JP3703553B2 - 道路標識の上部に設ける防雪装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路標識の上部に設ける防雪装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来の道路標識の上部に設ける防雪装置は、図3に示すように道路標識1の標識面2或いは標識面2の裏面に雪4が付かないように、道路標識1の上部に防雪板3を設けたものが一般的に使用されている。
【0003】
しかし、前記従来の防雪装置では、防雪板3で覆われることにより道路標識1の標識面2或いは標識面2の裏面に雪4が付かないようにすることは概ね達成できたが、防雪板3を傾斜させてはいるものの、防雪板3自体を保温してはいないため、降雪量が多かったり、気温がかなり低いと防雪板3の上に雪4が多量に積もってしまい、不注意にこの積もった雪4が道路上に落下して、人や車にその雪4が当たることがあり、危険な状況にあるといえる。
【0004】
本発明は、道路上方に防雪板3が位置し、降雪量が多いとこの防雪板3に多量に雪が積もることがあり、その結果、前述したように非常に危険であることを見い出し、このような問題を解決するためになされたものであり、降雪量が多くても、気温がかなり低くても防雪板3に雪4が積もることのない安全性の高い道路標識の上部に設ける防雪装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0006】
道路の上方に配置される道路標識1の上部にこの標識面2或いは標識面2の裏面の標識取付部を覆うようにして傾斜状態に防雪板3を配設し、この防雪板3の裏面に防雪板3の上面を保温するヒーター装置5を設け、このヒーター装置5は、温度に応じて電気抵抗が変化する抵抗体素子をヒーター自体に備え温度によってヒーター自体の電気抵抗が変化し電源からの通電流が変化して発熱量が制御される自己制御型のヒーター装置5としたことを特徴とする道路標識の上部に設ける防雪装置に係るものである。
【0007】
また、前記防雪板3の裏面に設けるヒーター装置5は、線状のヒーター線を防雪板3の裏面に沿設状態に配設し、このヒーター線を接着テープ6により固定したことを特徴とする請求項1記載の道路標識の上部に設ける防雪装置に係るものである。
【0008】
また、前記ヒーター装置5の電気抵抗は、雨が雪に変わる外気温以下の温度において、前記防雪板3上面に雪積しない融雪可能温度に防雪板3を保温し得る発熱量を発する低い抵抗値となるようにしたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の道路標識の上部に設ける防雪装置に係るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0010】
道路の上方に配置される道路標識1の上部に、標識面2或いは標識面2の裏面の標識取付部を覆うようにして傾斜状態に防雪板3を配設すると、標識面2或いは標識面2の裏面の標識取付部に雪4が降り積もることがなく、標識面2に雪4が付着して標識が見えなくなるようなことがない。
【0011】
また、防雪板3の裏面に設けたヒーター装置5により防雪板3は常に保温されるため、防雪板3に雪4が降っても、その雪4はこの熱で溶けるか、或いは多量に積もらないうちに少しづつ落下することになり、防雪板3に雪4が多量に降り積もることはない。従って、従来のように防雪板3に降り積もった雪4が一度に道路に落下して、人や車に当たるようなことはなく、安全性の高い道路標識の上部に設ける防雪装置とすることができる。
【0012】
また、ヒーター装置5は温度によって、ヒーター自体の電気抵抗が変化し電源からの通電流が変化して発熱量が制御される自己制御型のヒーター装置5であるから、外気温度が下がり雨から雪に変わるような低い気温になれば、これに随時適応してヒーター自体の電気抵抗が小さくなり、それに伴って、電源からの通電流が大きくなり発熱量が多くなって防雪板3の上面を適正に保温する。
【0013】
逆に外気温が上がればヒーター自体の電気抵抗が大きくなり、それに伴って、電源からの通電流が小さくなり、発熱量が小さくなり、更に外気温度が高くなるとヒーター自体の電気抵抗が絶縁体のように大きくなり、電源からの通電流が殆ど流れず、発熱がなくなる。
【0014】
以上のように、本発明に自己制御型のヒーター装置5を用いることにより、雪4が降っている時には防雪板3の上面を保温して雪4を溶かし、気温が上がって雪4が降っていない時には電源からの通電流をなくして、随時防雪板3を適正に保温すると共に電力の消費を必要最小限にすることができる。
【0015】
従って、本発明は防雪装置に雪が降り積もることがなく、経済的で安全性の高い道路標識の上部に設ける防雪装置とすることができる。
【0016】
【実施例】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0017】
本実施例は、図1,図2に示したように道路の上方に配置される道路標識1の上部にこの標識面2或いは標識面2の裏面の標識取付部を覆うようにして傾斜状態に防雪板3を配設している。この防雪板3の裏面に防雪板3の上面を保温するヒーター装置5を沿設状態に設ける。このヒーター装置5は、温度に応じて電気抵抗が変化する抵抗体素子をヒーター自体に備え温度によってヒーター自体の電気抵抗が自動的に変化し、電源からの通電流が変化して発熱量が制御される自己制御型のヒーター装置5とする。
【0018】
防雪板3の裏面に設けるヒーター装置5は、線状のヒーター線を防雪板3の裏面に沿設状態に配設し、このヒーター線を接着テープ6等により適宜設定すれば良く、ヒーター装置5に用いる電源は、例えば、近くの電柱に設けてある電線より適宜供給できるようにすれば良い。
【0019】
自己制御型のヒーター装置5としては、例えば、ポリマーと導電性カーボンとの特殊な配合から成る抵抗体素子を間に挟むようにして、両側に二本の導線を設け、二本の導線間に無数の並列的電気回路を形成したものである。
【0020】
この自己制御型のヒーター装置5は、気温が高い時には導電性カーボンがランダムに分散していて、抵抗体素子は絶縁体のような状態となり、二本の導線間に電流は流れず、ヒーター装置5からの発熱は発生しない。
【0021】
気温が下がってくると、抵抗体素子内に分散している導電性カーボンが次第に結合をはじめ、その結合が増えるに従って抵抗体素子の電気抵抗が小さくなり、二本の導線間に流れる電流が増えて、ヒーター装置5からの発熱量が多くなる。
【0022】
以上のように、気温の変化に応じて、ヒーター装置5からの発熱量をコントロールできる自己制御型のヒーター装置5を道路標識1の上部に設ける防雪板3の裏面に設ける場合には、外気温度が下がり雨が雪に変わる気温程度になった時にヒーター装置5からの発熱が発生するように、抵抗体素子に配合するポリマーと導電性カーボンとの配合比等を調整すれば良い。
【0023】
そして、降雪時のみヒーター装置5の発熱量を多く発生させ、道路標識1の上部に設ける防雪板3に雪4が降り積もることを防止する。
【0024】
尚、前記ヒーター装置5は、必要に応じ、図2に示すように、道路標識1の標識面2の裏面に設けて、更に道路標識1に雪4が付着することを防止することもでき、場合によっては、道路標識1の標識面2の裏面にヒーター装置5を設けた場合には、道路標識1の上部に防雪板3を設けなくとも良いこともある。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、標識面や雪が付着し易い標識面の裏面を覆うようにして傾斜状態に防雪板を設けたので、標識面やその裏面に雪が降り積もりにくく、また防雪板にも積雪しにくい。
【0026】
しかも、本発明はこの防雪板の裏面に防雪板の上面を保温するヒーター装置を設けたので、たとえ降雪量が多くても、気温がかなり低くても、防雪板上に降る雪をヒーター装置による熱で溶かすか、或いは多量に積雪する前に少しづつ落下させることができ、道路上部に位置する防雪板に雪が多量に降り積もってこの防雪板に降り積もった雪が道路に落下して、人や車に大きな衝撃を与えるようなことが確実に防止され、安全性の高い道路標識の上部に設ける防雪装置とすることができる。
【0027】
また、ヒーター装置を温度によってヒーター自体の電気抵抗が変化して電源からの通電流が変化して発熱量が制御される自己制御型のヒーター装置としたので、気温に応じて随時ヒーター自体の電気抵抗が変化して、発熱量が随時自動的に変化し、常に防雪板の上面を雪が多量に積雪しない温度に保温し、防雪板に降ってくる雪を容易に溶かすことができる。即ち、雪が降っている時には防雪板の上面を保温して雪を溶かし、気温が上がって、雪が降っていない時には電源からの通電流を極力少なくして、常に防雪板を適正に保温することで電力の消費を必要最小限にすることができる。
【0028】
また、温度センサーにサーモスタットを設け、雨が雪に変わるような温度で、サーモスタットのスイッチがON,OFFするようにして、サーモスタットのスイッチがON状態で発熱するヒーター装置を用いることもできる。しかし、この場合、ヒーター装置に温度センサーとサーモスタットを取り付ける必要があり、また、サーモスタットのON,OFFでは、ON状態になっても直ぐに保温できる温度にはならないため、雪が降り始めた時には直ぐに雪を溶かすことができず、雪が降り止んでOFF状態になっても保温している温度はしばらく保持されるため、この保温状態が無駄になってしまう。これに対して、本発明のヒーター装置では、雪が降り始める直前で保温が始まり、降雪量の量によって保温状態が変化し、常に防雪板に雪が積もらないようにコントロールされ、雪が降り止む時には保温状態が解除され、保温が無駄になることがない。従って、非常に効率的な保温状態にすることができ、電力の消費を必要最小限にすることができる。
【0029】
本発明は、ヒーター装置のみで使用でき、温度センサーやサーモスタットを用いる必要がなく、単に、保温したい部分にヒーター装置を沿設状態に設けるだけで良く、大変簡便なヒーター装置とすることができる。
【0030】
尚、前記サーモスタットを本発明に併用することにより、雪の量が少ない等の状況下において本発明のヒーター装置の稼動を停止させるために、サーモスタットのスイッチがOFF状態になるようにしても良い。
【0031】
従って、本発明は、防雪装置に雪が降り積もることがなく、経済的で安全性の高い道路標識の上部に設ける防雪装置とすることができる。
【0032】
また、請求項2記載の発明においては、防雪板の裏面に設けるヒーター装置は、線状のヒーター線を防雪板の裏面に沿設状態に配設し、このヒーター線を接着テープにより固定するだけで、防雪板の上面の雪を容易に溶かすことができ、大変簡便な方法でヒーター装置を設置することができる。
【0033】
また、請求項3記載の発明においては、ヒーター装置の電気抵抗は、雨が雪に変わる外気温以下の温度において、防雪板上面に積雪しない融雪可能温度に防雪板を保温し得る発熱量を発する低い抵抗値となるようにしたので、防雪板に雪が降り積もることはなく、また、防雪板の保温状態は常に雪が積雪しない最小温度に適正に保温することで電力の消費を必要最小限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る道路標識の上部に設ける防雪装置を示す斜視図である。
【図2】 本発明の一実施例に係る道路標識の上部に設ける防雪装置を示す斜視図である。
【図3】 従来の道路標識の上部に設ける防雪装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 道路標識
2 標識面
3 防雪板
5 ヒーター装置
6 接着テープ
Claims (3)
- 道路の上方に配置される道路標識の上部にこの標識面或いは標識面の裏面の標識取付部を覆うようにして傾斜状態に防雪板を配設し、この防雪板の裏面に防雪板の上面を保温するヒーター装置を設け、このヒーター装置は、温度に応じて電気抵抗が変化する抵抗体素子をヒーター自体に備え温度によってヒーター自体の電気抵抗が変化し電源からの通電流が変化して発熱量が制御される自己制御型のヒーター装置としたことを特徴とする道路標識の上部に設ける防雪装置。
- 前記防雪板の裏面に設けるヒーター装置は、線状のヒーター線を防雪板の裏面に沿設状態に配設し、このヒーター線を接着テープにより固定したことを特徴とする請求項1記載の道路標識の上部に設ける防雪装置。
- 前記ヒーター装置の電気抵抗は、雨が雪に変わる外気温以下の温度において、前記防雪板上面に雪積しない融雪可能温度に防雪板を保温し得る発熱量を発する低い抵抗値となるようにしたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の道路標識の上部に設ける防雪装置。
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JP01430996A JP3703553B2 (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | 道路標識の上部に設ける防雪装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09203013A JPH09203013A (ja) | 1997-08-05 |
JP3703553B2 true JP3703553B2 (ja) | 2005-10-05 |
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Family Applications (1)
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JP01430996A Expired - Lifetime JP3703553B2 (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | 道路標識の上部に設ける防雪装置 |
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JP (1) | JP3703553B2 (ja) |
-
1996
- 1996-01-30 JP JP01430996A patent/JP3703553B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH09203013A (ja) | 1997-08-05 |
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