出力の大きさを検知して、平滑手段の劣化を速やかに判別することができ、平滑手段の劣化時にはインバータ出力を低下または停止すべく制御するので、使用者の利便性を損なうことがないものである。すなわち、加熱コイル電流、加熱コイル電圧、スイッチング素子電流、スイッチング素子電圧などのインバータ出力の大きさはその包絡線(およそ波形のピークとピークとをつないだ線)が、インバータ電源として働く平滑手段電圧と相似の波形となる。したがって、インバータ出力の大きさを検知することにより、平滑手段電圧の変動を間接的に検知することが可能であり、平滑手段の劣化が判別できるものである。なお、インバータ出力の大きさについては、インバータの過負荷を制限するリミッタ、出力調整のため、何らかの形で検知手段が設けられる。よって、インバータ出力検知手段による平滑手段の劣化判別は、部品点数を増加させることがない。
第3の発明は、特に、第1の発明において、制御手段に接続された報知手段を備え、報知手段は制御手段が電圧検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合にインバータ出力を低下または停止すべく制御したことを報知することにより、平滑手段の劣化判別によるインバータ出力の低下または停止制御だけでなく、それに応じた表示、鳴動を通じて使用者に報知することによって、速やかに適切な処置を施すことができる。したがって、修理者のサービス性向上、使用者の利便性向上が可能である。
第4の発明は、特に、第2の発明において、制御手段に接続された報知手段を備え、報知手段は制御手段がインバータ出力検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合にインバータ出力を低下または停止すべく制御したことを報知することにより、検知手段のための部品点数増加が必要ない上、第3の発明と同様の効果が得ることができる。
第5の発明は、特に、第1の発明において、平滑手段とインバータの接続/分離を制御手段による制御信号により切り換える切り換え手段と、前記インバータに接続されかつ平滑手段に比べ容量が少なくかつ劣化による容量低下の少ない第2の平滑手段とを備え、制御手段は電圧検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合において、平滑手段とインバータを分離すべく切り換え手段に制御信号を出力することにより、平滑手段の劣化が判別されると、平滑手段をリレーなどからなる切り換え手段によって回路から分離し、平滑手段に比べて容量が少なくかつ劣化による容量低下の少ない、例えば内部に電解液を含まないフィルムコンデンサなどの第2の平滑手段のみ接続した状態にすることができる。平滑手段の容量が低下した後、誘導加熱を継続すると平滑手段への過負荷となって、部品の過昇温や、例えば電解コンデンサの防爆弁作動などにつながる恐れがあるが、第2の平滑手段のみ接続した状態にすると平滑手段(第2の平滑手段)の容量が低下した状態になるため、アルミニウムなどの高電気伝導率、低透磁率の被加熱物を誘導加熱した際の振動音は抑制できないが、それ以上の劣化の進行はほとんど生じない。すなわち、修理者による速やかな部品交換まで、使用者はある一定条件で誘導加熱装置の使用を継続することが可能である。
第6の発明は、特に、第2の発明において、平滑手段とインバータの接続/分離を制御手段による制御信号により切り換える切り換え手段と、前記インバータに接続されかつ平滑手段に比べ容量が少なくかつ劣化による容量低下の少ない第2の平滑手段とを備え、制御手段はインバータ出力検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合において、平滑手段とインバータを分離すべく切り換え手段に制御信号を出力することにより、部品点数を極力増加することなく、第5の発明と同様の効果を得ることが可能である。
第7の発明は、特に、第1の発明において、被加熱物の材質を判別する被加熱物材質判別手段を備え、制御手段は電圧検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合において、前記被加熱物材質判別手段の判別結果がアルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料であれば被加熱物の誘導加熱を停止し、低電気伝導率高透磁率材料であれば被加熱物の誘導加熱を継続することにより、平滑手段の劣化が判別されても、被加熱物材質判別手段によって、誘導加熱を継続しても振動音を発生しない低電気伝導率高透磁率材料からなる被加熱物であると判別された場合に限って加熱継続を行うため、使用者の利便性を損なわない。すなわち、被加熱物がアルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料からなる場合、平滑手段の容量低下によって、加熱コイルから発生する高周波磁界と被加熱物間の反発力に起因する被加熱物の振動音が発生する。しかしながら、鉄などの低電気伝導率高透磁率材料の場合には、吸引力も働く上、一般に重量が重いため、振動量が少なく、音もほとんど発生しないものである。
第8の発明は、特に、第2の発明において、被加熱物の材質を判別する被加熱物材質判別手段を備え、制御手段はインバータ出力検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合において、前記被加熱物材質判別手段の判別結果がアルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料であれば被加熱物の誘導加熱を停止し、低電気伝導率高透磁率材料であれば被加熱物の誘導加熱を継続することにより、部品点数を極力増加することなく、第7の発明と同様の効果を得ることが可能である。
第9の発明は、特に、第1の発明において、商用電源に同期し制御手段に信号出力する同期信号発生手段を備え、制御手段は前記同期信号発生手段からの信号に同期して電圧検知手段からの信号を入力し第1の所定値とするとともに、第1の所定値から所定幅低い値を第2の所定値とするものである。
既定の第1の所定値、第2の所定値に基づく判別を行った場合、例えば商用電源電圧が比較的高い電源条件においては、電圧変動のオフセットが高くなるため、平滑手段の容量が同じであっても第2の所定値に到達しない場合も考え得る。つまり、電源条件によっては平滑手段の劣化状態を精度良く判別できない場合がある。平滑手段は大容量であるため、通常時の電圧変動は非常に少ないが、多少は発生する。また、回路構成などによって平滑手段電圧がピークとなるタイミングが異なる。例えば、平滑手段と整流手段間に大容量のチョークコイルを設けて電源高調波対策を行う場合には、平滑手段電圧ピークは、商用電源0Vと次の0V期間のほぼ中間より遅れたタイミングになる。また高周波スイッチング回路による高調波対策を行う場合には、回路設計にもよるが、商用電源0Vと次の0V期間のほぼ中間に平滑手段電圧ピークがくる。
ところが、本発明の制御手段は、同期信号を利用して、商用電源に同期した、回路構成に合わせた所定のタイミングで平滑手段電圧を検知/認識することが可能であるため、平滑手段電圧ピークを検知/認識できる。平滑手段電圧ピークは商用電源電圧と相関があるため、制御手段は平滑手段電圧ピークを第1の所定値とし、かつ平滑手段の劣化、つまり所定の容量低下を見越した所定幅低い値を第2の所定値として設定することにより、電源条件に合わせた平滑手段劣化判別が可能である。
第10の発明は、特に、第2の発明において、商用電源に同期し制御手段に信号出力する同期信号発生手段を備え、制御手段は前記同期信号発生手段からの信号に同期してインバータ出力検知手段からの信号を入力し第1の所定値とするとともに、第1の所定値から所定幅低い値を第2の所定値とすることにより、インバータ出力の大きさを示す波形の包絡線が、平滑手段電圧と相似形状であるため、間接的に平滑手段電圧を検知することが可能であり、第9の発明と同様の効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における誘導加熱装置を示すものであり、特に誘導加熱調理器の要部の回路を示している。
図1において、商用電源1からの交流電圧を整流するダイオードブリッジからなる整流手段2の出力高電位側には、大容量の力率改善用のチョークコイル3が接続されている。後述するように、平滑手段4の容量を大きく設定することにより、商用電源1から流れる入力電流が歪んでしまい、力率が低下するが、チョークコイル3によって入力電流の整形が行われるため、高力率を維持することが可能である。
チョークコイル3のもう一端と、整流手段2の出力低電位側には、大容量の電解コンデンサからなる平滑手段4が接続されている。つまり整流手段2の2次側に間接的に平滑手段4が接続されている状態にある。本実施の形態では、容量820μFの電解コンデンサが2個並列に接続されており、通常の場合(商用電源1がAC200V、ピーク約280Vの場合)おおよそ280Vをピークに30V程度の電圧変動を生じている。
平滑手段4である電解コンデンサの内部構造は、表面に微小な凹凸を設けられた電極と、比較的平坦な表面の電極とを向かい合わせて巻き回した構造となっている。コンデンサ容量は向かい合った電極の面積に比例するが、電解コンデンサの電極のように表面に微小な凹凸を設けた場合、それに対応した形状となる対の電極があれば、容量を大きくすることが可能である。しかしながら、実際は微小な凹凸に対応する対の電極を作成することが非常に困難であるため、電極の代わりとなる電解液を内部に含んでいる。電解液が微小な凹凸の隙間に入り込むため、極近い距離にほぼ同じ対となる電極が並んでいる構造と相似になって、コンデンサ体積に対する容量を非常に大きくすることが可能である。
その一方で、何らかの原因で電解液が減少した場合には、コンデンサ容量も減少する。電解液は使用中に自然に飛散する場合、過昇温によってガス化して飛散する場合、不良によって液漏れする場合などがあり、平滑手段4である電解コンデンサは劣化によって容量低下が発生するものである。
平滑手段4の両端には、平滑手段4の電圧を検知するべく、抵抗からなる電圧検知手段5が接続される。この抵抗によって分圧された分圧電圧は、マイクロコンピュータからなる制御手段6の電源電圧(本実施の形態では5V)以下になるような分圧比で入力される。
平滑手段4には、インバータ7が接続されており、インバータ7側から見て平滑手段4はインバータ7電源の役割をなしている。
インバータ7には、平滑手段4に並列接続される、それぞれ直列に接続されているIGBTからなる第1のスイッチング素子8および第2のスイッチング素子9が内包されている。また、第2のスイッチング素子9の高電位端子と低電位端子には、加熱コイル10と共振コンデンサ11の直列接続体が並列接続されている。また第1および第2のスイッチング素子8、9はそれぞれ逆導通ダイオードを内蔵している。
加熱コイル10上方には、強化ガラスが配置されており(図示せず)、その上にアルミ鍋などの被加熱物12が置かれる。
また、加熱コイル10は、損失を抑制するために、素線を束ねた撚り線を多層にして平板状に巻き回されて構成される。
制御手段6には、前述のように電圧検知手段5からの信号が入力されるとともに、商用電源1からの入力電流を検知するカレントトランスなどからなる入力電流検知手段13からの信号も入力される。
さらに、制御手段6は、電圧検知手段5、入力電流検知手段13などからの信号に基づき、所定の出力が得られるよう、第1および第2のスイッチング素子8、9の動作を制御する。
また、使用者による操作で被加熱物12の加熱/停止を行うべく信号を出力する操作手段14が制御手段6に接続されている。操作手段14には、装置の状態、すなわち火力表示、タイマー表示、温度表示などの情報を表示する液晶などからなる表示手段15と、報知音や音声を発生するブザーやスピーカーなどで構成される鳴動手段16を内包されている。表示手段15および鳴動手段16は、使用者への報知手段としての役割をなしている。
以上の構成において、本実施の形態の動作を説明する。まず、インバータ7の動作を中心に説明する。
商用電源1が投入されると、制御手段6は電圧検知手段5の検知を開始する。制御手段6は電圧検知手段5の出力によって、商用電源1電圧を認識する。商用電源1電圧がAC150Vに達しない場合、つまり、電圧検知手段5出力が制御手段6の内部に保持している第1の所定値に到達しない場合は、電源電圧が低く、動作不適として表示手段15にエラー表示を行い、鳴動手段16によって報知音を発生させる。
使用者が操作手段14により被加熱物12の加熱開始操作を行うと、操作手段14から制御手段6に対して加熱開始信号が出力される。また同時に、操作手段14から表示手段15および鳴動手段16に信号が出力され、使用者の操作に応じた表示および音声などの鳴動によって加熱開始を報知する。
操作手段14からの加熱開始信号を入力した制御手段6は、第1および第2のスイッチング素子8、9を動作させるべく駆動信号を出力する。その際、第2のスイッチング素子9のオン時間を最小に、第1のスイッチング素子8のオン時間を最大になるよう、かつそれぞれが排他的にオンするように制御を行う。
制御手段6は、共振コンデンサ11と加熱コイル10と被加熱物12からなる共振要素の共振周波数約90kHzの約1/3となる周波数の33kHzの一定駆動周波数(周期)のまま第1のスイッチング素子8と第2のスイッチング素子9の排他的駆動を継続しながら、徐々に第2のスイッチング素子9のオン時間を延ばしていく。制御手段6は、第2のスイッチング素子9のオン時間が駆動周期の1/2に達すると、第1のスイッチング素子8と第2のスイッチング素子9のオン時間比を一定にしたまま、駆動周波数(周期)を下げていく。
その一連の動作中に、共振コンデンサ11の電圧を検知するコンデンサ電圧検知手段(図示せず)の出力が、入力電流検知手段13からの出力に応じて設定されるしきい値を越えると、制御手段6は、加熱コイル10上方に加熱適当な被加熱物12が戴置されていると判断する。
制御手段6は、入力電流検知手段13の出力と、操作手段14による加熱出力設定とを比較して、適宜第1および第2のスイッチング素子8、9の駆動周波数を制御する。つまり、インバータ7は制御手段6の制御によって、第1および第2のスイッチング素子8、9のオン/オフを行い、高周波電流を加熱コイル10に供給して被加熱物12を誘導加熱する。
図2は、本実施の形態における所定の入力電流が得られている状態での各部動作波形を示している。
図2(a)は第1のスイッチング素子8の高電位端子−低電位端子間の電圧(Vce)、図2(b)は第1のスイッチング素子8電流(Ic)、図2(c)は第2のスイッチング素子9の高電位端子−低電位端子間の電圧(Vce)、図2(d)は第2のスイッチング素子9電流(Ic)、図2(e)は加熱コイル10電流(IL)を示している。
本実施の形態において、制御手段6は、共振コンデンサ11と加熱コイル10と被加熱物12からなる共振要素の共振周波数の約1/3となる周波数で第1および第2のスイッチング素子8、9を動作させる。これは、被加熱物12がアルミニウムなどの高電気伝導率、低透磁率の材質であることに関係がある。
被加熱物12材質がアルミニウムなどであった場合、加熱コイル10から見た被加熱物12の高周波抵抗が非常に低いために、被加熱物12内部に誘導電流が誘起されても十分なジュール熱が生じない。
このような被加熱物12を誘導加熱するためには、加熱コイル10に流れる高周波電流によって発生する高周波磁界の強度を強くする、または周波数を高めて被加熱物12の高周波抵抗を高めるといった方法が有効である。
本実施の形態では、加熱コイル10のターン数を増やして発生する高周波磁界強度を高め、さらに磁界周波数を約20kHzから約90kHzに高めることで、アルミニウムなどの被加熱物12を十分な火力で誘導加熱可能にしている。
しかしながら、磁界周波数を高めるということは、第1および第2のスイッチング素子8、9の駆動周波数を高めることになり、スイッチング回数が増加し、損失増加につながるという課題がある。そこで、本実施の形態では、共振現象を利用し、第1および第2のスイッチング素子8、9の駆動1周期中に3回の共振が得られるような第1および第2のスイッチング素子8、9駆動周波数を選択している。つまり、共振コンデンサ11と加熱コイル10と被加熱物12からなる共振要素の共振周波数の約1/3となる周波数で第1および第2のスイッチング素子8、9を動作させている。
これにより、磁界周波数を高める一方で、第1および第2のスイッチング素子8、9のスイッチング回数増加を抑制し、第1および第2のスイッチング素子8、9の損失増加を抑制することができる。
次に、平滑手段4劣化の判別について説明する。
被加熱物12材質がアルミニウムなどである場合、電気伝導率が高いために、鉄などの材質に比べ、誘導加熱時に誘起される誘導電流が大きい。この誘導電流は、加熱コイル10から発生する高周波磁界に反発するよう生じるものであるから、被加熱物12が動きやすくなる。
平滑手段4の容量が小さい場合、インバータ7の瞬時出力は、商用電源1に同期して変動し、この変動に起因して、被加熱物12から振動音が発生する。
本実施の形態では、平滑手段4の容量として820μFを2個とすることで、十分な容量を確保しており、商用電源1に同期したインバータ7出力の変動が大幅に軽減されている。
図3は、本実施の形態における各部動作波形の全体図を示している。
図3(a)は平滑手段4容量が十分の場合における商用電源1電圧(Vin)、図3(b)は平滑手段4電圧(VC2)、図3(c)は電圧検知手段5出力、図3(d)はインバータ7出力と相関する加熱コイル10電流(IL)を示している。なお、図3(e)、図3(f)、図3(g)は、平滑手段4容量が十分でない場合、すなわち、何らかの原因で平滑手段4が劣化し、容量が低下した場合の平滑手段4容量(VC2)、電圧検知手段5出力、加熱コイル10電流(IL)である。
平滑手段4は、電解コンデンサで構成されているため、劣化によって容量が低下し、図3(e)、(f)、(g)に示したような波形となる。つまり、商用電源1半周期に同期して変動を生じる。容量が低下すればするほど、図3(e)に示すVC2のように、ピークは通常時とほとんど変わらないが、最下点が徐々に低下していく。
制御手段6は平滑手段4電圧VC2の変化に伴う電圧検知手段5の出力変化を認識しており、電圧検知手段5の最小出力電圧が制御手段6内部に保持している第2の所定値以下であった場合、平滑手段4の容量が所定値以下となって劣化が進行したと判別し、インバータ7出力を十分低い大きさ(本実施の形態では500W)に変更するべく第1および第2のスイッチング素子8、9の制御を行う。
インバータ7出力が十分低いために、平滑手段4電圧の変動も少なくなり、被加熱物12の振動音も低減される。
また、制御手段6は、報知手段である表示手段15および鳴動手段16によるエラー表示、報知音を通じて使用者に報知する。使用者は、この報知によって速やかに部品交換の必要を認識することが可能である。
つまり、制御手段6は、電圧検知手段5の出力が商用電源1半周期内で第1の所定値以上であることより正常な電源電圧範囲であることを認識する。かつ電圧検知手段5の出力が第2の所定値以下となる変動を生じた場合には平滑手段4の劣化として判別し、インバータ7出力を低下させるべく制御を行う。
なお、例えば瞬時停電などの電源異常により、商用電源1電圧が急変したとしても、正常時の平滑手段4は大容量であるために平滑手段4電圧はほとんど変化せず、平滑手段4の劣化として誤認識することはない。平滑手段4が劣化、容量低下してはじめて判別するものである。
また、本実施の形態では、制御手段6は、平滑手段4の劣化を判別してインバータ7出力を低下させるとしたが、これに限るものではない。インバータ7出力を停止してもよい。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における誘導加熱装置を示すものであり、特に誘導加熱調理器の要部の回路を示している。本実施の形態は、実施の形態1とほぼ同構成となるため、同一要素については同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図4において、チョークコイル3のもう一端と、整流手段2の出力低電位側には、リレーからなる第1の切り換え手段17と大容量の電解コンデンサからなる平滑手段4の直列接続体が接続されている。第1の切り換え手段17は、制御手段6からの制御信号を入力しており、制御信号がHighであるときは平滑手段4がインバータ7に接続され、Lowであるときは分離されるように切り換えるものである。
平滑手段4および第1の切り換え手段17の直列接続体には、さらにフィルムコンデンサからなる第2の平滑手段18が並列接続されている。本実施の形態では、フィルムコンデンサ容量は10μFとしている。
フィルムコンデンサは内部に電解液のような変化の著しい物質が含まれていないため、使用を継続しても劣化による容量低下が少ない。
第2の平滑手段18(つまり、平滑手段4および第1の切り換え手段17の直列接続体)の両端には、第2の平滑手段18の電圧を検知するべく、抵抗からなる電圧検知手段5が接続される。この抵抗によって分圧された分圧電圧は、マイクロコンピュータからなる制御手段6の電源電圧(本実施の形態では5V)以下になるような分圧比で入力される。
共振コンデンサ11と第2のスイッチング素子9間には、加熱コイル10および共振コンデンサ11に流れる共振電流を検知する共振電流検知手段19が挿入されており、その検知信号は制御手段6に出力される。共振電流は、加熱電力に相関あるため、共振電流検知手段19はすなわちインバータ出力検知手段を構成している。
共振コンデンサ11には、リレーからなる第2の切り換え手段20と第2の共振コンデンサ21が並列接続されている。第2の切り換え手段20の制御は、制御手段6によって行われる。また第2の共振コンデンサ21の容量は、共振コンデンサ11に比較して大きい容量が設定されている。本実施の形態では、共振コンデンサ11容量を0.015μF、第2の共振コンデンサ21容量を0.23μFとしている。
以上のような構成において、その動作を説明する。
制御手段6は、共振コンデンサ11と加熱コイル10と被加熱物12からなる共振要素の共振周波数約90kHzの約1/3となる周波数の33kHzの一定駆動周波数(周期)のまま第1のスイッチング素子8と第2のスイッチング素子9の排他的駆動を継続しながら、徐々に第2のスイッチング素子9のオン時間を延ばしていく。制御手段6は、第2のスイッチング素子9のオン時間が駆動周期の1/2に達すると、第1のスイッチング素子8と第2のスイッチング素子9のオン時間比を一定にしたまま、駆動周波数(周期)を下げていく。このとき、第1の切り換え手段17は駆動(接点が閉じた状態)、第2の切り換え手段20は停止(接点が開放した状態)するよう、制御手段6は制御する。
その一連の動作中に、制御手段6は、共振電流検知手段19からの出力信号および入力電流検知手段13の出力信号と、内部に保持しているテーブルとを比較する。被加熱物12の電気伝導率が高く、入力電流に比較して共振電流が流れやすい状態にあり、制御手段6内部の高電気伝導率金属に相当するしきい値を越えた場合、被加熱物12の材質がアルミニウムなどの高電気伝導率低透磁率金属であると判別し、加熱を継続する。
一方で、被加熱物12の電気伝導率が低く、入力電流に比較して共振電流が流れにくい状態にあり、制御手段6内部の低電気伝導率金属に相当するしきい値を越えた場合、被加熱物12の材質が鉄などの低電気伝導率高透磁率金属であると判別し、一旦加熱を停止する。
制御手段6は、続いて、共振コンデンサ11および第2の共振コンデンサ21の合成容量が大きくなるよう第2の切り換え手段20が駆動するよう制御を行う。第2の切り換え手段20の駆動が完了した時点で、制御手段6は第1および第2のスイッチング素子8、9の駆動を再開する。このときの第1および第2のスイッチング素子8、9の駆動周波数は25kHzを開始周波数として、設定火力に応じた入力電流になるまで駆動周波数を低下するよう制御される。
なお、このとき、共振コンデンサ11、第2の共振コンデンサ21、加熱コイル10および被加熱物12からなる共振要素の共振周波数は20kHz前後になるよう設定されている。したがって、第1のスイッチング素子8の導通期間中には、共振電流の約半周期分が流れるような状態にある。第2のスイッチング素子9についても同様である。すなわち、第1および第2のスイッチング素子8、9の駆動周波数と、加熱コイル10電流周波数は同じとなる。
鉄などの低電気伝導率高透磁率金属の被加熱物12を加熱する際に、第2の切り換え手段20によって共振コンデンサ11および第2の共振コンデンサ21の合成容量を大きく設定し、加熱コイル10電流周波数を下げるのは、より電流が流れやすい状態にするためである。
インバータ7による加熱電力は、共振電流の2乗と、加熱コイル10から見た加熱コイル10自身、被加熱物12などの抵抗に比例する。アルミニウムなどの高電気伝導率低透磁率の金属からなる被加熱物12の場合、インバータ7による加熱電力を確保するために、大きな共振電流を必要とする。本実施の形態では、第1および第2のスイッチング素子8、9の駆動周波数に対して加熱コイル10電流周波数を高める制御を行うことにより、被加熱物12の見かけの抵抗を高くし、必要となる電流量を少なくしている。
逆に、鉄などの低電気伝導率高透磁率の金属からなる被加熱物12の場合、被加熱物12の抵抗が高すぎれば電流が流れにくくなり、インバータ7による加熱電力を確保することができない。したがって、場合によっては、被加熱物12の見かけの抵抗を下げる必要が生じる。本実施の形態では、加熱コイル10電流周波数を下げることにより、被加熱物12の見かけの抵抗を下げ、インバータ7加熱電力を確保しているものである。
また、このように、被加熱物12の材質を判別するよう、共振電流検知手段19、入力電流検知手段13、制御手段6は働くため、これらは合わせて被加熱物材質判別手段22と見なされる。
次に、平滑手段4の平滑コンデンサの劣化判別について説明する。
劣化判別するまでの動作は、実施の形態1と同様である。次に、制御手段6が、平滑コンデンサが劣化したと判別した場合、一旦第1および第2のスイッチング素子8、9の駆動を停止し、報知手段である表示手段15、鳴動手段16を通じて使用者に報知する。
続いて、第1の切り換え手段17が停止するよう制御信号を出力する。これにより、平滑手段4はインバータ7から分離された状態になる。したがって、これ以上、平滑手段4の劣化が急激に進行することはなく、装置に影響を与えることもない。しかも小容量の第2の平滑手段18はインバータ7に接続されたままである。
制御手段6は以上の動作が完了すると、再び第1および第2のスイッチング素子8、9の駆動を開始するが、一連の動作の中で、被加熱物材質判別手段22の判別結果がアルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料であると判別した場合、直ちに被加熱物12の加熱を停止するべく、第1および第2のスイッチング素子8、9の駆動を停止する。一方、低電気伝導率高透磁率材料であれば、被加熱物12の加熱を継続する。
平滑手段4の劣化により第1の切り換え手段17が停止され、平滑手段4が分離された状態にある。第2の平滑手段18は、劣化が少ない構造、材質のものを選定されているが容量が小さい。したがって高電気伝導率低透磁率の金属からなる被加熱物12を加熱継続した場合、大きな鍋鳴り音が発生し、使用者の利便性を損なう。
しかしながら、本実施の形態によれば、高電気伝導率低透磁率の金属からなる被加熱物12であると判別されれば、加熱を停止するため、鍋鳴り音が発生することはない。しかももともと鍋鳴り音が発生しない低電気伝導率高透磁率の金属からなる被加熱物12であると判別されれば加熱継続するため、被加熱物12は限定されるが、使用者は使用継続が可能である。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における誘導加熱装置を示すものであり、特に誘導加熱調理器の要部の回路を示している。本実施の形態は、実施の形態1、2とほぼ同構成となるため、同一要素については同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図5に示すように、本実施の形態では、特に、実施の形態2における平滑手段4の電圧を検知する電圧検知手段5を設けず、インバータ7の出力の大きさを検知するインバータ出力検知手段である共振電流検知手段19のみを備えているものである。
また、整流手段2の入力側には、商用電源1に同期した同期信号を発生する同期信号発生手段23が接続されている。具体的には商用電源1半周期で同期信号がHigh、次の半周期でLowとなるよう設定されている。同期信号は制御手段6に出力される。
以上の構成において、動作を説明する。
制御手段6は、同期信号発生手段23からの同期信号に基づいて、あらかじめ設定されているタイミングでインバータ出力検知手段である共振電流検知手段19の検知出力を内部に取り込み認識する。
回路構成、部品定数を設定した時点で、平滑手段4の電圧ピークおよびボトムのタイミングと、平滑手段4電圧の変化と相関を持つ共振電流のピークおよびボトムのタイミング、すなわち共振電流検知手段19の出力信号ピークおよびボトムのタイミングはあらかじめ分かっている。
したがって、図6に示すように、同期信号の立ち上がりまたは立ち下がりエッジを起点に、制御手段6内部の基準発信信号をカウントし、共振電流検知手段19の出力信号がピークおよびボトムとなると思われる所定のタイミング(同期信号立ち上がりまたは立ち下がりからt1、t2後)で、制御手段6は共振電流検知手段19の出力を内部に取り込むことで、少ない処理回数で精度良く共振電流検知を行うことが可能である。
制御手段6は共振電流検知手段19の出力ピークを第1の所定値として設定し、設定火力に合わせた所定幅低い値を第2の所定値とする。例えば最大火力設定時に比べて最小火力設定時では所定幅が小さくなるよう設定している。
このような構成で、平滑手段4の劣化が進行し、電圧変動が大きくなった場合、制御手段6は設定火力に応じた劣化判別レベル(第2の所定値)を保持しているため、設定火力に関わらず、速やかに平滑手段4劣化を判別することが可能である。
つまり、同じような劣化の進行具合の場合、設定火力が大きければ平滑手段4電圧変動は大きくなるし、設定火力が小さければ平滑手段4電圧変動が小さくなる。しかしながら、本実施の形態によれば、設定火力に関わらない検知が可能である。
また、本実施の形態においても、平滑手段4劣化を判別した場合、報知手段である表示手段15および鳴動手段16によって使用者へ報知し、速やかなる部品交換を促すことが可能である。すなわち報知手段は、制御手段6がインバータ出力検知手段である共振電流検知手段19の出力が、商用電源1半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合に、インバータ7出力を停止すべく制御したことを報知するものである。
インバータ出力検知手段である共振電流検知手段19の出力変動によって、制御手段6が平滑手段4の劣化を判別した場合、インバータ7出力を停止すべく第1および第2のスイッチング素子8、9の駆動を停止する。続いて、第1の切り換え手段17を停止すべく制御信号を出力し、平滑手段4がインバータ7とを電気的に分離する。
ここで、インバータ7には第2の平滑手段18が接続されたままであり、第2の平滑手段18は劣化の少ないフィルムコンデンサが採用されているため、以降のインバータ7電源の電圧変動は一定のものになる。
以上の動作が完了すると、制御手段6は第1および第2のスイッチング素子8、9の駆動を開始するが、共振電流検知手段19、入力電流検知手段13、制御手段6で構成される被加熱物材質判別手段22の判別結果により、アルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料であれば、被加熱物12の誘導加熱を停止する。また、低電気伝導率高透磁率材料であれば、被加熱物12の加熱を継続する。
これは、インバータ7電源電圧が変動しても鍋鳴り音を発生しない被加熱物12材質に限って誘導加熱を許可するものである。
なお、動作説明は省略したが、被加熱物材質判別手段22の判別結果により、制御手段6は、第2の切り換え手段20の駆動/停止を制御するべく制御信号を出力し、共振コンデンサ11および第2の共振コンデンサ21の合成容量を調節する。
また、インバータ出力検知手段として共振電流検知手段19の例を挙げたが、これに限定するものではなく、例えば、共振コンデンサ11電圧検知を行ってもよいし、スイッチング素子電流を検知しても類する情報は得られる。回路構成、コスト、形状を勘案して装置にあった検知を行えばよい。
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4における誘導加熱装置を示すものであり、特に誘導加熱調理器の要部の回路を示している。本実施の形態は、実施の形態1〜3とほぼ同構成となるため、同一要素については同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図7に示すように、平滑手段4の電圧を検知する電圧検知手段5が接続されており、検知信号を制御手段6へ出力する。実施の形態2、3における、共振電流検知手段19、第2の切り換え手段20、第2の共振コンデンサ21は設けていない。
また、整流手段2の入力側には、商用電源1に同期した同期信号を発生する同期信号発生手段23が接続されている。具体的には商用電源1半周期で同期信号がHigh、次の半周期でLowとなるよう設定されている。同期信号は制御手段6に出力される。
以上の構成において、動作を説明する。
制御手段6は、同期信号発生手段23からの同期信号に基づいて、あらかじめ設定されているタイミングで電圧検知手段5の検知出力を内部に取り込み認識する。
回路構成、部品定数を設定した時点で、平滑手段4の電圧ピークおよびボトムのタイミング、すなわち電圧検知手段5の出力信号ピークおよびボトムのタイミングはあらかじめ分かっている。
したがって、図8に示すように、同期信号の立ち上がりまたは立ち下がりエッジを起点に、制御手段6内部の基準発信信号をカウントし、電圧検知手段5の出力信号がピークおよびボトムとなると思われる所定のタイミング(同期信号の立ち上がりまたは立ち下がりからt1、t2後)で、制御手段6は電圧検知手段5の出力を内部に取り込むことで、少ない処理回数で精度良く電圧検知を行うことが可能である。
制御手段6は電圧検知手段5の出力ピークを第1の所定値として設定し、設定火力に合わせた所定幅低い値を第2の所定値とする。例えば最大火力設定時に比べて最小火力設定時では所定幅が小さくなるよう設定している。
このような構成で、平滑手段4の劣化が進行し、電圧変動が大きくなった場合、制御手段6は設定火力に応じた劣化判別レベル(第2の所定値)を保持しているため、設定火力に関わらず、速やかに平滑手段4劣化を判別することが可能である。
つまり、同じような劣化の進行具合の場合、設定火力が大きければ平滑手段4電圧変動は大きくなるし、設定火力が小さければ平滑手段4電圧変動が小さくなる。しかしながら、本実施の形態によれば、設定火力に関わらない検知が可能である。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱装置は、平滑手段の劣化を速やかに判別することにより、使用者の利便性を損なうことない誘導加熱装置を提供することができるので、誘導加熱調理器としてはもちろんのこと、誘導加熱式湯沸かし器、誘導加熱式アイロン、またはその他の誘導加熱式加熱装置としても有用である。
本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の要部の回路図 同誘導加熱装置の所定の入力電流が得られている状態での各部動作波形図 同誘導加熱装置の各部動作波形の全体図 本発明の実施の形態2における誘導加熱装置の要部の回路図 本発明の実施の形態3における誘導加熱装置の要部の回路図 同誘導加熱装置の各部動作波形の全体図 本発明の実施の形態4における誘導加熱装置の要部の回路図 同誘導加熱装置の各部動作波形の全体図
符号の説明
1 商用電源
2 整流手段
4 平滑手段
5 電圧検知手段
6 制御手段
7 インバータ
8 第1のスイッチング素子
9 第2のスイッチング素子
10 加熱コイル
12 被加熱物
15 表示手段(報知手段)
16 鳴動手段(報知手段)
19 共振電流検知手段(インバータ出力検知手段)
22 被加熱物材質判別手段
23 同期信号発生手段

Claims (10)

  1. 商用電源からの交流電圧を整流する整流手段と、整流手段の2次側に接続された平滑手段と、前記平滑手段の電圧を検知する電圧検知手段と、前記平滑手段に接続されるインバータと、前記インバータに内包される複数のスイッチング素子と、前記インバータに接続され被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記電圧検知手段からの信号を入力しかつ前記インバータの制御を行う制御手段とを備え、前記インバータはスイッチング素子のオン/オフによって高周波電流を加熱コイルに供給して被加熱物を誘導加熱するとともに、前記制御手段は電圧検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合において、前記インバータ出力を低下または停止すべく制御する誘導加熱装置。
  2. 平滑手段の電圧を検知する電圧検知手段に代えるかまたはこれに加えて、インバータの出力の大きさを検知するインバータ出力検知手段を備え、制御手段はインバータ出力検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合において、インバータ出力を低下または停止すべく制御する請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 制御手段に接続された報知手段を備え、報知手段は制御手段が電圧検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合にインバータ出力を低下または停止すべく制御したことを報知する請求項1に記載の誘導加熱装置。
  4. 制御手段に接続された報知手段を備え、報知手段は制御手段がインバータ出力検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合にインバータ出力を低下または停止すべく制御したことを報知する請求項2に記載の誘導加熱装置。
  5. 平滑手段とインバータの接続/分離を制御手段による制御信号により切り換える切り換え手段と、前記インバータに接続されかつ平滑手段に比べ容量が少なくかつ劣化による容量低下の少ない第2の平滑手段とを備え、制御手段は電圧検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合において、平滑手段とインバータを分離すべく切り換え手段に制御信号を出力する請求項1に記載の誘導加熱装置。
  6. 平滑手段とインバータの接続/分離を制御手段による制御信号により切り換える切り換え手段と、前記インバータに接続されかつ平滑手段に比べ容量が少なくかつ劣化による容量低下の少ない第2の平滑手段とを備え、制御手段はインバータ出力検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合において、平滑手段とインバータを分離すべく切り換え手段に制御信号を出力する請求項2に記載の誘導加熱装置。
  7. 被加熱物の材質を判別する被加熱物材質判別手段を備え、制御手段は電圧検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合において、前記被加熱物材質判別手段の判別結果がアルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料であれば被加熱物の誘導加熱を停止し、低電気伝導率高透磁率材料であれば被加熱物の誘導加熱を継続する請求項1に記載の誘導加熱装置。
  8. 被加熱物の材質を判別する被加熱物材質判別手段を備え、制御手段はインバータ出力検知手段の出力が商用電源半周期内で第1の所定値以上かつ第2の所定値以下となる変動を生じた場合において、前記被加熱物材質判別手段の判別結果がアルミニウム若しくは銅またはこれらと略同等以上の電気伝導率を有する低透磁率材料であれば被加熱物の誘導加熱を停止し、低電気伝導率高透磁率材料であれば被加熱物の誘導加熱を継続する請求項2に記載の誘導加熱装置。
  9. 商用電源に同期し制御手段に信号出力する同期信号発生手段を備え、制御手段は前記同期信号発生手段からの信号に同期して電圧検知手段からの信号を入力し第1の所定値とするとともに、第1の所定値から所定幅低い値を第2の所定値とする請求項1に記載の誘導加熱装置。
  10. 商用電源に同期し制御手段に信号出力する同期信号発生手段を備え、制御手段は前記同期信号発生手段からの信号に同期してインバータ出力検知手段からの信号を入力し第1の所定値とするとともに、第1の所定値から所定幅低い値を第2の所定値とする請求項2に記載の誘導加熱装置。
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