JP3709644B2 - Torque control device for internal combustion engine - Google Patents

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の車両の駆動系に生じるねじり振動を抑制するトルク制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等の車両を急速に加速或いは減速した場合には、エンジンの出力トルクが急激に変化して、エンジン出力を駆動輪へ伝達するための駆動系にねじり振動が発生する。そしてその結果、車両の加速度が波状に変動する、いわゆるしゃくりが生じ、乗員に不快感を与えることがあった。
【0003】
そこで従来より、上記ねじり振動を抑制するための手法が講じられており、例えば特開平7−324644号公報等に開示されたものが知られている。この公報記載の装置では、マニュアルトランスミッションを有するディーゼルエンジンにおいて、所定期間におけるエンジン回転速度の変化量が検出され、その変化量をもって駆動系のねじり振動量とされる。そして、同装置では、その振動量に応じてエンジンのトルクを燃料噴射量の増減補正によって一定期間制御することにより、ねじり振動を抑制する。すなわち、エンジン回転速度の変化量がプラス側に大きい場合(急加速時)には、トルクを低減すべく燃料噴射量を一定期間低減する。一方、エンジン回転速度の変化量がマイナス側に大きい場合(急減速時)には、トルクを増大すべく燃料噴射量を一定期間増量する。このようなトルク制御により、ねじり振動によるトルク変動が低減され、もって上記車両の振動の抑制が図られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の装置にあって、エンジン回転速度の変化量に基づきトルク制御が行われるため、急加速、或いは急減速時以外のように車両に振動が生じない運転状態にも同トルク制御が実施されることがあった。例えば、ギアのニュートラル時にエンジン回転速度を上昇させた後にギアを変速する、いわゆるダブルクラッチ操作が行われる場合にも同様のトルク制御が行われる。
【0005】
通常、このダブルクラッチ操作は、シフトダウン時に生じる変速ショックを低減するために行われている。従って、この操作に際し、運転者は、エンジンの無負荷状態において、その回転速度を急速に上昇させるべくアクセルペダルを踏み込む。しかしながら、同従来の装置では、エンジン回転速度の変化量に応じて上記トルク制御が実施されるため、燃料噴射量が低減され、ひいてはエンジン回転速度が運転者の意図する回転速度まで上昇するのに遅れが生じるなど、ドライバビリティの悪化を招くこととなっている。
【0006】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ねじり振動の抑制と機関回転速度の追従性を併せ図ることで、ドライバビリティの更なる改善を図ることのできる内燃機関のトルク制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内燃機関の搭載された車両の振動量に対応する所定期間における機関回転速度の変化量を検出する検出手段と、車両の加減速に基づくねじり振動量を検出するための第1の期間において検出される機関回転速度の変化量に基づき車両の振動量が低減される方向に当該機関のトルクを制御するトルク制御手段と、第1の期間よりも長い第2の期間において検出される機関回転速度の変化量が所定値以上であるとき、ダブルクラッチ操作が行われていると判断してトルク制御手段によるトルク制御を止するトルク制御止手段とを備えることを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、車両の振動量に対応する機関回転速度の変化量が上記検出手段により検出され、車両の加減速に基づくねじり振動量を検出するための第1の期間において検出される変化量に基づき車両の振動量が低減するように内燃機関のトルクが上記トルク制御手段により制御される。該トルク制御手段は、例えば機関回転速度がプラス側に変化する場合には、機関のトルクを低減し、同回転速度がマイナス側に変化する場合には、機関のトルクを増大する。
【0009】
ただしここで、車両の加減速に基づくねじり振動量を検出するための第1の期間よりも長い第2の期間において検出される機関回転速度の変化量が所定値以上となる場合、すなわちダブルクラッチ操作が行われて無負荷状態で同回転速度が急速に上昇する場合には、上記トルク制御を通じてトルク制御手段によるトルク制御は停止される。因みに、機関回転速度がプラス側に変化する場合、トルク制御手段は機関のトルクを低減すべく、例えば燃料噴射量を減量するように制御するが、第2の期間における機関回転速度の変化量が所定値以上となるとき、トルク制御が止されることで、機関回転速度は速やかに上昇するようになる。その結果、前記ねじり振動の抑制に併せ、ダブルクラッチ操作時における機関回転速度の追従性も向上されるようになる。
【0011】
さらに、トルク制御止手段は比較的長い期間における機関回転速度の変化量を参照するため、トルク制御の止に関して同回転速度の長期的な変動に基づき判断する。従って、機関回転速度に生じる一時的な回転速度の変動は考慮されず、適正な時期にトルク制御が止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をディーゼルエンジンのトルク制御装置に具体化した一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は、車両に搭載されたディーゼルエンジンのトルク制御装置を示す概略構成図であり、図2は図1の分配型燃料噴射ポンプ1を拡大して示す断面図である。
【0014】
図1に示すように、このディーゼルエンジン2は、同エンジン2に燃料を供給するための燃料噴射ポンプ1を備える。その燃料噴射ポンプ1は、エンジン2のクランクシャフト40にベルト等を介して駆動連結されたドライブプーリ3及びドライブシャフト5を有する。燃料噴射ポンプ1は、そのドライブプーリ3の回転によって駆動され、ディーゼルエンジン2の各気筒(この場合は4気筒)に設けられた燃料噴射ノズル4から燃料が噴射される。
【0015】
この実施形態において、ディーゼルエンジン2は、マニュアルトランスミッション(図示しない)に駆動連結され、クランクシャフト40等により駆動系が構成されている。
【0016】
このディーゼルエンジン2では、シリンダボア41、ピストン42及びシリンダヘッド43によって各気筒に対応する主燃焼室44が形成されている。また、各主燃焼室44に連通する副燃焼室45が各気筒に対応して設けられている。そして、各副燃焼室45には、燃料噴射ノズル4から噴射される燃料が供給される。また、各副燃焼室45には、始動補助装置としての周知のグロープラグ46が取り付けられている。
【0017】
ディーゼルエンジン2には、吸気通路47及び排気通路48がそれぞれ設けられている。また、その吸気通路47には過給機を構成するターボチャージャ49のコンプレッサ50が設けられ、排気通路48にはターボチャージャ49のタービン51が設けられている。また、排気通路48には、過給圧を調節するウェイストゲートバルブ52が設けられている。周知のように、このターボチャージャー49は、排気ガスのエネルギーを利用してタービン51を回転させ、その同軸上にあるコンプレッサ50を回転させて吸入空気を昇圧させる。この作用により、密度の高い混合気を主燃焼室44へ送り込んで燃料を多量に燃焼させ、ディーゼルエンジン2の出力を増大させる。
【0018】
また、ディーゼルエンジン2には、排気ガス再循環装置(EGR)が設けられている。その装置は、排気通路48内の排気の一部を吸気通路47の吸入ポート53へ還流させるEGR通路54と、そのEGR通路54の途中に設けられたダイヤフラム式のEGRバルブ55とからなる。さらに、そのEGRバルブ55を負圧の導入調節によって開度調節させるために、デューティ制御された電気信号により開度調節されるエレクトリックバキュームレギュレーティングバルブ(EVRV)56が設けられている。そして、このEVRV56の作動により、EGRバルブ55の開度が調節され、この調節により、EGR通路54を通じて排気通路48から吸気通路47へ導かれるEGR量が調節される。
【0019】
さらに、吸気通路47の途中には、アクセルペダル57の踏込量に連動して開閉されるスロットルバルブ58が設けられている。また、そのスロットルバルブ58に平行してバイパス通路59が設けられ、同バイパス通路59にはバイパス絞り弁60が設けられている。このバイパス絞り弁60は、2つのVSV(バキュームスイッチングバルブ)61,62の制御によって駆動される二段式のダイヤフラム室を有するアクチュエータ63によって開閉制御される。このバイパス絞り弁60は各種運転状態に応じて開閉制御される。例えば、アイドル運転時には騒音振動等の低減のために半開状態に制御され、通常運転時には全開状態に制御され、更に運転停止時には円滑な停止のために全閉状態に制御される。
【0020】
図2に示すように、燃料噴射ポンプ1に設けられたドライブシャフト5は、その先端にドライブプーリ3を有し、その基端に円板状のパルサ7を有する。このパルサ7の外周面には、ディーゼルエンジン2(図1)の気筒数と同数、すなわち4個の切歯が等角度間隔で形成され、更に各切歯の間には14個(合計で56個)の突起が等角度間隔で形成されている。ドライブシャフト5の中程には、べーン式ポンプよりなる燃料フィードポンプ(この図では90度展開されている)6が設けられている。ドライブシャフト5の基端には、ローラリング9が同シャフト5に対して相対回転可能に設けられ、同ローラリング9はその円周に沿ってカムローラ10を有する。
【0021】
また、燃料噴射ポンプ1は、ドライブシャフト5と同軸上に設けられたプランジャ12を備える。そのプランジャ12の基端には、カムプレート8が取り付けられている。そのカムプレート8はエンジン2の気筒数と同数のカムフェイス8aを有する。ここで、ローラリング9内にはカップリング(図示しない)が収容され、そのカップリングはドライブシャフト5とカムプレート8とを一体回転可能に連結するとともに、カムプレート8及びプランジャ12の軸方向移動を許容する。また、カムプレート8はスプリング11によって常にカムローラ10に向かって付勢係合されている。
【0022】
ここで、ドライブシャフト5が回転されることにより、カムプレート8はカップリングを介して同シャフト5と一体的に回転されるとともに、カムローラ10との係合により気筒数と同数だけ軸方向へ往復動される。このカムプレート8の往復動に伴い、プランジャ12は回転しながら軸方向へ往復動される。つまり、カムプレート8のカムフェイス8aがローラリング9のカムローラ10に乗り上げる過程でプランジャ12が往動(リフト)され、その逆にカムフェイス8aがカムローラ10を乗り下げる過程でプランジャ12が復動される。
【0023】
プランジャ12はポンプハウジング13に形成されたシリンダ14に嵌挿されており、プランジャ12の先端面とシリンダ14の底面との間が高圧室15となっている。また、プランジャ12の先端側外周には、ディーゼルエンジン2の気筒数と同数の吸入溝16と分配ポート17が形成されている。また、ポンプハウジング13には、それら吸入溝16及び分配ポート17に対応する分配通路18及び吸入ポート19が形成さている。
【0024】
こうした燃料噴射ポンプ1にあっては、ドライブシャフト5が回転されて燃料フィードポンプ6が駆動されることにより、燃料タンク(図示しない)から燃料供給ポート20を介して燃料室21内へ燃料が供給される。また、プランジャ12が復動されて高圧室15が減圧される吸入行程中に、吸入溝16の一つが吸入ポート19に連通することにより、燃料室21から高圧室15へと燃料が導入される。一方、プランジャ12が往動されて高圧室15が加圧される圧縮行程中に、分配通路18から各気筒の燃料噴射ノズル4(図1)へ燃料が圧送されて噴射される。
【0025】
一方、ポンプハウジング13には、高圧室15と燃料室21とを連通させる燃料溢流(スピル)用のスピル通路22が形成されている。このスピル通路22の途中には、高圧室15からの燃料スピルを調整するための電磁スピル弁23が設けられている。この電磁スピル弁23は常開型の弁であり、コイル24が無通電(オフ)の状態では弁体25が開放されて高圧室15内の燃料が燃料室21へスピルされる。また、コイル24が通電(オン)されることにより、弁体25が閉鎖されて高圧室15から燃料室21への燃料のスピルが止められる。
【0026】
従って、電磁スピル弁23の通電時間を制御することにより、同弁23が開閉制御され、高圧室15から燃料室21への燃料のスピル調整が行われる。そして、プランジャ12の圧縮行程中に電磁スピル弁23を開弁させることにより、高圧室15内における燃料が減圧されて、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が停止される。つまり、プランジャ12が往動しても、電磁スピル弁23が開弁している間は高圧室15内の燃料圧力が上昇せず、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が行われない。また、プランジャ12の往動中に、電磁スピル弁23の閉弁・開弁の時期を制御することにより、燃料噴射ノズル4からの噴射終了が調整されて燃料噴射量が制御される。
【0027】
また一方、ポンプハウジング13の下側には、燃料噴射時期を制御するためのタイマ装置(この図では90度展開されている)26が設けられている。このタイマ装置26は、ドライブシャフト5の回転方向に対するローラリング9の位置を変更することにより、カムフェイス8aがカムローラ10に係合する時期、すなわちカムプレート8及びプランジャ12の往復動時期を変更するためのものである。
【0028】
タイマ装置26は制御油圧により駆動されるものであり、タイマハウジング27と、同ハウジング27内に嵌装されたタイマピストン28と、同じくタイマハウジング27内一側の低圧室29にてタイマピストン28を他側の加圧室30へ付勢するタイマスプリング31等とから構成されている。タイマピストン28はスライドピン32を介してローラリング9に接続されている。
【0029】
タイマハウジング27の加圧室30には、燃料フィードポンプ6により加圧された燃料が導入されるようになっている。そして、その燃料圧力とタイマスプリング31の付勢力との釣り合い関係によってタイマピストン28の位置(以下、「タイマピストン位置」という)が決定される。また、そのタイマピストン位置が決定されることにより、ローラリング9の位置が決定され、カムプレート8を介してプランジャ12の往復動タイミングが決定される。
【0030】
タイマ装置26の制御油圧として作用する燃料圧力を調整するために、タイマ装置26にはタイマ制御弁(TCV)33が設けられている。すなわち、タイマハウジング27の加圧室30と低圧室29とが連通路34によって連通されており、同連通路34の途中にTCV33が設けられている。このTCV33は、デューティ制御された通電信号によって開閉制御される電磁弁であり、同TCV33の開閉制御によって加圧室30内の燃料圧力が調整される。そして、その燃料圧力の調整によって、プランジャ12のリフトタイミングが制御され、各燃料噴射ノズル4からの燃料噴射時期が制御される。
【0031】
他方、ローラリング9の上部には、電磁ピックアップコイルよりなる回転速度センサ35が、パルサ7の外周面に対向して取付けられている。この回転速度センサ35はパルサ7の突起が横切る際に、それらの通過を検出してエンジン回転速度NEに相当するタイミング信号、すなわち一定のクランク角度(11.25°CA)毎のエンジン回転パルスを出力する。また、この回転速度センサ35は、そのエンジン回転パルス毎の瞬時回転速度を検出する。さらに、この回転速度センサ35は、ローラリング9と一体であるため、タイマ装置26の制御動作に関わりなく、プランジャリフトに対して一定のタイミングで基準となるタイミング信号を出力する。
【0032】
また、ディーゼルエンジン2にはこうした回転速度センサ35に加えて、同エンジン2の運転状態を検出するための各種センサが設けられている。
図1に示すように、吸気通路47の入口に設けられたエアクリーナ64の近傍には、吸気温度THAを検出する吸気温センサ72が設けられている。また、スロットルバルブ58の近傍には、同スロットルバルブ58の開閉位置から、ディーゼルエンジン2の負荷に相当するアクセル開度ACCPを検出するアクセルセンサ73が設けられている。吸入ポート53の近傍には、ターボチャージャ49によって過給された後の吸入空気圧力、すなわち吸気圧PMを検出する吸気圧センサ74が設けられている。さらに、エンジン2のウォータージャケットには、エンジン2の冷却水温THWを検出する水温センサ75が設けられている。また、エンジン2にはクランクシャフト40のエンジン回転再基準位置を検出するクランク角センサ76が設けられている。加えて、トランスミッションには、そのギアの回転によって回されるマグネット77aによりリードスイッチ77bをオン・オフさせて車両速度(車速)SPDを検出する車速センサ77が設けられている。
【0033】
上記のように燃料噴射ポンプ1及びディーゼルエンジン2に設けられた電磁スピル弁23、TCV33、グロープラグ46、各VSV56,61,62、及び各種センサ35,72〜77は電子制御装置(以下「ECU」という)71に接続されている。そして、ECU71は各センサ35,72〜77から出力される検出信号に基づき、電磁スピル弁23、TCV33、グロープラグ46、EVRV56及びVSV61,62等を好適に制御する。
【0034】
次に、図3に基づきECU71の構成について説明する。
同図に示すように、ECU71は中央処理装置(CPU)81、所定の制御プログラム及び関数データ等を予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)82、CPU81の演算結果、エンジン回転速度NE等のデータを一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)83、記憶されたデータを保存することのできるバックアップRAM84等を備えている。そして、ECU71は、これら各部と入力ポート85及び出力ポート86等とをバス87によって接続した論理演算回路として構成されている。
【0035】
入力ポート85には、前述した吸気温センサ72、アクセルセンサ73、吸気圧センサ74及び水温センサ75が、各バッファ88,89,90,91、マルチプレクサ93及びA/D変換器94を介して接続されている。同じく、入力ポート85には、前述した回転速度センサ35、クランク角センサ76及び車速センサ77が、波形整形回路95を介して接続されている。そして、CPU81は入力ポート85を介して入力される各センサ35,72〜77等の検出信号を入力値として読み込む。また、出力ポート86には各駆動回路96,97,98,99,100,101を介して電磁スピル弁23、TCV33、グロープラグ46、EVRV56及びVSV61,62等が接続されている。
【0036】
次に、こうしたECU71により実行されるトルク制御(実際には燃料噴射量制御)にかかる処理動作について図4〜6に従って説明する。
図4は、最終噴射量QFINを算出し決定するための「最終噴射量算出ルーチン」であり、この処理は所定のクランク角毎の角度割り込みで実行される。
【0037】
処理がこのルーチンへ移行すると、先ずステップ101において、ECU71は、現在のエンジン回転速度NE、クランクシャフト40の回転位置信号CNIRQ、アクセル開度ACCP及び吸気圧PMの値をRAM83から読み込むとともに、同じくRAM83に記憶されているエンジン回転速度の変化量DLNE、エンジン回転速度の立ち上がり速さ判定値SNE、トルク制御実行フラグFの値をRAM83から読み込む。
【0038】
ここで、これらトルク制御実行フラグF、回転速度変化量DLNE及び判定値SNEの値は、別途のルーチンによって設定若しくは算出され、RAM83の所定領域に記憶されている。
【0039】
因みに、トルク制御実行フラグFは、前述した車両の振動(しゃくり)を抑制するためのトルク制御を行う必要があるか否かを示すフラグである。トルク制御実行フラグFは、トルク制御を行う必要があると判定されたときには「1」に設定され、そうでないときには「0」に設定される。この実施形態においては、
(1)当該車両がマニュアルトランスミッション車であること、
(2)始動時以外であること、
(3)エンジン回転速度NEが所定の範囲(例えば、500rpm以上4000rpm未満)内にあること、
(4)冷却水温THWが所定値(例えば、−20℃)以上であること、
(5)エンジン2が正常に動作していること、
(6)現在走行中であること、
という6つの条件が全て満たされたときにトルク制御実行フラグFが「1」に設定される。上記(5)の条件は、換言すればエンジン2にフェイルが生じていない状態である。なお、以上の条件は一例であり、車両に振動が生じ得ることが判断可能な条件、或いは他の条件が採用されてもよい。
【0040】
また、回転速度変化量DLNEは上記トルク制御の補正量を算出するために使用されるパラメータであり、具体的には現在の回転速度NEの値から前回検出された回転速度NE1を減算した値が回転速度変化量DLNEとして算出される。回転速度NEは非常に短い第1の期間T1毎に検出され、この回転速度変化量DLNEはその期間T1に変化した回転速度NEの変化量を表す。回転速度変化量DLNEの値が正である場合には、エンジン回転速度NEが瞬間的に増大したことを示し、また回転速度変化量DLNEの値が負である場合には、エンジン回転速度NEが瞬間的に減少したことを示す。そのため、エンジン2の各気筒の爆発時期に応じて、その気筒間に生じる回転速度NEの一時的な変動もこの回転速度変化量DLNEに反映される。そしてこの実施形態において、この回転速度変化量DLNEは、上記車両の振動量に比例するものとしてトルク制御が実行される。
【0041】
これに対して、判定値SNEは上記トルク制御を止するか否かを決定するために使用されるパラメータであり、具体的には現在の回転速度NEから上記第1の期間T1よりも比較的長い第2の期間T2前の回転速度NE2を減算した値が該判定値SNEとして算出される。しかしながら、この判定値SNEは回転速度NEの立ち上がりの速さを示すパラメータであるため、上記減算値が正である場合(回転速度NEが上昇している場合)には、判定値SNEは上記値に設定されるものの、上記減算値が負である場合(回転速度NEが下降している場合)には、判定値SNEの値はゼロに設定される。従って、この判定値SNEには、回転速度NEの一時的な変動は反映されず、且つ回転速度NEの増加傾向のみが反映されることとなる。
【0042】
こうして各値の読み込みを終えたECU71は、次に、ステップ102において、回転位置信号CNIRQの値に基づき、最終燃料噴射の算出時期が到来したか否かを判断する。この実施形態では一例として、回転位置信号CNIRQの値が「6」であるか否かを判断する。この判断により、以降の処理はクランクシャフト40の1回転当たりに2回の割合で行われることとなる。そして、回転位置信号CNIRQの値が「6」でない場合には、ECU71は以降の処理を行う必要がないものとして、その後の処理を一旦終了する。一方、回転位置信号CNIRQの値が「6」である場合には、ECU71は処理をステップ103へ以降する。なお、最終噴射量の算出時期に応じて、上記の数値「6」は任意に変更されてもよい。
【0043】
ステップ103において、ECU71は、ROM64に記憶された関数データを参照することにより、エンジン回転速度NE及びアクセル開度ACCPの値に基づき基本噴射量QBASEを算出する。この基本噴射量QBASEの算出に際しては、基本噴射量QBASE、エンジン回転速度NE及びアクセル開度ACCPをパラメータとして予め定められた関数データが参照される。
【0044】
さらに、ステップ104において、ECU71は、ROM64に記憶された関数データを参照することにより、エンジン回転速度NE及び吸気圧PMの値に対応する最大噴射量QFULLを算出する。ここで、最大噴射量QFULLとは、各燃焼室12に供給されるべき燃料量の上限値を意味し、この上限値を超えて燃料が供給されたときには、燃焼室12から排出されるスモークが急増することになる。
【0045】
そして、ステップ105において、ECU71は、算出された基本噴射量QBASE及び最大噴射量QFULLのうちいずれか小さい方を修正前噴射量QFINAとして設定する。ECU71は、算出された修正前噴射量QFINAをRAM83に記憶する。
【0046】
一方、ステップ106において、ECU71は、トルク制御実行フラグFが「1」であるか否かを判定する。上述のように、該フラグFの値が「1」の場合には、トルク制御を実行する必要があるものと判断して、ステップ107へ移行する。これに対して、トルク制御実行フラグFの値が「1」でない場合、即ち「0」である場合には、ECU71はトルク制御を実行する必要がないものと判断して、通常の燃料噴射量を算出すべくその処理をステップ112へ移行する。
【0047】
ステップ107において、ECU71は、上記ステップ105にて算出された修正前噴射量QFINAが基本噴射量QBASEと等しいか否かを判断する。即ち、このステップ107では、上記ステップ103にて算出された基本噴射量BASEが、上記ステップ104にて算出された最大噴射量QFULLよりも小さいか否かを判断している。基本噴射量BASEが最大噴射量QFULL以上ある場合には、エンジン2により要求される燃料噴射量が多いことから、回転速度NEは急速に上昇していることが判断される。この場合、ECU71はその処理をステップ111へ移行する。これに対して、基本噴射量BASEが最大噴射量QFULL未満である場合には、エンジン2により要求される燃料噴射量が比較的少ないことから、回転速度NEは急速に上昇していないことが判断され、ECU71はその処理をステップ108へ移行する。
【0048】
次に、ステップ108において、ECU71は上記ステップ101にて読み出された回転速度変化量DLNEに基づき、燃料噴射量に関する補正量QACC2を算出する。この補正量QACC2は、図6のグラフに対応する関数データに基づき算出される。
【0049】
図6は、回転速度変化量DLNEと補正量QACC2の関係を示すグラフである。同図に示すように、補正量QACC2は回転速度変化量DLNEに反比例し、回転速度変化量DLNEがプラス側に大きくなるに従い、補正量QACC2はマイナス側に大きく設定される。また、回転速度変化量DLNEの値がマイナス側に大きくなるに従い、補正量QACC2はプラス側に大きく設定される。なお、補正量QACC2には上限値及び下限値が設けられており、回転速度変化量DLNEが所定値DLNE1以上では、補正量QACC2は下限値QACC21に設定される。また、回転速度変化量DLNEが所定値DLNE2以下では、補正量QACC2は上限値QACC22に設定される。
【0050】
こうして補正量を算出したECU71は、次のステップ109において、この補正量QACC2を修正前噴射量QFINAに加算した値を補正噴射量QFINKとして設定する。即ち、この補正量QACC2の値に応じて燃料噴射量が増減補正される。
【0051】
そして、ステップ110において、ECU71は、この算出した補正噴射量QFINK及び最大噴射量QFULLのうちいずれか小さい方を最終噴射量QFINとして設定する。なお、ステップ105において設定した修正前噴射量QFINAは最大噴射量QFULL以下となっているが、上記補正量QACC2の値によっては補正噴射量QFINKの値が最大噴射量QFULLを超える可能性があるため、この処理が行われる。ECU71は、こうして求めた最終噴射量QFINをRAM83に記憶し、その後の処理を一旦終了する。このように補正値QACC2に応じて最終噴射量QFINを増減補正することにより、車両の振動量を低減するようにエンジン2のトルクが調整される。因みに、この実施形態にあっては、ステップ101,108,109の各処理を通じて車両の振動量を低減するためのトルク制御が行われる。
【0052】
一方、上記ステップ107から移行してステップ111において、ECU71は、上記ステップ101にて読み込まれた判定値SNEの値が所定値α以上であるか否かを判断する。因みにこのステップ111に入る前、上記ステップ107において回転速度NEが急速に上昇していると判断されていることから、このステップ111では、該判定値SNEの値に基づき、前述したダブルクラッチ操作、すなわちエンジンの無負荷状態(ギアのニュートラル時)において運転者がアクセルペダル57を踏み込むような操作が行われているか否かが判断される。そして、このような操作が行われている時にのみ、同判定値SNEの値が所定値α以上となるよう、該αの値が設定されている。
【0053】
従って、同ステップ111において、ECU71は、判定値SNEの値が所定値α未満である場合には、エンジン2が通常の加速状態にあると判断し、その処理を上記ステップ108に移行して上述したトルク制御のための補正量QACC2を算出する。これに対して、判定値SNEの値が所定値α以上である場合、ECU71は、回転速度NEの上昇が上記ダブルクラッチ操作によるものであると判断し、その処理をステップ112へ移行する。
【0054】
このステップ111、或いは上記ステップ106から移行してステップ112において、ECU71は、上記補正量QACC2の値を「0」に設定し、その後の処理をステップ109へ移行する。すなわち、補正量QACC2の値が「0」であることから、以降の処理において車両の振動量を低減するためのトルク制御は止され、増減補正されない通常の燃料噴射量が最終噴射量QFINとして算出される。
【0055】
このように、上記「最終噴射量算出ルーチン」においては、最終噴射量QFINの算出に際し、通常の車両の加減速時には回転速度変化量DLNEに応じた補正量QACC2分だけ燃料噴射量は補正され、ダブルクラッチ時には補正量QACC2による補正が止される。
【0056】
次に、図5に基づき、本実施形態の装置のトルク制御にかかる動作を更に詳述する。
図5は、ダブルクラッチ操作により回転速度NEを上昇させたときのアクセル開度ACCP、判定値SNE、最終噴射量QFIN、及びエンジン回転速度NEの推移を示すタイミングチャートである。なおここでは、同タイミングチャートの時間軸tの全域にわたって、エンジン2の運転状態はトルク制御実行フラグFの値が「1」に設定される条件が全て満たされているものとする。また、タイミングt0において、エンジン2は無負荷状態(ギアはニュートラルに入っている状態)であって、クラッチ(図示しない)はつながった状態にあるものとする。
【0057】
同図に示すように、タイミングt1以前において、アクセル開度ACCPが全閉であるため、回転速度NEは時間とともに低下している。この回転速度NEの低下量に応じたトルク制御が行われることで、正の値を有する補正量QACC2が算出される。このときの基本噴射量QBASEはマイナスの値をとり、その絶対値は補正量QACC2よりも大きい。その結果、アクセル開度ACCPが全閉である間、補正量QACC2により増量補正されても最終噴射量QFINはゼロに設定される。
【0058】
ここで、アクセル開度ACCPが全開されることにより(タイミングt1)、最終噴射量QFINの値は急激に増大される。この最終噴射量QFINの増大に基づき、回転速度NEはアクセル開度ACCPの全開時期よりも若干遅れて上昇し始める(タイミングt2)。このとき、エンジン2が無負荷状態であるため、回転速度NEは通常の車両の加速時よりも急速に上昇する。
【0059】
この回転速度NEの急上昇に基づき、タイミングt2以降には、駆動系のねじり振動に基づく車両の振動を抑制するためのトルク制御が行われる。この場合、補正量QACC2は負の値に設定され、その分最終噴射量QFINがが減量補正される。しかしながら、エンジン2の駆動力がトランスミッションに伝達されない現在の状態にあっては、回転速度NEが急上昇してもそのような振動が生じることはない。従って、タイミングt2以降では不要なトルク制御が行われていることとなる。
【0060】
一方、判定値SNEは回転速度NEの上昇と同時に上昇し始め、タイミングt3においては、その値が所定値α以上となる。これにより、この回転速度NEの急上昇はダブルクラッチ操作に起因するものであることが判断され、上記トルク制御が止される(タイミングt3)。その結果、タイミングt3以降においては、不要なトルク制御が止されたために、各パラメータは実線で示すように変化する。すなわち、タイミングt3以降では、補正量QACC2の値は「0」に設定され、最終噴射量QFINの減量補正が停止されることとなる。なお、タイミングt3以降にも、そのトルク制御を継続して実行する場合、各パラメータは2点鎖線で示すように変化する。従って、このようにトルク制御を止することにより、斜線で示す領域に相当する分回転速度NEの上昇が図られ、運転者が意図したように回転速度NEを速やかに上昇させることができるようになる。
【0061】
以上説明したように、この実施形態にかかるトルク制御装置によれば、以下に示す多くの優れた効果が奏せられることとなる。
・ダブルクラッチ操作時における回転速度NEの立ち上がり速さの向上により、ドライバビリティを向上させることができる。
【0062】
・トルク制御を止する時期を決定するパラメータとして比較的長い期間の回転速度NEの変化量である判定値SNEを用いているため、気筒間のばらつき等により生じる瞬間的な回転速度変化の影響を受けることなく、適正にトルク制御を止することができる。
【0063】
・ダブルクラッチ操作時以外の通常の運転状態ではトルク制御を行っているため、車両の加減速に基づくねじり振動量を低減し、もって車両の前後の振動(加減速ショック、しゃくり等)を極力抑制することができる。
【0064】
・トルク制御をエンジン2の燃料噴射量調整により行っているため、同トルク制御を正確かつ確実に実行することができる。
・ディーゼルエンジン2の回転速度変化量DLNEに基づき、ねじり振動量を認定するようにしているため、ねじり振動量が的確に把握され、結果として制御性の向上を図ることができる。
【0065】
尚、上記実施形態のトルク制御装置は次のように変更することもできる。
上記実施形態では、所定期間における回転速度NEの変化量である判定値SNEに基づき、ダブルクラッチ操作が行われているか否かを判断した。これに対して、エンジン2にダブルクラッチセンサを設け、同センサの信号に基づきダブルクラッチ操作が行われているか否かを判断してもよい。
【0067】
前記実施形態では、ディーゼルエンジン2の燃料噴射量を制御することにより、トルク制御を行うようにしたが、それ以外にも燃料噴射時期を制御することによりトルク制御を行うようにしてもよい。また、ディーゼルエンジン2の代わりにガソリンエンジンに適用することもできる。そして、内燃機関としてガソリンエンジンを採用した場合には、点火時期、空燃比、吸入空気量等を制御することにより、トルク制御を行うこともできる。
【0068】
前記実施形態における回転速度変化量DLNEに対する補正量QACC2の関係は、必ずしも図6に示すように直線状でなくてもよく、例えば曲線状であってもよい。
【0069】
尚、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
・内燃機関の搭載された車両の振動量に対応する所定期間における機関回転速度の変化量を検出する検出手段と、前記検出された機関回転速度の変化量に基づき車両の振動量が低減される方向に当該機関のトルクを制御するトルク制御手段と、ダブルクラッチ操作を検出するセンサと、前記センサによりダブルクラッチ操作が検出されるとき、前記トルク制御手段によるトルク制御を止するトルク制御止手段とを備えることを特徴とする内燃機関のトルク制御装置。
【0070】
以上の構成によれば、機関の動力が駆動系に伝達されないダブルクラッチ操作時には、トルク制御が止されるため、機関回転速度の立ち上がり性を向上することができる。
【0071】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、ねじり振動の抑制に併せ、例えばダブルクラッチ操作時における機関回転速度の追従性も向上されるようになる。したがって、トルク制御される内燃機関が搭載される車両にあって、そのドライバビリティの更なる改善が図られるようになる。
【0072】
さらに、トルク制御の止時期に関して、機関回転速度に生じる一時的な回転速度の変動を考慮することなく、適正な時期にトルク制御を止し、同機関回転速度の追従性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるディーゼルエンジンのトルク制御装置を示す概略構成図。
【図2】同ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプの構成を示す断面図。
【図3】ECUの回路構成を示すブロック図。
【図4】同実施形態のトルク制御手順を示すフローチャート。
【図5】同実施形態のトルク制御態様を示すタイミングチャート。
【図6】回転速度変化量と燃料噴射補正量との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…燃料噴射ポンプ、2…内燃機関としてのディーゼルエンジン、35…回転速度センサ、40…クランクシャフト、71…電子制御装置(ECU)。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an improvement in a torque control device that suppresses torsional vibration generated in a drive system of a vehicle such as an automobile.
[0002]
[Prior art]
In general, when a vehicle such as an automobile is accelerated or decelerated rapidly, the output torque of the engine changes abruptly and a torsional vibration is generated in a drive system for transmitting the engine output to drive wheels. As a result, so-called squealing in which the acceleration of the vehicle fluctuates in a wavy manner may be given to the occupant.
[0003]
Therefore, conventionally, a technique for suppressing the torsional vibration has been taken, and for example, one disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-324644 is known. In the device described in this publication, in a diesel engine having a manual transmission, the amount of change in engine speed during a predetermined period is detected, and the amount of change is used as the amount of torsional vibration of the drive system. In this apparatus, the torsional vibration is suppressed by controlling the engine torque for a certain period by correcting the increase or decrease in the fuel injection amount in accordance with the vibration amount. That is, when the change amount of the engine rotation speed is large on the plus side (during rapid acceleration), the fuel injection amount is reduced for a certain period to reduce the torque. On the other hand, when the change amount of the engine rotation speed is large on the negative side (at the time of rapid deceleration), the fuel injection amount is increased for a certain period to increase the torque. By such torque control, torque fluctuation due to torsional vibration is reduced, thereby suppressing the vehicle vibration.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the above-described conventional apparatus, torque control is performed based on the amount of change in the engine rotation speed. Therefore, the torque control can be performed even in an operating state where the vehicle does not vibrate except during sudden acceleration or sudden deceleration. It was sometimes implemented. For example, the same torque control is performed when a so-called double clutch operation is performed in which the gear is shifted after increasing the engine rotation speed when the gear is neutral.
[0005]
Normally, this double clutch operation is performed in order to reduce a shift shock that occurs during downshifting. Therefore, during this operation, the driver depresses the accelerator pedal in order to rapidly increase the rotation speed when the engine is not loaded. However, in the conventional apparatus, the torque control is performed according to the amount of change in the engine rotation speed, so that the fuel injection amount is reduced, and consequently the engine rotation speed increases to the rotation speed intended by the driver. As a result, there will be a delay in drivability.
[0006]
The present invention has been made in view of such circumstances, and the object of the present invention is an internal combustion engine capable of further improving drivability by combining torsional vibration suppression and engine rotational speed tracking. The object is to provide a torque control device.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention according to claim 1 is a detection means for detecting a change amount of the engine rotational speed in a predetermined period corresponding to a vibration amount of a vehicle on which the internal combustion engine is mounted. For detecting torsional vibration based on vehicle acceleration / deceleration In a second period longer than the first period, torque control means for controlling the torque of the engine in a direction in which the amount of vibration of the vehicle is reduced based on the amount of change in engine rotation speed detected in the first period When the detected amount of change in engine speed is greater than or equal to a predetermined value, it is determined that the double clutch operation is being performed, and torque control by the torque control means is During ~ Torque control to stop During ~ And a stopping means.
[0008]
According to the above configuration, the change amount of the engine rotation speed corresponding to the vibration amount of the vehicle is detected by the detection means, For detecting torsional vibration based on vehicle acceleration / deceleration The torque of the internal combustion engine is controlled by the torque control means so that the vibration amount of the vehicle is reduced based on the amount of change detected in the first period. The torque control means reduces the torque of the engine, for example, when the engine rotational speed changes to the positive side, and increases the torque of the engine when the rotational speed changes to the negative side.
[0009]
Where For detecting torsional vibration based on vehicle acceleration / deceleration When the amount of change in the engine rotational speed detected in the second period longer than the first period is equal to or greater than a predetermined value, that is, when the rotational speed increases rapidly in a no-load state due to a double clutch operation. The torque control by the torque control means is stopped through the torque control. Incidentally, when the engine rotational speed changes to the plus side, the torque control means performs control so as to reduce the fuel injection amount, for example, to reduce the engine torque, but the amount of change in the engine rotational speed in the second period is When it exceeds the predetermined value, torque control During ~ By stopping, the engine speed increases quickly. As a result, in addition to the suppression of the torsional vibration, the followability of the engine speed during double clutch operation is also improved.
[0011]
In addition, torque control During ~ The stopping means refers to the amount of change in engine speed over a relatively long period of time. During ~ Judgment is based on long-term fluctuations in the rotation speed. Therefore, temporary fluctuations in the engine speed are not taken into account, and torque control is performed at an appropriate time. During ~ Stopped.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment in which the present invention is embodied in a torque control device for a diesel engine will be described in detail with reference to the drawings.
[0013]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing a torque control device for a diesel engine mounted on a vehicle, and FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view showing the distributed fuel injection pump 1 of FIG.
[0014]
As shown in FIG. 1, the diesel engine 2 includes a fuel injection pump 1 for supplying fuel to the engine 2. The fuel injection pump 1 has a drive pulley 3 and a drive shaft 5 that are drivingly connected to a crankshaft 40 of the engine 2 via a belt or the like. The fuel injection pump 1 is driven by the rotation of the drive pulley 3, and fuel is injected from the fuel injection nozzle 4 provided in each cylinder (in this case, 4 cylinders) of the diesel engine 2.
[0015]
In this embodiment, the diesel engine 2 is drivingly connected to a manual transmission (not shown), and a drive system is configured by the crankshaft 40 and the like.
[0016]
In the diesel engine 2, a main combustion chamber 44 corresponding to each cylinder is formed by a cylinder bore 41, a piston 42 and a cylinder head 43. A sub-combustion chamber 45 communicating with each main combustion chamber 44 is provided corresponding to each cylinder. The sub-combustion chambers 45 are supplied with fuel injected from the fuel injection nozzle 4. Each sub-combustion chamber 45 is provided with a known glow plug 46 as a starting assist device.
[0017]
The diesel engine 2 is provided with an intake passage 47 and an exhaust passage 48, respectively. The intake passage 47 is provided with a compressor 50 of a turbocharger 49 constituting a supercharger, and the exhaust passage 48 is provided with a turbine 51 of the turbocharger 49. The exhaust passage 48 is provided with a waste gate valve 52 for adjusting the supercharging pressure. As is well known, the turbocharger 49 rotates the turbine 51 using the energy of the exhaust gas, and rotates the compressor 50 on the same axis to boost the intake air. By this action, a high-density air-fuel mixture is sent to the main combustion chamber 44 to burn a large amount of fuel, and the output of the diesel engine 2 is increased.
[0018]
Further, the diesel engine 2 is provided with an exhaust gas recirculation device (EGR). The apparatus includes an EGR passage 54 for returning a part of the exhaust gas in the exhaust passage 48 to the intake port 53 of the intake passage 47 and a diaphragm type EGR valve 55 provided in the middle of the EGR passage 54. Furthermore, in order to adjust the opening of the EGR valve 55 by adjusting the introduction of negative pressure, an electric vacuum regulating valve (EVRV) 56 whose opening is adjusted by a duty-controlled electric signal is provided. The opening of the EGR valve 55 is adjusted by the operation of the EVRV 56, and the EGR amount guided from the exhaust passage 48 to the intake passage 47 through the EGR passage 54 is adjusted by this adjustment.
[0019]
Further, a throttle valve 58 that is opened and closed in conjunction with the amount of depression of the accelerator pedal 57 is provided in the intake passage 47. A bypass passage 59 is provided in parallel with the throttle valve 58, and a bypass throttle valve 60 is provided in the bypass passage 59. The bypass throttle valve 60 is controlled to be opened and closed by an actuator 63 having a two-stage diaphragm chamber driven by control of two VSVs (vacuum switching valves) 61 and 62. The bypass throttle valve 60 is controlled to open and close according to various operating conditions. For example, during idle operation, it is controlled to a half-open state in order to reduce noise vibration, etc., controlled to a full-open state during normal operation, and further controlled to a fully-closed state for smooth stop when operation is stopped.
[0020]
As shown in FIG. 2, the drive shaft 5 provided in the fuel injection pump 1 has a drive pulley 3 at its distal end and a disk-like pulsar 7 at its proximal end. The number of cylinders of the diesel engine 2 (FIG. 1), that is, four incisors are formed at equiangular intervals on the outer peripheral surface of the pulsar 7, and there are 14 (in total 56 in total) between each incisor. Projections are formed at equiangular intervals. In the middle of the drive shaft 5 is provided a fuel feed pump 6 (developed 90 degrees in this figure) comprising a vane pump. A roller ring 9 is provided at the base end of the drive shaft 5 so as to be rotatable relative to the shaft 5, and the roller ring 9 has a cam roller 10 along its circumference.
[0021]
The fuel injection pump 1 includes a plunger 12 that is provided coaxially with the drive shaft 5. A cam plate 8 is attached to the base end of the plunger 12. The cam plate 8 has the same number of cam faces 8 a as the number of cylinders of the engine 2. Here, a coupling (not shown) is accommodated in the roller ring 9, and the coupling connects the drive shaft 5 and the cam plate 8 so as to be integrally rotatable, and the cam plate 8 and the plunger 12 move in the axial direction. Is acceptable. The cam plate 8 is always urged and engaged toward the cam roller 10 by a spring 11.
[0022]
Here, when the drive shaft 5 is rotated, the cam plate 8 is rotated integrally with the shaft 5 via the coupling, and is reciprocated in the axial direction by the same number as the number of cylinders by engagement with the cam roller 10. Moved. As the cam plate 8 reciprocates, the plunger 12 reciprocates in the axial direction while rotating. That is, the plunger 12 is moved forward (lifted) when the cam face 8a of the cam plate 8 rides on the cam roller 10 of the roller ring 9, and conversely, the plunger 12 is moved back when the cam face 8a rides down the cam roller 10. The
[0023]
The plunger 12 is fitted into a cylinder 14 formed in the pump housing 13, and a high-pressure chamber 15 is formed between the distal end surface of the plunger 12 and the bottom surface of the cylinder 14. Further, the same number of intake grooves 16 and distribution ports 17 as the number of cylinders of the diesel engine 2 are formed on the outer periphery on the tip end side of the plunger 12. The pump housing 13 is formed with a distribution passage 18 and a suction port 19 corresponding to the suction groove 16 and the distribution port 17.
[0024]
In such a fuel injection pump 1, the fuel is supplied from the fuel tank (not shown) into the fuel chamber 21 through the fuel supply port 20 by driving the fuel feed pump 6 by rotating the drive shaft 5. Is done. In addition, during the suction stroke in which the plunger 12 is moved backward to decompress the high pressure chamber 15, one of the suction grooves 16 communicates with the suction port 19, whereby fuel is introduced from the fuel chamber 21 to the high pressure chamber 15. . On the other hand, during the compression stroke in which the plunger 12 is moved forward and the high pressure chamber 15 is pressurized, fuel is pumped from the distribution passage 18 to the fuel injection nozzle 4 (FIG. 1) of each cylinder and injected.
[0025]
On the other hand, the pump housing 13 is formed with a spill passage 22 for fuel overflow (spill) that allows the high pressure chamber 15 and the fuel chamber 21 to communicate with each other. An electromagnetic spill valve 23 for adjusting a fuel spill from the high pressure chamber 15 is provided in the middle of the spill passage 22. The electromagnetic spill valve 23 is a normally open valve. When the coil 24 is not energized (off), the valve body 25 is opened and the fuel in the high pressure chamber 15 is spilled into the fuel chamber 21. Further, when the coil 24 is energized (turned on), the valve body 25 is closed and the fuel spill from the high pressure chamber 15 to the fuel chamber 21 is stopped.
[0026]
Therefore, by controlling the energization time of the electromagnetic spill valve 23, the valve 23 is controlled to open and close, and fuel spill adjustment from the high pressure chamber 15 to the fuel chamber 21 is performed. Then, by opening the electromagnetic spill valve 23 during the compression stroke of the plunger 12, the fuel in the high pressure chamber 15 is depressurized and the fuel injection from the fuel injection nozzle 4 is stopped. That is, even if the plunger 12 moves forward, the fuel pressure in the high pressure chamber 15 does not increase while the electromagnetic spill valve 23 is open, and fuel injection from the fuel injection nozzle 4 is not performed. Further, during the forward movement of the plunger 12, the timing of closing / opening the electromagnetic spill valve 23 is controlled, thereby adjusting the end of injection from the fuel injection nozzle 4 and controlling the fuel injection amount.
[0027]
On the other hand, on the lower side of the pump housing 13, a timer device (developed 90 degrees in this figure) 26 for controlling the fuel injection timing is provided. The timer device 26 changes the timing at which the cam face 8 a engages the cam roller 10, that is, the reciprocating timing of the cam plate 8 and the plunger 12 by changing the position of the roller ring 9 with respect to the rotational direction of the drive shaft 5. Is for.
[0028]
The timer device 26 is driven by control oil pressure. The timer piston 27 is fitted in a timer housing 27, a timer piston 28 fitted in the housing 27, and a low-pressure chamber 29 on one side of the timer housing 27. It comprises a timer spring 31 and the like that urges the pressurizing chamber 30 on the other side. The timer piston 28 is connected to the roller ring 9 via the slide pin 32.
[0029]
Fuel pressurized by the fuel feed pump 6 is introduced into the pressurizing chamber 30 of the timer housing 27. The position of the timer piston 28 (hereinafter referred to as “timer piston position”) is determined by the balance between the fuel pressure and the urging force of the timer spring 31. Further, by determining the timer piston position, the position of the roller ring 9 is determined, and the reciprocating timing of the plunger 12 is determined via the cam plate 8.
[0030]
In order to adjust the fuel pressure acting as the control hydraulic pressure of the timer device 26, the timer device 26 is provided with a timer control valve (TCV) 33. That is, the pressurizing chamber 30 and the low pressure chamber 29 of the timer housing 27 are communicated with each other by the communication passage 34, and the TCV 33 is provided in the middle of the communication passage 34. The TCV 33 is an electromagnetic valve that is controlled to open and close by a duty-controlled energization signal, and the fuel pressure in the pressurizing chamber 30 is adjusted by the opening and closing control of the TCV 33. The lift timing of the plunger 12 is controlled by adjusting the fuel pressure, and the fuel injection timing from each fuel injection nozzle 4 is controlled.
[0031]
On the other hand, a rotational speed sensor 35 made of an electromagnetic pickup coil is attached to the upper part of the roller ring 9 so as to face the outer peripheral surface of the pulsar 7. The rotational speed sensor 35 detects the passage of the projection of the pulsar 7 and passes a timing signal corresponding to the engine rotational speed NE, that is, an engine rotational pulse at a constant crank angle (11.25 ° CA). Output. The rotation speed sensor 35 detects an instantaneous rotation speed for each engine rotation pulse. Further, since the rotation speed sensor 35 is integrated with the roller ring 9, the rotation speed sensor 35 outputs a reference timing signal at a constant timing to the plunger lift regardless of the control operation of the timer device 26.
[0032]
The diesel engine 2 is provided with various sensors for detecting the operating state of the engine 2 in addition to the rotation speed sensor 35.
As shown in FIG. 1, an intake air temperature sensor 72 for detecting the intake air temperature THA is provided in the vicinity of the air cleaner 64 provided at the inlet of the intake passage 47. Further, an accelerator sensor 73 is provided in the vicinity of the throttle valve 58 for detecting an accelerator opening ACCP corresponding to the load of the diesel engine 2 from the opening / closing position of the throttle valve 58. In the vicinity of the intake port 53, an intake pressure sensor 74 for detecting an intake air pressure after being supercharged by the turbocharger 49, that is, an intake pressure PM, is provided. Further, the water jacket of the engine 2 is provided with a water temperature sensor 75 that detects the cooling water temperature THW of the engine 2. Further, the engine 2 is provided with a crank angle sensor 76 that detects an engine rotation re-reference position of the crankshaft 40. In addition, the transmission is provided with a vehicle speed sensor 77 that detects the vehicle speed (vehicle speed) SPD by turning on and off the reed switch 77b by a magnet 77a rotated by the rotation of the gear.
[0033]
As described above, the electromagnetic spill valve 23, the TCV 33, the glow plug 46, the VSVs 56, 61, 62, and the various sensors 35, 72 to 77 provided in the fuel injection pump 1 and the diesel engine 2 are electronic control units (hereinafter referred to as “ECU”). ”) 71). The ECU 71 suitably controls the electromagnetic spill valve 23, the TCV 33, the glow plug 46, the EVRV 56, the VSVs 61, 62, and the like based on the detection signals output from the sensors 35, 72 to 77.
[0034]
Next, the configuration of the ECU 71 will be described with reference to FIG.
As shown in the figure, the ECU 71 stores data such as a central processing unit (CPU) 81, a read-only memory (ROM) 82 in which predetermined control programs and function data are stored in advance, calculation results of the CPU 81, engine rotational speed NE, and the like. A random access memory (RAM) 83 that temporarily stores data, a backup RAM 84 that can store stored data, and the like are provided. The ECU 71 is configured as a logical operation circuit in which these units are connected to the input port 85, the output port 86, and the like through a bus 87.
[0035]
The input port 85 is connected to the intake air temperature sensor 72, the accelerator sensor 73, the intake pressure sensor 74, and the water temperature sensor 75 described above via the buffers 88, 89, 90, 91, the multiplexer 93, and the A / D converter 94. Has been. Similarly, the rotational speed sensor 35, the crank angle sensor 76, and the vehicle speed sensor 77 described above are connected to the input port 85 via a waveform shaping circuit 95. Then, the CPU 81 reads the detection signals of the sensors 35, 72 to 77 and the like input via the input port 85 as input values. Further, the electromagnetic spill valve 23, the TCV 33, the glow plug 46, the EVRV 56, the VSV 61, 62, and the like are connected to the output port 86 through the respective drive circuits 96, 97, 98, 99, 100, 101.
[0036]
Next, processing operations relating to torque control (actually fuel injection amount control) executed by the ECU 71 will be described with reference to FIGS.
FIG. 4 is a “final injection amount calculation routine” for calculating and determining the final injection amount QFIN, and this processing is executed by angle interruption for each predetermined crank angle.
[0037]
When the process proceeds to this routine, first in step 101, the ECU 71 reads the values of the current engine speed NE, the rotational position signal CNIRQ of the crankshaft 40, the accelerator opening ACCP, and the intake pressure PM from the RAM 83, and also the RAM 83. The engine speed change amount DLNE, engine speed rising speed determination value SNE, and torque control execution flag F are stored in the RAM 83.
[0038]
Where These The torque control execution flag F, the rotational speed change amount DLNE, and the determination value SNE are set or calculated by a separate routine and stored in a predetermined area of the RAM 83.
[0039]
Incidentally, the torque control execution flag F is a flag indicating whether or not it is necessary to perform torque control for suppressing the above-described vehicle vibration (sucking). The torque control execution flag F is set to “1” when it is determined that torque control needs to be performed, and is set to “0” otherwise. In this embodiment,
(1) The vehicle is a manual transmission vehicle,
(2) Being other than at the start,
(3) The engine speed NE is within a predetermined range (for example, 500 rpm or more and less than 4000 rpm),
(4) The cooling water temperature THW is a predetermined value (for example, −20 ° C.) or more,
(5) The engine 2 is operating normally,
(6) Currently running,
When all the six conditions are satisfied, the torque control execution flag F is set to “1”. In other words, the condition (5) is a state in which no failure has occurred in the engine 2. The above conditions are merely examples, and conditions under which it can be determined that vibrations can occur in the vehicle, or other conditions may be employed.
[0040]
The rotational speed change amount DLNE is a parameter used to calculate the correction amount of the torque control. Specifically, a value obtained by subtracting the previously detected rotational speed NE1 from the current rotational speed NE value is obtained. Calculated as the rotational speed change amount DLNE. The rotational speed NE is detected every very short first period T1, and the rotational speed change amount DLNE represents the change amount of the rotational speed NE changed during the period T1. When the value of the rotational speed change amount DLNE is positive, it indicates that the engine rotational speed NE has increased instantaneously. When the value of the rotational speed change amount DLNE is negative, the engine rotational speed NE is Indicates a momentary decrease. Therefore, according to the explosion timing of each cylinder of the engine 2, a temporary fluctuation of the rotational speed NE generated between the cylinders is also reflected in the rotational speed change amount DLNE. In this embodiment, torque control is executed on the assumption that the rotational speed change amount DLNE is proportional to the vibration amount of the vehicle.
[0041]
On the other hand, the determination value SNE performs the torque control. During ~ A parameter used to determine whether or not to stop, specifically, subtracting the rotational speed NE2 before the second period T2 that is relatively longer than the first period T1 from the current rotational speed NE The obtained value is calculated as the determination value SNE. However, since this determination value SNE is a parameter indicating the rising speed of the rotational speed NE, when the subtraction value is positive (when the rotational speed NE is increasing), the determination value SNE is the above value. However, when the subtraction value is negative (when the rotational speed NE is decreasing), the determination value SNE is set to zero. Accordingly, the determination value SNE does not reflect the temporary fluctuation of the rotational speed NE, and reflects only the increasing tendency of the rotational speed NE.
[0042]
The ECU 71 that has finished reading each value next determines whether or not the final fuel injection calculation time has come in step 102 based on the value of the rotational position signal CNIRQ. In this embodiment, as an example, it is determined whether or not the value of the rotational position signal CNIRQ is “6”. Based on this determination, the subsequent processing is performed at a rate of twice per one rotation of the crankshaft 40. If the value of the rotational position signal CNIRQ is not “6”, the ECU 71 determines that it is not necessary to perform the subsequent processing, and once terminates the subsequent processing. On the other hand, if the value of the rotational position signal CNIRQ is “6”, the ECU 71 proceeds to step 103. The numerical value “6” may be arbitrarily changed according to the calculation timing of the final injection amount.
[0043]
In step 103, the ECU 71 refers to the function data stored in the ROM 64 to calculate the basic injection amount QBASE based on the values of the engine speed NE and the accelerator opening ACCP. In calculating the basic injection amount QBASE, predetermined function data is referred to using the basic injection amount QBASE, the engine speed NE, and the accelerator opening ACCP as parameters.
[0044]
Further, at step 104, the ECU 71 refers to the function data stored in the ROM 64 to calculate the maximum injection amount QFULL corresponding to the values of the engine speed NE and the intake pressure PM. Here, the maximum injection amount QFULL means the upper limit value of the amount of fuel to be supplied to each combustion chamber 12, and when the fuel is supplied exceeding this upper limit value, the smoke discharged from the combustion chamber 12 is reduced. It will increase rapidly.
[0045]
In step 105, the ECU 71 sets the smaller one of the calculated basic injection amount QBASE and maximum injection amount QFULL as the pre-correction injection amount QFINA. The ECU 71 stores the calculated pre-correction injection amount QFINA in the RAM 83.
[0046]
On the other hand, in step 106, the ECU 71 determines whether or not the torque control execution flag F is “1”. As described above, when the value of the flag F is “1”, it is determined that torque control needs to be executed, and the routine proceeds to step 107. On the other hand, when the value of the torque control execution flag F is not “1”, that is, “0”, the ECU 71 determines that it is not necessary to execute the torque control, and the normal fuel injection amount. The process proceeds to step 112 in order to calculate.
[0047]
In step 107, the ECU 71 determines whether or not the pre-correction injection amount QFINA calculated in step 105 is equal to the basic injection amount QBASE. That is, in step 107, it is determined whether or not the basic injection amount BASE calculated in step 103 is smaller than the maximum injection amount QFULL calculated in step 104. When the basic injection amount BASE is equal to or greater than the maximum injection amount QFULL, it is determined that the rotational speed NE is rapidly increasing because the fuel injection amount required by the engine 2 is large. In this case, the ECU 71 shifts the process to step 111. On the other hand, when the basic injection amount BASE is less than the maximum injection amount QFULL, the fuel injection amount required by the engine 2 is relatively small, so it is determined that the rotational speed NE has not increased rapidly. Then, the ECU 71 shifts the process to step 108.
[0048]
Next, in step 108, the ECU 71 calculates a correction amount QACC2 related to the fuel injection amount based on the rotational speed change amount DLNE read in step 101. The correction amount QACC2 is calculated based on function data corresponding to the graph of FIG.
[0049]
FIG. 6 is a graph showing the relationship between the rotational speed change amount DLNE and the correction amount QACC2. As shown in the figure, the correction amount QACC2 is inversely proportional to the rotational speed change amount DLNE, and as the rotational speed change amount DLNE increases to the positive side, the correction amount QACC2 is set to a negative side. Further, as the value of the rotational speed change amount DLNE increases toward the minus side, the correction amount QACC2 is set larger toward the plus side. The correction amount QACC2 has an upper limit value and a lower limit value. When the rotation speed change amount DLNE is equal to or greater than the predetermined value DLNE1, the correction amount QACC2 is set to the lower limit value QACC21. Further, when the rotational speed change amount DLNE is equal to or smaller than the predetermined value DLNE2, the correction amount QACC2 is set to the upper limit value QACC22.
[0050]
In the next step 109, the ECU 71 that has calculated the correction amount in this way sets a value obtained by adding the correction amount QACC2 to the uncorrected injection amount QFINA as the corrected injection amount QFINK. That is, the fuel injection amount is corrected to increase or decrease according to the value of the correction amount QACC2.
[0051]
In step 110, the ECU 71 sets the smaller one of the calculated corrected injection amount QFINK and maximum injection amount QFULL as the final injection amount QFIN. The pre-correction injection amount QFINA set in step 105 is equal to or less than the maximum injection amount QFULL. However, depending on the value of the correction amount QACC2, the value of the correction injection amount QFINK may exceed the maximum injection amount QFULL. This process is performed. The ECU 71 stores the final injection amount QFIN obtained in this way in the RAM 83, and then temporarily terminates the subsequent processing. Thus, the torque of the engine 2 is adjusted so as to reduce the amount of vibration of the vehicle by correcting the final injection amount QFIN to increase or decrease according to the correction value QACC2. Incidentally, in this embodiment, torque control for reducing the amount of vibration of the vehicle is performed through the processing of steps 101, 108, and 109.
[0052]
On the other hand, in step 111 after shifting from step 107, the ECU 71 determines whether or not the value of the determination value SNE read in step 101 is equal to or greater than a predetermined value α. Incidentally, before entering this step 111, it is determined in step 107 that the rotational speed NE has been rapidly increased. That is, it is determined whether or not an operation is performed so that the driver depresses the accelerator pedal 57 in the no-load state of the engine (when the gear is neutral). And only when such an operation is performed, the value of α is set so that the value of the determination value SNE is equal to or greater than the predetermined value α.
[0053]
Accordingly, in step 111, if the value of the determination value SNE is less than the predetermined value α, the ECU 71 determines that the engine 2 is in a normal acceleration state, and shifts the process to step 108 described above. The correction amount QACC2 for the torque control is calculated. On the other hand, when the value of the determination value SNE is equal to or greater than the predetermined value α, the ECU 71 determines that the increase in the rotational speed NE is due to the double clutch operation, and proceeds to step 112.
[0054]
In step 112 after shifting from step 111 or step 106, the ECU 71 sets the value of the correction amount QACC2 to “0”, and the subsequent processing shifts to step 109. That is, since the value of the correction amount QACC2 is “0”, torque control for reducing the vibration amount of the vehicle in the subsequent processing is performed. During ~ A normal fuel injection amount that is stopped and not corrected for increase / decrease is calculated as the final injection amount QFIN.
[0055]
Thus, in the “final injection amount calculation routine”, when calculating the final injection amount QFIN, the fuel injection amount is corrected by the correction amount QACC2 corresponding to the rotational speed change amount DLNE during normal vehicle acceleration / deceleration. When using the double clutch, the correction using the correction amount QACC2 During ~ Stopped.
[0056]
Next, based on FIG. 5, the operation | movement concerning the torque control of the apparatus of this embodiment is further explained in full detail.
FIG. 5 is a timing chart showing changes in the accelerator opening ACCP, the determination value SNE, the final injection amount QFIN, and the engine rotational speed NE when the rotational speed NE is increased by a double clutch operation. Here, it is assumed that all the conditions for setting the value of the torque control execution flag F to “1” are satisfied in the operation state of the engine 2 over the entire time axis t of the timing chart. At timing t0, it is assumed that the engine 2 is in a no-load state (a gear is in a neutral state) and a clutch (not shown) is in a connected state.
[0057]
As shown in the figure, since the accelerator opening ACCP is fully closed before the timing t1, the rotational speed NE decreases with time. By performing torque control according to the amount of decrease in the rotational speed NE, a correction amount QACC2 having a positive value is calculated. At this time, the basic injection amount QBASE takes a negative value, and its absolute value is larger than the correction amount QACC2. As a result, while the accelerator opening ACCP is fully closed, the final injection amount QFIN is set to zero even if the increase is corrected by the correction amount QACC2.
[0058]
Here, when the accelerator opening ACCP is fully opened (timing t1), the value of the final injection amount QFIN is rapidly increased. Based on the increase in the final injection amount QFIN, the rotational speed NE begins to increase slightly later than the fully open timing of the accelerator opening ACCP (timing t2). At this time, since the engine 2 is in a no-load state, the rotational speed NE increases more rapidly than during normal vehicle acceleration.
[0059]
Based on this rapid increase in rotational speed NE, torque control for suppressing vehicle vibration based on torsional vibration of the drive system is performed after timing t2. In this case, the correction amount QACC2 is set to a negative value, and the final injection amount QFIN is reduced and corrected accordingly. However, in the current state where the driving force of the engine 2 is not transmitted to the transmission, such vibration does not occur even if the rotational speed NE increases rapidly. Therefore, unnecessary torque control is performed after timing t2.
[0060]
On the other hand, the determination value SNE starts to increase simultaneously with the increase of the rotational speed NE, and at timing t3, the value becomes equal to or greater than the predetermined value α. As a result, it is determined that the sudden increase in the rotational speed NE is caused by the double clutch operation, and the torque control is performed as described above. During ~ Stopped (timing t3). As a result, after the timing t3, unnecessary torque control is performed. During ~ Each parameter changes as shown by the solid line because it is stopped. That is, after timing t3, the value of the correction amount QACC2 is set to “0”, and the reduction correction of the final injection amount QFIN is stopped. Note that when the torque control is continuously executed after the timing t3, each parameter changes as indicated by a two-dot chain line. Therefore, torque control like this During ~ By stopping, the rotational speed NE is increased by an amount corresponding to the area indicated by the oblique lines, and the rotational speed NE can be quickly increased as intended by the driver.
[0061]
As described above, according to the torque control device of this embodiment, many excellent effects shown below can be achieved.
-The drivability can be improved by improving the rising speed of the rotational speed NE when the double clutch is operated.
[0062]
・ Torque control During ~ Since the determination value SNE, which is the amount of change in the rotational speed NE over a relatively long period, is used as a parameter for determining when to stop, it is not affected by instantaneous rotational speed changes caused by variations between cylinders, etc. Proper torque control During ~ Can be stopped.
[0063]
・ Torque control is performed in normal operating conditions other than during double clutch operation, so the amount of torsional vibration based on vehicle acceleration / deceleration is reduced, thereby suppressing vibrations before and after the vehicle (acceleration / deceleration shock, shackle, etc.) as much as possible. can do.
[0064]
Since the torque control is performed by adjusting the fuel injection amount of the engine 2, the torque control can be executed accurately and reliably.
Since the torsional vibration amount is authorized based on the rotational speed change amount DLNE of the diesel engine 2, the torsional vibration amount is accurately grasped, and as a result, controllability can be improved.
[0065]
In addition, the torque control apparatus of the said embodiment can also be changed as follows.
In the above embodiment, it is determined whether or not the double clutch operation is performed based on the determination value SNE that is the amount of change in the rotational speed NE during a predetermined period. On the other hand, a double clutch sensor may be provided in the engine 2 to determine whether or not a double clutch operation is being performed based on a signal from the sensor.
[0067]
In the above embodiment, the torque control is performed by controlling the fuel injection amount of the diesel engine 2. However, the torque control may be performed by controlling the fuel injection timing. Further, it can be applied to a gasoline engine instead of the diesel engine 2. When a gasoline engine is employed as the internal combustion engine, torque control can be performed by controlling ignition timing, air-fuel ratio, intake air amount, and the like.
[0068]
The relationship of the correction amount QACC2 with respect to the rotational speed change amount DLNE in the embodiment does not necessarily have to be linear as shown in FIG.
[0069]
The technical ideas other than the claims that can be grasped from the above embodiment will be described together with the effects thereof.
Detecting means for detecting a change amount of the engine rotational speed in a predetermined period corresponding to a vibration amount of the vehicle on which the internal combustion engine is mounted, and a vibration amount of the vehicle is reduced based on the detected change amount of the engine rotational speed; Torque control means for controlling the torque of the engine in the direction, a sensor for detecting double clutch operation, and when the double clutch operation is detected by the sensor, torque control by the torque control means is performed. During ~ Torque control to stop During ~ A torque control device for an internal combustion engine.
[0070]
According to the above configuration, during double clutch operation where the engine power is not transmitted to the drive system, torque control is performed. During ~ Therefore, the startability of the engine speed can be improved.
[0071]
【The invention's effect】
According to the first aspect of the present invention, in addition to the suppression of torsional vibration, for example, the followability of the engine speed during double clutch operation is also improved. Therefore, in a vehicle equipped with an internal combustion engine that is torque controlled, the drivability can be further improved.
[0072]
Furthermore, torque control During ~ With regard to the stop timing, torque control is performed at an appropriate time without taking into account temporary fluctuations in the engine speed. During ~ The follow-up performance of the engine speed can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing a torque control device for a diesel engine according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a configuration of a fuel injection pump of the diesel engine.
FIG. 3 is a block diagram showing a circuit configuration of an ECU.
FIG. 4 is a flowchart showing a torque control procedure according to the embodiment.
FIG. 5 is a timing chart showing a torque control mode of the same embodiment.
FIG. 6 is a graph showing the relationship between the rotational speed change amount and the fuel injection correction amount.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Fuel injection pump, 2 ... Diesel engine as an internal combustion engine, 35 ... Rotational speed sensor, 40 ... Crankshaft, 71 ... Electronic control unit (ECU).

Claims (1)

内燃機関の搭載された車両の振動量に対応する所定期間における機関回転速度の変化量を検出する検出手段と、
車両の加減速に基づくねじり振動量を検出するための第1の期間において検出される機関回転速度の変化量に基づき車両の振動量が低減される方向に当該機関のトルクを制御するトルク制御手段と、
前記第1の期間よりも長い第2の期間において検出される機関回転速度の変化量が所定値以上であるとき、ダブルクラッチ操作が行われていると判断して前記トルク制御手段によるトルク制御を止するトルク制御止手段とを備えることを特徴とする内燃機関のトルク制御装置。
Detecting means for detecting a change amount of the engine rotational speed in a predetermined period corresponding to a vibration amount of a vehicle in which the internal combustion engine is mounted;
Torque control means for controlling the torque of the engine in a direction in which the amount of vibration of the vehicle is reduced based on the amount of change in the engine rotational speed detected in the first period for detecting the amount of torsional vibration based on the acceleration / deceleration of the vehicle When,
When the change amount of the engine speed detected in the second period longer than the first period is equal to or greater than a predetermined value, it is determined that the double clutch operation is being performed, and torque control by the torque control unit is performed. the torque control device for an internal combustion engine, characterized in that it comprises a torque control during stop means for abort.
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