JP3708070B2 - X-ray diffraction method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は試料駆動機構に特徴のある平行ビーム法のX線回折装置を用いたX線回折方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線回折の技術分野において,本発明に関連の深い公知技術として,次のものが知られている。第1の公知技術は集中法における試料揺動であり,これは特許2904055号公報(以下,第1文献という)に開示されている。第2の公知技術は平行ビーム法における試料の面内回転であり,これは特開平7−159300号公報(以下,第2文献という)に開示されている。第3の公知技術は平行ビーム法の入射側光学系に放物面多層膜ミラーを使うものであり,これは特開平11−287773号公報(以下,第3文献という)に開示されている。
【0003】
第1文献では,集中法のX線回折光学系において,X線源とX線検出器との相対運動(一般的にはθ−2θ走査)とは独立して,入射X線に対する試料表面のなす角度が変化するように,試料表面に平行な回転中心線の回りで,試料を揺動させている(このような揺動を,以下,ω揺動と呼ぶ)。これにより,混合が不十分であったり個々の結晶粒が大きかったりする粉末試料や,熱処理によって結晶粒が粗大化した金属を測定する場合に,回折に寄与する結晶粒の数を増加させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,集中法において試料をω揺動すると,試料表面が集中法の測定原理から外れることになり,測定結果の分解能が低下する。このほかに,集中法において試料を面内回転することも知られているが,この場合は,集中法の測定原理から外れることはないが,試料の面内回転だけでは,回折に寄与する結晶粒を増加させるのに不十分な場合がある。
【0005】
一方,平行ビーム法においても,回折に寄与する結晶粒が増加するように,測定中に試料を動かすことが考えられる。上述の第2文献は,平行ビーム法において,測定中に試料を面内回転させることを開示している。試料の面内回転だけで不十分な場合は,測定中に試料をω揺動させることも考えられる。平行ビーム法では,集中法のような原理的な制約がないので,試料をω揺動させても,測定結果の分解能が低下するおそれはない。しかしながら,平行ビーム法において,測定中に試料の面内回転とω揺動の両方を実現するための具体的な工夫は知られていない。
【0006】
ところで,X線強度の大きな平行ビームを得るために放物面多層膜ミラーを使うことは,上述の第3文献から公知である。この第3文献では,試料台に試料の面内回転とω揺動のための機構を組み込んでいるが,この面内回転とω揺動は,測定中に実施するものではなくて,測定に適した試料の向きや姿勢を設定するためのものである。
【0007】
本発明の目的は,X線強度の大きな平行ビームを使うことや,面内回転とω揺動の単なる組み合わせよりも優れた試料揺動機構を工夫することによって,配向の強い多結晶体試料でも,配向の影響をできるだけ少なくして,かつ,分解能を落とさずに回折測定ができるようにしたX線回折方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のX線回折方法は次の段階を備えている。(ア)次の(a)乃至(c)の構成を備えるX線回折装置を準備する段階。(a)X線源と,X線源から出射するX線を平行ビームに変換する放物面多層膜ミラーと,前記平行ビームの縦発散を制限する縦発散制限手段とを備える入射側の光学系。(b)試料から出てくる回折X線の横発散を制限する横発散制限手段と,この横発散制限手段を通過した回折X線の強度を検出するX線検出器とを備える受光側の光学系。(c)試料を保持する試料保持装置であって,測定中に試料の面内回転を可能にする面内回転機構と,測定中に試料表面の偏心ω揺動を可能にするω揺動機構とを備える試料保持装置。(イ)前記X線回折装置を用いて,測定中に,試料を面内回転させて,かつ,試料表面の偏心ω揺動をさせて,試料のX線回折測定を実施する段階。
【0009】
試料のω揺動とは,回折測定におけるX線源とX線検出器との相対運動とは独立して,入射X線に対する試料表面のなす角度が変化するように,試料表面に平行な回転中心線の回りで試料を揺動させる運動をいう。そして,試料表面の偏心ω揺動とは,試料表面がω揺動の回転中心線から離れているようなω揺動をいう。
【0010】
本発明は,さらに,前記X線回折装置が次の特徴を備えている。(d)前記試料保持装置は,回転中心線の回りに揺動可能な支持台と,前記支持台に対して移動かつ回転可能な試料台とを備えている。(e)前記支持台の揺動により前記偏心ω揺動が可能である。(f)前記試料台は前記回転中心線に対して垂直な方向に移動可能であり,この移動により,前記試料表面と前記回転中心線との距離が調節可能である。(g)前記試料台は前記回転中心線に対して垂直なφ軸の回りに回転可能であり,この回転により前記面内回転が可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明で用いるX線回折装置のひとつの実施形態の斜視図である。このX線回折装置は平行ビーム法の光学系を採用しており,入射側の光学系10と試料保持装置12と受光側の光学系14とを備えている。入射側の光学系10は第1回転台16に搭載されていて,第1回転台16は水平な回転中心線18の回りに回転可能である。受光側の光学系14は第2回転台20に搭載されていて,第2回転台20は同じ回転中心線18の回りに回転可能である。試料保持装置12は第3回転台22に固定されていて,第3回転台22は,やはり同じ回転中心線18の回りに揺動可能である。
【0012】
入射側の光学系10は,X線源24と放物面多層膜ミラー26と縦発散制限用のソーラスリット28と出射幅制限スリット30とを備えている。X線源24は,図1ではライン状のX線焦点だけを示しているが,実際は,このようなX線焦点を含むX線管が第1回転台16に搭載されている。放物面多層膜ミラー26は反射面が放物面になっていて,X線源24から出射されるライン状の発散X線ビーム38を平行ビーム40に変換するものである。放物面の焦点の位置にX線源24が配置されている。このような放物面多層膜ミラー26は,例えば特開平11−287773号公報に開示されており,X線強度の大きな平行ビームを作ることができる。縦発散制限用のソーラスリット28は,回折平面(入射X線ビームと回折X線ビームとを含む平面)に垂直な方向のX線の発散(縦発散)を制限するためのものである。出射幅制限スリット30は,試料に入射する平行ビーム40のビーム幅(回折平面内でのビーム幅)やビーム位置を,所望の幅や位置に設定するためのスリットである。
【0013】
受光側の光学系14は,横発散制限用のソーラスリット32と受光幅制限スリット34とX線検出器36(この実施例ではシンチレーションカウンタ)とを備えている。横発散制限用のソーラスリット32は,試料から出てくる回折X線42の,回折平面内でのX線の発散(横発散)を制限するためのものである。実施例では,ソーラスリットの箔の長さ(光軸方向の長さ)が100mm(または200mm)で,箔と箔の間隔が100μmであり,このとき,横発散の発散角が0.114°(または0.057°)になる。
【0014】
受光幅制限スリット34はX線検出器36に入射する回折X線のビーム幅(回折平面内でのビーム幅)を規定するスリットであり,ノイズとなる散乱線をカットする働きがある。
【0015】
以上説明したような入射側及び受光側の光学系を使うと,平行ビーム法においても,集中法と同程度の高分解能の回折測定が可能になる。
【0016】
図2は試料保持装置12の斜視図である。第3回転台22は水平な回転中心線18の回りに揺動可能である。この第3回転台22の表面に対して垂直に支持台44(略水平状態である)が固定されている。第3回転台22が回転中心線18の回りを揺動運動することがω揺動となる。支持台44に試料台46が設けられている。試料台46の表面上に試料50をセットすることになる。試料台46は支持台44に対して上下方向に移動可能である。この上下移動により,試料50の表面と回転中心線18との距離(図3の距離d)を調節できる。また,試料台46はφ軸48の回りに回転可能である。φ軸48は回転中心線18に対して垂直である。φ軸48の回りの回転は電動モータ駆動である。
【0017】
図3は試料保持装置12の動きを示した正面図である。試料50の表面は回転中心線18から下方に距離dだけ離れている。第3回転台22が回転中心線18の回りに所定の角度範囲内で揺動すると(すなわち,ω揺動をすると),試料50も揺動する。その際,試料50の表面は回転中心線18から距離dだけ離れているので,試料表面に対するX線入射角度αが変化すると共に,試料上のX線照射領域もずれていくことになる。この点は後述する。距離dの可能な最大値は,試料表面を偏心ω揺動したときに平行ビーム40が試料から外れないような条件によって定まってくる。例えば,試料台46の直径を25mm,試料位置における平行ビーム40のライン幅を20mm,平行ビーム40のビーム幅を0.7mmと仮定した場合,dの可能な最大値は約0.3mmである。
【0018】
上述のω揺動をしながら,試料台46はφ回転する。ω揺動に伴って,当然ながら,φ軸48も揺動することになる。実施例では,φ回転の回転速度は50〜60rpmであり,ω揺動の周期は約4秒である。これらの回転や揺動のスピードは,各電動モータを制御することで変更できる。
【0019】
図4はω揺動機構の立面図であり,図1の背面側から見た図である。図1において,第3回転台22は中空シャフト52に固定されていて,この中空シャフト52は,第1回転台16や第2回転台20のための回転駆動機構を収納するケーシング(図示せず)の背面側に突き出している。この中空シャフト52の後端に,図4に示すように,ω揺動機構が取り付けられている。
【0020】
図4において,中空シャフト52には揺動板54が固定されている。揺動板54は中空シャフト52と一体に回転中心線18の回りを揺動できる。揺動板54の右端のピン56には引張りコイルバネ58の上端が引っ掛けられている。この引張りコイルバネ58の下端はピン60に引っ掛けられている。ピン60は上述のケーシングに固定されている。したがって,揺動板54は常に図4の時計方向に回転モーメント62が付与されている。一方,揺動板54上の,回転中心線18とピン56とを結ぶ線上には,ローラ64が回転自在に取り付けられている。ローラ64の外周面は偏心カム66の外周面に接している。偏心カム66の外周は円形であり,この外周に対して偏心した位置に偏心カム66の回転軸68がある。回転軸68は電動モータの出力軸に連結されている。
【0021】
回転軸68の回りに偏心カム66が矢印70に示すように一定速度で回転すると,偏心カム66に接するローラ64が自由回転しながら偏心カム66に追従する。その結果,揺動板54が所定の角度範囲内で揺動する。揺動板54が水平になったときに,ちょうど,試料表面が水平になり,このときがω=0°である。そして,この実施例では,ω=±10°の範囲内で揺動板54が揺動する。
【0022】
次に,試料表面のω揺動の効果について説明する。図5は試料表面72が回転中心線18上に位置する場合の,試料表面72上のX線照射領域を説明する立面図である。試料表面72が水平状態にあるとき(ω=0°)は,入射する平行ビーム40が試料表面72上のA点からB点までの領域に当たる。X線照射領域はハッチングで示してある。平行ビーム40は紙面に垂直な方向のライン状のビームなので,A点とB点は紙面に垂直な方向に延びている。
【0023】
次に,試料表面72を図5の反時計方向に10°だけ回転すると,試料上の上述のA点とB点はA1点とB1点に移動する。このとき,平行ビーム40は,試料上のC点からD点までの領域に当たる。逆に,試料表面72を水平状態から図5の時計方向に10°だけ回転すると,試料上の上述のA点とB点はA2点とB2点に移動する。このとき,平行ビーム40は試料上のE点からF点までの領域に当たる。
【0024】
このように,試料をω揺動すると,試料表面72に対する平行ビーム40の入射角度がさまざまに変化して,回折に寄与する結晶粒が増加する。また,試料表面上のX線照射領域も変化することになり,ω揺動をしない場合と比べて,回折に寄与する照射面積が広くなる。
【0025】
次に,偏心ω揺動を説明する。図6は試料表面72が回転中心線18から距離dだけ下方に離れたところに位置する場合の,図5と同様の図面である。平行ビーム40は回転中心線18に対して図5と同じ位置にある。試料表面72が水平状態にあるとき(ω=0°)は,入射する平行ビーム40が試料表面72上のA点からB点までの領域に当たる。
【0026】
次に,試料表面72を図6の反時計方向に10°だけ揺動すると,試料上の上述のA点とB点はA1点とB1点に移動する。このとき,平行ビーム40は試料上のC点からD点までの領域に当たる。図5と異なる点は,図5ではC点とD点がA1点とB1点に対してほぼ左右対称に内側に狭くなっているのに対して,図6ではC点とD点の中間点がA1点とB1点の中間点よりも右側にシフトしていることである。
【0027】
逆に,試料表面72を水平状態から図6の時計方向に10°だけ揺動すると,試料上の上述のA点とB点はA2点とB2点に移動する。このとき,平行ビーム40は試料上のE点からF点までの領域に当たる。この場合も,E点とF点の中間点はA2点とB2点の中間点よりも右側に大きくシフトしている。
【0028】
このように,試料表面72が回転中心線18から離れていると,試料をω揺動したときに,試料表面72上の照射領域はω揺動に伴って,ずれていくことになる。例えば,図5ではB2点からF点までの距離はL1であるが,図6ではB2点からF点までの距離はL2である。L2はL1よりも大きくなっている。したがって,試料表面72を偏心ω揺動すると,試料表面上のX線照射領域は,通常のω揺動の場合よりも広がることになる。結局,試料表面の偏心ω揺動は,試料を試料表面内で並進移動させる(X線照射領域を移動させる)ことと同様の効果をもたらしており,本発明では2軸の回転運動を利用するだけで,2軸の回転運動と並進運動とを組み合わせたような効果が生じている。
【0029】
次に,図1のX線回折装置の使用方法を説明する。入射側の光学系10に対して相対的に受光側の光学系14の角度(回折角度2θに相当する)を変化させて,X線検出器36でX線強度を測定し,回折パターンを記録することができる。このX線回折装置は平行ビーム法を採用しているので,入射側及び受光側の光学系と試料表面とのなす角度について,特別な制約はない。したがって,上述の回折角度2θを変化させるのに,(1)入射側の光学系10を静止させて受光側の光学系14を2θ回転させる,(2)入射側の光学系10を2θ回転させて受光側の光学系14を静止させる,(3)入射側の光学系10と受光側の光学系14を左右対称に互いに逆方向にθ回転させる,などのいずれの走査方法も採用できる。以下に述べる測定結果では,左右対称のθ回転走査を実行している。
【0030】
上述のような2θの走査に加えて,本発明では,測定中に,試料を面内回転(φ回転)させると共に,試料表面の偏心ω回転を実行している。これにより,配向の強い試料であっても,回折に寄与する結晶粒の数を増やし,理想的な粉末回折パターンに近い測定結果を得ることができる。
【0031】
実際に,配向の強い多結晶体試料(例えば,ポルトランドセメント。これは,劈開性が強く,粉砕が困難な試料である)を測定してみると,従来のX線回折装置(集中法で試料を面内回転させたものや,平行ビーム法で試料を面内回転させたもの)と比較して,配向の影響の少ない回折パターンを得ることができた。そして,試料を詰め替えて測定し直しても,従来のX線回折装置での測定結果と比較して,回折パターンがあまり変化することがなく,再現性が優れていることが確認できた。
【0032】
本発明は,上述の実施例に限定されることなく,次のように変更することも可能である。
【0033】
(1)以上の実施例では,図3に示すように,試料50の表面が回転中心線18から下方に離れている状態で偏心ω揺動をしているが,これとは逆に,試料50の表面が回転中心線18から上方に離れているように偏心ω揺動をしても,効果は同じである。
【0034】
(2)以上の実施例では,受光側の横発散制限手段として,長尺のソーラスリットを用いているが,その代わりに,アナライザ結晶(ゲルマニウムやシリコン製の平面状の人工多層膜)や放物面多層膜ミラー(入射側とは逆向きに使う。すなわち,試料から回折してくる平行ビームを入射して,集束X線ビームを得る)を使うこともできる。
【0035】
【発明の効果】
本発明のX線回折方法は,平行ビーム法において,測定中に,試料の面内回転と試料表面の偏心ω揺動とを組み合わせているので,配向の強い試料であっても,配向の影響を少なくして,再現性が良好で高分解能の回折測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のひとつの実施形態の斜視図である。
【図2】試料保持装置の斜視図である。
【図3】試料保持装置の動きを示した正面図である。
【図4】ω揺動機構の立面図である。
【図5】試料表面が回転中心線上に位置する場合の,試料表面上のX線照射領域を説明する立面図である。
【図6】試料表面が回転中心線から離れたところに位置する場合の,図5と同様の説明図である。
【符号の説明】
10 入射側の光学系
12 試料保持装置
14 受光側の光学系
16 第1回転台
18 回転中心線
20 第2回転台
22 第3回転台
24 X線源
26 放物面多層膜ミラー
28 縦発散制限用のソーラスリット
30 出射幅制限スリット
32 横発散制限用のソーラスリット
34 受光幅制限スリット
36 X線検出器
44 支持台
46 試料台
48 φ軸[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an X-ray diffraction method using a parallel beam X-ray diffractometer characterized by a sample driving mechanism.
[0002]
[Prior art]
In the technical field of X-ray diffraction, the following are known as well-known techniques closely related to the present invention. The first known technique is sample rocking in the concentration method, which is disclosed in Japanese Patent No. 2904055 (hereinafter referred to as the first document). The second known technique is in-plane rotation of the sample in the parallel beam method, which is disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-159300 (hereinafter referred to as the second document). A third known technique uses a parabolic multilayer mirror in the incident side optical system of the parallel beam method, and this is disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-287773 (hereinafter referred to as third document).
[0003]
In the first document, in the concentrated X-ray diffraction optical system, the relative movement of the X-ray source and the X-ray detector (generally θ-2θ scanning) is independent of the sample surface relative to the incident X-ray. The sample is swung around a rotation center line parallel to the sample surface so that the angle formed is changed (this swing is hereinafter referred to as ω swing). This can increase the number of crystal grains that contribute to diffraction when measuring powder samples that are poorly mixed or have large crystal grains, or metals that have become coarse due to heat treatment. it can.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, if the sample is swung by ω in the concentration method, the surface of the sample deviates from the measurement principle of the concentration method, and the resolution of the measurement result decreases. In addition, it is also known that the sample is rotated in the plane in the concentration method, but in this case, it does not deviate from the measurement principle of the concentration method. It may be insufficient to increase the grain.
[0005]
On the other hand, in the parallel beam method, it is conceivable to move the sample during measurement so that the number of crystal grains contributing to diffraction increases. The above-mentioned second document discloses that the sample is rotated in-plane during measurement in the parallel beam method. If in-plane rotation of the sample is not sufficient, it is possible to oscillate the sample during measurement. In the parallel beam method, since there is no principle restriction like the concentration method, there is no possibility that the resolution of the measurement result is lowered even if the sample is swung ω. However, in the parallel beam method, no specific device is known for realizing both in-plane rotation and ω oscillation of the sample during measurement.
[0006]
By the way, the use of a parabolic multilayer mirror to obtain a parallel beam having a high X-ray intensity is known from the above-mentioned third document. In this third document, a mechanism for in-plane rotation and ω oscillation of the sample is incorporated in the sample stage. However, this in-plane rotation and ω oscillation are not performed during the measurement. This is for setting a suitable sample orientation and orientation.
[0007]
The object of the present invention is to use a parallel beam with a high X-ray intensity, or to devise a sample rocking mechanism that is superior to a simple combination of in-plane rotation and ω rocking, so that even a polycrystalline sample with strong orientation can be used. It is an object of the present invention to provide an X-ray diffraction method capable of performing diffraction measurement while reducing the influence of orientation as much as possible and without reducing the resolution.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The X-ray diffraction method of the present invention includes the following steps. (A) A step of preparing an X-ray diffraction apparatus having the following configurations (a) to (c). (A) an incident-side optical device comprising: an X-ray source; a parabolic multilayer mirror that converts X-rays emitted from the X-ray source into a parallel beam; and a vertical divergence limiting unit that limits the vertical divergence of the parallel beam. system. (B) Optical on the light receiving side provided with a lateral divergence limiting means for limiting the lateral divergence of the diffracted X-rays coming out of the sample and an X-ray detector for detecting the intensity of the diffracted X-rays that have passed through the lateral divergence limiting means system. (C) A sample holding device for holding a sample, an in-plane rotation mechanism that enables in-plane rotation of the sample during measurement, and a ω oscillation mechanism that enables eccentric ω oscillation of the sample surface during measurement A sample holding device. (A) A step of performing X-ray diffraction measurement of a sample by rotating the sample in-plane and performing eccentric ω oscillation of the sample surface during measurement using the X-ray diffractometer.
[0009]
The ω oscillation of the sample is a rotation parallel to the sample surface so that the angle formed by the sample surface with respect to the incident X-ray changes independently of the relative movement between the X-ray source and the X-ray detector in the diffraction measurement. This is a movement that rocks the sample around the center line. The eccentric ω oscillation of the sample surface means ω oscillation such that the sample surface is separated from the rotation center line of the ω oscillation.
[0010]
In the present invention, the X-ray diffractometer further has the following characteristics. (D) The sample holding device includes a support base that can swing around a rotation center line, and a sample base that can move and rotate with respect to the support base. (E) The eccentric ω swing is possible by swinging the support base. (F) The sample stage can move in a direction perpendicular to the rotation center line, and the distance between the sample surface and the rotation center line can be adjusted by this movement. (G) The sample stage can be rotated around the φ axis perpendicular to the rotation center line, and the in-plane rotation is possible by this rotation.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a perspective view of one embodiment of an X-ray diffraction apparatus used in the present invention. This X-ray diffractometer employs a parallel beam optical system, and includes an incident side
[0012]
The
[0013]
The
[0014]
The light receiving
[0015]
If the optical system on the incident side and the light receiving side as described above is used, the diffraction measurement with the same high resolution as that of the concentration method can be performed even in the parallel beam method.
[0016]
FIG. 2 is a perspective view of the
[0017]
FIG. 3 is a front view showing the movement of the
[0018]
The
[0019]
FIG. 4 is an elevational view of the ω swing mechanism, as viewed from the back side of FIG. In FIG. 1, the
[0020]
In FIG. 4, a
[0021]
When the
[0022]
Next, the effect of ω oscillation on the sample surface will be described. FIG. 5 is an elevation view for explaining an X-ray irradiation region on the
[0023]
Next, when the
[0024]
Thus, when the sample is swung by ω, the incident angle of the
[0025]
Next, the eccentric ω oscillation will be described. FIG. 6 is a view similar to FIG. 5 in the case where the
[0026]
Next, when the
[0027]
Conversely, when the
[0028]
As described above, when the
[0029]
Next, a method for using the X-ray diffraction apparatus of FIG. 1 will be described. The angle of the
[0030]
In addition to the 2θ scan as described above, the present invention rotates the sample in-plane (φ rotation) and performs eccentric ω rotation of the sample surface during measurement. As a result, even for a sample with strong orientation, the number of crystal grains contributing to diffraction can be increased, and a measurement result close to an ideal powder diffraction pattern can be obtained.
[0031]
In fact, when measuring a highly oriented polycrystalline sample (for example, Portland cement, which is a sample with strong cleaving and difficult to grind), a conventional X-ray diffractometer (sample by the concentration method) is used. Compared with the sample rotated in-plane or sample rotated in-plane by the parallel beam method), a diffraction pattern with less influence of orientation was obtained. And even if the sample was refilled and measured again, the diffraction pattern did not change much compared with the measurement result with the conventional X-ray diffractometer, and it was confirmed that the reproducibility was excellent.
[0032]
The present invention is not limited to the above-described embodiments, and can be modified as follows.
[0033]
(1) In the above embodiment, as shown in FIG. 3, the surface of the
[0034]
(2) In the above embodiment, a long solar slit is used as the lateral divergence limiting means on the light receiving side, but instead, an analyzer crystal (a planar artificial multilayer film made of germanium or silicon) or a free space is used. It is also possible to use an object surface multilayer mirror (used in the direction opposite to the incident side, ie, a collimated beam diffracted from the sample is incident to obtain a focused X-ray beam).
[0035]
【The invention's effect】
In the X-ray diffraction method of the present invention, in the parallel beam method, the in-plane rotation of the sample and the eccentric ω oscillation of the sample surface are combined during measurement. The reproducibility is good and high-resolution diffraction measurement is possible.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view of one embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a perspective view of a sample holding device.
FIG. 3 is a front view showing the movement of the sample holding device.
FIG. 4 is an elevational view of a ω swing mechanism.
FIG. 5 is an elevational view for explaining an X-ray irradiation region on the sample surface when the sample surface is located on the rotation center line.
FIG. 6 is an explanatory view similar to FIG. 5 in the case where the sample surface is located away from the rotation center line.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (2)
(ア)次の(a)乃至(c)の構成を備えるX線回折装置を準備する段階。
(a)X線源と,X線源から出射するX線を平行ビームに変換する放物面多層膜ミラーと,前記平行ビームの縦発散を制限する縦発散制限手段とを備える入射側の光学系。
(b)試料から出てくる回折X線の横発散を制限する横発散制限手段と,この横発散制限手段を通過した回折X線の強度を検出するX線検出器とを備える受光側の光学系。
(c)試料を保持する試料保持装置であって,測定中に試料の面内回転を可能にする面内回転機構と,測定中に試料表面の偏心ω揺動を可能にするω揺動機構とを備える試料保持装置。
(イ)前記X線回折装置を用いて,測定中に,試料を面内回転させて,かつ,試料表面の偏心ω揺動をさせて,試料のX線回折測定を実施する段階。 An X-ray diffraction method comprising the following steps.
(A) A step of preparing an X-ray diffraction apparatus having the following configurations (a) to (c).
(A) an incident-side optical device comprising: an X-ray source; a parabolic multilayer mirror that converts X-rays emitted from the X-ray source into a parallel beam; and a vertical divergence limiting unit that limits the vertical divergence of the parallel beam. system.
(B) Optical on the light receiving side provided with a lateral divergence limiting means for limiting the lateral divergence of the diffracted X-rays coming out of the sample and an X-ray detector for detecting the intensity of the diffracted X-rays that have passed through the lateral divergence limiting means system.
(C) A sample holding device for holding a sample, an in-plane rotation mechanism that enables in-plane rotation of the sample during measurement, and a ω oscillation mechanism that enables eccentric ω oscillation of the sample surface during measurement A sample holding device.
(A) A step of performing X-ray diffraction measurement of a sample by rotating the sample in-plane and performing eccentric ω oscillation of the sample surface during measurement using the X-ray diffractometer.
(d)前記試料保持装置は,回転中心線の回りに揺動可能な支持台と,前記支持台に対して移動かつ回転可能な試料台とを備えている。
(e)前記支持台の揺動により前記偏心ω揺動が可能である。
(f)前記試料台は前記回転中心線に対して垂直な方向に移動可能であり,この移動により,前記試料表面と前記回転中心線との距離が調節可能である。
(g)前記試料台は前記回転中心線に対して垂直なφ軸の回りに回転可能であり,この回転により前記面内回転が可能である。 The X-ray diffraction method according to claim 1, wherein the X-ray diffraction apparatus has the following characteristics.
(D) The sample holding device includes a support base that can swing around a rotation center line, and a sample base that can move and rotate with respect to the support base.
(E) The eccentric ω swing is possible by swinging the support base.
(F) The sample stage can move in a direction perpendicular to the rotation center line, and the distance between the sample surface and the rotation center line can be adjusted by this movement.
(G) The sample stage can be rotated around the φ axis perpendicular to the rotation center line, and the in-plane rotation is possible by this rotation.
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