JP3705502B2 - コンクリート構造物の補強・補修用材料及び補強・補修方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は構造物の補強・補修用材料及び補強・補修方法に関し、特に、コンクリート構造物の梁、柱及び床版(スラブ)等の補強・補修に適した長期間保存することができる補強・補修用材料を提供し、且つ現場施工時の作業性に優れた補強・補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート構造物は永年の使用と共に老朽・劣化したり、地震等の罹災により強度低下する為、補強・補修の必要が生じる。従来、このような構造物の強化には強度低下を防ぐ目的で、補強材料として鉄板が使用されていたが、鉄板は大重量であり、取り付け時の作業性が劣る等の問題があった。
【0003】
このような問題を解決するべく、近年、繊維シートを用いた種々の補強・補修方法が提案されている。例えば、特開平1−197532号公報では、繊維シートをコンクリート構築物に貼付後、赤外線ランプや金属箔にて挟持された板状の電気ヒーター等を用いて加熱・硬化し、補強・補修を行う方法が提案されている。特開平3−208626号公報では、10〜40℃で硬化する樹脂溶液を繊維シートに塗布し、常温で硬化させる硬化手法をコンクリート構造物の補強・補修に適用する方法が提案されている。
【0004】
また、特開平5−39673号公報では硬化剤及び溶剤を含む溶液を熱硬化性樹脂を含浸した繊維シートに塗布し、乾燥後、硬化し、補強・補修に適用する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような手法はいずれも多くの問題を抱えている。例えば、前記従来の赤外線ランプを用いる方法では、構造物のような大面積の箇所の補強・補修においては、赤外線ランプを均一に配置し、均一に照射することが困難であり、そのため局部的に温度が異常に上昇したり、温度不足の箇所が生じたりして、温度コントロールが困難であるという問題があった。
【0006】
前記従来の金属箔にて挟持された板状の電気ヒーター等を用いる方法では、総発熱量が小さいので、十分に繊維シートを硬化させる為には、大きな電力量を必要とする問題があった。
【0007】
常温で硬化する樹脂溶液を繊維シートに塗布し、常温で繊維シートを硬化させる方法では、樹脂溶液を低粘度化して繊維シートへ十分に浸透させてマトリックス樹脂を硬化させる為、大量の溶剤を使用する必要があり、環境上問題があった。例えば、特開平3−208626号公報では、好ましい配合例として樹脂30〜100重量部に対して溶剤を100重量部も使用することが例示されている。
【0008】
硬化剤及び溶剤を含む溶液を熱硬化性樹脂を含浸した繊維シートに塗布し、硬化させる方法でも同様に多量の溶剤を使用する必要があり、現場施工において障害となっていた。例えば、特開平5−39673号公報において硬化剤100重量部を溶剤100重量部に溶かし込む方法が例示されており、作業環境は好ましいものとはいえなかった。また、硬化剤溶解物を塗布する方法は繊維シート表面に過剰の硬化剤が残り、未硬化になり易いという欠点も有していた。この問題の原因は、特開平5−39673号公報の「発明の詳細な説明」の欄に記述されているように、硬化剤溶解物の保存安定性を持たせる為、使用する溶剤が、非反応性の溶剤に限定されていることにあった。
【0009】
そこで本発明は、マトリックス樹脂含浸繊維シートを硬化するための加熱装置の必要がなく、現場施工時の作業性に優れ、且つ溶剤を使用する必要のないコンクリート構造物の補強・補修用材料及び補強・補修方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究した結果、マトリックス樹脂含浸繊維シートに反応性希釈剤で溶解した硬化剤を塗布し、浸透・硬化させることにより上述の諸問題を解決できるコンクリート構造物の補強・補修用材料及び補強・補修方法を見出し、本発明に至った。
【0011】
即ち、本発明のコンクリート構造物の補強・補修用材料は、次の構成要素(A)、(B)と(C)を組み合わせるものであり、且つ、マトリックス樹脂中に反応性希釈剤及び硬化剤から選ばれた材料が含まれていないこと(D)を特徴とする。
【0012】
(A)マトリックス樹脂を含浸した繊維シート、
(B)分子中に1個のオキシラン環を有する反応性希釈剤、
(C)前記反応性希釈剤に可溶で、且つ前記マトリックス樹脂と前記反応性希釈剤の組み合わせからなる組成物の40℃におけるゲル化時間が10時間以内となる性質の硬化剤。
【0013】
本発明のコンクリート構造物の補強・補修方法は、コンクリート構造物に、マトリックス樹脂を含浸した繊維シートを貼付し、次いで、前記硬化剤を前記反応性希釈剤に溶解した後、得られた硬化剤溶解物をマトリックス樹脂を含浸した繊維シートに付与し、硬化させることを特徴とする。
【0014】
本発明のコンクリート構造物の補強・補修方法においては、コンクリート構造物に、マトリックス樹脂を含浸した繊維シートを貼付し、次いで、前記硬化剤を前記反応性希釈剤に溶解した後、得られた硬化剤溶解物をマトリックス樹脂を含浸した繊維シートに付与し、前記工程により硬化剤溶解物が付与されたマトリックス樹脂を含浸した繊維シート上に、さらに、マトリックス樹脂を含浸した繊維シートを貼付する工程、及び前記硬化剤溶解物を該マトリックス樹脂を含浸した繊維シートに付与する工程を1回以上適用し、マトリックス樹脂を硬化させることにより、コンクリート構造物の補強・補修を行ってもよい。
【0015】
本発明を更に詳細に説明する。
【0016】
構成要素(A):
本発明のコンクリート構造物の補強・補修用材料を構成する構成要素(A)に用いられるマトリックス樹脂としては、三次元硬化物を形成する樹脂であれば特に限定されないが、好ましい樹脂としては、エポキシ樹脂が挙げられる。
【0017】
本発明において好ましく用いられるエポキシ樹脂には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0018】
本発明におけるマトリックス樹脂中には、従来のマトリックス樹脂含浸繊維シートに不可欠であった硬化剤及び/又は促進剤を特に含む必要がない。本発明のコンクリート構造物の補強・補修用材料は、施工前の前記マトリックス樹脂を含浸した繊維シートにおけるマトリックス樹脂中において、反応性希釈剤及び硬化剤から選ばれた材料が含まれていないので、マトリックス樹脂含浸繊維シートの貯蔵安定性が格段に増すという利点がある。
【0019】
本発明におけるマトリックス樹脂含浸繊維シートに用いる強化繊維には、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維等の有機繊維及び/又は炭素繊維、炭化ケイ素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、セラミック繊維等の無機繊維が挙げられる。これらの繊維は長繊維、短繊維、チョップ状、一方向配列シート状、織物状、編物状、マット状、紙状のいずれの形状の繊維としても使用できる。本発明におけるマトリックス樹脂含浸繊維シートに用いる繊維の使用量はマトリックス樹脂100重量部に対して900重量部まで使用可能である。
【0020】
構成要素(B):
本発明のコンクリート構造物の補強・補修用材料を構成する構成要素(B)に用いられる分子中に1個のオキシラン環(エポキシ環)を有する反応性希釈剤としては、例えば、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等が例示できる。
【0021】
前記構成要素(B)である分子中に1個のオキシラン環を持つ反応性希釈剤は、室井、石村著「入門エポキシ樹脂」高分子刊行会(1988)に例示されているように、粘度が1〜20センチポイズ程度の非常に低粘度の化合物である。このような低粘度の反応性希釈剤と硬化剤のみからなる硬化剤溶解物をマトリックス樹脂含浸繊維シートに適用した場合、該硬化剤溶解物はマトリックス樹脂含浸繊維シートに浸透し、硬化させることが可能であるので、硬化剤溶解物には溶剤を使用する必要がない。しかしながら、本発明のコンクリート構造物の補強・補修用材料において、溶剤の使用を排除するものではない。
【0022】
構成要素(C):
本発明の構成要素(C)で用いる硬化剤について説明する。
【0023】
コンクリート構造物の補強・補修は、構造物の設置現場で作業が行われる為、施工性及び作業性を考慮して外気温でマトリックス樹脂と反応性希釈剤の組み合わせからなる組成物が硬化可能な硬化剤を選定する必要がある。そのような硬化剤の選定基準は、次のようにした。すなわち、現場施工での作業性を考慮して、硬化の為に、特に、加熱装置を使用しなくても、常温で硬化を短時間に達成することができることを条件として、40℃のゲル化時間を採用し、そのゲル化時間が10時間以内となるような硬化剤を選択することにした。尚、ゲル化時間については、室井、石村著「入門エポキシ樹脂」高分子刊行会(1988)等に詳説されており、キュラストメーターによって測定することができる。
【0024】
上記の選定基準に該当する硬化剤としては、マトリックス樹脂がエポキシ樹脂で反応性希釈剤がフェニルグリシジルエーテルの場合、例えばポリアミドアミン、アミドアミン、ジエチレントリアミン等の脂肪族ポリアミン、メタキシレンジアミン等の芳香族ポリアミン、メンセンジアミン等の脂環族ポリアミン、変性ポリアミン、ベンジルメチルアミン等の第三アミン、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、ポリメルカプタン類、ポリチオール類、三フッ化ホウ素アミン錯体等を例示できる。
【0025】
市販されているマトリックス樹脂と硬化剤との具体的な組み合せ例として、例えば、下記の表1のような組み合せを一例として挙げることができる。
【0026】
【表1】
【0027】
硬化剤を反応性希釈剤に溶解した硬化剤溶解物の粘度は1〜400センチポイズの範囲とするのが好ましい。その理由は硬化剤溶解物の粘度が1センチポイズ未満では硬化剤を付与する際、マトリックス樹脂含浸繊維シートのストランドに乱れを生じ、そのため硬化物の強度が低下し易くなるからであり、また、その粘度が400センチポイズを超えると、マトリックス樹脂含浸繊維シート内部への浸透が不十分となり、マトリックス樹脂と反応性希釈剤の組み合わせからなる組成物の硬化の程度が低いままとなるか、あるいは硬化の進行速度が極端に遅くなるからである。
【0028】
硬化剤溶解物を所定粘度に調製する為には、例えば、硬化剤自体の粘度が3000センチポイズ程度の場合、硬化剤100重量部に対して反応性希釈剤を200〜2000重量部程度添加する。ただし、大量に反応性希釈剤を使用すると吸水率の増加等の問題を生じるので、200〜1000重量部程度になるように添加するのが望ましい。
【0029】
硬化剤溶解物を、例えば、ポリアミン系硬化剤をエポキシ樹脂含浸繊維シートに塗布する場合、エポキシ樹脂100重量部に対して化学量論的添加量の0.8〜0.9を添加することが好ましい。尚、化学量論的添加量については、室井、石村著「入門エポキシ樹脂」高分子刊行会(1988)等に詳説されており、次式(1)にて定義される。
【0030】
【数1】
【0031】
硬化剤の付与方法:
反応性希釈剤に溶解した硬化剤からなる硬化剤溶解物(該硬化剤溶解物の粘度は1〜400センチポイズの範囲が好ましい)を、刷毛、ローラー等による塗布、或いはスプレー、エアーガン等による吹き付け等の塗装を行うことにより、マトリックス樹脂含浸繊維シートに硬化剤を付与することができる。あるいは反応性希釈剤に溶解した硬化剤からなる硬化剤溶解物を繊維基材に予め含浸したシートを作製して、これをマトリックス樹脂含浸繊維シートに貼着することにより、即ち、硬化剤溶解物を含浸した繊維基材をマトリックス樹脂含浸シート表面へ適用することにより、硬化剤を付与しても良い。このような硬化剤溶解物を含浸させるための繊維基材には、不織布、織物、マット、ペーパー等が使用できる。
【0032】
任意成分:
任意成分としてマトリックス樹脂含浸繊維シートの貼付前にプライマー及び接着剤を使用することができる。プライマーとしては、プライマーの乾燥後に塗布する接着剤と親和性の良いプライマー、例えば、エポキシ樹脂を接着剤とする場合、エポキシ系プライマーが好適である。
【0033】
接着剤としては、マトリックス樹脂含浸繊維シートに用いられるマトリックス樹脂と親和性の良い樹脂が好適である。例えば、マトリックス樹脂がエポキシ樹脂の場合、エポキシ樹脂系接着剤が好適である。特に、接着剤としてパテ状の接着剤を用いた場合は、レイタンス層を除去した後のコンクリート表面の補修も兼ねることができ、好適である。
【0034】
【実施例】
〔実施例1,2及び比較例1,2〕
アラルダイトEPN1138(商品名、旭チバ社製のフェノールノボラック型エポキシ樹脂)70重量部、エピコート1001(商品名、油化シェルエポキシ社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂)30重量部を三本ロールで均一に混練し、樹脂組成物を得た。フィルムコーターを用いてこの樹脂組成物から樹脂フィルムを作製した。この樹脂フィルムを一方向に引き揃えた炭素繊維HTA(商品名、東邦レーヨン株式会社製、引張強度380kgf/mm2 、引張弾性率24000kgf/mm2 )の両面に圧着させ、繊維目付250g/m2 、樹脂含有率33%の一方向繊維シートを作製した。
【0035】
硬化剤として2MZ(商品名、四国化成工業社製の2−メチルイミダゾール)、2E4MZ(商品名、四国化成工業社製の2−エチル−4−メチルイミダゾール)、C11Z(商品名、四国化成工業社製の2−ウンデシルイミダゾール)、C17Z(商品名、四国化成工業社製の2−ヘプタデシルイミダゾール)各5重量部用い、該各硬化剤を反応性希釈剤としてm,pCGE(商品名、坂本薬品工業社製のクレジルグリシジルエーテル、粘度6センチポイズ)で7センチポイズになるように粘度を調整して各硬化剤溶解物(40℃ゲル化時間が、上記の硬化剤の順に1.5時間、6時間、57時間、580時間の各硬化剤溶解物)を得た。
【0036】
コンクリート材としては、長さ200mm、幅25mm、厚さ6mmのスレート材を4枚用意した。前記4枚のスレート材の各々に対して、前記マトリックス樹脂含浸繊維シートをパテ状のエポキシP−1112(商品名、ソマール社製のエポキシ樹脂系接着剤)を用いて接着し、4枚のマトリックス樹脂含浸繊維シート貼着スレート材を得た。このスレート材の1枚毎に対して、マトリックス樹脂含浸繊維シート面上に、前記で得られた硬化剤溶解物の各1種類を塗布した。硬化剤の種類により、2MZ(商品名、四国化成工業社製)を実施例1、2E4MZ(商品名、四国化成工業社製)を実施例2、C11Z(商品名、四国化成工業社製)を比較例1、C17Z(商品名、四国化成工業社製)を比較例2とした。各硬化剤溶解物の塗布されたマトリックス樹脂含浸繊維シートを23℃で12日間放置して硬化させた。
【0037】
下記の表2に、実施例1及び2、並びに比較例1及び2で使用した硬化剤の種類、性状、硬化条件、得られた硬化処理されたマトリックス樹脂含浸繊維シートの機械的特性を示す。尚、マトリックス樹脂含浸繊維シートの硬化度、引張強度、引張弾性率の測定は、スレート材に貼着していない前記マトリックス樹脂含浸繊維シートに前記硬化剤溶解物を塗布したものに対して行った。
【0038】
尚、粘度はB型粘度計で23℃で測定した値である。マトリックス樹脂含浸繊維シートの硬化度はDSC(示差走査熱量計)を用いて、昇温速度10℃/分でマトリックス樹脂含浸繊維シートの発熱量を測定して算出した。マトリックス樹脂含浸繊維シートの引張特性はマトリックス樹脂含浸繊維シート1plyについてJIS K 7073に準拠して測定した。また、スレート材との接着性は90度剥離試験(試験速度50mm/min.)で評価した。
【0039】
【表2】
【0040】
前記表2によれば、本実施例1、2と比較例1、2を対比すると明らかなように、前記マトリックス樹脂と前記反応性希釈剤の組み合わせからなる組成物の40℃におけるゲル化時間が10時間以内となる硬化剤を付与した系は良好な機械的特性を示している。
【0041】
〔実施例3〕
前記実施例1と同様にしてマトリックス樹脂含浸繊維シートを作製した。このマトリックス樹脂含浸繊維シートを4ヶ月間23℃で保管した。前記実施例1と同じスレート材に対し、4ヶ月保管後のマトリックス樹脂含浸繊維シートを同様に貼着した。得られたマトリックス樹脂含浸繊維シート貼着スレート材のマトリックス樹脂含浸繊維シート面に、ポリアミドアミン系硬化剤バーサミド150(ヘンケル白水(株)製、粘度3250センチポイズ)をPGE(商品名、坂本薬品工業社製の反応性希釈剤フェニルグリシジルエーテル、粘度6センチポイズ)で粘度100センチポイズに希釈したものを塗布した。硬化剤溶解物の塗布されたマトリックス樹脂含浸繊維シートを23℃で12日間放置して硬化させた。
【0042】
下記の表3に、本実施例3で使用した硬化剤の性状、硬化条件、得られた硬化処理されたマトリックス樹脂含浸繊維シートの機械的特性を示す。尚、マトリックス樹脂含浸繊維シートの硬化度、引張強度、引張弾性率の測定は、スレート材に貼着していない前記マトリックス樹脂含浸繊維シートに前記硬化剤溶解物を塗布したものに対して行った。
【0043】
【表3】
【0044】
前記表3によれば、本実施例3に使用するマトリックス樹脂含浸繊維シートは、硬化処理前に長期間保管しても、マトリックス樹脂含浸繊維シートの硬化度及機械的特性において良好な値を示しており、しかも保存安定性が優れていることが分かる。
【0045】
〔実施例4、5及び比較例3、4〕
前記実施例1と同様にしてマトリックス樹脂含浸繊維シートを4枚作製した。このマトリックス樹脂含浸繊維シートを前記実施例1と同様にスレート材に貼着した。得られたマトリックス樹脂含浸繊維シート貼着スレート材のマトリックス樹脂含浸繊維シート面毎に、ポリアミドアミン系硬化剤バーサミド150(商品名、ヘンケル白水(株)製、粘度 3250センチポイズ)をPGE(商品名、坂本薬品工業社製の反応性希釈剤フェニルグリシジルエーテル、粘度6センチポイズ)で100(実施例4)、400(実施例5)、800(比較例3)及び2600センチポイズ(比較例4)になるように希釈した硬化剤溶解物1種類を塗布した。硬化剤溶解物の塗布された各マトリックス樹脂含浸繊維シートを23℃で12日間放置して硬化させた。
【0046】
下記の表4に、使用した硬化剤の種類、性状、硬化条件、得られた硬化処理された各マトリックス樹脂含浸繊維シートの機械的特性を示す。尚、マトリックス樹脂含浸繊維シートの硬化度、引張強度、引張弾性率の測定は、スレート材に貼着していない前記各マトリックス樹脂含浸繊維シートに前記硬化剤溶解物を塗布したものに対して行った。
【0047】
下記の表4によれば、本実施例4、5と比較例3、4を対比すると明らかなように、硬化剤溶解物の粘度を400センチポイズ以下とすることで、硬化剤のマトリックス樹脂含浸繊維シートへの浸透性が向上し、硬化の進行が速いことが分かる。この為、23℃で養生したマトリックス樹脂含浸繊維シートの引張特性は良好な値を示している。
【0048】
〔参考例〕
前記実施例4の硬化剤溶解物を塗布したマトリックス樹脂含浸繊維シートを90℃、2時間加熱硬化して100%硬化させた(参考例)。
【0049】
下記の表4に、使用した硬化剤の種類、性状、硬化条件、得られた硬化処理されたマトリックス樹脂含浸繊維シートの機械的特性を示す。尚、マトリックス樹脂含浸繊維シートの硬化度、引張強度、引張弾性率の測定は、スレート材に貼着していない前記マトリックス樹脂含浸繊維シートに前記硬化剤溶解物を塗布したものに対して行った。
【0050】
【表4】
【0051】
前記表4によれば、前記実施例4と参考例の対比から明らかなように、本発明における23℃養生品は従来の加熱硬化品(参考例)と同等の強度、弾性率を示しており、十分な機械的特性を有していることが分かる。
【0052】
〔実施例6、実施例7及び比較例5〕
長さ400mm、幅100mm、厚さ100mmのコンクリート部材底面に前記実施例1のマトリックス樹脂含浸繊維シートをパテ状のエポキシP−1112(商品名、ソマール社製のエポキシ樹脂系接着剤)を用いて接着し、マトリックス樹脂含浸繊維シート貼着コンクリート部材を得た。次いで、このコンクリート部材に対して、マトリックス樹脂含浸繊維シート面上に、前記実施例4で得られた硬化剤溶解物を塗布した(実施例6)。
【0053】
また、前記実施例6と同様にして硬化剤溶解物を一度塗布したものに対して、マトリックス樹脂含浸繊維シートをさらにもう一枚貼付し、同様に硬化剤溶解物を塗布した(実施例7)。
【0054】
硬化剤溶解物の塗布された上記実施例6と実施例7の各マトリックス樹脂含浸繊維シート貼着コンクリート部材を23℃で12日間放置して硬化させた。
【0055】
得られた補強・補修用材料について、図1に示すように、コンクリート部材1の両端から50mmの2箇所の位置に支点3で支えられたコンクリート部材1に対して、補強・補修用材料2が施されたコンクリート部材1の補強面とは反対側の面の両端部から150mmの2箇所の位置に、荷重をかけて曲げ載荷を行い、破壊時の最大荷重を測定した。また、比較の為、マトリックス樹脂含浸繊維シートによる補強をせずに、コンクリート部材のみの曲げ載荷試験を行なった(比較例5)。得られた結果を下記の表5に示す。
【0056】
【表5】
【0057】
前記表5の実施例6、7と比較例5の対比から明らかなように、本実施例6の補強・補修用材料を1層貼付した場合及び本実施例7の2層貼付した場合のコンクリート構造物は、優れた補強・補修効果を有していることが分かる。
【0058】
〔実施例8〜実施例14〕
本実施例8〜14は、前記実施例1のコンクリート構造物の補強・補修用材料及び補強・補修方法において、前記実施例1の硬化剤に換えて、次の各種硬化剤を使用し、且つ前記実施例1の反応性希釈剤に換えてブチルグリシジルエーテルを用いて行った実施例である。
【0059】
前記実施例1と同様にしてマトリックス樹脂含浸繊維シートを作製した。一方、硬化剤としてゼナミド250(商品名、ヘンケル白水(株)製のアミドアミン)を、反応性希釈剤としてBGE(商品名、坂本薬品工業社製のブチルグリシジルエーテル)で希釈して粘度100センチポイズの硬化剤溶解物を調製した(実施例8)。以下の実施例9〜14は同様に反応性希釈剤に全てBGE(商品名、坂本薬品工業社製のブチルグリシジルエーテル)を用いて、硬化剤としてバーサミンC31(商品名、ヘンケル白水(株)製の脂肪族アミン)を粘度25センチポイズの硬化剤溶解物とし(実施例9)、硬化剤としてm−XDA(芳香族ポリアミン)を粘度10センチポイズの硬化剤溶解物とし(実施例10)、硬化剤としてバーサミンC60(商品名、ヘンケル白水(株)製の脂環族アミン)を粘度125センチポイズの硬化剤溶解物とし(実施例11)、硬化剤としてBDMA(商品名、エー・シー・アイ・ジャパン社製の第三アミン)を粘度7センチポイズの硬化剤溶解物とし(実施例12)、硬化剤としてQX20(商品名、油化シェル社製のメルカプタン)を粘度80センチポイズの硬化剤溶解物とし(実施例13)、硬化剤としてアンカー1170(商品名、エー・シー・アイ・ジャパン社製の三フッ化ホウ素アミン錯体)を粘度30センチポイズの硬化剤溶解物とした(実施例14)。前記実施例1と同様にして、前記マトリックス樹脂含浸繊維シートを前記各硬化剤溶解物により硬化させた。
【0060】
下記の表6に、使用した硬化剤の種類、性状、硬化条件、得られた硬化処理されたマトリックス樹脂含浸繊維シートの機械的特性を示す。尚、マトリックス樹脂含浸繊維シートの硬化度、引張強度、引張弾性率の測定は、スレート材に貼着していない前記マトリックス樹脂含浸繊維シートに前記硬化剤溶解物を塗布したものに対して行った。
【0061】
【表6】
【0062】
前記表6によれば、本実施例8〜14の何れの硬化剤を使用した場合も良好な硬化度と機械的特性を有していることが分かる。
【0063】
〔実施例15〜18〕
本実施例15〜18は、前記実施例1のコンクリート構造物の補強・補修用材料及び補強・補修方法において、前記実施例1の反応性希釈剤に換えて、次の各種反応性希釈剤を使用し、且つ前記実施例1の硬化剤に換えてアミドアミンを使用して行った実施例である。
【0064】
前記実施例1と同様にしてマトリックス樹脂含浸繊維シートを作製した。一方、本実施例15〜18に共通の硬化剤としてゼナミド250(商品名、ヘンケル白水(株)製のアミドアミン)を用い、各種反応性希釈剤としてAGE(略号、アリルグリシジルエーテル)にて粘度120センチポイズの硬化剤溶解物とし(実施例15)、EHGE(略号、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル)にて粘度125センチポイズの硬化剤溶解物とし(実施例16)、SO(略号、スチレンオキサイド)にて粘度135センチポイズの硬化剤溶解物とし(実施例17)、GMA(略号、グリシジルメタクリレート)にて粘度115センチポイズの硬化剤溶解物とした。前記実施例1と同様にして、前記マトリックス樹脂含浸繊維シートを前記各硬化剤溶解物により硬化させた。
【0065】
下記の表7に、使用した硬化剤の種類、性状、硬化条件、得られた硬化処理されたマトリックス樹脂含浸繊維シートの機械的特性を示す。尚、マトリックス樹脂含浸繊維シートの硬化度、引張強度、引張弾性率の測定は、スレート材に貼着していない前記マトリックス樹脂含浸繊維シートに前記硬化剤溶解物を塗布したものに対して行った。
【0066】
【表7】
【0067】
前記表7によれば、本実施例15〜18の何れの反応性希釈剤を用いた場合も良好な硬化度と機械的特性を有していることが分かる。
【0068】
〔実施例19〕
本実施例19は、前記実施例1のコンクリート構造物の補強・補修用材料及び補強・補修方法において、前記実施例1のマトリックス樹脂含浸用の繊維に換えて織物を用いた実施例である。
【0069】
前記実施例1と同様にして樹脂フィルムを作製した。この樹脂フィルムを炭素繊維織物W−3101(商品名、東邦レーヨン株式会社製、前記実施例1に使用される炭素繊維HTAを原糸とする平織り織物)に圧着させ、繊維目付197g/m2 、樹脂含有率40%のマトリックス樹脂含浸繊維シートを得た。前記実施例1と同様にして、前記マトリックス樹脂含浸繊維シートを前記各硬化剤溶解物により硬化させた。
【0070】
下記の表8に、本実施例19における硬化剤・反応性希釈剤の種類、性状、硬化条件、得られた硬化処理されたマトリックス樹脂含浸繊維シートの機械的特性を示す。尚、マトリックス樹脂含浸繊維シートの硬化度、引張強度、引張弾性率の測定は、スレート材に貼着していない前記マトリックス樹脂含浸繊維シートに前記硬化剤溶解物を塗布したものに対して行った。
【0071】
【表8】
【0072】
前記表8によれば、マトリックス樹脂含浸繊維シートの繊維材料として織物を用いた本実施例19のコンクリート構造物の補強・補修用材料及び補強・補修方法の場合も良好な硬化度と機械的特性を有していることが分かる。
【0073】
〔実施例20〕
本実施例20は、前記実施例1のコンクリート構造物の補強・補修用材料及び補強・補修方法において、硬化剤の付与手段として塗布に換えて硬化剤を含浸した繊維基材を適用する場合の実施例である。
【0074】
前記実施例1と同様にしてマトリックス樹脂含浸繊維シートを作製した。一方、硬化剤溶解物として2MZ(商品名、四国化成工業社製の2−メチルイミダゾール)を用い、反応性希釈剤としてm,pCGE(商品名、坂本薬品工業社製のクレジルグリシジルエーテル)で粘度7センチポイズになるように調製して硬化剤溶解物を得た。該硬化剤溶解物をガラスクロスKS5250(商品名、カネボウ硝子繊維社製、目付54g/m2 の平織り織物)に含浸させた。この硬化剤含浸繊維基材を前記マトリックス樹脂含浸繊維シートに貼付し、マトリックス樹脂含浸繊維シートを硬化させた。
【0075】
得られた硬化処理されたマトリックス樹脂含浸繊維シートを前記実施例1と同様な評価を行った結果を下記の表9に示す。
【0076】
【表9】
【0077】
前記表9によれば、硬化剤溶解物を含浸した繊維基材を適用する本実施例20のコンクリート構造物の補強・補修方法も、コンクリート構造物に良好な硬化度と機械的特性を付与できることが分かる。
【0078】
〔実施例21〕
本実施例21はマトリックス樹脂含浸繊維シートとコンクリート部材との接着に、接着剤を使用しない場合の実施例である。
【0079】
長さ400mm、幅100mm、厚さ100mmのコンクリート部材底面に前記実施例1のマトリックス樹脂含浸繊維シートを貼付した。次いで、このコンクリート部材に対して、そのマトリックス樹脂含浸繊維シート面上に、前記実施例4で得られた硬化剤溶解物を塗布した。
【0080】
硬化剤溶解物の塗布されたマトリックス樹脂含浸繊維シート貼着コンクリート部材を23℃で12日間放置して硬化させた。得られたコンクリート構造物の補強・補修用材料について、図1に示すように、2箇所の支点3で支えられたコンクリート部材1に対して、補強・補修用材料2が施されたコンクリート部材1の補強面とは反対側の面の両端部から150mmの2箇所の位置に、荷重をかけて曲げ載荷を行い、破壊時の最大荷重を測定した。その結果を下記の表10に示す。
【0081】
【表10】
【0082】
前記表10によれば、本発明によるコンクリート構造物の補強・補修用材料、及び補強・補修方法は、コンクリート構造物に対して接着剤を用いずにマトリックス樹脂含浸繊維シートをコンクリート面に貼付した場合も優れた補強・補修効果を有していることが分かる。
【0083】
【発明の効果】
本発明のコンクリート構造物の補強・補修用材料及び補強・補修方法によれば、その補強・補修用材料は、長期間保存することができ、材料の安定性に優れ、また、その補強・補修方法は、マトリックス樹脂含浸繊維シートを硬化する為の加熱装置が必要なく、マトリックス樹脂含浸繊維シートのコンクリート構造物への適用時を任意に設定できるので、現場施工時の作業性に優れ、コンクリート構造物の梁、柱及び床版(スラブ)等の現場施工時の補強・補修に適している。
【0084】
本発明のコンクリート構造物の補強・補修用材料及び補強・補修方法によれば、その補強・補修用材料は、溶剤を使用する必要がなく、したがって、環境の汚染を防ぐことができ、また溶剤が原因で生ずるマトリックス樹脂含浸繊維シートの未硬化などを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補強・補修用材料が施されたコンクリート部材の載荷試験を示す図である。
【符号の説明】
1 コンクリート部材
2 補強・補修用材料
3 支点
Claims (15)
- 次の構成要素、
(A)マトリックス樹脂を含浸した繊維シート、
(B)分子中に1個のオキシラン環を有する反応性希釈剤、
(C)前記反応性希釈剤に可溶で、且つ前記マトリックス樹脂と前記反応性希釈剤の組み合わせからなる組成物の40℃におけるゲル化時間が10時間以内となる性質の硬化剤、
を必須とし、且つ、
(D)施工前の前記マトリックス樹脂を含浸した繊維シートにおけるマトリックス樹脂中に前記反応性希釈剤及び前記硬化剤から選ばれた材料が含まれていないことを特徴とするコンクリート構造物の補強・補修用材料。 - 前記マトリックス樹脂がエポキシ樹脂である請求項1に記載のコンクリート構造物の補強・補修用材料。
- 前記硬化剤が、ポリアミドアミン、アミドアミン、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、脂環族ポリアミン、変性ポリアミン、第三アミン、イミダゾール類、ポリメルカプタン類、ポリチオール類、三フッ化ホウ素アミン錯体から選ばれた少なくとも1種からなる請求項2に記載のコンクリート構造物の補強・補修用材料。
- 前記反応性希釈剤が、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレートから選ばれた少なくとも1種である請求項2又は3に記載のコンクリート構造物の補強・補修用材料。
- 前記硬化剤が前記反応性希釈剤に溶解されており、且つ、粘度が1〜400センチポイズの範囲に調製されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のコンクリート構造物の補強・補修用材料。
- 前記マトリックス樹脂を含浸した繊維シートが、ストランドの一方向配列シート又は織物シートを使用する請求項1、2、3、4又は5に記載のコンクリート構造物の補強・補修用材料。
- (1)コンクリート構造物に、マトリックス樹脂を含浸した繊維シートを貼付し、
(2)次いで、分子中に1個のオキシラン環を有する反応性希釈剤に、該反応性希釈剤に可溶で、且つ前記マトリックス樹脂と前記反応性希釈剤の組合せからなる組成物の40℃におけるゲル化時間が10時間以内となる性質の硬化剤を溶解した後、得られた硬化剤溶解物を前記コンクリート構造物に貼付されたマトリックス樹脂を含浸した繊維シートに付与し、硬化させることを特徴とするコンクリート構造物の補強・補修方法。 - (1)コンクリート構造物に、マトリックス樹脂を含浸した繊維シートを貼付し、
(2)次いで、分子中に1個のオキシラン環を有する反応性希釈剤に、該反応性希釈剤に可溶で、且つ前記マトリックス樹脂と前記反応性希釈剤の組合せからなる組成物の40℃におけるゲル化時間が10時間以内となる性質の硬化剤を溶解した後、得られた硬化剤溶解物を前記コンクリート構造物に貼付されたマトリックス樹脂を含浸した繊維シートに付与し、
(3)前記硬化剤溶解物が付与されたマトリックス樹脂を含浸した繊維シート上に、さらに、マトリックス樹脂を含浸した繊維シートを貼付する工程、及び前記硬化剤溶解物を該マトリックス樹脂を含浸した繊維シートに付与する工程を1回以上適用し、マトリックス樹脂を硬化させることを特徴とするコンクリート構造物の補強・補修方法。 - 前記硬化剤を反応性希釈剤に溶解して得られた硬化剤溶解物の付与手段が、塗装であることを特徴とする請求項7又は8に記載のコンクリート構造物の補強・補修方法。
- 前記硬化剤を前記反応性希釈剤に溶解して得られた硬化剤溶解物の付与手段が、前記反応性希釈剤に溶解した前記硬化剤を含浸した繊維基材のマトリックス樹脂含浸シート表面への適用であることを特徴とする請求項7又は8に記載のコンクリート構造物の補強・補修方法。
- 前記マトリックス樹脂がエポキシ樹脂である請求項7、8、9又は10に記載のコンクリート構造物の補強・補修方法。
- 前記硬化剤が、ポリアミドアミン、アミドアミン、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、脂環族ポリアミン、変性ポリアミン、第三アミン、イミダゾール類、ポリメルカプタン類、ポリチオール類、三フッ化ホウ素アミン錯体から選ばれた少なくとも1種以上からなる請求項11に記載のコンクリート構造物の補強・補修方法。
- 前記反応性希釈剤が、n−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレートから選ばれた少なくとも1種である請求項11又は12に記載のコンクリート構造物の補強・補修方法。
- 前記硬化剤が前記反応性希釈剤に溶解されており、且つ、粘度が1〜400センチポイズの範囲に調製されていることを特徴とする請求項7、8、9、10、11、12又は13に記載のコンクリート構造物の補強・補修方法。
- 前記繊維シートが、ストランドの一方向配列シート又は織物シートである請求項7、8、9、10、11、12、13又は14に記載のコンクリート構造物の補強・補修方法。
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