JP3710496B2 - 液体自動採取装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば、自動化学分析装置に備えられ、試薬容器中の液量を検知しながら液体試薬を自動採取する液体自動採取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、血液等の試料の化学成分を分析する自動化学分析装置には、液体試薬を自動採取する装置が備えられている。そして、この液体自動採取装置には、液体試薬の導電性を利用して液量を検知するタイプのものがある。
【0003】
すなわち、このタイプの採取装置1は、図5に示すように、採取ノズル2と第1及び第2の電極棒3、4を備えている。電極棒3、4はおもり5に固定され、おもり5とともに、試薬容器6に収容された液体試薬7に挿入される。採取ノズル2は定量吐出ポンプ8に接続されており、定量吐出ポンプ8に接続された吐出チュ−ブ9が、液体試薬7の吐出のために、所定位置の反応容器10の上方に設置される。
【0004】
また、電極棒3、4は接続ケ−ブル11を介して液面検知部12と接続されている。液面検知部12は制御部13に接続されている。制御部13には、定量吐出ポンプ8、操作部14、及び、表示部15も接続されている。
【0005】
次に、この採取装置1の作用について説明する。
図のように電極棒3、4が液体試薬7と接触している状態においては、両電極棒3、4間に電流が流れるので、液面検知部12によって液量が十分であることが検知される。続いて、制御部13が定量吐出ポンプを駆動し、採取ノズル2が液体試薬7を一定量吸引し、この液体試薬7が吐出チュ−ブ9から反応容器10に吐出される。
【0006】
この吸引動作が何回か繰り返され、液体試薬7の液面16が下降して液体試薬7と電極棒3、4とが接しなくなると、電極棒3、4間に流れていた電流が遮断され、液面検知部12によって液面が検出される。そして、制御部13が定量吐出ポンプ8を停止させ、表示部15が警報を表示して、液体試薬7の残量が少ないことが装置利用者に知らされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような採取装置1においては、液体試薬7の導電性が利用されているので、電極棒3、4の材質に、十分な導電性を有し且つ液体試薬7と化学反応しない金属材料を用いることが必要である。そして、扱われる液体試薬7の種類によっては、金や白金などの稀有金属を使用しなければならい。したがって、従来の採取装置1においては、電極棒3、4が高価であり、採取装置1の低価格化が難しいという不具合がある。
【0008】
また、電極棒3、4と液面検知部12とを繋ぐ接続ケ−ブル11にノイズに強いシ−ルド線を使用しなければならないこと、及び、液面検知部12にアナログ/デジタル変換のための機能を付加しなければならないこと等も、採取装置1を高価にする要因である。
【0009】
さらに、導電性が非常に良い液体試薬の場合、液面16が第1の電極棒3より下降してもおもり5が濡れているため、イオン交換水の液虫に電極3、4が入っている場合よりも電気伝導が良いことから、イオン交換水を含む全ての試薬の液面検知を正しく行うのは困難であった。これにより、同一の装置で各種の液体試薬の液面検知を行うのは困難であった。
本発明の目的とするところは、電極棒を用いることなく液面検知を行うことができ、安価な液体自動採取装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】
液体容器内の液体の液面を検知する液面検知部を備え、上記液体を、液量を検知しながら採取する液体自動採取装置において、上記液面検知部は、上記液体容器に収容されて上記液体に浸されるケースと、このケースに収容された投光部と、上記ケースに収容され、上記投光部からの光を受けた際に所定の信号を出力する受光部と、上記投光部からの光を受光部に反射する反射部と、を具備しており、上記反射部と上記投光部及び受光部との間を透明な部材で密に形成することにより、上記液面検知部が上記液体内にある場合には上記投光部からの光を上記反射部で反射せず外部に透過させ、該液面検知部が上記液体から露呈されている場合には上記投光部からの光を上記反射部により上記受光部に向けて反射することを特徴とする。
また、液体の有無に応じて異なる電気信号を得る投受光部を複数有するものである。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の各実施例を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施例を示すもので、図中の符号31は液体自動採取装置としての緩衝液自動採取装置(以下、採取装置と称する)である。この採取装置31には、緩衝液32を収容した緩衝液ボトル33(液体容器)、イオン交換水34を収容したイオン交換水ボトル35(液体容器)、及び、濃縮緩衝液36を収容した濃縮緩衝液ボトル37(液体容器)が備えられている。各ボトル33、35、37は、ゴム等のように適度な弾性を有するボトル蓋38〜40によって密封されている。
【0012】
イオン交換水ボトル35と濃縮緩衝液ボトル37には耐薬品性の材質からなる採取ノズル41、42が挿入されており、これら採取ノズル41、42はボトル蓋39、40を通って希釈ポンプ43に接続されている。採取ノズル41、42の先端はおもり44、44に固定されており、これらのおもり44、44によって各ボトル35、37の底に沈められている。
【0013】
希釈ポンプ43には吐出チュ−ブ45が接続されており、この吐出チュ−ブ45は、ボトル蓋38を通って緩衝液ボトル33に挿入されている。緩衝液ボトル33には耐薬品性の材質からなる採取ノズル46が挿入されており、この採取ノズル46はボトル蓋38を通って定量吐出ポンプ47に接続されている。さらに、この採取ノズル46の先端はおもり44に固定されており、このおもり44によって緩衝液ボトル33の底に沈められている。
【0014】
定量吐出ポンプ47には吐出チュ−ブ48が接続されており、この吐出チュ−ブ48の先端は、所定位置に在る反応容器49の上方に設置される。吐出チュ−ブ48と反応容器49との位置合せのために一般的な種々の方法を採用できる。
【0015】
希釈ポンプ43と定量吐出ポンプ47とは制御部50に接続されている。さらに、制御部50には操作部51と表示部52が接続されている。
各ボトル33、35、37には第1〜第3の液面検知部53〜55が収容されている。各液面検知部53〜55はボトル33、35、37に対して略垂直に向けられており、各ボトル33、35、37中の液体32、34、36に浸されている。なお、各検知部53〜55の構成は略同様であるため、以下では主に第1の液面検知部53について図2にて説明する。
【0016】
液面検知部53は同心円筒状のケ−ス56を有しており、このケ−ス56の中には計測部57が収納されている。ケ−ス56は上端を開放しており、ケ−ス56は耐薬品性を有するケ−ス蓋58によって密封されている。ケ−ス56の中には透明なモ−ルド材59が充填されており、計測部57はこのモ−ルド材59によって固定されている。また、ケ−ス56の下端はボトル33の底近くに達している。なお、本実施例では、ケ−ス56の材質として、耐薬品性を有する透明或いは透明に近い合成樹脂が採用されている。また、図1及び図2においては、図面が繁雑になることを避けるために、モ−ルド材59のハッチングの記入が省略されている。
【0017】
計測部57は矩形な配線基板60を備えており、この配線基板60は板面をケ−ス56の軸方向に沿わせている。配線基板60の一方の板面には第1及び第2の投受光部61a、61bが装着されている。投受光部61a、61bは上下に離間している。そして、第1の投受光部61aは配線基板60の下端部に位置しており、第2の投受光部61bは配線基板60の上端部に位置している。
【0018】
第1の液面検知部53には二つの投受光部61a、61bが備えられているが、第2及び第3の液面検知部54、55には一つの液面検知部61のみが備えられている。第2及び第3の液面検知部54、55において、各投受光部61は配線基板60の下端部に配置されている。
【0019】
各投受光部61a、61b、61の構成は同様であるので、以下では一つの投受光部61aについてのみ説明する。投受光部61aは、図2(b)中に示すように発光部62と受光部63とにより構成されており、発光部62と受光部63とはケ−ス56の径方向に平行に隣接している。そして、投光部62の投光面と受光部63の受光面とは共に水平な方向を向いている。
【0020】
投光部62は測定光(図示しない)を水平に発する。さらに、受光部63は入射した測定光を光電変換する。得られた電気信号は二値化されたのち、配線基板60に接続された信号ケ−ブル64を介して制御部50へ送られる。
【0021】
信号ケ−ブル64は、ケ−ス蓋58及びボトル蓋38を通って緩衝液ボトル33の外に導出されている。さらに、液面検知部53は、ボトル蓋38を利用して、容易に傾かないよう保持されており、ケ−ス56とボトル33の内壁との間隔(水平距離)が十分に大きく確保されている。なお、液面検知部53をボトル蓋38に固定するために、十分な剛性を有する管をボトル蓋38に差込み、子の管に液面検出部53を取付けることが考えられる。そして、この場合には、ボトル蓋38の外側に柔軟な信号ケ−ブルを導出することが可能である。
【0022】
つぎに、上述の採取装置31の作用を説明する。
まず、装置利用者が操作部51を操作(例えばボタン操作など)すると、第1の液面検知部53において、第1及び第2の投受光部61a、61bの発光部62が発光する。図1中に示すように、緩衝液32の液面65が第1の投受光部61aよりも上にあるときは、第1の投受光部61aの発光部62から発せられた測定光がケ−ス56を透過して緩衝液32中に漏れ、第1の投受光部61aの受光部63は測定光を受光しない。
【0023】
制御部50は、第1の投受光部61aの受光部63からの信号に基づいて定量吐出ポンプ47を駆動する。そして、一定量の緩衝液32が採取ノズル46に吸引され、吐出チュ−ブ48から所定の反応容器49に吐出される。
【0024】
この吐出動作が何回か繰り返されると、緩衝液ボトル33の緩衝液32の量が徐々に減少し、吐出回数に応じて液面65が下がる。液面65が第1の投受光部61aよりも下がると、ケ−ス56の周囲の屈折率が変化するため、発光部62から発せられた測定光は空気中には漏れず、ケ−ス56の外壁で反射する。そして、この反射光は受光部63によって検出され、反射光の受光量が所定値に達している場合に、反射光が受光されたことを表す二値化信号が制御部50へ送られる。
【0025】
制御部50は、第1の投受光部61aの受光部63からの信号に基づいて、定量吐出ポンプ47を停止させる。さらに、制御部50は希釈ポンプ43を駆動し、イオン交換水34と濃縮緩衝液36とが採取ノズル41、42に吸引される。そして、イオン交換水34と濃縮緩衝液36とは、一定比率で混合されて緩衝液となり、この緩衝液は吐出チュ−ブ45から緩衝液ボトル33に吐出される。
【0026】
緩衝液32の液面65が第2の投受光部61bまで上昇すると、発光部62からの測定光が緩衝液32中に漏れるため、受光部63は測定光を検出しない。制御部50は、測定光が第2の投受光部61bの受光部63によって検出されなくなると、希釈ポンプ43を停止させる。
【0027】
また、緩衝液を緩衝液ボトル33に吐出するに従い、イオン交換水34と濃縮緩衝液36は徐々に減少する。イオン交換水34の液面66又は濃縮緩衝液36の液面67のいずれかが液面検知部(54或いは55)の投受光部61よりも下降し、第2或いは第3の液面検知部54、55の受光部62が測定光を検出すると、制御部50は希釈ポンプ43を停止させ、表示部52に警報を表示する。この後、緩衝液32も無くなると、制御部50は定量吐出ポンプ47も停止させ、表示部52に緩衝液32の不足を表す警報を表示する。
【0028】
ここで、制御部50が、第2及び第3の液面検知部54、55からの信号を区別して、イオン交換水34及び濃縮緩衝液36のいずれが不足しているかを表示部52に表示するようにしてもよい。
【0029】
上述のような採取装置31においては、光学式の液面検知部53〜55が緩衝液32、イオン交換水34、及び、濃縮緩衝液36に浸されており、各液体の液面65〜67が液面検知部53〜55によって検知されるので、金や白金製の電極棒を用いた場合に比べて、採取装置31が安価になる。
【0030】
なお、測定光が液体中に漏れた場合に、各ボトル内壁で反射した光が受光されることが考えられるが、ケ−ス56とボトルの内壁との間隔を十分に大きく確保することにより、液体中に漏れた光の受光を防止することができる。また、ボトルに赤外線透過率の低い材料を採用したり、ボトルを低赤外線透過率の材質からなる遮光箱に収納したりすることにより、太陽光等の外乱光を遮断できる。
本発明は、要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0031】
例えば、本実施例においては、警報の表示が、緩衝液32が無くなった場合と、イオン交換水34或いは濃縮緩衝液36が無くなった場合に行われるが、本発明はこれに限定されず、各液体が無くなる毎に警報を表示することも可能である。
【0032】
また、液面検知部53〜55のケ−ス56の形状は円筒状に限られず、例えば角柱状などでもよい。
また、本実施例では、採取ノズル41、42、46がおもり44に固定されているが、例えば、液面検知部53〜55のケ−ス56に固定してもよい。
【0033】
さらに、各液面検知部53〜55において、投受光部61a、61b、61を多段階に配設すれば、上限と下限のみでなく、中間の任意の位置の液面を検知することができる。
【0034】
つぎに、本発明の第2実施例の要部を図3及び図4に基づいて説明する。なお、第1実施例と同様の部分については同一番号を付し、その説明は省略する。
図3は本発明の第2実施例を示すもので、図中の符号71は液体自動採取装置としての液体試薬自動採取装置(以下、採取装置と称する)である。この採取装置71においては、液体としての液体試薬72を収容した試薬ボトル73が備えられており、試薬ボトル73には耐薬品性の樹脂材料からなる採取ノズル74が挿入されている。
【0035】
採取ノズル74は定量吐出ポンプ47に接続されており、定量吐出ポンプ47には吐出チュ−ブ48が接続されている。そして、液体試薬72は採取ノズル74に吸引され、吐出チュ−ブ48から所定位置の反応容器49へ吐出される。
【0036】
試薬ボトル73の中には液面検知部75が収容されている。この液面検知部75は略垂直に設けられており、試薬ボトル73中の液体試薬72に浸されている。
【0037】
液面検知部75は円筒状のケ−ス76を有しており、ケ−ス76の中には計測部77が収納されている。ケ−ス76の材質として、耐薬品性を有し黒色な樹脂材料が採用されている。また、ケ−ス76は上端を開放しており、ケ−ス76は耐薬品性を有するケ−ス蓋78によって密封されている。
【0038】
ケ−ス76の内壁は同心円状に形成されており、ケ−ス76の一部の肉厚は他の部分よりも厚くなっている。さらに、ケ−ス76の厚肉な部分の外壁には採取ノズル係合用の溝79が形成されており、この溝79はケ−ス76の軸方向略全長に亘って直線状に伸びている。そして、この溝79には採取ノズル74が入込んでおり、ケ−ス76は溝79を利用して採取ノズル74に平行に固定されている。
【0039】
計測部77は配線基板80を備えており、配線基板80には投受光部81が装着されている。この投受光部81はケ−ス76の軸方向中間部に位置している。投受光部81は、発光部82と受光部83とにより構成されており、発光部82と受光部83とはケ−ス76の径方向に平行に隣接している。そして、投光部82の投光面と受光部83の受光面とは共に略真下を向いている。
【0040】
投光部82は測定光84を略真下へ発する。さらに、受光部83は入射した測定光84を光電変換する。得られた電気信号は二値化されたのち、配線基板80に接続された信号ケ−ブル64を介して制御部50へ送られる。
【0041】
また、ケ−ス76には透明または透明に近い材質で構成された測定光案内部85が一体に設けられている。この測定光案内部85の断面形状は二等辺三角形であり、測定光案内部85には第1及び第2の傾斜面86、87が形成されている。傾斜面86、87の間の角度は略90度に設定されている。また、測定光案内部85には発光部82及び受光部83が接しており、発光部82は測定光案内部85に向けて測定光84を発する。
【0042】
ケ−ス76の、測定光案内部85よりも上側の部分には、透明なモ−ルド材88が充填されており、計測部77はこのモ−ルド材88によって固定されている。また、ケ−ス76の下端は試薬ボトル73の底73aに達している。ここで、図3及び図4においては、図面が繁雑になることを避けるためモ−ルド材84のハッチングの記入が省略されている。
【0043】
ケ−ス76には試薬導入用のスリット89が複数形成されており、これらスリット89はケ−ス76の下端から測定光案内部85へ延びている。そして、液体試薬72はこれらのスリット89を介して測定光案内部85より下側のケ−ス76内に導入され、ここに液体試薬72が満たされて、測定光案内部85より下側の部分のケ−ス76内の空気が逃がされる。
【0044】
投受光部81とボトル73の底73aとの間隔は、ケ−ス76の測定光案内部85よりも下側の部分によって確保されている。つまり、この部分がスペ−サ90として機能しており、投受光部81とボトル73の底73aとを十分に大きく離間させている。
【0045】
つぎに、上述の採取装置71の作用を説明する。
まず、装置利用者が操作部51を操作(例えばボタン操作など)すると、液面検知部75において、投受光部81の発光部82が測定光84を発する。液体試薬72の液面91が測定光案内部85よりも上方にあるときには、測定光84が測定光案内部85を通過し、第1の傾斜面86から液体試薬72中に漏れる。このため、受光部83は測定光84を受光しない。
【0046】
制御部50は、受光部83からの信号に基づいて定量吐出ポンプ47を駆動する。そして、一定量の液体試薬72が採取ノズル74に吸引され、吐出チュ−ブ48から所定の反応容器49に吐出される。
【0047】
この吐出動作が何回か繰り返されると、試薬ボトル73の液体試薬72の量が徐々に減少し、吐出回数に応じて液面91が下がる。液面91が測定光案内部85よりも下がると、傾斜面86、87の周囲の屈折率が変化するため、発光部82から発せられた測定光84は、図4(f)中に示すように空気中には漏れない。そして、測定光は第1の傾斜面86を界面として反射し、第2の傾斜面87で反射して、受光部83に導かれる。
【0048】
この反射光は受光部83によって検出され、反射光の受光量が所定値に達している場合に、反射光が受光されたことを表す二値化信号が制御部50へ送られる。制御部50は、受光部83からの信号に基づいて、定量吐出ポンプ47を停止させる。さらに、制御部50は、受光部83が測定光を検出すると、試薬の減少を表す警報を表示部52に表示する。
【0049】
上述のような採取装置31においては、光学式の液面検知部81が液体試薬72に浸されており、液体試薬72の液面91が液面検知部81によって検知されるので、第1実施例と同様に、検知対象となる液体の種類に関わらずに液面検知を行うことができる。したがって、高価な電極棒が不要になり、採取装置31の低価格化が可能になる。
【0050】
また、本実施例においては、投受光部81の発光部82及び受光部83が下向であるとともに、これらがスペ−サ90を介して、試薬ボトル73の底73aに対し十分に離間しているので、液体試薬72中に漏れて試薬ボトル73の底73aで反射した測定光84が受光部83に入射することを防止できる。したがって、第1実施例のように、投受光部81と試薬ボトル73との距離を確保するために、液面検知部をボトルに固定する必要がない。
【0051】
さらに、本実施例では、ケ−ス76の材質に黒色の樹脂が用いられているので、外乱光を遮断でき、試薬ボトル73に、例えば太陽光の赤外線などのような外乱光を透過しにくい特殊な材質を利用したり、試薬ボトル73を外乱光を避けるための箱に収容したりする必要がない。そして、試薬ボトル73の形状や色を制限されることなく、高精度な液面検知を行うことができる。
【0052】
なお、本実施例では、外乱光を遮断するためにケ−ス76の外側の材質に黒色の樹脂が採用されているが、この他に、例えば外乱光を十分に遮断できる材質を必要な部分のみに利用したり、有色薄膜を形成したりすることが可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、液体容器内の液体の液面を検知する液面検知部を備え、上記液体を、液量を検知しながら採取する液体自動採取装置において、上記液面検知部は、上記液体容器に収容されて上記液体に浸されるケースと、このケースに収容された投光部と、上記ケースに収容され、上記投光部からの光を受けた際に所定の信号を出力する受光部と、上記投光部からの光を受光部に反射する反射部と、を具備しており、上記反射部と上記投光部及び受光部との間を透明な部材で密に形成することにより、上記液面検知部が上記液体内にある場合には上記投光部からの光を上記反射部で反射せず外部に透過させ、該液面検知部が上記液体から露呈されている場合には上記投光部からの光を上記反射部により上記受光部に向けて反射するものである。
また、液体の有無に応じて異なる電気信号を得る投受光部を複数有するものである。
したがって本発明は、電極棒を用いることなく液面検知を行うことができ、液面自動採取装置を低価格化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す構成図。
【図2】本発明の第1実施例の液面検知部を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は(a)中のA−A線に沿った平断面図。
【図3】本発明の第2実施例を示す構成図。
【図4】本発明の第2実施例の液面検知部を示すもので、(a)は側面図、(b)は(a)中のB−B線に沿った断面図、(c)は側断面図、(d)は上方からの平面図、(e)は下方からの平面図、(f)は(c)中の円Cで囲った部分の拡大図。
【図5】従来例を示す構成図。
【図面の簡単な説明】
31…緩衝液自動採取装置(液体自動採取装置)、32…緩衝液(液体)、33…緩衝液ボトル(液体容器)、34…イオン交換水(液体)、35…イオン交換水ボトル(液体容器)、36…濃縮緩衝液(液体)、37…濃縮緩衝液ボトル(液体容器)、53〜55…第1〜第3の液面検知部、61a、61b、61…投受光部、65〜67…液面、71…液体試薬自動採取装置(液体自動採取装置)、72…液体試薬、73…試薬ボトル(液体容器)、75…液面検知部。
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば、自動化学分析装置に備えられ、試薬容器中の液量を検知しながら液体試薬を自動採取する液体自動採取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、血液等の試料の化学成分を分析する自動化学分析装置には、液体試薬を自動採取する装置が備えられている。そして、この液体自動採取装置には、液体試薬の導電性を利用して液量を検知するタイプのものがある。
【0003】
すなわち、このタイプの採取装置1は、図5に示すように、採取ノズル2と第1及び第2の電極棒3、4を備えている。電極棒3、4はおもり5に固定され、おもり5とともに、試薬容器6に収容された液体試薬7に挿入される。採取ノズル2は定量吐出ポンプ8に接続されており、定量吐出ポンプ8に接続された吐出チュ−ブ9が、液体試薬7の吐出のために、所定位置の反応容器10の上方に設置される。
【0004】
また、電極棒3、4は接続ケ−ブル11を介して液面検知部12と接続されている。液面検知部12は制御部13に接続されている。制御部13には、定量吐出ポンプ8、操作部14、及び、表示部15も接続されている。
【0005】
次に、この採取装置1の作用について説明する。
図のように電極棒3、4が液体試薬7と接触している状態においては、両電極棒3、4間に電流が流れるので、液面検知部12によって液量が十分であることが検知される。続いて、制御部13が定量吐出ポンプを駆動し、採取ノズル2が液体試薬7を一定量吸引し、この液体試薬7が吐出チュ−ブ9から反応容器10に吐出される。
【0006】
この吸引動作が何回か繰り返され、液体試薬7の液面16が下降して液体試薬7と電極棒3、4とが接しなくなると、電極棒3、4間に流れていた電流が遮断され、液面検知部12によって液面が検出される。そして、制御部13が定量吐出ポンプ8を停止させ、表示部15が警報を表示して、液体試薬7の残量が少ないことが装置利用者に知らされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような採取装置1においては、液体試薬7の導電性が利用されているので、電極棒3、4の材質に、十分な導電性を有し且つ液体試薬7と化学反応しない金属材料を用いることが必要である。そして、扱われる液体試薬7の種類によっては、金や白金などの稀有金属を使用しなければならい。したがって、従来の採取装置1においては、電極棒3、4が高価であり、採取装置1の低価格化が難しいという不具合がある。
【0008】
また、電極棒3、4と液面検知部12とを繋ぐ接続ケ−ブル11にノイズに強いシ−ルド線を使用しなければならないこと、及び、液面検知部12にアナログ/デジタル変換のための機能を付加しなければならないこと等も、採取装置1を高価にする要因である。
【0009】
さらに、導電性が非常に良い液体試薬の場合、液面16が第1の電極棒3より下降してもおもり5が濡れているため、イオン交換水の液虫に電極3、4が入っている場合よりも電気伝導が良いことから、イオン交換水を含む全ての試薬の液面検知を正しく行うのは困難であった。これにより、同一の装置で各種の液体試薬の液面検知を行うのは困難であった。
本発明の目的とするところは、電極棒を用いることなく液面検知を行うことができ、安価な液体自動採取装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】
液体容器内の液体の液面を検知する液面検知部を備え、上記液体を、液量を検知しながら採取する液体自動採取装置において、上記液面検知部は、上記液体容器に収容されて上記液体に浸されるケースと、このケースに収容された投光部と、上記ケースに収容され、上記投光部からの光を受けた際に所定の信号を出力する受光部と、上記投光部からの光を受光部に反射する反射部と、を具備しており、上記反射部と上記投光部及び受光部との間を透明な部材で密に形成することにより、上記液面検知部が上記液体内にある場合には上記投光部からの光を上記反射部で反射せず外部に透過させ、該液面検知部が上記液体から露呈されている場合には上記投光部からの光を上記反射部により上記受光部に向けて反射することを特徴とする。
また、液体の有無に応じて異なる電気信号を得る投受光部を複数有するものである。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の各実施例を図1〜図4に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施例を示すもので、図中の符号31は液体自動採取装置としての緩衝液自動採取装置(以下、採取装置と称する)である。この採取装置31には、緩衝液32を収容した緩衝液ボトル33(液体容器)、イオン交換水34を収容したイオン交換水ボトル35(液体容器)、及び、濃縮緩衝液36を収容した濃縮緩衝液ボトル37(液体容器)が備えられている。各ボトル33、35、37は、ゴム等のように適度な弾性を有するボトル蓋38〜40によって密封されている。
【0012】
イオン交換水ボトル35と濃縮緩衝液ボトル37には耐薬品性の材質からなる採取ノズル41、42が挿入されており、これら採取ノズル41、42はボトル蓋39、40を通って希釈ポンプ43に接続されている。採取ノズル41、42の先端はおもり44、44に固定されており、これらのおもり44、44によって各ボトル35、37の底に沈められている。
【0013】
希釈ポンプ43には吐出チュ−ブ45が接続されており、この吐出チュ−ブ45は、ボトル蓋38を通って緩衝液ボトル33に挿入されている。緩衝液ボトル33には耐薬品性の材質からなる採取ノズル46が挿入されており、この採取ノズル46はボトル蓋38を通って定量吐出ポンプ47に接続されている。さらに、この採取ノズル46の先端はおもり44に固定されており、このおもり44によって緩衝液ボトル33の底に沈められている。
【0014】
定量吐出ポンプ47には吐出チュ−ブ48が接続されており、この吐出チュ−ブ48の先端は、所定位置に在る反応容器49の上方に設置される。吐出チュ−ブ48と反応容器49との位置合せのために一般的な種々の方法を採用できる。
【0015】
希釈ポンプ43と定量吐出ポンプ47とは制御部50に接続されている。さらに、制御部50には操作部51と表示部52が接続されている。
各ボトル33、35、37には第1〜第3の液面検知部53〜55が収容されている。各液面検知部53〜55はボトル33、35、37に対して略垂直に向けられており、各ボトル33、35、37中の液体32、34、36に浸されている。なお、各検知部53〜55の構成は略同様であるため、以下では主に第1の液面検知部53について図2にて説明する。
【0016】
液面検知部53は同心円筒状のケ−ス56を有しており、このケ−ス56の中には計測部57が収納されている。ケ−ス56は上端を開放しており、ケ−ス56は耐薬品性を有するケ−ス蓋58によって密封されている。ケ−ス56の中には透明なモ−ルド材59が充填されており、計測部57はこのモ−ルド材59によって固定されている。また、ケ−ス56の下端はボトル33の底近くに達している。なお、本実施例では、ケ−ス56の材質として、耐薬品性を有する透明或いは透明に近い合成樹脂が採用されている。また、図1及び図2においては、図面が繁雑になることを避けるために、モ−ルド材59のハッチングの記入が省略されている。
【0017】
計測部57は矩形な配線基板60を備えており、この配線基板60は板面をケ−ス56の軸方向に沿わせている。配線基板60の一方の板面には第1及び第2の投受光部61a、61bが装着されている。投受光部61a、61bは上下に離間している。そして、第1の投受光部61aは配線基板60の下端部に位置しており、第2の投受光部61bは配線基板60の上端部に位置している。
【0018】
第1の液面検知部53には二つの投受光部61a、61bが備えられているが、第2及び第3の液面検知部54、55には一つの液面検知部61のみが備えられている。第2及び第3の液面検知部54、55において、各投受光部61は配線基板60の下端部に配置されている。
【0019】
各投受光部61a、61b、61の構成は同様であるので、以下では一つの投受光部61aについてのみ説明する。投受光部61aは、図2(b)中に示すように発光部62と受光部63とにより構成されており、発光部62と受光部63とはケ−ス56の径方向に平行に隣接している。そして、投光部62の投光面と受光部63の受光面とは共に水平な方向を向いている。
【0020】
投光部62は測定光(図示しない)を水平に発する。さらに、受光部63は入射した測定光を光電変換する。得られた電気信号は二値化されたのち、配線基板60に接続された信号ケ−ブル64を介して制御部50へ送られる。
【0021】
信号ケ−ブル64は、ケ−ス蓋58及びボトル蓋38を通って緩衝液ボトル33の外に導出されている。さらに、液面検知部53は、ボトル蓋38を利用して、容易に傾かないよう保持されており、ケ−ス56とボトル33の内壁との間隔(水平距離)が十分に大きく確保されている。なお、液面検知部53をボトル蓋38に固定するために、十分な剛性を有する管をボトル蓋38に差込み、子の管に液面検出部53を取付けることが考えられる。そして、この場合には、ボトル蓋38の外側に柔軟な信号ケ−ブルを導出することが可能である。
【0022】
つぎに、上述の採取装置31の作用を説明する。
まず、装置利用者が操作部51を操作(例えばボタン操作など)すると、第1の液面検知部53において、第1及び第2の投受光部61a、61bの発光部62が発光する。図1中に示すように、緩衝液32の液面65が第1の投受光部61aよりも上にあるときは、第1の投受光部61aの発光部62から発せられた測定光がケ−ス56を透過して緩衝液32中に漏れ、第1の投受光部61aの受光部63は測定光を受光しない。
【0023】
制御部50は、第1の投受光部61aの受光部63からの信号に基づいて定量吐出ポンプ47を駆動する。そして、一定量の緩衝液32が採取ノズル46に吸引され、吐出チュ−ブ48から所定の反応容器49に吐出される。
【0024】
この吐出動作が何回か繰り返されると、緩衝液ボトル33の緩衝液32の量が徐々に減少し、吐出回数に応じて液面65が下がる。液面65が第1の投受光部61aよりも下がると、ケ−ス56の周囲の屈折率が変化するため、発光部62から発せられた測定光は空気中には漏れず、ケ−ス56の外壁で反射する。そして、この反射光は受光部63によって検出され、反射光の受光量が所定値に達している場合に、反射光が受光されたことを表す二値化信号が制御部50へ送られる。
【0025】
制御部50は、第1の投受光部61aの受光部63からの信号に基づいて、定量吐出ポンプ47を停止させる。さらに、制御部50は希釈ポンプ43を駆動し、イオン交換水34と濃縮緩衝液36とが採取ノズル41、42に吸引される。そして、イオン交換水34と濃縮緩衝液36とは、一定比率で混合されて緩衝液となり、この緩衝液は吐出チュ−ブ45から緩衝液ボトル33に吐出される。
【0026】
緩衝液32の液面65が第2の投受光部61bまで上昇すると、発光部62からの測定光が緩衝液32中に漏れるため、受光部63は測定光を検出しない。制御部50は、測定光が第2の投受光部61bの受光部63によって検出されなくなると、希釈ポンプ43を停止させる。
【0027】
また、緩衝液を緩衝液ボトル33に吐出するに従い、イオン交換水34と濃縮緩衝液36は徐々に減少する。イオン交換水34の液面66又は濃縮緩衝液36の液面67のいずれかが液面検知部(54或いは55)の投受光部61よりも下降し、第2或いは第3の液面検知部54、55の受光部62が測定光を検出すると、制御部50は希釈ポンプ43を停止させ、表示部52に警報を表示する。この後、緩衝液32も無くなると、制御部50は定量吐出ポンプ47も停止させ、表示部52に緩衝液32の不足を表す警報を表示する。
【0028】
ここで、制御部50が、第2及び第3の液面検知部54、55からの信号を区別して、イオン交換水34及び濃縮緩衝液36のいずれが不足しているかを表示部52に表示するようにしてもよい。
【0029】
上述のような採取装置31においては、光学式の液面検知部53〜55が緩衝液32、イオン交換水34、及び、濃縮緩衝液36に浸されており、各液体の液面65〜67が液面検知部53〜55によって検知されるので、金や白金製の電極棒を用いた場合に比べて、採取装置31が安価になる。
【0030】
なお、測定光が液体中に漏れた場合に、各ボトル内壁で反射した光が受光されることが考えられるが、ケ−ス56とボトルの内壁との間隔を十分に大きく確保することにより、液体中に漏れた光の受光を防止することができる。また、ボトルに赤外線透過率の低い材料を採用したり、ボトルを低赤外線透過率の材質からなる遮光箱に収納したりすることにより、太陽光等の外乱光を遮断できる。
本発明は、要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0031】
例えば、本実施例においては、警報の表示が、緩衝液32が無くなった場合と、イオン交換水34或いは濃縮緩衝液36が無くなった場合に行われるが、本発明はこれに限定されず、各液体が無くなる毎に警報を表示することも可能である。
【0032】
また、液面検知部53〜55のケ−ス56の形状は円筒状に限られず、例えば角柱状などでもよい。
また、本実施例では、採取ノズル41、42、46がおもり44に固定されているが、例えば、液面検知部53〜55のケ−ス56に固定してもよい。
【0033】
さらに、各液面検知部53〜55において、投受光部61a、61b、61を多段階に配設すれば、上限と下限のみでなく、中間の任意の位置の液面を検知することができる。
【0034】
つぎに、本発明の第2実施例の要部を図3及び図4に基づいて説明する。なお、第1実施例と同様の部分については同一番号を付し、その説明は省略する。
図3は本発明の第2実施例を示すもので、図中の符号71は液体自動採取装置としての液体試薬自動採取装置(以下、採取装置と称する)である。この採取装置71においては、液体としての液体試薬72を収容した試薬ボトル73が備えられており、試薬ボトル73には耐薬品性の樹脂材料からなる採取ノズル74が挿入されている。
【0035】
採取ノズル74は定量吐出ポンプ47に接続されており、定量吐出ポンプ47には吐出チュ−ブ48が接続されている。そして、液体試薬72は採取ノズル74に吸引され、吐出チュ−ブ48から所定位置の反応容器49へ吐出される。
【0036】
試薬ボトル73の中には液面検知部75が収容されている。この液面検知部75は略垂直に設けられており、試薬ボトル73中の液体試薬72に浸されている。
【0037】
液面検知部75は円筒状のケ−ス76を有しており、ケ−ス76の中には計測部77が収納されている。ケ−ス76の材質として、耐薬品性を有し黒色な樹脂材料が採用されている。また、ケ−ス76は上端を開放しており、ケ−ス76は耐薬品性を有するケ−ス蓋78によって密封されている。
【0038】
ケ−ス76の内壁は同心円状に形成されており、ケ−ス76の一部の肉厚は他の部分よりも厚くなっている。さらに、ケ−ス76の厚肉な部分の外壁には採取ノズル係合用の溝79が形成されており、この溝79はケ−ス76の軸方向略全長に亘って直線状に伸びている。そして、この溝79には採取ノズル74が入込んでおり、ケ−ス76は溝79を利用して採取ノズル74に平行に固定されている。
【0039】
計測部77は配線基板80を備えており、配線基板80には投受光部81が装着されている。この投受光部81はケ−ス76の軸方向中間部に位置している。投受光部81は、発光部82と受光部83とにより構成されており、発光部82と受光部83とはケ−ス76の径方向に平行に隣接している。そして、投光部82の投光面と受光部83の受光面とは共に略真下を向いている。
【0040】
投光部82は測定光84を略真下へ発する。さらに、受光部83は入射した測定光84を光電変換する。得られた電気信号は二値化されたのち、配線基板80に接続された信号ケ−ブル64を介して制御部50へ送られる。
【0041】
また、ケ−ス76には透明または透明に近い材質で構成された測定光案内部85が一体に設けられている。この測定光案内部85の断面形状は二等辺三角形であり、測定光案内部85には第1及び第2の傾斜面86、87が形成されている。傾斜面86、87の間の角度は略90度に設定されている。また、測定光案内部85には発光部82及び受光部83が接しており、発光部82は測定光案内部85に向けて測定光84を発する。
【0042】
ケ−ス76の、測定光案内部85よりも上側の部分には、透明なモ−ルド材88が充填されており、計測部77はこのモ−ルド材88によって固定されている。また、ケ−ス76の下端は試薬ボトル73の底73aに達している。ここで、図3及び図4においては、図面が繁雑になることを避けるためモ−ルド材84のハッチングの記入が省略されている。
【0043】
ケ−ス76には試薬導入用のスリット89が複数形成されており、これらスリット89はケ−ス76の下端から測定光案内部85へ延びている。そして、液体試薬72はこれらのスリット89を介して測定光案内部85より下側のケ−ス76内に導入され、ここに液体試薬72が満たされて、測定光案内部85より下側の部分のケ−ス76内の空気が逃がされる。
【0044】
投受光部81とボトル73の底73aとの間隔は、ケ−ス76の測定光案内部85よりも下側の部分によって確保されている。つまり、この部分がスペ−サ90として機能しており、投受光部81とボトル73の底73aとを十分に大きく離間させている。
【0045】
つぎに、上述の採取装置71の作用を説明する。
まず、装置利用者が操作部51を操作(例えばボタン操作など)すると、液面検知部75において、投受光部81の発光部82が測定光84を発する。液体試薬72の液面91が測定光案内部85よりも上方にあるときには、測定光84が測定光案内部85を通過し、第1の傾斜面86から液体試薬72中に漏れる。このため、受光部83は測定光84を受光しない。
【0046】
制御部50は、受光部83からの信号に基づいて定量吐出ポンプ47を駆動する。そして、一定量の液体試薬72が採取ノズル74に吸引され、吐出チュ−ブ48から所定の反応容器49に吐出される。
【0047】
この吐出動作が何回か繰り返されると、試薬ボトル73の液体試薬72の量が徐々に減少し、吐出回数に応じて液面91が下がる。液面91が測定光案内部85よりも下がると、傾斜面86、87の周囲の屈折率が変化するため、発光部82から発せられた測定光84は、図4(f)中に示すように空気中には漏れない。そして、測定光は第1の傾斜面86を界面として反射し、第2の傾斜面87で反射して、受光部83に導かれる。
【0048】
この反射光は受光部83によって検出され、反射光の受光量が所定値に達している場合に、反射光が受光されたことを表す二値化信号が制御部50へ送られる。制御部50は、受光部83からの信号に基づいて、定量吐出ポンプ47を停止させる。さらに、制御部50は、受光部83が測定光を検出すると、試薬の減少を表す警報を表示部52に表示する。
【0049】
上述のような採取装置31においては、光学式の液面検知部81が液体試薬72に浸されており、液体試薬72の液面91が液面検知部81によって検知されるので、第1実施例と同様に、検知対象となる液体の種類に関わらずに液面検知を行うことができる。したがって、高価な電極棒が不要になり、採取装置31の低価格化が可能になる。
【0050】
また、本実施例においては、投受光部81の発光部82及び受光部83が下向であるとともに、これらがスペ−サ90を介して、試薬ボトル73の底73aに対し十分に離間しているので、液体試薬72中に漏れて試薬ボトル73の底73aで反射した測定光84が受光部83に入射することを防止できる。したがって、第1実施例のように、投受光部81と試薬ボトル73との距離を確保するために、液面検知部をボトルに固定する必要がない。
【0051】
さらに、本実施例では、ケ−ス76の材質に黒色の樹脂が用いられているので、外乱光を遮断でき、試薬ボトル73に、例えば太陽光の赤外線などのような外乱光を透過しにくい特殊な材質を利用したり、試薬ボトル73を外乱光を避けるための箱に収容したりする必要がない。そして、試薬ボトル73の形状や色を制限されることなく、高精度な液面検知を行うことができる。
【0052】
なお、本実施例では、外乱光を遮断するためにケ−ス76の外側の材質に黒色の樹脂が採用されているが、この他に、例えば外乱光を十分に遮断できる材質を必要な部分のみに利用したり、有色薄膜を形成したりすることが可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、液体容器内の液体の液面を検知する液面検知部を備え、上記液体を、液量を検知しながら採取する液体自動採取装置において、上記液面検知部は、上記液体容器に収容されて上記液体に浸されるケースと、このケースに収容された投光部と、上記ケースに収容され、上記投光部からの光を受けた際に所定の信号を出力する受光部と、上記投光部からの光を受光部に反射する反射部と、を具備しており、上記反射部と上記投光部及び受光部との間を透明な部材で密に形成することにより、上記液面検知部が上記液体内にある場合には上記投光部からの光を上記反射部で反射せず外部に透過させ、該液面検知部が上記液体から露呈されている場合には上記投光部からの光を上記反射部により上記受光部に向けて反射するものである。
また、液体の有無に応じて異なる電気信号を得る投受光部を複数有するものである。
したがって本発明は、電極棒を用いることなく液面検知を行うことができ、液面自動採取装置を低価格化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す構成図。
【図2】本発明の第1実施例の液面検知部を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は(a)中のA−A線に沿った平断面図。
【図3】本発明の第2実施例を示す構成図。
【図4】本発明の第2実施例の液面検知部を示すもので、(a)は側面図、(b)は(a)中のB−B線に沿った断面図、(c)は側断面図、(d)は上方からの平面図、(e)は下方からの平面図、(f)は(c)中の円Cで囲った部分の拡大図。
【図5】従来例を示す構成図。
【図面の簡単な説明】
31…緩衝液自動採取装置(液体自動採取装置)、32…緩衝液(液体)、33…緩衝液ボトル(液体容器)、34…イオン交換水(液体)、35…イオン交換水ボトル(液体容器)、36…濃縮緩衝液(液体)、37…濃縮緩衝液ボトル(液体容器)、53〜55…第1〜第3の液面検知部、61a、61b、61…投受光部、65〜67…液面、71…液体試薬自動採取装置(液体自動採取装置)、72…液体試薬、73…試薬ボトル(液体容器)、75…液面検知部。
Claims (2)
- 液体容器内の液体の液面を検知する液面検知部を備え、上記液体を、液量を検知しながら採取する液体自動採取装置において、
上記液面検知部は、上記液体容器に収容されて上記液体に浸されるケースと、このケースに収容された投光部と、上記ケースに収容され、上記投光部からの光を受けた際に所定の信号を出力する受光部と、上記投光部からの光を受光部に反射する反射部と、
を具備しており、上記反射部と上記投光部及び受光部との間を透明な部材で密に形成することにより、上記液面検知部が上記液体内にある場合には上記投光部からの光を上記反射部で反射せず外部に透過させ、該液面検知部が上記液体から露呈されている場合には上記投光部からの光を上記反射部により上記受光部に向けて反射することを特徴とする、液体自動採取装置。 - 上記液体の有無に応じて異なる電気信号を得る投受光部を複数有することを特徴とする請求項1に記載の液体自動採取装置。
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