JP3708766B2 - ハードウェア初期化システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハードウェア初期化システムに係り、特に、OS上で動作するアプリケーションからの要求に対して応答がない場合に、OSによりデバイスドライバおよびハードウェアの再初期化を行なうように制御するようにしてなるハードウェア初期化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ホスト装置に所定のハードウェアを接続してなるコンピュータシステムが多く用いられており、このようなコンピュータシステムにおいては、前記ホスト装置に組込まれたOS(オペレーティング・システム)により、デバイスドライバを介してハードウェアを管理することが行なわれている。
【0003】
一般に、ある程度高級なOSにおいては、OSによりデバイスドライバを介してハードウェアを直接管理するものであり、アプリケーションからは直接ハードウェアを制御することができないようになっている。これは、OSがハードウェアを管理することにより、OS上で動作する種々のアプリケーションからハードウェアに対して要求があった場合に、矛盾がないようにハードウェアを管理する必要があるためである。
【0004】
このようなコンピュータシステムにおいて、前記ホスト装置に組込まれたOS上でアプリケーションを動作させた場合、このアプリケーションがハードウェアを使用する場合には、アプリケーションからの要求は、OSを介してデバイスドライバに送られるようになっており、このアプリケーションからの要求を受けたデバイスドライバが、この要求に応じてハードウェアを動作させるようになっている。そして、アプリケーションからデバイスドライバに対して要求を発行する場合には、従来から、その要求を実行するために必要十分なタイムアウト値を設定した要求を発行するようになっている。
【0005】
そして、アプリケーションからの要求に対して、タイムアウト値を超えてもハードウェアから何らの応答がない場合には、OSによりハードウェアあるいはデバイスドライバが異常であると判断して、OSによりデバイスドライバおよびハードウェアの再初期化を行なうように制御するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のハードウェア初期手段においては、OSによりデバイスドライバおよびハードウェアの再初期化を行なうものであるが、通常、汎用のOSの場合は、あらゆるアプリケーションに対応することができるようにある程度十分なタイムアウト値を設定して制御するようになっている。
【0007】
そのため、汎用のOSにより、デバイスドライバあるいはハードウェアの異常を検出する場合に、各アプリケーションに対応した的確な判断を行なうことができないという問題を有している。
【0008】
また、アプリケーションが異常を検出した場合に、アプリケーションから直接デバイスドライバあるいはハードウェアの初期化を行なうことができるようにしてしまうと、OSによる管理と矛盾が生じるおそれがあるという問題を有している。
【0009】
本発明は前記した点に鑑みてなされたもので、汎用のOSであっても、アプリケーションに対応した的確な異常検出を行なうことができ、しかも、OSによる管理と矛盾が生じることなくハードウェアの初期化を行なうことのできるハードウェア初期化システムを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に記載の発明に係るハードウェア初期化システムは、OSが組込まれたホスト装置に所定のハードウェアを接続してなり、前記OSにより、デバイスドライバを介してハードウェアを管理するとともに、前記OS上で動作するアプリケーションからの要求に対して、タイムアウト値を超えてもハードウェアから何らの応答がない場合に、前記OSによりデバイスドライバおよびハードウェアの再初期化を行なうように制御するようにしてなるハードウェア初期化システムであって、前記アプリケーションがハードウェアの異常を検出した場合に、前記アプリケーションから極めて短いタイムアウト値を設定した要求をデバイスドライバに発行するように制御するようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
この請求項1に記載の発明によれば、アプリケーションがハードウェアの異常を検出した場合に、アプリケーションから極めて短いタイムアウト値を設定した要求をデバイスドライバに発行するように制御するようにしているので、ハードウェアはこのアプリケーションの要求に応答できず、結果として、タイムアウト値を超えても応答がないことになることから、汎用のOSを用いた場合であっても、デバイスドライバあるいはハードウェアの異常を検出する場合に、各アプリケーションに対応した的確な判断を行なって、OSによりハードウェアあるいはデバイスドライバが異常であると判断させることができる。
【0012】
また、請求項2に記載のハードウェア初期化システムは、請求項1において、前記アプリケーションから極めて短いタイムアウト値を設定した要求をデバイスドライバに発行した後、前記ハードウェアから応答がない場合に、前記OSによりデバイスドライバおよびハードウェアの再初期化を行なうようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
この請求項2に記載の発明によれば、アプリケーションから極めて短いタイムアウト値を設定した要求をデバイスドライバに発行した後、ハードウェアから応答がない場合に、これをきっかけとして、OSによりデバイスドライバおよびハードウェアの再初期化を行なうようにしているので、アプリケーションは、極めて短いタイムアウト値を設定した要求をするだけであり、デバイスドライバあるいはハードウェアの再初期化はOSが行なうことから、OSによる管理と矛盾が生じることを防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1および図2を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明に係るハードウェア初期化システムの実施の一形態を示したもので、本実施形態のハードウェア初期化システムは、ホスト装置1を有しており、このホスト装置1には、所定の制御を行なうためのOS2がインストールされている。このOS2上で各種アプリケーション3が動作するようになっており、また、前記OS2には、デバイスドライバ4を介してハードウェア5が接続されるようになっている。
【0016】
前記ハードウェア5には、例えば、ハードディスクドライブ装置、CD−ROMドライブ装置、フロッピィディスクドライブ装置、ターミナルアダプタ、モデム、プリンタ等、各種ハードウェア5が含まれるものであり、ホスト装置1に内蔵される場合であると、外付けされる場合とを問わない。
【0017】
次に、本実施形態の作用について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0018】
本実施形態においては、ホスト装置1において、OS2上でアプリケーション3を動作させた場合、このアプリケーション3がハードウェア5を使用する場合には、アプリケーション3から要求があると(ST1)、この要求がOS2を介してデバイスドライバ4に送られるようになっており(ST2)、このアプリケーション3からの要求を受けたデバイスドライバ4は、この要求に応じてハードウェア5を動作させるようになっている。
【0019】
このとき、アプリケーション3からデバイスドライバ4に対して要求を発行する場合には、その要求を実行するために必要十分なタイムアウト値を設定した要求を発行するようになっており、アプリケーション3からの要求に対してハードウェア5から何らの応答があるか否か判断し(ST3)、タイムアウト値を超えてもハードウェア5から何らの応答がない場合には、従来と同様に、OS2によりハードウェア5あるいはデバイスドライバ4が異常であると判断して、OS2によりデバイスドライバ4およびハードウェア5の再初期化を行なうように制御するようになっている(ST4)。
【0020】
また、本実施形態においては、アプリケーション3は、ハードウェア5の異常があるか否か判断し(ST5)、アプリケーション3がハードウェア5の異常を検出した場合に、アプリケーション3から極めて短いタイムアウト値を設定した要求をデバイスドライバ4に発行するように制御するようになっている(ST6)。このようにアプリケーション3によりハードウェア5が異常であると判断する場合には、例えば、アプリケーション3から比較的長時間にわたってデータ要求を行なう場合等のように、アプリケーション3からの要求に対する現在の進捗状況を逐次チェックすることが行なわれているが、デバイスドライバ4から現在の進捗状況を送ってくるものの、その進捗状況が変らなくなった場合、あるいは、ハードウェア5からの応答が、ハードウェア5が定めたタイムアウト値を満たしているが、そのハードウェア5の性能からはあまりに応答が遅いと判断する場合等が考えられる。
【0021】
そして、本実施形態においては、アプリケーション3がハードウェア5の異常を検出した場合に、アプリケーション3から極めて短いタイムアウト値を設定した要求をデバイスドライバ4に発行することにより、ハードウェア5はこのアプリケーション3の要求に応答できず、結果として、タイムアウト値を超えても応答がないことになるので、OS2によりハードウェア5あるいはデバイスドライバ4が異常であると判断させることができる。
【0022】
その後、本実施形態においては、これをきっかけとして、OS2により、デバイスドライバ4あるいはハードウェア5の再初期化を行なわせるようになっている(ST4)。
【0023】
したがって、本実施形態においては、アプリケーション3がハードウェア5の異常を検出した場合に、アプリケーション3から極めて短いタイムアウト値を設定した要求をデバイスドライバ4に発行することにより、これをきっかけとしてOS2により、デバイスドライバ4あるいはハードウェア5の再初期化を行なわせるようにしているので、汎用のOS2を用いた場合であっても、デバイスドライバ4あるいはハードウェア5の異常を検出する場合に、各アプリケーション3に対応した的確な判断を行なうことができる。また、アプリケーション3は、極めて短いタイムアウト値を設定した要求をするだけであり、これをきっかけとして、デバイスドライバ4あるいはハードウェア5の再初期化はOS2が行なうので、OS2による管理と矛盾が生じることもない。
【0024】
なお、本発明は前記実施形態のものに限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1に記載の発明に係るハードウェア初期化システムは、アプリケーションがハードウェアの異常を検出した場合に、アプリケーションから極めて短いタイムアウト値を設定した要求をデバイスドライバに発行するように制御するようにしているので、汎用のOSを用いた場合であっても、デバイスドライバあるいはハードウェアの異常を検出する場合に、各アプリケーションに対応した的確な判断を行なって、OSによりハードウェアあるいはデバイスドライバが異常であると判断させることができる。
【0026】
また、請求項2に記載のハードウェア初期化システムは、アプリケーションから極めて短いタイムアウト値を設定した要求をデバイスドライバに発行した後、ハードウェアから応答がない場合に、これをきっかけとして、OSによりデバイスドライバおよびハードウェアの再初期化を行なうようにしているので、アプリケーションは、極めて短いタイムアウト値を設定した要求をするだけであり、デバイスドライバあるいはハードウェアの再初期化はOSが行なうことから、OSによる管理と矛盾が生じることを防止することができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るハードウェア初期化システムの実施形態を示すブロック図
【図2】 本発明に係るハードウェア初期化システムの動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1 ホスト装置
2 OS
3 アプリケーション
4 デバイスドライバ
5 ハードウェア

Claims (2)

  1. OSが組込まれたホスト装置に所定のハードウェアを接続してなり、前記OSにより、デバイスドライバを介してハードウェアを管理するとともに、前記OS上で動作するアプリケーションからの要求に対して、タイムアウト値を超えてもハードウェアから何らの応答がない場合に、前記OSによりデバイスドライバおよびハードウェアの再初期化を行なうように制御するようにしてなるハードウェア初期化システムであって、前記アプリケーションがハードウェアの異常を検出した場合に、前記アプリケーションから極めて短いタイムアウト値を設定した要求をデバイスドライバに発行するように制御するようにしたことを特徴とするハードウェア初期化システム。
  2. 前記アプリケーションから極めて短いタイムアウト値を設定した要求をデバイスドライバに発行した後、前記ハードウェアから応答がない場合に、前記OSによりデバイスドライバおよびハードウェアの再初期化を行なうようにしたことを特徴とする請求項1に記載のハードウェア初期化システム。
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