JP2021109153A - 揮発性有機化合物処理装置 - Google Patents

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克吉 加藤
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Abstract

【課題】 大型化が可能で低ランニングコストであると共に、安全性が高く処理効率の高い揮発性有機化合物処理装置の提供する。【解決手段】 台座2、旋回炎ガイド3、混合燃料ガス−空気用二重管4及びVOCガス−空気用二重管5により構成される旋回式揮発性有機化合物処理装置1にて、アンモニアとVOCの混合ガスに空気を添加して発生させた旋回炎が旋回炎ガイド3に沿って進行し当該端部で重複して形成する高温場に別途VOCガスと空気を送り込むことでVOCガスの燃焼処理を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、揮発性有機化合物処理装置に関するものであり、特に、工場や事業所から排出されるガス中の揮発性有機化合物を分解処理するために使用される揮発性有機化合物処理装置に関するものである。
揮発性有機化合物(VOC)は、浮遊粒子状物質や光化学オキシダントの原因物質の一つであり、一定規模以上の工場や事業所はVOCの排出規制の対象とされている。但し一定規模の工場といえどもVOC発生個所としては塗装ブースやプラスチック成型品製造ブース等小空間が多数存在するケースもあり、また、これらのブースでは異なる種類と濃度のVOCが使用されることもあり、これらを一括に大規模処理装置で分解処理する場合、条件を難燃性VOCの完全分解に合わせる必要があるため、必ずしも経済的ではない。そのため、小規模ブースにも対応可能な低ランニングコストのVOC処理装置が望まれている。
従来のVOC処理装置は、吸着法、薬液吸収法、生物分解法、プラズマ分解法、燃焼酸化法(直接燃焼式、蓄熱燃焼式、触媒燃焼式)を用いた装置に大別される。そのうち、燃焼酸化法では、加熱手段としてバ−ナ−を使用した装置(特許文献1)や、 電気ヒ−タ−を使用した装置(特許文献2)が一般的である。また、触媒分解法の場合、触媒作動温度までVOCを加熱するための加熱装置と一体となっている装置が一般的である。
特開平11−221430号公報 特開2005−279570号公報
しかしながら、吸着材や薬液交換が必要でランニングコストがかかる吸着法や薬液吸収法、生物の維持管理に手間や経費がかかる生物分解法、装置が大型でコスト高のプラズマ分解法を用いた装置は、小規模の工場には不向きであった。また、電気ヒ−タ−を用いる装置では、熱効率が悪く加熱に時間がかかり、またスケ−ルアップにおいて電力コストが嵩むという問題があった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、低ランニングコストであると共に、安全性が高く処理効率の高い揮発性有機化合物処理装置の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる揮発性有機化合物処理装置は、「内部にアンモニアとVOC含有未処理ガス(以下、「VOCガス」と略)とを混合したアンモニア−VOCガス混合燃料ガス(以下、「混合燃料ガス」と略)を供給する混合燃料ガス用流路及び空気を供給する空気用流路からなる二重管(以下、「混合燃料ガス−空気用二重管」と略)と表面に当該ガスの噴射孔を備えた台座と、VOCガス用流路と空気用流路からなる二重管(以下、「VOCガス−空気用二重管」と略)、及び台座表面の外周部から台座表面に対して垂直方向に設けた旋回炎ガイドにより構成される、旋回式揮発性有機化合物処理装置(以下、「旋回式VOC処理装置)」と略」である。ここで、旋回炎ガイド内の空間は燃焼用空間となり、台座においては燃焼用空間側を表面とする。
旋回式VOC処理装置の台座、旋回炎ガイドの材質は、耐熱温度1200℃以上の材料であればいずれでも良く、金属系材料の例としてチタンやチタン合金及びニッケル基合金、セラミックス材料としてはアルミナや炭化ケイ素等の耐熱性セラミックスが適用可能である。また、混合燃料ガス−空気用二重管及びVOCガス−空気用二重管の材質は、金属系材料が好ましく、チタンやチタン合金及びニッケル基合金等が適用可能である。
「混合燃料ガス−空気用二重管」は、内管が混合燃料ガス用流路、外管が空気用流路からなる二重管である。同様に「VOCガス−空気用二重管」は、内管がVOCガス用流路、外管が空気用流路からなる二重管である。両者の二重管における内管には、火炎の侵入防止のため逆止弁が取り付けられている。
また、「混合燃料ガス−空気用二重管」は、当旋回式VOC処理装置内の「混合燃料ガス−空気用内部二重管」と当装置外の「混合燃料ガス−空気用外部二重管」が溶接部を介して接続した二重管である。
台座に備えられた「混合燃料ガス−空気用内部二重管」は、台座内部における表面付近の「混合燃料ガス−空気用内部二重管終端」において、ある角度をもって台座表面に向かって伸びている「混合燃料ガス−空気噴射用二重管」と連結しており、当該混合燃料ガス−空気噴射用二重管の台座表面
に露出した部分を前記の混合燃料ガス噴射孔及び空気噴射孔とする。
台座表面に混合燃料ガス噴射孔及び空気噴射孔を各々複数個設ける場合、これらの噴射孔の中心点と当該混合燃料ガス−空気用内部二重管の中心点は、台座の中心点からある半径の円周上に存在するように配置される。
「旋回炎ガイド」は、台座の外周に沿って円筒形の壁面が台座表面に対して垂直方向に伸び、当該方向のある部分で当該壁面が当旋回式VOC処理装置の中心軸方向に湾曲し、頂上部が開口したド−ム状の構造を有する。混合燃料ガス噴射孔から噴射される燃料ガスと空気噴射孔から噴射される空気はある角度をもって当旋回炎ガイドに衝突し、パイロットバ−ナ−等により着火して発生した炎はガイド壁面に沿って旋回しながら進み、当装置の端部付近では湾曲したガイドに沿って当装置の中心軸側に導かれ、旋回炎ガイドの開口部で800℃以上の高温場を形成する。
「VOCガス−空気用二重管」は、当装置内の「VOCガス−空気用内部二重管」と「VOCガス−空気用外部二重管」が溶接部を介して接続した二重管である。
「VOCガス−空気用内部二重管」は、その先端部にバ−ナ−ノズルが取り付けられている。また、当該バ−ナ−ノズルは、その中心線が台座の中心点を通るように配置されている。さらに、当該バーナーノズルの先端は台座から旋回炎ガイドの長手方向において旋回炎ガイドの長さの半分位置に位置する。一般的に旋回流は、中心部の圧力が外周部の圧力に比べて低いため、当バ−ナ−ノズルからVOCガスを噴射することで、直接上述の高温場に到達し、VOCガスは燃焼処理される。
以上、旋回式VOC処理装置において、VOCガスにアンモニアを添加して生成した混合燃料ガスをバ−ナ−部の台座から所定角度、所定速度にて噴射させ、パイロットバ−ナ−等により着火させて旋回炎ガイドに沿って火炎を旋回させ、旋回炎ガイドの頂上付近の開口部にて当該旋回炎が重複して高温場が形成され、当高温場に対して別途VOCガスを空気とともにVOCガス−空気用内部二重管の先端に取り付けたバーナーノズルより噴霧することでVOCガスを燃焼処理する。
さらに、上記の課題を解決するため、本発明にかかる揮発性有機化合物処理装置は、上記の旋回式VOC処理装置をバーナー部として利用した処理装置であり、「交互に燃焼する2つのバ−ナ−部を備えた燃焼部が設けられ、当該燃焼部に対しては、混合燃料ガスを供給する混合燃料ガス生成供給部、VOCガスを供給するVOCガス供給用ファン、空気を供給する空気供給用ファン、蓄熱装置、スクラバー及び燃焼排ガス吸引用ファンが設けられ、当該混合燃料ガス生成供給部にはアンモニアを供給するためのアンモニア供給部と前記VOCガス供給用ファンが接続しており、当該アンモニア供給部にはアンモニアを当混合燃料ガス生成供給部へ供給するため及び前記の2つの蓄熱装置に供給するためのアンモニア供給調整バルブが接続しており、さらに当該混合燃料ガス生成供給部は2つのバ−ナ−部のどちらかに交互に混合燃料ガスを供給するための混合燃料ガス供給切替バルブに接続しており、前記の2つの蓄熱装置は、それぞれ上記バ−ナ−部とアンモニア供給部の他に、蓄熱装置−スクラバ−切替バルブを介して燃焼排ガス処理用に設けられたスクラバーと接続しており、また当該蓄熱装置−スクラバ−切替バルブ及び空気供給調整バルブを介してバ−ナ−部に空気を供給するための空気供給用ファンと接続しており、当スクラバ−の手前には2つの蓄熱装置からの燃焼排ガスを交互にスクラバ−へ流通させるための三方バルブを備え、さらに当スクラバ−後段には燃焼排ガス吸引用ファンが接続している、旋回式交番揮発性有機化合物処理装置(以下、「旋回式交番VOC処理装置」と略)」である。
「燃焼部」は、ハウジング容器内面に断熱材が張られており、当該断熱材の内部にバ−ナ−部収納容器を配し、当容器内には2つのバ−ナ−部が対称的に対置した構造を有する。なお、バ−ナ−部はその台座の裏面をバ−ナ−部収納容器の壁面に接触させた形で配置される。
「混合燃料ガス−空気用二重管」及び「VOCガス−空気用二重管」における空気用流路は、燃焼処理している場合は燃焼用空気の供給路であり、燃焼処理していない場合は他方のバーナーで燃焼処理時に発生する燃焼排ガスを蓄熱装置に導入するための燃焼排ガス導入管の役割を兼ねる。
「蓄熱装置」は、燃焼部から排出される燃焼排ガスを当該装置内に導入するための燃焼排ガス導入管(燃焼部側空気用供給管を兼ねる)及び燃焼排ガス排出管(空気供給管を兼ねる)と接続しており、装置内部には燃焼部からの高温燃焼排ガスの熱エネルギ−を蓄積するための蓄熱材と燃焼排ガス中のNOxを除去するためのNOx分解触媒を備えた蓄熱装置である。
また、当蓄熱装置において、当該蓄熱材とNOx分解触媒との間に多孔質隔壁体のスペ−サ−が設けられており、当スペ−サ−と当該蓄熱材との間の空間にはアンモニア導入管が接続されている。これにより、当該蓄熱装置は、アンモニア供給部からアンモニアを導入し、式(1)に示すような反応によるNOxの無触媒分解処理を行うためのリアクタ−の機能を兼ねる。
4NO + O2 + 4NH3 → 4N2 + 6H2O −−−(1)
「スクラバ−」は、蓄熱装置から排出された燃焼排ガスを急速冷却し、排ガス中に含まれる塩素ガスが有機物と結合してダイオキシン類が生成することを抑制するための排ガス洗浄塔である。
当旋回式交番VOC処理装置を用いてバーナー部でVOC燃焼処理する場合、発生する1200℃以上の燃焼排ガスは、他方のバ−ナ−部の「混合燃料ガス−空気用二重管」及び「VOCガス−空気用二重管」における空気用流路から吸引され、当空気用流路と燃焼部の外側で接続している空気用外部管(燃焼排ガス排出管)を通り蓄熱装置に導入される。この場合、高温の燃焼排ガスを蓄熱材に接触させることで蓄熱材に蓄熱される。
また、当該燃焼排ガスが蓄熱装置に導入されると、それと同時にアンモニアも導入され、前記式(1)に示す反応式により蓄熱装置内でNOxが分解される。さらに、当該NOx分解処理で残留したNOxは蓄熱装置において蓄熱材の後段に配置したNOx分解触媒により分解処理される。
なお、塩素含有VOCを含むVOCガスを燃焼処理した場合、VOCが分解した際に塩素ガスが発生するが、導入されたアンモニアにより式(2)に示す反応式により蓄熱装置内で塩化水素を生成し、ダイオキシンの発生を抑制することができる。
3Cl2 + 2NH3 → N2 + 3HCl −−−(2)
蓄熱装置から排出された燃焼排ガスは、蓄熱装置−スクラバ−切替バルブとスクラバ−に通じる三方バルブを経由してスクラバ−に導入される。スクラバ−入口における燃焼排ガスの温度は300〜400℃であるため、蓄熱装置で残留した塩素ガスによりダイオキシンが生成する可能性が高い。そのため、当該スクラバ−により排ガスを急速冷却して、ダイオキシンの発生を基準値以下に抑制することができる。
以上、一方の系統のバ−ナ−部によるVOCガスの燃焼処理が終了した後、他方の系統のバ−ナ−部を作動させるべく混合燃料ガス、アンモニア、VOCガス及び空気の各ガスに係る供給用バルブを他方の系統のものに切り替え、燃焼排ガスが通過した直後の蓄熱装置に空気を供給して加熱し、加熱された空気を混合燃料ガスと共にバ−ナ−部に導入し、旋回炎を発生させ、旋回炎ガイドの開口部における高温場に対してバ−ナ−ノズルによりVOCガスと高温空気を噴射することでVOCを燃焼分解する。以後、同様に2つのバ−ナ−部を交互に切り替えながらVOCガスを燃焼処理する。
旋回式VOC処理装置において、工場等で排出されるVOCガスにアンモニアを添加して混合燃料ガスを生成し、これを旋回炎ガイド内で噴射して旋回炎を発生させ、当旋回炎ガイドの頂上付近の開口部にて高温場を発生させ、当該高温場に対して残りのVOCガスを空気とともに送り込むことでVOCガスを燃焼処理することが可能である。この方式により、従来の化石燃料を利用したVOC燃焼処理方法に比べてCO2の排出量を低減することが可能である。また、VOC燃焼に要する加熱用アンモニアの使用量を低減することも可能であり、それに伴いNOxの発生量を低減することも可能である。
旋回式交番VOC処理装置おいて、工場等から排出されたVOCガスを2つのバ−ナ−部(旋回式VOC処理装置)に交互に導入して燃焼処理することで、旋回式VOC処理装置単独でVOC燃焼処理を行う場合に比べて熱効率の改善を図ることができる。また、蓄熱装置に導入したVOCガスの燃焼処理後の高温燃焼排ガスにアンモニアを直接反応させることで、NOx分解を省コストで行うことができる。さらに、塩素分などを含むVOCに対しても、VOCガスの燃焼処理後の高温燃焼排ガスにアンモニアを直接反応させることでHClとして回収することが可能であるため、スクラバ−による急速冷却と合わせることでダイオキシンの発生を抑制することができる。
旋回式VOC処理装置の概略図である。 旋回式VOC処理装置の台座裏面から見た配管配置図である。 旋回式VOC処理装置の配管配置に関する側面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 図3(a)の補助線L3断面図である。 旋回式交番VOC処理装置の概略図である。 図4における燃焼部の概略図である。 図4における蓄熱装置の概略図である。 制御部、燃焼部及び蓄熱装置との関係を示した図である。 旋回式交番VOC処理装置の操作フロ−第1図である。 旋回式交番VOC処理装置の操作フロ−第2図である。 旋回式交番VOC処理装置の操作フロ−第3図である。
以下、本発明の最良の実施形態である揮発性有機化合物処理装置について、図1乃至図8に基づいて説明する。ここで、図1は旋回式VOC処理装置の概略図であり、図2(a)は旋回式VOC処理装置の台座裏面から見た配管配置図であり、図2(b)は旋回式VOC処理装置の配管配置に関する側面図であり、図3(a)は図1のA−A断面図で台座表面部の概略図であり、図3(b)は図1のB−B断面図で台座内部の概略図であり、図3(c)は図3(a)の補助線L3断面図であり、図4は本実施形態の旋回式交番VOC処理装置の構成図であり、図5は図4における燃焼部の構成図であり、図6は図4における蓄熱装置の構成図であり、図7は制御部、燃焼部及び蓄熱装置との関係を示した図であり、図8(a)は本実施形態の旋回式交番VOC処理装置の操作フロ−第1図であり、図8(b)は同フロ−第2図であり、図8(c)は同フロ−第3図である。
次に、本実施形態の旋回式VOC処理装置1について説明する。旋回式VOC処理装置1は、図1に示すように台座2、旋回炎ガイド3、混合燃料ガス−空気用二重管4及びVOCガス−空気用二重管5からなる。台座2、旋回炎ガイド3の材質は、耐熱温度1200℃以上の材料であればいずれでも良く、金属系材料の例としてチタンやチタン合金及びニッケル基合金、セラミックス材料としてはアルミナや炭化ケイ素等の耐熱性セラミックス等が適用可能である。また、混合燃料ガス−空気用二重管4及びVOCガス−空気用二重管5の材質は、金属系材料が好ましく、チタンやチタン合金及びニッケル基合金等が適用可能である。
台座2については、内部に配置した混合燃料ガス−空気用内部二重管45と、台座表面付近において当該混合燃料ガスと空気をある角度で噴射させるべく混合燃料ガス−空気用内部二重管45の終端44において混合燃料ガス−空気噴射用二重管43が連結しており、台座表面における当該噴射用二重管43の出口を混合燃料ガス噴射孔41、空気噴射孔42とする。
前記の通り、混合燃料ガス−空気用内部二重管45は、溶接部451を介して当VOC燃焼処理装置1の外部に配置されている混合燃料ガスー空気用外部二重管46と連結される。これにより、図2(b)に示す混合燃料ガス用流路47と空気用流路(1)48は台座2のそれぞれの噴射孔(41、42)まで繋がる。
さらに、台座2において、VOCガスを旋回炎ガイド3の開口部付近のVOCガス燃焼用空間6内に噴射するためのVOCガス−空気用内部二重管52は、当二重管の先端に取り付けられているバーナーノズル51の吐出口の中心が台座2の中心に一致するように、且つ当該バーナーノズル51の先端が台座から旋回炎ガイド3の長手方向に旋回炎ガイドの長さの半分位置に位置するように配置される。また、前記の通りVOCガス−空気用内部二重管52は、溶接部521を介して当VOC燃焼処理装置1の外部に配置されるVOCガス−空気用外部二重管53と接続される。以上により、図2(b)に示すVOCガス用流路56と空気用流路(2)57は当該バーナーノズル51までつながる。
旋回式VOC処理装置1の外部における混合燃料ガスー空気用外部二重管46に対する混合燃料ガスと空気の供給方法及びVOCガス−空気用外部二重管53に対するVOCと空気の供給方法に関し配管配置例を図2(a)、(b)を用いて説明する。
混合燃料ガスと空気の供給方法の一例としては、図2(a)に示すように、旋回式VOC処理装置1の外部において、空気用外部供給管10内に混合燃料ガス用外部供給管8が位置する構造を有する二重管で形成された二重管円環部12が配置され、当該二重管円環部12には混合燃料ガスー空気用外部二重管46が図2(b)に示すように接続する。また、図2(b)に示すように当該二重管円環部12における混合燃料ガス用外部供給管8は、当該外部二重管46内の混合燃料ガス用流路47に接続しており、また当該外部供給管8は混合燃料ガス用外部配管7と接続しているため、外部から当該外部配管7を通じて導入された混合燃料ガスは、当該外部供給管8を通り、混合燃料ガスー空気用外部二重管46内の混合燃料ガス用流路47を通り、最終的に図1に示す混合燃料ガス噴射孔41から旋回炎ガイド3内に導入される。
同様に当該二重管円環部12における空気用外部供給管10は、混合燃料ガスー空気用外部二重管46内の空気用流路(1)48に接続しており、空気用外部配管(1)9を通じて導入された空気は空気用外部供給管10を通り、当該外部二重管46内の空気用流路(1)48を通り、最終的に図1に示す空気噴射孔42から旋回炎ガイド3内に導入される。なお、空気用外部配管(1)9内部には温度センサー(1)13を配置し、供給空気の温度をモニタリングする。
VOCと空気の供給方法の一例としては、図2(a)に示すように、旋回式VOC処理装置1の外部において、上述の二重管円環部12に接続している空気用外部配管(1)9から分岐した空気用外部供給分岐管11に対して接続している空気用外部配管(2)55が、図2(b)に示すようにVOCガス用配管54を取り囲む形でVOCガス−空気用外部二重管53を形成する。これにより、空気用外部供給分岐管11により導入された空気は当該外部二重管53の空気用流路(2)57を通り、VOCガス燃焼用空間6へ噴射される。同様に、VOCガスはVOCガス用配管54を経由して当該外部二重管53のVOCガス用流路56を通り、VOCガス燃焼用空間6へ噴射される。
次に、図3(a)〜図3(c)により、台座2内部における混合燃料ガス−空気用二重管4(混合燃料ガス噴射孔41、空気噴射孔42、混合燃料ガス−空気噴射用二重管43、混合燃料ガス−空気用内部二重管終端44、混合燃料ガス−空気用内部二重管45)の位置関係と旋回炎発生条件について説明する。なお、本実施例においては、混合燃料ガス−空気用内部二重管45の中心点と噴射孔(41、42)の中心点が台座2の中心を回転中心として4回対称位置に配置された例を示す。
図3(a)は、図1のA−A線断面図であり、台座表面部に位置する混合燃料ガス噴射孔41(空気噴射孔42)の位置での各々の噴射孔の形状を実線で、混合燃料ガス−空気用内部二重管45の同終端44の位置を台座表面部に投影した場合の同噴射孔各々の形状を点線で表す。また、混合燃料ガス噴射孔41(空気噴射孔42)の4つ中心点をP1〜P4とし、P1−P3間の補助線をL11、P2−P4間の補助線をL21とする。さらに、当該内部二重管45の中心線と台座表面部との交点をQ1〜Q4とし、Q1−Q3間の補助線をL12とし、Q2−Q4間の補助線をL22とする。また、中心点P1−Q1間の補助線をL3とする。さらに、補助線L11−L12間の角度をS1、補助線L12−L3間の角度をS2、補助線L11とL21との間の角度(隣接する混合燃料ガス(空気)噴射孔間の角度)をS3とする。なお、台座2の中心点をMとし、台座2の中心点Mから各点Pn(n=1〜4)までの距離(半径)をr、中心点Mから各点Q n(n=1〜4)までの距離をr’ (半径)とする。なお、本実施例の場合、両者の間はr = r’という関係にある。
図3(b)は、図1のB−B線断面図であり、台座内部の混合燃料ガス−空気用内部二重管45の同終端44での断面図である。この場合、混合燃料ガス−空気用内部二重管終端44での当該二重管の形状を実線で、台座表面に位置する混合燃料ガス噴射孔41と空気噴射孔42の位置での各々の噴射孔を点線で表す。この場合、当該内部二重管終端44での当該内部二重管45の4つの中心点を点R1〜R4とする。前記の4つの中心点Q1〜Q4は、点R1〜R4のそれぞれを通る同内部二重管45の中心線上にある。そのため、R1−R3間の補助線はL12と重なり、R2−R4間の補助線はL22と重なる。
図3(c)は、図3(a)の補助線L3における断面図であり混合燃料ガス−空気用内部二重管45と混合燃料ガス−空気噴射用二重管43の関係を示したものである。当該内部二重管45の中心線をL4、当該噴射用二重管43の中心線をL5、L4−L5間の角度をS4とする。また、当該内部二重管45内の混合燃料ガス用流路47の内部側面に燃焼排ガス侵入防止用の逆止弁491が蝶番492と共に取り付けており、さらに反対側には逆止弁491が逆方向に開くことを防止するためのストッパー493が設けている。
以上、本実施例においてr = r’>10cmという関係の場合、混合燃料ガスの流速が30cm/sec以上における当混合燃料ガスを安定燃焼させるための条件としては、S4の範囲は45°≦S4≦80°であり、より好ましいのは60°≦S4≦75°であり、これを満たすS1及びS3の範囲は、10°≦S1≦30°且つ 30°≦S3≦90°である。なお、S1の値が小さくなるにつれて点Pn-Qn間の距離が短くなり、これに対応して点Qn-Rn間も短くなるため、上記S4の範囲を満たすことを条件に、混合燃料ガス噴射孔41(空気噴射孔42)を増やすことが可能である。
図3(a)、(b)においては、前記の通り距離rと距離r’が等しい(r = r’)場合を例示したが、本装置においては、台座2の中心点Mから各点Pnまでの距離rnが全て等しければよい。また、同様に中心点Mから各点Q nまでの距離rn’が全て等しければよい。
当該旋回式VOC処理装置1は、基本的に混合燃料ガスと空気を当該装置の旋回炎ガイド3内に導入し、これにパイロットバーナー等で着火して旋回炎を発生させる。この場合、旋回炎ガイド3の壁面は1200℃以上に加熱され、この温度はアンモニアの発火点(651℃)よりも高いため、以後旋回炎ガイド3に接触した混合燃料ガスは自然発火し、パイロットバ−ナ−を使用しなくとも燃焼させることができる。
当該旋回炎ガイド3内で発生させた混合燃料ガスの旋回炎の当該ガイド3の開口部で複数火炎が重複して生じる高温のVOCガス燃焼用空間6に、バーナーノズル51よりVOCガス−空気混合ガスを吹き込むことで当該VOCガスは燃焼処理することができる。
次に当該旋回式VOC処理装置1の一実施形態である旋回式交番VOC処理装置100について説明する。当該装置100は、旋回式VOC処理装置1を燃焼部のバーナー部として利用する装置であり、図4に示すように燃焼部101、混合燃料ガス生成供給部102、アンモニア供給部103、空気供給用ファン104及びVOCガス供給用ファン105を備え、さらに2つの蓄熱装置106A、106Bとその下流側に排ガスを急速冷却するためのスクラバー107を配し、スクラバー107の下流側に燃焼排ガス吸引用ファン108を具備している。
当該燃焼部101は、図5に示すようにハウジング容器200内壁面に耐熱温度1000℃以上の断熱材201を備え、その内部に耐熱温度1200℃以上の耐火煉瓦等で形成したバーナー部収納容器202を備え、その内部に交互に燃焼するための2つのバーナー部(旋回式VOC処理装置1)1A、1Bが、各開口部が互いに向かい合わせた形で対置される。
当該燃焼部101内のバーナー部(1A、1B)は、図2(b)に示す混合燃料ガス用外部配管7及び混合燃料ガス供給切替バルブ117を介して混合燃料ガス生成供給部102と接続しており、また図2(b)に示すVOCガス用配管54及びVOC供給調整バルブ(1)114A、114Bを介してVOCガス供給用ファン105と接続しており、更に図2(b)に示す空気用外部配管(1)9を介して蓄熱装置106A、106Bと接続している。
当該混合燃料ガス生成供給部102には、アンモニア供給調整バルブ(1)112Cを介してアンモニアを供給するためのアンモニア供給部103が接続しており、また前記VOCガス供給用ファン105がVOC供給調整バルブ(1)114Cを介して接続している。
当該アンモニア供給部103は、上記の通りアンモニア供給調整バルブ(1)112Cを介して混合燃料ガス生成供給部102に接続している他、アンモニア供給調整バルブ(1)112A及びアンモニア供給調整バルブ(2)113Aを介して蓄熱装置106Aと接続しており、またアンモニア供給調整バルブ(1)112B及びアンモニア供給調整バルブ(2)113Bを介して蓄熱装置106Bに接続している。
蓄熱装置106Aは、上記の通りバーナー部1A及びアンモニア供給部103に接続している他に、空気供給調整バルブ(1)109、 空気供給調整バルブ(2)110A及び蓄熱装置―スクラバー切替バルブ111Aを介して空気供給用ファン104と接続している。また、蓄熱装置106Bは、同様にバーナー部1B及びアンモニア供給部103に接続している他に、空気供給調整バルブ(1)109、 空気供給調整バルブ(2)110B及び蓄熱装置―スクラバー切替バルブ111Bを介して空気供給用ファン104と接続している。
当スクラバー107は、蓄熱装置―スクラバー切替バルブ111A、111B及びスクラバー手前三方バルブ118を介して2つの蓄熱装置106A、106Bと接続しており、また下流側には燃焼排ガス吸引用ファン108と接続している。
以上、旋回式交番VOC処理装置100は、前記の燃焼部101内の2つのバーナー部(1A、1B)に対して、混合燃料ガス生成供給部102からの接続用ライン、VOCガス供給用ファン105からの接続用ライン、空気供給用ファン104から蓄熱装置106A、106Bを経由して接続するライン、蓄熱装置106A、106Bからスクラバー107までのライン、及びアンモニア供給部103から蓄熱装置106A、106Bまでのラインとからなる燃焼設備一式を具備しており、2つのバーナー部を交互に作動させることでVOCガスを燃焼処理する。また、ここでは2つのバーナー部に対応する配管系統を系統A及び系統Bとし、図中で区別するため番号の最後にAもしくはBと付す。
さらに、燃焼部101の外部に配置されているバーナー部(1A、1B)の混合燃料ガス用外部配管7、VOCガス用配管54及び空気用外部配管(1)9は、前記の旋回式VOC処理装置1の場合と同様に混合燃料ガスー空気用外部二重管46及びVOCガス−空気用外部二重管53と図2(b)に示すような形で接続しており、また当該外部二重管46及び当該外部二重管53は、図5に示すようにそれぞれバーナー部(1A、1B)内の混合燃料ガス−空気用内部二重管45及びVOCガス−空気用内部二重管52と溶接部451、521を介して接続している。
また、燃焼部101内においては、バーナー部収納容器202における2つのバーナー部(1A、1B)の間の隙間部分に、VOCガス燃焼用空間300での温度を計測するための温度センサー(2)203を設けている。
前記の通り旋回炎ガイド3は1200℃以上に加熱・蓄熱されるため、混合燃料ガスと高温空気とが混合して生じる混合ガスはアンモニアの発火点(651℃)よりも高温に加熱され、そのため自然発火しパイロットバ−ナ−を使用しなくとも燃焼させることができる。
当該旋回炎ガイド3内で発生させた混合燃料ガスの旋回炎により生じる高温のVOCガス燃焼用空間300に、バーナーノズル51よりVOCガス−空気混合ガスを吹き込むことで当該VOCガスは燃焼処理される。この場合、旋回炎による燃焼で生じた排ガスも加熱される。なお、当VOCガスの燃焼により加熱された旋回炎由来の燃焼排ガスは、対置する他系統のバーナー部の旋回炎ガイド3内に到達し、当旋回炎ガイド3及びその内部空間が加熱され、前記のように自然発火が可能な高温環境とすることができる。
一方の系統(例えば系統A)においてバーナー部1Aでの燃焼処理中に発生する燃焼排ガスは、図3(c)に示すように主として他方のバーナー部1Bの空気噴射孔42から吸引され、空気用流路(1)48から図2(b)に示す空気用外部配管(1)9を経由して蓄熱装置106Bに排出される。この時、燃焼排ガスが空気用流路(1)48に隣接する混合燃料ガス用流路47に侵入すると当該流路47内に残留する混合燃料ガスが発火する可能性があるため、逆止弁491により当該流路47内への燃焼排ガスの進入を防止する。また、VOCガス−空気用内部二重管52のバーナーノズル51においても同様に、燃焼排ガスが吸引され、空気用外部配管(2)55から空気用外部配管(1)9を経由して蓄熱装置106Bに排出される。この時、燃焼排ガスがVOCガス用配管54内に侵入することを防ぐため、逆止弁を設置している(図省略)。
蓄熱装置106は、図6に示すようにハウジング容器401内壁面に耐熱温度1000℃以上の断熱材402を備え、その内部に耐熱温度1200℃以上の耐火煉瓦等で形成した収納容器403を備え、その内部は燃焼部101に近い側から蓄熱材405、スペーサー406、NOx分解触媒407を、前後に固定治具408を用いて配置された構造を有する。さらに、蓄熱材405側には燃焼部101に通じる空気用外部配管(1)9、蓄熱材405とスペーサー406との間の空間にはアンモニア供給部103に通じるアンモニア導入管4041、NOx分解触媒407側には蓄熱装置―スクラバー切替バルブ111に繋がる空気供給用ファン側空気供給管兼燃焼排ガス排出管4042と接続している。
当該蓄熱装置106において、蓄熱材405には炭化ケイ素(SiC)の小球体が使用される。なお、蓄熱材405は1200℃以上の耐熱性を有しかつ水蒸気と反応しないことが条件であり、炭化ケイ素(SiC)以外ではアルミナ(Al2O3)等のセラミックスが好ましい。さらに、形状も上述の小球体の他にハニカムのような多孔質隔壁体でもよい。
さらに、スペーサー406は、アルミナを気孔率0.6〜0.9の多孔質隔壁体に加工したものを用いる。なお、材質としては炭化ケイ素や窒化ケイ素(Si3N4)、コ−ジェライト、ムライト等のセラミックスも適用可能である。
NOx分解触媒407は、ハニカム状コ−ジェライトに担持した五酸化二バナジウム(V2O5)を用いる。なお、NOx分解触媒407は五酸化二バナジウム(V2O5)以外に五酸化二タングステン(W2O5)等も適用可能である。
燃焼部101では、温度センサ−(2)203により測定されるバーナー部収納容器202内の温度が1200℃に到達してから60秒間連続燃焼を行う。その間に発生する高温燃焼排ガスは空気用外部配管(1)9を通り当蓄熱装置106B(106A)に導入され、温度センサー(3)4101 及び温度センサー(4)4102 により蓄熱材405の入口と出口の燃焼排ガスの温度を測定しながら、当蓄熱材405が所定温度以上になるように加熱する。蓄熱材405を通り抜けた燃焼排ガスは、ガス温度800〜1000℃程度で蓄熱材405とスペーサー406との間の空間を通るが、ここに設けたアンモニア導入管4041からアンモニアを供給することにより当排ガス中に含まれるNOxは無触媒分解処理される。例えば、一酸化窒素(NO)は以下の化学式に示すようにN2とH2Oに分解される。
4NO + O2 + 4NH3 → 4N2 + 6H2O −−−(1)
なお、当無触媒分解処理の効率は一般的に芳しくないため、燃焼排ガス中にNOxが残存する可能性がある。そのため、スペーサー406の後段に配置したNOx分解触媒407により分解処理を行う。この時、NOx分解触媒407の有効作動温度は300〜600℃であることから、スペ−サ−406とNOx分解触媒407の間に空間を設け、当空間に冷却管セット409を配置し、蓄熱装置106B(106A)の外部より冷媒を供給して燃焼排ガスを冷却し、温度センサー(6)4104 によりNOx分解触媒407入口温度を測定し、燃焼排ガスの供給量を制御しながら当燃焼排ガスの温度を制御し、冷却された燃焼排ガスをNOx分解触媒407に導入してNOxの分解処理を行う。なお、ガス冷却方法は一例であり、この方法以外に当空間に室温の空気を供給して空冷する方法も適用可能である。
塩素含有VOC含むVOCガスを燃焼処理する場合、VOCが分解した際に塩素ガスが発生するが、当該蓄熱装置106に導入したアンモニアと式(2)に示す反応が生じることにより蓄熱装置106内で塩化水素を生成し、ダイオキシンの発生を抑制することができる。
3Cl2 + 2NH3 → N2 + 3HCl −−−(2)
図2(b)に示す空気用外部配管(1)9内の温度センサー(1)13、図5に示す燃焼部101の温度センサー(2)203、及び図6に示す蓄熱装置内の温度センサー(3)4101 〜(7)4105により測定された温度データは、図7に示すように制御部500に送られ、制御部を通してアンモニア供給部103、空気供給用ファン104、VOCガス供給用ファン105を制御し、燃焼部101 及び蓄熱装置106内での温度制御を行う。
NOx分解触媒407により分解処理された燃焼排ガスは、図4に示す蓄熱装置―スクラバー切替バルブ111B(111A)を通り、スクラバー手前三方バルブ118を経由してスクラバー107に導入される。スクラバ−入口における燃焼排ガスの温度は300〜400℃であるため、蓄熱装置106B(106A)で残留した塩素ガスによりダイオキシンが生成する。そのため、当該スクラバー107により排ガスを急速冷却して、ダイオキシンの発生を基準値以下に抑制する。
次に、本実施形態の旋回式交番VOC処理装置100の操作フロ−の概要を図4、図5及び図8(a)〜(c)を用いて説明する。
図8(a)は当該装置の系統Aを使用したVOCガス処理の運転準備に関するフロ−図である。まずは、ガス流通路下流側のスクラバー手前三方バルブ118を、系統Bの蓄熱装置―スクラバー切替バルブ111B側(燃焼排ガス排出側)に切り替え、当該蓄熱装置―スクラバー切替バルブ111Bを操作して蓄熱装置106B−スクラバー107間の流路を開く。次に、系統A側において、蓄熱装置―スクラバー切替バルブ111Aにて蓄熱装置106A−スクラバー107間の流路を閉じ且つ蓄熱装置106A−空気供給調整バルブ(2)110A間の流路を開き、当該空気供給調整バルブ(2)110Aにより蓄熱装置―スクラバー切替バルブ111A−空気供給調整バルブ(1)109 間の流路を開く。次に燃焼排ガス吸引用ファン108を起動し、その直後空気供給用ファン104を起動してバーナー部1A(系統Aのバーナー部)に空気を導入する。次に、混合燃料ガス生成供給部102、アンモニア供給部103、VOCガス供給用ファン105を起動し、混合燃料ガス供給切替バルブ117を操作して混合燃料ガス生成供給部102−バーナー部1A間の流路を開き、バーナー部1Aに混合燃料ガスを供給する。なお、図示していないが当該混合燃料ガスは、パイロットバ−ナ−あるいはスパ−クプラグにより着火して旋回炎を発生させる。その後、バーナー部1A内においてバーナーノズル51よりVOCガスと空気を旋回炎中に噴射し、VOCガスを燃焼処理する。
次に、燃焼部101内のバーナー部1Aでの燃焼操作について図4、図5及び図8(b)を用いて説明する。
VOCガスの燃焼が始まり、燃焼部101に設置した温度センサ−(2)203により測定したバーナー部収納容器202内の温度Tが1200℃に到達してから時間tが60秒経過するまでバーナー部1AにおいてVOCガスの燃焼処理を行う。その間、燃焼排ガスがバーナー部1Bから蓄熱装置106Bに導入され、同装置において蓄熱と燃焼排ガス中のNOx分解処理を行う。時間tが60秒経過した後は、スクラバー手前三方バルブ118を系統A側に切り替え、空気が蓄熱装置106Bを経由してバーナー部1Bに導入されるように系統Bのバルブを切り替え、その後混合燃料ガス供給切替バルブ117において混合燃料ガス生成供給部102−バーナー部1B(系統Bのバーナー部)間の流路を開き、当バーナー部1Bに混合燃料ガスを導入し、バーナーノズル51よりVOCガスと空気を旋回炎中に噴射し、VOCガスを燃焼処理する。
系統BでのVOCガス処理後の操作フロ−を図8(c)に示す。操作手順は図8(b)と同じであり、以後系統Aと系統Bを交互に使用してVOCガスの燃焼処理を行うことができる。
操作方法は上記に限らず、例えば、アンモニア−VOCガス混合燃料ガスを単にアンモニアだけにすることも可能である。また、蓄熱装置106におけるNOx分解処理においては、単にNOx分解触媒だけを使用ことも可能である。さらに、VOCの発熱量等を考慮し蓄熱材の使用量の適正化を図ることで燃焼時間tを変化させる操作も可能である。
1 旋回式揮発性有機化合物処理装置(旋回式VOC処理装置)
1A、1B バーナー部
2 台座
3 旋回炎ガイド
4 混合燃料ガス−空気用二重管
41 混合燃料ガス噴射孔
42 空気噴射孔
43 混合燃料ガス−空気噴射用二重管
44 混合燃料ガス−空気用内部二重管終端
45 混合燃料ガス−空気用内部二重管
451 混合燃料ガス−空気用二重管溶接部
46 混合燃料ガスー空気用外部二重管
47 混合燃料ガス用流路
48 空気用流路(1)
491 逆止弁
492 蝶番
493 ストッパー
5 VOCガス−空気用二重管
51 バーナーノズル
52 VOCガス−空気用内部二重管
521 VOCガス−空気用二重管溶接部
53 VOCガス−空気用外部二重管
54 VOCガス用配管
55 空気用外部配管(2)
56 VOCガス用流路
57 空気用流路(2)
6 VOCガス燃焼用空間
7 混合燃料ガス用外部配管
8 混合燃料ガス用外部供給管
9 空気用外部配管(1)
10 空気用外部供給管
11 空気用外部供給分岐管
12 二重管円環部
13 温度センサー(1)
100 旋回式交番揮発性有機化合物処理装置(旋回式交番VOC処理装置)
101 燃焼部
102 混合燃料ガス生成供給部
103 アンモニア供給部
104 空気供給用ファン
105 VOCガス供給用ファン
106(106A、106B) 蓄熱装置
107 スクラバー
108 燃焼排ガス吸引用ファン
109 空気供給調整バルブ(1)
110(110A、110B) 空気供給調整バルブ(2)
111(111A、111B) 蓄熱装置―スクラバー切替バルブ
112(112A、112B、112C) アンモニア供給調整バルブ(1)
113(113A、113B) アンモニア供給調整バルブ(2)
114(114A、114B、114C) VOC供給調整バルブ(1)
115(115A、115B) VOC供給調整バルブ(2)
116 混合燃料ガス供給調整バルブ
117 混合燃料ガス供給切替バルブ
118 スクラバー手前三方バルブ
200 ハウジング容器
201 断熱材
202 バーナー部収納容器
203 温度センサー(2)
300 VOCガス燃焼用空間
401 ハウジング容器
402 断熱材
403 収納容器
4041 アンモニア導入管
4042 空気供給用ファン側空気供給管兼燃焼排ガス排出管
405 蓄熱材
406 スペーサー
407 NOx分解触媒
408 固定治具
409 冷却管セット
4101 温度センサー(3)
4102 温度センサー(4)
4103 温度センサー(5)
4104 温度センサー(6)
4105 温度センサー(7)
500 制御部
M 台座の中心点
P1〜P4 混合燃料ガス(空気)噴射孔の中心点
Q1〜Q4 混合燃料ガス−空気用内部二重管の中心線と台座表面部との交点
R1〜R4 混合燃料ガス−空気用内部二重管終端における同内部二重管の中心点
r 台座の中心点Mから点Pn(n=1〜4)までの距離
r’ 台座の中心点Mから点Qn(n=1〜4)までの距離
L11 P1−P3間の補助線
L12 Q1−Q3間の補助線
L21 P2−P4間の補助線
L22 Q2−Q4間の補助線
L3 中心点P1−Q1間の補助線
L4 混合燃料ガス−空気用内部二重管の中心線
L5 燃料ガス−空気噴射用二重管の中心線
S1 補助線L11−L12間の角度
S2、S2’ 補助線L12−L3間の角度
S3 補助線L11とL21(補助線L12とL22)との間の角度
S4 L4−L5間の角度

Claims (13)

  1. 内部にアンモニアとVOC含有未処理ガス(「VOCガス」と略)とを混合したアンモニア−VOCガス混合燃料ガス(「混合燃料ガス」と略)を供給する混合燃料ガス用流路及び空気を供給する空気用流路からなる二重管(「混合燃料ガス−空気用二重管」と略)と表面に当該ガスの噴射孔を備えた台座と、VOCガス用流路と空気用流路からなる二重管(「VOCガス−空気用二重管」と略)、及び台座表面の外周部から台座表面に対して垂直方向に設けた旋回炎ガイドにより構成される、旋回式揮発性有機化合物処理装置。
  2. 前記の台座、旋回炎ガイド耐熱温度1200℃以上の材料からなる請求項1に記載の旋回式揮発性有機化合物処理装置。
  3. 前記の混合燃料ガス−空気用二重管及びVOCガス−空気用二重管が耐熱温度1200℃以上の金属材料からなる請求項1に記載の旋回式揮発性有機化合物処理装置。
  4. 前記の混合燃料ガス−空気用二重管は、台座内表面付近で当該二重管の中心線に対して45°〜80°の間のある角度をもって曲げられ表面に露出するように配置される ことを特徴とする請求項1に記載の旋回式揮発性有機化合物処理装置。
  5. 前記混合燃料ガス−空気用二重管及びVOCガス−空気用二重管は、内管が混合燃料ガス用流路及びVOCガス流路、外管が空気用流路からなる二重管であり、両者の二重管における内管に逆止弁を有する ことを特徴とする請求項1に記載の旋回式揮発性有機化合物処理装置。
  6. 前記旋回炎ガイドは、台座の外周に沿って円筒形の壁面が燃焼部長手方向(他のバ−ナ−部の方向)にまで伸び、当該方向のある部分で当該壁面がバ−ナ−部中心軸方向に湾曲し、燃焼部長手方向中央付近において開口したド−ム状の構造を有する ことを特徴とする請求項1に記載の旋回式揮発性有機化合物処理装置。
  7. 前記VOCガス−空気用二重管は、その先端部にバ−ナ−ノズルが取り付けられており、当該バ−ナ−ノズルは、その中心線が台座の中心点を通り、台座から旋回炎ガイドの伸長方向に旋回炎ガイドの長さの半分程度の位置に配置される ことを特徴とする請求項1に記載の旋回式揮発性有機化合物処理装置。
  8. 請求項1に記載の旋回式揮発性有機化合物処理装置をバ−ナ−部に用い、交互に燃焼する2つのバ−ナ−部を備えた燃焼部が設けられ、当該燃焼部に対して混合燃料ガス生成供給部、VOCガス供給用ファン、空気供給用ファン、2つの蓄熱装置、スクラバー及び燃焼排ガス吸引用ファンが設けられ、当該混合燃料ガス生成供給部にはアンモニア供給部と前記VOCガス供給用ファンが接続しており、当該アンモニア供給部にはアンモニアを当混合燃料ガス生成供給部へ供給するため及び前記の2つの蓄熱装置に供給するためのアンモニア供給調整バルブが接続しており、さらに当該混合燃料ガス生成供給部は2つのバ−ナ−部のどちらかに交互に混合燃料ガスを供給するための混合燃料ガス供給切替バルブに接続しており、前記の2つの蓄熱装置は、それぞれ上記バ−ナ−部とアンモニア供給部の他に、蓄熱装置−スクラバ−切替バルブを介して燃焼排ガス処理用に設けられたスクラバーと接続しており、また当該蓄熱装置−スクラバ−切替バルブ及び空気供給調整バルブを介してバ−ナ−部に空気を供給するための空気供給用ファンと接続しており、当スクラバ−の手前には2つの蓄熱装置からの燃焼排ガスを交互にスクラバ−へ流通させるための三方バルブを備え、さらに当スクラバ−後段には燃焼排ガス吸引用ファンが接続している、旋回式交番揮発性有機化合物処理装置。
  9. 前記の燃焼部は、ハウジング容器内の壁面に耐熱温度1000℃以上の断熱材を備え、その内部に耐熱温度1200℃以上の耐火煉瓦等で形成したバーナー部収納容器を備え、その内部に交互に燃焼するための2つのバーナー部(旋回式揮発性有機化合物処理装置)を、各開口部が互いに向かい合わせた形で対称的に対置した構造を有する、請求項7に記載の旋回式交番揮発性有機化合物処理装置。
  10. 前記の蓄熱装置は、ハウジング容器内の壁面に耐熱温1000℃以上の断熱材を備え、その内部に耐熱温度1200℃以上の耐火煉瓦等で形成した収納容器を備え、その内部に蓄熱材、スペーサー、NOx分解触媒を前後に固定治具を用いて配置された構造を有し、蓄熱材とスペーサーとの間の空間にはアンモニア導入管が接続されており、スペーサーとNOx分解触媒との間に冷却管セットを配置した構造を有する、請求項7に記載の旋回式交番揮発性有機化合物処理装置。
  11. 前記の蓄熱装置に使用する蓄熱材は、1200℃以上の耐熱性を有するセラミックスの小球体又は多孔質隔壁体であることを特徴とする、請求項9に記載の蓄熱装置。
  12. 前記の蓄熱装置に使用するスペーサーは、耐熱性を有するセラミックスを気孔率0.6〜0.9の多孔質隔壁体に加工したであることを特徴とする、請求項9に記載の蓄熱装置。
  13. 前記の蓄熱装置に使用するNOx分解触媒は、ハニカム状コ−ジェライトに担持した五酸化二バナジウム(V2O5)または五酸化二タングステン(W2O5)であることを特徴とする、請求項9に記載の蓄熱装置。
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