JP3700654B2 - パケット転送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は受信したパケットを転送あるいは廃棄する処理を行うパケット転送装置に係わり、特にストリーム系データの転送に有効なパケット転送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
比較的大容量のデータの通信を可能にしたネットワークの構築やインターネットへの常時接続等の通信環境の変化によって、音声や動画等のストリーム系データを複数のホスト側のコンピュータに送信するサービスが提供され始めている。特にマルチキャスト通信を利用すると、1つの端末から多くの端末にあたかも放送局が音や映像を送信するような放送型通信サービスを実現することができる。
【0003】
ところで現在行われているマルチキャスト通信の多くは、UDPを用いて実現されている。UDPとは、送信者が送り出すパケットに対して、これを受信する受信者から受信したことに対応する返答を受け取らないプロトコルである。UDPを用いて送り出された一連のマルチキャストパケットは、IPルータのようなパケット転送装置に収容された後複数の受信者に向けて転送されていくことになる。
【0004】
現在多くのパケット転送装置では、受信したパケットに対するルーティング処理および転送処理はその制御プログラム(ソフトウェア)に従ってCPU(中央演算処理装置)等の汎用的な制御部が行うことにより実現されている。ルーティング処理は受信したパケットのヘッダを解析して転送経路を選択する処理であり、転送処理はルーティング処理で選択された転送経路に受信したパケットを転送する処理である。したがって、パケット転送装置は、ストリーム系データについての転送処理を行う場合にマルチキャストパケットを受信するたびにルーティング処理と転送処理を繰り返し行う必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところでマルチキャストパケットの送信者と末端の受信者との間に位置する任意のパケット転送装置に着目すると、このパケット転送装置はマルチキャスト通信の受信者が存在しない経路に対して受信したマルチキャストパケットを廃棄する必要がある。一方、上流側のマルチキャストパケットの送信者あるいはパケット転送装置はUDPを用いている関係で個々の受信者がパケットを要求していない場合でもその旨のパケットに対する返答をもらっていない。このため、これらの者は今回着目しているパケット転送装置に向けてパケットを送信し続けることになる。この結果、ストリーム系データについての転送処理を行う場合に、パケット転送装置はマルチキャストパケットを受信するたびに転送先の各経路に対してそのパケットを廃棄するか否かを個々に判別し、廃棄する場合にはその処理を行うことになる。
【0006】
このような廃棄に関する処理は従来からパケット転送装置の前記した制御部が制御プログラムあるいはソフトウェアで行っていた。このため、通常のパケットでは廃棄に関する処理の負担が少ないものの、ストリーム系データでは受信を希望しない受信者に対してその一連のパケットの送信が終了するまで転送先の経路を確認しては廃棄するといった処理がパケット単位で連続することになる。したがって、パケット転送装置の制御部の負荷が大きくなるという問題があった。
【0007】
そこで本発明の目的は、受信したパケットについて廃棄までの処理を簡略化して処理の負荷を軽減することのできるパケット転送装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、(イ)パケットを廃棄する処理を専用で行うパケット廃棄回路を備えた第1の装置と、(ロ)特定パケットを受信する可能性のあるそれぞれの受信端末からその特定パケットの受信を希望するか否かを確認する特定パケット受信希望有無確認手段と、この受信希望有無確認手段によって受信を希望しないと判別された受信端末あるいはその特定パケットの受信を希望しない受信端末がすべてであるパケット転送側の経路を判別する転送側経路判別手段と、この転送側経路判別手段の判別結果を登録する登録手段と、パケットを宛先に転送するパケット転送手段と、特定パケットを受信する特定パケット受信手段と、この特定パケット受信手段が特定パケットを受信したとき登録手段を参照して受信を希望しないと判別された受信端末あるいはその特定パケットの受信を希望しない受信端末がすべてである経路を宛先とする特定パケットを第1の装置のパケット廃棄回路に受け渡す一方、特定パケットの受信を希望する受信端末あるいはその特定パケットの受信を希望する受信端末の存在する経路を宛先とする特定パケットをパケット転送手段に受け渡すパケット受け渡し手段とを備えた第2の装置とをパケット転送装置に具備させる。
【0009】
すなわち請求項1記載の発明では、パケット転送装置をパケットを廃棄する処理を専用で行うパケット廃棄回路を備えた第1の装置と、これ以外の第2の装置で構成する。ここで第1の装置は、パケット廃棄回路を備えた廃棄専用の回路で構成しているので、転送装置の他の回路部分に対する影響を排除することができる。パケット廃棄回路は、パケット廃棄専用のハードウェアであってもよいし、専用のCPU等を備えたソフトウェアで構成されていてもよい。第2の装置では、特定パケット受信希望有無確認手段がたとえばストリーム系データ等を構成する特定パケットを受信する可能性のあるそれぞれの受信端末からその特定パケットの受信を希望するか否かを確認するようにしている。そして、転送側経路判別手段がこの受信希望有無確認手段によって受信を希望しないと判別された受信端末あるいはその特定パケットの受信を希望しない受信端末がすべてであるパケット転送側の経路を判別し、登録手段がこの転送側経路判別手段の判別結果を登録するようにしている。したがって、特定パケット受信手段が特定パケットを受信したとき、登録手段を参照して、受信を希望しないと判別された受信端末あるいはその特定パケットの受信を希望しない受信端末がすべてである経路を宛先とする特定パケットについてはパケット廃棄回路に受け渡してその転送先についてこの特定パケットが存在する限り廃棄させる。このように、登録手段に登録した後は不要な宛先の特定パケットが特別の処理を行うことなくパケット廃棄回路に受け渡され廃棄されるので、パケット転送装置の制御部分における負荷の軽減を実現することができる。
【0010】
請求項2記載の発明では、(イ)パケットを廃棄する処理を専用で行うパケット廃棄回路を備えた第1の装置と、(ロ)特定の複数の受信端末のいずれかあるいはそれに至る経路を宛先としたパケットを受信するパケット受信手段と、特定の複数の受信端末あるいはそれらに至る経路のうち特定パケットの受信を希望しない受信端末あるいは特定パケットの受信を希望しない受信端末がすべてである経路をこれ以外の受信端末あるいは経路から区別する受信不要情報を記憶する受信不要情報記憶手段と、パケットを宛先に転送するパケット転送手段と、特定の複数の受信端末に対してこれらが特定パケットの受信を希望していないか否かあるいは所定の経路を経たすべての受信端末が特定パケットの受信を希望していないか否かを確認する受信希望有無確認手段と、この受信希望有無確認手段の確認結果を基にした受信不要情報を受信不要情報記憶手段に登録する受信不要情報登録手段と、パケット受信手段が特定パケットを受信したときその転送の必要の有無を受信不要情報登録手段の登録した受信不要情報によって判別し、受信を希望する受信端末の存在しない経路あるいは受信を希望しない受信端末を直接の宛先とした特定パケットを第1の装置のパケット廃棄回路に受け渡す一方、受信を希望する受信端末の存在する経路あるいは受信を希望する受信端末を直接の宛先とした特定パケットをパケット転送手段に受け渡す受信端末処理経路選択手段とを備えた第2の装置とをパケット転送装置に具備させる。
【0011】
すなわち請求項2記載の発明では、パケット転送装置をパケットを廃棄する処理を専用で行うパケット廃棄回路を備えた第1の装置と、これ以外の第2の装置で構成する。ここで第1の装置は、パケット廃棄回路を備えた廃棄専用の回路で構成しているので、転送装置の他の回路部分に対する影響を排除することができる。パケット廃棄回路は、パケット廃棄専用のハードウェアであってもよいし、専用のCPU等を備えたソフトウェアで構成されていてもよい。第2の装置では、パケット受信手段が予め特定された複数の受信端末のいずれかあるいはそれに至る経路を宛先としたパケットを受信するようになっている。たとえばストリーム系データの配信が行われる場合を例にとると、それぞれのストリーム系データの受信を行う契約を行った特定の会員がここでいう特定の複数の受信端末に対応する。これらの受信端末を宛先としただけでなくそれに至る経路を宛先としたパケットを含めたのは、個々の受信端末を直接の宛先としない場合にも対応させたものである。本発明では受信不要情報記憶手段が設けられており、たとえば、これら特定の受信端末でパケットの受信を希望しない者、あるいはパケットの受信を希望しない受信端末がすべてである経路がこの受信不要情報記憶手段に受信不要情報として記憶されるようになっている。受信を希望する者としない者の2者択一の場合には、受信を希望する者やその経路を記憶してもよい。これに属さないものとして受信を希望しない者や経路が特定されるからである。パケット転送装置の受信したパケットは受信端末処理経路選択手段でその処理経路を選択されるが、このとき受信不要情報登録手段の登録した受信不要情報がチェックされる。したがって、廃棄するパケットかどうかを受信時に簡単に判別することができ、廃棄する場合には処理を後の回路部分に任せることなく、パケットを廃棄する専用のパケット廃棄回路に渡して、ここでパケットの廃棄処理を行わせることができる。すなわち、ストリーム系データのように宛先が同一のパケットが連続して送られてくるような場合には、ある時点でその宛先のパケットが不要であることを受信不要情報記憶手段に記憶してしまえば、受信したパケットのうちの該当するパケットは直ちにパケット廃棄回路に渡されて処理されることになる。このように請求項2記載の発明では、特定された複数の受信端末に関する受信不要情報を記憶し照合できるようにしておくことで、受信を希望する受信端末の存在しない経路あるいは受信を希望しない受信端末を直接の宛先とした特定パケットをパケット廃棄回路で廃棄させることを可能にし、パケット転送装置の制御部分における負荷の軽減を実現している。
【0012】
請求項3記載の発明では、請求項2記載のパケット転送装置で、受信端末処理経路選択手段は、受信を希望する受信端末の存在しない経路あるいは受信を希望しない受信端末を直接の宛先とした特定パケット、あるいは受信を希望する受信端末の存在する経路あるいは受信を希望する受信端末を直接の宛先とした特定パケット以外の特定パケットが存在するときこれを受信希望有無確認手段に確認させることを特徴としている。
【0013】
すなわち請求項3記載の発明では、受信した特定パケットが受信不要情報記憶手段の記憶内容からでは廃棄すべき対象ともされず、また積極的に受信端末へ転送する対象ともされないようなものの場合の扱いを示している。このような特定パケットについては、受信端末処理経路選択手段が受信希望有無確認手段に確認させる。したがって、確認結果としてその受信端末あるいは経路の特定パケットが廃棄されるものとなれば、受信不要情報として登録されるので、次からはその特定パケットの選別とパケット廃棄手段による廃棄とが特別の負担なく行われるようになる。なお、確認の結果としてその特定パケットが受信端末の予定していないようなパケットである場合がある。たとえば特定の複数の受信端末が前記したストリーム系データの会員の端末であるような場合で、ストリーム系データの送出側と偽って妨害用の特定パケットを連続して受信端末に送りつけるような第三者がいるような場合である。このような場合には、これらの受信端末がその特定パケットの受信を希望していないとすることで、それ以後のその特定パケットを専用の廃棄手段で処理させることができる。したがって、このような特定パケットの廃棄処理を専用の回路あるいはハードウェアで行わせることで、パケット転送装置の本来的な制御に与える影響を最小限とすることができる。
【0014】
請求項4記載の発明では、請求項2記載のパケット転送装置で、受信不要情報登録手段は、特定の複数の受信端末のいずれかあるいはそれに至る経路に向けて特定パケットの送信が開始される時間が予め定められているとき、この特定パケットがパケット受信手段によって受信される前に受信希望有無確認手段によって確認された確認結果を受信不要情報記憶手段に登録することを特徴としている。
【0015】
すなわち請求項4記載の発明では、特定パケットの送信が開始される時間が予め定められているとき、この特定パケットを受信する前に受信不要情報を受信不要情報記憶手段に登録する場合を扱っている。このようなことが可能な通信システムでは、ストリーム系のデータあるいはこのようなコンテンツに限らず、極端な場合にはただ一回だけ送信される特定パケットについても廃棄の処理を簡略化させることがでることになる。
【0016】
請求項5記載の発明では、請求項2記載のパケット転送装置で、受信希望有無確認手段は、特定パケットの送信が開始された後に特定の複数の受信端末のいずれかが受信を希望するか否かについての変更を生じさせたときこれを検出する変更検出手段を備えており、受信不要情報登録手段は変更検出手段の検出した変更を登録することを特徴としている。
【0017】
すなわち請求項5記載の発明では、特定パケットの送信開始後に発生した特定の複数の受信端末の受信の希望の要否の変更を検出して、この検出した変更を受信不要情報記憶手段に登録するようになっている。これにより受信端末側の変更に基づく転送の必要の有無の判別に用いる受信不要情報に変更が発生する可能性を検出したとき、これに応じて受信不要情報を変更することができる。たとえば、パケット転送装置を介して一連の特定パケットを受信する受信端末が受信を希望しなくなれば、この変更を検出した後の受信不要情報を基に以降受信するこれらの特定パケットを直ちに廃棄させることができる。
【0018】
請求項6記載の発明では、請求項2記載のパケット転送装置で、特定の複数の受信端末はストリーム系のコンテンツを構成する一連のパケットの受信をコンテンツごとに契約する契約者の備える端末であり、受信希望有無確認手段は、これらの受信端末の契約によるコンテンツごとの受信の希望の有無で特定パケットの受信の有無を確認することを特徴としている。
【0019】
すなわち請求項6記載の発明では、請求項2に記載した特定の複数の受信端末と受信希望有無確認手段について1つの具体例を示したものである。受信端末は、ストリーム系のコンテンツを、コンテンツごとに契約して受信するようになっている。同じコンテンツに対して契約を行っている受信端末が特定のコンテンツを組み込んだ特定パケットを受信することになる。特定の複数の受信端末は、この場合、個々のコンテンツの契約を行いうる会員全体である。この例の場合、受信希望有無確認手段は、会員がどのコンテンツの受信を希望するかを確認する従来行われていた手法を用いたものである。たとえばケーブルテレビ局が個別の放送について受信希望者を確認していた手法を用い、これにより得られたデータを受信不要情報として受信不要情報記憶手段の記憶内容に反映させることになる。このような確認手段との連結で、特定パケット自体が受信端末に一方的に送られる形式のものであっても、受信不要情報を取得したり変更することが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
【0023】
【実施例】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0024】
図1は本発明の一実施例における、マルチキャスト通信で送信されるパケットを転送するためのパケット処理装置を備えたマルチキャスト・ネットワークの簡略化された例を表わしたものである。このマルチキャスト・ネットワーク211には、マルチキャストパケット送信者が使用する送信端末212と、これに隣接した送信側IP(Internet Protocol)ルータ装置213とが配置されている。また、マルチキャストパケット受信者が使用する第1の受信端末214および第2の受信端末215と、これらにそれぞれ隣接した第1の受信側IPルータ装置216および第2の受信側IPルータ装置217が配置されている。送信端末212には、送信するマルチキャストパケットに組み込むための各種ストリーム系データを収めたライブラリ218が接続されている。また、第1および第2の受信端末214、215には受信希望有無確認装置220が接続されている。受信希望有無確認装置220は、ライブラリ218を管理する会社とは別の組織である図示しない会社の中に、この例ではCATV(cable television)の配信局の中に、置かれている。そして、各受信端末214、215が特定の番組あるいはコンテンツの受信を希望するか否かを、従来から確立されている手法で、受信希望有無確認装置220側で確認できるようになっている。受信希望有無確認装置220の確認結果は、通常はこのCATVの配信局の契約者に対する料金の徴収等の自社内の用途に使用する。本実施例では、受信希望有無確認装置220はこの確認結果を基にして、受信を希望しているコンテンツの配信に合わせて各受信端末214、215に配信希望情報210を送信するようになっている。配信希望情報210は、送信端末212からの配信を受けるための配信経路の作成を要求させるものと、配信経路の削除を要求させるものとがある。このCATVの配信局は、この配信希望情報210を各受信端末214、215に送信することで、契約の行われたコンテンツを対応した受信端末に配信することを可能にしている。
【0025】
なお、この図1で第1および第2の受信側IPルータ装置216、217は、図示しない幾つかの受信端末とも接続され得るが、説明を簡略化するために本実施例ではこれらについて考えないものとする。また、この図では送信側IPルータ装置213と第1および第2の受信側IPルータ装置216、217を直結して示しているが、実際のネットワークではこれらの間にも幾つかのパケット転送装置としてのIPルータ装置が配置され得る。
【0026】
さて、マルチキャスト・ネットワーク211では、各端末を識別するためのIPアドレスが割り振られていて、IPパケットの送信を行う際の送信先や送信元を指定するために使用することができるようになっている。マルチキャストパケットには、送信先を示す情報としてマルチキャストアドレスが組み込まれるようになっている。マルチキャストアドレスは、特定のマルチキャストパケットを受信する複数の端末に割り振られているIPアドレスと対応付けるための特定のIPアドレスである。
【0027】
マルチキャスト・ネットワーク211上の送信側IPルータ装置213、第1の受信側IPルータ装置216および第2の受信側IPルータ装置217では、RFC(Request For Comment)“2362”により定められているPIM−SM(Protocol Independent Multicast-Sparse Mode)が動作している。PIM−SMとは、IPルータ装置間でのマルチキャスト配信用のルーティングプロトコルであり、マルチキャスト用の配信木を管理しているものとする。このマルチキャスト用の配信木は、PIM−SMが動作しているIPルータ装置が配置されている木構造になっており、各受信端末214、215等の受信端末は、配置されているいずれかのIPルータ装置に接続されるようになっている。このマルチキャスト用の配信木の頂点に配置されるIPルータ装置は、マルチキャストパケットを送信する送信端末212に隣接した送信側IPルータ装置213である。また、各受信端末214、215等の受信端末が接続されている第1および第2の受信側IPルータ装置216、217等のIPルータ装置は、上流に配置されている送信側IPルータ装置213等のIPルータ装置に対して受信端末の代理を行うようになっている。これにより、本実施例のマルチキャスト用の配信木は、マルチキャストパケットの受信を要求する受信端末に隣接したIPルータ装置から、頂点のIPルータ装置に向けて作成されるようになっている。
【0028】
このようなマルチキャスト・ネットワーク211は、前記したように、たとえば楽曲の著作権を持つ会社がこれらのデータを会員へ配信するサービスを提供する通信システムとして使用されている。一例を考えると、送信端末212とライブラリ218はある会社内のサービス部門に配置されており、送信端末212が、ライブラリ218内に保持されている楽曲のストリーム系データを組み込んだ一連のマルチキャストパケット219を作成するようになっている。ストリーム系データとは、再生の順に先頭から連続した複数のパケットデータを指しており、たとえば楽曲のストリーム系データの場合、これらのパケットをデータを先頭から再生することで楽曲を聴くことができるようになっている。送信側IPルータ装置213は会社内の通信部門に配置されており、送信端末212が楽曲から作成した一連のマルチキャストパケット(ストリーム系データ)219を各受信端末に向けて送信するようになっている。また第1および第2の受信端末214、215は、会員の部屋に備えられたコンピュータなどの通信端末であり、受信した一連のマルチキャストパケット219から楽曲のストリーム系データを取り出して楽曲を再生できるようになっている。これら第1および第2の受信端末214、215の会員は、すでに説明したように同時にCATVの配信局の契約者となっている。なお、これらの会員が接続契約を結んでいるプロバイダを利用しても同様のサービスが可能である。この場合、プロバイダは第1および第2の受信側IPルータ装置216、217を用いて、受信したマルチキャストパケット219をそれぞれ対応した会員の通信端末へ送信することになる。
【0029】
サービスを提供する会社は、たとえばライブラリ218に納められた楽曲の中で音楽のジャンルとしての「ポップス」と「ジャズ」から1曲ずつ提供するようになっており、この楽曲の受信を希望する会員へ送信するためのマルチキャスト配信木が作成されるようになっている。送信端末212から送信されるマルチキャストパケット219は、「ポップス」あるいは「ジャズ」の楽曲のストリーム系データが先頭から分割されて組み込まれた一連のIPパケットである。もっとも、会員の希望に応じてジャンルごとに配信木を別々に作成するようにすることも可能である。
【0030】
図2は、図1で示したネットワークに配置されたIPルータ装置の構成を表わしたものである。ここでは、送信側IPルータ装置213について説明するが、第1および第2の受信側IPルータ装置216、217も同様の構成である。送信側IPルータ装置213には、IPパケットのハードウェア処理を行うハードウェアエンジン221と、IPパケットのIPヘッダ解析および転送処理を行うIPフォワーディング(Forwarding)処理部222が備えられている。ハードウェアエンジン221およびIPフォワーディング処理部222は、それぞれハードウェアドライバ223に接続されており、これを中継して各種データのやりとりを行うようになっている。また、各種プロトコルが動作するプロトコルスタック処理部224が備えられていて、IPフォワーディング処理部222と接続されている。更にハードウェアエンジン221が管理するハードウェア管理テーブル225と、IPフォワーディング処理部222が管理するルーティングテーブルであるマルチキャスト・フォワーディング・エントリ226とが備えられている。このような送信側IPルータ装置213に受信されたパケットは、まずハードウェアエンジン221に入力されるようになっている。
【0031】
送信側IPルータ装置213にはCPU(中央演算処理装置)やROM(リード・オンリ・メモリ)等の記憶媒体を備えた図示しない制御部が配置されていて、この制御部が予め定められた所定のプログラムを実行することで、制御を行うようになっている。ただし、ハードウェアエンジン221については、この図示しない制御部に関わりなく予め定められた処理を行うハードウェアで構成されている。
【0032】
ハードウェアエンジン221は、パケットが入力されるたびにこのパケットに対応した転送用エントリあるいは廃棄用エントリが登録されているかハードウェア管理テーブル225を検索するようになっている。転送用エントリあるいは廃棄用エントリには、それぞれIPパケットのヘッダ情報に対応した送信元アドレス、送信先アドレス、プロトコル番号、送信元ポート番号、送信先ポート番号が格納されている。ハードウェアエンジン221は、エントリに格納されているこれらの情報が受信したIPパケットのヘッダ情報と一致した場合、受信したIPパケットとエントリが一致すると判別するようになっている。これによって一致したエントリが転送用エントリである場合はこのパケットの転送処理を行い、廃棄用エントリである場合はこのパケットの廃棄処理を行うようになっている。転送用エントリには転送処理に必要な情報も格納されており、これを用いてハードウェアエンジン221は転送処理を行うようになっている。また、ここでヘッダ情報がエントリと一致しない場合は、入力されたIPパケットをハードウェアドライバ223を介してIPフォワーディング処理部222へ出力するようになっている。
【0033】
プロトコルスタック処理部224は、マルチキャストプロトコルであるPIM−SMに従って動的なマルチキャスト用の配信木を管理するPIM−SM処理部227を備えている。またPIM−SM処理部227は、IPヘッダ情報228をIPフォワーディング処理部222から受信するようになっている。このPIM−SM処理部227は検索対象となるエントリを保持するエントリテーブル227Tを備えている。このエントリには、IPパケットのヘッダ情報に対応した送信先アドレスと、この送信先アドレスが組み込まれたマルチキャストパケットのマルチキャスト用の配信木で、この送信側IPルータ装置213の直下となるIPルータ装置あるいは受信端末を示す情報が組み込まれるようになっている。送信側IPルータ装置213の図示しない制御部は、エントリテーブル227Tを検索して、エントリに格納されている送信先アドレスが受信したIPパケットのヘッダ情報と一致した場合、このIPパケットとエントリが一致すると判別するようになっている。
【0034】
マルチキャスト・フォワーディング・エントリ226は、IPフォワーディング処理部222が受信したIPパケットのヘッダ情報で検索する検索対象であるエントリを管理するようになっている。このエントリには、IPパケットのヘッダ情報に対応した送信元アドレスと送信先アドレス、またIPパケットを次の転送先へ送り出すために必要な情報として送信側IPルータ装置213の図示しない出力ポートを示す情報などが組み込まれている。この次の転送先へ送り出すために必要な情報は、エントリテーブル227Tのエントリに対応してマルチキャスト配信木で直下のIPルータ装置あるいは受信端末に向けてパケットを出力するための情報を表わすものである。したがって、マルチキャスト配信木上には存在しない中継装置などが、次の転送先として指定される場合もある。送信側IPルータ装置213の図示しない制御部は、エントリに格納されている送信元アドレスおよび送信先アドレスが受信したIPパケットのヘッダ情報と一致した場合、このIPパケットとエントリが一致すると判別するようになっている。
【0035】
IPフォワーディング処理部222は、廃棄用エントリの登録あるいは削除を要求する廃棄用エントリ登録・削除要求229をハードウェアドライバ223へ送信することになる。ハードウェアドライバ223は廃棄用エントリ登録・削除要求229を受信すると廃棄用エントリ登録・削除要求229をハードウェアエンジン221への命令である廃棄用エントリ登録・削除要求230に変換して、ハードウェアエンジン221へ送るようになっている。
【0036】
図3は、本実施例でマルチキャスト転送を行うIPパケットのヘッダ情報のデータ構成を表わしたものである。ヘッダ情報301はIPヘッダ情報とUDP(User Datagram Protocol)ヘッダ情報を合わせたものを指している。UDPヘッダ情報には、本実施例のマルチキャスト転送を行う際、IPプロトコルの上位のプロトコルとなるUDPプロトコルの情報が格納されるようになっている。一般的にUDPプロトコルを用いてマルチキャスト転送を行う際には、このIPパケットを受信する第1あるいは第2の受信端末214、215と送信端末212は直接このIPパケットに関する信号のやり取りを行わないようになっている。これは、送信端末から多数の受信端末にマルチキャストパケットを送信する場合に個々の受信端末と送信するIPパケットについての信号のやり取りを行うことは、送信端末に対する負荷が大きくなるためである。
【0037】
IPヘッダ情報は、インターネットプロトコルのバージョンを示すバージョン302と、IPヘッダの長さを示すヘッダ長303と、IPパケットの品質要求を示すサービスタイプ304と、IPパケットの長さを示すパケット長305と、IPパケットに分割して格納したデータの復元に使用する識別子306と、このIPパケットが分割されたデータの最初、中間あるいは末尾のどれにあたるかを示すフラグ307と、このIPパケットが分割された順番を示すフラグメントオフセット308と、ネットワーク上での生存時間を示す生存時間309と、IPパケットに格納されたデータのプロトコルを示すプロトコル番号310と、誤りを検出するために用いるヘッダチェックサム311と、送信元のIPアドレスを示す送信元アドレス312および送信先のIPアドレスを示す送信先アドレス313で構成されている。図1で説明した送信端末212から送信されるマルチキャストパケット219には、特定のマルチキャストアドレスが、このヘッダ情報301の送信先アドレス313として組み込まれている。
【0038】
次に同じく図3を用いてUDPヘッダ情報のデータ構成について説明する。UDPヘッダ情報は、送信元装置から出力する際の出力ポートを示す送信元ポート番号314と、送信先装置が受信する際の入力ポートを示す送信先ポート番号315と、UDPパケットの長さを示すセグメント長316およびUDPパケットの誤りを検出するために用いるチェックサム317で構成されている。ここでUDPパケットとは、マルチキャスト転送するデータの先頭にUDPヘッダ情報を付加したものを指していて、更にこの先頭にIPパケットのヘッダ情報を付加することで、IPパケットとなるようになっている。
【0039】
図4は、図2に示した送信側IPルータ装置がマルチキャストパケットを受信したときの処理の流れと各種エントリの作成順序について表わしたものである。ただし、エントリテーブル227Tに格納されるエントリについては後で説明を行うものとする。送信側IPルータ装置213が受信したマルチキャストパケット219は、ハードウェアエンジン221に入力されるようになっている。ここでハードウェアエンジン221は、受信したマルチキャストパケット219のヘッダ情報301を用いて、ハードウェア管理テーブル225を検索する(ステップS401)。ここでヘッダ情報301がエントリと一致した場合には(ステップS402:Y)、更にこの一致したエントリが転送用エントリであるか否か判別する(ステップS403)。転送用エントリであった場合には(Y)、ハードウェアエンジン221は転送用エントリの指示に従った転送処理を実施して(ステップS404)、処理を終了する(エンド)。また転送用エントリではない場合(ステップS403:N)、廃棄用エントリに一致したとみなして、ハードウェアエンジン221は廃棄処理を実施し(ステップS405)、処理を終了する(エンド)。ステップS402でエントリに一致しなかった場合には(N)、受信したマルチキャストパケット219をハードウェアドライバ223経由でIPフォワーディング処理部222に出力する。
【0040】
送信側IPルータ装置213の図示しない制御部は、IPフォワーディング処理部222に入力されたマルチキャストパケット219のヘッダ情報301を用いて、マルチキャスト・フォワーディング・エントリ226を検索する(ステップS406)。ヘッダ情報301の送信元アドレス312および送信先アドレス313がエントリの検索対象の情報と一致した場合には(ステップS407:Y)、図示しない制御部が一致したエントリを基にしてハードウェアドライバ223に転送エントリ登録要求を通知し、ハードウェア管理テーブル225への転送エントリの登録を実施する(ステップS408)。この後、マルチキャスト・フォワーディング・エントリ226の一致したエントリに従ったマルチキャストパケット219の転送処理を実施して(ステップS409)、処理を終了する(エンド)。
【0041】
ステップS407でヘッダ情報301がエントリと一致しない場合には(N)、図示しない制御部はPIM−SM処理部227が管理するエントリテーブル227Tを更にヘッダ情報301で検索する(ステップS410)。ここで一致するエントリが存在した場合には(ステップS411:Y)、マルチキャスト・フォワーディング・エントリ226に該当するマルチキャスト転送用のエントリの登録を実施する(ステップS412)。この後、ハードウェア管理テーブル225への転送エントリの登録とマルチキャストパケット219の転送処理を実施して(ステップS408、409)、処理を終了する(エンド)。ステップS411で一致するエントリが存在しない場合には(N)、ヘッダ情報301を付加した廃棄用エントリ作成要求をハードウェアドライバ223へ通知し、ハードウェア管理テーブル225への廃棄用エントリの登録を実施する(ステップS413)。この後、マルチキャストパケット219の廃棄処理を実施して(ステップS414)、処理を終了する(エンド)。
【0042】
このような処理で、たとえばある「ジャズ」の楽曲が組み込まれた一連のマルチキャストパケット219に受信を希望する受信端末がない場合、この楽曲を配信するためのマルチキャスト配信木は作成されず、エントリテーブル227Tにもエントリは存在しない。これらが受信されるとハードウェア管理テーブル225へこれらを廃棄するように指示する廃棄用エントリが登録されるまでは、IPフォワーディング処理部222に入力された後廃棄されるようになっている。しかし、ハードウェア管理テーブル225へこの楽曲のマルチキャストパケット219の廃棄を指示する廃棄用エントリが登録された後は、ハードウェアエンジン221によって廃棄されるようになる。したがって、ある楽曲のストリーム系データが組み込まれた一連のマルチキャストパケット219を連続して廃棄する場合、ハードウェア管理テーブル225に廃棄用エントリが登録された後は、送信側IPルータ装置212のIPフォワーディング処理部222に廃棄処理による負荷を与えない。したがって、一連のマルチキャストパケット219の中で最初に受信したファーストパケットのIPヘッダ解析および転送あるいは廃棄をIPフォワーディング処理部222で行い、これに対応した廃棄用エントリの登録以降受信するマルチキャストパケット219の転送あるいは廃棄をハードウェアエンジン221で行うことで、送信側IPルータ装置212の図示しない制御部の処理の負荷を軽減することができる。
【0043】
図5は、PIM−SM処理部227宛の特定のマルチキャストパケットに対しての受信要求あるいは受信停止要求が組み込まれたIPパケットが、IPルータ装置213に受信された場合の処理の流れを表わしたものである。IPルータ装置213の図示しない制御部は、受信したIPパケットがPIM−SM処理部227宛のIPパケットであるときマルチキャストアドレスによって特定される一連のマルチキャストパケットの受信要求あるいは受信停止を示す情報であるか否かを判別する(ステップS421)。これ以外の場合には(N)、処理を終了する(エンド)。受信要求あるいは受信停止を示す情報が組み込まれていた場合(ステップS421:Y)、これが受信要求を示していれば(ステップS422:Y)、この特定される一連のマルチキャストパケットの送信先を示すエントリがPIM−SM処理部227のエントリテーブル227Tに存在するか判別する(ステップS423)。該当するエントリが存在する場合(Y)、この受信要求を送信してきた受信端末を送信先に追加するエントリの変更を行う(ステップS424)。この変更に伴ってマルチキャスト・フォワーディング・エントリ226に登録されているマルチキャスト転送用のエントリも変更する。この後、この特定される一連のマルチキャストパケットの転送を指示する転送用エントリのハードウェア管理テーブル225からの削除を要求する転送用エントリ削除要求を作成する(ステップS425)。作成された転送用エントリ削除要求は、IPフォワーディング処理部222経由でハードウェアドライバ223に送信して(ステップS426)処理を終了する(エンド)。ハードウェアドライバ223はこの転送用エントリ削除要求をハードウェアエンジン221に渡して、該当する転送用エントリをハードウェア管理テーブル225から削除させるようになっている。
【0044】
また、該当するエントリがPIM−SM処理部227のエントリテーブル227Tに存在しない場合(ステップS423:N)、この特定される一連のマルチキャストパケットの転送先を示すためのエントリを作成し、このエントリテーブル227Tに登録する(ステップS427)。この後、これらマルチキャストパケットの廃棄を指示する廃棄用エントリのハードウェア管理テーブル225からの削除を要求する廃棄用エントリ削除要求を作成する(ステップS428)。作成された廃棄用エントリ削除要求は、IPフォワーディング処理部222経由でハードウェアドライバ223に送信して(ステップS429)処理を終了する(エンド)。ハードウェアドライバ223はこの転送用エントリ削除要求をハードウェアエンジン221に渡して、該当する転送用エントリをハードウェア管理テーブル225から削除させるようになっている。
【0045】
更に、受信停止を示す情報が組み込まれていた場合(ステップS422:N)、該当するエントリがPIM−SM処理部227の図示しないエントリテーブル227Tに存在しなければ(ステップS430:N)、処理を終了する(エンド)。これは、これまで送信先の無かったマルチキャストパケットに対して受信停止が要求された場合であり、行うべき処理は存在しない。該当するエントリがこのエントリテーブル227Tに存在する場合には(ステップS430:Y)、この受信停止を送信してきた受信端末をエントリの送信先から削除する変更を行う。この結果送信先が存在しなくなった場合には、この特定される一連のマルチキャストパケットの送信先を示すエントリ自体の削除を行う(ステップS431)。この変更に伴ってマルチキャスト・フォワーディング・エントリ226に登録されているマルチキャスト転送用のエントリも変更あるいは削除する。この後、このマルチキャストパケットの転送を指示する転送用エントリのハードウェア管理テーブル225からの削除を要求する転送用エントリ削除要求を作成する(ステップS432)。作成された転送用エントリ削除要求は、IPフォワーディング処理部222経由でハードウェアドライバ223に送信して(ステップS433)処理を終了する(エンド)。ハードウェアドライバ223はこの転送用エントリ削除要求をハードウェアエンジン221に渡して、該当する転送用エントリをハードウェア管理テーブル225から削除させるようになっている。
【0046】
さて、ハードウェアエンジン221によって廃棄処理が行われている楽曲のストリーム系データが組み込まれた一連のマルチキャストパケット219に受信希望者が現れた場合は、廃棄処理を停止して、受信希望者への送信を再開する必要がある。この一例として、その楽曲が組み込まれた一連のマルチキャストパケット219の配信経路の作成を要求させる配信希望情報210を受信希望有無確認装置220から第1の受信端末214に送信したときの、第1の受信端末214、第1の受信側IPルータ装置216および送信側IPルータ装置213の処理について説明する。
【0047】
第1の受信端末214は、その楽曲が組み込まれた一連のマルチキャストパケット219の配信経路の作成を要求させる配信希望情報210を受け取ると、これに対応してその楽曲が組み込まれた一連のマルチキャストパケット219の受信を要求する受信要求を組み込んだパケットを作成して、第1の受信側IPルータ装置216に送信する。第1の受信側IPルータ装置216はこのとき、既にハードウェアエンジン221によってIPパケットの廃棄処理が行われているので、PIM−SM処理部227の図示しないエントリテーブル227Tにその楽曲が組み込まれた一連のマルチキャストパケット219に対するエントリは存在しない(図5:ステップS423:N)。従って、このようなIPパケットを受信するとマルチキャストパケット219に組み込まれるマルチキャストアドレスとこの送信先として第1の受信端末214を示すエントリを作成して、このエントリテーブル227Tに登録する(同図:ステップS427)。この後、この楽曲が組み込まれた一連のマルチキャストパケット219の廃棄を指示する廃棄用エントリのハードウェア管理テーブル225からの削除を要求するようになっている(同図:ステップS428、ステップS429)。また、第1の受信側IPルータ装置216は、その楽曲が組み込まれた一連のマルチキャストパケット219の受信を要求する受信要求を組み込んだIPパケットを、送信側IPルータ装置213に送信する。送信側IPルータ装置213はこのIPパケットを受信すると、エントリテーブル227Tに送信先として第1の受信側IPルータ装置216を示すエントリを登録し、ハードウェア管理テーブル225からの廃棄用エントリの削除を要求する。
【0048】
送信側IPルータ装置213のハードウェア管理テーブル225から廃棄用エントリが削除された後は、その楽曲が組み込まれた一連のマルチキャストパケット219を受信しても、廃棄処理は実施されないようになる(図4:ステップS402:N)。また、この受信したマルチキャストパケット219は、PIM−SM処理部227の図示しないエントリテーブル227Tが管理するエントリで、一致するエントリが存在する(同図:ステップS410、ステップS411:Y)。そこで、マルチキャスト・フォワーディング・エントリ226とハードウェア管理テーブル225にそれぞれ対応するエントリと転送用エントリの登録が実施された後(同図:ステップS412、ステップS408)、第1の受信側IPルータ装置216の転送処理が図示しない制御部によって行われる(同図:ステップS409)。以降受信されるその楽曲が組み込まれた一連のマルチキャストパケット219は、ハードウェアエンジン221が転送用エントリの指示に従って第1の受信側IPルータ装置216へ転送処理を行うことになる(同図:ステップS402:Y、ステップS403:Y、ステップS404)。このようにして、第1の受信側IPルータ装置216は、送られてくるその楽曲が組み込まれた一連のマルチキャストパケット219を第1の受信端末214に転送するようになっている。第1の受信端末214は、第1の受信側IPルータ装置216から転送されてくる一連のマルチキャストパケット219を再生することで、その楽曲を聴くことができる。
【0049】
以上説明したように、実施例のハードウェアエンジン221は、送信側IPルータ装置213がハードウェア管理テーブル225に廃棄用エントリを登録することで、一連のマルチキャストパケット219の廃棄処理を行うようになっている。このハードウェア管理テーブル225への廃棄用エントリの登録は、図示しない制御部が制御して行うようになっているが、ハードウェアエンジン221が廃棄処理を開始すると、図示しない制御部は一連のマルチキャストパケット廃棄処理に関わらないため負荷を軽減することができる。このように、ハードウェアで転送あるいは廃棄を行えるまでの間だけ、受信した一連のマルチキャストパケット219のIPヘッダの解析および転送あるいは廃棄をソフトウェアに従った図示しない制御部が行うことで、すべてをこの制御部が行う場合と比較して処理の負荷を下げることができる。また、ハードウェアエンジン221にIPパケットの廃棄処理に最適化された回路を用いることで、廃棄処理の最適化を図ることができる。
【0050】
また、実施例では送信側IPルータ装置213のハードウェア管理テーブル225に廃棄用エントリを登録するために、配信先の無いマルチキャストパケット219をIPフォワーディング処理部222で少なくとも1つは廃棄する必要があった。しかし、配信が予定されている特定のマルチキャストパケット219に対して、配信開始時に配信先となる受信端末が無いことがPIM−SM処理部227等によって確認されている場合、これに対する廃棄用エントリを予めハードウェア管理テーブル225に登録しておいてもよい。こうすることで、配信開始時にIPフォワーディング処理部222で廃棄するマルチキャストパケット219の数を低減させて、送信側IPルータ装置213の図示しない制御部の行うIPフォワーディング処理部222の処理の負荷を軽減することができる。
【0051】
更に実施例では、マルチキャスト送信するデータをストリーム系データとしたが、同一のマルチキャストアドレスが組み込まれた一連のIPパケットであれば、これらにそれぞれ組み込まれるデータに関連性が無くてもよい。また、ストリーム系データは音楽だけではなく音声や動画等のデータあるいはこれらが組み合わされたデータであってもよい。
【0052】
発明の変形の可能性
【0053】
以上説明した実施例では、送信端末212では受信端末が存在することを前提としてマルチキャストパケットを作成し送信している。しかし、本発明は送信者が送信するマルチキャストパケットに対して受信端末の存在する可能性が無い、あるいは著しく低い場合に対しても同様に適用できる。このような一例として、たとえばIPルータ装置の機能低下あるいは機能停止を意図して、受信者の存在しないマルチキャストパケットを大量に送信するDoS(denial of service)攻撃が考えられる。このような一連のマルチキャストパケットに対しても廃棄用エントリを作成できる実施例で示したIPルータ装置を使用することで、会員等の特定の受信端末以外の端末を宛先とした継続的に発生するパケットとして廃棄処理を行わせることができ、特定の受信端末への影響を排除することができる。もちろん、IPルータ装置等のパケット転送装置も廃棄のための専用のハードウェアあるいはソフトウェアの装置が廃棄の処理を行うので、装置本体部分あるいは制御部への影響を最低限に止めることができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、パケット廃棄回路を廃棄専用の回路で構成することで、転送装置の他の回路部分に対する影響を排除することができる。また、登録手段に登録した後は不要な宛先の特定パケットが特別の処理を行うことなくパケット廃棄回路に受け渡され廃棄されるので、パケット転送装置の制御部分における負荷の軽減を実現することができ、特にストリーム系データの場合に顕著な効果を持つことができる。
【0055】
また、請求項2記載の発明によれば、パケット廃棄回路を廃棄専用の回路で構成することで、転送装置の他の回路部分に対する影響を排除することができる。また、ルータ等のパケット転送装置が受信不要情報記憶手段を備え、これで判別した結果を基にして受信端末処理経路選択手段でパケットを廃棄するか否かの振り分けを行っている。したがって、廃棄することがこの時点で判別されたパケットは直ちに廃棄処理されることになり、廃棄処理のための負担が少なくなるだけでなく、不正なパケットが同一の宛先に対して連続的に送られてくるような場合にも受信不要情報記憶手段にこれを加えるだけで迅速な対応が可能になる。
【0056】
また、請求項3記載の発明によれば、廃棄すべき対象ともされず、また積極的に受信端末へ転送するものともされないようなパケットを対象にした処理が可能になる。したがって、たとえば受信者に対してストリーム系データの受信の開始から一定時間以内を検討期間に設定し、この間に受信の継続の希望の有無を確認させるといったビジネスに対してもパケット転送装置の処理の負担を軽減させることができる。
【0057】
更に請求項4記載の発明によれば、ただ一回だけ送信されるパケットについて廃棄の処理を簡略化することができるだけでなく、ストリーム系データの場合にも不要なパケットが受信対象者以外の端末に送られることがないので、これによる不都合を発生させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるIPルータ装置を備えたマルチキャスト・ネットワークの構成を表わしたブロック図である。
【図2】本実施例のIPルータ装置の構成を表わしたブロック図である。
【図3】本実施例におけるIPパケットのヘッダ情報のデータ構造を表わした説明図である。
【図4】本実施例で送信側IPルータ装置が入力されたマルチキャストパケットに行う処理の流れ図である。
【図5】本実施例で送信側IPルータ装置が受信側IPルータ装置からIPパケットを受信した場合の処理の流れ図である。
【符号の説明】
210 配信希望情報
212 送信端末
213、502 送信側IPルータ装置
214 第1の受信端末
215 第2の受信端末
216 第1の受信側IPルータ装置
217 第2の受信側IPルータ装置
218 ライブラリ
221 ハードウェアエンジン
222 IPフォワーディング処理部
223 ハードウェアドライバ
224 プロトコルスタック処理部
225 ハードウェア管理テーブル
226 マルチキャスト・フォワーディング・エントリ
227 PIM−SM処理部
227T エントリテーブル

Claims (6)

  1. パケットを廃棄する処理を専用で行うパケット廃棄回路を備えた第1の装置と、
    特定パケットを受信する可能性のあるそれぞれの受信端末からその特定パケットの受信を希望するか否かを確認する特定パケット受信希望有無確認手段と、この受信希望有無確認手段によって受信を希望しないと判別された受信端末あるいはその特定パケットの受信を希望しない受信端末がすべてであるパケット転送側の経路を判別する転送側経路判別手段と、この転送側経路判別手段の判別結果を登録する登録手段と、パケットを宛先に転送するパケット転送手段と、特定パケットを受信する特定パケット受信手段と、この特定パケット受信手段が前記特定パケットを受信したとき前記登録手段を参照して前記受信を希望しないと判別された受信端末あるいはその特定パケットの受信を希望しない受信端末がすべてである経路を宛先とする特定パケットを前記第1の装置の前記パケット廃棄回路に受け渡す一方、前記特定パケットの受信を希望する受信端末あるいはその特定パケットの受信を希望する受信端末の存在する経路を宛先とする特定パケットを前記パケット転送手段に受け渡すパケット受け渡し手段とを備えた第2の装置
    とを具備することを特徴とするパケット転送装置。
  2. パケットを廃棄する処理を専用で行うパケット廃棄回路を備えた第1の装置と、
    特定の複数の受信端末のいずれかあるいはそれに至る経路を宛先としたパケットを受信するパケット受信手段と、前記特定の複数の受信端末あるいはそれらに至る経路のうち特定パケットの受信を希望しない受信端末あるいは特定パケットの受信を希望しない受信端末がすべてである経路をこれ以外の受信端末あるいは経路から区別する受信不要情報を記憶する受信不要情報記憶手段と、パケットを宛先に転送するパケット転送手段と、前記特定の複数の受信端末に対してこれらが特定パケットの受信を希望していないか否かあるいは所定の経路を経たすべての受信端末が前記特定パケットの受信を希望していないか否かを確認する受信希望有無確認手段と、この受信希望有無確認手段の確認結果を基にした前記受信不要情報を前記受信不要情報記憶手段に登録する受信不要情報登録手段と、前記パケット受信手段が前記特定パケットを受信したときその転送の必要の有無を前記受信不要情報登録手段の登録した受信不要情報によって判別し、受信を希望する受信端末の存在しない経路あるいは受信を希望しない受信端末を直接の宛先とした特定パケットを前記第1の装置の前記パケット廃棄回路に受け渡す一方、受信を希望する受信端末の存在する経路あるいは受信を希望する受信端末を直接の宛先とした特定パケットを前記パケット転送手段に受け渡す受信端末処理経路選択手段とを備えた第2の装置
    とを具備することを特徴とするパケット転送装置。
  3. 前記受信端末処理経路選択手段は、前記受信を希望する受信端末の存在しない経路あるいは受信を希望しない受信端末を直接の宛先とした特定パケット、あるいは前記受信を希望する受信端末の存在する経路あるいは受信を希望する受信端末を直接の宛先とした特定パケット以外の特定パケットが存在するときこれを前記受信希望有無確認手段に確認させることを特徴とする請求項2記載のパケット転送装置。
  4. 前記受信不要情報登録手段は、前記特定の複数の受信端末のいずれかあるいはそれに至る経路に向けて前記特定パケットの送信が開始される時間が予め定められているとき、このパケットが前記パケット受信手段によって受信される前に前記受信希望有無確認手段によって確認された確認結果を前記受信不要情報記憶手段に登録することを特徴とする請求項2記載のパケット転送装置。
  5. 前記受信希望有無確認手段は、前記特定パケットの送信が開始された後に前記特定の複数の受信端末のいずれかが受信を希望するか否かについての変更を生じさせたときこれを検出する変更検出手段を備えており、前記受信不要情報登録手段は変更検出手段の検出した変更を登録することを特徴とする請求項2記載のパケット転送装置。
  6. 前記特定の複数の受信端末はストリーム系のコンテンツを構成する一連のパケットの受信をコンテンツごとに契約する契約者の備える端末であり、前記受信希望有無確認手段は、これらの受信端末の契約によるコンテンツごとの受信の希望の有無で前記特定パケットの受信の有無を確認することを特徴とする請求項2記載のパケット転送装置。
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