JP3702024B2 - 可変長パイプアッセンブリ及びこれを用いる装置 - Google Patents

可変長パイプアッセンブリ及びこれを用いる装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、一般にポンピングシステムに関し、より具体的には、可変長パイプがポンプ−モータユニットをマニホールドユニットに接続する前記システムに関する。マニホールドユニットは、パイプによって、マニホールドユニットから離れた位置にあるディスペンサーに接続される。マニホールドユニットに接続されたポンプ−モータユニットは、例えば、液中タービンポンプである。
【0002】
本発明は、ここではガソリンスタンドないし給油所のガソリンポンピングシステムとの関連で記述されるが、本発明はその他の用途においても効用があることはいうまでもない。
【0003】
【従来の技術】
ガソリンスタンドないし給油所は、通常にはガソリン用の複数の地下貯蔵タンク及び複数の地上貯蔵タンク、そして地上レベルに幾つかの販売用スタンドを有する。1つのポンプ−モータユニットが各タンク内に取り付けられ、パイプが、各ポンプ−モータユニットを、タンクの頂部の上方に少し離れたところ(7インチから70インチ)にあるマニホールドに接続し、このマニホールドが販売用スタンドに接続されている。
【0004】
イー.エム.データーズ等(E. M. Deters et al.)に付与された米国特許第3,172,567 号及び第3,197,085 号は、上記の性格のガソリン販売システムを記述している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなシステムの設置の際に頻繁に起こる問題があり、それはポンプ−モータユニットをマニホールドに接続するパイプに関連する。普通には、二つの同心パイプを用いて、タンクの上方にあるマニホールドからポンプ−モータユニットを吊り下げる。二つのパイプの内側のものは、ポンプ−モータユニットの電動モータに接続する動力ケーブルを収納し、二つのパイプの間の環状空間は、ポンプ−モータユニットからマニホールドに流れるガソリンの導管を形成する。これらのパイプはタンク内のポンプ−モータユニットを支持し、ポンプの吸入口はタンクの底面から約12センチメートル上方にある。問題は、ポンプ−モータユニットの位置を適切に定めるのに必要なパイプアッセンブリの長さに関連する。パイプアッセンブリの長さは、タンクの内径、タンクが鋼鉄製かグラスファイバー製か、タンク埋設深さ、サンプアダプターを用いるか否か、そのサイズがどれだけか、マンウェイを用いるか否か、またそのサイズ、ポンプ−モータユニットの馬力定格、そしてマニホールドの空隙等、いくつもの変数によって決まる。液中タービンポンプが発注される際に、これらの全ての変数に関する情報が得られないことがしばしばあり、また、設置の際に変数が変更されることもしばしばである。その結果、設置場所においてパイプアッセンブリのサイズを変更し機械加工することは、しばしば誤ったかつ危険な状況をもたらし、設置に要する時間と設置の作業の複雑さを増し、承認登録事項(UL,CSA等)を無効にし、保証さえも無効とする可能性もある。このサイズ変更は、新たなアッセンブリを生み出すが、それは、組立後に製造業者によって実施された重要な品質検査を無視したものである。
【0006】
本発明の全体的な目的は、様々な長さに容易に調節可能であり、それゆえに前記問題を回避する可変長パイプアッセンブリ及びこれを用いる装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポンプ−モータユニットとマニホールドとを接続するための可変長のパイプアッセンブリを包含する。このアッセンブリは、はめ込み式のパイプの内側の1対とはめ込み式のパイプの外側の1対とを包含する。内側の1対のパイプは、互いに重なり合う部分と、ポンプ−モータユニットとマニホールドに接続可能な端部とを有する。外側の1対のパイプも、互いに重なり合う部分と、ポンプ−モータユニットとマニホールドに接続可能な端部とを有する。内側の1対は、外側の1対の内部に取り付けられ、第1の通路が内側の1対の間に形成され、第2の通路が内側の1対と外側の1対の間に形成される。内側の1対の互いに重なり合う部分にシールを設け、また、外側の1対の互いに重なり合う部分に別のシールを設け、さらに、外側の1対の互いに重なり合う部分を共に固着するために、固定ないし締め付け手段を設ける。第1と第2の通路のうちの一つは、ポンプ−モータユニットとマニホールドの間の液体流導管を形成し、通路のうちのもう一つは、ポンプ−モータユニットとマニホールドの間の電力線の導管を形成する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
本発明に係る装置は、図1に示すように、ガソリンスタンドないしは給油所のガソリン販売システムにおいて使用するのに特に適している。前記システムは、貯蔵タンク20を有し、該貯蔵タンクは、普通には地下に、即ち、符号21によって示される地盤面よりも下に埋設され、そして、地盤面21には、一つあるいはそれ以上のガソリン販売スタンド22が設けられている。タンク20の内部に吊り下げられたポンプ−モータユニット23は、ガソリン24をタンク20から販売スタンド22までポンプ輸送することができる。ポンプ−モータユニット23は、タンク20内にパイプアッセンブリ26によって吊り下げられ、該パイプアッセンブリ26の下端27はポンプ−モータユニット23に取り付けられ、上端はマニホールド29(マニホールドアッセンブリ)に接続されている。ユニット23は通常その上端にコネクタハウジングを有し、該コネクタハウジングがパイプアッセンブリ26をポンプ−モータに結合している。ポンプ−モータユニット23は液体吸入口31を備え、該液体吸入口31は、吸入口31と底面32との間に少しの間隔33が存するように、タンク20の底面32付近に配置されている。
【0010】
立上がりパイプ28及びマニホールド29は、従来の構造を備えていれば差し支えなく、漏れ検出器34を有している。供給パイプ36が、マニホールド29から販売スタンド22まで延び、販売用ホース37を通じて車両(図示せず)にガソリンを供給する。
【0011】
図2及び図3は、ポンプ−モータユニット23、マニホールド29及びパイプアッセンブリ26の二つの位置あるいは配置をより詳細に示している。パイプアッセンブリ26は、1対の外側パイプ41、1対の内側パイプ42、及び、パイプを共に固定しシールするための機構43を包含する。外側パイプ41は、上パイプ44と下パイプ45とを包含して、下パイプ45の上端は上パイプ44の下端にはまり込み、そして1対の内側パイプ42は、上パイプ46と下パイプ47とを包含して、上パイプ46の下端は下パイプ47の上端にはまりめ込んでいる。二つのパイプ45及び47の下端はポンプ−モータユニット23のコネクタハウジングに固定され、二つのパイプ44及び46の上端はマニホールド29に固定されいる。1対の内側パイプ42の内部は、電力線用の導管を形成し、電力線が、ポンプ−モータユニット23から、マニホールド29を経て、電気制御ユニット (図示せず) まで延び、そして、内側パイプ42と外側パイプ41の間に形成された環状空間は、ユニット23によって上向きにマニホールド29を経て販売スタンド22までポンプ輸送されるガソリンの液体流導管ないし通路を形成している。
【0012】
ポンプ−モータユニット23、マニホールド29及び販売スタンド22の構造は、在来のもので差し支えなく、本発明の一部を形成するものではない。
【0013】
図4は、本発明に従って構成された機構43及び隣接するパイプ45から47までのはめ込み部分の構成をさらに詳細に示す。上述したように、内側パイプ46及び47の内部空間52は、電力線51用の導管を形成し、電力線51はポンプ−モータユニット23に電力を供給するのに用いられる。さらに上述したように、内側パイプと外側パイプの間の環状空間は、ポンプ輸送されるガソリン用の液体流導管を形成している。
【0014】
図4に示した機構43は、二組のパイプの間の可動式あるいは滑り式のシール接続を包含する。可動シールは、筒状の導管アダプタ54を有し、該導管アダプタ54は、直径が小さくなった下端部分56を有し、この下端部分56はパイプ47の上端の内部まで延び、アダプタ54がパイプ47に固定されている。この固定は、装置のその他の部分の取付けと同様に、ねじ、溶接、圧着、ろう付け等の、様々な方法によって行われる。アダプタ54の内径とパイプ46 (このパイプはパイプ47にはまり込む) の外表面との間に小さな滑り隙間が設けられ、後述するようにパイプを望ましい状態に調節する際にパイプ46が垂直方向に(図4において)滑るないしは動くことができるようになっている。一つあるいはそれ以上の環状溝57がアダプター54の内周面に形成され、環状溝57は、パイプ46とアダプター54の間に耐漏洩接続をもたらすシール材58 (Oリング、Vシール等)を収納する。
【0015】
パイプ46とアダプター54の間の環状空間ないし隙間は、電力線51に電弧あるいはスパークが発生した場合に備えて、耐炎性であることが重要である。滑り隙間は、シール材58、アダプター54とパイプ46の間の狭い空間、及びシール材58(Oリング)からアダプター54の下端までの比較的長いアダプター長さによって耐炎性とされている。アダプターの長い長さと、狭い隙間、及びシール材58(Oリング)が、部品であるアダプタ54及びパイプ46の間の接続を耐炎性としている。
【0016】
機構43はさらにカップリング61を包含し、該カップリング61は、例えば、符号62によって示されるねじ接続によってパイプ44の下端に固定されている。ねじ接続は、例えば、パイプねじコンパウンドを適用することによって、液体シールを形成する。パイプ45は、直径がパイプ44よりも小さく、パイプ44にはまり込む。カップリング61は、その下端には孔径が小さくなった部分61A を有し、その上端にはより大きな孔径の部分61B を有し、この部分61B がパイプ44とのねじ接続62を形成する。部分61A とパイプ45の外側面との間には狭いあるいは小さな滑り隙間があり、この小さな隙間によって、パイプ45が、部品の組立時に (最終的な結合の前に) カップリング61内を垂直方向に滑ることが可能とされる。カップリング61の孔に形成された溝67のシール66によって、カップリング61とパイプ45の外側面との間に液体を漏らさない接続が形成されている。
【0017】
カップリング61をパイプ45に強固に固定するために、一つあるいはそれ以上の止めねじ68が用いられている。半径方向内方に延びるねじ孔69が、カップリング61の下部においてシール66(Oリング)よりも下方に形成されている。止めねじ68を、孔69を通じてパイプ45に対し強固にねじ込むと、パイプ45はカップリング61に固定され、両者は相互に長さ方向にも周方向にも動くことができなくなる。
【0018】
建設現場において部品を組み立てる際に、貯蔵タンク20の底面32(下表面)とマニホールドとの距離を計測する。それから、間隔33の長さを考慮して、ポンプ−モータユニット23が取付けられたパイプアッセンブリ26の望ましい長さが決定される。パイプがはめ込まれ、アダプタ54が適当な位置に装着され、外側パイプの下端の適当な位置にカップリング61が装着された状態で、パイプ45及び46を必要な距離だけパイプ44及び47に滑り込ませるかパイプ44及び47から滑り出させることによって、パイプアッセンブリの全長が調整され、次いで、止めねじ68がパイプ45に対し強固にねじ込まれ、パイプアッセンブリを一体に固定する。
【0019】
止め輪70をパイプ45の外側面にその上端付近に設け、長さの調整中にパイプ45がパイプ44及びカップリング61から抜け落ちないようにすることが望ましい。止め輪70は、在来の割りリングであればよく、この割りリングがパイプ45の外側面に形成された環状溝内に取り付けられる。止め輪70は、その他の機械的なリテーナで代替することも可能であり、また、パイプの端部を変形することによって代替することもできる。
【0020】
電力線51は内側のパイプ46及び47の中にねじ込まれ、電動モータ−ポンプユニット23への電気的な接続が行われ、該ユニット23がコネクタハウジングを介してパイプアッセンブリ26の下端に固定される。電気的な接続と、ユニット23へのパイプアッセンブリ26の固定とは、設置場所への搬入に先立って完了しておくことが望ましい。上述したように、パイプアッセンブリ26の長さを調整し固定した後に、ユニット23とパイプアッセンブリ26が貯蔵タンク20の内部に下ろされる。電力線51を切って、マニホールド29内のコネクタリード線に接続され、次に、ユニット23とパイプアッセンブリ26とがマニホールド29に固定されて、マニホールド29から吊り下げられる。ユニット23は、運転時には、先述したように環状空間53によって形成される導管を通してガソリンを上方にポンプ輸送する。
【0021】
図2及び図3は、パイプアッセンブリ26の最大長さと最小長さを示す。アッセンブリ26の望ましい全長に応じて、全長は図2と図3に示した二つの長さの間の任意の点に調整される。さらに、もっと深さが深い貯蔵タンクやもっと浅いもの対して用いることができるように、異なるパイプ長さを有するパイプアッセンブリの追加のセットを準備することもできる。
【0022】
図5及び図6は、固定シール機構の別の実施例を示す。図5と図6に示した部品のうち、図4の対応する部品と同一のものについては、同一の符号の後に文字Aを付けて示す。従って、次の説明は主として構造の異なる部品に関連する。
【0023】
図5及び図6に示す固定シール機構75は、カップリング76を有し、該カップリング76は、内ねじを備える環状の上部77を有し、該内ねじが、外側パイプ44A の下端と共に、シールねじ接続78を形成する。カップリング76の下部は、直径が小さくされた孔を有し、この孔が、パイプ45A の周囲にきつい滑りはめ合いとなり、例えば、カップリング76とパイプ45A との間に装着されたシール81(0リング)によってシールが形成される。
【0024】
カップリング75の、シール81よりも下方の、カップリング76の下半分にはクランプ手段が設けられ、該クランプ手段が、カップリング76の下部に形成された180 度切欠部82と、該切欠部82に適合する180 度クランプ片83 (図6参照)とによって形成される。切欠部82と片83は、パイプ45A を取り巻いている。2つあるいはそれ以上のボルト84が、片83をカップリング76に固定し、ボルト84が、片83の中に形成された孔85に挿入され、カップリング76内に形成されたねじ孔86にねじ込まれている。孔86は、符号87によって示される点においてカップリング76の表面に露出し、孔85は、ボルト84の頭部のための座ぐり88を有する。
【0025】
パイプアッセンブリを組み立てる際には、カップリング76がパイプ44A の下端に固定され、パイプを所望の長さに調整した後に、片83がボルト84でカップリング76に取り付けられる。ボルト84が孔86に締め込まれると、弧状の片83の内周部分が外側のパイプ45A をしっかりと押し付け、それによってパイプ45A は片83とカップリング76の下部との間にしっかりとクランプされ、その結果、パイプ44A とパイプ45A を一体に固定する。
【0026】
切欠部82を形成し分離片83を用いる代わりに、二つあるいはそれ以上の軸方向に延びるスリットをカップリング76の壁にその下端から形成して、割りカップリングを形成するようにしてもよい。全体として図5及び図6に示すように配置された複数個のねじを用いて、割り部分を互いに絞って(そしてスリットを閉じて)パイプ45A にカップリングを締め付ければよい。
【0027】
図7は、固定シール機構の別の実施例を示すが、この機構は圧縮型の結合アッセンブリを有する。固定シール機構91は、圧縮結合本体92と圧縮結合ナット93を包含する。本体92は、その上端に、パイプ44B の下端との間に、符号94で示すシールねじ接続を備え、本体92の下端部分95は、内径、外径とも小さくなっている。この部分95の内径は、パイプ45B の外面にぴったりと合い (けれども、滑ることは可能である) 、この部分95の外側面は、符号97によって示される、ナット93上部とのねじ接続を備える。符号98によって示されるナット93の下部は、パイプ45B の外側面と緊密に接続している。金環用空隙99が、パイプ45B の外側面と、ナット93、及び本体92の間に形成されている。少なくとも1つの金環、そして本例においては、2つの金環101 及び102 を空隙99内に取付けられている。2つの金環101 及び102 は環状の部材であり、それぞれ先細の延長部103 及び104 を有する。延長部104 は、パイプ45B の外側面と本体92の間に形成された環状の先細の溝106 内に延び、先細の延長部103 は、パイプ45B と金環102 の下部内側端部との間に形成された環状の先細の凹部107 内に延びている。ナット93を本体92上に上方にねじ込まれると、ナット93の下端98は2つの金環を上方に押し上げ、両金環は、パイプ45B と本体92に対して半径方向に楔効果を発揮して内向きにかつ上向きにしっかりと押し込まれ、それによってパイプ44B 及び45B の間に堅固なシール固定接続を形成する。
【0028】
ここに開示する全ての実施例においては、上パイプ44B と固定シール機構の一部分との間にねじ接続がある場合には、パイプコンパウンドをねじ部に適用してねじによるシール接続を形成することが望ましい。例えば、図7の実施例においては、パイプねじコンパウンドをねじ接続94に適用することが望ましい。金環102 はパイプ45B に押し付けられ、本体92内に入ってシール部を形成するので、パイプねじコンパウンドは必要とされない。これに加えて、ここに開示する全ての実施例において、ねじ接続がある場合には、ねじ接続に加えて、半径方向の止めねじを用いて部品が不用意に分離するのを防止するようにしてもよい。
【0029】
図8から図14までに示した本発明の実施例は、パイプを一体に固定するのに偏心締め付け構造を用いている。図8を参照すると、固定シール機構111 は、上側の偏心カップリング112 と下側の偏心カップリング113 とを包含する。上側のカップリング112 は上部114 を有し、該上部114 がねじ接続116 によってパイプ44C の下端に締め付けられ、Oリングシール117 が上側のカップリング112 の内側面とパイプ45C の外側面との間に設けられている。カップリング112 の下端は、その外側面において118 の位置で半径方向に凹設され、一方、下側のカップリング113 の上端は、その内周に形成された凹部119 を有する。2つの凹状の部分は、これらの部品を組み立てる際にねじ接続121 を形成する。
【0030】
上側のカップリング112 及び下側のカップリング113 は、それぞれ円形の内孔123 及び124 を有し、内孔123 及び124 は下パイプ45C の外周を取り囲む。上側のカップリング112 及び下側のカップリング113 の各外周並びにねじ接続116 及び121 は、図12及び図13に示すように、パイプ44C と同心で、かつパイプ45C とは偏心しているが、各孔はパイプ44C に対してオフセットし即ち偏心しており、パイプ45C に対しては同心となっている。ここで、図13を参照すると、符号131 は、上側のカップリング112 の外径の中心を示し、符号132 は、孔123 の中心を示す。同様に、図12に示す下側のカップリング113 に関して、符号131 は下側のカップリング113 の外側面の中心並びにパイプ44C 及びパイプ45C の中心を示し、その一方、符号134 は孔124 の中心を示す。図14を参照すると、図14は、2つの孔123 及び124 並びにそれらの中心を示し、符号130 は上側のカップリング112 及び下側のカップリング113 の外周を示す。図14に示す位置において、2つのカップリングは、中心132 及び134 が中心131 に関して直径方向において対抗する位置に回されており、その結果、孔123 及び124 は中心131 に関して反対側にオフセットされている。図14に示す位置関係から、一方のカップリングが2つのカップリングうちの他方に対して180 °回転されると、2つの中心132 及び134 は一致し、孔123 及び124 は直線的に並ぶことになる。
【0031】
中心131 に対して、孔123 の側面141 は内向き突出部即ちカップリング112 の偏心部分を形成し、また、孔124 の側面142 は同様に突出部即ちカップリング113 の偏心部分を形成する。
【0032】
図8、図9及び図14に図示されるオフセット量は、本発明の作用と構造を図示するために大きく強調されている。オフセット量は、実際には極めて小さなものであり、中心131 から各中心132 及び134 までの距離は、例えば、0.025 インチ程度である。点132 と点134 との間の全距離即ちオフセット量は、勿論、上述した量の2倍である。
【0033】
図8から図14までに図示された機構を組み立てる工程については、いろいろな順序があり、次に説明するのはかかる組立方法の一例である。上側のカップリング112 及び下側のカップリング113 が、121 において示すように一体に螺合され、中心点132 と134 が一致するように配置される。この位置関係においては、孔123 及び124 も直線的に並べられている。それから、2つのカップリング112 及び113 が下パイプ45C 上に装着され、カップリング112 がパイプ44C の下部に螺合される。上側のカップリング112 がパイプに螺合されるとき、孔123 及び124 は中心点131 の周囲で振れ、それらと共に下パイプ45C も動かされるが、パイプ45C の上端とパイプ44C との間には十分な空隙があり、この振れ運動は問題を生じない。前述の工程は、装置を設置現場に搬入する前に、例えば製造業者によって実施されるのが望ましい。
【0034】
下パイプ及び上パイプが調整されてパイプアッセンブリを所定の全長とした後に、下側のカップリング113 を上側のカップリング112 に対して180 °回転させ、図14に示す孔123 及び124 のオフセット関係を生じさせる。図9も、2つのカップリング部品がオフセットあるいは締め付け位置にある状態を示しており、偏心している孔123 及び124 は、パイプを図9における137 に示すように変形させる。その結果、オフセットした孔は、2つの部品であるカップリング112 及び113 の間でパイプ45C をしっかりとクランプする。なぜなら、オフセット137 は上側のカップリング112 の下端に対して上方に移動することができず、また、下側のカップリング113 に対して下方に移動することができないからである。また、そのような変形は、パイプ45C がパイプ44C に対して回転するのを規制する。
【0035】
偏心している上側のカップリング112 及び下側のカップリング113 は、実際には、2つの内向き突出部あるいは偏心したカム状面を生じるが、異なる数の突出部を用いることも可能である。例えば、3つの突出部を用いる場合には、2つのカップリングがクランプ位置まで120 °回転されることになる。
【0036】
図10及び図11を参照すると、これらの図は、カップリング112 及び113 、止めねじ用の孔138 を示す。さらに止めねじが設けられ、カップリングをパイプ45C に固定するために止めねじを用いてもよい。
【0037】
上述したことから、新規かつ有用な発明がなされたことは明らかであろう。パイプと固定シール機構との単一のアッセンブリが提供され、このアッセンブリは、仕事の現場においてパイプを所定の長さに切断したりパイプを機械加工したりすることなく、様々な深さの要求を満たすことができる。多くのデザインの固定シール機構を図示し説明したが、開示した特定の構造に本発明が限定されないこと、そしてその他の固定シール機構を用いることができることは明らかであろう。さらに、本発明による可変長パイプアッセンブリは、2組よりも多いはめ込み式パイプ及び1つよりも多い固定シール機構を有することも可能であり、それゆえに、全長の変化をもっと大きな範囲とすることもできる。前述した説明及び請求の範囲はパイプに言及しているが、この用語は広い意味で使用していること、そしてチューブや導管等を含むことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って製作された装置を含む販売システムの概略図である。
【図2】本発明に係る装置を示す図である。
【図3】図2の装置であるが、部品の相対位置が異なっている図である。
【図4】装置のカップリングの詳細断面図である。
【図5】本発明についての別の実施例を示す、図4と同様の図である。
【図6】図5の実施例の一部を示す図である。
【図7】別の変形例を示す、図4と同様の図である。
【図8】本発明についてのさらに別の実施例を示す、図4と同様の図である。
【図9】図8の実施例であるが、部品の相対位置が異なっている別の図である。
【図10】図8及び図9に示した実施例の部分の図である。
【図11】図8及び図9に示した実施例の部分の図である。
【図12】図8及び図9に示す実施例のアッセンブリを示す概略図である。
【図13】図8及び図9に示す実施例のアッセンブリを示す概略図である。
【図14】図8及び図9に示す実施例のアッセンブリを示す概略図である。
【符号の説明】
20 貯蔵タンク
22 ガソリン販売スタンド
23 ポンプ−モータユニット
26 パイプアッセンブリ
29 マニホールド(マニホールドユニット)
41 外側パイプ
42 内側パイプ
43 機構(固定シール機構)
44 上パイプ(第3パイプ)
44A〜C パイプ
45 下パイプ(第4パイプ)
45A〜C パイプ
46 上パイプ(第1パイプ)
47 下パイプ(第2パイプ)
51 電力線(動力ケーブル)
52 内部空間(第1の導管)
53 環状空間(第2の導管)
54 アダプタ
56 下端部分
57 環状溝
58 シール材
61 カップリング
62 ねじ接続
66 シール
67 溝
68 止めねじ
69 孔
70 止め輪
75 固定シール機構
76 カップリング(クランプ)
77 上部
78 シールねじ接続
81 シール
82 切欠部
83 クランプ片(カラー)
84 ボルト
85 孔
86 ねじ孔
91 固定シール機構
92 本体
93 ナット
94 シールねじ接続
95 下端
97 ねじ接続
98 下部
99 空隙
101 金環
102 金環
103 延長部
104 延長部
106 細溝
107 凹部
111 固定シール機構
112 カップリング
113 カップリング
114 上部
116 ねじ接続
117 シール
119 凹部
121 ねじ接続
123 孔
124 孔
138 孔

Claims (23)

  1. ポンプ−モータユニットとマニホールドユニットとを接続するための可変長パイプアッセンブリであって、前記アッセンブリが、以下の要件a)〜f)を包含するもの。
    a) 内側の1対である第1及び第2パイプ並びに外側の1対である第3及び第4パイプ、
    b) 前記第1及び第2パイプが、はめ込み部分と端部を有すること、
    c) 前記第3及び第4パイプが、はめ込み部分と端部を有すること、
    d) 前記内側の1対が、前記外側の1対の内部にかつ前記外側の1対から離して取り付けられて、前記内側の1対と前記外側の1対との間に第1の導管を形成し、前記内側の1対がその内部に第2の導管を形成していること、
    e) 前記第1及び第3パイプの前記端部は前記ポンプ−モータユニットに接続可能であり、前記第2及び第4パイプの前記端部は前記マニホールドユニットに接続可能であること、そして
    f) 前記第1の導管を前記第2の導管から密封するシール手段、及び前記内側の1対及び前記外側の1対の一つの前記パイプの前記はめ込み部分を一体に固定するクランプ手段を包含する固定シール機構。
  2. 前記シール手段は、前記第1及び第2パイプの間に液体流シールと耐炎性シールを形成するものであるところの請求項1記載の可変長パイプアッセンブリ。
  3. 前記シール手段は、前記第1及び第2パイプの間に滑りはめ合いによるはめ込み式接続を形成するものであるところの請求項1記載の可変長パイプアッセンブリ。
  4. 前記第1の導管は、前記ポンプ−モータユニットへの動力ケーブル用の通路を形成し、前記第2の導管は、前記ポンプ−モータユニットによってポンプ輸送される液体用の通路を形成するものであるところの請求項1記載の可変長パイプアッセンブリ。
  5. 前記外側の1対である前記第3及び第4パイプが固定され、前記第3及び第4パイプの前記はめ込み部分を一体に固定する前記クランプ手段は、解放状態から固定状態へ移動可能であり、前記クランプ手段は、前記解放状態において、前記第3及び第4パイプの間に滑り接続を形成し、前記固定状態において、前記第3及び第4パイプの間に固定接続を形成するものであるところの請求項1記載の可変長パイプアッセンブリ。
  6. 前記クランプ手段は、前記第3及び第4パイプの一方に固定されるカップリングと、前記カップリングを前記第3及び第4パイプの他方に連結する少なくとも一つの止めねじとを包含するものであるところの請求項5記載の可変長パイプアッセンブリ。
  7. 前記クランプ手段は、前記第3及び第4パイプの一方に固定されたクランプと、前記第3及び第4パイプの他方に前記クランプを固定するためのカラーとを包含するものであるところの請求項5記載の可変長パイプアッセンブリ。
  8. 前記クランプ手段は、前記第3及び第4パイプの間に結合された圧縮型の結合アッセンブリを包含するものであるところの請求項5記載の可変長パイプアッセンブリ。
  9. 前記クランプ手段は、前記第1及び第2パイプの一方に固定されかつ前記第1及び第2パイプの他方を受け入れる第1の孔を有する第1のカップリングと、該第1のカップリングに回転可能なるように取り付けられかつ前記第1及び第2パイプの前記他方を受け入れる第2の孔を有する第2のカップリングと、前記第1及び第2の孔の少なくとも一つが、前記パイプの前記他方に対して偏心している部分を有し、それによって、カップリングが相対的に回転されたとき前記偏心している部分が前記パイプの前記他方を固定することとを包含するものであるところの請求項5記載の可変長パイプアッセンブリ。
  10. 前記第1及び第2の孔の両方が、偏心している部分を有するものであるところの請求項9記載の可変長パイプアッセンブリ。
  11. 前記第1及び第2の孔のうちの前記一つが2つの偏心している部分を有するものであるところの請求項9記載の可変長パイプアッセンブリ。
  12. ポンプ−モータユニット、該ユニットから離れた位置に配置されるマニホールド、及び前記ポンプ−モータユニットを前記マニホールドに連結する可変長パイプアッセンブリを包含する装置であって、前記アッセンブリが、以下の要件a)〜f) を包含するもの。
    a) 内側の1対である第1及び及び第2パイプ並びに外側の1対である第3及び第4パイプ、
    b) 前記第1及び第2パイプは、はめ込み部分と端部を有すること、
    c) 前記第3及び第4パイプは、はめ込み部分と端部を有すること、
    d) 前記内側の1対は前記外側の1対の内部にかつ前記外側の1対から離して取り付けられて、前記内側の1対と前記外側の1対との間に第1の導管を形成し、前記内側の1対はその内部に第2の導管を形成すること、
    e) 前記第1及び第3パイプの前記端部は前記ポンプ−モータユニットに接続され、前記第2及び第4パイプの前記端部は前記マニホールドに接続されていること、及び
    f) 前記第1及び第2パイプの前記はめ込み部分の間の第1のシール手段、前記第3及び第4パイプの前記はめ込み部分の間の第2のシール手段、並びに前記第3及び第4パイプの前記はめ込み部分を一体に固定するクランプ手段を包含する固定シール機構。
  13. 前記第1のシール手段が、前記第1及び第2パイプの間に液体流シールと耐炎性シールを形成するものであるところの請求項12記載の可変長パイプアッセンブリ。
  14. 前記第1のシール手段が、前記第1及び第2パイプの間に滑りはめあいによるはめ込み式接続を形成するものであるところの請求項12記載の可変長パイプアッセンブリ。
  15. 前記第1の導管が前記マニホールドと前記ポンプ−モータユニットとの間に延びる動力ケーブルのための通路を形成し、前記第2の導管が、前記ポンプ−モータユニットによって前記マニホールドにポンプ輸送される液体のための通路を形成するものであるところの請求項12記載の可変長パイプアッセンブリ。
  16. 前記第3及び第4パイプの前記はめ込み部分を一体に固定する前記クランプ手段は、解放状態から固定状態へ移動可能であり、前記クランプ手段は、前記解放状態において、前記第3及び第4パイプの間に滑り接続を形成し、前記固定状態において、前記第3及び第4パイプの間に固定接続を形成するものであるところの請求項12記載の可変長パイプアッセンブリ。
  17. 前記クランプ手段が、前記第3及び第4パイプのうちの一方に固定されたカップリングと、前記カップリングを前記第3及び第4パイプのうちの他方に連結する少なくとも1つの止めねじとを包含するものであるところの請求項16記載の可変長パイプアッセンブリ。
  18. 前記クランプ手段が、前記第3及び第4パイプの一方に固定されたクランプと、前記第3及び第4パイプの他方に前記クランプを固定するカラーとを包含するものであるところの請求項16記載の可変長パイプアッセンブリ。
  19. 前記クランプ手段が、前記第3及び第4パイプの間に結合された圧縮型の結合アッセンブリを包含するものであるところの請求項16記載の可変長パイプアッセンブリ。
  20. 前記クランプ手段が、前記第1及び第2パイプの一方に固定されかつ前記第1及び第2パイプの他方を受け入れる第1の孔を有する第1のカップリングと、前記第1のカップリングに回転可能なように取り付けられかつ前記第1及び第2パイプの前記他方を受け入れる第2の孔を有する第2のカップリングと、前記第1及び第2の孔の少なくとも一つが、前記パイプの前記他方に対して偏心している部分を有し、それによってカップリングが相対的に回転されるとき前記偏心している部分が前記パイプの前記他方を固定することを包含するものであるところの請求項16記載の可変長パイプアッセンブリ。
  21. 前記第1及び第2の孔の両方が、偏心している部分を有するものであるところの請求項20記載の可変長パイプアッセンブリ。
  22. 前記第1及び第2の孔のうちの前記一つが、偏心している2つの部分を有するものであるところの請求項20記載の可変長パイプアッセンブリ。
  23. ガソリン等の液体用の貯蔵タンク、該貯蔵タンクがタンク頂部を有すること、タンク頂部の上方に離れて位置するマニホールド、ポンプ−モータユニット、前記マニホールドから前記ポンプ−モータユニットに延びる動力ケーブル、及び前記ポンプ−モータユニットを前記マニホールドに連結しかつ前記ポンプ−モータユニットを前記貯蔵タンク内に吊り下げる可変長パイプアッセンブリとを包含する装置であって、前記アッセンブリが、以下の要件a)〜f)を包含するもの。
    a) 内側の1対である第1及び第2パイプ並びに外側の1対である第3及 び第4パイプ、
    b) 前記第1及び第2パイプは、はめ込み部分と端部を有すること、
    c) 前記第3及び第4パイプは、はめ込み部分と端部を有すること、
    d) 前記内側の1対は前記外側の1対の内部にかつ前記外側の1対から離して取り付けられて、前記内側の1対と前記外側の1対との間に第1の導管を形成し、前記内側の1対はその内部に第2の導管を形成すること、
    e) 前記第1及び第3パイプの前記端部は前記ポンプ−モータユニットに接続され、前記第2及び第4パイプの前記端部は前記マニホールドに接続されていること、及び
    f) 前記第1及び第2パイプの前記はめ込み部分の間の第1のシール手段、前記第3及び第4パイプの前記はめ込み部分の間の第2のシール手段、前記第3及び第4パイプの前記はめ込み部分を一体に固定するクランプ手段、前記第1の導管が前記ユニットからの液体用の流路を形成し、前記第2の導管が内部に前記動力ケーブルを有することを包含する固定密閉機構。
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