JP3706574B2 - 排水の脱窒処理方法及び処理装置 - Google Patents

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    • Y02W10/40Valorisation of by-products of wastewater, sewage or sludge processing

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微生物を含有する排水(廃水)に2種以上のガスを供給して、微生物の作用により排水に含まれる窒素化合物を除去する技術に関する。更に詳しくは、かかる処理において、被処理排液に供給するガスのいくつかは、その液体への溶解度が低く、反応中に供給されたガスの一部が吸収されずに排出される場合に、そのガスを他のガスと混合されないように分離回収する技術と、回収できたガスを再度利用(再供給)することを可能ならしめる技術とに関する。
【0002】
具体的には、被処理物が排水であって、微生物を利用して排水中の窒素を除去する技術であって、メタンガスを電子供与体とするメタンを利用した産業排水の脱窒処理において、可燃性のメタンガスと酸素含有ガスとが混合しないように回収処理できる処理方法及び装置に係る。
【0003】
【従来の技術】
一般家庭からの生活雑排水(下水)、畜舎汚水など様々な汚水中に含まれる窒素化合物は河川や湖沼において富栄養化の原因になるため、汚水処理の過程でこれらを除去する必要があり、種々な窒素除去処理法が提案され、また開発されている。
【0004】
微生物を利用した窒素除去においては、以下の反応を基本として、汚水中の窒素化合物(アンモニア態であることが多い)を除去する。
(1)硝化細菌による反応
NH (アンモニア)+O(酸素)→ NO (亜硝酸)、NO (硝酸)
活性汚泥を利用するこの方法は下水処理施設などで広く実用化されている。
(2)脱窒細菌による反応
NO (亜硝酸)、NO (硝酸)+CHOHなどの電子供与体 → N(窒素ガス)+CO(二酸化炭素)
上記の微生物による嫌気(無酸素)条件下での脱窒細菌による脱窒作用において、電子供与体としてメタンガスを用いることが提案されている(Costa et al.,2000)。嫌気性汚水処理過程や埋立地などから発生するメタンガスを利用できれば、極めて合理的である。
【0005】
現在研究段階であるものの、このメタンを利用した脱窒処理は、
i メタン酸化細菌の存在下
CH(メタン)+O(酸素)→ CHCOOH(酢酸)などの電子供与体
ii 脱窒細菌の存在下
NO (亜硝酸)、NO (硝酸)+CHCOOH(酢酸)などの電子供与体
→ N(窒素ガス)+CO (二酸化炭素)
の反応により行われる。
この反応のためには汚水の入ったリアクタ(処理槽)にメタンガスと酸素ガスを同時に供給しなければならない。その供給方式は、メタンと空気とを混合した混合ガスを活性汚泥方式のリアクタに通気する方法である(F.Thalasso et al.,1997)。また、活性汚泥方式、散水濾床方式、流動床方式にメタンと空気とを混合した混合ガスを通気する方法(M.Werner and R.Kayser,1991)、充填材の入ったカラムにメタンと空気とを別々に通気する方法(Rajapakse and Scutt,1999)などが提案されている。
【0006】
これらの提案に共通する問題点は、メタンと酸素とはリアクタ内で混合し、排気ガス双方の成分が含まれていることである。しかも、メタンガスと酸素ガスとは共に水に対する溶解度が低いため、通気したガスの殆どが水に溶けることなく、排気される。混合されたガスを再通気して再利用することは勿論可能であるが、既に混合されているため両者のガスの汚水(被処理排水)中に溶けている濃度を制御することは困難である。
【0007】
さらに、付言すると、混合ガスはその組成如何では爆発し易い危険物である。また、メタンガスは温暖化効果が大であるため、これを高濃度に含むガスを大気中に放出することは環境問題を孕むこととなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、Rajapakse Scutt、 . halasso ら、M . erner とR . ayser などによる従来の通気方法では、メタンと酸素とが混合してしまうため、リアクタを通過した混合ガスを再利用することは困難である。そこで、本発明者らは、排水にメタンガス及び酸素ガスを溶解させるものの、コンタミネーションが生じないように制御して、メタンガスと酸素ガスとを別々に回収して再利用も可能な方法及び装置を開発することに成功し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明はこのような従来技術の問題点を改善したものであって、排水の窒素除去を従来の技術と同等以上に維持しながら、メタンガス及び酸素ガスを巡回させたリアクタに通気したり、回収したメタンガスを燃料として利用することが可能な、効率と経済性とを兼ねた排水の脱窒処理方法及び装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の方法は、窒素化合物を含む排水を処理槽に導入し、該処理槽中の排水にメタン含有ガス及び酸素含有ガスを通気して、微生物の作用により排水の脱窒処理を行う方法において、該処理槽内を1枚又は2枚以上の仕切板によって縦方向に2室又は3室以上に区分し、各仕切板を上端が該処理槽の天蓋に密接しかつ下方に延在して下端が槽中の排水中にまで及ぶが槽底部には達することがないように設け、該処理槽内の仕切板で区分された1つ以上室の下方からメタン含有ガスを、他の室の下方から酸素含有ガスを、それぞれ別々に該処理槽内に供給し、該処理槽の天蓋又はその周辺に設けたガス回収手段から排水中に溶解しなかったガスを各室ごとに回収するとともに、処理した排水を該処理槽の酸素含有ガス通気側の液面付近から槽外に導出することを特徴とする排水の脱窒処理方法に係るものであり、かくして、排水に通気した後における該メタン含有ガスと前記酸素含有ガスとが実質的に混合することなく、それぞれ別に回収することが可能となり、かつ処理槽から導出される処理済排水中に溶存するメタンの量を抑えることを可能にしたものである。
【0011】
前述の本発明の方法において、メタン含有ガスがメタンと二酸化炭素からなるガスであり、酸素含有ガスが空気であるのが実用的である。前記メタン含有ガスは、処理槽から回収時のメタン濃度が処理槽への供給時よりも高められた燃料として有用なガスとして回収される。本発明の方法では、回収したガスを再使用し、ガスを巡回させて処理槽に通気することも可能で、この点も本発明の利点の 1 つである。
また、本発明の方法を実施するにあたり、メタン濃度60%のメタン含有ガス/空気の通気量の割合を毎分300mL/300mL〜167mL/500mLとすることで有意な窒素除去能が得られる。さらに、前記60%メタン含有ガス/空気の通気量の割合を167mL/500mL、すなわち、メタンと酸素との通気量の割合を1/1となるよう調整することで、処理槽から導出される液中に溶存するメタンの量を抑えることもできる。
【0012】
一方、本発明の装置は、前述の方法を実施するためのものであって、窒素化合物を含む排水を処理槽に導入し、該槽中の排液にメタン含有ガスと酸素含有ガスとを通気し、該処理槽内で微生物を利用して前記排水の脱窒素処理を行う装置において、該処理槽内を1枚又は2枚以上の仕切板によって縦方向に2室又は3室以上に区分し、かつ前記仕切板の上端が槽天蓋に密接しかつ下方に延在する前記仕切板の下端が槽中の排水中にまで及ぶが槽底部には達することがないように設け、該処理槽の1つ以上の室の下方にメタン含有ガス供給手段を、他の室の下方に酸素含有ガス供給手段をそれぞれ設けるとともに、該処理槽天蓋又はその周辺にメタン含有ガス回収手段及び酸素含有ガス回収手段を設け、さらに、処理排水の導出口を酸素含有ガス通気側の液面付近に設けたことを特徴とする排水の脱窒素処理装置である。
【0013】
この装置は、前記の1枚の仕切板と、1組のメタン含有ガスの供給手段及び回収手段と、1組の酸素含有ガスの供給手段及び回収手段とを備えた処理槽を排水処理における1構造単位し、これらの複数の構造単位が集積されてたものであってもよい。
【0014】
そして、本発明による排水の脱窒処理方法及び装置では排水中に供給したメタンガスは溶解し、溶解したメタンは微生物反応を経て脱窒が行われる際、電子供与体として機能する。微生物反応には酸素が不可欠であるがこの酸素ガスも排水中に溶出しているため、この微生物反応に支障がない。しかも、仕切板が介在しているので、供給したメタンガスや酸素ガスのうち、排水に溶けなかったこれらのガスはそのまま排水を抜けて、処理槽における上部空間のそれぞれの室を経て各ガス回収手段により回収される。つまり、排水中において適切な長さの仕切板が設けられていると、メタンガスと酸素含有ガスとが実質的に混合することなく、それぞれ別に回収することができる。
【0015】
脱窒処理手段として、処理槽における上部空間となる、メタンが充満している区画された1室と、酸素を含む他の1室と、仕切板と、メタン含有ガスの供給・回収手段と、酸素含有ガス(空気)の供給・回収手段とを構成単位として、これらを集積すると処理容量の大きな排水処理装置を造ることができる。
【0016】
すなわち、本発明の装置にあっては、1枚の仕切板と、1組のメタン含有ガスの供給手段及び回収手段と、1組の酸素含有ガスの供給手段及び回収手段とを備えた処理槽を、排水処理における1構造単位とするとき、複数の構造単位が集積された処理装置とすることも出来る。大量に処理する場合には前記構造単位をユニットとして、複数のユニットを連結すればよい
【0017】
本発明の方法及び装置では、メタン酸化細菌の如き微生物を含む排水からなる被処理物の導出口(排水口)を酸素含有ガス通気側の水面付近の排水中に設ける点に特徴を有する。
【0018】
また、本発明の方法及び装置において、メタン含有ガスと空気との通気量の割合を、後述の実施例(表2、表3)に示すように、メタンガスと酸素ガスとの通気量の割合を、1/1とすることで、一定酸素通気量において十分高い窒素除去能を保持しながら、処理済排水中に溶存するメタンの量をより効果的に抑えることができる。
【0019】
さらに、本発明の方法及び装置では、メタン含有ガス通気側から排出されるガスは、メタン含有率が高いので、これをボイラーの燃料等に使用することも出来る。一方、酸素含有ガス(空気)側から排出されるガスは、メタン含有率が低く、爆発の危険が小さい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方法及び装置の実施形態を示す図面に基づき、本発明について詳細に説明する。図1は、1枚の仕切板からなる簡潔な処理槽を有し、該槽における上部空間となるガスA(メタン含有ガス)が充満している区画された1室と、ガスB(酸素含有ガス)を含む上部空間の他の1室と、前記仕切板と、メタン含有ガスの供給・回収手段と、酸素含有ガス(空気)の供給・回収手段とを構成単位とする処理装置の模式的側面図である。
【0021】
図1において、処理槽10は、底面12、側壁14及び天蓋16から構成されている。処理槽10の本体は縦型円筒状でも縦型直方体状でも構わない。側方に集積する場合には処理槽の横断面は四角形、六角形等の隙間のない形状の槽とすることが好ましい。
【0022】
仕切板20は、処理槽10の天蓋16に密接し、この位置から下方に伸び、上端は天蓋16の位置、下端は排水に潜っているものの、底部には届いていない位置にある。この仕切板20によって、上部空間はメタン含有ガスが充満し得るメタン室30と酸素含有ガス(例えば空気)が充満し得る酸素室40とに区画されている。また、処理槽10の下部は仕切られておらず、適当量の排水50が被処理排水流入手段52から導入される。
【0023】
メタン室30には排水中にメタンガス通気管32を介してメタン含有ガスが供給される。メタン室30の上方付近又は天蓋16にはメタンガスの回収手段36が設けられている。メタンガス通気管32から排水中にメタンが放出されると、メタンの気泡34が形成されつつ上方に気泡は上昇し、メタン室30に流れ込む。一部のメタンガスは排水50に溶解する。
【0024】
同様に、酸素室40にも排水中に酸素含有ガスが通気管42を介して供給される。酸素室40の上方付近又は天蓋16には酸素含有ガスの回収手段46が設けられている。通気管42から排水中に酸素が放出されると、気泡44が形成されつつ上方に気泡は上昇する。
【0025】
本発明では、処理槽10中に仕切板20があるので、メタンガスと酸素とが混合することがない。メタンガス及び酸素の供給量の多寡に応じて、仕切板の排水中に設ける長さ(水中での深さ)を適宜変えるとよい。実際に仕切板20の長さをスライドさせて調節できる機能を備えるとよい。槽内の排水50は流出手段54を使って排出する。処理済排水中の溶存メタン濃度を低く抑えるために、この際流出手段54は酸素室40側に設置するとよい。また、液中でのガスの流れに影響を与えない程度で若干の攪拌をもたらす手段を槽の底部に設けることができる。
【0026】
【実施例】
<実施例1>
底面30cm×10cm、高さ40cm、天蓋があり、また上部中央に15cm×10cmの仕切が設けられた図1の装置を用いて以下の実験を行った。装置上部には仕切の左右それぞれにガスを排出するための管と液体を排出するための管とがある。
【0027】
200mgN/LのNO −Nを含むものの電子供与体となる有機物を含まない合成排水9L(リットル)と畜舎汚水処理用のラグーン由来の汚泥を投入した。これらの排水と汚泥とを投入すると、液相は装置の上部の仕切板に達するため、装置内の気相部分はこの仕切板によって2室に区画される。合成排水はHRTが3日となるように流入・流出させ、汚泥はSVが1540%となるように返送させた。流出水中のNO −N濃度と排出ガス中のメタン及び酸素の濃度を測定した。
【0028】
装置の底部から、空気又はメタンと二酸化炭素とを60:40の割合で含むガス(以下、メタン含有ガスと云う。)をそれぞれ300ml/minの流量において装置上部の各室に向けて、仕切板の左右から同時に通気した。また、比較のため、これら2種のガス(メタン含有ガスと空気と)を等量の条件で混合したものを300ml/minづつ装置底部の左右から通気した。
【0029】
メタン含有ガスと空気とを別々に通気したときの流出水のNO −N濃度は左右の流出管の間では差がなく、その値は86〜188mgN/Lであった。このことより、脱窒が起こって、窒素が除去されたことが判る。また、その値は2種類のガスを混合してから通気した場合の流出水のNO ―N濃度(99〜121mgN/L)と同等であり、遜色なく窒素が除去できていることが判った(表1参照)
【0030】
メタン含有ガスと空気とを別々に通気したときの仕切板で区画された空間(気相部分)からの排出ガスは、メタン含有ガスを通気した側では酸素の割合は2%以下、メタンの割合は68〜71%であった(表1参照)。このことから、メタン含有ガスを通気した側の排気ガスは酸素を殆ど含まず、再通気やボイラーでの燃料に適すると云える。更に排出ガス中のメタン濃度は、供給メタン含有ガスにおけるメタン濃度60%よりも高くなっており、本装置を通過することにより、メタン濃度が高まり、ボイラーで燃焼させる場合には、燃焼効率が良くなると云える。また空気を通気した側では排出ガス中のメタン濃度は4%以下であった。このように、空気を通気した側の排気ガスはメタンの含有率が低く、爆発の危険性(空気中に混入したメタンの爆発範囲は5〜15%)もない。
【0031】
【表1】
Figure 0003706574
【0032】
<実施例2>
実施例1の操作において通気する気体の流量のみを変化させた。気体の流量においてメタン含有ガスは300ml/minのままで、空気流量を300ml/min、400ml/min及び500ml/minと変化させ、最後に空気は500ml/minのままで、メタン含有ガスを167mlとした。この最後の、空気500ml/minでメタン含有ガス167ml / minとしたケースでは、メタン含有ガス中のメタン濃度が60%、空気中の酸素濃度が21%であることから、メタンガスと酸素ガスの供給比は1/1(容量比)となる。このような条件では、空気500ml/minでメタン含有ガス300ml / minの場合と比較して、遜色ない窒素除去を行いながら、処理済排水中に溶存するメタンの量をより効果的に抑えることができる。
【0033】
このとき、装置上部の仕切板の左右からそれぞれ流出する処理済排水中の溶存メタンの濃度も測定した。
【0034】
空気の流量を300ml/minから500ml/minまで上昇させることにより流出液中のNO −N濃度が下がり、500ml/minの条件で28〜34mgN/Lまで降下することが判る(表2参照)。
【0035】
【表2】
Figure 0003706574
【0036】
また空気は500ml/minのままで、メタン含有ガスを167ml/minまで抑えた場合の流出液中のNO ―N濃度は21〜22mgN/Lであり、メタン含有ガス量が300ml/minの場合に較べて遜色なく窒素が除去できることが判った。
【0037】
この実験例における装置からの排出ガスは、メタン含有ガスを通気した側では酸素の割合は2%以下で、メタンの割合は66〜74%であって、どのような通気条件においても大差ないと云える。空気を通した側でもメタンの割合は3%以下であり、通気量による差異は見られなかった(表3参照)。このことから、この実施例の通気条件においてもメタン含有ガスを通気した側の排気(回収)ガスは酸素を殆ど含まず、メタンの割合が高い。したがって、再通気やボイラーでの燃焼に適すると云える。空気を通気した側の排気ガスはメタン含有率が低く、爆発の危険性は薄いと云えよう。
【0038】
【表3】
Figure 0003706574
【0039】
一方、処理済排水 ( 流出水 )中の溶存メタン濃度は、メタン含有ガス側の方が空気側の方よりも高い値であった(表2参照)。また、メタン含有ガスの通気量は300ml/minの場合よりも167ml/minの方が低い溶存メタン濃度を呈する。したがって、装置からの流出水は空気を通気する側から流出させた方が流出水中の溶存メタンの濃度を低く抑えることができ、しかも空気通気量が500ml/minの場合、通気するメタン含有ガスは167ml/minまで低下させても、窒素除去能は変わらないままで、流出する排水中の溶存メタン濃度をさらに抑えることが可能であることが確認された
【0040】
【発明の効果】
本発明の脱窒処理方法及び装置は、被処理排水脱窒処理する際(すなわち、排水にメタンガス及び酸素ガスを溶解させる)、コンタミネーションが生じないようにガスA及びガスBを制御して、排水を通過した両者のガスを別々に回収することができるものである。したがって、例えば排水の窒素除去を従来の技術と同等以上に維持しながら、メタンガス及び酸素ガスを混合しないように回収し、かつメタン濃度の高められたガスが回収されるので、回収したメタン含有ガスを燃料に使用することができ、また、要すれば、両ガスを巡回させてリアクタに再度通気することもできる。この結果、窒素除去効率と排水処理の経済性とが飛躍的に向上る。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガスAとガスBとを使用し排水の脱窒処理施す装置の模式的側面図
【符号の説明】
10 処理槽(リアクタ)本体
12 底
14 側壁
16 天蓋
20 仕切板
30 ガスA(メタン)室
32 ガスA供給手段(メタンガス通気管)
34 ガスA気泡
36 ガスA回収手段
40 ガスB(酸素)室
42 ガスB供給手段(酸素含有ガス通気管)
44 気泡
46 ガスB回収手段
50 排水
52 被処理排水流入手段
54 処理済排水流出手段

Claims (6)

  1. 窒素化合物を含む排水を処理槽に導入し、該処理槽中の排水にメタン含有ガス及び酸素含有ガスを通気して、微生物の作用により排水の脱窒処理を行う方法において、該処理槽内を1枚又は2枚以上の仕切板によって縦方向に2室又は3室以上に区分し、各仕切板を上端が該処理槽の天蓋に密接しかつ下方に延在して下端が槽中の排水中にまで及ぶが槽底部には達することがないように設け、該処理槽内の仕切板で区分された一つ以上の室の下方からメタン含有ガスを、他の室の下方から酸素含有ガスを、それぞれ別々に該処理槽内に供給し、該処理槽の天蓋又はその周辺に設けたガス回収手段から排水中に溶解しなかったガスを各室ごとに回収するとともに、処理した排水を該処理槽の酸素含有ガス通気側の液面付近から槽外に導出することを特徴とする排水の脱窒処理方法。
  2. メタン含有ガスがメタンと二酸化炭素から実質的になるガスであり、酸素含有ガスが空気であって、前記処理槽から回収時のメタン含有ガスはメタン濃度が供給時よりも高められたガスであることを特徴とする請求項1に記載の排水の脱窒処理方法。
  3. 60%のメタン含有ガスと空気との通気量の割合を毎分300mL/300mL〜167mL/500mLとする請求項2に記載の脱窒処理方法。
  4. メタンと酸素との通気量の割合を、1/1とする請求項2に記載の排水の脱窒処理方法。
  5. 窒素化合物を含む排水を処理槽に導入し、該槽中の排水にメタン含有ガスと酸素含有ガスとを通気し、該処理槽内で微生物を利用して前記排水の脱窒処理を行う装置において、該処理槽内を1枚又は2枚以上の仕切板によって縦方向に2室又は3室以上に区分し、かつ前記仕切板の上端が槽天蓋に密接しかつ下方に延在する前記仕切板の下端が槽中の排水中にまで及ぶが槽底部には達することがないように設け、該処理槽の一つ以上の室の下方にメタン含有ガス供給手段を、他の室の下方に酸素含有ガス供給手段をそれぞれ設け、該処理槽天蓋又はその周辺にメタン含有ガス回収手段及び酸素含有ガス回収手段を設け、さらに、処理した排水の導出口を酸素含有ガス通気側の液面付近に設けたことを特徴とする排水の脱窒処理装置。
  6. 1枚の仕切板と、1組のメタン含有ガスの供給手段及び回収手段と、1組の酸素含有ガスの供給手段及び回収手段とを備えた処理槽を排水処理における1構造単位とするとき、複数の構造単位が集積されていることを特徴とする請求項に記載の排水の脱窒処理装置。
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