JP3701983B2 - シート切断くず除去装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は段ボールシート、厚紙、ハードボード、木材、繊維製品などの厚紙シート製造装置、切断積上装置等に適用できるシート切断くず除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は従来の段ボールシート製造機械の製品積上部の側面図を示す。段ボールシートは3枚(或いは5枚)の紙が貼り合わされて形成されており、これが連続して流れるウエブ2は、カッター1により切断されてシート状の製品に形成され、スタッカ5で積上げられる。積上げられて形成されたシートパイル6は、後工程である段ボールシート製函機(図16)で印刷等の加工が行なわれる。
スタッカ5において高速で排出される段ボールシート3は、昇降可能となったパレット7上に積上げられる。そして段ボールシート3をパレット7上に整列させるために、シートの長さに合せて寸法調整可能な前当8及び搬送コンベア4の先端下部に、シートの後端を整列させるためのガイドプレート9が設置されている。
パレット7は昇降台10に乗せられ、昇降台10はチェン等で吊り下げられて、シート3の進入が容易な高さに維持される。このようにして製品は、シートパイル6のように積上げられて後工程へ送られる。
【0003】
ウエブ2がカッター1で切断される状態を図14に示すと、カッター1に付属する上下一対のナイフ11によってウエブ2は押し潰され、中央の山形紙は不特定の形状に倒れて切断される。その結果、段ボールシート3の切断面には、図13に示すような糸くず状の切断くず12がぶら下がった状態となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図16はコルゲータで生産された段ボールシート3に印刷、罫入れ、溝切り等の加工を行なう製函機の1例を示す。この製函機に送られたシートパイル6は、製函機の給紙部に積まれ、下端の1枚づつが送り込まれ、印刷シリンダ13に装着された印版14によって印刷される。
従来図12に示すカッター1で発生した切断くず12は、図13に示す如く段ボールシート3にぶら下がった状態で搬送され、その途中で図15に示すシートパイル6の状態で箒又は軍手を使用した人手によって除去されるか、又は製函機の給紙部にサクション装置16や、ブラシ(図示せず)等を付設して段ボールシート3の上面の紙粉や、切断くず12を除去しようと試みられていた。
【0005】
しかし切断面の切断くず12は、その一部が切断されないままぶら下がった状態で給紙されるため、その除去は不十分となり、この不十分のまま印刷部へ送り込まれるため、この切断くず12が印版14に付着したり、ち切れたりしたものが印刷面に残り、印刷の色ぬけが発生する等の問題があった。
また切断くず12が印版14に付着した場合には、印刷面の色ぬけが発生するばかりでなく、次のシートへの印刷で障害を起こしたり、インキング装置に混入して悪影響を及ぼす等の欠点があった。また印刷面に切断くず12が乗ったまま印刷された場合にも、後工程で切断くず12が落下して色ぬけなどの印刷障害が発生する。
【0006】
このような印刷障害の発生を防止するため、従来製函機の運転においては、何百枚かに1回機械の運転を停止して印版の清掃を行なっていた。一方印刷障害を見落とした場合には、エンドユーザから製品の返品というクレームもよく発生していた。
このように従来の設備では、切断くずにより工場内に紙くずが散乱して環境を悪化させるばかりでなく、多くの人手をかけながらも後工程の生産性の低下と、品質の低下を来たしていた。
本発明はコルゲータ内でシートを切断後、直ちにしかもシートパイル形成時の運動を利用して切断くずを除去することができる除去装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、段ボールシート、厚紙等のシートを生産する設備において、同シートの集積部にサクションヘッドを配設し、同サクションヘッド内に、集積されたシートの切断面からシートを切断する時に発生する切断くずを除去するためのブラシローラ又はカッターを設けると共に、前記ブラシローラのブラシ部分に堆積する切断くずを除去するクシ状清掃具を設けてなるもので、ブラシローラを、前記集積部に集積されたシートが下降するとき、下降方向と逆方向に回転するようにし、これを課題解決のための手段とするものである。
また本発明は、段ボールシート、厚紙等のシートを生産する設備において、同シートの集積部にサクションヘッドを配設し、同サクションヘッド内にシートを切断する時に発生する切断くずをち切るためのカッターを設けたもので、これを課題解決のための手段とするものである。
【0008】
【作用】
本発明では、段ボールシートの製造設備であるコルゲータのシート集積部に配設されたサクションヘッド内に設けられている回転するブラシローラ又はカッターによって切断時に発生した切断くずを掻き落としたり、切断すると同時に、付着した紙粉等をブロワの吸引力により、シートパイルが下降する動きを利用して集塵し、後工程の生産性及び品質の向上と省人化を達成することができる。
また段ボールシート製函機の給紙部サイドガイドに吸引ノズルを設けることにより、シートを切断する時に発生した切断くずを吸引して除去し、印刷時のトラブルを防止する。
【0009】
【実施例】
以下本発明を図面の実施例について説明すると、図1及び図2は本発明の実施例を示す。図1において、搬送コンベア4で送り出された段ボールシート3を昇降可能なパレット7上に積上げる。パレット7は昇降台10によりシートの進入が容易な高さを維持しながら下降し、シートパイル6を形成する。この時下降方向と逆方向に回転するブラシローラ17を保持し、このブラシローラ17の目詰まりを清掃するためのクシ状清掃具22を有するサクションヘッド18を取付けた前当8及びガイドプレート9によって、カッター1(図12)で切断した時に発生した切断くず12及び紙粉を自動的に除去し、そのくずを集塵器に送り込むようになっている。
【0010】
更に本発明で提案する図1〜図3に示す切断くず除去装置の実施例について詳細に説明すると、スタッカ5に付属する前当8及びガイドプレート9に開口部19を設け、この開口部19に夫々サクションヘッド18を取付ける。サクションヘッド18の内部には、モータで駆動されるブラシローラ17が配設されており、またサクションヘッド18はフレキシブルホース20を介してブロワ21に接続されている。
【0011】
さてスタッカ5において、搬送コンベア4で送り出される段ボールシート3は、前当8に衝突して落下し積層されてシートパイル6を形成する。また段ボールシート3の後端はガイドプレート9で整列され、このシートパイル6は昇降台10に乗せられたパレット7上に積上げられる。そしてシートパイル6は、進入する段ボールシート3の進入を容易にする高さに維持されながら間欠的に下降する。
この下降の途中で、前当8及びガイドプレート9の開口部19より僅かに突出したブラシローラ17が、下降方向と逆方向に回転しながら段ボールシート3の切断面にぶら下がった切断くず12を掻き落とす。掻き落とされた切断くず12は、サクションヘッド18、フレキシブルホース20を経てブロワ21へ吸引され、工場のくず処理装置である図示しないサイクロンに集塵されたり、ブロワ21付属の集塵フィルタに集められる。
【0012】
次にサクションヘッド部の詳細を図2に示すと、サクションヘッド18には、ブラシローラ17のブラシ部分に詰まったり、堆積したりする切断くず12を、適宜除去するためのクシ状清掃具22が付属し、人手又は動力にてブラッシング効果の減退を防止するようになっている。
このようにして、段ボールウエブを切断する時に発生する沢山の切断くず12を、シートパイルを形成すると同時に効率的に自動で除去することができる。
また図3の23はナイフで、図1のブラシローラ17に代えて用いられるもので、ブラシローラ17と共用してもよく、また図3の下端のみでなく、入口上端に付けることもできる。
このナイフ23により、吸引力によってサクションヘッド18の入口から内部に引き込まれた切断くず12が、シートパイル6の下降によってその先端で引きち切られる。またナイフ23が上端の場合には、ブラシローラによって巻き上げられた切断くず12を上端で引きち切る効果がある。
【0013】
次に図4〜図11は本発明の他の実施例を示す。図4及び図5において、テーブル30上に積上げられた段ボールシート3は、下端の1枚づつがキッカ(図示せず)によりフィードローラ31迄送り込まれ、印刷部で印刷される。また段ボールシート3の側面を揃えるために、サイドガイド32の1対が、シート巾寸法に合せて調整可能に付属している。
このサイドガイド32の外部側面に吸引ノズル33が取付けられており、同吸引ノズル33の下部は、図示のようにサイドガイド32とテーブル30の隙間部分34にL字形に突出し、送り出される段ボールシート3の側端(切断くずがぶら下がっている面)に密着する形状となっている。
【0014】
図7及び図8は吸引ノズル33の吸口35の詳細を示す。この吸口35の後端上部にはスリット36があり、このスリット36にくず切り用ナイフ37を挿入して装着する。
図6において操作側、駆動側に夫々付設されたサイドガイド32の両外側面には夫々吸引ノズル33が配設されており、夫々の下端には前記吸口35が設けられている。また吸引ノズル33の上端は、夫々可撓ホース38によって、給紙部駆動側下部に取付けられた吸引ポンプ39に接続されている。
【0015】
図6において吸引ポンプ39を駆動することにより、吸引ノズル33の下端吸口35から空気が吸引される。ここで段ボールシート3の下端の1枚がキッカによって送り込まれると、両端にぶら下がってきた切断くず12は空気の流れと共に吸口35の中に吸引され、段ボールシート3の進行によって切断くず12はくず切りナイフ37の刃先でち切られ、吸引ノズル33、可撓ホース38を通って吸引ポンプ39のくず溜に収納される。勿論この際、切断くず12だけでなく、段ボールシート3の端面に付着したゴミや紙粉も、同様に除去され、印刷障害の発生を防止することができる。
【0016】
図9〜図11は図4〜図6と相違する吸引式サイドガイドの実施例を示す。この吸引式サイドガイド40は、外側面に吸引室41を設け、同サイドガイド40の下端には吸引口42が設けられており、同吸引口42には図11に示すようにくず切りナイフ37が挿入されている。
この実施例では、サイドガイド40で吸引室41の壁面の一部を形成しているため、吸引口42も十分な開口部が得られると共に、サイドガイド40そのものも自由に加工成形できる。従ってより効果を高めることが可能である。
【0017】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如く本発明は、コルゲータのスタッカに本発明装置を設置することにより、切断くずが発生した直後に除去されることになるため、シートパイル搬送途中にくずが散乱して環境を悪化することもなく、また人手、箒、ブラシや、製函機のサクション装置を使用設置することもないので、後工程の製函機での生産性向上と、品質の向上、ロスの低減等に大きな効果をもたらすことになる。
また製函機のオペレータは、品質のチェックに神経を使うことや、印版の清掃に数百枚毎にマシンを停止する等の作業も半減し、省力化、省人化、効率化を達成することができる。
さらに、ブラシローラのブラシ部分に詰まったり堆積したりする切断くずを適宜除去し、ブラッシング効果の減退を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るシート切断くず除去装置を設置したスタッカの側面図である。
【図2】図1の要部の詳細断面図である。
【図3】図2と異なる第2実施例のシート切断くず除去装置の側断面図である。
【図4】本発明の第3実施例に係るシート切断くず除去装置の側面図である。
【図5】図4のA矢視拡大図である。
【図6】図4の正面図である。
【図7】図5と相違する実施例の吸口の正面図である。
【図8】図7の側面図である。
【図9】図7と異なる実施例の吸口を有するサイドガイドの側面図である。
【図10】図9の正面図である。
【図11】図10のB〜B断面図である。
【図12】従来のコルゲータの側面図である。
【図13】切断された段ボールシートの斜視図である。
【図14】段ボールシート切断時の断面を示す説明図である。
【図15】シートパイルの斜視図である。
【図16】従来の製函機の側面図である。
【符号の説明】
3 段ボールシート
4 搬送コンベア
5 スタッカ
6 シートパイル
7 パレット
8 前当
9 ガイドプレート
10 昇降台
12 切断くず
17 ブラシローラ
18 サクションヘッド
19 開口部
20 フレキシブルホース
21 ブロワ
22 クシ状清掃具
23 ナイフ
30 テーブル
31 フィードロール
32 サイドガイド
33 吸引ノズル
35 吸口
36 スリット
37 くず切りナイフ
38 可撓ホース
39 吸引ポンプ
40 吸引式サイドガイド
41 吸引室
42 吸引口
Claims (3)
- 段ボールシート、厚紙等のシートを生産する設備において、同シートの集積部にサクションヘッドを配設し、同サクションヘッド内に、集積されたシートの切断面からシートを切断する時に発生する切断くずを除去するためのブラシローラを設けるとともに、
前記ブラシローラのブラシ部分に堆積する切断くずを除去する清掃具を設け、
前記ブラシローラは、前記集積部に集積されたシートが下降するとき、下降方向と逆方向に回転することを特徴とするシート切断くず除去装置。 - 前記清掃具をクシ状に形成したことを特徴とする請求項1記載のシート切断くず除去装置。
- 段ボールシート、厚紙等のシートを生産する設備において、同シートの集積部にサクションヘッドを配設し、同サクションヘッド内にシートを切断する時に発生する切断くずをち切るためのカッターを設けたことを特徴とするシート切断くず除去装置。
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