JP3709440B2 - ホログラム記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ホログラムを記録するための光ピックアップとして用いる事が可能なホログラム記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホログラムメモリは、多重記録ができる事から、高密度メモリとして期待されている。しかし、従来のホログラムメモリ装置では、その構成がコンパクトでなく、小型で実用的なものではなかった。
【0003】
図5は、従来のホログラム記録装置を示す模式図である。図5に示される様に、従来は、レーザ光をビームスプリッタで分岐し、一方のビームを空間変調して記憶媒体に照射し、同時に、参照光として他のビームを照射することによって空間変調パタンをホログラムとして記録するものであった。この光回路においては、ビームスプリッタや反射鏡が用いられており、小型の装置を実現することは困難であった。
【0004】
本発明は、ホログラムを記録するための光ピックアップとして用いることのできるホログラム記録装置を提案するものであるが、その一部においては、既に開示された構成あるいはそれと類似の構成を用いている。例えば、特許文献1においては、レーザ光源からのレーザ光をプリズムで分岐する構成を開示している。しかし、この構成は、レーザ光を反射して分岐する構成であり、また、レーザ光を交差させる構成でない点において本発明と相異している。また、特許文献2においては、レーザ光源からのレーザ光をプリズムで分岐するさいに、その稜線をレーザ光源の方に向けて分岐し、その分岐したレーザ光線を交差させている点においては、本発明と類似しているが、分岐した光線を変調しておらず、また、記録媒体上で再度交差させていない点、つまりホログラムメモリを構成していない点において本発明と相異している。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−309489号公報
【特許文献2】
特開2002−335036号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の様に、従来のホログラム記録装置においては、ビームスプリッタや反射鏡が用いられており、小型の装置を実現することは困難であった。
【0007】
この発明は上記に鑑み提案されたもので、ビームスプリッタや反射鏡の代用としてプリズムを活用することにより、小型の光ピックアップとして用いる事が可能なホログラム記録装置を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、ホログラム記録装置に関する第1の発明は、プリズムを2個用いる構成であって、レーザ光源と、稜線を有する第1のプリズムと、第2のプリズムと、空間光変調器と、光記録媒体とを備え、1)該レーザ光源からのレーザ光線を上記の第1のプリズムの稜線を挟む2面に入射して分岐する構成と、2)その2面のそれぞれの面に入射したレーザ光について、互いに交差させ、上記の分岐したレーザ光の少なくともいずれか一方のレーザ光を空間変調する構成互いに交差させ、上記の分岐したレーザ光の少なくともいずれか一方のレーザ光を空間変調する構成と、3)そののち、上記の第2のプリズムに入射して上記の光記録媒体上で再び交差するように上記の第2のプリズムから出射する構成と、を、備えることを特徴としている。
【0009】
また、ホログラム記録装置に関する第2の発明は、三角プリズムを2個用いる構成であって、第1の発明の構成に加えて、第1のプリズムと第2のプリズムとは、共に三角プリズムであって、1)該レーザ光源からのレーザ光線を上記の第1のプリズムの稜線を挟む2面に入射し、他の1面から出射して分岐する構成と、2)その2面のそれぞれの面に入射したレーザ光について、互いに交差させ、上記の分岐したレーザ光の少なくともいずれか一方のレーザ光を空間変調する構成と、3)そののち、上記の第2のプリズムの同一面に入射して稜線を挟む他の2面から上記の光記録媒体上で再び交差するように出射する構成と、を、備えることを特徴としている。
【0010】
また、ホログラム記録装置に関する第3の発明は、プリズムを1個用いる構成であって、レーザ光源と、稜線を有する多面体プリズムと、空間光変調器と、光記録媒体とを備え、1)該レーザ光源からのレーザ光線を上記の多面体プリズムの稜線を挟む2面に入射して分岐する構成と、2)その2面のそれぞれの面に入射したレーザ光について、上記のプリズム内で互いに交差させたのち出射させる構成と、3)その分岐したレーザ光の少なくともいずれか一方のレーザ光の空間変調を行なう構成と、4)上記の出射の角度は上記の光記録媒体上で再び交差する角度である構成と、を、備えることを特徴としている。
【0011】
また、ホログラム記録装置に関する第4の発明は、四面体プリズムを1個用いる構成であって、レーザ光源と、稜線を有する四面体プリズムと、空間光変調器と、光記録媒体とを備え、1)該レーザ光源からのレーザ光線を上記の四面体プリズムの第1の稜線を挟む2面に入射して分岐する構成と、2)その2面のそれぞれの面に入射したレーザ光について、上記のプリズム内で互いに交差させたのち上記の稜線の対角にある稜線を挟む2面から出射してそのすくなくともいずれか一方のレーザ光の空間変調を行なう構成と、3)上記の出射の角度は上記の光記録媒体上で再び交差する角度である構成と、を、備えることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明においては、同様の構成要素あるいは同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を用い、特に区別する必要のある場合は、別の符号を用いるものとする。
【0013】
図1は、本発明の第一の望ましい実施の形態を示す図である。図1において、レーザ光源10からのレーザ光線は、ビームエキスパンダでその径を増大させる。当初から充分な径を有する場合には、このビームエキスパンダを用いる必要はない。その後、第1のプリズム1の稜線2を挟む面3、4に入射する。この稜線の頂角は、120°であるが、別の角度とすることは設計事項であり、適用する配置により変更すべきものである。面3に入射したレーザ光線と面4に入射したそれとは、稜線2に対向する面5から出射する。出射したそれらのレーザ光線は交差したのち第2のプリズム6に入射するが、一方のレーザ光線は空間変調を受ける。このための空間変調器7は、液晶シャッタの配列など、従来のホログラフィー分野において用いられるものを適用することができる。この空間変調器7には、制御装置19から記録パタンが供給される。これらのレーザ光線のプリズム6への入射は、プリズム6が三角プリズムの場合は同じ面に入射し、その対向する稜線を挟む2面から出射する。この稜線の頂角は90°であるが、これも適用する配置により変更すべきものである。また、プリズム6が図2に示すような多角形プリズム16の場合は、それぞれ別の面から入射して、それぞれべつの面から出射させることもできる。プリズム6から出射したレーザ光線は、感光性物質でできた記録媒体8中で再び交差することによりホログラムとして記録される。この際用いる記録媒体についても従来のホログラフィー分野において用いられるものを適用することができる。
【0014】
この実施の形態においては、レーザ光線をプリズム1の稜線2を挟む面3、4に入射することによって分岐するものである。ここで用いるプリズムは、三角プリズムがもっとも構成しやすいが、これに限る必要はなく、多角形プリズムを用いることもできる。
【0015】
記録されたホログラムを読み出すには、空間変調器7を光シャッタとして用いて一方のレーザ光線を遮断し、他方のレーザ光線が記録媒体8を透過する構成として、その透過光を受光器20により検出する。
【0016】
この実施の形態では、ビームスプリッタを用いていない分、小型にすることができ、また、部品点数を減らすことができる。
【0017】
図3は、本発明の第二の望ましい実施の形態を示す図である。図3において、レーザ光源10からのレーザ光線は、ビームエキスパンダでその径を増大させた後、4角形以上の多角形プリズム21の稜線22を挟む面23、24に入射する。多角形プリズムとしては、図4に示すように、四角形プリズムを用いる場合が最も簡単である。図3の面23に入射したレーザ光線と面24に入射したそれとは、互いに交差し、面25、26から出射する。出射したそれらのレーザ光線のうちの一方は、空間変調器7により空間変調を受け、感光性物質でできた記録媒体8中で再び交差することによりホログラムとして記録される。
【0018】
この場合も、記録されたホログラムを読み出すには、空間変調器7を光シャッタとして用いて一方のレーザ光線を遮断し、他方のレーザ光線が記録媒体8を透過する構成として、その透過光を受光器20により検出する。
【0019】
この実施の形態では、ビームスプリッタを用いていない事に加えて、用いるプリズムも1個であるため、さらに小型にすることができ、また、さらに部品点数を減らすことができる。
【0020】
また、空間変調器7としては、配列した可動鏡であるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーアレイ9を用いる場合は、図5に示すように、1個の3角形プリズムを用いて構成することもできる。図3は、本発明の第三の望ましい実施の形態を示す図である。図5において、レーザ光源10からのレーザ光線を、必要に応じてビームエキスパンダでその径を増大させた後、プリズム11の稜線12を挟む面13、14に入射する。このプリズムは、上下非対称である。面13に入射したレーザ光線と面14に入射したそれとは、稜線12に対向する面15から出射する。出射したそれらのレーザ光線は交差したのち一方のレーザ光線はミラーアレイ9により空間変調を受ける。この空間変調器9には、制御装置19から記録パタンが供給される。これらのレーザ光線は、感光性物質でできた記録媒体8中で再び交差することによりホログラムとして記録される。
【0021】
記録されたホログラムを読み出すには、ミラーアレイ9を光シャッタとして用いて一方のレーザ光線を遮断し、他方のレーザ光線が記録媒体8を透過する構成として、その透過光を受光器20により検出する。
【0022】
この実施の形態では、ビームスプリッタを用いていない分、小型にすることができ、また、ミラーアレイを用いるため、液晶シャッタを用いる場合に比べて高速動作が可能である。
【0023】
【発明の効果】
この発明は上記した構成からなるので、以下に説明するような効果を奏することができる。
【0024】
第1あるいは第2の発明では、ビームスプリッタを用いずに、2個のプリズムを用いてホログラム記録装置を構成したので、従来のものに比べて、より小型のものを製造することが可能になった。
【0025】
また、第3あるいは第4の発明では、ビームスプリッタを用いずに、またプリズムを1個のみにしたので、従来のものに比べて、また、第1あるいは第2の発明に比べても、さらに小型のものを製造することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に僅かな変更を加えたものを示す模式図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態を示す模式図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に僅かな変更を加えたものを示す模式図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態を示す模式図である。
【図6】従来の実施の形態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 プリズム
2 稜線
3、4、5 面
6 プリズム
7 空間変調器
8 記録媒体
9 ミラーアレイ
10 レーザ光源
11 プリズム
12 稜線
13、14、15、17 面
16 多角形プリズム
19 制御装置
20 受光器
21 多角形プリズム
22 稜線
23、24、25、26 面

Claims (4)

  1. レーザ光源と、稜線を有する第1のプリズムと、第2のプリズムと、空間光変調器と、光記録媒体とを備え、
    1)該レーザ光源からのレーザ光線を上記の第1のプリズムの稜線を挟む2面に入射して分岐する構成と、2)その2面のそれぞれの面に入射したレーザ光について、互いに交差させ、上記の分岐したレーザ光の少なくともいずれか一方のレーザ光を空間変調する構成と、3)そののち、上記の第2のプリズムに入射して上記の光記録媒体上で再び交差するように上記の第2のプリズムから出射する構成と、を、備えることを特徴とするホログラム記録装置。
  2. 第1のプリズムと第2のプリズムとは、共に三角プリズムであって、
    1)該レーザ光源からのレーザ光線を上記の第1のプリズムの稜線を挟む2面に入射し、他の1面から出射して分岐する構成と、2)その2面のそれぞれの面に入射したレーザ光について、互いに交差させ、上記の分岐したレーザ光の少なくともいずれか一方のレーザ光を空間変調する構成と、3)そののち、上記の第2のプリズムの同一面に入射して稜線を挟む他の2面から上記の光記録媒体上で再び交差するように出射する構成と、を、備えることを特徴とする請求項1に記載のホログラム記録装置。
  3. レーザ光源と、稜線を有する多面体プリズムと、空間光変調器と、光記録媒体とを備え、
    1)該レーザ光源からのレーザ光線を上記の多面体プリズムの稜線を挟む2面に入射して分岐する構成と、2)その2面のそれぞれの面に入射したレーザ光について、上記のプリズム内で互いに交差させたのち出射させる構成と、3)その分岐したレーザ光の少なくともいずれか一方のレーザ光の空間変調を行なう構成と、4)上記の出射の角度は上記の光記録媒体上で再び交差する角度である構成と、を、備えることを特徴とするホログラム記録装置。
  4. レーザ光源と、稜線を有する四面体プリズムと、空間光変調器と、光記録媒体とを備え、
    1)該レーザ光源からのレーザ光線を上記の四面体プリズムの第1の稜線を挟む2面に入射して分岐する構成と、2)その2面のそれぞれの面に入射したレーザ光について、上記のプリズム内で互いに交差させたのち上記の稜線の対角にある稜線を挟む2面から出射してそのすくなくともいずれか一方のレーザ光の空間変調を行なう構成と、3)上記の出射の角度は上記の光記録媒体上で再び交差する角度である構成と、を、備えることを特徴とするホログラム記録装置。
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