JP3707994B2 - 赤外線温度検出器及びスチームトラップ検査装置 - Google Patents

赤外線温度検出器及びスチームトラップ検査装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばスチームトラップの復水排出性能を点検するために使用する赤外線温度検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸気を加熱媒体として使用する装置や、それらに蒸気を供給する蒸気配管系では、熱交換や放熱により復水が発生する。この復水が系に滞留すると運転効率が低下するため速やかに系外に排出されなければならない。また復水が存在しないときは無駄な蒸気排出を防止しなければならない。スチームトラップとは、蒸気を有効に使用するために、蒸気配管系に取り付けられて、復水が発生すると開弁し、復水排出後に閉弁して蒸気遮断する蒸気弁をいう。
【0003】
スチームトラップを使用する多くの工場、特に数千〜一万個以上のスチームトラップを保有する大型プラントでは、1〜2回/年の割合で定期的にスチームトラップの点検を実施し、不良のスチームトラップを交換する等、設備の性能維持を図っている。スチームトラップの不良は、弁部の摩耗等による蒸気漏れと弁部の詰まりによる復水滞留の2つに大別できる。
【0004】
後者は、配管中の錆や屑などの不純物が弁口に付着して詰まりを生じ、復水排出が円滑に行われなくなるもので、更に詰まりが進展すると、閉塞状態に至り復水が排出されなくなる。スチームトラップの詰まりや閉塞をチェックする方法として、一般に、熱電対やサーミスタで構成される表面温度計をスチームトラップの入口側表面に押し当てて温度を検出することがよく行われている。
【0005】
スチームトラップは、ある一定の蒸気圧力下で使用されるものであり、正常に作動しているときは、上記入口側表面温度が、その使用蒸気圧力に対する飽和蒸気温度に概ね近い値となる。逆に詰まりが生じると復水がスチームトラップの入口付近や上流側に滞留し、放熱により温度低下を生じてくるので飽和蒸気温度を大きく下回る温度値となる。
【0006】
従って、使用蒸気圧力を認知していれば、上記表面温度計で温度を検出することにより「詰まり」の有無や閉塞か否かを判断できる。しかしながら、このような目的で上記表面温度計を使用することについていくつかの問題がある。
【0007】
上記表面温度計の温度検出部は、集熱板と呼ばれる伝熱性の高い材質で作られた丸形平板とその裏側(内側)に取り付けられるサーミスタや熱電対などの温度センサで構成されるが、集熱板の集熱効率がスチームトラップの表面状態により低下する。すなわち、スチームトラップ表面の錆が進展するにつれて表面粗さが著しく大きくなり、集熱板が測定表面に密着しなくなる。この場合、ヤスリ等で測定表面を磨く必要が生じる。
【0008】
また、集熱板の加熱時間、従って測定対象物への押し当て時間がある程度必要となる(15〜30秒)。特に冬場のような低温大気中では、集熱板の放熱が大きくなり、温度を十分に採取するのに押し当て時間がさらに増大する。一般にスチームトラップの定期点検において1つのスチームトラップの診断を数秒〜10秒程度でこなさなければならない実情から、この押し当て時間は作業担当者の負担となる。
【0009】
このような問題を解決するために、特許第2954183号公報に開示されたスチームトラップの診断器がある。この診断器は、スチームトラップの表面温度と振動を検出する計測器とそれらのデータをもとにスチームトラップの診断を行い、結果を逐一記録する処理器で構成されるものであり、表面温度を検出するために計測器において赤外線温度検出器を使用している。赤外線温度検出器は、対象物体から放射される赤外線の強度を検出し、その強度に応じた電気信号を出力する非接触型センサであり、迅速さが要求されるスチームトラップの点検用ツールとしては、基本的に上記問題全てを解消する非常に有用なものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この放射温度センサを使用する上で一つの課題がある。物体が放射する赤外線の強度、即ち赤外線放射率は一般にその物質に依存し、同一温度の物体でも物質が異なれば赤外線放射率も異なる。このため、上記診断器はスチームトラップの材質や表面仕上等のいわゆる表面性状を考慮し、スチームトラップの赤外線放射率の範囲を3つに区分し、各区分を3つの感度切換スイッチで設定するようにしている。スチームトラップ点検の際、この感度切換スイッチを適切に切り換えるには、ある程度使い慣れないと難しい場合があり、不慣れな作業者にとっては切換忘れや切換ミスを犯し、結果として誤診断を招くことがあった。
【0011】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、作業者による感度切換操作を行うことなく対象物の正確な温度検出ができる赤外線温度検出器及びその赤外線温度検出器を備えたスチームトラップ検査装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1は、温度検出対象物から放出される赤外線の強度を検出する赤外線検出部と、上記温度検出対象物の表面性状に対応する複数の赤外線放射率を記憶する記憶手段と、上記赤外線検出部で検出された検出値を上記複数の赤外線放射率の各々についての温度値に換算する温度値演算手段とを備えた赤外線温度検出器において、上記温度値演算手段により換算された温度値を評価するための評価温度パラメータを入力する評価温度パラメータ入力部と、該入力された評価温度パラメータを用いて評価温度値を求め、上記温度値演算手段により得られた複数の温度値の中から上記評価温度値に基づき検出温度を決定する温度決定手段とを備えるとともに、上記温度検出対象物は一定蒸気圧力下で使用されるものであり、上記評価温度パラメータ入力部は上記使用蒸気圧力値及び使用蒸気圧力に対する飽和蒸気温度値の少なくとも一方を上記評価温度パラメータとして入力するものであることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項2は、温度検出対象物から放出される赤外線の強度を検出する赤外線検出部と、上記温度検出対象物の表面性状に対応する複数の赤外線放射率を記憶する記憶手段と、上記赤外線検出部で検出された検出値を上記複数の赤外線放射率の各々についての温度値に換算する温度値演算手段とを備えた赤外線温度検出器において、上記温度値演算手段により換算された温度値を評価するための評価温度パラメータを入力する評価温度パラメータ入力部と、該入力された評価温度パラメータを用いて評価温度値を求め、上記温度値演算手段により得られた複数の温度値の中から上記評価温度値に基づき検出温度を決定する温度決定手段とを備えるとともに、上記温度検出対象物は予め設定された温度で運転されるものであり、上記評価温度パラメータ入力部は上記予め設定された温度値を上記評価温度パラメータとして入力するものであることを特徴とするものである。
【0014】
れらの構成によれば、温度検出対象物から放出される赤外線の強度が検出され、この検出値から複数の赤外線放射率を用いて各々の赤外線放射率に対する温度値が求められる。そして、この評価温度パラメータが入力されると、上記求められた複数の温度値の中から、上記評価温度パラメータから得られる評価温度値を基に1つの温度値が検出温度として決定されるので、予め赤外線放射率を設定等しておけば、温度検出時に作業者による赤外線放射率の切換操作(感度切換操作)をその都度行うことなく対象物の温度検出がなされる。
【0015】
さらに、請求項1のように、上記温度検出対象物は一定蒸気圧力下で使用されるものであり、スチームトラップのように使用蒸気圧力が特定でき、正常に作動している場合はその圧力に対する飽和蒸気温度に近い表面温度となることが経験的に理解できるものについては、その飽和蒸気温度を温度値の目安とすることが妥当である。従って、上記評価温度パラメータ入力部は上記使用蒸気圧力値及び使用蒸気圧力に対する飽和蒸気温度値の少なくとも一方を上記評価温度パラメータとして入力するものであり、これによれば、上記評価温度パラメータの設定精度が必要とされず設定が簡単化される。
【0016】
さらに、請求項2のように、上記温度検出対象物は予め設定された温度で運転されるものであり、上記評価温度パラメータ入力部は上記予め設定された温度値を上記評価温度パラメータとして入力するものであることとすれば、温調トラップのようにバイメタル等の感温材の調整によって作動温度が設定されているものに好適である。
【0017】
さらに、請求項のように、複数の赤外線放射率を入力し、上記記憶手段に取り込ませる放射率入力部を有することとすれば、対象物の材質的特徴により、上記赤外線放射率が自由に設定又は変更されるので、検出精度の向上が図られる
【0018】
らに、請求項のように、上記温度決定手段は、上記温度値演算手段により得られた複数の温度値のうち、上記評価温度パラメータにより特定される評価温度値との差が最小となる温度値を検出温度として決定することとすれば、従来例のような感度切換ミスがなくなり、検出精度の向上が図られる。
【0019】
さらに、請求項では、上記温度決定手段は、上記温度値演算手段により得られた複数の温度値のうち、上記評価温度パラメータにより特定される評価温度値以下で、かつ該評価温度値との差が最小となる温度値が検出温度として決定される。スチームトラップのように使用蒸気圧力が特定でき、正常に作動している場合はその圧力に対する飽和蒸気温度に近い表面温度となることが経験的に理解できるものについては、その飽和蒸気温度を超えない温度値であることが妥当である。実際、スチームトラップの内部温度と表面温度の間には放熱による温度差があり、また蒸気の供給元からスチームトラップに至るまでの配管が長いと、その配管による放熱のためにスチームトラップ自身の内部温度は、使用蒸気圧力に対する飽和蒸気温度より低くなる。この請求項によれば、かかる実情に合った温度検出がなされる。
【0020】
また、請求項は、温度検出対象物としてのスチームトラップの振動レベルを検出する振動センサと、請求項1〜のいずれかに記載の赤外線温度検出器とを備えたスチームトラップ検査装置であって、少なくとも上記振動センサと上記赤外線検出部とがともに取り付けられた計測部を有することを特徴とするものである。
【0021】
この構成によれば、スチームトラップの振動レベルが検出され、スチームトラップから放出される赤外線の強度が検出され、これらの検出値から上記スチームトラップの作動状態が診断される。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るスチームトラップ検査装置を概略的に示している。この図に示すようにスチームトラップ検査装置(以下、検査装置と略す)は、作業者が検査装置本体1を携帯してプラントの配管系各所に設けられたスチームトラップを検査できるように構成されている。
【0023】
検査装置本体1は、同図に示すように計測器2と、これにケーブルを介して接続される処理器3とからなり、計測器2をスチームトラップの表面に当接させながら検査を行い、得られるデータを処理器3で処理するように構成されている。
【0024】
図2は、検査装置の構成を機能的に示している。この図に示すように、計測器2は、スチームトラップの振動レベルを検出する振動検知部10と、スチームトラップの温度を検出する温度検知部(赤外線検出部)11と、計測開始用スイッチ5(図1に示すOPキー)を有する入力部12と、計測器2を統括的に制御する第1中央処理部13とを備えており、上記振動検知部10等がこの第1中央処理部13にそれぞれ接続されている。転送部14は振動検知部10及び温度検知部11による各検出データを処理器3に転送するためのものである。バッファ15は転送前のデータを格納するものである。
【0025】
上記第1中央処理部13は、振動及び温度データの各計測時間を規制するタイマTM1、TM2、TM3と、計測開始用スイッチ5のON/OFFを判断する開始判断部13aと、タイマTM1、TM2、TM3のタイムアップ状態及びTM2が作動状態であるか否かを判断するタイマ制御部13bと、転送部14における処理器3からの受信終了状態を判断する転送判断部13cとを備えている。
【0026】
上記振動検知部10は、スチームトラップの振動検出部分となる振動プローブ101と、振動プローブ101から伝達される振動の強さに応じた電圧を発生する圧電型セラミツク素子からなる振動センサ102と、入力される信号から所望の周波数帯域分の信号を得るフィルタ103と、振動センサ102からの出力電圧を所定ゲインで増幅する増幅器104と、増幅器104の出力をA/D変換するA/D変換器105を備え、このA/D変換器105の変換値を第1中央処理部13に出力するものである。振動プローブ101は、図1に示すように、円柱状に形成された計測器2の先端に突設されている。
【0027】
上記温度検知部11は、スチームトラップの表面から放射される赤外線に反応して、その強さに応じた電荷を発生する赤外線検知型の放射温度センサ111と、この放射温度センサ111の出力電圧を所定ゲインで増幅する増幅器112と、増幅器112の出力をA/D変換するA/D変換器113と、上記放射温度センサ111近傍の空間温度を検出するサーミスタ等の周囲温度センサ114と、周囲温度センサ114からの出力をA/D変換するA/D変換器115とを備え、各A/D変換器113,115の各変換値(検出値1,検出値2)の2種類の温度データを上記第1中央処理部13に出力するものである。
【0028】
放射温度センサ111は、計測器2の先端であって上記振動プローブ101の基端部近傍に配設されており、放射温度センサ111の指向方向は振動プローブ101の先端をスチームトラップに当接している状態でスチームトラップの特定箇所の温度が検出できるように設定されている。
【0029】
一方、処理器3は、上記計測器2から転送される振動及び温度の各データを受信しつつバッファ20に格納する受信部21と、スチームトラップの点検、管理に必要な情報、後述する評価温度パラメータ等を入力するための複数のキーからなるユーザ入力部22と、診断結果等を表示するための例えば液晶表示器からなる表示部23と、ユーザ入力部22で入力された各種情報を記憶するトラップリスト記憶部24と、予め設定された複数の赤外線放射率η1,η2,η3を記憶するための複数の記憶エリアH1、H2、H3からなる放射率記憶部25と、温度データを複数の赤外線放射率η1,η2,η3の各々について温度値t1,t2,t3に変換し、変換された温度値t1,t2,t3を複数の記憶エリアT1、T2、T3に記憶させる温度値演算部26と、評価温度パラメータから評価温度値を求め、温度値演算部26により得られた複数の温度値t1,t2,t3の中から上記評価温度値に基づき検出温度tdを決定するとともに、この検出温度tdを記憶エリアTdに記憶させる温度決定部27と、検出温度tdによりスチームトラップの復水排出状態を診断する復水排出診断部28と、振動データに基づきスチームトラップの閉弁性能(シール性能)の劣化レベルを表す数値(シール性能劣化値)を求めるシール性能劣化診断部29と、処理器3を統括的に制御する第2中央処理部30とを備えており、上記受信部21等がこの第2中央処理部30にそれぞれ接続されている。
【0030】
上記中央処理部30は、表示部23におけるスチームトラップの表示状態を判断する表示判断部30aと、ユーザ入力部22における入力状態を判断する入力判断部30bと、スチームトラップのトラップリストへの登録状態を判断する登録判断部30cと、受信部21を介して計測器2から転送要求が有ったか否かを判断する転送判断部30dと、後述の変形例において機能するη入力判断部30eとを備えている。
【0031】
上記復水排出診断部28は、スチームトラップの復水排出状態を診断するための比較温度を予め記憶するメモリ28aと、この比較温度と上記検出温度tdとを比較する比較部28bとを備えている。上記メモリ28aに予め記憶される比較温度は、本実施形態では、適正温度tr1、許容温度tr2、限界温度tr3の3種類としている。このうち、適正温度tr1は、復水未滞留時のスチームトラップの温度であって使用蒸気圧力値に基づいて求められるものである。許容温度tr2は、例えば、復水が一時的に滞留した時の温度であり、使用蒸気圧力値に基づいて求められるものである。限界温度tr3は、スチームトラップが作動状態にあるときと休止状態にあるときとの境界温度である。これらの具体的な数値はスチームトラップ毎に設定される。
【0032】
上記シール性能劣化診断部29はシール性能劣化値の演算を行うとともに、求めたシール性能劣化値に基づいてシール性能をランク分けし、これらの結果を上記トラップリストに記録してトラップリスト記憶部24に格納するものである。
【0033】
また、処理器3には、点検や管理に必要な情報として、例えば、検査対象となるスチームトラップが存在するエリア名(配置場所名)、スチームトラップの識別番号(トラップNO.)、作動原理で分類されるスチームトラップのタイプ名、メーカ型式(製品名)、使用蒸気圧力(評価温度パラメータの一例)、口径等が入力され、この情報が第2中央処理部30においてスチームトラップ毎のデータとしてリスト化(以下、トラップリストという。)されてトラップリスト記憶部24に格納される。そして、処理器3に直接各スチームトラップを登録し、診断し、診断結果を逐次記録する形態としている。上記トラップリストとは、少なくともこれらの情報を持つスチームトラップ毎のデータ群をいい、その一例を図3に示した。
【0034】
以下、本発明における温度決定方法について説明する。複数の赤外線放射率は、本実施形態では、赤外線放射率の大きい順にη1,η2,η3の3種とし、予め放射率記憶部25に記憶している。例えば、赤外線放射率の値として、η1=0.95が記憶エリアH1に、η2=0.65が記憶エリアH2に、η3=0.45が記憶エリアH3にそれぞれ予め記憶されている。スチームトラップの赤外線放射率は、そのスチームトラップの材質により異なり、同種のものでも錆の有無等で経時的に変化し、また塗装材等でも異なっており、いわゆる表面性状に依存している。しかしながら、磨き処理されたステンレス等の光沢表面を除き、概ね0.95〜0.45の範囲に収まるデータが得られることが経験的に知られている。
【0035】
評価温度パラメータとしては、本実施形態では、上述の使用蒸気圧力を使用する。ユーザ入力部(評価温度パラメータ入力部として機能)22により入力された使用蒸気圧力はトラップリストに格納される。同圧力の飽和蒸気温度がtsとなり、評価温度値はαtsとなる。αはスチームトラップの内部温度と表面温度の差を補完する係数であり、1以下の値である。
【0036】
検出値1(A/D変換値)は、具体的には計測器2内部の放射温度センサ111近傍の温度データであって、周囲温度センサ114で検出されるものである。処理器3の温度値演算部26でこのデータを温度値(t0)に換算し、周囲温度として扱う。
【0037】
検出値2(A/D変換値)は、放射温度センサ111により出力される、計測器2内部の同センサ近傍の温度と測定対象物の温度との差分値を意味する。処理器3の温度値演算部26はこのデータを温度値に換算してt0を加えてt1、t2、t3とし、換算された温度値t1は記憶エリアT1に、温度値t2は記憶エリアT2に、温度値t3は記憶エリアT3にそれぞれ記憶される。温度決定部27における検出温度tdの決定は、ここでは以下のように行い、決定された検出温度tdは記憶エリアTdに記憶される。また温調トラップの場合の検出温度tdの決定については記述していないが、同様の方法となる。
【0038】
赤外線放射率と入力温度データから温度値を求める演算式は、基本的に下記のステファン−ボルツマンの法則式(放射エネルギは、絶対温度の4乗に比例)に従う。
【0039】
P=ησT
P:放射エネルギ
T:絶対温度
η:エネルギ放射率
σ:ステファン−ボルツマン定数
本実施形態においては赤外線センサとしてサーモパイルを使用しているため、基準接点温度を考慮した下記の式をベースとしている。
【0040】
P=ησT−σT0
T0:基準接点温度(周囲温度)
次に、上記検査装置本体1によるスチームトラップの具体的な検査手順と検査装置本体1の動作について図4〜図6のフローチャートを用いて説明する。
【0041】
検査の事前準備として、作業者は予め処理器3にトラップリストを記憶させておく。検査は、検査装置本体1とスチームトラップの位置を記した配管図面又は配置図面等を作業者が携帯して作業にあたる。
【0042】
まず、作業者は、処理器3のユーザ入力部22を操作して表示部23に検査するスチームトラップのエリア名及びスチームトラップの識別番号を表示させ、計測器2を把持して振動プローブ101をスチームトラップの表面に当接させてから計測開始用スイッチ5(12)を操作して計測を開始する。
【0043】
計測器2では、図4に示すように、まず開始判断部13aにより計測開始用スイッチ5(OPキー)が押されたか否かを判断する(ステップS1)。
【0044】
ステップS1において、計測開始用スイッチ5(OPキー)が押されると、第1中央処理部13内のタイマTM1,TM2,TM3をそれぞれセットする(ステップS2)。ここで、タイマTM1は振動データの検出時間ピッチ、タイマTM2は温度検出時間、タイマTM3は基準検査時間であり、本実施形態では、TM1=0.5秒、TM2=4秒、TM3=10秒に設定される。
【0045】
そして、ステップS3でタイマ制御部13bによりタイマTM1がタイムアップしたか否かを判断し、ここでYESと判断した場合には振動データをバッファ15に格納して再びタイマTM1をセットする(ステップS3〜S5)。
【0046】
次いで、タイマ制御部13bによりタイマTM2が作動中か否かを判断し(ステップS6)、YESと判断した場合にはステップS7に移行して、タイマ制御部13bによりタイマTM2がタイムアップしたか否かを判断する。ここで、YESと判断した場合には、タイマTM2をクリアし、検出値1,検出値2をバッファ15に格納して(ステップS8,S9)、ステップS10に移行する。
【0047】
なお、ステップS7において、NOと判断した場合にはステップS3に移行する。また、ステップS6において、NOと判断した場合にはタイマ制御部13bによりタイマTM3がタイムアップしたか否かを判断し(ステップS10)、ここでNOと判断した場合にはステップS3に移行する。
【0048】
一方、ステップS10において、YESと判断した場合にはタイマTM1,TM3をクリアし(ステップS11)、転送判断部13cにより転送部14を介して処理器3に対してデータの転送要求信号を出力した後、バッファ15に格納したデータを処理器3に転送する(ステップS12,S13)。そして、転送判断部13cにより該データの受信終了信号が計測器2に入力されたと判断されると(ステップS14)、ステップS1に移行して待機状態に入る。
【0049】
すなわち、上記計測器2では、0.5秒間隔でスチームトラップの振動を検出することにより10秒間で20個のデータを検出することを基本とし、計測開始から4秒たった時点でスチームトラップの温度を検出する。
【0050】
上記のような計測器2の動作に対し、処理器3においては、図5及び図6に示すように、まず、表示判断部30aにより検査対象となるスチームトラップのエリア名及びスチームトラップの識別番号が表示部23に表示されているか否かを判断する(ステップS21)。ここで、NOと判断した場合には、入力要求、すなわちユーザ入力部22によるエリア名等の入力待ち状態となり、入力判断部30bにより検査対象となるスチームトラップのエリア名及びスチームトラップの識別番号の入力があったか否かを判断する(ステップS22,S23)。なお、ステップS22でNOと判断した場合にはステップS21に移行する。
【0051】
そして、ステップS23でYESと判断した場合には、登録判断部30cにより処理器3に格納されているトラップリスト内に、該当するスチームトラップが存在するか否かを判断し、該当するものがある場合には、該スチームトラップのエリア名及びスチームトラップの識別番号を表示部23に表示してステップS21に移行する(ステップS24,25)。なお、ステップS23でNOと判断した場合にはステップS22に移行する。
【0052】
ステップS24において、該当するスチームトラップがトラップリスト内にないと判断した場合には、入力判断部30bにより新規登録の入力要求があったか否かを判断し、ここでNOと判断した場合にはステップS21に移行する(ステップS26)。一方、YESと判断した場合には、入力判断部30bによりスチームトラップのタイプ名、メーカ型式(製品名)および使用蒸気圧力等の情報が入力されたか否かを順次判断し(ステップS27,S28)、これらの情報が入力されたと判断すると該スチームトラップのトラップリストを新規に作成してトラップリスト記憶部24に格納するとともに、該スチームトラップのエリア名及びスチームトラップの識別番号を表示部23に表示してステップS21に移行する(ステップS29,S30)。
【0053】
一方、表示判断部30aによりステップS21において検査対象となるスチームトラップのエリア名及びスチームトラップの識別番号が表示部23に表示されていると判断した場合には、転送判断部30dにより計測器2から振動及び温度データの転送要求があるか否かを判断し、YESと判断した場合には、計測器2からのデータを受信してバッファ20に格納するとともに、計測器2に対して受信終了信号を出力する(ステップS31〜S33)。なお、ステップS31においてNOと判断した場合には、ステップS22に移行する。
【0054】
ついで、処理器3の温度値演算部26により検出値1から温度値t0を算出する(ステップS34)。温度値t0と検出値2及び赤外線放射率η1から温度値t1を算出する(ステップS35)、温度値t0と検出値2及び赤外線放射率η2から温度値t2を算出し(ステップS36)、温度値t0と検出値2及び赤外線放射率η3から温度値t3を算出する(ステップS37)。
【0055】
ついで、温度決定部27により使用蒸気圧力に対する飽和蒸気温度tsをトラップリストから読み出し、評価温度値αtsを求め(ステップS38)、温度値t1を記憶エリアTdに格納する(ステップS39)。温度値t2と評価温度値αtsとを比較し、温度値t2が評価温度値αtsよりも小さいときは、温度値t2を記憶エリアTdに上書きして格納する(ステップS40,S41)。温度値t3と評価温度値αtsとを比較し、温度値t3が評価温度値αtsよりも小さいときは、温度値t3を記憶エリアTdにさらに上書きして格納する(ステップS42,S43)。一方、温度値t2が評価温度値αtsよりも大きいとき、あるいは温度値t3が評価温度値αtsよりも大きいときには、そのままステップS44に移行する。
【0056】
そして、記憶エリアTdに格納した検出温度を復水排出診断部28に読み出して復水排出状態を診断する(ステップS44)。次いで、診断結果を得られたか否か、すなわち復水排出状態について後述するように「正常」、「排出不良」及び「休止又は閉塞」のうちいずれか一つの結果を得ることができたか否かを判断し、得られた場合にはその結果を表示部23に表示するとともにトラップリストに記録し、その後ステップS21に移行する(ステップS45、S47、S48)。
【0057】
一方、ステップS45において診断結果が得られない場合には、バッファ20に格納したデータのうち振動データをシール性能劣化診断部29に読み出してシール性能劣化値を求める(ステップS46)。そして、スチームトラップの劣化のランク・レベルを表示部23に表示するとともにトラップリストに記録してステップS21に移行する(ステップS47、S48)。
【0058】
ここで、上記図6におけるステップS44について図7のフローチャートを用いて説明する。
【0059】
スチームトラップの検査では、まず、振動及び温度の各検出データのうち温度データを用いてスチームトラップの復水排出状態を診断する。診断方法は、スチームトラップの弁作動原理によるタイプによって多少異なるが、ここでは、サーモスタティック型のスチームトラップの診断方法を例に説明する。
【0060】
まず、ステップS101において、復水排出診断部28の比較部28bにより検出温度tdが予め設定されてメモリ28aに記憶されている適正温度tr1以上か否かを判断する。ここで、YESの場合には、少なくも復水の排出は正常に行われていると判断してリターンする。NOの場合には、ステップS102に移行し、比較部28bにより検出温度tdがメモリ28aに記憶されている許容温度tr2(tr1>tr2)以上か否かを判断する。
【0061】
ここで、YESの場合には、スチームトラップは正常、すなわち復水の排出状態およびシール性能のいずれも良好であると判断する。すなわち、検出温度tdが適正温度tr1未満で、かつ許容温度tr2以上となるのは、上述のように復水が正常に滞留した場合であり、しかもこれはスチームトラップに漏れが生じていないことを意味している。そのため、シール性能を調べる処理を行うことなくスチームトラップは「正常」であると評価し(ステップS103)、リターンする。
【0062】
ステップS102においてNOの場合には、ステップS104に移行し、比較部28bにより検出温度tdがメモリ28aに予め記憶されている限界温度tr3(tr2>tr3)以上か否かを判断する。ここで、YESの場合には、スチームトラップに復水が多量滞留している、つまり「排出不良」であると評価する(ステップS105)。また、NOの場合にはスチームトラップが「休止又は閉塞」と評価する(ステップS106)。すなわち、スチームトラップが閉塞状態にある場合も検出温度tdが許容温度tr3未満となるケースが多く休止と閉塞の区別がつかない。そのため、この場合には、「休止又は閉塞」と評価する。
【0063】
このように、上記検査装置本体1を用いたスチームトラップの検査においては、作業者がユーザ入力部22を操作して対象となるスチームトラップの識別番号等を表示部23に表示させ、この状態で計測器2をスチームトラップの表面に当接させることにより、スチームトラップの温度検出、復水排出状態の評価、シール性能のランク等が自動的に表示部23に表示されるとともに、温度検出値、シール性能劣化値や上記評価、ランク等がトラップリストに記録されてトラップリスト記憶部24に記憶されることとなる。
【0064】
検出温度値について、例えば上記図3に示したトラップリストのスチームトラップが、放射率η1=0.95のときに100℃であったとすれば、η2=0.65で125℃、η3=0.45で150℃となる。評価温度値αtsのαを0.9とすれば、使用蒸気圧力0.5MPaに対する飽和蒸気温度は158℃なので、評価温度値αtsは142℃となる。従って、請求項の温度決定手段によれば検出温度tdは150℃、請求項の温度決定手段によれば検出温度tdは125℃となる。
【0065】
以上説明したように、上記本発明のスチームトラップの検査装置によると、検査時には、検査装置本体1を携帯し、計測器2をスチームトラップに当接させた状態で計測開始用スイッチ5を操作すれば、自動的に該スチームトラップの温度検出値、復水排出状態の評価、シール性能劣化値、あるいはシール性能のランク等が求められ、処理器3の表示部23にそれらが表示される。そのため、極めて簡単な作業でスチームトラップの温度検出と状態の評価を行うことができる。その際、本発明では、作業者による放射率の切換による感度切換を行うことがない。したがって、上記温度検出等が簡単になり、かつ、感度切換ミス等による誤診断を防止できる。なお、計測開始用スイッチ5は、計測器2をスチームトラップに当接したことを検出して自動的に検査動作の開始を行わせる機械的スイッチであってもよい。
【0066】
なお、上記実施形態では、計測器2で検出された放射温度データを基にステファン−ボルツマンの式を用いて温度値を求めているが、検出されたレベル値をそのまま用いて、計算結果を予め取り込んだLUT(ルックアップテーブル)を利用するようにしてもよい。この場合、テーブル内の各値は、実験した結果等から決定するようにしたものでもよい。また、評価温度値αtsの係数αは、1以下に限定されるものではなく、さらに必要により差分値tcを付加して、αts−tcの形式を持ってもよい。
【0067】
(変形例)
上記実施形態では、赤外線放射率を3種類予め記憶しておいたが、ここでは放射率入力部となるユーザ入力部22から任意の値を入力することとしてもよい。その場合、図2において、第2中央処理部30のη入力判断部30eが機能するが、その機能は図8のような入力フローにおいて発揮されることとなる。この入力フローは上記実施形態の図5のフローにおけるステップS24において「NO」と判断された場合(即ち、新規トラップである。)に適用することとすればよい。
【0068】
図8において、まずη入力判断部30eにより赤外線放射率の入力があるか否かが判断され(ステップS201)、入力なしと判断されたときは、そのまま例えば図5のステップS26にリターンするが、入力ありと判断されたときは、η1が入力されたかが判断される(ステップS202)。そして、η入力判断部30eによりη1が入力されたと判断されたときは、η1を記憶エリアH1に格納し(ステップS203)、入力されなかったと判断されたときは、そのままステップS204に移行する。
【0069】
ついで、η入力判断部30eによりη2が入力されたかが判断される(ステップS204)。そして、η2が入力されたと判断されたときは、η2を記憶エリアH2に格納し(ステップS205)、入力されなかったと判断されたときは、そのままステップS206に移行する。
【0070】
ついで、η入力判断部30eによりη3が入力されたかが判断される(ステップS206)。そして、η3が入力されたと判断されたときは、η3を記憶エリアH3に格納し(ステップS207)、入力されなかったと判断されたときは、そのままリターンする。
【0071】
このように、ユーザ入力部22から複数の赤外線放射率を入力し、上記温度値演算部26は上記温度検知部11による検出値を、上記入力された複数の赤外線放射率についてそれぞれ温度値に換算するものであるものとすれば、対象物の材質的特徴により、上記赤外線放射率が自由に設定又は変更されるので、検出精度のさらなる向上を図ることができる。
【0072】
また、上記実施形態及び変形例では、赤外線放射率を3種類だけ設定あるいは入力しているが、2種類あるいは4種類以上の赤外線放射率を設定等することとしてもよいのはもちろんである。その場合には、赤外線放射率の種類数に応じて、放射率記憶部25の記憶エリア数や温度値演算部26の記憶エリア数が用意される。
【0073】
また、上記実施形態では、スチームトラップ検査装置に赤外線温度検出器を用いた場合を説明したが、この赤外線温度検出器の適用範囲はこれに限らず、例えば熱間圧延材等の非接触での温度検出が好ましいあらゆる分野に適用できる。
【0074】
【発明の効果】
本発明の請求項1,2によれば、作業者による放射率の切換による感度切換を行うことがない。したがって、温度検出が簡単になる。
【0075】
さらに、請求項1によれば、評価温度パラメータの設定を簡単化できる。
【0076】
さらに、請求項2によれば、評価温度パラメータの設定を簡単化できる。この請求項2は、さらに、温調トラップのようにバイメタル等の感温材の調整によって作動温度が設定されているものに好適である。
【0077】
さらに、請求項によれば、対象物の材質的特徴により、上記赤外線放射率が自由に設定又は変更されるので、検出精度を向上させることができる
【0078】
らに、請求項によれば、検出温度の精度を一層向上させることができる。
【0079】
さらに、請求項によれば、検出温度の精度をより実情に近いものとすることができる。
【0080】
また、請求項のスチームトラップ検査装置によれば、温度検出が簡単になり、かつ、感度切換ミス等による誤診断を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスチームトラップの検査装置を示す斜視概略図である。
【図2】 上記検査装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】 トラップリストの一例を示す図である。
【図4】 検査時の計測器の全体動作を説明するフローチャートである。
【図5】 検査時の処理器の全体動作を説明するフローチャートである。
【図6】 検査時の処理器の全体動作を説明するフローチャートである。
【図7】 検査時の処理器の復水排出診断を説明するフローチャートである。
【図8】 変形例における検査時の処理器のη入力モードでの動作を説明するフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 検査装置本体
2 計測器(計測部)
3 処理器
10 振動検知部
11 温度検知部(赤外線検出部)
111 放射温度センサ
112 増幅器
113 A/D変換器
114 周囲温度センサ
115 A/D変換器
12 入力部
13 第1中央処理部
14 転送部
15 バッファ
20 受信部
21 バッファ
22 ユーザ入力部(評価温度パラメータ入力部、放射率入力部)
23 表示部
24 トラップリスト記憶部
25 放射率記憶部(記憶手段)
26 温度値演算部(温度値演算手段)
27 温度決定部(温度決定手段)
28 復水排出診断部
29 シール性能劣化診断部
30 第2中央処理部

Claims (6)

  1. 温度検出対象物から放出される赤外線の強度を検出する赤外線検出部と、上記温度検出対象物の表面性状に対応する複数の赤外線放射率を記憶する記憶手段と、上記赤外線検出部で検出された検出値を上記複数の赤外線放射率の各々についての温度値に換算する温度値演算手段とを備えた赤外線温度検出器において、
    上記温度値演算手段により換算された温度値を評価するための評価温度パラメータを入力する評価温度パラメータ入力部と、該入力された評価温度パラメータを用いて評価温度値を求め、上記温度値演算手段により得られた複数の温度値の中から上記評価温度値に基づき検出温度を決定する温度決定手段とを備えるとともに、
    上記温度検出対象物は一定蒸気圧力下で使用されるものであり、上記評価温度パラメータ入力部は上記使用蒸気圧力値及び使用蒸気圧力に対する飽和蒸気温度値の少なくとも一方を上記評価温度パラメータとして入力するものであることを特徴とする赤外線温度検出器。
  2. 温度検出対象物から放出される赤外線の強度を検出する赤外線検出部と、上記温度検出対象物の表面性状に対応する複数の赤外線放射率を記憶する記憶手段と、上記赤外線検出部で検出された検出値を上記複数の赤外線放射率の各々についての温度値に換算する温度値演算手段とを備えた赤外線温度検出器において、
    上記温度値演算手段により換算された温度値を評価するための評価温度パラメータを入力する評価温度パラメータ入力部と、該入力された評価温度パラメータを用いて評価温度値を求め、上記温度値演算手段により得られた複数の温度値の中から上記評価温度値に基づき検出温度を決定する温度決定手段とを備えるとともに、
    上記温度検出対象物は予め設定された温度で運転されるものであり、上記評価温度パラメータ入力部は上記予め設定された温度値を上記評価温度パラメータとして入力するものであることを特徴とする赤外線温度検出器。
  3. 複数の赤外線放射率を入力し、上記記憶手段に取り込ませる放射率入力部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の赤外線温度検出器。
  4. 上記温度決定手段は、上記温度値演算手段により得られた複数の温度値のうち、上記評価温度パラメータにより特定される評価温度値との差が最小となる温度値を検出温度として決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の赤外線温度検出器。
  5. 上記温度決定手段は、上記温度値演算手段により得られた複数の温度値のうち、上記評価温度パラメータにより特定される評価温度値以下で、かつ該評価温度値との差が最小となる温度値を検出温度として決定することを特徴とする請求項1記載の赤外線温度検出器。
  6. 温度検出対象物としてのスチームトラップの振動レベルを検出する振動センサと、請求項1〜5のいずれかに記載の赤外線温度検出器とを備えたスチームトラップ検査装置であって、少なくとも上記振動センサと上記赤外線検出部とがともに取り付けられた計測部を有することを特徴とするスチームトラップ検査装置。
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