JP3703695B2 - 超臨界水用ノズル、該超臨界水用ノズルを使用する清浄な水の製造方法及び超臨界水反応装置 - Google Patents

超臨界水用ノズル、該超臨界水用ノズルを使用する清浄な水の製造方法及び超臨界水反応装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、難分解性物質や有害有機物を完全分解処理するのに適した、超臨界水用ノズル、超臨界水反応方法及び超臨界水酸化分解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、超臨界水による有機化合物の酸化分解反応が知られている。図10は、純粋な水の状態図を示す。固相、液相、気相は、それぞれ、S、L、Gで示される。曲線OAは蒸気圧曲線であり、液体の蒸気圧の温度変化を表す。曲線OAは臨界点Aで終わり、臨界点の温度、圧力、モル体積をそれぞれ、臨界温度、臨界圧、臨界体積という。これらを総称して、臨界定数(critical constant)といい、臨界定数は、物質に固有の定数である。なお、臨界点では、気体と液体のモル体積は一致する。
【0003】
臨界温度より高い温度、かつ、臨界圧力を越えた圧力の下は、気体、液体の区別ができない流体となり、かかる流体は、超臨界流体(supercritical fluid)という。例えば、純粋な水の臨界温度は374℃であり、臨界圧は218atmである。
【0004】
超臨界とは、臨界温度より高い温度、かつ、臨界圧力を越えた圧力をいう。超臨界では、物質は、通常の気相又は液相とは異なる性質を示し、また、その反応性も異なる。そこで、超臨界条件を分解反応に応用することが研究されている。
【0005】
例えば、超臨界水、即ち、374℃以上、かつ、22MPa以上の水を分解反応の媒体として利用することが提案されている。水と油というように、水は、通常は油のような有機物を溶解しない。しかし、超臨界水は、油のような有機物をも溶解する、優れた溶媒である。
【0006】
そして、超臨界水が存在するような高温では、有機物等は容易に熱分解する。特に、酸素等の酸化剤が存在する場合には、超臨界水を用いることにより、ほとんどの有機物を水と二酸化炭素にほぼ完全に分解することができる。このように、超臨界水を用いることにより、例えば、PCB、ダイオキシン類等のハロゲン化有機化合物も酸化分解することができる。
【0007】
例えば、特公平1−38532号公報によって示される技術は、超臨界水酸化の反応を行う反応器、この反応器に分解対象物を含む所定の物質を供給する供給系、反応器から生成物を排出する排出系の三つの部分を基本的要素とし、このうちの物質の供給系は、上記公報提案では、分解対象物をフィードポンプで昇圧しエジェクターで超臨界水と混合し、加熱した後に反応器に導入するようにして構成されている。反応器の構成としては、細長い管の始端側から分解対象物,超臨界水,酸化剤を注入し、終端側から分解生成物を排出するようにしたワンパス型の管式(パイプ型)反応器が代表的なものとして知られている。
【0008】
ところで上述の技術では、難分解性有機物や有害有機物の分解処理を、工業的規模にて実施する技術のレベルに達しているとは言い難かった。例えば各流体を別々のノズルで反応器に供給する方式では、導入有機物,超臨界水,酸化剤の混合度合を高めるのに十分な乱流状態(レイノルズ数=10,000〜20,000)が必要となり、このため口径の小さな管長の長い反応器の使用が必要となって工業的には有利でない場合が多かったからである。
【0009】
しかし、工業的規模で安定かつ安価に実施するため、特開平10−137774号公報では、超臨界水酸化の反応器に流体を供給する技術が記載されている。この技術などによって難分解性有機物や有害有機物の分解処理を、工業的規模にて実施する技術のレベルに達したと言える。二流体ノズルを用いたので、管長の長い反応器が必須ではなくなり、反応器の設計自由度を拡大させることができたからである。
【0010】
この技術を含め、一般的に、超臨界水分解装置のチャンバー内では、分解対象物を、たとえば550℃〜850℃の高温、25MPaの高圧下で酸化させたり燃焼させる。チャンバーの中心軸上には、分解対象物、超臨界水および燃料を供給する二重管として構成された二流体ノズルが配置されており、燃焼させる場合には、そのノズルの先端において、燃焼に伴う炎が発生する。この炎は系方向に拡がるところ、炎がチャンバーを構成する壁部に直接、接触すると、壁部が高温に晒され、劣化してしまう。したがって、チャンバーの直径はその壁部に炎が接触しない大きさとして設計される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特開平10−137774号公報にて開示される「超臨界水酸化装置」を実施すると、「工業的規模」の装置が実現できるが、装置の小型化が要請されている。
【0012】
装置を小型化するための技術は様々であるが、そのひとつとしてチャンバーの径寸法を小さくするという選択がある。この場合、チャンバーを構成する壁部に炎を直接接触させないようにするため、径方向への炎の広がりを抑制する必要がある。そのためには、ノズルを細くする必要がある。
【0013】
ところが、特開平10−137774号公報にて開示される「二流体ノズル」をそのまま小さく設計した場合、燃焼に伴う振動などによって、外管および内管の系方向の相対的な位置がずれる。例えば、外管及び内管が互いに接触し、分解対象物、超臨界水または燃料の供給に支障をきたすおそれがある。また、外管及び内管の系方向の相対的な位置のずれにより、各流体に旋回流が生じる可能性があり、安定な炎を発生させることができないというおそれがある。
【0014】
本発明は、超臨界水用ノズル及び超臨界水用ノズルを用いた超臨界水反応方法に関し、超臨界燃焼装置の小型化に寄与する技術を提供することを課題とする。加えて、小型化した超臨界燃焼装置を提供することも課題とする。
【0015】
なお、前述した特開平10−137774号公報などには、この課題を解決する手段は開示されていなかった。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の一側面では、第1の流体を供給するための内管(11)と、前記内管の外側に配置される、第2の流体を供給するための外管(14)と、前記内管と前記外管との間に位置する第1のスペーサ(例えば、11a、14a、19)を備えたことを特徴とする超臨界水用ノズルが提供される。
【0017】
本発明の一実施形態では、前記超臨界水用ノズルは、吐出口を有し、前記第1のスペーサ(11a,14a,19)は前記吐出口(16)の近傍に配置されることが好ましい。
【0018】
吐出口(16)には、第1の流体及び第2の流体を混合するための混合チャンバーが形成されていることが好ましい。
本発明の一実施形態では、前記第1のスペーサは、前記内管の外周面から外側に向かって少なくとも二方へ突出させて形成された突出部からなることが好ましい。
【0019】
あるいは、前記第1のスペーサは、前記外管の内周面から内側に向かって少なくとも二方へ突出させた突出部を備えることによって形成してもよい。
あるいは、前記第1のスペーサは、軸方向に貫通孔が形成されているリング(19)を含んでもよい。このリングは、外管又は内管に固定されていることが好ましい。
【0020】
本発明の一実施形態では、前記外管の更に外側に配置される、第3の流体を供給するための最外管(15)と、前記外管と前記最外管との間に位置する第2のスペーサ(14b)を備えたことが好ましい。
【0021】
本発明の一側面では、上記の超臨界水用ノズルを使用する、清浄な水の製造方法において、前記第1の流体を前記内管により供給し、前記第2の流体を前記外管により供給する供給工程と、供給された前記第1の流体及び前記第2の流体を混合させる混合工程と、混合された流体を吐出させて反応させる反応工程とを含むことを特徴とする清浄な水の製造方法が提供される。
【0022】
また、本発明の一側面では、上記の超臨界水用ノズルを使用する、清浄な水の製造方法において、前記第1の流体を前記内管により供給し、前記第2の流体を前記外管により供給し、前記第3の流体を前記最外管より供給する供給工程と、供給された前記第1の流体、前記第2の流体及び前記第3の流体を混合させる混合工程と、混合した流体を吐出させて反応させる反応工程とを含むことを特徴とする清浄な水の製造方法が提供される。
【0023】
本発明の一側面では、チャンバーを確定する反応器と、前記反応器を保温するための保温材と、前記反応器中の前記チャンバーに流体接続するノズルとを有する超臨界水反応装置であって、前記ノズルが上記の超臨界水用ノズルであることを特徴とする超臨界水反応装置が提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本願を実施形態及び図面に基づいて更に説明する。ここで使用する図面は図1から図8である。
図1は、本発明の実施形態に用いる超臨界水反応装置全体の断面図である。
図2は、本発明の実施形態に係る超臨界水用ノズル全体の断面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る超臨界水用ノズルの主要部詳細断面図であり、図2中の領域(III)の拡大図である。
図4は、本発明の実施形態に係る超臨界水用ノズルの主要部詳細断面図であり、図2中の領域(IV)の拡大図である。
図5(a)は、本発明の実施形態に係る超臨界水用ノズルの主要部詳細断面図であり、図2中の領域(V)の拡大図である。図5(b)は、(a)の(Vb)―(Vb)断面矢視図である。
図6(a)は、本発明の実施形態に係る超臨界水用ノズルの主要部詳細断面図であり、(b)は、(a)の(VIb)−(VIb)断面矢視図である。
図7は、本発明の実施形態に係る超臨界水用ノズルの主要部詳細図である。
図8は、本発明の実施形態に係る超臨界水用ノズル全体の断面図である。
【0025】
図1に示すのは、反応器1と、その反応器1内へ超臨界水、酸化剤、分解対象物および燃料等の流体を吐出させる三流体ノズル20とを備えた超臨界水反応装置10である。
【0026】
本発明の一実施形態に用いる超臨界水反応装置10は、チャンバー3を確定する反応器1を備える。
反応器1は、温度及び圧力が水の臨界点以上の反応領域を形成することができる管式反応器である。本実施形態では、燃料を供給して燃焼させるので、その燃焼温度に耐えられることが必要である。
【0027】
もっとも、反応器1は管式反応器に限られず、温度及び圧力が水の臨界点以上の反応領域を形成することができるものであれば反応器の型式に限定されない。例えば、いわゆる管式反応器の他、ベッセル型反応器(縦型筒状反応器)などのいずれの反応器も採用することができる。「管式反応器」は、直線的に延びた筒状構造、曲線的に延びた筒状構造、これらを組み合わせた構造等のいずれのものであってもよく、その延設構造などによって限定されるものではない。「ベッセル型反応器」は、超臨界水酸化反応を行うための超臨界領域を器内上部に有し、かつ亜臨界領域を器内下部に有する縦型筒状構造のものをいう。下部の亜臨界領域に落下した塩を亜臨界水に溶解させて器外に排出できるので、超臨界酸化反応で生成する酸をアルカリで中和することが必要な反応に好適に用いられる。有機物分解の超臨界水酸化の条件は、一般的には、反応温度が400℃以上、好ましくは550℃〜650℃前後であり、反応圧力は22MPa〜60MPa、好ましくは22MPa〜30MPaである。反応時間は、例えば、1秒〜24時間であり、好ましくは、1分〜2時間であり、更に好ましくは1分〜10分、更になお好ましくは1分〜2分である。
【0028】
反応器1は、上流側がハウジング1aの内側に支持されている。反応器1の上流側には三流体ノズル20が備えられており、チャンバー3と流体接続する吐出口16を有する。三種類の流体を混合する三流体ノズル20には、3つの導入管2a、2b、2cが接続されており、それぞれハウジング1aに支持される。導入管2aからは第1の流体、導入管2bからは第2の流体、導入管2cからは第3の流体が導入される。
【0029】
第1の流体、第2の流体及び第3の流体には、それぞれ、超臨界水、酸化剤、分解対象物、燃料の何れか、又はこれらの混合物が含まれる。流体の組合せとしては、例えば、第1の流体、第2の流体または第3の流体のいずれかとして、超臨界水および酸化剤が用いられ、残りのいずれかとして燃料が用いられ、残りの流体として、分解対象物が用いられる場合がある。また、第1の流体、第2の流体または第3の流体のいずれかとして、超臨界水が用いられ、残りのいずれかとして酸化剤が用いられ、残りの流体として、分解対象物および燃料が用いられる場合がある。なお、これらに限定されるものではない。また、酸中和が必要な場合にはアルカリをいずれかの流体に添加することができる。
【0030】
燃焼に用いる燃料は、低級アルコール、アセトン、ヘキサンなどの発火しやすい有機溶媒である。発火しやすい目安として、例えば、1気圧での沸点が200℃以下の有機溶媒が好ましく、100℃以下の有機溶媒が好ましい。また、1気圧、0℃にて液体である有機溶媒が好ましい。有機溶媒が気体である場合には、高圧を維持することが困難だからである。望ましくは低級アルコール又は低級アルカンであり、更に望ましくはイソプロピルアルコール又はヘキサンである。
【0031】
「超臨界水」とは、水の臨界点以上、すなわち374℃以上の温度かつ22MPa以上の圧力下に存在する水をいう。超臨界水は、分解対象物に対する溶媒としての役割を果たす。このため、超臨界水の量や温度は、分解対象物の反応温度、供給量、予熱の有無などに応じて決めるが、一般的には一気に昇温できるように、500℃〜650℃の超臨界水を供給するのが好ましい場合が多い。
【0032】
「酸化剤」とは、酸素、空気等のガス状酸化剤あるいは過酸化水素水等の液状酸化剤などがある。通常、費用の点から空気が選ばれることが多い。
「分解対象物」には、分解対象有機物単独の流体、酸中和のためのアルカリを添加した流体など、いずれの場合も含む。更に、「分解対象物」としては、廃棄物、スラリーを含むような廃液、ダイオキシン等の有害物質などを挙げることができる。一般的な有機物は勿論のこと、残留性有機汚染物質(POPs:Persistent Organic Pollutants )或いは残留性有害生物蓄積物質(PTBs:Persistent Toxic Bio-accumlatives )、環境基準において有害物質指定されているPCBs,トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、廃農薬等の有機塩素化合物の分解処理に有効である。また、塩素のほかにもハロゲン化物は一般に難分解性であり、有機臭素化合物等の処理にも有効である。さらに、各種の工場における生産工程からは様々な硫黄化合物、窒素化合物、リン化合物等が排出され、これらの完全分解が求められる有機物の処理にも有効である。
【0033】
次に、図2〜図5を用いて、超臨界水用ノズルについて、詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、三流体ノズル20とは、内管11と、その内管11の外側に配置される外管14と、外管14の外側に配置される最外管15とを備えている。これらの管の中で内管11は最も長く、その上流側の延長線上には導入管2aが接続されている。内管11は上流部に支持体30を有しており、導入管2aは支持体30に支持され、溶接部30aにて溶接され、固定されている。内管11の内部空間は、導入管2aの内部空間と連通しており、導入管2aに供給された第1の流体は、導入管2aを通り、内管11に導入される。
【0034】
外管14は、内管11より短く、最外管15より長い管であり、上流側に支持体32を有する。支持体32は、支持体30と溶接部32aで溶接され、固定されている。支持体32には導入管2bが支持され、溶接部32bにて溶接、固定されている。導入管2bは、外管14の径方向に延びるように設けられている。導入管2bは、外管14と内管11との間の空間と連通する内部空間を有する。導入管2bに供給された第2の流体は、導入管2bを通り、外管14に導入される。
【0035】
最も短い管である最外管15は、上流部に支持体34を有する。支持体34は、支持体32と溶接部34aで溶接され、固定されている。支持体34には、導入管2cが支持され、溶接部34bにて溶接、固定されている。導入管2cは、最外管15の径方向に延びるように設けられている。導入管2cは、導入管2bと平行に設けられていてもよいし、平行でなくてもよい。導入管2cは、最外管15と外管14との間の空間と連通する内部空間を有する。導入管2cに供給された第3の流体は、導入管2cを通り、最外管15に導入される。
【0036】
内管、外管、最外管は、高温および高圧に耐える材質、例えば、SUS、二相ステンレス、インコネル、ハステロイ、クレバロイ、HA230、MCアロイなどで構成されていることが好ましい。望ましくはインコネル、更に望ましくはインコネル625である。
【0037】
図4に示すように、内管11と外管14の下流側の端面はほぼ揃っており、最外管15の下流側の端面に比べて、やや上流側に位置する。この端面の位置の差によって、ノズル吐出口16は、混合チャンバー16bが形成される。この混合チャンバー16bで、各管を流れてきた各流体が、反応器1内に導入される前に予備混合される。この混合チャンバー16bは、ノズル径の約4分の1の深さにて形成されている。なお、混合チャンバー16bの深さは、ノズル径の0.25倍〜1.5倍にて形成することができることが確認できており、分解対象物の種類や反応速度など、様々な条件によって調整することとしている。
【0038】
混合チャンバーで、第1の流体、第2の流体及び第3の流体を混合させることにより、燃料及び分解対象物を燃焼させることができる。また、分解対象物を供給する内管11、外管14または最外管15の内部で重合やチャーリングによる閉塞するおそれをなくすか大幅に低減できる。
【0039】
ノズル吐出口16の内壁16aは、開口側に向かって狭まるようなテーパ状になっている。このテーパは、45度以下にて形成できるが、本実施形態では11.3度とした。
【0040】
内管11における反応器1内へのノズル吐出口16の近傍においては、図2に示すように、外管14の内周面に対して内管の外周面を所定の位置に位置させるための第1のスペーサたる突出部11aが形成されている。また、同様に、外管14におけるノズル吐出口16の近傍においては、最外管15の内周面に対して外管14の外周面を所定の位置に位置されるための第2のスペーサたる突出部14bが形成されている。
【0041】
内管と外管、及び外管と最外管との間にスペーサを備えているので、燃焼に伴う振動などがあっても、内管と外管、及び外管と最外管との間の距離は常に一定に保持される。従って、外管を通過する第2の流体、及び最外管を通過する第3の流体を反応器1の内部に安定的に供給することができる。これにより、各流体の旋回流などによって乱されることのない安定な炎を継続的に発生させることができる。また、内管と外管との間、及び外管と最外管との間の系方向の距離を小さく設計することができ、これに伴って、超臨界水反応装置も小型化することができる。
【0042】
また、このようなノズルは、異なる流路から各流体を別々に供給するため、反応器に達する前に燃焼を起こす危険がない。また、各流体の流路断面積を変えることによって、各流体の混合比及び線速度を調製することができるため、これにより、所望の炎を得ることができる。
【0043】
図5(a)は、内管11に備えられた突出部11a及び外管14に備えられた突出部14bの拡大図である。図5(b)は、図5(a)の(Vb)−(Vb)断面矢視図である。図2、図5(a)及び図5(b)に示すように、突出部11aは、吐出口16側の端部から、例えば18.5ミリメートルのところに等間隔に四方へ放射状に形成している。また、突出部14bも同様に、吐出口16側の端部から、例えば18.5ミリメートルのところに等間隔に四方へ放射状に形成している。この際、流体の流れの邪魔とならないように、小さな寸法に形成することが好ましい。また、あまりに吐出口16に近すぎると吐出させる流体の流れを乱しすぎ、燃焼が安定しないなどの悪影響がある。
【0044】
なお、図示例においては、突出部11aと突出部14bは、ノズル吐出口16から同じ距離離れたところに設けてあるが、異なる位置に設けても構わない。
突出部11aは外管14の内周面に達することは必ずしも必要ではないが、外管14の内周面に達していれば、位置決め効果は高い。同様に、突出部14bは最外管15の内周面に達することは必ずしも必要ではないが、最外管15の内周面に達していれば、位置決め効果は高い。
【0045】
第1のスペーサたる突出部11aは内管11に、第2のスペーサたる突出部14bは外管14に、一体的に形成されていてもよいし、別体としてもよい。一体に形成するためには、例えば、管の外周面を削り、突出部を残して形成してもよい。
【0046】
あるいは、図6に示すように、第1のスペーサは、外管14の内周面から内側に向かって四方へ突出させた突出部14aを備えることによって形成してもよい。加工上、若干の困難性は伴うが、内管と外管との距離を一定に保持することができるからである。同様に、第2のスペーサを、最外管15の内周面から内側に向かって四方へ突出させた突出部を備えることによって形成してもよい。
【0047】
上記例では、突出部11a及び14bは、それぞれ内管11及び外管14に四方へ放射線状に形成されているが、本発明はこれに限定されない。突出部は、少なくとも二方へ突出させて形成されていればよい。位置決めに必要な最低の数だからである。三方以上へ突出させて形成されていることが好ましい。ただ、あまりに多いと流体の流れを止めてしまいかねないので、四方ないし六方程度が妥当である。
【0048】
あるいは、図7に示すように、第1のスペーサは、軸方向に貫通孔が形成されているリング19であってもよい。このリング19は、等間隔に軸方向に延びる3つの突状たる突出部19aを備えている。突出部19aは、位置決めに必要な最低の数であることから、少なくとも二方に放射状に形成されていればよく、三方以上へ突出させて形成されていることが好ましい。ただ、あまりに多いと流体の流れを止めてしまいかねないので、四方ないし六方程度が妥当である。突出部19aは、軸方向に連続的に形成されていてもよいし、断続的に形成されていてもよい。このように、スペーサを内管11と別体に形成することによって、外管14や内管11の内径、外径、軸方向長さなどに応じて、位置決めに適した場所を、現場で調整することができる。同様の理由から、第2のスペーサがリングであってもよい。
【0049】
なお、内管11,外管14及び最外管15におけるノズル吐出口16と反対側の端部では、支持体や反応器1等に固定されており、内管11,外管14及び最外管15の位置関係は安定していることが多いので、必ずしもスペーサを設ける必要はない。
【0050】
内管11は、例えば、軸方向寸法が約200ミリメートル、外径が約4ミリメートルであり、細くて長いが、この第1のスペーサの存在により、外管14に対して同心円上に位置することができる。また同様に、第2のスペーサの存在により、外管14は、最外管15に対して同心円上に位置することができる。その結果、ノズル全体を小さく設計することができるなど、設計の自由度を高めることができる。これに伴って、超臨界水反応装置も小型化することができる。
【0051】
また、三流体ノズル20を採用した場合、三種類以上の流体を混合させる場合、二流体ノズルに比べ、流体ノズルへ流体を送り出す前段階の管理の手間が軽減される。例えば、空気を含んだ超臨界水、分解対象物および燃料をそれぞれの管にて反応器1へ送り込むことができ、混合の管理などが簡易化するという利点がある。なお、空気を含んだ超臨界水、分解対象物および燃料のいずれがどの管を用いてもよいが、内管11に燃料を通す場合と好ましいという実験結果が出た。
【0052】
上記例では、超臨界水用ノズルとして三流体ノズル20を採用した場合を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図8に示すように二流体ノズル22であってもよいし、四流体以上のノズルであってもよい。
【0053】
図8は、二種類の流体を混合する二流体ノズル22を採用している実施形態である。二流体ノズル22とは、第2の流体を供給するための外管14と、その外管14の内空間に内装される、第1の流体を供給するための内管11とを備えたものである。反応器1内へのノズル吐出口16の近傍においては、外管14の内周面に対して内管11の外周面を所定の位置に位置させるため、第1のスペーサたる突出部11aを備えればよい。
【0054】
第1の流体には、超臨界水、酸化剤、分解対象物、燃料の何れか、又はこれらの混合物が含まれる。同様に、第2の流体には、超臨界水、酸化剤、分解対象物、燃料の何れか、又はこれらの混合物が含まれる。例えば、第1の流体及び第2の流体の一方に、超臨界水が用いられ、他方に燃料が用いられる。
【0055】
外管14または内管11に通される流体の組合せとしては、代表的には以下のパターンがある。第一は、燃料、分解対象物等の有機物を内管11又は外管14のいずれかに通し、酸化剤を添加した超臨界水を残りの管に通す組合せである。第二は、燃料、分解対象物等の有機物と超臨界水を内管11又は外管14のいずれかに通し、酸化剤のみを残りの管に通す組合せである。なお、これらに限定されるものではない。また、酸中和が必要な場合にはアルカリをいずれかの流体に添加することができる。
【0056】
ここで、有機物は、分解対象物であってもよいし、燃料であってもよい。また、燃料を添加することなく、分解対象物が燃料として作用してもよい。
なお、第1のスペーサの取りうる態様は、三流体ノズル20で説明したのと同様である。
【0057】
本発明に係る超臨界水用ノズルは、以上のように構成される。
このような超臨界水用ノズルを使用し、有害物質である可能性もある分解対象物を超臨界水反応により分解して、清浄な水を製造する方法としては、三流体ノズルを使用する清浄な水の製造方法であって、第1の流体を内管11により供給し、第2の流体を外管14により供給し、第3の流体を最外管15より供給する供給工程と、供給された第1の流体、第2の流体及び第3の流体を混合させる混合工程と、混合した流体を吐出させて反応させる反応工程とを含む、清浄な水の製造方法を挙げることができる。
【0058】
また、二流体ノズルを使用する清浄な水の製造方法であって、第1の流体を内管11により供給し、第2の流体を外管14により供給する供給工程と、供給された第1の流体及び第2の流体を混合させる混合工程と、混合された流体を吐出させて反応させる反応工程とを含む清浄な水の製造方法を挙げることができる。
【0059】
「超臨界水反応」とは、超臨界水を使用して生じる反応のすべてをいい、典型的には分解対象物の分解反応をいう。
また、「清浄な水」とは、有害物質である可能性のある分解対象物と、超臨界水や燃料、酸化剤等を反応させることにより生成する、有害物質を含まない水のことである。
【0060】
このように、導入管2a及び導入管2b、最外管15がある場合は、更に導入管2cにより導入された流体は、異なる流路を通って吐出口16から反応器1に向かって吐出され、噴出しながら超臨界水反応を起こし、炎を発生しながら燃焼する。異なる流路から各流体を別々に導入するため、反応器に達する前に燃焼を起こす危険がない。
【0061】
反応器1は、高温かつ高圧に耐えられる材料で構成されており、例えば、インコネル、特に、インコネル625から構成される。例えば、600℃の温度、30MPaの圧力に耐えられる材料を用いる。なお、吐出口16の下、火炎そのものは700℃、800℃になったとしても、チャンバーの内壁では600℃の温度に耐えられればよいこともある。
【0062】
超臨界水反応装置は、反応器1の周囲には、チャンバーを加熱するため、電熱コイル等の加熱器4が設けられている。加熱器4の系方向に外側は、断熱材等の保温材5で被覆されている。加熱器4及び保温材5は、ハウジング5aの内側に支持される。
【0063】
超臨界水反応装置は、チャンバー3の下流に、熱交換機6を有しても良い。熱交換機6は、ハウジング6aと、その内部にほぼ平行に配置されている複数の管と、ハウジング6aに設けられた冷媒入口6bと、ハウジング6aに設けられた冷媒出口6cを有する。管の内側がチャンバー3に流体接続しており、これにより、チャンバー3内を通過した反応生成物が熱交換機6の管の内部を流れることができる。一方、それらの管の外側かつハウジング6aの内側を空気等の冷媒が、冷媒入口6bから冷媒出口6cに向かって、反応生成物と逆方向に流れることができる。
【0064】
次いで、熱交換機6の下流に更に熱交換機7を有することが好ましい。熱交換機7は、ハウジング7aと、その内部にほぼ平行に配置されている複数の管と、冷媒入口(図示せず)と、その上流側に冷媒出口7cとを有する。それらの管の内側が熱交換機6の管の内側に流体接続しており、これにより、熱交換機6の管の内部を通過した反応生成物が更に熱交換機7の管の内部を流れることができる。一方、その管の外側かつハウジング7aの内側を、冷媒入口(図示せず)から冷媒出口7cに向かって、水等の冷媒が反応生成物と逆方向に流れることができる。
【0065】
熱交換機6と熱交換機7とは、例えば、フランジ8a及びフランジ8bを介して接続される。
例えば、熱交換機6では、冷媒として、空気等の気体が好ましく用いられる。一方、熱交換機7では、冷媒として、水等の液体が好ましく用いられる。熱交換機6の管としては、例えば、600℃の温度、かつ、30MPaの圧力に耐える部材、例えば、インコネル625が用いられる。熱交換機7の管としては、例えば、370℃の温度、かつ、30MPaの圧力に耐える部材、例えば、インコネル625が用いられる。
【0066】
本発明の一実施形態に用いる超臨界水反応装置は、以上のように構成される。導入管2a,2b,2cによりノズル20に導入された超臨界水、分解対象物、酸化物及び燃料等の流体は、ノズル20の吐出口16から反応器1へ向かって吐出され、噴出し、適宜設計したノズル構造や供給流量の設定により与えられる所定粒径の液滴となって反応器1内に噴出する。そしてこの際に、被処理流体は超臨界水との混合により一気に水の臨界温度以上に昇温され、酸化剤の存在により発熱反応し、酸化分解や加水分解等により水(この条件下では超臨界水)、二酸化炭素、窒素等の単純な化合物まで分解される反応が進行する。この際、反応器1に確定されるチャンバー3内は、超臨界水反応が生じる環境となるように、加熱器4により加熱され、それらは保温材5により保温される。
【0067】
反応生成物は、チャンバー3内を通過して下流側に流れ、チャンバー3の下流側に備えられた熱交換機6により冷却される。反応生成物の冷却は、冷媒入口6bから冷媒出口6cに向かって流れる冷媒が、熱交換機6を構成する複数の管の内側を下流に向かって流れる反応生成物の温度を奪うことによって行われる。
【0068】
熱交換機6によって、ある程度冷却された反応生成物は、熱交換機6の下流側に設けられた熱交換機7によって更に冷却される。この際、反応生成物の冷却は、同様に、冷媒入口(図示せず)から冷媒出口(図示せず)に向かって流れる冷媒が、熱交換機7を構成する複数の管の内側を下流に向かって流れる反応生成物の温度を奪うことによって行われる。
【0069】
以上のように冷却された反応生成物は、収集可能な状態になる。収集可能な状態になった反応生成物は、収集され、器外に排出される。
以上説明したように、本発明に係る超臨界水用ノズルは、内管と外管との間に第1のスペーサを備え、最外管がある場合は外管と最外管との間に第2のスペーサを備え、管同士の距離を一定に保持することができる上記超臨界水用ノズルであるので、各流体の旋回流などによって乱されることのない安定な炎を継続的に発生させることができる。
【0070】
また、上記のようなノズルを使用すれば、異なる流路から各流体を別々に供給することができるため、反応器に達する前に燃焼を起こす危険がなく、安全に超臨界水反応を起こすことができる。また、各流体の流路断面積を変えることによって、各流体の混合比及び線速度を調製することができるため、これにより、所望の炎を得ることができる。
【0071】
【実施例】
本発明に係る三流体ノズルを用いた超臨界水反応装置を使用して、ダイオキシンを炭酸ガス及び塩素イオンまで酸化分解した。
【0072】
分解対象物として、ダイオキシンを使用した。ダイオキシンは、Wellington Laboratoryの標準ダイオキシンサンプルEPA8290STNをヘキサンで100倍に希釈し、ダイオキシン溶液とした。この溶液は、高温分解反応場を維持するための燃料としても用いた。また、酸化剤として空気を使用した。
【0073】
三流体ノズルの導入管2b、2cのみ使用し、導入管2bからはダイオキシン溶液を導入し、導入管2cからは酸化剤である空気が溶解した超臨界水を導入した。
【0074】
ダイオキシン溶液の量は1.2mLとし、ダイオキシン溶液の流量を1mL/minとした。また、超臨界水の量は、19.853Lとし、超臨界水の流量を49mL/minとした。反応器は500℃に加熱した。反応時間は約1分であった。また、使用した燃料を完全燃焼するのに必要な空気の2倍の量の空気(空気比=2.0)を使用した。
【0075】
図9にノズルの吐出口付近の実測温度を示す。
標準ダイオキシンサンプル中のダイオキシンの異性体ごとにダイオキシンの濃度、ダイオキシンの絶対量及びダイオキシンの初濃度を計算し、実測濃度基準での分解率を、ダイオキシンの異性体ごとに表1に示した。なお、DXN絶対量とは、ダイオキシン絶対量のことであり、標準ダイオキシンサンプル量に標準ダイオキシンサンプルのダイオキシン濃度(DXN標準サンプル濃度)をかけた値である。また、DXN初濃度とは、ダイオキシンの初濃度のことであり、DXN絶対量を超臨界水の量で割った値である。
【0076】
【表1】
Figure 0003703695
【0077】
また、標準ダイオキシンサンプル中のダイオキシンの異性体ごとに2378-T4CDDの毒性を基準としたTEQ初濃度を計算し、TEQ基準での分解率を、ダイオキシンの異性体ごとに表2に示した。なお、TEFとは、2378-T4CDDの毒性を1とした場合の相対係数であり、DXN_TEQ初濃度とは、TEQ基準でのダイオキシン濃度のことであり、DXN初濃度に、TEFをかけた値である。
【0078】
【表2】
Figure 0003703695
【0079】
なお、以下の略称の化学名は、以下に示す通りである。
2378-T4CDD:2,3,7,8-テトラクロロジベンゾダイオキシン
12378-P5CDD:1,2,3,7,8-ペンタクロロジベンゾダイオキシン
123478-H6CDD:1,2,3,4,7,8-ヘキサクロロジベンゾダイオキシン
123678-H6CDD:1,2,3,6,7,8-ヘキサクロロジベンゾダイオキシン
123789-H6CDD:1,2,3,7,8,9-ヘキサクロロジベンゾダイオキシン
1234678-H7CDD:1,2,3,4,6,7,8-ヘプタクロロジベンゾダイオキシン
O8CDD:1,2,3,4,6,7,8,9-オクタクロロジベンゾダイオキシン。
【0080】
2378-T4CDF:2,3,7,8-テトラクロロジベンゾフラン
12378-P5CDF:1,2,3,7,8-ペンタクロロジベンゾフラン
23478-P5CDF:2,3,4,7,8-ペンタクロロジベンゾフラン
123478-H6CDF:1,2,3,4,7,8-ヘキサクロロジベンゾフラン
123678-H6CDF:1,2,3,6,7,8-ヘキサクロロジベンゾフラン
123789-H6CDF:1,2,3,7,8,9-ヘキサクロロジベンゾフラン
234678-H6CDF:2,3,4,6,7,8-ヘキサクロロジベンゾフラン
1234678-H7CDF:1,2,3,4,6,7,8-ヘプタクロロジベンゾフラン
1234789-H7CDF:1,2,3,4,7,8,9-ヘプタクロロジベンゾフラン
O8CDF:1,2,3,4,6,7,8,9-オクタクロロジベンゾフラン。
【0081】
T4CDDs:2378-T4CDD等のテトラクロロジベンゾダイオキシン類
P5CDDs:12378-P5CDD等のペンタクロロジベンゾダイオキシン類
H6CDDs:123478-H6CDD等のヘキサクロロジベンゾダイオキシン類
H7CDDs:1234678-H7CDD等のヘプタクロロジベンゾダイオキシン類
PCDDs:ポリクロロジベンゾダイオキシン類
T4CDFs:2378-T4CDF等のテトラクロロジベンゾフラン類
P5CDFs:12378-P5CDF等のペンタクロロジベンゾフラン類
H6CDFs:123478-H6CDF等のヘキサクロロジベンゾフラン類
H7CDFs:1234678-H7CDF等のヘプタクロロジベンゾフラン類
PCDFs:ポリクロロジベンゾフラン類。
【0082】
表1、表2から明らかなように、本発明に係る超臨界水反応装置によれば、500℃以上の超臨界水を用いるので、分解対象物は、実測濃度基準で99.99%以上の分解率、TEQ基準で99.9999%以上の分解率を確認することができた。
【0083】
また、本発明に係る超臨界水反応装置によれば、充分な酸化剤を供給することができるので、一酸化炭素の発生を抑制することができた。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、内管と外管との間にスペーサ(11a,14a,14b,19)を備えているので、外管(14)及び内管(11)の距離、最外管がある場合は、最外管(15)および外管(14)の距離を一定に保持することができ、燃焼に伴う振動などによっても安定的に保持することができる。これに伴って、安定な炎を継続的に発生させることができ、また、超臨界水用ノズルの外径寸法を小さくすることができ、超臨界水反応装置も小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に用いる超臨界水反応装置全体の断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る超臨界水用ノズル全体の断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る超臨界水用ノズルの主要部詳細断面図であり、図2中の領域(III)の拡大図である。
【図4】本発明の実施形態に係る超臨界水用ノズルの主要部詳細断面図であり、図2中の領域(IV)の拡大図である。
【図5】(a)は、本発明の実施形態に係る超臨界水用ノズルの主要部詳細断面図であり、図2中の領域(V)の拡大図である。(b)は、(a)の(Vb)―(Vb)断面矢視図である。
【図6】(a)は、本発明の実施形態に係る超臨界水用ノズルの主要部詳細断面図であり、(b)は、(a)の(VIb)−(VIb)断面矢視図である。
【図7】本発明の実施形態に係る超臨界水用ノズルの主要部詳細図である。
【図8】本発明の実施形態に係る超臨界水用ノズル全体の断面図である。
【図9】ノズル付近の温度を示すグラフである。
【図10】純粋な水の状態図である。
【符号の説明】
1 反応器 1a ハウジング
2a,2b,2c 導入管
3 チャンバー 4 加熱器
5 保温材 5a ハウジング
6,7 熱交換機 6a,7a ハウジング
6b 冷媒入口 6c,7c 冷媒出口
8a,8b フランジ
10 超臨界水反応装置
11 内管 11a,14a,14b 突出部
14 外管
15 最外管
16 吐出口 16a 内壁
16b 混合チャンバー
19 リング 19a 突出部
20 三流体ノズル
22 二流体ノズル
30,32,34 支持体
30a,32a,32b,34a,34b 溶接部

Claims (10)

  1. 第1の流体を供給するための内管と、
    前記内管の外側に配置される、第2の流体を供給するための外管と、
    前記内管と前記外管との間に位置する第1のスペーサと、
    前記外管の更に外側に配置される、第3の流体を供給するための最外管と、
    前記外管と前記最外管との間に位置する第2のスペーサと、
    を備えたことを特徴とする超臨界水用ノズル。
  2. 前記超臨界水用ノズルは、吐出口を有し、前記第1のスペーサ及び/又は第2のスペーサは前記吐出口の近傍に配置されることを特徴とする請求項1に記載の超臨界水用ノズル。
  3. 前記吐出口に、混合チャンバーが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の超臨界水用ノズル。
  4. 前記第1のスペーサは、前記内管の外周面から外側に向かって少なくとも二方へ突出させて形成された突出部からなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の超臨界水用ノズル。
  5. 前記第2のスペーサは、前記外管の外周面から外側に向かって少なくとも二方へ突出させて形成された突出部からなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の超臨界水用ノズル。
  6. 記第1のスペーサは、前記外管の内周面から内側に向かって少なくとも二方へ突出させた突出部を備えることによって形成したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の超臨界水用ノズル。
  7. 前記第2のスペーサは、前記最外管の内周面から内側に向かって少なくとも二方へ突出させた突出部を備えることによって形成したことを特徴とする請求項1〜3及び5の何れかに記載の超臨界水用ノズル。
  8. 前記第1のスペーサ及び/又は第2のスペーサは、軸方向に貫通孔が形成されているリングを含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の超臨界水用ノズル。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の超臨界水用ノズルを使用する清浄な水の製造方法において、前記第1の流体を前記内管により供給し、前記第2の流体を前記外管により供給し、前記第3の流体を前記最外管より供給する供給工程と、供給された前記第1の流体、前記第2の流体及び前記第3の流体を混合させる混合工程と、混合した流体を吐出させて反応させる反応工程とを含むことを特徴とする清浄な水の製造方法。
  10. 内部にチャンバーを確定する反応器と、前記反応器を保温するための保温材と、前記反応器の前記チャンバーに流体接続するノズルとを有する超臨界水反応装置であって、前記ノズルが請求項1〜8の何れかに記載の超臨界水用ノズルであることを特徴とする超臨界水反応装置。
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