JP3701155B2 - 設計支援装置および方法、ならびに設計支援プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記録媒体 - Google Patents
設計支援装置および方法、ならびに設計支援プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は電子回路装置などの製品の機能のシミュレーション技術と連結した製品の設計支援装置および方法、ならびに設計支援プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記録媒体に関し、特に、製品の構想設計時のシミュレーションのための複数の機能モデルおよび複数の設計案を取扱うことのできる設計支援装置および方法、ならびに設計支援プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のパソコン(パーソナルコンピュータの略)は、携帯性、省スペース性に対するユーザ指向から小型、軽量、薄型である製品の需要が高まっている。また、マルチメディア向けのパソコンに代表される高機能、高付加価値を有した製品に対する需要も高まってきており、設計、生産現場ではこうした多様かつ流動的な市場のニーズに即座に応えるために高性能製品をいかに短期間で企画して出荷するかがキーポイントになってきている。
【0003】
そこで最近では、電子部品の企画、設計、生産の各プロセスを並行して作業する、いわゆるコンカレントエンジニアリングや、部品、設計モデルの統合管理を行なうPDM(Product Data Managementの略)といった概念、ツールが脚光を浴びている。これらはいずれもCAD(Computer Aided Designの略)またはCAE(Computer Aided Engineeringの略)を基盤とし、製品設計を取巻く環境を密に結合することによって設計期間の短縮を実現する手法である。今や、製品設計、生産の現場においてCADまたはCAEといったソフトウェアによる設計のためのツールを利用することは当然であるが、より一層の設計期間の短縮を図るためには、これらのツールをいかに効果的に活用すべきかが課題となっている。
【0004】
このようなツールの効果的な活用手法として、製品の企画→構想段階の設計→詳細な設計へと移行するような設計プロセスにおいて、構想段階での設計における信頼性を向上させることにより、詳細な設計での手戻り回数が削減され、高品質の製品が短期間で設計されるというトップダウン設計手法が採用されてきている。この手法では、設計段階における製品の熱解析、構造解析に代表される各種シミュレーション技術を構想設計の段階で適用して、製品の主要部品の選定や配置などの基本設計の妥当性が検証される。
【0005】
ここで重要な点は、放熱機能、基板実装など複数の設計に関する項目が相互に影響を及ぼすような製品設計の範囲に、設計のプロセスにおいて部品および組部品に対し各設計項目を横断的に、すなわち複数の設計機能を多角的見地から同時に評価を行なう必要があるという点である。
【0006】
なお、ここで設計機能とは、設計の対象となるような電子部品やこれらを組合せてなる製品の機能、たとえば放熱するための機能、サイズダウンを図るための機能を言う。また、設計機能の多角的見地からの評価とは、次のようなことを言う。つまり、1つの製品設計を行なう際に、いくつかの設計機能を切り口にして同時に異なる複数の方向から製品設計を進行させ、また検証することを言う。たとえばパソコンの設計を行なう場合、1つは機構のコンパクト化という見地から、また1つは放熱対策の見地からといった具合である。このように1つの製品設計を行なう際に、1つの設計機能にのみ注目してこれを評価するのではなく、複数の異なる設計機能に同時に注目してこれらを評価することで、多角的見地からの評価を行なうことができる。
【0007】
たとえば、ノート型のパソコンに代表される高機能、軽量、薄型のパソコンの開発においては、機構のコンパクト化、およびCPU(中央処理装置の略)の高性能化に伴う放熱対策が重要な設計項目となっている。したがって、機構の設計、放熱のための設計、基板における実装のための設計およびこれら各設計項目を含んで製品を設計するとともに、全体を統括しながら設計を進める必要がある。
【0008】
このような設計機能を多角的見地から評価する装置としては、特開平6−176084号公報に開示される実装設計支援装置がある。これは、電気的な機能の設計および機械的な機能の設計の両面にわたる設計機能を統合化するための支援装置である。この装置によれば、パッケージといった各部品における設計機能を基本とし、各部品に対するシミュレーション結果を部品単位で統合管理することによって、シミュレーションの出力値を他のシミュレーションの入力値として取扱うことが可能となる。
【0009】
また、製品の構想段階での設計時における多大なアイデアをいかに取扱うのかという点も重要である。詳細な設計の段階に比較して、構想段階での設計では、製品における各部品の配置と、部品の選択に至る設計パラメータとの自由度は、多種多様な設計案の提案を通して可能であり、これら複数の設計案を、前述したように機能の多角的見地から比較検討し、中でも最適な設計案を即座に抽出することが必要とされる。
【0010】
また、数多くの設計案を管理する手法としては、一般的には、製品設計を行なうためのファイル単位で管理されることが多い。たとえば、CADシステムを用いて作成された設計のための1図面ファイルを、1設計案として扱い、同じ製品設計における別の設計案を作成する場合は、別の図面ファイルを用いて作成が行なわれる。それゆえに、設計案の管理は、これら複数の図面ファイルを管理することによって実現される。
【0011】
その他に、特開平5−6399号公報では設計案管理装置が提案される。この管理装置では、設計案相互の差分を示す差分情報を管理可能なフォーマットで記述されている設計案が、その差分情報に基づき管理される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
複数の部品を組合せてなる組部品から構成される製品を、異なる複数の機能に関して評価を行なう際に、各機能ごとに製品における部品配置が評価される。その際、配置される部品の形状は、各設計機能において同一である必要はなく、たとえば機構形状とシミュレーション形状のように異なることは多々ある。
【0013】
なお、機構形状とは形状を詳細にまで表現した形状のことであり、シミュレーション形状とはシミュレーション解析の計算速度向上のため、ある程度簡略化された形状をいう。
【0014】
一方、製品における各部品の配置は各設計機能において同様に適用される。つまり、1設計機能におけるある部品の配置の変更は、他の設計機能における同一部品の配置に対しても影響する。上述した特開平6−176084号公報の装置では、各部品について、形状データ、その配置データおよび各機能のシミュレーションファイルが保持されているが、基準となる形状データは唯一であるため、各機能のための形状データに変換する処理が必要とされて、各機能に対応した形状データを速やかに得ることができない。つまり、設計機能のためのある部品の配置変更が、他の設計機能に反映されないという課題がある。
【0015】
また、各機能における各部品の形状データおよび配置に関する情報は、各シミュレーションファイル内に独自に保持されているから、各機能において相互に連携して部品を配置することは困難であった。
【0016】
また、設計案の管理に関しては、同一製品の設計の場合、異なる設計案間で共通に部品を保持することが多い。しかるに、上述したファイル単位で設計案を管理する方法の場合、ファイルごとにモデルを別途定義する必要があり、同一製品の設計では多数の類似した部品があるにもかかわらず、モデルはファイルごとに個別に管理されるから、管理すべきデータが増加するとともに、異なるファイル間でモデルの同期を採ることも困難となる。
【0017】
また、構想段階の設計案のそれぞれは、同一部品を使用する場合でも配置の異なる場合が多い。それゆえに、上述の特開平5−6399号公報に開示の装置では、基本の設計案から差分情報をもとに複数の設計案を導出してメモリ容量の消費が抑制されている。しかしながら、部品の配置に関する情報が異なる場合は、差分情報も自ずと異なるため、メモリ容量の消費を抑制するのは困難である。
【0018】
それゆえにこの発明の目的は、複数の異なる設計機能を評価しながら製品設計を簡単に行なえる設計支援装置および方法、ならびに設計支援プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記録媒体を提供することである。
【0019】
この発明の他の目的は、複数の異なる設計機能を評価しながら製品設計を効率よく行なえる設計支援装置および方法、ならびに設計支援プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記録媒体を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る設計支援装置は、1つ以上の部品から成る製品の設計を支援する装置であって、部品の形状データを入力する形状入力手段と、入力された形状データを用いて、異なる設計機能ごとに該設計機能の情報を有するモデルデータを定義するモデル定義手段と、定義されたモデルデータから部品のデータを定義する部品定義手段と、定義された部品データおよび、部品を組合わせた組部品のデータのうち、設計のために任意に選択された部品データおよび組部品データに設計空間上で配置されるべき任意の位置を示す配置情報を付加して実体のデータを作成する実体作成手段と、形状データ、モデルデータ、部品データ、実体データおよび組部品データのそれぞれを階層構造の位相データにして格納する位相データ格納手段と、位相データ格納手段に格納された位相データから、実体作成手段により作成された実体データに対応する部品および組部品データの選択状態に基づいて設計案データを定義する設計案定義手段と、定義された設計案データおよび位相データ格納手段の位相データから、所望される設計機能のデータを算出し、所望設計機能を評価するために解析して出力する解析実行手段とを備えて構成される。
【0021】
したがって、位相データにおいては、モデル定義手段により設計機能のそれぞれごとに、部品の形状データおよび該設計機能の情報を保持するモデルデータが定義されるとともに、実体作成手段により設計機能のそれぞれについて、設計空間上に配置されるべき部品および組部品データが任意に選択され、かつその配置も任意に設定される。
【0022】
それゆえに、1つの位相データを準備するだけで、設計機能のそれぞれごとに、異なる形状データを有した部品および組部品データを扱える設計案データを定義できて、設計機能の多角的見地からの製品設計、機能評価および設計案データの管理が容易に可能となる。
【0023】
また、位相データ上における部品および組部品データの選択状態ならびに配置情報の変更は、設計機能のそれぞれについての設計案データに同時に反映させることができるから、部品または組部品データ配置時の操作性が向上して、試行錯誤を要する構想設計時の部品または組部品の選定と配置の決定などの作業を含む設計作業時間の短縮が図られる。
【0024】
また、設計機能のそれぞれについては、対応するモデルデータと設計案データとは位相データ上において一元的に管理されるから、従来のような別管理方式に比べて、データ管理のためのメモリ消費を抑制できる。
【0025】
上述の設計支援装置は、位相データ格納手段に格納された位相データを、与えられる所定情報に基づいて所望する内容に編集するためのデータ編集手段をさらに備えて構成されてもよい。
【0026】
上述の設計支援装置は、データ編集手段が、位相データにおいて、所望する実体データに対応する部品および組部品データについての選択状態を変更する選択状態変更手段を有してもよい。
【0027】
上述の設計支援装置は、データ編集手段が、位相データにおいて、部品および組部品データについての配置情報を変更する配置変更手段を有してもよい。
【0028】
したがって、位相データ編集手段により、位相データを所望する内容に、たとえば設計機能ごとに選定される部品および組部品データ、ならびに配置情報を異ならせたり、また1設計機能について複数の異なるパターンで部品および組部品データ、ならびに配置情報を設定することができる。
【0029】
それゆえに、1つの位相データを準備して、これを編集するだけで設計機能のそれぞれについて、多種多様なパターンの設計案データを簡単に定義できて、設計作業時間の短縮と設計精度の向上とが図られる。
【0030】
上述の設計支援装置は、設計案データを格納するための設計案データ格納手段をさらに有し、設計案データ格納手段には、位相データ格納手段に格納された位相データに対応して定義された設計案データが逐次格納されるよう構成されてもよい。
【0031】
上述の設計支援装置は、解析実行手段が、設計案データ格納手段に格納された設計案データのうち、与えられる所定情報により選択された設計案データと対応する位相データとを用いて、所望設計機能の解析を実行するように構成されてもよい。
【0032】
したがって、設計案データ格納手段には、位相データに対応して設定された設計案データが格納されて、選択された設計案データと、これに対応の位相データとを用いて、設計機能の解析が実行されて評価される。
【0033】
それゆえに、1製品について複数の異なる設計案データを予め作成して設計案データ格納手段に格納しておけば、解析実行時には、設計案データ格納手段からの設計案データの読出し、読出された設計案データの解析実行、その結果に基づく評価を繰返すことができて、各設計機能および製品について最適な評価となる設計案データを速やかに決定できる。
【0034】
上述の設計支援装置は、位相データ格納手段の位相データおよび設計案データ格納手段の設計案データを含む情報を表示する表示手段と、所定情報を含む各種の情報を外部から入力するための入力手段とをさらに備えて構成されてもよい。
【0035】
したがって、位相データ格納手段および設計案データ格納手段中の位相データおよび設計案データは表示手段により表示されるから、ユーザは、表示内容を確認することで、入力手段から位相データを所望するように編集するための、または所望するような設計案データを選択するための所定情報を簡単に入力できる。それゆえに、操作性に優れるとともに、設計時間の短縮が図られる。
【0036】
この発明に係る設計支援方法は、1つ以上の部品から成る製品の設計を支援する方法であって、部品の形状データを入力する形状入力ステップと、入力された形状データを用いて、異なる設計機能ごとに該設計機能の情報を有するモデルデータを定義するモデル定義ステップと、定義されたモデルデータから部品のデータを定義する部品定義ステップと、定義された部品データおよび、部品を組合わせた組部品のデータのうち、設計のために任意に選択された部品データおよび組部品データに設計空間上で配置されるべき任意の位置を示す配置情報を付加して実体のデータを作成する実体作成ステップと、形状データ、モデルデータ、部品データ、実体データおよび組部品データのそれぞれを階層構造の位相データにして予め準備されたメモリ格納する位相データ格納ステップと、位相データ格納手段によりメモリに格納された位相データから、実体作成ステップにより作成された実体データに対応する部品および組部品データの選択状態に基づいて設計案データを定義する設計案定義ステップと、定義された設計案データおよびメモリに格納された位相データから、所望される設計機能のデータを算出し、所望設計機能を評価するために解析して出力する解析実行ステップとを備えて構成される。
【0037】
この発明に係る設計支援方法をコンピュータに実行させるための設計支援プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記録媒体は、次のような特徴を有する。つまり、設計支援方法は、1つ以上の部品から成る製品の設計を支援する方法であって、部品の形状データを入力する形状入力ステップと、入力された形状データを用いて、異なる設計機能ごとに該設計機能の情報を有するモデルデータを定義するモデル定義ステップと、定義されたモデルデータから部品のデータを定義する部品定義ステップと、定義された部品データおよび、部品を組合わせた組部品のデータのうち、設計のために任意に選択された部品データおよび組部品データに設計空間上で配置されるべき任意の位置を示す配置情報を付加して実体のデータを作成する実体作成ステップと、形状データ、モデルデータ、部品データ、実体データおよび組部品データのそれぞれを階層構造の位相データにして予め準備されたメモリに格納する位相データ格納ステップと、位相データ格納ステップによりメモリに格納された位相データから、実体作成ステップにより作成された実体データに対応する部品および組部品データの選択状態に基づいて設計案データを定義する設計案定義ステップと、定義された設計案データおよびメモリに格納された位相データから、所望される設計機能のデータを算出し、所望設計機能を評価するために解析して出力する解析実行ステップとを備えて構成される。
【0038】
上述の設計支援方法および設計支援プログラムによれば、位相データにおいては、モデル定義ステップにより設計機能のそれぞれごとに、部品の形状データおよび該設計機能の情報を保持するモデルデータが定義されるとともに、実体作成ステップにより設計機能のそれぞれについて、設計空間上に配置されるべき部品および組部品データが任意に選択され、かつその配置も任意に設定される。
【0039】
それゆえに、1つの位相データを準備するだけで、設計機能のそれぞれごとに、異なる形状データを有した部品および組部品データを扱える設計案データを定義できて、設計機能の多角的見地からの製品設計、機能評価および設計案データの管理が容易に可能となる。
【0040】
また、位相データ上における部品および組部品データの選択状態ならびに配置情報の変更は、設計機能のそれぞれについての設計案データに同時に反映させることができるから、部品または組部品データ配置時の操作性が向上して、試行錯誤を要する構想設計時の部品または組部品の選定と配置の決定などの作業を含む設計作業時間の短縮が図られる。
【0041】
また、設計機能のそれぞれについては、対応するモデルデータと設計案データとは位相データ上において一元的に管理されるから、従来のような別管理方式に比べて、データ管理のためのメモリ消費を抑制できる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る設計支援装置と方法について説明する。ここでは、1つ以上の部品からなる製品の設計を支援するための装置と方法が説明される。
【0043】
図1には、この発明の実施の形態による設計支援装置の機能構成が示される。図2には、図1の設計支援装置のハードウェア構成が示される。図3には、図1および図2の設計支援装置において実行される設計支援処理のフローチャートが示される。
【0044】
図2に示される設計支援装置は簡単なコンピュータの構成を有して、該装置を集中的に制御および管理するためのCPU100、設計支援のためのプログラムを含む各種プログラムならびに各種のデータが格納されるROM(リードオンリメモリ)101、処理のために必要とされるデータが格納されるRAM(ランダムアクセスメモリ)102、外部から各種情報を入力するためのキーボード、マウスなどからなる入力部103、外部に対して情報を出力するためのディスプレイおよびプリンタなどからなる出力部104、インターネットなどを含む外部の通信ネットワーク105とCPU100とを通信接続するための通信デバイス106、入力部103と出力部104とをCPU100に接続するためのI/Oデバイス107、FD(フレキシブルディスク)などの記録媒体109が着脱自在にセットされて、CPU100の制御のもとに該記録媒体をアクセスしてデータの読書きをするための外部記憶ドライバ108を含む。
【0045】
図1において設計支援装置は制御部1、ならびに制御部1に接続されて制御部1により制御される形状入力部2、モデル定義部3、部品定義部4、実体作成部5、組部品定義部6、設計案定義部7、位相データ格納部8、位相制御部9、設計案データ格納部10、設計案制御部11、配置編集部12、表示部13および解析実行部14を含む。
【0046】
位相データ格納部8および設計案データ格納部10はRAM102内に構成される。図1の他の部分は、CPU100により実行制御されるプログラムの機能として提供される。
【0047】
次に、図3のフローチャートを参照して、製品の設計支援のための動作を説明する。まず、各設計機能を表わすモデルにおける部品の形状を示す形状データがユーザにより入力部103から入力されるので、制御部1は入力された形状データを形状入力部2に与えるので、形状入力部2は、与えられた形状データを受理して、位相データ格納部8に保存する(ステップS1)。位相データ格納部8には、形状を階層化して管理するデータ群(以下、位相データと呼ぶ)が格納される。ここでは立体を管理するモデル、モデルを管理するパートなどである。形状入力部2においては、各モデルにおける部品の形状データが入力される。
【0048】
次に、モデル定義部3において、予め形状入力部2において入力された形状データに対し設計機能の情報が定義された機能解析のためのシミュレーション用のモデルを示すデータ(以下、単にモデルと呼ぶ)が定義されて、定義されたモデルは位相データ格納部8に保存される(ステップS2)。したがって、モデルは、該モデルにおける部品の形状データに各機能における部品の情報が付加されたものとなる。なお、モデルの定義は、予めROM101に格納されたモデル定義のためのデータに基づいて行なってもよく、また外部から入力部103および制御部1を経由して入力されたデータに基づいて行なってもよい。
【0049】
次に、部品定義部4において、予めモデル定義部3により予め定義されたモデルから1設計単位である部品のデータ(以下、単に部品と呼ぶ)が定義されて、定義された部品は位相データ格納部8に保存される(ステップS3)。この部品は、モデル定義部3により予め設計機能毎に予め定義されたモデルをすべて保持する。
【0050】
次に、実体作成部5において、予め部品定義部4により定義された部品または後述する組部品のデータ(以下、単に組部品と呼ぶ)について、モデルに対応の設計のための空間における位置情報が付加された実体のデータ(以下、単に実体と呼ぶ)が生成されて、生成された実体は位相データ格納部8に保存される(ステップS4)。ここで、実体とは部品や組部品といった定義に、座標変換マトリックスが指定されたものである。実体は複数の部品を保持することが可能であるが、高々1個の部品が選択状態である必要がある。なお、選択状態についての詳細は、後述する。
【0051】
次に、部品を組合せて1設計単位である組部品を生成する場合は(ステップS5でyes)、組部品定義部6において、予め実体作成部5により生成された1つ以上の実体を組合わせて組部品が定義されて、定義された組部品は位相データ格納部8に保存される(ステップS6)。次に、実体作成部5において、予め組部品定義部6により定義された組部品に対して、対応するモデルの設計空間において該組部品が配置された位置を示す位置情報が付加されて実体が生成されて、生成された実体は、位相データ格納部8に保存される(ステップS7)。
【0052】
その後、設計案定義部7において、予め実体作成部5により生成された実体についての選択状態に基づいて設計案が定義されて、定義された設計案は設計案データ格納部10に保存される(ステップS8)。
【0053】
次に、位相データを編集する場合は(ステップS9でyes)、位相制御部9において、位相データ格納部8中の位相データについて次のように編集が行なわれる。つまり、位相データ格納部8から位相データが読出されて表示部13により出力部103にて表示されるので、ユーザは、表示内容を見ながら入力部102から、位相データを所望するように編集するためのデータを入力する。
【0054】
この入力データを用いて、位相制御部9は、予めモデル定義部3により定義されたモデルに対する部品の形状データの追加、削除および修正のいずれかを行なうか、または予め部品定義部4により定義された部品に対するモデルの追加、削除および修正のいずれかを行なうか、または予め実体作成部5により生成された実体に対する部品または組部品の追加、削除および修正のいずれかを行なうか、または予め組部品定義部6により定義された組部品に対する実体の追加、削除および修正のいずれかを行なう。位相制御部9は、このような編集が施された位相データを、再度、位相データ格納部8に保存する(ステップS10)。
【0055】
次に、設計案を編集する場合は(ステップS11でyes)、設計案制御部11において、次のように編集処理が行なわれる。つまり、設計案データ格納部10から所望の設計案データが読出されて表示部13により出力部103にて表示されるので、ユーザは、表示内容を見ながら入力部102から、設計案データを所望するように編集するためのデータを入力する。この入力データを用いて、設計案制御部11は、読出された所望の設計案のデータに対して設計案データの追加、削除および修正のいずれかの編集を行なって、編集された設計案のデータを設計案データ格納部10に保存する(ステップS12)。
【0056】
実体の配置を変更する場合は(ステップS13でyes)、予め生成された形状、実体の配置が配置編集部12により編集されて位相データ格納部8に保存される(ステップS14)。具体的には、位相データ格納部8から位相データが読出されて表示部13により出力部103にて表示されるので、ユーザは、表示内容を見ながら入力部102から、位相データの実体の設計空間における配置を変更するためのデータを入力する。配置編集部12は、入力されたデータを制御部1を介して受理して、このデータに基づいて、位相データの配置情報mtxiを変更して、変更後の位相データを位相データ格納部8に格納する。
【0057】
その後、設計機能についてシミューレーションによる解析処理を行なう場合は(ステップS15でyes)、位相制御部9および設計案制御部11のそれぞれにおいて、位相データ格納部8および設計案データ格納部10で保存されている位相データおよび設計案データのそれぞれをもとに、シミューレーション処理を行なうべき設計案についての設計機能のモデルが算出されて、解析実行部14に与えられて、解析実行部14においては、与えられた設計機能モデルを評価するために所定手順に従いシミュレーションによる該設計機能モデルの解析処理が行なわれる。解析処理の結果は、逐次、表示される(ステップS16)。
【0058】
解析結果の表示を確認したユーザが、再度、形状データを定義して、新たな位相データの生成を所望する場合には、入力部103から入力された指示に応答して、処理はテップS1に移行するが、位相データ格納部8に既に格納されている位相データの編集を所望する場合には、入力部103から入力された指示に応答して、処理はステップS9に移行する。設計機能の解析結果が所望するものと評価されれば、設計は完了するので、入力部103から入力された指示に応答して、一連の処理は終了する。
【0059】
図4(A)〜(D)には、本実施の形態に適用される座標系が示される。ここで、ローカル座標系とは部品または組部品などを管理するための固有の座標系である。実座標系は部品または組部品などを実体化し表示部13により出力部104において表示するための座標系である。実座標系は、ローカル座標系との対比で用いられる。グローバル座標系は、実際に設計を行なうための空間に適用される座標系を言う。図4(A)と(B)で示されるように、部品Aを直接に設計のための空間に抽出する場合は実座標系=グローバル座標系となる。また、図4(C)と(D)に示されるように、部品Aを組部品に抽出する場合は、実座標系=組部品のローカル座標系となる。
【0060】
図5には、本発明の実施の形態による位相データの関係が示される。図5の位相データの関係を用いて位相データの構造を説明する。位相データは、形状を要素として各位相要素をローカル座標系によって管理する定義位相データ120と、実座標系を保持し実体として表示される実体位相データ121とに分けられる。
【0061】
図示されるように、まず部品形状122のデータは実座標系をもって配置される。この座標は部品形状122のデータを管理するモデル123のローカル座標系に従属する。
【0062】
次に、モデル123は設計機能ごとに個別に定義されて、各設計機能ごとのモデル123は、対応する設計機能についての部品形状122のデータを有する。モデル123はローカル座標系を有する。
【0063】
次に、部品124は1部品単位として定義されて、各設計機能ごとのモデル123を有する。これにより、1つの部品124が複数の異なる設計機能についての部品形状122のデータを有することも可能になる。部品124もまたローカル座標系を保持する。
【0064】
部品124のローカル座標系とモデル123のローカル座標系とを異ならせる場合は、各モデル123において座標系の修正処理が行なわれる。部品124は表示部13により出力部104において表示される場合には、配置情報(mtxP)とともに、実体125によって管理される。
【0065】
実体125は、保持する1つ以上の部品124を、各部品124に対応する配置情報mtxPによって実座標系に展開する。実体125は複数個の部品124から構成可能であるが、高々1個の部品124だけが選択状態にある。
【0066】
なお、ここで選択状態とは、対応する設計機能に対して、実体125または127が管理する1つ以上の部品124または1つ以上の組部品126のうち、いずれの部品124またはいずれの組部品126が、選択されているかを示す。選択状態の設定は、図1の位相制御部9において、入力部103から入力されて制御部1を介して与えられた情報に基づいてなされる。
【0067】
実体125は、後述する組部品126に従属することも可能であるが、従属しない場合は、実体125自身が部品形状122を表示する。その際、選択された(選択状態にある)部品124とモデル123の部品形状122とが表示される。
【0068】
次に、実体125を組合せて組部品126が構築される場合には、組部品126が定義される。組部品126は部品124から生成された実体125の他に、組部品126から生成された実体127を保持することも可能である。組部品126は保持する実体125をローカル座標系にて管理する。組部品126は表示される場合には、部品124の場合と同様にして配置情報mtxAとともに実体127によって管理される。
【0069】
実体127は、保持する組部品126を、各組部品126の配置情報mtxAによって実座標系に展開する。実体127は複数の組部品126または複数の部品124から構成されることも可能であるが、高々1個の部品124または組部品126が選択状態にある。
【0070】
ここで、表示される部品124から展開される実体125や、組部品126から展開される実体127は、グローバル座標系に展開される実体であり、配置編集部12による配置編集の対象となる。配置編集する際は、部品124または組部品126のローカル座標系からグローバル座標系に座標を変換するための座標変換行列に対して、配置変更の処理が行なわれるので、ローカル座標系により管理されて定義された位相データの幾何情報は不変である。
【0071】
図6には、この発明の実施の形態に適用する位相データの具体例が示される。次に、図6の位相データを参照して構想設計時の位相データの詳細を説明する。
【0072】
図6の位相データは機構設計、基板設計および熱設計の3種類の異なる設計機能に関する設計のためのデータを有する。図示されるように位相データはツリー構造を有し、枝となる線分のうち実線であるものは、その下位のノード成分が選択状態であることを示し、点線であるものは、その下位のノード成分が非選択状態であることを示す。図6において、Eiは部品の形状データを示し、Miはモデルを示し、Piは部品を示し、Cpiは実体を示し、Aiは組部品を示し、Caiは実体を示す。なお、i=1,2,3、…である。
【0073】
まず、図6の部品P1をルートとするツリーを用いて部品形状データ、モデル、部品の詳細について説明する。部品P1は、上述した異なる3つの設計機能のそれぞれに対応した機能解析シミューレーション用のモデルM1、M2およびM3のそれぞれを保持し、モデルM1〜M3のそれぞれは部品形状データE1、E2およびE3のそれぞれと、図示されないが上述の各設計機能における部品に関する情報とを保持していることが示される。
【0074】
図7(A)〜(C)には、この発明の実施の形態に適用される設計機能の部品形状データの1例が示される。図8には、この発明の実施の形態に適用される部品のローカル座標系の1例が示される。図9には、この発明の実施の形態に適用される部品からなる実体および実体の配置情報の1例が示される。
【0075】
設計機能の部品形状データは形状入力部2により入力される。具体的には、機構設計においては図7(A)で示されるような3次元の詳細形状である機構形状E1のデータが、基板設計においては図7(B)で示されるような2次元の断面形状である電気的形状E2のデータが、熱設計においては図7(C)で示されるような3次元に簡略された形状である熱解析形状E3のデータが、入力部103からの情報に基づいて入力される。
【0076】
次に、モデル定義部3においては、形状入力部2より入力された図7(A)〜(C)の部品形状E1〜E3のデータのそれぞれに対応してモデルM1〜M3のそれぞれが定義される。
【0077】
なお、定義されたモデルM1〜M3のそれぞれでは、対応する部品形状E1〜E3のデータの他に、図示されないが機構設計においては寸法制約などの情報、基板設計においては基板のピン数などの情報、熱設計においては発熱量などの情報が保持される。
【0078】
続いて、定義されたモデルM1〜M3を用いて、部品定義部4において部品P1が定義される。部品P1では、図8に示されるように、モデルM1の部品形状E1のデータは部品P1のローカル座標系LAに基づき管理される。部品P1は保持するモデルM1〜M3を統括し、モデルM1〜M3からのモデルの選択、表示部13を用いた表示の制御を行なう。図6のツリー構造における部品P2およびP3のそれぞれについても同様な構造が定義される。
【0079】
次に図6において、1つ以上の部品Piから実体作成部5において生成される実体Cp1、Cp2、Cp3およびCp4の詳細について説明する。実体作成部5において生成された実体Cp1は部品P1とP2を保持する。図示されるように実体Cp1が保持する部品P1とP2のうち部品P1のみが選択状態とされているので、表示部13における実体Cp1の表示としては部品P1の形状のみが表示される。この場合に表示される部品P1は、図9に示されるような部品P1のローカル座標系LAに対する実体Cp1として生成される際に、位置座標が付加されて生成される。この位置座標は、ローカル座標系LAに対する座標変換行列mtx1によって実現される。実体Cp1において、座標変換行列mtx1は実体Cp1が保持する部品P1とP2のそれぞれに対して(P1,mtx1),(P2,mtx2)のように組となって保持される。
【0080】
同様に、実体作成部5において生成された実体Cp2は部品P2とP3とを保持する。ここで、実体Cp2は保持する部品P2とP3のうち部品P2のみが選択状態とされているので、表示部13における実体Cp2の表示としては部品P2の形状のみが表示される。ここで、部品P2は実体Cp1においても部品形状として保持されている部品、いわゆる実体Cp1とCp2とに共通の部品であるため、部品P2関して形状データが修正される場合には、実体Cp1およびCp2についても、その修正内容は影響する。
【0081】
同様に、実体作成部5において生成された実体Cp3は、部品P1を2個保持する。実体Cp3に保持されている各部品の形状は同一であるが、各部品の設計空間における配置位置を相互に異ならせる場合には、適用される座標変換行列を異なるものとすることによって簡単に実現できる。つまり、図6では、実体Cp3に保持される一方の部品P1に対しては座標変換行列mtx5が適用されて、他方の部品P1に対しては座標変換行列mtx6が適用されることで、保持される各部品の形状データは同一であるが、各部品の設計空間における配置位置を相互に異ならせることができる。
【0082】
同様に、実体作成部5において生成された実体Cp4は部品P1とP2とを保持する。ここでは、図6に示されるように、両部品は非選択状態とされることによって、実体Cp4の表示においては部品が表示されないように設定することができる。
【0083】
次に、図6の組部品A1を用いて、組部品の詳細について説明する。
図10には、この発明の実施の形態に適用される組部品のローカル座標系の1例が示される。図11には、この発明の実施の形態に適用される組部品から構成される実体の1例が説明される。
【0084】
組部品定義部6において、1つ以上の実体Cpiから定義された組部品A1は、実体Cp1、Cp2、Cp3、およびCp4を保持するが、実体Cp4が保持する部品P1とP2は非選択状態であるから、図10で示される組部品A1においては実体Cp4は表示されない。図10に示されるように組部品A1では、部品P1と同様に、保持する実体Cpiの形状データは、組部品A1のローカル座標系LAに基づき管理される。
【0085】
次に、図6の実体Ca1を用いて、組部品Aiから生成される実体Caiの詳細について説明する。実体作成部5において生成された実体Ca1は組部品A1を保持する。図6で示されるように実体Ca1は組部品A1のみを保持しているため、実体Ca1の表示においては組部品A1の形状のみが表示される。
【0086】
ここで表示される組部品A1は、図11に示されるように、ローカル座標系LAに対し実体Caiとして生成される際に、位置座標が付加されて生成される。この位置座標は、ローカル座標系LAに対する座標変換行列mtx9によって実現される。座標変換行列mtx9は実体Ca1において、実体Ca1が保持する組部品A1と組となって保持される。その後の動作も、前述した部品Piから生成される実体Cp1〜Cp4の場合と同様であり、説明は省略する。
【0087】
次に、図6の位相データの具体例を参照して異なる設計機能間の部品の配置に関する連携処理について説明する。各部品Piは異なる種類のモデルMiを保持している。ここで、配置編集部12において、実体Cp1の配置を変更する場合、表示部13により表示される位相データにおける部品形状は形状E1〜E3のいずれかであるが、実際の配置変更による移動処理は、制御部1を経由して入力部103から与えられたユーザ所望の移動分に対応した移動行列を、部品P1から実体Cp1を生成する際の配置位置を指定するための座標変換行列mtx1に対して乗じることによって実現される。このとき、同時に実体Cp1が保持する一方の部品P2の座標変換行列mtx2にも同じ移動行列が乗じられる。
【0088】
移動行列とは、移動分に応じた移動を表わす変換行列のことであって、一般に図形を扱う場合、その位置座標に対し移動行列を乗じることによって、所望する移動分に対応した位置の変換が行なわれる。
【0089】
これにより、モデルM1〜M3の部品形状E1〜E3は、その配置位置が部品のローカル座標系LAに保たれたまま、実体Cp1は指定された配置位置に変更される。したがって、モデルを別のモデルに切換えた場合でも部品のローカル座標系LAを基準とした位置に別のモデルが表示される。
【0090】
このように、実体Cp1の移動に対し、部品P1の座標変換行列mtx1と同様に、部品P2の座標変換行列mtx2に対しても移動行列が乗じられるため、実体Cp1における選択状態を部品P2側に切換えた場合には、部品P2のローカル座標系LAを基準とした位置に部品P2が移動分を加味して表示される。これにより異なる種類の設計機能間における部品、組部品の配置に関する連携が可能となる。
【0091】
次に図6の位相データの具体例、図12に示される本実施の形態に適用される設計案データの管理状態、および図13に示される本実施の形態に適用される設計案データの具体例を参照して、設計案データの構造を説明する。
【0092】
図6において実体Cp1〜Cp4のそれぞれは2個の部品Piを保持し、実体Ca1は1個の組部品A1を保持する。これら実体のそれぞれには高々1個だけ選択状態とされている部品または組部品が存在する。具体的には、図6の場合では、実体Cp1においては組(P1,mtx1)が、実体Cp2においては組(P2,mtx3)が、実体Cp3においては組(P1,mtx5)が選択状態とされて、実体Cp4は無選択の状態となっている。
【0093】
このとき、位相データ格納部8の図6で示される位相データにおけるすべての実体Cpiのデータは、設計案定義部7によりテーブル化されて、図12に示されるように「設計案1」として定義される。たとえば、図11は、図10の「設計案1」を表示したものである。定義された設計案データは、設計案データ格納部10に格納される。
【0094】
同様にして、図6において実体Cp1において組(P2,mtx2)が、実体Cp2において組(P3,mtx4)が、実体Cp3において組(P1,mtx6)が、実体Cp4において組(P1,mtx7)が選択状態となるよう定義されることによって、図12の「設計案2」を定義することができる。
【0095】
その後、設計案を変更する場合は、設計案データ格納部10から読出された所望する設計案データが表示部13にて表示されるので、ユーザは、設計案変更のための情報を入力部103から入力すれば、制御部1を介して設計案制御部11は、入力された情報を受理して、各実体Cpiにおける部品Piの選択状態が入力情報を用いて変更される。その結果、たとえば図11の「設計案1」から、図13に示すような「設計案2」に変更することが可能となる。
【0096】
図6においては、実体Cpiについては保持する部品Piの選択の他に、実体Cp3について示されるように、保持する部品Piの配置情報mtxiの選択も可能であるから、設計案制御部11により前述の部品選択と同様にして、配置情報mtxiの選択的な設定・変更も可能である。したがって、同一の部品Piを用いながらも、部品の配置が異なるような複数の設計案を定義することも容易に可能になる。
【0097】
このようにして、設定・変更された設計案を用いて評価されるべき設計機能が入力部103を介して外部から選択的に指定されることによって、指定された設計機能を希望する設計案の下で取出すことも可能になる。
【0098】
具体的には、ユーザにより所望される種類の部品Piが所望されるような配置情報mtxiで配置されていることを示す設計案に対して、解析すべき設計機能に対応のモデルMiのみが選択されて適用される。このような状態で、適用されたモデルMiに解析実行部14により所定の定数データなどが設定されて設計機能解析のためのシミューレーションが実行されて、指定された設計機能を希望する設計案の下で評価することが可能になる。
【0099】
以上示されたように、設計案の変更に対し部品Piを保持するモデルMiのデータは、同一データを保持したものであり、これにより異なる設計案間での部品、ならびに設計機能の共有化が可能になる。
【0100】
また、上述したデータ構造や機能により、組部品Aiを主体とする製品の構想設計において、設計機能の多角的見地からの設計、評価および設計案の管理が可能になる。
【0101】
以上説明した設計支援装置は図3のフローチャートを含んで示される設計支援処理を機能させるためのプログラムで実現される。このプログラムはコンピュータで読取可能な記録媒体に格納されている。本実施の形態では、この記録媒体として、図2に示されている設計支援装置で処理が行なわれるために必要なROM101そのものがプログラムメディアであってもよいし、また外部記憶ドライバ108にセットされることにより読取可能な状態とされる記録媒体109であってもよい。
【0102】
いずれの場合においても、これらの媒体に格納されているプログラムはCPU100によりアクセスされて実行される方式であってもよいし、あるいはいずれの場合もプログラムをこれら記録媒体から一旦読出し、読出されたプログラムは図2の装置の図示されない所望のプログラム記録エリアにロードされて、CPU100により読出されて実行される方式であってもよい。なお、このロード用のプログラムは予め装置本体に格納されているものとする。
【0103】
ここで、上述したプログラムメディアである記録媒体は図2の装置と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フレキシブルディスクやハードディスクなどの磁気ディスクやCD−ROM/NO/MD/DVDなどの光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カードなどのカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、/ROMなどによる半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0104】
また、図2の装置においてはインターネットを含む通信ネットワーク105と通信接続可能な構成が採用されているから、通信ネットワーク105からプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、通信ネットワーク105からプログラムをダウンロードする場合には、ダウンロード用プログラムは予め装置本体に格納されるか、あるいは別の記録媒体から予めインストールされるものであってよい。
【0105】
なお、記録媒体に格納される内容としては、プログラムに限定されずデータであってもよい。
【0106】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0107】
【発明の効果】
この発明によれば、1つ以上の部品からなる製品の構想設計において設計機能の多角的見地からの設計、評価および設計案管理が可能になり、試行錯誤を要する構想設計時の部品および組部品データの選定ならびに配置の決定が容易になり、設計作業時間の短縮が図れる。
【0108】
また、各設計機能ごとに別形状の部品および組部品データが扱える設計案データの管理が可能となって各機能におけるシミューレーション技術と連動することにより、1製品に対し複数の設計機能の検証が可能になり、設計品質の向上が図れる。
【0109】
また、異なる設計機能間における部品および組部品データの選定と配置に関する連携が可能となって、製品の設計空間における部品配置決定時の操作性が向上し、設計作業時間の短縮が図れる。
【0110】
また、設計案データの管理に関しては、異なる設計案データ間での部品および組部品データ、ならびに設計機能の連携が可能になり、複数の異なる設計案データから即座に各設計機能のモデルを導出することができて、部品および組部品データの選定ならびに配置決定などの基本設計時の作業時間短縮が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態による設計支援装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の設計支援装置のハードウェア構成図である。
【図3】 図1および図2の設計支援装置において実行される設計支援処理のフローチャートである。
【図4】 (A)〜(D)は、この発明の実施の形態に適用される座標系を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態による位相データの関係を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態に適用する位相データの具体例を示す図である。
【図7】 (A)〜(C)は、この発明の実施の形態に適用される設計機能の形状の1例を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態に適用される部品のローカル座標系の1例を説明する図である。
【図9】 この発明の実施の形態に適用される部品からなる実体および実体の配置情報の1例を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態に適用される組部品のローカル座標系の1例を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態に適用される組部品から構成される実体の1例を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態に適用される設計案データの管理状態を説明する図である。
【図13】 この発明の実施の形態に適用される設計案データの具体例を示す図である。
【符号の説明】
2 形状入力部、3 モデル定義部、4 部品定義部、5 実体作成部、6 組部品定義部、7 設計案定義部、8 位相データ格納部、9 位相制御部、10 設計案データ格納部、11 設計案制御部、12 配置編集部、13 表示部、14 解析実行部、100 CPU、101 ROM、105 通信ネットワーク、109 記録媒体、Ca1,Cpi(i=1、2、3、…) 実体、A1 組部品、Pi 部品、Mi モデル、Ei 部品形状。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【発明の属する技術分野】
この発明は電子回路装置などの製品の機能のシミュレーション技術と連結した製品の設計支援装置および方法、ならびに設計支援プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記録媒体に関し、特に、製品の構想設計時のシミュレーションのための複数の機能モデルおよび複数の設計案を取扱うことのできる設計支援装置および方法、ならびに設計支援プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のパソコン(パーソナルコンピュータの略)は、携帯性、省スペース性に対するユーザ指向から小型、軽量、薄型である製品の需要が高まっている。また、マルチメディア向けのパソコンに代表される高機能、高付加価値を有した製品に対する需要も高まってきており、設計、生産現場ではこうした多様かつ流動的な市場のニーズに即座に応えるために高性能製品をいかに短期間で企画して出荷するかがキーポイントになってきている。
【0003】
そこで最近では、電子部品の企画、設計、生産の各プロセスを並行して作業する、いわゆるコンカレントエンジニアリングや、部品、設計モデルの統合管理を行なうPDM(Product Data Managementの略)といった概念、ツールが脚光を浴びている。これらはいずれもCAD(Computer Aided Designの略)またはCAE(Computer Aided Engineeringの略)を基盤とし、製品設計を取巻く環境を密に結合することによって設計期間の短縮を実現する手法である。今や、製品設計、生産の現場においてCADまたはCAEといったソフトウェアによる設計のためのツールを利用することは当然であるが、より一層の設計期間の短縮を図るためには、これらのツールをいかに効果的に活用すべきかが課題となっている。
【0004】
このようなツールの効果的な活用手法として、製品の企画→構想段階の設計→詳細な設計へと移行するような設計プロセスにおいて、構想段階での設計における信頼性を向上させることにより、詳細な設計での手戻り回数が削減され、高品質の製品が短期間で設計されるというトップダウン設計手法が採用されてきている。この手法では、設計段階における製品の熱解析、構造解析に代表される各種シミュレーション技術を構想設計の段階で適用して、製品の主要部品の選定や配置などの基本設計の妥当性が検証される。
【0005】
ここで重要な点は、放熱機能、基板実装など複数の設計に関する項目が相互に影響を及ぼすような製品設計の範囲に、設計のプロセスにおいて部品および組部品に対し各設計項目を横断的に、すなわち複数の設計機能を多角的見地から同時に評価を行なう必要があるという点である。
【0006】
なお、ここで設計機能とは、設計の対象となるような電子部品やこれらを組合せてなる製品の機能、たとえば放熱するための機能、サイズダウンを図るための機能を言う。また、設計機能の多角的見地からの評価とは、次のようなことを言う。つまり、1つの製品設計を行なう際に、いくつかの設計機能を切り口にして同時に異なる複数の方向から製品設計を進行させ、また検証することを言う。たとえばパソコンの設計を行なう場合、1つは機構のコンパクト化という見地から、また1つは放熱対策の見地からといった具合である。このように1つの製品設計を行なう際に、1つの設計機能にのみ注目してこれを評価するのではなく、複数の異なる設計機能に同時に注目してこれらを評価することで、多角的見地からの評価を行なうことができる。
【0007】
たとえば、ノート型のパソコンに代表される高機能、軽量、薄型のパソコンの開発においては、機構のコンパクト化、およびCPU(中央処理装置の略)の高性能化に伴う放熱対策が重要な設計項目となっている。したがって、機構の設計、放熱のための設計、基板における実装のための設計およびこれら各設計項目を含んで製品を設計するとともに、全体を統括しながら設計を進める必要がある。
【0008】
このような設計機能を多角的見地から評価する装置としては、特開平6−176084号公報に開示される実装設計支援装置がある。これは、電気的な機能の設計および機械的な機能の設計の両面にわたる設計機能を統合化するための支援装置である。この装置によれば、パッケージといった各部品における設計機能を基本とし、各部品に対するシミュレーション結果を部品単位で統合管理することによって、シミュレーションの出力値を他のシミュレーションの入力値として取扱うことが可能となる。
【0009】
また、製品の構想段階での設計時における多大なアイデアをいかに取扱うのかという点も重要である。詳細な設計の段階に比較して、構想段階での設計では、製品における各部品の配置と、部品の選択に至る設計パラメータとの自由度は、多種多様な設計案の提案を通して可能であり、これら複数の設計案を、前述したように機能の多角的見地から比較検討し、中でも最適な設計案を即座に抽出することが必要とされる。
【0010】
また、数多くの設計案を管理する手法としては、一般的には、製品設計を行なうためのファイル単位で管理されることが多い。たとえば、CADシステムを用いて作成された設計のための1図面ファイルを、1設計案として扱い、同じ製品設計における別の設計案を作成する場合は、別の図面ファイルを用いて作成が行なわれる。それゆえに、設計案の管理は、これら複数の図面ファイルを管理することによって実現される。
【0011】
その他に、特開平5−6399号公報では設計案管理装置が提案される。この管理装置では、設計案相互の差分を示す差分情報を管理可能なフォーマットで記述されている設計案が、その差分情報に基づき管理される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
複数の部品を組合せてなる組部品から構成される製品を、異なる複数の機能に関して評価を行なう際に、各機能ごとに製品における部品配置が評価される。その際、配置される部品の形状は、各設計機能において同一である必要はなく、たとえば機構形状とシミュレーション形状のように異なることは多々ある。
【0013】
なお、機構形状とは形状を詳細にまで表現した形状のことであり、シミュレーション形状とはシミュレーション解析の計算速度向上のため、ある程度簡略化された形状をいう。
【0014】
一方、製品における各部品の配置は各設計機能において同様に適用される。つまり、1設計機能におけるある部品の配置の変更は、他の設計機能における同一部品の配置に対しても影響する。上述した特開平6−176084号公報の装置では、各部品について、形状データ、その配置データおよび各機能のシミュレーションファイルが保持されているが、基準となる形状データは唯一であるため、各機能のための形状データに変換する処理が必要とされて、各機能に対応した形状データを速やかに得ることができない。つまり、設計機能のためのある部品の配置変更が、他の設計機能に反映されないという課題がある。
【0015】
また、各機能における各部品の形状データおよび配置に関する情報は、各シミュレーションファイル内に独自に保持されているから、各機能において相互に連携して部品を配置することは困難であった。
【0016】
また、設計案の管理に関しては、同一製品の設計の場合、異なる設計案間で共通に部品を保持することが多い。しかるに、上述したファイル単位で設計案を管理する方法の場合、ファイルごとにモデルを別途定義する必要があり、同一製品の設計では多数の類似した部品があるにもかかわらず、モデルはファイルごとに個別に管理されるから、管理すべきデータが増加するとともに、異なるファイル間でモデルの同期を採ることも困難となる。
【0017】
また、構想段階の設計案のそれぞれは、同一部品を使用する場合でも配置の異なる場合が多い。それゆえに、上述の特開平5−6399号公報に開示の装置では、基本の設計案から差分情報をもとに複数の設計案を導出してメモリ容量の消費が抑制されている。しかしながら、部品の配置に関する情報が異なる場合は、差分情報も自ずと異なるため、メモリ容量の消費を抑制するのは困難である。
【0018】
それゆえにこの発明の目的は、複数の異なる設計機能を評価しながら製品設計を簡単に行なえる設計支援装置および方法、ならびに設計支援プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記録媒体を提供することである。
【0019】
この発明の他の目的は、複数の異なる設計機能を評価しながら製品設計を効率よく行なえる設計支援装置および方法、ならびに設計支援プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記録媒体を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る設計支援装置は、1つ以上の部品から成る製品の設計を支援する装置であって、部品の形状データを入力する形状入力手段と、入力された形状データを用いて、異なる設計機能ごとに該設計機能の情報を有するモデルデータを定義するモデル定義手段と、定義されたモデルデータから部品のデータを定義する部品定義手段と、定義された部品データおよび、部品を組合わせた組部品のデータのうち、設計のために任意に選択された部品データおよび組部品データに設計空間上で配置されるべき任意の位置を示す配置情報を付加して実体のデータを作成する実体作成手段と、形状データ、モデルデータ、部品データ、実体データおよび組部品データのそれぞれを階層構造の位相データにして格納する位相データ格納手段と、位相データ格納手段に格納された位相データから、実体作成手段により作成された実体データに対応する部品および組部品データの選択状態に基づいて設計案データを定義する設計案定義手段と、定義された設計案データおよび位相データ格納手段の位相データから、所望される設計機能のデータを算出し、所望設計機能を評価するために解析して出力する解析実行手段とを備えて構成される。
【0021】
したがって、位相データにおいては、モデル定義手段により設計機能のそれぞれごとに、部品の形状データおよび該設計機能の情報を保持するモデルデータが定義されるとともに、実体作成手段により設計機能のそれぞれについて、設計空間上に配置されるべき部品および組部品データが任意に選択され、かつその配置も任意に設定される。
【0022】
それゆえに、1つの位相データを準備するだけで、設計機能のそれぞれごとに、異なる形状データを有した部品および組部品データを扱える設計案データを定義できて、設計機能の多角的見地からの製品設計、機能評価および設計案データの管理が容易に可能となる。
【0023】
また、位相データ上における部品および組部品データの選択状態ならびに配置情報の変更は、設計機能のそれぞれについての設計案データに同時に反映させることができるから、部品または組部品データ配置時の操作性が向上して、試行錯誤を要する構想設計時の部品または組部品の選定と配置の決定などの作業を含む設計作業時間の短縮が図られる。
【0024】
また、設計機能のそれぞれについては、対応するモデルデータと設計案データとは位相データ上において一元的に管理されるから、従来のような別管理方式に比べて、データ管理のためのメモリ消費を抑制できる。
【0025】
上述の設計支援装置は、位相データ格納手段に格納された位相データを、与えられる所定情報に基づいて所望する内容に編集するためのデータ編集手段をさらに備えて構成されてもよい。
【0026】
上述の設計支援装置は、データ編集手段が、位相データにおいて、所望する実体データに対応する部品および組部品データについての選択状態を変更する選択状態変更手段を有してもよい。
【0027】
上述の設計支援装置は、データ編集手段が、位相データにおいて、部品および組部品データについての配置情報を変更する配置変更手段を有してもよい。
【0028】
したがって、位相データ編集手段により、位相データを所望する内容に、たとえば設計機能ごとに選定される部品および組部品データ、ならびに配置情報を異ならせたり、また1設計機能について複数の異なるパターンで部品および組部品データ、ならびに配置情報を設定することができる。
【0029】
それゆえに、1つの位相データを準備して、これを編集するだけで設計機能のそれぞれについて、多種多様なパターンの設計案データを簡単に定義できて、設計作業時間の短縮と設計精度の向上とが図られる。
【0030】
上述の設計支援装置は、設計案データを格納するための設計案データ格納手段をさらに有し、設計案データ格納手段には、位相データ格納手段に格納された位相データに対応して定義された設計案データが逐次格納されるよう構成されてもよい。
【0031】
上述の設計支援装置は、解析実行手段が、設計案データ格納手段に格納された設計案データのうち、与えられる所定情報により選択された設計案データと対応する位相データとを用いて、所望設計機能の解析を実行するように構成されてもよい。
【0032】
したがって、設計案データ格納手段には、位相データに対応して設定された設計案データが格納されて、選択された設計案データと、これに対応の位相データとを用いて、設計機能の解析が実行されて評価される。
【0033】
それゆえに、1製品について複数の異なる設計案データを予め作成して設計案データ格納手段に格納しておけば、解析実行時には、設計案データ格納手段からの設計案データの読出し、読出された設計案データの解析実行、その結果に基づく評価を繰返すことができて、各設計機能および製品について最適な評価となる設計案データを速やかに決定できる。
【0034】
上述の設計支援装置は、位相データ格納手段の位相データおよび設計案データ格納手段の設計案データを含む情報を表示する表示手段と、所定情報を含む各種の情報を外部から入力するための入力手段とをさらに備えて構成されてもよい。
【0035】
したがって、位相データ格納手段および設計案データ格納手段中の位相データおよび設計案データは表示手段により表示されるから、ユーザは、表示内容を確認することで、入力手段から位相データを所望するように編集するための、または所望するような設計案データを選択するための所定情報を簡単に入力できる。それゆえに、操作性に優れるとともに、設計時間の短縮が図られる。
【0036】
この発明に係る設計支援方法は、1つ以上の部品から成る製品の設計を支援する方法であって、部品の形状データを入力する形状入力ステップと、入力された形状データを用いて、異なる設計機能ごとに該設計機能の情報を有するモデルデータを定義するモデル定義ステップと、定義されたモデルデータから部品のデータを定義する部品定義ステップと、定義された部品データおよび、部品を組合わせた組部品のデータのうち、設計のために任意に選択された部品データおよび組部品データに設計空間上で配置されるべき任意の位置を示す配置情報を付加して実体のデータを作成する実体作成ステップと、形状データ、モデルデータ、部品データ、実体データおよび組部品データのそれぞれを階層構造の位相データにして予め準備されたメモリ格納する位相データ格納ステップと、位相データ格納手段によりメモリに格納された位相データから、実体作成ステップにより作成された実体データに対応する部品および組部品データの選択状態に基づいて設計案データを定義する設計案定義ステップと、定義された設計案データおよびメモリに格納された位相データから、所望される設計機能のデータを算出し、所望設計機能を評価するために解析して出力する解析実行ステップとを備えて構成される。
【0037】
この発明に係る設計支援方法をコンピュータに実行させるための設計支援プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記録媒体は、次のような特徴を有する。つまり、設計支援方法は、1つ以上の部品から成る製品の設計を支援する方法であって、部品の形状データを入力する形状入力ステップと、入力された形状データを用いて、異なる設計機能ごとに該設計機能の情報を有するモデルデータを定義するモデル定義ステップと、定義されたモデルデータから部品のデータを定義する部品定義ステップと、定義された部品データおよび、部品を組合わせた組部品のデータのうち、設計のために任意に選択された部品データおよび組部品データに設計空間上で配置されるべき任意の位置を示す配置情報を付加して実体のデータを作成する実体作成ステップと、形状データ、モデルデータ、部品データ、実体データおよび組部品データのそれぞれを階層構造の位相データにして予め準備されたメモリに格納する位相データ格納ステップと、位相データ格納ステップによりメモリに格納された位相データから、実体作成ステップにより作成された実体データに対応する部品および組部品データの選択状態に基づいて設計案データを定義する設計案定義ステップと、定義された設計案データおよびメモリに格納された位相データから、所望される設計機能のデータを算出し、所望設計機能を評価するために解析して出力する解析実行ステップとを備えて構成される。
【0038】
上述の設計支援方法および設計支援プログラムによれば、位相データにおいては、モデル定義ステップにより設計機能のそれぞれごとに、部品の形状データおよび該設計機能の情報を保持するモデルデータが定義されるとともに、実体作成ステップにより設計機能のそれぞれについて、設計空間上に配置されるべき部品および組部品データが任意に選択され、かつその配置も任意に設定される。
【0039】
それゆえに、1つの位相データを準備するだけで、設計機能のそれぞれごとに、異なる形状データを有した部品および組部品データを扱える設計案データを定義できて、設計機能の多角的見地からの製品設計、機能評価および設計案データの管理が容易に可能となる。
【0040】
また、位相データ上における部品および組部品データの選択状態ならびに配置情報の変更は、設計機能のそれぞれについての設計案データに同時に反映させることができるから、部品または組部品データ配置時の操作性が向上して、試行錯誤を要する構想設計時の部品または組部品の選定と配置の決定などの作業を含む設計作業時間の短縮が図られる。
【0041】
また、設計機能のそれぞれについては、対応するモデルデータと設計案データとは位相データ上において一元的に管理されるから、従来のような別管理方式に比べて、データ管理のためのメモリ消費を抑制できる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る設計支援装置と方法について説明する。ここでは、1つ以上の部品からなる製品の設計を支援するための装置と方法が説明される。
【0043】
図1には、この発明の実施の形態による設計支援装置の機能構成が示される。図2には、図1の設計支援装置のハードウェア構成が示される。図3には、図1および図2の設計支援装置において実行される設計支援処理のフローチャートが示される。
【0044】
図2に示される設計支援装置は簡単なコンピュータの構成を有して、該装置を集中的に制御および管理するためのCPU100、設計支援のためのプログラムを含む各種プログラムならびに各種のデータが格納されるROM(リードオンリメモリ)101、処理のために必要とされるデータが格納されるRAM(ランダムアクセスメモリ)102、外部から各種情報を入力するためのキーボード、マウスなどからなる入力部103、外部に対して情報を出力するためのディスプレイおよびプリンタなどからなる出力部104、インターネットなどを含む外部の通信ネットワーク105とCPU100とを通信接続するための通信デバイス106、入力部103と出力部104とをCPU100に接続するためのI/Oデバイス107、FD(フレキシブルディスク)などの記録媒体109が着脱自在にセットされて、CPU100の制御のもとに該記録媒体をアクセスしてデータの読書きをするための外部記憶ドライバ108を含む。
【0045】
図1において設計支援装置は制御部1、ならびに制御部1に接続されて制御部1により制御される形状入力部2、モデル定義部3、部品定義部4、実体作成部5、組部品定義部6、設計案定義部7、位相データ格納部8、位相制御部9、設計案データ格納部10、設計案制御部11、配置編集部12、表示部13および解析実行部14を含む。
【0046】
位相データ格納部8および設計案データ格納部10はRAM102内に構成される。図1の他の部分は、CPU100により実行制御されるプログラムの機能として提供される。
【0047】
次に、図3のフローチャートを参照して、製品の設計支援のための動作を説明する。まず、各設計機能を表わすモデルにおける部品の形状を示す形状データがユーザにより入力部103から入力されるので、制御部1は入力された形状データを形状入力部2に与えるので、形状入力部2は、与えられた形状データを受理して、位相データ格納部8に保存する(ステップS1)。位相データ格納部8には、形状を階層化して管理するデータ群(以下、位相データと呼ぶ)が格納される。ここでは立体を管理するモデル、モデルを管理するパートなどである。形状入力部2においては、各モデルにおける部品の形状データが入力される。
【0048】
次に、モデル定義部3において、予め形状入力部2において入力された形状データに対し設計機能の情報が定義された機能解析のためのシミュレーション用のモデルを示すデータ(以下、単にモデルと呼ぶ)が定義されて、定義されたモデルは位相データ格納部8に保存される(ステップS2)。したがって、モデルは、該モデルにおける部品の形状データに各機能における部品の情報が付加されたものとなる。なお、モデルの定義は、予めROM101に格納されたモデル定義のためのデータに基づいて行なってもよく、また外部から入力部103および制御部1を経由して入力されたデータに基づいて行なってもよい。
【0049】
次に、部品定義部4において、予めモデル定義部3により予め定義されたモデルから1設計単位である部品のデータ(以下、単に部品と呼ぶ)が定義されて、定義された部品は位相データ格納部8に保存される(ステップS3)。この部品は、モデル定義部3により予め設計機能毎に予め定義されたモデルをすべて保持する。
【0050】
次に、実体作成部5において、予め部品定義部4により定義された部品または後述する組部品のデータ(以下、単に組部品と呼ぶ)について、モデルに対応の設計のための空間における位置情報が付加された実体のデータ(以下、単に実体と呼ぶ)が生成されて、生成された実体は位相データ格納部8に保存される(ステップS4)。ここで、実体とは部品や組部品といった定義に、座標変換マトリックスが指定されたものである。実体は複数の部品を保持することが可能であるが、高々1個の部品が選択状態である必要がある。なお、選択状態についての詳細は、後述する。
【0051】
次に、部品を組合せて1設計単位である組部品を生成する場合は(ステップS5でyes)、組部品定義部6において、予め実体作成部5により生成された1つ以上の実体を組合わせて組部品が定義されて、定義された組部品は位相データ格納部8に保存される(ステップS6)。次に、実体作成部5において、予め組部品定義部6により定義された組部品に対して、対応するモデルの設計空間において該組部品が配置された位置を示す位置情報が付加されて実体が生成されて、生成された実体は、位相データ格納部8に保存される(ステップS7)。
【0052】
その後、設計案定義部7において、予め実体作成部5により生成された実体についての選択状態に基づいて設計案が定義されて、定義された設計案は設計案データ格納部10に保存される(ステップS8)。
【0053】
次に、位相データを編集する場合は(ステップS9でyes)、位相制御部9において、位相データ格納部8中の位相データについて次のように編集が行なわれる。つまり、位相データ格納部8から位相データが読出されて表示部13により出力部103にて表示されるので、ユーザは、表示内容を見ながら入力部102から、位相データを所望するように編集するためのデータを入力する。
【0054】
この入力データを用いて、位相制御部9は、予めモデル定義部3により定義されたモデルに対する部品の形状データの追加、削除および修正のいずれかを行なうか、または予め部品定義部4により定義された部品に対するモデルの追加、削除および修正のいずれかを行なうか、または予め実体作成部5により生成された実体に対する部品または組部品の追加、削除および修正のいずれかを行なうか、または予め組部品定義部6により定義された組部品に対する実体の追加、削除および修正のいずれかを行なう。位相制御部9は、このような編集が施された位相データを、再度、位相データ格納部8に保存する(ステップS10)。
【0055】
次に、設計案を編集する場合は(ステップS11でyes)、設計案制御部11において、次のように編集処理が行なわれる。つまり、設計案データ格納部10から所望の設計案データが読出されて表示部13により出力部103にて表示されるので、ユーザは、表示内容を見ながら入力部102から、設計案データを所望するように編集するためのデータを入力する。この入力データを用いて、設計案制御部11は、読出された所望の設計案のデータに対して設計案データの追加、削除および修正のいずれかの編集を行なって、編集された設計案のデータを設計案データ格納部10に保存する(ステップS12)。
【0056】
実体の配置を変更する場合は(ステップS13でyes)、予め生成された形状、実体の配置が配置編集部12により編集されて位相データ格納部8に保存される(ステップS14)。具体的には、位相データ格納部8から位相データが読出されて表示部13により出力部103にて表示されるので、ユーザは、表示内容を見ながら入力部102から、位相データの実体の設計空間における配置を変更するためのデータを入力する。配置編集部12は、入力されたデータを制御部1を介して受理して、このデータに基づいて、位相データの配置情報mtxiを変更して、変更後の位相データを位相データ格納部8に格納する。
【0057】
その後、設計機能についてシミューレーションによる解析処理を行なう場合は(ステップS15でyes)、位相制御部9および設計案制御部11のそれぞれにおいて、位相データ格納部8および設計案データ格納部10で保存されている位相データおよび設計案データのそれぞれをもとに、シミューレーション処理を行なうべき設計案についての設計機能のモデルが算出されて、解析実行部14に与えられて、解析実行部14においては、与えられた設計機能モデルを評価するために所定手順に従いシミュレーションによる該設計機能モデルの解析処理が行なわれる。解析処理の結果は、逐次、表示される(ステップS16)。
【0058】
解析結果の表示を確認したユーザが、再度、形状データを定義して、新たな位相データの生成を所望する場合には、入力部103から入力された指示に応答して、処理はテップS1に移行するが、位相データ格納部8に既に格納されている位相データの編集を所望する場合には、入力部103から入力された指示に応答して、処理はステップS9に移行する。設計機能の解析結果が所望するものと評価されれば、設計は完了するので、入力部103から入力された指示に応答して、一連の処理は終了する。
【0059】
図4(A)〜(D)には、本実施の形態に適用される座標系が示される。ここで、ローカル座標系とは部品または組部品などを管理するための固有の座標系である。実座標系は部品または組部品などを実体化し表示部13により出力部104において表示するための座標系である。実座標系は、ローカル座標系との対比で用いられる。グローバル座標系は、実際に設計を行なうための空間に適用される座標系を言う。図4(A)と(B)で示されるように、部品Aを直接に設計のための空間に抽出する場合は実座標系=グローバル座標系となる。また、図4(C)と(D)に示されるように、部品Aを組部品に抽出する場合は、実座標系=組部品のローカル座標系となる。
【0060】
図5には、本発明の実施の形態による位相データの関係が示される。図5の位相データの関係を用いて位相データの構造を説明する。位相データは、形状を要素として各位相要素をローカル座標系によって管理する定義位相データ120と、実座標系を保持し実体として表示される実体位相データ121とに分けられる。
【0061】
図示されるように、まず部品形状122のデータは実座標系をもって配置される。この座標は部品形状122のデータを管理するモデル123のローカル座標系に従属する。
【0062】
次に、モデル123は設計機能ごとに個別に定義されて、各設計機能ごとのモデル123は、対応する設計機能についての部品形状122のデータを有する。モデル123はローカル座標系を有する。
【0063】
次に、部品124は1部品単位として定義されて、各設計機能ごとのモデル123を有する。これにより、1つの部品124が複数の異なる設計機能についての部品形状122のデータを有することも可能になる。部品124もまたローカル座標系を保持する。
【0064】
部品124のローカル座標系とモデル123のローカル座標系とを異ならせる場合は、各モデル123において座標系の修正処理が行なわれる。部品124は表示部13により出力部104において表示される場合には、配置情報(mtxP)とともに、実体125によって管理される。
【0065】
実体125は、保持する1つ以上の部品124を、各部品124に対応する配置情報mtxPによって実座標系に展開する。実体125は複数個の部品124から構成可能であるが、高々1個の部品124だけが選択状態にある。
【0066】
なお、ここで選択状態とは、対応する設計機能に対して、実体125または127が管理する1つ以上の部品124または1つ以上の組部品126のうち、いずれの部品124またはいずれの組部品126が、選択されているかを示す。選択状態の設定は、図1の位相制御部9において、入力部103から入力されて制御部1を介して与えられた情報に基づいてなされる。
【0067】
実体125は、後述する組部品126に従属することも可能であるが、従属しない場合は、実体125自身が部品形状122を表示する。その際、選択された(選択状態にある)部品124とモデル123の部品形状122とが表示される。
【0068】
次に、実体125を組合せて組部品126が構築される場合には、組部品126が定義される。組部品126は部品124から生成された実体125の他に、組部品126から生成された実体127を保持することも可能である。組部品126は保持する実体125をローカル座標系にて管理する。組部品126は表示される場合には、部品124の場合と同様にして配置情報mtxAとともに実体127によって管理される。
【0069】
実体127は、保持する組部品126を、各組部品126の配置情報mtxAによって実座標系に展開する。実体127は複数の組部品126または複数の部品124から構成されることも可能であるが、高々1個の部品124または組部品126が選択状態にある。
【0070】
ここで、表示される部品124から展開される実体125や、組部品126から展開される実体127は、グローバル座標系に展開される実体であり、配置編集部12による配置編集の対象となる。配置編集する際は、部品124または組部品126のローカル座標系からグローバル座標系に座標を変換するための座標変換行列に対して、配置変更の処理が行なわれるので、ローカル座標系により管理されて定義された位相データの幾何情報は不変である。
【0071】
図6には、この発明の実施の形態に適用する位相データの具体例が示される。次に、図6の位相データを参照して構想設計時の位相データの詳細を説明する。
【0072】
図6の位相データは機構設計、基板設計および熱設計の3種類の異なる設計機能に関する設計のためのデータを有する。図示されるように位相データはツリー構造を有し、枝となる線分のうち実線であるものは、その下位のノード成分が選択状態であることを示し、点線であるものは、その下位のノード成分が非選択状態であることを示す。図6において、Eiは部品の形状データを示し、Miはモデルを示し、Piは部品を示し、Cpiは実体を示し、Aiは組部品を示し、Caiは実体を示す。なお、i=1,2,3、…である。
【0073】
まず、図6の部品P1をルートとするツリーを用いて部品形状データ、モデル、部品の詳細について説明する。部品P1は、上述した異なる3つの設計機能のそれぞれに対応した機能解析シミューレーション用のモデルM1、M2およびM3のそれぞれを保持し、モデルM1〜M3のそれぞれは部品形状データE1、E2およびE3のそれぞれと、図示されないが上述の各設計機能における部品に関する情報とを保持していることが示される。
【0074】
図7(A)〜(C)には、この発明の実施の形態に適用される設計機能の部品形状データの1例が示される。図8には、この発明の実施の形態に適用される部品のローカル座標系の1例が示される。図9には、この発明の実施の形態に適用される部品からなる実体および実体の配置情報の1例が示される。
【0075】
設計機能の部品形状データは形状入力部2により入力される。具体的には、機構設計においては図7(A)で示されるような3次元の詳細形状である機構形状E1のデータが、基板設計においては図7(B)で示されるような2次元の断面形状である電気的形状E2のデータが、熱設計においては図7(C)で示されるような3次元に簡略された形状である熱解析形状E3のデータが、入力部103からの情報に基づいて入力される。
【0076】
次に、モデル定義部3においては、形状入力部2より入力された図7(A)〜(C)の部品形状E1〜E3のデータのそれぞれに対応してモデルM1〜M3のそれぞれが定義される。
【0077】
なお、定義されたモデルM1〜M3のそれぞれでは、対応する部品形状E1〜E3のデータの他に、図示されないが機構設計においては寸法制約などの情報、基板設計においては基板のピン数などの情報、熱設計においては発熱量などの情報が保持される。
【0078】
続いて、定義されたモデルM1〜M3を用いて、部品定義部4において部品P1が定義される。部品P1では、図8に示されるように、モデルM1の部品形状E1のデータは部品P1のローカル座標系LAに基づき管理される。部品P1は保持するモデルM1〜M3を統括し、モデルM1〜M3からのモデルの選択、表示部13を用いた表示の制御を行なう。図6のツリー構造における部品P2およびP3のそれぞれについても同様な構造が定義される。
【0079】
次に図6において、1つ以上の部品Piから実体作成部5において生成される実体Cp1、Cp2、Cp3およびCp4の詳細について説明する。実体作成部5において生成された実体Cp1は部品P1とP2を保持する。図示されるように実体Cp1が保持する部品P1とP2のうち部品P1のみが選択状態とされているので、表示部13における実体Cp1の表示としては部品P1の形状のみが表示される。この場合に表示される部品P1は、図9に示されるような部品P1のローカル座標系LAに対する実体Cp1として生成される際に、位置座標が付加されて生成される。この位置座標は、ローカル座標系LAに対する座標変換行列mtx1によって実現される。実体Cp1において、座標変換行列mtx1は実体Cp1が保持する部品P1とP2のそれぞれに対して(P1,mtx1),(P2,mtx2)のように組となって保持される。
【0080】
同様に、実体作成部5において生成された実体Cp2は部品P2とP3とを保持する。ここで、実体Cp2は保持する部品P2とP3のうち部品P2のみが選択状態とされているので、表示部13における実体Cp2の表示としては部品P2の形状のみが表示される。ここで、部品P2は実体Cp1においても部品形状として保持されている部品、いわゆる実体Cp1とCp2とに共通の部品であるため、部品P2関して形状データが修正される場合には、実体Cp1およびCp2についても、その修正内容は影響する。
【0081】
同様に、実体作成部5において生成された実体Cp3は、部品P1を2個保持する。実体Cp3に保持されている各部品の形状は同一であるが、各部品の設計空間における配置位置を相互に異ならせる場合には、適用される座標変換行列を異なるものとすることによって簡単に実現できる。つまり、図6では、実体Cp3に保持される一方の部品P1に対しては座標変換行列mtx5が適用されて、他方の部品P1に対しては座標変換行列mtx6が適用されることで、保持される各部品の形状データは同一であるが、各部品の設計空間における配置位置を相互に異ならせることができる。
【0082】
同様に、実体作成部5において生成された実体Cp4は部品P1とP2とを保持する。ここでは、図6に示されるように、両部品は非選択状態とされることによって、実体Cp4の表示においては部品が表示されないように設定することができる。
【0083】
次に、図6の組部品A1を用いて、組部品の詳細について説明する。
図10には、この発明の実施の形態に適用される組部品のローカル座標系の1例が示される。図11には、この発明の実施の形態に適用される組部品から構成される実体の1例が説明される。
【0084】
組部品定義部6において、1つ以上の実体Cpiから定義された組部品A1は、実体Cp1、Cp2、Cp3、およびCp4を保持するが、実体Cp4が保持する部品P1とP2は非選択状態であるから、図10で示される組部品A1においては実体Cp4は表示されない。図10に示されるように組部品A1では、部品P1と同様に、保持する実体Cpiの形状データは、組部品A1のローカル座標系LAに基づき管理される。
【0085】
次に、図6の実体Ca1を用いて、組部品Aiから生成される実体Caiの詳細について説明する。実体作成部5において生成された実体Ca1は組部品A1を保持する。図6で示されるように実体Ca1は組部品A1のみを保持しているため、実体Ca1の表示においては組部品A1の形状のみが表示される。
【0086】
ここで表示される組部品A1は、図11に示されるように、ローカル座標系LAに対し実体Caiとして生成される際に、位置座標が付加されて生成される。この位置座標は、ローカル座標系LAに対する座標変換行列mtx9によって実現される。座標変換行列mtx9は実体Ca1において、実体Ca1が保持する組部品A1と組となって保持される。その後の動作も、前述した部品Piから生成される実体Cp1〜Cp4の場合と同様であり、説明は省略する。
【0087】
次に、図6の位相データの具体例を参照して異なる設計機能間の部品の配置に関する連携処理について説明する。各部品Piは異なる種類のモデルMiを保持している。ここで、配置編集部12において、実体Cp1の配置を変更する場合、表示部13により表示される位相データにおける部品形状は形状E1〜E3のいずれかであるが、実際の配置変更による移動処理は、制御部1を経由して入力部103から与えられたユーザ所望の移動分に対応した移動行列を、部品P1から実体Cp1を生成する際の配置位置を指定するための座標変換行列mtx1に対して乗じることによって実現される。このとき、同時に実体Cp1が保持する一方の部品P2の座標変換行列mtx2にも同じ移動行列が乗じられる。
【0088】
移動行列とは、移動分に応じた移動を表わす変換行列のことであって、一般に図形を扱う場合、その位置座標に対し移動行列を乗じることによって、所望する移動分に対応した位置の変換が行なわれる。
【0089】
これにより、モデルM1〜M3の部品形状E1〜E3は、その配置位置が部品のローカル座標系LAに保たれたまま、実体Cp1は指定された配置位置に変更される。したがって、モデルを別のモデルに切換えた場合でも部品のローカル座標系LAを基準とした位置に別のモデルが表示される。
【0090】
このように、実体Cp1の移動に対し、部品P1の座標変換行列mtx1と同様に、部品P2の座標変換行列mtx2に対しても移動行列が乗じられるため、実体Cp1における選択状態を部品P2側に切換えた場合には、部品P2のローカル座標系LAを基準とした位置に部品P2が移動分を加味して表示される。これにより異なる種類の設計機能間における部品、組部品の配置に関する連携が可能となる。
【0091】
次に図6の位相データの具体例、図12に示される本実施の形態に適用される設計案データの管理状態、および図13に示される本実施の形態に適用される設計案データの具体例を参照して、設計案データの構造を説明する。
【0092】
図6において実体Cp1〜Cp4のそれぞれは2個の部品Piを保持し、実体Ca1は1個の組部品A1を保持する。これら実体のそれぞれには高々1個だけ選択状態とされている部品または組部品が存在する。具体的には、図6の場合では、実体Cp1においては組(P1,mtx1)が、実体Cp2においては組(P2,mtx3)が、実体Cp3においては組(P1,mtx5)が選択状態とされて、実体Cp4は無選択の状態となっている。
【0093】
このとき、位相データ格納部8の図6で示される位相データにおけるすべての実体Cpiのデータは、設計案定義部7によりテーブル化されて、図12に示されるように「設計案1」として定義される。たとえば、図11は、図10の「設計案1」を表示したものである。定義された設計案データは、設計案データ格納部10に格納される。
【0094】
同様にして、図6において実体Cp1において組(P2,mtx2)が、実体Cp2において組(P3,mtx4)が、実体Cp3において組(P1,mtx6)が、実体Cp4において組(P1,mtx7)が選択状態となるよう定義されることによって、図12の「設計案2」を定義することができる。
【0095】
その後、設計案を変更する場合は、設計案データ格納部10から読出された所望する設計案データが表示部13にて表示されるので、ユーザは、設計案変更のための情報を入力部103から入力すれば、制御部1を介して設計案制御部11は、入力された情報を受理して、各実体Cpiにおける部品Piの選択状態が入力情報を用いて変更される。その結果、たとえば図11の「設計案1」から、図13に示すような「設計案2」に変更することが可能となる。
【0096】
図6においては、実体Cpiについては保持する部品Piの選択の他に、実体Cp3について示されるように、保持する部品Piの配置情報mtxiの選択も可能であるから、設計案制御部11により前述の部品選択と同様にして、配置情報mtxiの選択的な設定・変更も可能である。したがって、同一の部品Piを用いながらも、部品の配置が異なるような複数の設計案を定義することも容易に可能になる。
【0097】
このようにして、設定・変更された設計案を用いて評価されるべき設計機能が入力部103を介して外部から選択的に指定されることによって、指定された設計機能を希望する設計案の下で取出すことも可能になる。
【0098】
具体的には、ユーザにより所望される種類の部品Piが所望されるような配置情報mtxiで配置されていることを示す設計案に対して、解析すべき設計機能に対応のモデルMiのみが選択されて適用される。このような状態で、適用されたモデルMiに解析実行部14により所定の定数データなどが設定されて設計機能解析のためのシミューレーションが実行されて、指定された設計機能を希望する設計案の下で評価することが可能になる。
【0099】
以上示されたように、設計案の変更に対し部品Piを保持するモデルMiのデータは、同一データを保持したものであり、これにより異なる設計案間での部品、ならびに設計機能の共有化が可能になる。
【0100】
また、上述したデータ構造や機能により、組部品Aiを主体とする製品の構想設計において、設計機能の多角的見地からの設計、評価および設計案の管理が可能になる。
【0101】
以上説明した設計支援装置は図3のフローチャートを含んで示される設計支援処理を機能させるためのプログラムで実現される。このプログラムはコンピュータで読取可能な記録媒体に格納されている。本実施の形態では、この記録媒体として、図2に示されている設計支援装置で処理が行なわれるために必要なROM101そのものがプログラムメディアであってもよいし、また外部記憶ドライバ108にセットされることにより読取可能な状態とされる記録媒体109であってもよい。
【0102】
いずれの場合においても、これらの媒体に格納されているプログラムはCPU100によりアクセスされて実行される方式であってもよいし、あるいはいずれの場合もプログラムをこれら記録媒体から一旦読出し、読出されたプログラムは図2の装置の図示されない所望のプログラム記録エリアにロードされて、CPU100により読出されて実行される方式であってもよい。なお、このロード用のプログラムは予め装置本体に格納されているものとする。
【0103】
ここで、上述したプログラムメディアである記録媒体は図2の装置と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープなどのテープ系、フレキシブルディスクやハードディスクなどの磁気ディスクやCD−ROM/NO/MD/DVDなどの光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カードなどのカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、/ROMなどによる半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
【0104】
また、図2の装置においてはインターネットを含む通信ネットワーク105と通信接続可能な構成が採用されているから、通信ネットワーク105からプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。なお、通信ネットワーク105からプログラムをダウンロードする場合には、ダウンロード用プログラムは予め装置本体に格納されるか、あるいは別の記録媒体から予めインストールされるものであってよい。
【0105】
なお、記録媒体に格納される内容としては、プログラムに限定されずデータであってもよい。
【0106】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0107】
【発明の効果】
この発明によれば、1つ以上の部品からなる製品の構想設計において設計機能の多角的見地からの設計、評価および設計案管理が可能になり、試行錯誤を要する構想設計時の部品および組部品データの選定ならびに配置の決定が容易になり、設計作業時間の短縮が図れる。
【0108】
また、各設計機能ごとに別形状の部品および組部品データが扱える設計案データの管理が可能となって各機能におけるシミューレーション技術と連動することにより、1製品に対し複数の設計機能の検証が可能になり、設計品質の向上が図れる。
【0109】
また、異なる設計機能間における部品および組部品データの選定と配置に関する連携が可能となって、製品の設計空間における部品配置決定時の操作性が向上し、設計作業時間の短縮が図れる。
【0110】
また、設計案データの管理に関しては、異なる設計案データ間での部品および組部品データ、ならびに設計機能の連携が可能になり、複数の異なる設計案データから即座に各設計機能のモデルを導出することができて、部品および組部品データの選定ならびに配置決定などの基本設計時の作業時間短縮が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態による設計支援装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の設計支援装置のハードウェア構成図である。
【図3】 図1および図2の設計支援装置において実行される設計支援処理のフローチャートである。
【図4】 (A)〜(D)は、この発明の実施の形態に適用される座標系を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態による位相データの関係を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態に適用する位相データの具体例を示す図である。
【図7】 (A)〜(C)は、この発明の実施の形態に適用される設計機能の形状の1例を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態に適用される部品のローカル座標系の1例を説明する図である。
【図9】 この発明の実施の形態に適用される部品からなる実体および実体の配置情報の1例を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態に適用される組部品のローカル座標系の1例を示す図である。
【図11】 この発明の実施の形態に適用される組部品から構成される実体の1例を示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態に適用される設計案データの管理状態を説明する図である。
【図13】 この発明の実施の形態に適用される設計案データの具体例を示す図である。
【符号の説明】
2 形状入力部、3 モデル定義部、4 部品定義部、5 実体作成部、6 組部品定義部、7 設計案定義部、8 位相データ格納部、9 位相制御部、10 設計案データ格納部、11 設計案制御部、12 配置編集部、13 表示部、14 解析実行部、100 CPU、101 ROM、105 通信ネットワーク、109 記録媒体、Ca1,Cpi(i=1、2、3、…) 実体、A1 組部品、Pi 部品、Mi モデル、Ei 部品形状。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
Claims (9)
- 1つ以上の部品から成る製品の設計を支援する設計支援装置であって、
前記部品の形状データを入力する形状入力手段と、
前記形状入力手段から入力された前記形状データを用いて、異なる設計機能ごとに該設計機能の情報を有するモデルデータを定義するモデル定義手段と、
前記モデル定義手段により定義されたモデルデータから前記部品のデータを定義する部品定義手段と、
前記部品定義手段により定義された部品データおよび、前記部品を組合わせた組部品のデータのうち、前記設計のために任意に選択された前記部品データおよび前記組部品データに設計空間上で配置されるべき任意の位置を示す配置情報を付加して実体のデータを作成する実体作成手段と、
前記形状データ、前記モデルデータ、前記部品データ、前記実体データおよび前記組部品データのそれぞれを階層構造の位相データにして格納する位相データ格納手段と、
前記位相データ格納手段に格納された前記位相データから、前記実体作成手段により作成された前記実体データに対応する前記部品および前記組部品データの選択状態に基づいて設計案データを定義する設計案定義手段と、
前記設計案定義手段により定義された前記設計案データおよび前記位相データ格納手段の前記位相データから、所望される前記設計機能のデータを算出し、前記所望設計機能を評価するために解析して出力する解析実行手段とを備えた、設計支援装置。 - 前記位相データ格納手段に格納された前記位相データを、与えられる所定情報に基づいて所望する内容に編集するためのデータ編集手段をさらに備える、請求項1に記載の設計支援装置。
- 前記データ編集手段は、前記位相データにおいて、所望する前記実体データに対応する前記部品および前記組部品についての前記選択状態を変更する選択状態変更手段を有する、請求項2に記載の設計支援装置。
- 前記データ編集手段は、前記位相データにおいて、前記部品および前記組部品についての前記配置情報を変更する配置変更手段を有する、請求項2または3に記載の設計支援装置。
- 前記設計案データを格納するための設計案データ格納手段をさらに有し、
前記設計案データ格納手段には、前記位相データ格納手段に格納された前記位相データに対応して定義された前記設計案データが逐次格納される、請求項1ないし4のいずれかに記載の設計支援装置。 - 前記解析実行手段は、前記設計案データ格納手段に格納された前記設計案データのうち、与えられる所定情報により選択された前記設計案データと対応する前記位相データとを用いて、前記所望設計機能の解析を実行することを特徴とする、請求項5に記載の設計支援装置。
- 前記位相データ格納手段の前記位相データおよび前記設計案データ格納手段の前記設計案データを含む情報を表示する表示手段と、
前記所定情報を含む各種の情報を外部から入力するための入力手段とをさらに備える、請求項6に記載の設計支援装置。 - 1つ以上の部品から成る製品の設計を支援する設計支援方法であって、
前記部品の形状データを入力する形状入力ステップと、
前記形状入力ステップから入力された前記形状データを用いて、異なる設計機能ごとに該設計機能の情報を有するモデルデータを定義するモデル定義ステップと、
前記モデル定義ステップにより定義されたモデルデータから前記部品のデータを定義する部品定義ステップと、
前記部品定義ステップにより定義された部品データおよび、前記部品を組合わせた組部品のデータのうち、前記設計のために任意に選択された前記部品データおよび前記組部品データに設計空間上で配置されるべき任意の位置を示す配置情報を付加して実体のデータを作成する実体作成ステップと、
前記形状データ、前記モデルデータ、前記部品データ、前記実体データおよび前記組部品データのそれぞれを階層構造の位相データにして予め準備されたメモリに格納するための位相データ格納ステップと、
前記位相データ格納ステップにより前記メモリに格納された前記位相データから、前記実体作成ステップにより作成された前記実体データに対応する前記部品および前記組部品データの選択状態に基づいて設計案データを定義する設計案定義ステップと、
前記設計案定義ステップにより定義された前記設計案データおよび前記位相データ格納ステップにより前記メモリに格納された前記位相データから、所望される前記設計機能のデータを算出し、前記所望設計機能を評価するために解析して出力する解析実行ステップとを備えた、設計支援方法。 - 1つ以上の部品から成る製品の設計を支援する設計支援装方法をコンピュータに実行させるための設計支援プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記録媒体であって、
前記設計支援方法は、
前記部品の形状データを入力する形状入力ステップと、
前記形状入力ステップから入力された前記形状データを用いて、異なる設計機能ごとに該設計機能の情報を有するモデルデータを定義するモデル定義ステップと、
前記モデル定義ステップにより定義されたモデルデータから前記部品のデータを定義する部品定義ステップと、
前記部品定義ステップにより定義された部品データおよび、前記部品を組合わせた組部品のデータのうち、前記設計のために任意に選択された前記部品データおよび前記組部品データに設計空間上で配置されるべき任意の位置を示す配置情報を付加して実体のデータを作成する実体作成ステップと、
前記形状データ、前記モデルデータ、前記部品データ、前記実体データおよび前記組部品データのそれぞれを階層構造の位相データにして、予め準備されたメモリに格納するための位相データ格納ステップと、
前記位相データ格納ステップにより前記メモリに格納された前記位相データから、前記実体作成ステップにより作成された前記実体データに対応する前記部品および前記組部品データの選択状態に基づいて設計案データを定義する設計案定義ステップと、
前記設計案定義ステップにより定義された前記設計案データおよび前記位相データ格納ステップにより前記メモリに格納された前記位相データから、所望される前記設計機能のデータを算出し、前記所望設計機能を評価するために解析して出力する解析実行ステップとを備えた、設計支援プログラムを記録したコンピュータで読取可能な記録媒体。
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