JP3708825B2 - Airbag door molding method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両に装備されるエアバッグ装置のエアバッグの展開圧力でドア部が開くエアバッグドアの成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エアバッグドアとして、例えば特開平7−228211号公報(以下、従来例1という)や特開平11−301398号公報(以下、従来例2という)等に開示されているように、ドア部に薄肉破断予定部が形成され、車両衝突時に展開するエアバッグの展開圧力で上記薄肉破断予定部が破断して上記ドア部が開くエアバッグドアが知られている。そして、これら従来例1,2は共に、薄肉破断予定部に沿った箇所を所定幅に亘ってその周りの一般部の肉厚よりも厚肉に形成して薄肉破断予定部周りを補強している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エアバッグドアには、エアバッグの展開圧力が瞬間的に強く作用することから、ドア部がエアバッグの展開による衝撃で飛散しないように飛散防止対策に万全を期すことが安全面から要求される。
【0004】
また、上記の従来例1のエアバッグドアを成形する方法では、一対の成形型を用いて樹脂材料を射出成形するとき、一方の成形型に薄肉破断予定部を形成する型突起部がキャビティに突出していて当該箇所の上記型突起部と他方の成形型の成形面との間隔が非常に狭くなっているため、樹脂材料が型突起部を乗り越えてキャビティ全体に満遍なく行き渡り難く、薄肉破断予定部に欠肉が生じて薄肉破断予定部を正確に形成することができなくなる。
【0005】
一方、従来例2のエアバッグドアを成形する方法では、型突起部を挟んでその両側に別々のゲートから樹脂材料を射出している。この場合、薄肉破断予定部を正確に形成するためには、型突起部の両側の樹脂材料が型突起部先端で合流するか、一方側の樹脂材料が型突起部を乗り越えて他方側の樹脂材料と合流しなければならず、いずれにしろ、間隔の狭い型突起部先端箇所に樹脂材料が流入し難く、薄肉破断予定部に欠肉が生じて薄肉破断予定部を正確に形成し辛い。
【0006】
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、薄肉破断予定部を正確に形成することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、成形時に薄肉破断予定部に対応するキャビティ部分の間隔を可変にすることを特徴とする。
【0008】
具体的には、請求項1に記載の発明は、裏面に凹部を形成して薄肉破断予定部を形成し、該薄肉破断予定部がエアバッグの展開圧力で破断してドア部が開くコア材からなるエアバッグドアを射出成形するエアバッグドア成形方法を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0009】
すなわち、請求項1に記載の発明は、ドア部の表面側を形成する一方の成形型と、ドア部の裏面側を形成する他方の成形型と、上記一方の成形型と他方の成形型との間に形成されるキャビティに対して進退するように上記他方の成形型側に設けられ上記凹部を形成することにより上記薄肉破断予定部を形成する第1スライドコアと、上記キャビティに対して進退するように上記他方の成形型側に上記第1スライドコアに隣接して設けられ上記ドア部の肉厚を設定する第2スライドコアとを備えた成形装置を用意し、上記第1スライドコアを後退させた状態で樹脂材料を上記キャビティに射出し、樹脂材料の射出の終了とほぼ同期して上記第1スライドコアを進出させかつ上記第2スライドコアを後退させることにより、上記薄肉破断予定部が形成されたエアバッグドアを射出成形することを特徴とする。
【0010】
上記の構成により、請求項1に記載の発明では、樹脂材料を射出する際、上記凹部を形成することにより薄肉破断予定部を形成する第1スライドコアが後退していて当該箇所のキャビティの間隔が広くなっているため、樹脂材料が流れを阻害されずキャビティ全体に満遍なくスムーズに行き渡る。この状態から第1スライドコアが樹脂材料の射出の終了とほぼ同期して進出することから、薄肉破断予定部が正確に形成される。この際、第2スライドコアが後退し、上記第1スライドコアの進出量に見合った量の樹脂材料が第2スライドコアの後退により拡がったキャビティ部分に流入することから、エアバッグドアのドア部の成形に支障を来さない。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ドア部の肉厚が全体に亘ってドア部外周りの肉厚よりも厚肉に形成されることを特徴とする。
【0012】
上記の構成により、請求項2に記載の発明では、ドア部全体が厚肉のエアバッグドアが射出成形される。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ドア部の薄肉破断予定部に沿った箇所が所定幅に亘ってドア部の一般部の肉厚よりも厚肉に形成されることを特徴とする。
【0014】
上記の構成により、請求項3に記載の発明では、請求項2とは別形態のエアバッグドアが得られる。このエアバッグドアでは、薄肉破断予定部に沿った所定幅に亘る箇所が厚肉になっていて補強され、エアバッグの瞬間的な強い展開圧力で薄肉破断予定部が破断しても、その破断は薄肉破断予定部外周りに影響を及ぼさない。なお、上記厚肉部以外の箇所の強度はドア部の裏面に補強リブを形成するなどして対応可能である。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ドア部の肉厚が全体に亘ってドア部外周りの肉厚とほぼ同厚に形成されることを特徴とする。
【0016】
上記の構成により、請求項4に記載の発明では、請求項2,3とは別形態のエアバッグドアが得られる。このエアバッグドアの強度も請求項3で述べた如く補強リブを形成することで補われる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0018】
図5は車両のインストルメントパネル1の助手席前方部分を示す。本例では、後述するエアバッグ装置7(図4参照)が運転席側方の助手席前方に配置されたフロントエアバッグ装置であり、エアバッグ装置7が車両前後方向からの衝撃から乗員を保護するようになっているが、運転者を保護するためにステアリングハンドルのパッドにも適用することができるものである。その他、センターピラーガーニッシュ等の車両用内装品にエアバッグ装置7を装備した場合にも適用することができる。このエアバッグ装置7は装着箇所が外部から判らないいわゆるシームレスタイプである。
【0019】
上記インストルメントパネル1は樹脂材料を射出して成形された単層構造であり、図4に示すように、表面全体が車室内に露出した樹脂製のコア材からなるインストルメントパネル本体3を備えている。このインストルメントパネル本体3のエアバッグ装置7装着箇所の裏面には、2枚の取付プレート5が車両前後方向に間隔をあけて突設され、この2枚の取付プレート5にエアバッグ装置7が装着されている。
【0020】
上記エアバッグ装置7は、折り畳んだ状態のエアバッグ9とインフレータ11とが収納されたエアバッグケース13を備え、このエアバッグケース13が上記2枚の取付プレート5の係合孔5aに係止プレート15の係止爪15aを係合させることで取付プレート5に取り付けられ、上記エアバッグ装置7がインストルメントパネル本体3の裏面に配置されている。
【0021】
また、上記インストルメントパネル本体3のエアバッグ装置7装着箇所の裏面には、断面V字形の凹部17が形成され、これにより、エアバッグ9の展開圧力で破断する薄肉破断予定部18が形成されて一般部の肉厚より薄い薄肉脆弱部を構成している。図5に破線にて示すように、上記薄肉破断予定部18は、車幅方向に延びる横破断予定部18aと、該横破断予定部18aの両端から車両前後方向に延びる左右2つの縦破断予定部18bとで平面視で横長H字形状に形成されている。
【0022】
さらに、上記2枚の取付プレート5基端におけるドア部21には、上記凹部17よりは浅い断面V字形の凹部19が形成され、これにより、ヒンジ部20がそれぞれ形成され、これらヒンジ部20を形成する凹部19は、上記薄肉破断予定部18を形成する凹部17の両縦破断予定部18bを形成する凹部17bの車両前後方向両端の2箇所で車幅方向に直線的に平行に延び、両縦破断予定部18bを形成する凹部17bの車両前方端同士及び車両後方端同士をそれぞれ連結している(図5一点鎖線参照)。
【0023】
そして、上記インストルメントパネル本体3において、図5に破線で示す薄肉破断予定部18と一点鎖線で示すヒンジ部20とで囲む矩形領域のインストルメントパネル本体3に、前方ドア部21a及び後方ドア部21bとからなるドア部21が形成され、該ドア部21と上記両取付プレート5とでこの発明の一実施形態に係るエアバッグドア22が構成されている。
【0024】
したがって、本例では、車両が衝突すると、エアバッグ9がインフレータ11の作動によって展開し、その展開圧力で薄肉破断予定部18が破断することにより、エアバッグドア22のドア部21の前方ドア部21aと後方ドア部21bとが車両前後方向2箇所のヒンジ部20を中心に車両前後方向上向きに観音開きに開くようになっている。
【0025】
上記エアバッグドア22のドア部21の肉厚t1は、全体に亘ってドア部21外周りのインストルメントパネル本体3の肉厚t2よりも厚肉に形成されている。
【0026】
これにより、ドア部21全体を厚肉部により補強することができ、エアバッグ9の瞬間的な強い展開圧力で薄肉破断予定部18が破断しても、その破断の影響を薄肉破断予定部18外周りに及ぼさないようにすることができ、エアバッグドア22のドア部21の飛散を確実に防止することができる。
【0027】
上述の如きエアバッグドア21は図1及び図2に示す成形装置23により射出成形される。
【0028】
上記成形装置23は、エアバッグドア22のドア部21を含むインストルメントパネル本体3の表面側を形成する一方の成形型としての固定型25と、エアバッグドア22のドア部21を含むインストルメントパネル本体3の裏面側を形成する他方の成形型としての可動型27とを備え、上記固定型25と可動型27との型閉じ状態で各々の成形面25a,27a間にキャビティ29が形成され、上記両成形面25a,27a間の間隔c1がインストルメントパネル本体3の肉厚t2に対応するようになっている。
【0029】
図3にも示すように、上記可動型27側には、ドア部21の裏面に凹部21を形成して上記エアバッグドア21の薄肉破断予定部18を形成する第1スライドコア31が配置され、この第1スライドコア31は、上記薄肉破断予定部18に対応して横コア部31aと縦コア部31bとで平面視で横長H字形状に形成されている。また、上記第1スライドコア31の先端(下端)には、上記薄肉破断予定部18のV字形状に対応して断面三角形状の先端尖鋭部31cが形成されている。さらに、上記第1スライドコア31の横コア部31aと縦コア部31bとが交差する2箇所は、2基の第1流体圧シリンダ33の下方に延びるピストンロッド33a先端にそれぞれ連結され、該各第1流体圧シリンダ33は図示しないホルダーを介して上記可動型27に支持されている。そして、これら2基の第1流体圧シリンダ33の同期した伸縮作動により上記第1スライドコア31がキャビティ29に対して進退し、進出状態で先端尖鋭部31cが固定型25の成形面25aに接近して両者の間隔c2が非常に狭くなる(図1二点鎖線及び図2参照)一方、後退状態で先端尖鋭部31cが固定型25の成形面25aから離れて両者の間隔c3が上記両成形面25a,27a間の間隔c1よりも広くなるようになっている(図1実線参照)。
【0030】
また、上記可動型27側には、上記エアバッグドア22のドア部21の肉厚t1を設定する2つの矩形ブロックからなる第2スライドコア35が、上記第1スライドコア31の横コア部31aと縦コア部31bとで囲まれるように第1スライドコア31に隣設して配置され、これら第2スライドコア35はそれぞれ第2流体圧シリンダ37の下方に延びるピストンロッド37a先端に連結され、該各第2流体圧シリンダ37は図示しないホルダーを介して上記可動型27に支持されている。そして、これら2基の第2流体圧シリンダ37の同期した伸縮作動により上記2つの第2スライドコア35がキャビティ29に対して進退し、進出状態でその成形面35aが可動型27の成形面27aとほぼ面一になり、上記成形面35aと固定型25の成形面25aとの間隔c4が上記固定型25及び可動型27の両成形面25a,27a間の間隔c1とほぼ等しくなる(図1実線参照)一方、後退状態でその成形面35aが可動型27の成形面27aよりも後退し、上記成形面35aと固定型25の成形面25aとの間隔c5が上記固定型25及び可動型27の両成形面25a,27a間の間隔c1よりも広くなるようになっている(図1二点鎖線及び図2参照)。
【0031】
なお、上記可動型27の2つの第2スライドコア35外側には、エアバッグケース13を取り付ける取付プレート5を成形する縦長凹所39がそれぞれ形成されているとともに、これら縦長凹所39の第2スライドコア35側の側壁先端(下端)には、上記取付プレート5の基端に凹部19を形成してドア部21のヒンジ部20を形成する先端尖鋭の突起部39aが形成されている。この突起部39aは可動型27の成形面27aよりもキャビティ29に突出していて、突起部39a先端と固定型25の成形面25aとの間隔c6が固定型25及び可動型27の両成形面25a,27a間の間隔c1よりも若干狭くなっている。
【0032】
上述の如く構成された成形装置23によりエアバッグドア21を成形する要領について説明する。
【0033】
まず、図1実線で示すように、固定型25に対し可動型27を下降させて型閉めし、かつ第1スライドコア31を第1流体圧シリンダ33の収縮作動により後退させるとともに、2つの第2スライドコア35を第2流体圧シリンダ37の伸長作動により進出させた状態で、樹脂材料Rをキャビティ29に射出する。この状態で、第2スライドコア35及び可動型27の両成形面35a,27aはほぼ面一になっていて、第2スライドコア35の成形面35aと固定型25の成形面25aとの間隔c4が固定型25及び可動型27の両成形面25a,27a間の間隔c1とほぼ等しくなっている。また、上記第1スライドコア31の先端尖鋭部31cは固定型25の成形面25aから離れていて、両者の間隔c3が固定型25及び可動型27の両成形面25a,27a間の間隔c1よりも広くなっている。さらに、上記突起部39aは、上記第2スライドコア35の進出により基端部分がキャビティ29に露出していない。なお、この突起部39a先端と固定型25の成形面25aとの間隔c6は、進出状態の第1スライドコア31の先端尖鋭部31cと固定型25の成形面25aとの間隔c2に比べて広く、樹脂材料Rの流れを阻害しない。
【0034】
したがって、上記射出された樹脂材料Rは先端尖鋭部31cに邪魔されることなくキャビティ29全体にスムーズに行き渡る。
【0035】
次いで、図1二点鎖線及び図2で示すように、上記樹脂材料Rの射出の終了とほぼ同期して上記第1スライドコア31を第1流体圧シリンダ33の伸長作動により進出させかつ上記2つの第2スライドコア35を各々の第2流体圧シリンダ37の同期した収縮作動により後退させる。この状態で、第1スライドコア31の先端尖鋭部31cは固定型25の成形面25aに接近していて、両者の間隔c2が固定型25及び可動型27の両成形面25a,27a間の間隔c1よりも非常に狭くなっている。また、第2スライドコア35の成形面35aは可動型27の成形面27aよりも後退していて、固定型25の成形面25aとの間隔c5が固定型25及び可動型27の両成形面25a,27a間の間隔c1よりも若干広くなっている。さらに、上記突起部39aは、上記第2スライドコア35の後退により完全にキャビティ29に露出している。
【0036】
したがって、上記進出した第1スライドコア31により、ドア部21の裏面に凹部17が形成されて薄肉破断予定部18が形成されるとともに、上記露出した突起部39aにより取付プレート5の基端側のドア部21の裏面に凹部19が形成されてドア部21にヒンジ部20が形成されたエアバッグドア21が射出成形される。そして、この射出成形されたエアバッグドア22のドア部21の肉厚t1は、上記後退した第2スライドコア35により全体に亘ってドア部21外周りのインストルメントパネル本体3の肉厚t2よりも厚肉に形成されている。
【0037】
このように、樹脂材料Rを射出する際、薄肉破断予定部18を形成するための第1スライドコア31が後退していて当該箇所のキャビティ29の間隔c3が広くなっているので、樹脂材料Rの流れが阻害されず、樹脂材料Rをキャビティ29全体に満遍なくスムーズに行き渡らせることができる。
【0038】
したがって、その後に、第1スライドコア31が進出しても、既に樹脂材料Rがキャビティ29全体に行き渡っているので、薄肉破断予定部18を途切れることなく正確に形成することができる。
【0039】
また、樹脂材料Rの射出の終了とほぼ同期して進出する第1スライドコア31により薄肉破断予定部18を形成する際、第2スライドコア35を後退させ、上記第1スライドコア31の進出量に見合った量の樹脂材料Rを第2スライドコア35の後退により拡がったキャビティ29部分に流入させるようにしているので、エアバッグドア21のドア部21を支障なく成形することができる。
【0040】
なお、上記の実施形態では、ドア部21の肉厚t1を全体に亘ってインストルメントパネル本体3の肉厚t2よりも厚肉に形成したが、ドア部21の薄肉破断予定部18に沿った箇所を所定幅に亘ってインストルメントパネル本体3の肉厚t2よりも厚肉に形成するようにしてもよい。この場合には、変形例として図6に示すように、第2スライドコア35を薄肉破断予定部18に沿うように、つまり第1スライドコア31に沿うように平面視で略コ字状に形成すればよい。図6で第2スライドコア35で囲まれる内側部分は可動型27の固定成形面である。また、図6では、2つの第2スライドコア35を門型の連結部材40で連結し、1基の第2流体圧シリンダ37で両第2スライドコア35を進退させるようにしている。
【0041】
そして、この場合には、ドア部21の薄肉破断予定部18に沿った所定幅に亘る箇所を厚肉部として補強することができ、エアバッグ9の瞬間的な強い展開圧力で薄肉破断予定部18が破断しても、その破断は薄肉破断予定部18外周りに影響を及ぼさないようにすることができる。この点、上記の実施形態と同様である。なお、上記厚肉部以外の箇所の強度はドア部21の裏面に補強リブを形成するなどの対策を施すことで達成することができる。
【0042】
さらに、図示しないが、ドア部21の肉厚t1を全体に亘ってインストルメントパネル本体3の肉厚t2とほぼ同厚に形成することもできる。この場合には、第2スライドコア35を可動型27の成形面27aよりもキャビティ29側に進出させておき、樹脂材料Rを射出した後、第2スライドコア35を可動型27の成形面27aとほぼ面一になるように後退させればよい。
【0043】
この場合にも、ドア部21の強度を該ドア部21の裏面に補強リブを形成するなどによって補うことができる。
【0044】
また、上記の実施形態では、インストルメントパネル1として、インストルメントパネル本体3の表面全体が車室内に露出した単層構造である場合を示したが、図7に示すように、インストルメントパネル本体3を基材としてその表面に発泡層41と表皮43とを積層した3層構造であってもよい。この場合、上記表皮43には、インストルメントパネル本体3の薄肉破断予定部18に対応して薄肉破断予定部43aが形成されている。また、図7のインストルメントパネル1では、インストルメントパネル本体3をエアバッグ装置7装着箇所のドア基材3aと、その周りのパネル本体基材3bとに分割して構成し、上記ドア基材3aでエアバッグドア22のドア部21を構成している。つまり、上記パネル本体基材3bのエアバッグ装置7装着箇所には、矩形開口部47が形成され、この矩形開口部47には、エアバッグ装置7装着箇所のドア基材3a(ドア部21)が嵌合され、該ドア基材3a(ドア部21)に突設された車両前後方向の係止爪49を上記矩形開口部47周縁に係止させることで、上記ドア基材3a(ドア部21)が矩形開口部47に取り付けられている。この場合も図4に示すインストルメントパネル1と同様に、ドア部21全体の肉厚t1は、インストルメントパネル本体3の肉厚t2よりも厚肉に形成されている。なお、図7中、51は、インストルメントパネル1を成形する際、原料漏れを防止するためにパネル本体基材3bの矩形開口部47周縁とドア基材3a(ドア部21)周縁とに跨って貼着されたシールテープである。
【0045】
また、上記の実施形態では、薄肉破断予定部18が横長H字形状である場合を示したが、これに限らず、略コの字形等であってもよい。また、図7では、エアバッグ装置7装着箇所において、ドア基材3a(ドア部21)だけをインストルメントパネル本体3のパネル本体基材3bから分離したが、発泡層41及び表皮43をもインストルメントパネル本体3から分離したタイプであってもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜4に係る発明によれば、第1スライドコアの後退状態で樹脂材料を射出するので、樹脂材料を第1スライドコアに邪魔されることなくキャビティ全体に満遍なくスムーズに行き渡らせることができる。また、樹脂材料の射出の終了とほぼ同期して上記第1スライドコアを進出させかつ第2スライドコアを後退させるので、第1スライドコアの進出によりドア部に薄肉破断予定部を正確に形成することができる。この際、第2スライドコアが後退することにより、上記第1スライドコアの進出量に見合った量の樹脂材料の逃げ場を確保して成形に支障なきようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1スライドコアを後退させるとともに第2スライドコアを進出させて樹脂材料をキャビティに射出した状態を示す成形装置の断面図である。
【図2】 第1スライドコアを進出させるとともに第2スライドコアを後退させて薄肉破断予定部を形成する状態を示す成形装置の断面図である。
【図3】 第1及び第2スライドコアの平面図である。
【図4】 図5のIV−IV線における断面図である。
【図5】 エアバッグドアが設けられたインストルメントパネルの助手席前方部分を示す斜視図である。
【図6】 変形例の図3相当図である。
【図7】 嵌め込み式のエアバッグドアが適用されたインストルメントパネルの図4相当図である。
【符号の説明】
9 エアバッグ
17 凹部
18 薄肉破断予定部
21 ドア部
22 エアバッグドア
23 成形装置
25 固定型(一方の成形型)
27 可動型(他方の成形型)
29 キャビティ
31 第1スライドコア
35 第2スライドコア
R 樹脂材料
t1 ドア部の肉厚
t2 インストルメントパネル本体の肉厚[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to method of forming an air bag door door unit is opened by expansion pressure of the airbag of an airbag apparatus installed in a vehicle.
[0002]
[Prior art]
As an airbag door, as disclosed in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-228211 (hereinafter referred to as Conventional Example 1), Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-301398 (hereinafter referred to as Conventional Example 2), etc., the door portion is thin-walled. There is known an airbag door in which a planned fracture portion is formed and the thin-walled fracture planned portion is broken by the deployment pressure of the airbag that is deployed at the time of a vehicle collision to open the door portion. And both of these conventional examples 1 and 2 reinforce the periphery of the thin portion to be broken by forming a portion along the thin portion to be broken over a predetermined width to be thicker than the thickness of the surrounding general portion. Yes.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, since the airbag deployment pressure acts instantaneously and strongly on the airbag door, safety measures are required to ensure that the door does not scatter due to the impact of the airbag deployment. Is done.
[0004]
Further, in the method of molding the airbag door of the above-described conventional example 1, when the resin material is injection-molded using a pair of molds, the mold projection part that forms the thin-walled fracture portion in one mold is formed in the cavity. Because it is protruding and the distance between the mold protrusion of the part and the molding surface of the other mold is very narrow, it is difficult for the resin material to get over the mold protrusion and reach the entire cavity evenly, and the thin-walled part to be broken Insufficient thickness is generated in the thin film, making it impossible to accurately form the thinned portion to be broken.
[0005]
On the other hand, in the method of molding the airbag door of Conventional Example 2, the resin material is injected from separate gates on both sides of the mold protrusion. In this case, in order to accurately form the thinned portion to be broken, the resin materials on both sides of the mold projections merge at the tips of the mold projections, or the resin material on one side gets over the mold projections and the resin on the other side In any case, it is difficult for the resin material to flow into the tip portion of the mold protrusion having a narrow interval, and a thin portion is expected to be formed in the thin portion to be thinly broken, making it difficult to accurately form the thin portion to be broken.
[0006]
This invention has been made in view of the foregoing and has its object is to precisely form a thin walled breakable portion.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
To achieve the above object, the present invention is characterized in that the distance between the cavity portion corresponding to the thin breakable portion when forming the shape variable.
[0008]
Specifically, the invention according to
[0009]
That is, the invention described in
[0010]
With the above configuration, in the first aspect of the present invention, when the resin material is injected, the first slide core that forms the thinned fracture portion is retracted by forming the concave portion, and the interval between the cavities in the portion is retreated. Therefore, the resin material spreads smoothly and evenly over the entire cavity without obstructing the flow. Since the first slide core advances from this state almost in synchronism with the end of the injection of the resin material, the thin-walled fracture portion is accurately formed. At this time, the second slide core moves backward, and an amount of the resin material corresponding to the amount of advancement of the first slide core flows into the cavity portion expanded by the backward movement of the second slide core. No hindrance to molding.
[0011]
The invention according to claim 2 is characterized in that, in the invention according to
[0012]
With the above-described configuration, the invention described in claim 2, the entire door section an air bag door thick are injection molded.
[0013]
According to a third aspect of the present invention, in the first aspect of the present invention, the portion along the thin portion of the door portion that is scheduled to be broken is formed thicker than the thickness of the general portion of the door portion over a predetermined width. It is characterized by that.
[0014]
With the configuration described above, the invention according to
[0015]
The invention according to claim 4 is characterized in that, in the invention according to
[0016]
With the above configuration, the invention according to claim 4 provides an airbag door having a different form from that of
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0018]
FIG. 5 shows the front part of the passenger seat of the
[0019]
The
[0020]
The
[0021]
Further, a
[0022]
Further, the
[0023]
And in the said instrument panel
[0024]
Therefore, in this example, when the vehicle collides, the
[0025]
The thickness of the
[0026]
As a result, the
[0027]
The
[0028]
The
[0029]
As shown in FIG. 3, on the
[0030]
Further, on the
[0031]
In addition, on the outer side of the two
[0032]
A procedure for molding the
[0033]
First, as shown by a solid line in FIG. 1, the
[0034]
Therefore, the injected resin material R smoothly spreads over the
[0035]
Next, as shown in the two-dot chain line in FIG. 1 and FIG. 2, the
[0036]
Therefore, the recessed
[0037]
As described above, when the resin material R is injected, the
[0038]
Therefore, even if the
[0039]
Further, when forming the thin
[0040]
In addition, in said embodiment, although the wall thickness t1 of the
[0041]
In this case, a portion over the predetermined width along the thin-walled break planned
[0042]
Furthermore, although not shown, the wall thickness t1 of the
[0043]
Also in this case, the strength of the
[0044]
Moreover, in said embodiment, although the case where the whole surface of the instrument panel
[0045]
Moreover, although the case where the thin-walled fracture planned
[0046]
【The invention's effect】
As described above, according to the inventions according to
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a molding apparatus showing a state in which a first slide core is retracted and a second slide core is advanced to inject a resin material into a cavity.
FIG. 2 is a cross-sectional view of the molding apparatus showing a state in which the first slide core is advanced and the second slide core is retracted to form a thin-walled fracture portion.
FIG. 3 is a plan view of first and second slide cores.
4 is a cross-sectional view taken along line IV-IV in FIG.
FIG. 5 is a perspective view showing a front part of a passenger seat of an instrument panel provided with an airbag door.
6 is a view corresponding to FIG. 3 showing a modification.
FIG. 7 is a view corresponding to FIG. 4 of an instrument panel to which a fitting type airbag door is applied.
[Explanation of symbols]
9
27 Movable mold (the other mold)
29
Claims (4)
上記ドア部の表面側を形成する一方の成形型と、
上記ドア部の裏面側を形成する他方の成形型と、
上記一方の成形型と他方の成形型との間に形成されるキャビティに対して進退するように上記他方の成形型側に設けられ上記凹部を形成することにより上記薄肉破断予定部を形成する第1スライドコアと、
上記キャビティに対して進退するように上記他方の成形型側に上記第1スライドコアに隣接して設けられ上記ドア部の肉厚を設定する第2スライドコアとを備えた成形装置を用意し、
上記第1スライドコアを後退させた状態で樹脂材料を上記キャビティに射出し、樹脂材料の射出の終了とほぼ同期して上記第1スライドコアを進出させかつ上記第2スライドコアを後退させることにより、上記薄肉破断予定部が形成されたエアバッグドアを射出成形することを特徴とするエアバッグドア成形方法。An airbag door molding method for forming an airbag door made of a core material by forming a recess on the back surface to form a thin-walled fracture portion, and the thin-wall fracture scheduled portion is broken by an airbag deployment pressure to open the door portion Because
One mold for forming the surface side of the door part;
The other mold forming the back side of the door part;
Forming the thinned fracture portion by forming the concave portion provided on the other mold side so as to advance and retreat with respect to the cavity formed between the one mold and the other mold; 1 slide core,
A molding apparatus is provided that includes a second slide core that is provided adjacent to the first slide core on the other molding die side so as to advance and retreat with respect to the cavity, and sets the thickness of the door portion,
Resin material is injected into the cavity with the first slide core retracted, the first slide core is advanced and the second slide core is retracted substantially in synchronization with the end of injection of the resin material. An airbag door molding method comprising injection molding an airbag door in which the thin-walled breakage scheduled portion is formed.
ドア部の肉厚が全体に亘ってドア部外周りの肉厚よりも厚肉に形成されることを特徴とするエアバッグドア成形方法。In the air bag door molding method according to claim 1 ,
A method for forming an airbag door, characterized in that the thickness of the door portion is formed to be thicker than the thickness of the outer periphery of the door portion throughout.
ドア部の薄肉破断予定部に沿った箇所が所定幅に亘ってドア部の一般部の肉厚よりも厚肉に形成されることを特徴とするエアバッグドア成形方法。In the air bag door molding method according to claim 1 ,
A method for forming an airbag door, characterized in that a portion of the door portion along the thinned breakage portion is formed to be thicker than a general thickness of the door portion over a predetermined width.
ドア部の肉厚が全体に亘ってドア部外周りの肉厚とほぼ同厚に形成されることを特徴とするエアバッグドア成形方法。In the air bag door molding method according to claim 1 ,
A method for forming an airbag door, characterized in that the thickness of the door portion is formed to be substantially the same as the thickness of the outer periphery of the door portion throughout.
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